JP6996724B1 - 情報提供方法、情報提供システム及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】安価かつ高精度に推定された炉内の空気比に関する情報を予め定めた端末に提供する。【解決手段】情報提供方法は、燃料ガスと空気が供給される炉内で燃焼する火炎から検出される、OH自発光の光量とNH自発光の光量とに基づいて、OH自発光とNH自発光の光量比を算出する第1の処理と、光量比と空気比との関係を与える検量線と第1の処理で算出された光量比との照合により、炉内における現在の空気比を推定する第2の処理と、推定された空気比に関する情報を、予め定めた端末に提供する第3の処理と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、情報提供方法、情報提供システム及びプログラムに関する。
工業炉には、燃料の燃焼のために空気が供給される。炉内に供給される空気比は、均圧弁等により決定される。ここでの「空気比」とは、供給する燃料の燃焼に必要な理論空気量に対する実際に供給する空気量の比率のことである。
特許文献1には、炉内状況に基づいて、炉内が予め設定された状況となるように加熱装置への燃焼用空気の供給量を制御する装置が記載されている。
特開2014-29244号公報
空気比は、予め定めた値となるように空気弁等で調整されるが、空気弁の経年劣化等を原因として実際の空気比が目標値と一致しない可能性がある。
そこで、空気比を測定する目的で酸素濃度計やガスクロマトグラフィーを炉内に配置する手法が提案されているが、これらのデバイスは高価な上に耐久性がない。また、これらのデバイスによる測定は、侵入空気を考慮することができない。
本発明は、安価かつ高精度に推定された炉内の空気比に関する情報を予め定めた端末に提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、燃料ガスと空気が供給される炉内で燃焼する火炎から検出される、OH自発光の光量とNH自発光の光量とに基づいて、当該OH自発光と当該NH自発光の光量比を算出する第1の処理と、前記光量比と空気比との関係を与える検量線と前記第1の処理で算出された光量比との照合により、前記炉内における現在の空気比を推定する第2の処理と、推定された空気比に関する情報を、予め定めた端末に提供する第3の処理と、を有し、前記検量線は、前記OH自発光と前記NH自発光の光量比と空気比との線形の関係を与える、情報提供方法である。
請求項2に記載の発明は、前記空気比に関する情報は、指定の期間内に検出された空気比の履歴である、請求項1に記載の情報提供方法である。
請求項3に記載の発明は、前記空気比に関する情報は、指定の期間内に検出された空気比の履歴を解析して得られる炉の状態である、請求項1に記載の情報提供方法である。
請求項4に記載の発明は、燃料ガスと空気が供給される炉内で燃焼する火炎から検出される、OH自発光の光量とNH自発光の光量とに基づいて、当該OH自発光と当該NH自発光の光量比を算出する算出部と、前記光量比と空気比との関係を与える検量線と前記算出部で算出された光量比との照合により、前記炉内における現在の空気比を推定する推定部と、推定された空気比に関する情報を、予め定めた端末に提供する提供部と、を有し、前記検量線は、前記OH自発光と前記NH自発光の光量比と空気比との線形の関係を与える、情報提供システムである。
請求項5に記載の発明は、前記提供部は、指定の期間内に検出された空気比の履歴を、前記空気比に関する情報として提供する、請求項4に記載の情報提供システムである。
請求項6に記載の発明は、指定の期間内に検出された空気比の履歴を解析する解析部を更に有し、前記提供部は、前記履歴を解析して得られる炉の状態を、前記空気比に関する情報として提供する、請求項4に記載の情報提供システムである。
請求項7に記載の発明は、コンピュータに、燃料ガスと空気が供給される炉内で燃焼する火炎から検出される、OH自発光の光量とNH自発光の光量とに基づいて、当該OH自発光と当該NH自発光の光量比を算出する機能と、前記光量比と空気比との関係を与える検量線と前記算出する機能で算出された光量比との照合により、前記炉内における現在の空気比を推定する機能と、推定された空気比に関する情報を、予め定めた端末に提供する機能と、を実現させるためのプログラムであり、前記検量線は、前記OH自発光と前記NH自発光の光量比と空気比との線形の関係を与える、ことを特徴とするプログラムである。
請求項1記載の発明によれば、安価かつ高精度に推定された炉内の空気比に関する情報を予め定めた端末に提供できる。
請求項2記載の発明によれば、指定の期間における炉内の空気比の推移の確認を可能にできる。
請求項3記載の発明によれば、指定の期間における炉の状態の確認を可能にできる。
請求項4記載の発明によれば、安価かつ高精度に推定された炉内の空気比に関する情報を予め定めた端末に提供できる。
請求項5記載の発明によれば、指定の期間における炉内の空気比の推移の確認を可能にできる。
請求項6記載の発明によれば、指定の期間における炉の状態の確認を可能にできる。
請求項7記載の発明によれば、安価かつ高精度に推定された炉内の空気比に関する情報を予め定めた端末に提供できる。
実施の形態1で想定する燃焼炉システムの構成例を示す図である。 実施の形態1で使用する光学センサとユーザ端末の構成例を説明する図である。(A)は光学センサの構成例であり、(B)はユーザ端末の構成例である。 検量線データを説明する図である。 実施の形態1で使用するユーザ端末の処理動作例を説明するフローチャートである。 ユーザ端末の表示画面の例を説明する図である。 実施の形態2で想定する燃焼炉システムの構成例を示す図である。 クラウドサーバの構成例を説明する図である。 実施の形態2で使用するユーザ端末の処理動作例を説明するフローチャートである。 実施の形態2で使用するクラウドサーバの処理動作例を説明するフローチャートである。 クラウドサーバが提供する空気比の履歴とレポートの提供例を説明する図である。(A)は空気比の履歴の提供例であり、(B)はレポートの提供例である。 実施の形態3で想定する燃焼炉システムの構成例を示す図である。 実施の形態3で使用するクラウドサーバの処理動作例を説明するフローチャートである。 実施の形態4で想定する燃焼炉システムの構成例を示す図である。 実施の形態4で想定する燃焼炉システムで実行される処理動作例を説明するシーケンス図である。 実施の形態5で想定する燃焼炉システムの構成例を示す図である。 実施の形態5で想定する燃焼炉システムで実行される処理動作例を説明するフローチャートである。 実施の形態6で想定する燃焼炉システムの構成例を示す図である。 実施の形態6で想定する燃焼炉システムで使用されるクラウドサーバの処理動作例を説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1で想定する燃焼炉システム1の構成例を示す図である。
図1に示す燃焼炉システム1は、空気を含む混合ガスを燃焼する工業炉が設置される建屋内や敷地内に設けられる。図中に示す破線は、工業炉が設置されている建屋又は敷地の外縁を表している。燃焼炉システム1は、情報提供システムの一例である。
本実施の形態における混合ガスは、燃料ガスに空気を予混合したガスである。例えばアンモニア含有ガスを、混合ガスとして使用する。アンモニア含有ガスには、例えばアンモニアガスやアンモニアを、都市ガスやLPGガス等の炭化水素系燃料に混合したガスがある。
都市ガスは、例えばメタンを主成分とする天然ガスであり、LPGガスは、例えばプロパンやブタンを主成分とする液化石油ガスである。
図1に示す燃焼炉システム1は、炉室10と、火炎11に含まれる2種類のラジカル自発光の発光強度を測定する光学センサ20と、炉室10の状態を監視するユーザAが使用するユーザ端末30Aとで構成される。図1の例では、ユーザ端末30Aがスマートフォンの場合を表している。
図1に示すユーザ端末30Aの画面には、炉室10内の現在の空気比が表示される。本実施の形態の場合、空気比は、ユーザ端末30Aにおいて算出される。
図1の場合、ユーザ端末30Aは1台であるが、複数台でもよい。複数台のユーザ端末30Aは、建屋内又は敷地内にいる複数人のユーザが携帯する。
図1の場合、ユーザ端末30Aとしてスマートフォンを例示するが、タブレット型のコンピュータ、スマートウォッチ、スマートグラスでもよい。なお、ユーザ型のコンピュータは、ノート型のコンピュータやデスクトップ型のコンピュータでもよい。
炉室10内には、混合ガスを燃焼するバーナー12が設けられている。このバーナー12には、配管13を通じて混合ガスが供給される。燃焼により発生するガスや未燃焼の混合ガス等(以下「排気ガス」ともいう)は、排気用の配管14から大気中に排出される。排気用の配管14は、燃焼により発生した煙が大気中に排出される道の意味で「煙道」とも呼ばれる。
配管13は、アンモニア含有ガスが供給される主管と空気が供給される枝管で構成され、枝管にはバルブ13Aが取り付けられている。本実施の形態の場合、バルブ13Aの開度の調整は、ユーザAの操作により実現される。すなわち、ユーザAが、ユーザ端末30Aに表示される空気比を参照し、目標値に一致するようにバルブ13Aの開度を調整する。換言すると、本実施の形態における空気比の調整は、オフライン操作による。
なお、本実施の形態では、空気が供給される配管側にのみバルブ13Aを設けているが、燃料ガスが供給される配管側にのみバルブ13Aを設けてもよいし、空気が供給される配管と燃料ガスが供給される配管の双方にバルブ13Aを設けてもよい。
本実施の形態における光学センサ20は、火炎11に含まれる2種類のラジカル自発光の発光強度をリアルタイムで測定し、それらの測定値を、送信機25を通じてユーザ端末30Aに送信する。本実施の形態の場合、送信機25は、光学センサ20と通信ケーブルを通じて接続されている。
送信機25とユーザ端末30Aとの通信には、例えば無線LAN(=Local Area Network)やブルートゥース(登録商標)が用いられる。
もっとも、送信機25とユーザ端末30Aとの通信に、4Gや5G等の移動通信システムを使用してもよい。その場合、送信機25には、SIM(=Subscriber Identity Module)カードやeSIMの内蔵が必要である。
この他、送信機25は、LANケーブルやUSBケーブルを通じてユーザ端末30Aに2種類のラジカル自発光の発光強度を送信してもよい。
本実施の形態の場合、2種類のラジカル自発光の発光強度は、OH自発光とNH自発光の発光強度である。
OH自発光とNH自発光は、紫外線帯域の波長を有する光である。OH自発光は306.5nmを中心波長とするラジカル自発光であり、NH自発光は336nmを中心波長とするラジカル自発光である。
OH自発光とNH自発光は、紫外線帯域の波長を有する光であるので、可視光の影響を除外した発光強度の測定が可能である。換言すると、炉壁から輻射される可視光の測定結果への影響を除外できる。
因みに、炉壁から輻射される可視光は、おおよそ400nm~600nmの波長を有している。炉壁から輻射される可視光の発光強度は、400nm付近から徐々に増加し、500nm付近ではOH自発光の何十倍もの強度になる。
しかし、本実施の形態では、紫外線帯域の波長を有するラジカル自発光に着目することにより、可視光の影響を除外する。
OH自発光とNH自発光の発光強度は、炉室10内に実在する空気と燃料ガスの比率を反映する。すなわち、発光強度の測定値は、配管13を通じて炉室10に供給される空気だけでなく、炉室10の開口や隙間等から侵入する空気の影響も反映する。
従って、OH自発光とNH自発光の発光強度には、炉室10内に実在する全ての空気の情報が含まれている。
図1の場合、光学センサ20は、炉室10の底部に設けられているが、設置の場所及び設置の個数は任意である。例えば光学センサ20は、炉室10の側面や天井に配置してもよい。また、光学センサ20は、炉室10内に複数設けてもよい。複数の光学センサ20は、炉室10に対して複数であれば、1つの壁面には1つでもよいし、1つの壁面に複数でもよい。ここでの壁面は、底部、天井、側面の全てを含む。
<装置構成>
図2は、実施の形態1で使用する光学センサ20とユーザ端末30Aの構成例を説明する図である。(A)は光学センサ20の構成例であり、(B)はユーザ端末30Aの構成例である。
図2(A)に示す光学センサ20は、OH自発光の測定に用いる第1のセンサ21と、NH自発光の測定に用いる第2のセンサ22とで構成されている。
第1のセンサ21は、耐熱性を有する光学素子21Aと、OH自発光に対応する波長の光を選択的に透過させるバンドパスフィルタ21Bと、バンドパスフィルタ21Bを透過した光の強度に応じた電気信号を出力する半導体センサ21Cとで構成される。
本実施の形態の場合、バンドパスフィルタ21Bは、306.5nmを中心波長とし、中心波長に対して±10nmの帯域幅を有している。すなわち、バンドパスフィルタ21Bは、296.5nm~316.5nmの波長域の紫外光を透過する。
本実施の形態の場合、半導体センサ21Cには、例えば浜松フォトニクスのS12698シリーズを使用する。半導体センサ21Cから送信機25には、OH自発光の発光強度を表す電気信号が出力される。
一方、第2のセンサ22は、耐熱性を有する光学素子22Aと、NH自発光に対応する波長の光を選択的に透過させるバンドパスフィルタ22Bと、バンドパスフィルタ22Bを透過した光の強度に応じた電気信号を出力する半導体センサ22Cで構成される。
本実施の形態の場合、バンドパスフィルタ22Bは、336nmを中心波長とし、中心波長に対して±10nmの帯域幅を有している。すなわち、バンドパスフィルタ22Bは、326nm~346nmの波長域の紫外光を透過する。
半導体センサ22Cにも、例えば浜松フォトニクスのS12698シリーズを使用する。半導体センサ22Cから送信機25には、NH自発光の発光強度を表す電気信号が出力される。
本実施の形態の場合、第1のセンサ21と第2のセンサ22が一体化された光学センサ20を用いるが、第1のセンサ21と第2のセンサ22は、それぞれ別筐体のセンサ部品でもよい。
図1では、作図上の都合により、光学センサ20の全体が炉室10内に取り付けられているが、耐熱性を有する光学素子21Aと光学素子22Aの部分だけが炉室10内に露出すればよい。
図2(B)に示すユーザ端末30Aは、装置全体の動作を制御するプロセッサ31と、主記憶装置として用いられるSDRAM(=Synchronous Dynamic Random Access Memory)32と、不揮発性の半導体メモリであるフラッシュメモリ33と、タッチパネル34と、カメラ35と、送信機25等との通信に使用される通信モジュール36とで構成される。
本実施の形態の場合、プロセッサ31は、CPU(=Central Processing Unit)やGPU(=Graphics Processing Unit)で構成され、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現する。
ここでの機能の一つに、OH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度の比(以下「光量比」ともいう)の算出や光量比に対応する空気比の推定する機能がある。
本実施の形態における強度比は、NH自発光の最大強度に対するOH自発光の最大強度の比(=OH自発光の最大強度/NH自発光の最大強度)として算出される。
フラッシュメモリ33には、BIOS(=Basic Input Output System)やファームウェアの他、光量比の算出や空気比の推定に用いるアプリケーションプログラムや空気比の推定に使用する検量線データ等が記憶される。
図3は、検量線データを説明する図である。図3の縦軸は発光強度比であり、横軸は空気比αである。
本実施の形態の場合、縦軸の光量比は、NH自発光の最大強度値に対するOH自発光の最大強度値の比で与えられる。
図中のMax(OH*)はOH自発光の最大強度値を表し、Max(NH*)はNH自発光の最大強度値を表している。図中の黒丸は、既知の空気比αが与えられる場合に実測された発光強度値の中央値を表している。図中の検量線は、最小二乗法等を用いて描いている。
検量線データは、図3に示す検量線の関係を与えるデータである。検量線は、光量比と空気比との線形の関係を与える。対応関係が線形であるので、光量比に対応する空気比の特定は容易である。本実施の形態では、検量線データとして図3に示す関係を記録したデータテーブルを想定するが、光量比を変数として空気比αを算出する1次関数として与えてもよい。
図2の説明に戻る。
タッチパネル34は、ディスプレイと、その表面に配置された静電容量式のタッチセンサとで構成される。
ディスプレイには、例えば液晶ディスプレイや有機EL(=Electro-Luminescence)ディスプレイが使用される。
タッチセンサは、透過性の高いデバイスであり、ディスプレイに表示される画面の視認を妨げることなく、ユーザのタップ操作等を検知することができる。
カメラ35には、例えばCMOS(=Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを使用する。
通信モジュール36には、例えばUSB(=Universal Serial Bus)、無線LAN、ブルートゥース、4Gや5G等の移動通信システムに準拠するデバイスを使用する。
本実施の形態におけるプロセッサ31と、SDRAM32と、フラッシュメモリ33は、いわゆるコンピュータを構成する。
<処理動作>
図4は、実施の形態1で使用するユーザ端末30Aの処理動作例を説明するフローチャートである。図中の記号Sは、ステップを意味する。
なお、ユーザ端末30Aは、送信機25と通信可能に接続されている。
ユーザ端末30Aは、炉室10内に設けた光学センサ20で測定されたOH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度をリアルタイムで取得する(ステップ1)。
次に、ユーザ端末30Aは、測定された2つの発光強度の比(光量比)を算出する(ステップ2)。すなわち、ユーザ端末30Aは、OH自発光とNH自発光の光量比を算出する。このステップは、第1の処理に対応する。また、この処理は算出部の機能に対応する。
光量比を算出したユーザ端末30Aは、算出された光量比を検量線と照合して空気比を推定する(ステップ3)。このステップは第2の処理に対応する。また、この処理は、推定部の機能に対応する。
その後、ユーザ端末30Aは、タッチパネル34の画面に、推定された空気比を表示する(ステップ4)。
このステップは、第3の処理に対応する。また、この処理は、提供部の機能に対応する。
図5は、ユーザ端末30Aの表示画面341の例を説明する図である。
表示画面341には、設定値342とその数値343、空気比の現在の値344とその数値345、調整の内容を示唆する情報346が表示されている。
炉室10(図1参照)内の空気比がリアルタイムで表示されることで、ユーザAは、炉室10内の環境が目標とする環境にあるか否かを容易に理解できる。
また、ユーザは、設定値342に対応する数値343と現在の値344に対応する数値345との比較により、バルブ13A(図1参照)の開度の調整の必要性や調整の内容を容易に理解できる。
図5の場合、表示画面341には、情報346として「空気の供給バルブの開度を上げてください」が表示され、調整の内容が具体的に示唆されている。空気比の調整を支援する情報346が表示されることで、ユーザAのスキルが低い場合にも、空気比の調整を誤り難く実行できる。
図5の例では、情報346の例として、空気の増減が示唆されているが、燃料ガスの供給バルブの調整が可能な場合には、「燃料ガスの供給バルブの開度を上げてください」等の表示を行ってもよい。
また、情報346として、空気や燃料ガスの流量等を数値として示唆してもよい。この場合には、流量計の数値の確認により、空気比の正確な調整が可能になる。
<実施の形態2>
<システム構成>
図6は、実施の形態2で想定する燃焼炉システム1Aの構成例を示す図である。図6には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態は、ユーザ端末30Aで算出された空気比が、クラウドネットワーク40経由で他の端末に通知される点で、実施の形態1と相違する。
なお、燃焼炉システム1Aは、情報提供システムの一例である。
本実施の形態の場合、ユーザ端末30Aで算出された空気比は、クラウドネットワーク40経由で、ユーザBが使用するユーザ端末30Bと、クラウドサーバ50と、管理者が使用する管理者端末60に通知される。
本実施の形態の場合、ユーザBが、自身が携帯するユーザ端末30Bに表示された空気比の現在の値を見ながらバルブ13Aの開度を調整する。ここでのユーザBは、炉室10と同じ建屋又は敷地内にいる作業者である。
なお、図6には管理者端末60を1台のみ表しているが、複数台の管理者端末60が存在してもよい。ここでの管理者は、炉室10を運用する事業者の管理者でもよいし、炉室10の燃焼の状態の監視や保守を支援する事業者の管理者でもよい。
図6の場合、ユーザ端末30Bへの空気比の通知は、クラウドネットワーク40経由で実現されているが、ブルートゥースや無線LANを通じて、ユーザ端末30Aから直接通知してもよい。
クラウドネットワーク40には、炉室10が設けられている建屋や敷地の外部に構築されたネットワーク、例えばインターネット、4Gや5G等の移動通信システムを想定する。
図6の場合、クラウドネットワーク40には、クラウドサーバ50と管理者端末60が接続されている。
本実施の形態におけるクラウドサーバ50は、管理の対象である炉室10の現在の空気比や空気比の履歴を解析した結果を閲覧サービスや保守サービスとして提供する事業者により運用される。
本実施の形態の場合、クラウドサーバ50は、例えば炉室10毎に算出された空気比を蓄積するストレージサーバとしての役割と、蓄積された空気比の履歴を解析してレポートを生成する解析サーバとしての役割と、空気比の履歴やレポートの閲覧サービスを提供するウェブサーバとして役割を有している。
図7は、クラウドサーバ50の構成例を説明する図である。図7には、図2との対応部分に対応する符号を付して示している。
図7に示すクラウドサーバ50は、装置全体の動作を制御するプロセッサ51と、主記憶装置として用いられるSDRAM52と、BIOS等が記録されるROM(Read Only Memory)53と、副記憶装置として用いられるハードディスク装置54と、クラウドネットワーク40との通信に用いられる通信モジュール55とで構成される。
なお、クラウドサーバ50には、ディスプレイの他、キーボードやマウス等のデバイスが接続されてもよい。
また、クラウドサーバ50は、クラウドネットワーク40に対してLAN経由で接続されてもよい。
クラウドサーバ50は、役割や機能が異なるサーバの集合体でもよい。
プロセッサ51は、CPUで構成され、プログラムの実行を通じて各種の機能を実現する。
本実施の形態の場合、機能の一部には、管理の対象である炉室10別に空気比の履歴を蓄積する機能、サービスの利用者からの閲覧要求に対してサービスの対象である炉室10に関する空気比の履歴を提供する機能、空気比の履歴を解析した結果等をレポートとして提供する機能等がある。
本実施の形態の場合、ハードディスク装置54には、管理の対象である炉室10毎に空気比の履歴が記録される。また、ハードディスク装置54には、オペレーションシステムや前述した機能を実現するアプリケーションプログラムも記録される。
もっとも、ハードディスク装置54の代わりに、大容量の半導体メモリを使用してもよい。
通信モジュール55には、例えば無線LAN、イーサネット(登録商標)、4Gや5G等の移動通信システムに準拠するデバイスを使用する。
本実施の形態におけるプロセッサ51と、SDRAM52と、ROM53は、いわゆるコンピュータを構成する。
図6の説明に戻る。
クラウドサーバ50は、空気比の情報をユーザAが携帯するユーザ端末30Aから受信し、必要に応じて空気比の履歴やレポートをクラウドネットワーク40に出力する。
ここでのレポートは、空気比の履歴等から解析が可能な炉室10の状態に関する。レポートの内容には、例えば燃焼の質に関する評価がある。
レポートの内容は、サービスの提供者毎に異なってもよい。例えば炉室10の開口や隙間等から侵入する空気への対策の必要性や対策案、バルブ13Aの劣化の疑い等がレポートに記載されてもよい。
管理者端末60は、炉室10を運用する事業者や炉室10の燃焼の状態の監視や保守を支援する事業者等の管理者が使用するコンピュータである。図6の場合、管理者端末60はデスクトップ型のコンピュータである。このため、管理者端末60のハードウェア構成は、図7に示すクラウドサーバ50のハードウェア構成に、ディスプレイ、キーボード、マウス等を追加した構成を採用する。
もっとも、管理者端末60も、スマートフォン、タブレット型のコンピュータ、ノート型のコンピュータでもよい。また、管理者端末60として、スマートウォッチやスマートグラス等のウェアラブル型のコンピュータを使用してもよい。
本実施の形態の場合、管理者端末60は、リアルタイムで変化する空気比の監視、空気比の履歴やレポートの閲覧に使用される。
<処理動作>
図8は、実施の形態2で使用するユーザ端末30A(図6参照)の処理動作例を説明するフローチャートである。図8には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態におけるユーザ端末30Aは、炉室10(図6参照)内に設けた光学センサ20(図6参照)で測定されたOH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度をリアルタイムで取得すると(ステップ1)、測定された2つの発光強度の比(光量比)を算出し(ステップ2)、算出された光量比を検量線と照合して空気比を推定する(ステップ3)。
空気比が推定されると、ユーザ端末30Aは、推定された空気比を関連先に送信する(ステップ11)。
ここでの関連先は、予めユーザ端末30Aに登録されている。図6の場合、関連先は、ユーザBが携帯するユーザ端末30Bと、クラウドサーバ50と、管理者端末60である。
もっとも、関連先は、クラウドサーバ50(図6参照)だけとし、クラウドサーバ50が予め定めた端末宛てに空気比を配信する仕組みを採用してもよい。
なお、実施の形態1と同様、推定された空気比を自端末のタッチパネル34(図2参照)に表示してもよい。
図9は、実施の形態2で使用するクラウドサーバ50の処理動作例を説明するフローチャートである。
クラウドサーバ50は、受信した空気比を炉室10に紐づけて蓄積する(ステップ21)。
次に、クラウドサーバ50は、指定期間内の空気比の履歴を読み出し、炉室10の状態を解析する(ステップ22)。このステップは、解析部の処理や機能に対応する。
ここでの指定期間は、所定の期間の一例であり、初期値として定められた期間でもよいし、閲覧サービス等の利用者や提供者が指定した期間でもよい。初期値は、例えば数ヶ月で与えられる。
なお、期間の単位は、分単位、時間単位、日単位、月単位、年単位でもよい。また、特定の時間帯だけを指定して複数日の期間を指定してもよい。
その後、クラウドサーバ50は、指定された炉室10に関連する空気比の履歴や解析の結果をレポートとして提供する(ステップ23)。
図10は、クラウドサーバ50が提供する空気比の履歴とレポートの提供例を説明する図である。(A)は空気比の履歴の提供例であり、(B)はレポートの提供例である。
本実施の形態の場合、図10(A)及び(B)に示す画面は、管理者端末60のディスプレイに表示される。
図10(A)に示す画面は、3ヶ月分の空気比の履歴である。横軸は日であり、2021/01/01から2021/03/31の期間に対応する。
縦軸は、推定された空気比である。履歴を表す画面には、空気比の目標値が破線で描かれている。また、履歴を表す画面611には、空気比の値を結んだ折れ線グラフが実線で表示されている。図10(A)に示す折れ線グラフは、一日を単位とする空気比の平均値を結んだグラフである。なお、一日毎の測定値の最大値を結んだ折れ線グラフや最小値を結んだ折れ線グラフを表示してもよい。
図10(B)に示す画面621は、3ヶ月間の炉の状態を解析したレポートである。図10(B)の場合、評価の結果は「良好」であり、備考として「1月は空気比の変動が認められましたが、調整後は、ほぼ目標値で推移しました。」と表示されている。
勿論、図10(B)の例は一例である。
前述したように、炉室10(図6参照)の開口や隙間等から侵入する空気への対策の必要性や対策案、バルブ13Aの劣化の疑いを備考欄に記載してもよい。
<実施の形態3>
<システム構成>
図11は、実施の形態3で想定する燃焼炉システム1Bの構成例を示す図である。図11には、図6との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、空気比の算出がクラウド上で実行される点で、実施の形態1や実施の形態2と相違する。
なお、燃焼炉システム1Bは、情報提供システムの一例である。
図11に示す燃焼炉システム1Bで使用する送信機25Aは、光学センサ20で測定されたOH自発光とNH自発光の発光強度をクラウドサーバ50Aに送信する。ここでの送信には、例えばインターネットや移動通信システムを使用する。
図11の場合、送信機25Aがクラウドサーバ50Aと直接通信しているが、前述した実施の形態1や実施の形態2と同様、ユーザAが使用するユーザ端末30Aを経由してもよい。この場合、ユーザ端末30Aは、送信機25Aから受信した発光強度の中継局として動作する。
本実施の形態の場合、OH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度を受信したクラウドサーバ50Aが、2つの発光強度の比を算出し、算出された空気比を他の端末に送信する。具体的には、クラウドサーバ50Aは、炉室10側の作業者であるユーザAが使用するユーザ端末30Aと、管理者が使用する管理者端末60に空気比を通知する。
<処理動作>
図12は、実施の形態3で使用するクラウドサーバ50A(図11参照)の処理動作例を説明するフローチャートである。図12には、図8及び図9との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態におけるクラウドサーバ50Aの処理動作は、実施の形態2のユーザ端末30Aの処理動作とクラウドサーバ50(図8参照)の処理動作を組み合わせた動作になる。
すなわち、クラウドサーバ50Aは、炉室10(図11参照)内に設けた光学センサ20(図11参照)で測定されたOH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度をリアルタイムで取得すると(ステップ1)、測定された2つの発光強度の比を算出し(ステップ2)、算出された光量比を検量線と照合して空気比を推定する(ステップ3)。
その後、クラウドサーバ50Aは、推定された空気比を関連先に送信する(ステップ11)とともに、推定された空気比を炉室10に紐づけて蓄積する(ステップ31)。
次に、クラウドサーバ50は、指定期間内の空気比の履歴を読み出し、炉室10の状態を解析し(ステップ22)、指定された炉室10に関連する空気比の履歴や解析の結果をレポートとして提供する(ステップ23)。
<実施の形態4>
<システム構成>
図13は、実施の形態4で想定する燃焼炉システム1Cの構成例を示す図である。図13には、図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、空気比の算出もバルブ13Aの開度の調整も全自動で実行される。
本実施の形態で想定する燃焼炉システム1Cでは、空気比の算出をエッジ端末70が実行し、バルブ13Aの開度の調整は開度調整端末80が実行する。
なお、燃焼炉システム1Cは、情報提供システムの一例である。
本実施の形態におけるエッジ端末70は、炉室10の周辺で使用されるネットワーク端末又はIoT端末である。
本実施の形態におけるエッジ端末70は、空気比を推定する機能に特化されている。具体的には、エッジ端末70には、光学センサ20からOH自発光とNH自発光の発光強度を受信する機能、受信した発光強度の光量比を算出する機能、算出された光量比を検量線と照合して空気比を推定する機能、推定された空気比を開度調整端末80に送信する機能だけが設けられる。
エッジ端末70は、例えば特定のデータ処理に特化した小型コンピュータとして構成してもよいし、全てのデータ処理をハードウェアで実行するASIC(=Application Specific Integrated Circuit)として構成してもよい。
エッジ端末70には、開度調整端末80との通信に必要な通信モジュールも内蔵される。通信には、例えばブルートゥース、無線LAN、イーサネット、専用の通信ケーブル、4Gや5G等の移動通信システムに準拠するデバイスを使用する。
開度調整端末80は、受信された空気比が目標値に一致するようにバルブ13Aの開度を調整する調整信号を出力する。なお、本実施の形態におけるバルブ13Aには、調整信号を空気圧力に変換してバルブ13Aの開度を調整するユニットが取り付けられている。この種のユニットは、例えば電空ポジショナと呼ばれる。
空気比が目標値より大きい場合、開度調整端末80は、空気の供給量を減少させる調整信号を出力する。空気比が目標値より小さい場合、開度調整端末80は、空気の供給量を増加させる調整信号を出力する。
開度調整端末80は、開度の調整に特化した小型のコンピュータやASICとして構成される。
<処理動作>
図14は、実施の形態4で想定する燃焼炉システム1Cで実行される処理動作例を説明するシーケンス図である。図14には、図4との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、エッジ端末70が、炉室10(図11参照)内に設けた光学センサ20(図13参照)で測定されたOH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度をリアルタイムで取得すると(ステップ1)、測定された2つの発光強度の比(光量比)を算出し(ステップ2)、算出された光量比を検量線と照合して空気比を推定する(ステップ3)。
空気比が推定されると、エッジ端末70は、推定された空気比を開度調整端末80に送信する(ステップ41)。
開度調整端末80は、エッジ端末70から空気比を受信すると、受信した空気比を目標値と比較し(ステップ42)、比較結果に応じた調整信号を生成してバルブ13Aに送信する(ステップ43)。
本実施の形態の場合、エッジ端末70と開度調整端末80の連携により、炉室10内の空気比が目標値にフィードバック制御される。
<実施の形態5>
<システム構成>
図15は、実施の形態5で想定する燃焼炉システム1Dの構成例を示す図である。図15には、図6及び図13との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、エッジ端末70で算出された空気比が、クラウドネットワーク40経由で他の端末に通知される点で、実施の形態4と相違する。
なお、燃焼炉システム1Dは、情報提供システムの一例である。
本実施の形態の場合、エッジ端末70で算出された空気比は、クラウドネットワーク40経由で、クラウドサーバ50と、管理者が使用する管理者端末60と、開度調整端末80に通知される。
本実施の形態の場合も、バルブ13Aの開度の調整は、開度調整端末80が実行する。
図15の場合、開度調整端末80への空気比の通知は、クラウドネットワーク40経由で実現されているが、ブルートゥースや無線LANを通じて、エッジ端末70から直接通知してもよい。
クラウドネットワーク40には、例えばインターネット、4Gや5G等の移動通信システムを想定する。
本実施の形態におけるクラウドサーバ50と管理者端末60は、実施の形態2のクラウドサーバ50と管理者端末60と同じである。
<処理動作>
図16は、実施の形態5で想定する燃焼炉システム1Dで実行される処理動作例を説明するフローチャートである。図16には、図4と図9と図12と図14との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、エッジ端末70は、炉室10内に設けた光学センサ20で測定されたOH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度をリアルタイムで取得すると(ステップ1)、測定された2つの発光強度の比(光量比)を算出し(ステップ2)、算出された光量比を検量線と照合して空気比を推定する(ステップ3)。
その後、エッジ端末70は、ステップ3で推定された空気比を関連先に送信する(ステップ11)。本実施の形態の場合、関連先は、クラウドサーバ50と、管理者端末60と、開度調整端末80である。
なお、関連先は、クラウドサーバ50(図15参照)だけとして、クラウドサーバ50が予め定めた端末宛てに空気比を送信してもよい。
空気比を受信したクラウドサーバ50は、エッジ端末70から受信した空気比を炉室10に紐づけて蓄積する(ステップ21)。また、クラウドサーバ50は、指定期間内の空気比の履歴を読み出し、炉室10の状態を解析する(ステップ22)。その後、クラウドサーバ50は、指定された炉室10に関連する空気比の履歴や解析の結果をレポートとして提供する(ステップ23)。
また、空気比を受信した管理者端末60は、エッジ端末70から受信した空気比を表示する(ステップ51)。また、管理者端末60は、クラウドサーバ50から受信したレポートを表示する(ステップ52)。レポートの受信は、管理者端末60からの指示により実行される場合もあれば、定期的にクラウドサーバ50から提供される場合もある。
空気比を受信した開度調整端末80は、実施の形態4と同じく、受信した空気比を目標値と比較し(ステップ42)、比較結果に応じた調整信号を生成してバルブ13Aに送信する(ステップ43)。
<実施の形態6>
<システム構成>
図17は、実施の形態6で想定する燃焼炉システム1Eの構成例を示す図である。図17には、図11と図15の対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態の場合、空気比の算出がクラウド上で実行される点で、実施の形態4や実施の形態5と相違する。
このため、本実施の形態では、エッジ端末70(図15参照)に代えて送信機25Aを使用する。送信機25Aは、実施の形態3で説明した送信機25Aと同じである。なお、空気比を算出する機能を取り除いたエッジ端末70を用いてもよい。
なお、燃焼炉システム1Eは、情報提供システムの一例である。
図17に示す燃焼炉システム1Eで使用する送信機25Aは、光学センサ20で測定されたOH自発光とNH自発光の発光強度をクラウドサーバ50Aに送信する。ここでの送信には、例えばインターネットや移動通信システムを使用する。
図17の場合、送信機25Aがクラウドサーバ50Aと直接通信しているが、前述した実施の形態1や実施の形態2と同様、ユーザAが使用するユーザ端末30A(図1参照)を経由してもよい。この場合、ユーザ端末30Aは、送信機25Aから受信した発光強度の中継局として動作する。
本実施の形態の場合、OH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度を受信したクラウドサーバ50Aが、2つの発光強度の比を算出し、算出された空気比を他の端末に送信する。具体的には、クラウドサーバ50Aは、管理者が使用する管理者端末60と開度調整端末80に空気比を通知する。
<処理動作>
図18は、実施の形態6で想定する燃焼炉システム1Eで使用されるクラウドサーバ50A(図17参照)の処理動作例を説明するフローチャートである。図18には、図12と図16との対応部分に対応する符号を付して示している。
本実施の形態におけるクラウドサーバ50Aの処理動作は、実施の形態5のエッジ端末70の処理動作とクラウドサーバ50の処理動作とを組み合わせた動作になる。
すなわち、クラウドサーバ50Aは、炉室10(図17参照)内に設けた光学センサ20(図17参照)で測定されたOH自発光の発光強度とNH自発光の発光強度をリアルタイムで取得すると(ステップ1)、測定された2つの発光強度の比(光量比)を算出し(ステップ2)、算出された光量比を検量線と照合して空気比を推定する(ステップ3)。
その後、クラウドサーバ50Aは、推定された空気比を関連先に送信する(ステップ11)とともに、推定した空気比を炉室10に紐づけて蓄積する(ステップ31)。
この後、クラウドサーバ50は、指定期間内の空気比の履歴を読み出し、炉室10の状態を解析し(ステップ22)、指定された炉室10に関連する空気比の履歴や解析の結果をレポートとして提供する(ステップ23)。
なお、空気比を受信した管理者端末60は、エッジ端末70から受信した空気比を表示する(ステップ51)。
また、管理者端末60は、クラウドサーバ50から受信したレポートを表示する(ステップ52)。
空気比を受信した開度調整端末80は、実施の形態5と同じく、受信した空気比を目標値と比較し(ステップ42)、比較結果に応じた調整信号を生成してバルブ13Aに送信する(ステップ43)。
<他の実施の形態>
(1)以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、前述の実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
(2)例えば前述の実施の形態1~6においては、工業炉を想定したが、炉内における空気比の管理が要求される燃焼炉であれば、工業炉に限らない。
(3)前述の実施の形態では、紫外線帯域のラジカル自発光のうちOH自発光とNH自発光の発光強度比を算出したが、他のラジカル自発光を含めた発光強度比を算出してもよい。他のラジカル自発光には、例えばNH2自発光やH自発光がある。
なお、空気比の推定に使用する発光強度比は、OH自発光と、NH自発光と、NH2自発光と、H自発光のうちの任意の2つの組み合わせで与えられてもよい。
例えばOH自発光とNH2自発光の発光強度比でもよいし、OH自発光とH自発光の発光強度比でもよいし、NH自発光とNH2自発光の発光強度比でもよいし、NH自発光とH自発光の発光強度比でもよいし、NH2自発光とH自発光の発光強度比でもよい。
いずれの組み合わせを使用する場合にも、炉室10内の空気比は、各組み合わせについて用意した検量線を用いて推定すればよい。
(4)前述の実施の形態では、燃料ガスとしてアンモニア含有ガスを想定するが、燃料ガスは、例えば水素含有ガスでもよいし、炭化水素系ガスでもよいし、アンモニア含有ガスと炭化水素系ガスの混合ガスでもよい。
1、1A、1B、1C、1D、1E…燃焼炉システム、10…炉室、20…光学センサ、25、25A…送信機、30A、30B…ユーザ端末、40…クラウドネットワーク、50、50A…クラウドサーバ、60…管理者端末、70…エッジ端末、80…開度調整端末

Claims (7)

  1. 燃料ガスと空気が供給される炉内で燃焼する火炎から検出される、OH自発光の光量とNH自発光の光量とに基づいて、当該OH自発光と当該NH自発光の光量比を算出する第1の処理と、
    前記光量比と空気比との関係を与える検量線と前記第1の処理で算出された光量比との照合により、前記炉内における現在の空気比を推定する第2の処理と、
    推定された空気比に関する情報を、予め定めた端末に提供する第3の処理と、
    を有し、
    前記検量線は、前記OH自発光と前記NH自発光の光量比と空気比との線形の関係を与える、情報提供方法。
  2. 前記空気比に関する情報は、指定の期間内に検出された空気比の履歴である、
    請求項1に記載の情報提供方法。
  3. 前記空気比に関する情報は、指定の期間内に検出された空気比の履歴を解析して得られる炉の状態である、
    請求項1に記載の情報提供方法。
  4. 燃料ガスと空気が供給される炉内で燃焼する火炎から検出される、OH自発光の光量とNH自発光の光量とに基づいて、当該OH自発光と当該NH自発光の光量比を算出する算出部と、
    前記光量比と空気比との関係を与える検量線と前記算出部で算出された光量比との照合により、前記炉内における現在の空気比を推定する推定部と、
    推定された空気比に関する情報を、予め定めた端末に提供する提供部と、
    を有し、
    前記検量線は、前記OH自発光と前記NH自発光の光量比と空気比との線形の関係を与える、情報提供システム。
  5. 前記提供部は、指定の期間内に検出された空気比の履歴を、前記空気比に関する情報として提供する、
    請求項4に記載の情報提供システム。
  6. 指定の期間内に検出された空気比の履歴を解析する解析部を更に有し、
    前記提供部は、前記履歴を解析して得られる炉の状態を、前記空気比に関する情報として提供する、
    請求項4に記載の情報提供システム。
  7. コンピュータに、
    燃料ガスと空気が供給される炉内で燃焼する火炎から検出される、OH自発光の光量とNH自発光の光量とに基づいて、当該OH自発光と当該NH自発光の光量比を算出する機能と、
    前記光量比と空気比との関係を与える検量線と前記算出する機能で算出された光量比との照合により、前記炉内における現在の空気比を推定する機能と、
    推定された空気比に関する情報を、予め定めた端末に提供する機能と、
    を実現させるためのプログラムであり、
    前記検量線は、前記OH自発光と前記NH自発光の光量比と空気比との線形の関係を与える、
    ことを特徴とするプログラム
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