JP2011082331A - 半導体素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】InaGa1−aNチャネル層9、AlxInyGa1−x−yNバリア層10、およびInbGa1−bNキャップ層11により分極接合を形成する(0≦a、b、c<0.02)。また、上記バリア層の膜厚T及びAl組成xは、41<T<310(単位:nm)、0.08≦x<0.12、又は30<T<150、0.12≦x<0.16、又は24<T<92、0.16≦x<0.20、又は19<T<62、0.20≦x<0.24、又は16<T<45、0.24≦x<0.28、又は14<T<34、0.28≦x<0.32、又は12<T<27、0.32≦x<0.36、又は11<T<22、0.36≦x<0.40のいずれかの範囲にある。
【選択図】図6
Description
分極接合は、ヘテロ接合界面において分極電荷の発生する半導体を用いて、作製することが可能である。分極接合を作製することが可能な半導体として、例えば、窒化物半導体、酸化物半導体、及びSiCなどがあげられる。
AlxInyGa1−x−yN 式(1)
で表わされる。(式中x及びyは、0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1を満足させる数値をもつものとする。)
分極接合は半導体のpn接合の一種である。そのためpn接合を有する様々な半導体素子に適用することが可能である。例えば、pnダイオード、ショットーバリアダイオード、および電界効果方トランジスタなどに応用することが可能である。
ただし、分極接合は、従来のpn接合と比較して、高性能な分極接合を歩留まりよく作製することが非常に難しい。従来のpn接合は、イオン注入等の不純物ドーピング技術を用いて作製されるため、電子および正孔の濃度を自由に設計することが可能である。一方、分極接合は、ヘテロ接合界面の分極を用いて作製される。窒化物半導体による分極接合における、電子および正孔の濃度は、窒化物半導体の組成、および膜厚に対して急激に変化をする。電子および正孔の濃度の変化は、半導体素子特性に大きな影響をあたえる。そのため、窒化物半導体による分極接合を有する半導体素子において、高性能な半導体素子を高い歩留まりで作製するための、素子設計技術が必要とされている。
(1)図2に本発明による分極接合の概略図をしめす。少なくとも、InaGa1−aNからなる第一層4、AlxInyGa1−x−yNからなる第二層5、及びInbGa1−bNからなる第三層6を含んで構成され、上記第二層は、上記第一層、及び上記第三層の間に配置されており、上記aは0≦a<0.02の範囲にあり、上記bは0≦b<0.02の範囲にあり、上記yは0≦y<0.02の範囲にあり、これにより形成される分極接合を有することを特徴とする。
(4)少なくとも、上記第一層、及び第二層の間、又は、上記第二層、及び第三層の間に、スペーサー層が設けられており、かつ、上記スペーサ層の膜厚は2nm以下である。
(5)上記半導体素子は、電力用途に用いられるショットキーバリアダイオードとすることができる。
(6)上記半導体素子は、電力用途に用いられるpnダイオードとすることができる。
(7)上記半導体素子は、電力用途に用いられる電界効果型トランジスタとすることができ、キャリヤが電子または正孔である。
(8)上記半導体素子は、キャリヤが電子および正孔である電界効果型トランジスタを用いた、相補型電界効果型トランジスタとすることができる。また、本発明による構造設計技術はn型、p形電界効果トランジスタだけでなく、ノーマリオン型、ノーマリオフ型の電界効果トランジスタに適用できる。
図2に示した分極接合における、素子構造と素子特性の関係の概略図を図4に示す。ここで、素子構造として、AlxInyGa1−x−yN層5における、Al組成xおよび膜厚Tに注目する。Al組成xが小さすぎるとオン抵抗が増加し、また、大きすぎると素子耐圧が低下する傾向がある。また、膜厚Tが小さすぎるとオン抵抗が増加し、また、大きすぎると素子耐圧が低下する傾向がある。そのため、低いオン抵抗及び高い素子耐圧を同時に実現するためには、図4に示すように、構造設計における「許容範囲」が存在する。この「許容範囲」から外れると素子特性が急激に悪化する。
一方、膜厚Tを厚くするとオン抵抗の増加および耐圧の急激な低下が発生する。低いn型オン抵抗およびp型オン抵抗、および高い素子耐圧を同時にもつ高性能な半導体素子を高い歩留まりで作製するためには、膜厚Tの「許容範囲」が存在する。
以下では、本発明をダイオードに適用した場合における、実施の形態を図面により説明する。図6は、本発明を適用したショットキーバリアダイオードの一例を模式的に示すものである。
単結晶基板7の上に、結晶成長により窒化物半導体層を形成する。単結晶基板7には、Sapphire、SiC、Si、及びGaN等を用いることが出来る。結晶成長7には、有機金属気相成長法、及び分子線エピタキシー法などの、既存の成長法を用いることが出来る。
上記InaGa1−aNチャネル層9、AlxInyGa1−x−yNバリア層10、及びInbGa1−bNキャップ層11により、分極接合16が形成される。
アノード補助電極14は、正孔に対してオーミック特製を有しており、既存の窒化物半導体素子におけるオーミック電極の形成技術を用いることができる。アノード補助電極14の材料は、特に限定されないが、例えば、Ni系合金およびPt系合金などがあげられる。
以下では、本発明を電界効果型トランジスタに適用した場合における、実施の形態を図面により説明する。図7は、本発明を適用した電界効果型トランジスタの一例を模式的に示すものである。
単結晶基板7の上に、結晶成長により窒化物半導体層を形成する。単結晶基板7には、Sapphire、SiC、Si、及びGaN等を用いることが出来る。結晶成長7には、有機金属気相成長法、及び分子線エピタキシー法などの、既存の成長法を用いることが出来る。
上記InaGa1−aNチャネル層9、AlxInyGa1−x−yNバリア層10、及びInbGa1−bNキャップ層11により、分極接合16が形成される。
ソース補助電極19は、正孔に対してオーミック特性を有しており、既存の窒化物半導体素子におけるショットキー電極の形成技術を用いることができる。ソース補助電極19の材料は、特に限定されないが、例えば、Ni系合金およびPt系合金などがあげられる。また、ソース電極18及びソース補助電極19は、電気的に接続されている。
2 AlGaN層
3 GaN層
4 InaGa1−aN層
5 AlxInyGa1−x−yN層
6 InbGa1−bN層
7 単結晶基板
8 成長初期層
9 InaGa1−aNチャネル層
10 AlxInyGa1−x−yNバリア層
11 InbGa1−bNキャップ層
12 p−InGaNコンタクト層
13 アノード電極
14 アノード補助電極
15 カソード電極
16 分極接合
17 スペーサ層
18 ソース電極
19 ソース補助電極
20 ゲート電極
21 ドレイン電極
Claims (8)
- 少なくとも、InaGa1−aNからなる第一層、AlxInyGa1−x−yNからなる第二層、及びInbGa1−bNからなる第三層を含んで構成され、上記第二層は、上記第一層、及び上記第三層の間に配置されていて、これにより形成される分極接合を有し、
上記aは0≦a<0.02の範囲にあり、
上記bは0≦b<0.02の範囲にあり、
上記yは0≦y<0.02の範囲にあり、
上記第二層における膜厚T、及びAl組成xは、
41nm<T<310nm、及び0.08≦x<0.12、
又は、30nm<T<150nm、及び0.12≦x<0.16、
又は、24nm<T<92nm、及び0.16≦x<0.20、
又は、19nm<T<62nm、及び0.20≦x<0.24、
又は、16nm<T<45nm、及び0.24≦x<0.28、
又は、14nm<T<34nm、及び0.28≦x<0.32、
又は、12nm<T<27nm、及び0.32≦x<0.36、
又は、11nm<T<22nm、及び0.36≦x<0.40
のいずれかの範囲にあることを特徴とする半導体素子。 - 上記第二層における膜厚T、及びAl組成xは、
59nm<T<310nm、及び0.08≦x<0.12、
又は、43nm<T<150nm、及び0.12≦x<0.16、
又は、33nm<T<92nm、及び0.16≦x<0.20、
又は、27nm<T<62nm、及び0.20≦x<0.24、
又は、23nm<T<45nm、及び0.24≦x<0.28、
又は、20nm<T<34nm、及び0.28≦x<0.32、
又は、17nm<T<27nm、及び0.32≦x<0.36、
又は、15nm<T<22nm、及び0.36≦x<0.40
のいずれかの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。 - 上記第一層、及び第二層、及び第三層は、意図的な不純物のドーピングを行わずに形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子。
- 少なくとも、上記第一層、及び第二層の間、又は、上記第二層、及び第三層の間に、スペーサー層が設けられており、
かつ、上記スペーサ層の膜厚は2nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子。 - 上記半導体素子は、電力用途に用いられるショットキーバリアダイオードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体素子。
- 上記半導体素子は、電力用途に用いられるpnダイオードであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体素子。
- 上記半導体素子は、電力用途に用いられる電界効果型トランジスタであり、キャリヤが電子または正孔であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体素子。
- 上記半導体素子は、キャリヤが電子および正孔である電界効果型トランジスタを用いた相補型電界効果型トランジスタであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の半導体素子。
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