JP6994768B2 - カバーフックとそれを備えた搬送容器 - Google Patents
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Description
また、図9(b)に示すように、容器本体51は、矩形状の底板51aと、この底板51aの4辺からそれぞれ垂直に立設されて矩形状をなす側板51b,51cからなる。
また、図10(c)及び図10(d)に示すように、固定部材53は、矩形状をなす大きさの異なる複数枚のプラスチック段ボール製の小片が両面テープによって貼り合わされたものであり、結束バンド56を挿通するための貫通孔53aが2か所に設けられている。
そして、図10(e)に示すように、固定部材53と側板51cとの間には、カバー52の先端部52aを上側から差し込むことができるように、上方へ開口した凹部57が形成されている。なお、カバー52の先端部52aは、複数回折り畳まれた部分が互いに接合された形状となっており、他の部分よりも強度が高められている。
また、固定部材53を側板51cに固定する際には、側板51cに対して固定部材53を正確に位置合わせした後、両面テープを用いて固定部材53を側板51cに仮固定し、その状態で貫通孔53a,53aと同じ位置に結束バンド56の挿通孔を設ける必要がある。
さらに、側板51cの挿通孔と固定部材53の貫通孔53aに結束バンド56を連通させた後は、結束バンド56を結束するとともに、その不要な部分を切除しなければならない。
したがって、搬送容器50では、固定部材53を側板51cに固定する作業を効率よく行うことができない。
特許文献1に開示された梱包装容器は、相対向する2辺と他の2辺から2枚の折曲側板と2枚の揺動側板がそれぞれ垂下している枠体と、底板と、枠体の折曲側板が垂下している2辺から、各折曲側板の内側で底板まで垂下している2枚の補強側板と、枠体上に載置されて枠体の開口部を覆う蓋を備えた構造となっている。なお、特許文献1の明細書には、蓋の係止方法として面ファスナーを用いることが記載されている。
特許文献2に開示された発明は、有底の箱形状をなすとともに上面が開口した箱本体と、上面開口と略一致する大きさの蓋体と、蓋体の1つの辺を箱本体の1つの側板上部に固定する固着手段を備え、蓋体を箱本体の上面開口に挿嵌した際に箱本体の側板の内面に当接するように、蓋体の3つの辺が所定の幅で折り返されたことを特徴としている。
このような構造によれば、蓋体によって箱本体の上部開口を容易に閉塞することができる。
また、特許文献1に記載された面ファスナーを用いて蓋を係止する方法を上述の搬送容器50に用いた場合、面ファスナーの粘着剤が物品に転写されてしまうおそれがある。
例えば、特許文献2に記載された蓋体のように、カバー52を搬送容器50の上面開口部50aに挿設した際に容器本体51の側板51cの内面に当接するように、カバー52の3つの辺が所定の幅で折り返された構造であったとしても、カバー52は柔軟性を有する合成樹脂によってシート状に形成されたものであるため、カバー52において折り返された3つの辺が容器本体51の側板51cの内面に当接することでカバー52を容器本体51に固定するという作用は発揮されない。
ただし、保持腕は、本体部の一方の面に立設された接続部と、本体部の一方の面と平行をなすように接続部から曲折された保持部と、からなり、本体部の一方の面と保持部の間にカバーの他端を差し込み可能に形成されている。
このとき、第2の側板を両側から挟むように配置された一対のフランジにより、本体部は第2の側板に垂直な方向への移動が制限される。すなわち、一対のフランジは、第2の側板に垂直な方向に対する本体部の移動を規制することで、カバーフックの切り欠きからの脱落を防ぐという作用を有する。
なお、第2の発明において、本体部に設けられる側面視鋸刃状をなす凹凸部には、凹凸部が側面視略鋸刃状をなす場合も含まれるものとする。
なお、第3の発明において、側面視「コ」の字をなす長尺のフレームには、フレームが側面視略「コ」の字をなす場合も含まれるものとする。
なお、第4の発明において、第2の側板に設けられる平面視「コ」の字をなす切り欠きには、平面視した場合に2つの角部が円弧状に形成されているような略「コ」の字をなす切り欠きも含まれるものとする。
また、第4の発明では、カバーフックが切り欠きに本体部を嵌め込むようにして容器本体に設置される構造であることから、従来の固定部材を備えた搬送容器の場合とは異なり、容器本体に固定する際に両面テープを用いる必要がない。
第5の発明においては、第4の発明の作用に加え、嵌挿部が第2の側板に垂直な方向に対する本体部の移動を規制することで、カバーフックの切り欠きからの脱落を防ぐという作用を有する。
第6の発明においては、第4の発明又は第5の発明の作用に加えて、容器本体が軽量化されるとともに、切り欠きの加工が容易になるという作用を有する。
なお、本明細書では、上面が開口した搬送容器に対して、実際にカバーフックが設置されている状態を想定して、「上端」や「下端」あるいは「上方」や「下面」などの表現を用いている。すなわち、この「上」又は「下」の記載は、搬送容器の底板が水平な場所に設置されていると仮定した場合における鉛直方向の上側又は下側をそれぞれ意味している。
なお、図5ではカバーについてハッチングの図示を省略している。また、図9又は図10に示した構成要素については、同一の符号を付すことによりその説明を適宜省略する。
矩形状の底板51aと、この底板51aの4辺からそれぞれ垂直に立設されて矩形状をなす側板51b,51cからなる容器本体51は、プラスチック段ボールによって形成されている。
側板51bと相対する側板51cには、平面視した場合に2つの角部が円弧状に形成された略「コ」の字をなす一対の切り欠き51d,51dが上方へ開口するように設けられており、カバーフック2は、この一対の切り欠き51d,51dに対してそれぞれ設置されている。
また、一対の切り欠き51d,51dが設けられた側板51cに相対する側板51bには、カバー52の基端側が固定されている。
本体部3と嵌挿部4は一体となって平面視矩形状をなす板材であり、嵌挿部4は側板51cよりも薄くなるように形成されている。
なお、保持部5bには、平面視「コ」の字状の切り欠き7aが設けられており、本体部3の前面3aには、側面視鋸刃状をなす凹凸部3dが保持腕5の保持部5bと対向する箇所に形成されている。
なお、本実施例では、カバーフック2をポリプロピレンなどの合成樹脂の射出成形によって製造することを想定している。
そのため、樹脂の冷却時の収縮に伴う反りやヒケなどの成形不良を防ぐ目的で、フランジ6aには本体部3の下面3cの長手方向の中央部に、側面視「コ」の字状の切り欠き7bが形成され、嵌挿部4の背面4aには、リブ4b(図2(b)参照)が格子状に設けられている。また、本体部3の背面には、肉抜きの目的で凹部3eが設けられている。
そして、カバーフック2を用いることによれば、図9,10に示す従来技術の場合のように両面テープを用いて容器本体51の側板51cに対して仮固定した後、結束バンド56を用いて本固定するという固定部材53の場合における煩雑な作業を行う必要がない。
すなわち、搬送容器1では、カバーフック2を容器本体51に設置する作業を短時間で効率よく行うことができるため、製造コストの削減を図ることが可能である。
したがって、搬送容器1では、両面テープの粘着剤が誤って物品に転写されてしまうおそれがない。
すなわち、フランジ6a,6bと嵌挿部4は、側板51cに垂直な方向に対する本体部3の移動を規制することで、カバーフック2の切り欠き51dからの脱落を防ぐという機能を有している。
このように、搬送容器1では、カバーフック2が容器本体51から脱落するおそれがなく、また、カバー52がカバーフック2から外れ難いことから、長期にわたって安全に使用することが可能である。
なお、図1乃至図5に示した構成要素については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
図6乃至図8に示すように、カバーフック8は、カバーフック2において、切り欠き7a,7bを備える代わりに、補強リブ9a,9bを備えている。また、カバーフック8では、本体部3の背面に凹部3eが設けられていない。
すなわち、切り欠き7a,7bや補強リブ9a,9bの有無は、例えば、フランジ6a,6bや保持腕5の厚さやゲートの位置等によって、適宜、変更可能な構造であって、実施例1で説明したカバーフック2の作用及び効果はカバーフック8においても同様に発揮される。
例えば、容器本体51が木製や金属製であっても良く、あるいは低発泡ポリプロピレンシートで成形されたものであっても良い。ただし、容器本体51がプラスチック段ボールや低発泡ポリプロピレンシートなどのようにプラスチック板で成形されている場合には、全体が軽量化されるとともに、切り欠き51dの加工が容易であるため、運搬や製造に要するコストが削減されるというメリットがある。
Claims (6)
- 矩形状の底板と、
この底板の4辺からそれぞれ垂直に立設されて矩形状をなす1枚の第1の側板と3枚の第2の側板からなり、上面に開口部が設けられた箱状の容器本体と、
柔軟性を有する矩形状のシート体からなり、前記第1の側板の内面に一端が固定されて前記開口部を覆うように設置されたカバーと、を備え、
3枚の前記第2の側板の少なくともいずれかに平面視「コ」の字をなす切り欠きが上方へ開口するように形成された搬送容器に用いられるカバーフックであって、
前記切り欠き内に配置される矩形板状の本体部と、
この本体部の一方の面と平行をなし、かつ、前記第2の側板を間に配置可能に前記本体部の側面又は下面の少なくとも一部に設けられた一対のフランジと、
平面視L字をなす保持腕と、を備え、
前記保持腕は、
前記本体部の前記一方の面に立設された接続部と、
前記本体部の前記一方の面と平行をなすように前記接続部から曲折された保持部と、からなるとともに、
前記本体部の前記一方の面と前記保持部の間に前記カバーの他端を差し込み可能に形成されていることを特徴とするカバーフック。 - 前記本体部は、
前記一方の面において前記保持部と対向する箇所に側面視鋸刃状をなす凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のカバーフック。 - 側面視「コ」の字をなす長尺のフレームが前記第1の側板及び前記第2の側板の上端に嵌設された前記搬送容器に用いられるカバーフックであって、
前記フレーム内に配置可能な板状の嵌挿部が前記本体部から上方に向かって延設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカバーフック。 - 矩形状の底板と、
この底板の4辺からそれぞれ垂直に立設されて矩形状をなす1枚の第1の側板と3枚の第2の側板からなり、上面に開口部が設けられた箱状の容器本体と、
柔軟性を有する矩形状のシート体からなり、前記第1の側板の内面に一端が固定されて前記開口部を覆うように設置されたカバーと、
請求項1又は請求項2に記載のカバーフックと、を備え、
前記カバーフックは、
3枚の前記第2の側板の少なくともいずれかに、上方へ開口するように形成された平面視「コ」の字状の切り欠き内に前記本体部が設置されていることを特徴とする搬送容器。 - 側面視「コ」の字をなし、前記第1の側板及び前記第2の側板の上端に嵌設される長尺のフレームと、
請求項3に記載のカバーフックと、を備えていることを特徴とする請求項4に記載の搬送容器。 - 前記容器本体は、プラスチック板によって形成されていることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の搬送容器。
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