JP6997990B2 - pチャンネル電界効果トランジスタ及び増幅回路用半導体素子 - Google Patents

pチャンネル電界効果トランジスタ及び増幅回路用半導体素子 Download PDF

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Description

本発明は、pチャンネル電界効果トランジスタ及び増幅回路用半導体素子に関する。
従来、Siを用いたセンサー素子や制御回路などが1チップ上に集積された半導体ひずみセンサーが知られている(例えば、非特許文献1)。非特許文献1によれば、この半導体ひずみセンサーは、独自開発した耐高温・低クリープ型の金属接合技術を活用することで、マイナス40度~プラス120度の環境下で長期間にわたり高精度な計測が可能となったとされている。
また、従来、n型のGa系結晶を用いたnチャンネル電界効果トランジスタ(FET)が知られている(例えば、特許文献1)。
特許第5807282号公報
"IoTに対応した半導体ひずみセンサーの量産を開始"、[online]、平成27年7月3 日、株式会社日立製作所、日立オートモティブシステムズ株式会社、[平成30年3月27日検索]、インターネット〈 URL:http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2015/07/0703a.html〉
近年、IoT(Internet of Things)技術を用いた省エネ化技術が盛んに研究されており、より多様な機器や設備の省エネ化のために、過酷な環境でも動作可能なセンサーシステムの実現が求められている。
しかしながら、非特許文献1に記載の半導体ひずみセンサーのようなSiを用いたセンサーシステムは、Siの材料物性上、使用可能な上限温度が120度程度であり、また、放射線への耐性が低い。このため、例えば、ボイラーやジェットエンジン、地熱発電システム、原子力発電システムへの適用や、宇宙環境での使用は困難である。
一方、Gaはバンドギャップが4.5~4.9eVと非常に大きく、高温環境下や放射線被曝環境下でも半導体として動作することが期待できる。このため、特許文献1に記載のGa系結晶を用いたnチャンネルFETは、Si結晶を用いた素子と比較して、耐熱性や耐放射線特性において格段に優れる。
しかしながら、現在までGaへのp型ドーピング技術は実現されておらず、Ga中にソース・ドレイン領域が形成されたpチャンネルFETを作ることができない。センサーシステムに用いられる増幅回路を構築するためには、その増幅率を上げるためにnチャンネルFETとpチャンネルFETの両方が必須であるため、現在までGaを用いた実用に耐えうる増幅回路は実現されていない。
本発明の目的は、高温環境や放射線被曝のある環境で使用するセンサーシステムに用いることのできる増幅回路用半導体素子、及びその増幅回路用半導体素子に用いることのできるpチャンネル電界効果トランジスタを提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するために、下記[1]~[3]のpチャンネル電界効果トランジスタ、及び下記[4]~[6]の増幅回路用半導体素子を提供する。
[1]Ga系材料からなるGa系層と、前記Ga系層と接合する、p型のNiOからなるソース領域及びドレイン領域と、前記Ga系層に含まれる、n型又は絶縁性のチャンネル領域と、を備えた、pチャンネル電界効果トランジスタ。
[2]Ga 系材料からなるGa 系層と、前記Ga 系層上のp型のNiOからなるNiO層と、前記NiO層と接合する、p型のNiOからなるソース領域及びドレイン領域と、前記NiO層に含まれる、p型のチャンネル領域と、を備えた、pチャンネル電界効果トランジスタ。
[3]前記ソース領域及び前記ドレイン領域が、前記NiO層上の膜である、上記[2]に記載のpチャンネル電界効果トランジスタ。
]Ga系材料からなるGa系層と、前記Ga系層に含まれる、n型の第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、前記Ga系層に含まれる、n型又は絶縁性の第1のチャンネル領域とを備えた、nチャンネル電界効果トランジスタと、前記Ga系層と、前記Ga系層と接合する、p型のNiOからなる第2のソース領域及び第2のドレイン領域と、前記Ga系層に含まれるn型又は絶縁性の第2のチャンネル領域とを備えた、pチャンネル電界効果トランジスタと、を備えた、増幅回路用半導体素子。
]Ga系材料からなるGa系層と、前記Ga系層に含まれる、n型の第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、前記Ga系層に含まれる、n型又は絶縁性の第1のチャンネル領域とを備えた、nチャンネル電界効果トランジスタと、前記Ga系層上の、p型のNiOからなるNiO層と、前記NiO層と接合する、p型のNiOからなる第2のソース領域及び第2のドレイン領域と、前記NiO層に含まれる、p型の第2のチャンネル領域とを備えた、pチャンネル電界効果トランジスタと、を備えた、増幅回路用半導体素子。
[6]前記第2のソース領域及び前記第2のドレイン領域が、前記NiO層上の膜である、上記[5]に記載の増幅回路用半導体素子。
本発明によれば、高温環境や放射線被曝のある環境で使用するセンサーシステムに用いることのできる増幅回路用半導体素子、及びその増幅回路用半導体素子に用いることのできるpチャンネル電界効果トランジスタを提供することができる。
図1(a)、(b)は、第1の実施の形態に係るpチャンネル電界効果トランジスタ(FET)の垂直断面図である。 図2は、第2の実施の形態に係るpチャンネル電界効果トランジスタ(FET)の垂直断面図である。 図3は、第3の実施の形態に係る半導体素子の一部の垂直断面図である。 図4は、第3の実施の形態に係る増幅回路の回路構成の一例を示す回路図である。 図5は、第4の実施の形態に係る半導体素子の一部の垂直断面図である。
〔第1の実施の形態〕
(pチャンネル電界効果トランジスタの構成)
図1(a)、(b)は、第1の実施の形態に係るpチャンネル電界効果トランジスタ(FET)10の垂直断面図である。
pチャンネルFET10は、Ga系層12と、Ga系層12上に形成されたp型のソース領域13及びドレイン領域14と、Ga系層12の上面のソース領域13とドレイン領域14との間の領域上にゲート絶縁膜15を介して形成されたゲート電極16と、ソース領域13、ドレイン領域14にそれぞれ接続されたソース電極17、ドレイン電極18と、を備える。
Ga系層12は、Ga系材料からなる層である。Ga系層12は、絶縁性又は弱いn型伝導性を有し、典型的には、意図的に添加される不純物を含まないGa系材料からなる。
ここで、Ga系材料とは、Ga、又は、Al、In等の元素が添加されたGaをいう。例えば、Al及びInが添加されたGaである(GaAlIn(1-x-y)(0<x≦1、0≦y<1、0<x+y≦1)であってもよい。Alを添加した場合にはバンドギャップが広がり、Inを添加した場合にはバンドギャップが狭くなる。
pチャンネルFET10(及びpチャンネルFET10を用いた回路)の消費電力を低減するためには、Ga系層12を構成するGa系材料は、単結晶であることが好ましい。Ga系層12を構成するGa系材料が多結晶やアモルファス、もしくはそれらが混合した結晶である場合、単結晶である場合と比べて移動度が低下するため、チャンネルの導通損失が上昇し、pチャンネルFET10(及びpチャンネルFET10を用いた回路)の電力損失が増大するおそれがあるためである。なお、Ga系層12上に、Ga系層12中にチャンネルが形成される他のトランジスタ(例えば、後述するnチャンネルFET30)が形成される場合には、Ga系層12を構成するGa系材料が単結晶であることにより、そのトランジスタの消費電力も低減することができる。
Ga系層12を構成するGa系材料が単結晶である場合、Ga系層12は、例えば、Ga系基板11を下地とするエピタキシャル成長により形成されるエピタキシャル層である。Ga系層12を構成するGa単結晶の結晶構造は、典型的には単斜晶系であるβ型である。
Ga系基板11は、Fe、Mgなどのアクセプター不純物が添加された、Ga系単結晶からなる基板である。Ga系基板11は、アクセプター不純物の添加により高抵抗化されている。なお、MgよりもFeの方がGa系単結晶中での熱拡散が小さく、チャンネル領域まで拡散してデバイス性能を低下させるおそれが少ないため、Ga系基板11へ添加されるアクセプター不純物として好ましい。
pチャンネルFET10は、Ga系層12の内部の表面近傍のソース領域13とドレイン領域14との間に連続する領域、すなわちpチャンネルFET10の動作時にチャンネルが形成される領域(チャンネル領域)にn領域19を有してもよい。n領域19は、イオン注入などによりn型不純物が添加された領域であり、Ga系層12の意図的に添加される不純物を含まない領域が有し得るn型伝導性より強い伝導性を有する。また、Ga系層12にp型不純物が含まれている場合は、そのp型不純物の濃度よりもn領域19に含まれるn型不純物の濃度の方が高い。n領域19の有無により、pチャンネルFET10の閾値電圧などを調整することができる。
図1(a)は、Ga系層12中にn領域19が形成されない場合のpチャンネルFET10の構成を示す。この場合、チャンネルは絶縁性又は弱いn型伝導性を有するGa系層12中に形成される。すなわち、チャンネル領域はGa系層12に含まれる絶縁性又は弱いn型の領域であり、絶縁性又は弱いn型のGa系材料からなる領域である。
図1(b)は、Ga系層12中にn領域19が形成される場合のpチャンネルFET10の構成を示す。この場合、チャンネルはGa系層12に含まれるn型伝導性を有するn領域19中に形成される。すなわち、チャンネル領域はGa系層12に含まれるn型の領域であり、n型のGa系材料からなる領域である。
ソース領域13及びドレイン領域14は、p型のNiOからなる膜により構成され、Ga系層12と良好なヘテロ接合(Ga系層12がn型である場合はヘテロpn接合)を形成する。
従来、バンドギャップの異なる材料により形成されるヘテロpn接合においては、伝導帯、価電子帯、又はその両方にエネルギー障壁が生じるため、n型材料からp型材料への電子の注入、及びp型材料からn型材料へのホールの注入が不可能と考えられてきた。しかしながら、本発明者らは、n型Gaとp型NiOの組み合わせにより、良好なヘテロpn接合が形成可能なことを見出した(Yoshihiro Kokubun et al., “All-oxide p-n heterojunction diodes comprising p-type NiO and n-type β-Ga2O3”, Applied Physics Express 9, 091101 (2016) 参照)。この発明者らの見出したヘテロpn接合の挙動は、それまでの常識を覆す大きな発見である。そして、この発見によって、ソース領域及びドレイン領域と、チャンネル領域を含む層として、良好なヘテロpn接合を形成するp型のNiO膜とn型のGa系層をそれぞれ用いることにより、pチャンネルFETを形成できることを見出し、pチャンネルFET10の発明に到った。
ソース領域13及びドレイン領域14は、典型的には結晶質のNiOから構成されるが、非晶質のNiOを含んでもよい。また、NiOはドーパントを添加しなくてもp型の導電性を示すが、Li等のアクセプター不純物を含んでもよい。ソース領域13及びドレイン領域14がNiO単結晶からなる場合は、Ga系層12を下地とするエピタキシャル成長により形成することができる。
なお、pチャンネルFET10は、Ga系層12を含まず、Ga系層12の代わりにGa系基板11の上層をGa系層として用いてもよい。その場合、Ga系基板11中にチャネル領域が形成される。
ゲート絶縁膜15は、SiO、HfO、AlN、SiN、Al、β-(AlGa1-x(0≦x≦1)などの絶縁材料からなる。ゲート電極16は、例えば、Au、Al、Ti、Sn、Ge、In、Ni、Co、Pt、W、Mo、Cr、Cu、Pbなどの金属、これらの金属のうちの2つ以上を含む合金、又は高濃度のドーパントを含む半導体からなる。ソース電極17及びドレイン電極18は、ソース領域13及びドレイン領域14とオーミック接合を形成するNi等の導電性材料からなる。
(第1の実施の形態の効果)
Ga系材料からなるpチャンネルFET10は、耐熱性や耐放射線特性に優れる。このため、pチャンネルFET10をGa系材料からなるnチャンネルFETと組み合わせることにより、高温環境や放射線被曝のある環境で使用するセンサーシステムに用いることのできる増幅回路を構成することができる。
具体的には、例えば、pチャンネルFET10を増幅回路におけるカレントミラー回路やCMOS増幅回路に用いることができる。なお、増幅回路の具体例については後述する。
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態は、チャネル領域が形成される層の形態において、第1の実施の形態と異なる。なお、第1の実施の形態に含まれるものと同様の部材については、同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
(pチャンネル電界効果トランジスタの構成)
図2は、第2の実施の形態に係るpチャンネル電界効果トランジスタ(FET)20の垂直断面図である。
pチャンネルFET20は、p-NiO層21と、p-NiO層21上に形成されたp型のソース領域13及びドレイン領域14と、p-NiO層21上のソース領域13とドレイン領域14との間にゲート絶縁膜15を介して形成されたゲート電極16と、ソース領域13、ドレイン領域14にそれぞれ接続されたソース電極17、ドレイン電極18と、を備える。
-NiO層21は、p型のNiOからなる膜により構成される。ソース領域13及びドレイン領域14は、典型的には結晶質のNiOから構成されるが、非晶質のNiOを含んでもよい。また、NiOはドーパントを添加しなくてもp型の導電性を示すが、Li等のアクセプター不純物を含んでもよい。
-NiO層21がNiO単結晶からなる場合は、例えば、Ga系単結晶からなるGa系層12を下地とするエピタキシャル成長により形成されるエピタキシャル層である。Ga系層12は、例えば、Ga系基板11を下地とするエピタキシャル成長により形成されるエピタキシャル層である。
pチャンネルFET20の性能を向上させるためには、p-NiO層21を構成するNiOが単結晶に近いほどよい。本発明者らのこれまでの研究によって、Ga系単結晶上に成膜したNiOは比較的良好な結晶性を有することが確認されている。このため、p-NiO層21をGa系層12以外の部材の上に形成することはできるが、Ga系層12のようなGa系単結晶からなる部材の上に形成されることが好ましい。
pチャンネルFET20においては、チャンネルはp型のNiOからなるp-NiO層21中に形成される。すなわち、チャンネル領域はp-NiO層21に含まれるp型の領域であり、p型のNiOからなる領域である。
ソース領域13及びドレイン領域14は、p型のNiOからなる膜により構成され、p-NiO層21に接続される。ソース領域13及びドレイン領域14は、典型的には結晶質のNiOから構成されるが、非晶質のNiOを含んでもよい。ソース領域13及びドレイン領域14を構成するNiO(p-NiO)は、Li等のアクセプター不純物を含み、その濃度は、p-NiO層21を構成するNiO(p-NiO)に含まれるアクセプター不純物の濃度よりも高い。
-NiO層21、ソース領域13及びドレイン領域14がNiO単結晶からなる場合は、ソース領域13及びドレイン領域14をp-NiO層21を下地とするエピタキシャル成長により形成することができる。
pチャンネルFET20においては、ソース領域13及びドレイン領域14を設けずに、p-NiO層21にソース電極17及びドレイン電極18を直接接続してもよい。しかしながら、その場合、p-NiO層21とソース領域13、ドレイン領域14との接触抵抗よりもp-NiO層21とソース電極17、ドレイン電極18との接触抵抗の方が高いため、ソース領域13及びドレイン領域14を設ける場合と比較して、pチャンネルFET20の損失が大きくなる。
なお、pチャンネルFET20は、Ga系層12を含まず、Ga系層12の代わりにGa系基板11の上層をGa系層として用いてもよい。その場合、Ga系基板11上に直接p-NiO層21が形成される。
(第2の実施の形態の効果)
pチャンネルFET20のチャンネル領域を構成するNiOのバンドギャップはおよそ3.7eVであり、第1の実施の形態に係るpチャンネルFET10のチャンネル領域を構成するGa系材料のバンドギャップ(例えばGaはおよそ4.5~4.9eV)よりは小さいが、Siのバンドギャップ(およそ1.1eV)よりは格段に大きい。このため、pチャンネルFET20は、耐熱性や耐放射線特性において、pチャンネルFET10には及ばないが、従来のSiを用いたpチャンネルFETよりは格段に優れる。
このため、pチャンネルFET10と同様に、pチャンネルFET20をGa系材料からなるnチャンネルFETと組み合わせることにより、高温環境や放射線被曝のある環境で使用するセンサーシステムに用いることのできる増幅回路を構成することができる。具体的には、例えば、pチャンネルFET20を増幅回路におけるカレントミラー回路やCMOS増幅回路に用いることができる。なお、増幅回路の具体例については後述する。
〔第3の実施の形態〕
第3の実施の形態は、第1の実施の形態に係るpチャンネルFETと、同一基板上に形成されたnチャンネルFETを含む、増幅回路用の半導体素子についての形態である。なお、第1、2の実施の形態に含まれるものと同様の部材については、同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
(半導体素子の構成)
図3は、第3の実施の形態に係る半導体素子1の一部の垂直断面図である。半導体素子1は、第1の実施の形態に係るpチャンネルFET10と、nチャンネル電界効果トランジスタ(FET)30とを含む。nチャンネルFET30は、pチャンネルFET10と同様にGa系材料からなるトランジスタであり、耐熱性や耐放射線特性に優れる。
nチャンネルFET30は、Ga系層12と、Ga系層12の内部の表面近傍に形成されたソース領域33及びドレイン領域34と、Ga系層12の上面のソース領域33とドレイン領域34との間の領域上にゲート絶縁膜35を介して形成されたゲート電極36と、ソース領域33、ドレイン領域34にそれぞれ接続されたソース電極37、ドレイン電極38と、を備える。
ソース領域33及びドレイン領域34は、イオン注入などによりn型不純物が添加された領域である。ソース領域33及びドレイン領域34は、Ga系層12に含まれるn型の領域であり、n型のGa系材料からなる領域である。
nチャンネルFET30は、Ga系層12の内部の表面近傍のソース領域33とドレイン領域34との間に連続する領域、すなわちnチャンネルFET30の動作時にチャンネルが形成される領域にn領域39を有してもよい。n領域39は、イオン注入などによりn型不純物が添加された領域であり、Ga系層12の意図的に添加される不純物を含まない領域が有し得るn型伝導性より強く、ソース領域33及びドレイン領域34より弱いn型伝導性を有する。n領域39の有無により、nチャンネルFET30の閾値電圧などを調整することができる。
Ga系層12中にn領域39が形成されない場合、チャンネルは絶縁性又は弱いn型伝導性を有するGa系材料中に形成される。すなわち、チャンネル領域は絶縁性又は弱いn型伝導性を有するGa系材料からなる。
Ga系層12中にn領域39が形成される場合、チャンネルはn型伝導性を有するGa系材料(n領域39)中に形成される。すなわち、チャンネル領域はn型伝導性を有するGa系材料からなる。
nチャンネルFET30は、pチャンネルFET10と同じくGa系基板11上に形成される。すなわち、pチャンネルFET10とnチャンネルFET30は、同一基板上に形成される。また、pチャンネルFET10とnチャンネルFET30は、Ga系層12を共用する。
半導体素子1においては、nチャンネルFET30とpチャンネルFET10との素子分離のため、Ga系層12は絶縁性であることが求められる。Ga系層12を絶縁性にするためには、Ga系層12を構成するGa系材料にN、Mg、Fe、Znなどのp型不純物を添加する方法や、Ga系層12を構成するGa系材料に意図的に不純物を添加せず、かつ意図せずに混入する不純物の濃度を零に近づける方法がある。
Ga系層12がp型不純物を含む場合は、n領域39において、n型不純物でp型不純物を補償しつつ、その差分によりキャリアを発生させることになる。このため、キャリア濃度の制御(差分の制御)が困難にならないように、Ga系層12に含まれるp型不純物の濃度をn領域39に含まれるn型不純物の濃度よりも低くすることが好ましく、製造安定性の観点からは、Ga系層12に含まれるp型不純物の濃度をn領域39に含まれるn型不純物の濃度の1/10以下にすることが好ましい。
なお、pチャンネルFET10とnチャンネルFET30の位置関係は、図3に示されるものに限定されず、半導体素子1が適用される増幅回路の回路構成に依って適宜設定される。また、それぞれ2個以上のpチャンネルFET10とnチャンネルFET30が半導体素子1に含まれていてもよい。
また、半導体素子1は、Ga系層12を含まず、Ga系層12の代わりにGa系基板11の上層をGa系層として用いてもよい。その場合、Ga系基板11中にpチャンネルFET10とnチャンネルFET30のチャネル領域が形成される。
図4は、半導体素子1が適用された増幅回路3の回路構成の一例を示す回路図である。図4に示される増幅回路3は、nチャンネルトランジスタM1~M3、M7、及びpチャンネルトランジスタM4~M6を有する。
nチャンネルトランジスタM1~M3は、作動増幅回路を構成する。pチャンネルトランジスタM4、M5は、作動増幅回路の増幅率を向上させるためのカレントミラー回路を構成する。pチャンネルトランジスタM6、nチャンネルトランジスタM7は、増幅率をさらに向上させるためのCMOS増幅回路を構成する。
この増幅回路3においては、nチャンネルトランジスタM1~M3、M7として半導体素子1のnチャンネルFET30を用いることができ、pチャンネルトランジスタM4~M6として半導体素子1のpチャンネルFET10を用いることができる。
(第3の実施の形態の効果)
半導体素子1は、耐熱性や耐放射線特性に優れるpチャンネルFET10とnチャンネルFET30を用いて構成されるため、高温環境や放射線被曝のある環境で使用するセンサーシステムに用いられる増幅回路に適用することができる。
〔第4の実施の形態〕
第4の実施の形態は、半導体素子を構成するpチャンネルFETの構成において第3の実施の形態と異なる。なお、第1~3の実施の形態に含まれるものと同様の部材については、同じ符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
(半導体素子の構成)
図5は、第4の実施の形態に係る半導体素子2の一部の垂直断面図である。半導体素子2は、第2の実施の形態に係るpチャンネルFET20と、nチャンネルFET30とを含む。
nチャンネルFET30は、pチャンネルFET20と同じくGa系基板11上に形成される。すなわち、pチャンネルFET20とnチャンネルFET30は、同一基板上に形成される。また、pチャンネルFET20とnチャンネルFET30は、Ga系層12を共用する。
なお、pチャンネルFET20とnチャンネルFET30の位置関係は、図5に示されるものに限定されず、半導体素子2が適用される増幅回路の回路構成に依って適宜設定される。また、それぞれ2個以上のpチャンネルFET20とnチャンネルFET30が半導体素子2に含まれていてもよい。
また、半導体素子2は、Ga系層12を含まず、Ga系層12の代わりにGa系基板11の上層をGa系層として用いてもよい。その場合、Ga系基板11中にnチャンネルFET30のチャネル領域が形成され、pチャンネルFET10のp-NiO層21がGa系基板11上に直接形成される。
半導体素子2は、半導体素子1が適用される増幅回路と同様の回路構成を有する増幅回路に適用することができる。例えば、図4に示される増幅回路3に半導体素子2を適用する場合、nチャンネルトランジスタM1~M3、M7としてnチャンネルFET30を用いることができ、pチャンネルトランジスタM4~M6としてpチャンネルFET20を用いることができる。
(第4の実施の形態の効果)
半導体素子2は、耐熱性や耐放射線特性に優れるpチャンネルFET20とnチャンネルFET30を用いて構成されるため、高温環境や放射線被曝のある環境で使用するセンサーシステムに用いられる増幅回路に適用することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されず、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、pチャンネルFET10及びnチャンネルFET30は、ゲート絶縁膜を含まず、ゲート電極16、36がGa系層12にショットキー接触したMESFETであってもよい。同様に、pチャンネルFET20は、ゲート絶縁膜を含まず、ゲート電極16がp-NiO層21にショットキー接触したMESFETであってもよい。
また、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
1、2…半導体素子、 3…増幅回路、 10、20…pチャンネルFET、 30…nチャンネルFET、 11…Ga系基板、 12…Ga系層、 13、33…ソース領域、 14、34…ドレイン領域、 17、37…ソース電極、 18、38…ドレイン電極、 16、36…ゲート電極、 21…p-NiO層

Claims (6)

  1. Ga系材料からなるGa系層と、
    前記Ga系層と接合する、p型のNiOからなるソース領域及びドレイン領域と、
    前記Ga系層に含まれる、n型又は絶縁性のチャンネル領域と、
    を備えた、pチャンネル電界効果トランジスタ。
  2. Ga 系材料からなるGa 系層と、
    前記Ga 系層上のp型のNiOからなるNiO層と、
    前記NiO層と接合する、p型のNiOからなるソース領域及びドレイン領域と、
    前記NiO層に含まれる、p型のチャンネル領域と、
    を備えた、pチャンネル電界効果トランジスタ。
  3. 前記ソース領域及び前記ドレイン領域が、前記NiO層上の膜である、
    請求項2に記載のpチャンネル電界効果トランジスタ。
  4. Ga系材料からなるGa系層と、前記Ga系層に含まれる、n型の第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、前記Ga系層に含まれる、n型又は絶縁性の第1のチャンネル領域とを備えた、nチャンネル電界効果トランジスタと、
    前記Ga系層と、前記Ga系層と接合する、p型のNiOからなる第2のソース領域及び第2のドレイン領域と、前記Ga系層に含まれるn型又は絶縁性の第2のチャンネル領域とを備えた、pチャンネル電界効果トランジスタと、
    を備えた、増幅回路用半導体素子。
  5. Ga系材料からなるGa系層と、前記Ga系層に含まれる、n型の第1のソース領域及び第1のドレイン領域と、前記Ga系層に含まれる、n型又は絶縁性の第1のチャンネル領域とを備えた、nチャンネル電界効果トランジスタと、
    前記Ga系層上の、p型のNiOからなるNiO層と、前記NiO層と接合する、p型のNiOからなる第2のソース領域及び第2のドレイン領域と、前記NiO層に含まれる、p型の第2のチャンネル領域とを備えた、pチャンネル電界効果トランジスタと、
    を備えた、増幅回路用半導体素子。
  6. 前記第2のソース領域及び前記第2のドレイン領域が、前記NiO層上の膜である、
    請求項5に記載の増幅回路用半導体素子。
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