JP6994353B2 - 飲料 - Google Patents
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Description
甘みをより感じられるようにするためには、例えば高甘味度甘味料の使用が考えられるが、高甘味度甘味料は味質に問題があり、あまり多く処方すると飲みにくくなってしまう。
また、アスパルテームの甘みが砂糖の200倍であるのに対し、スクラロースが砂糖の600倍であるため、高甘味度甘味料の使用量を抑える観点から例えばアスパルテームに代えてスクラロースを使用することなども考えられる。しかしながら、スクラロースのほうがより高価であり、飲料の組成によってはコスト高となってしまう場合もある。また、本発明者らは、一定量の食塩とスクラロースが含まれると、食塩とスクラロースの味の強さのピークの相性が悪く、飲料としての飲みやすさが損なわれることを見出した。
本発明者は、設計の自由度を高める観点などから、アスパルテームと食塩を含有する飲料において甘みを強めることを着想した。そして、鋭意研究の結果、pHおよびナトリウム濃度を所定の範囲とすることでアスパルテームに由来する甘味をより強く感じられるようにすることができることを見出し、本発明を完成させた。
[1] アスパルテームと食塩を含有し、且つスクラロースを実質的に含まない飲料であって、pH4.0未満であり、ナトリウム濃度が50mg/100ml以上である飲料。
[2] 前記飲料におけるナトリウム濃度が80mg/100ml以上である[1]に記載の飲料。
[3] 該飲料中のナトリウム濃度(A)とアスパルテーム濃度(B)の比率(A)/(B)が3~10である[1]または[2]に記載の飲料。
[4] アスパルテームの含有割合が0.001重量%以上である[1]から[3]のいずれか一つに記載の飲料。
[5] 電解質補給用飲料である[1]から[4]のいずれか一つに記載の飲料。
[6] アスパルテームと食塩を含有し、且つスクラロースを実質的に含まない飲料において、pHを4.0未満とするとともにナトリウム濃度を50mg/100ml以上とすることを含む、甘味増強方法。
本実施形態はアスパルテームと食塩(塩化ナトリウム)を含有する飲料に関する。本実施形態の飲料はpH4.0未満であり、ナトリウム濃度(Na濃度)が50mg/100ml以上である。
ここで、甘みをより強く感じられるようになるため、ナトリウム濃度は50mg/100ml以上が好ましく、より好ましくは70mg/100ml以上、特に好ましくは80mg/100ml、最も好ましくは90mg/100ml以上である。一方、上限は、飲料のおいしさを得る観点から135mg/100ml未満である。
本実施形態の飲料において含有され得る他の成分としては、例えば、甘味料、酸味料、香料、色素、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが挙げられる。
本実施形態の飲料において、可溶性固形分量(Brix)は特に限定されず、当業者が適宜設定できる。
また、酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、酢酸、フィチン酸、グルコン酸、コハク酸、フマール酸等の有機酸やリン酸などの無機酸が挙げられる。
また、上述のナトリウムの供給源として作用するクエン酸やリン酸のナトリウム塩などを含有するようにしてもよく、さらにその他の有機酸や無機酸の塩も含有してもよい。
例えば、液体原料に、アスパルテーム、食塩、およびその他必要に応じて含有される成分を、pH4.0未満、ナトリウム濃度:50mg/100ml以上となるように成分の含有量等を設定しながら混合するなどすればよい。液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。食塩、アスパルテームは液体原料に同時に配合されてもよく、また、それぞれが別々に液体原料に配合されてもよく、さらにその順番も特に限定されない。
さらに、本実施形態に係る製造方法においては、得られた飲料に対して殺菌処理を行なうようにしてもよい。
また、本実施形態の飲料を容器詰飲料とする場合の容器詰めの方法としては、例えば、容器に飲料をホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法などを挙げることができ、特に限定されない。
なお、可溶性固形分量(Brix)は糖用屈折計(RX-5000α、株式会社アタゴ)を用いて測定した。
酸度は特開2017-000024号公報記載の方法に基づき測定、算出した。
また、各飲料について、420nmおよび650nmの吸光度を測定した。具体的には、分光光度計((株)日立製作所製、U-3990H)を用い、光路長1cm(1cmセル)として、サンプルを希釈することなく測定に供した。また水をブランクとして用いて測定した。
試飲サンプルは10℃以下でパネリストに提供した。
7点⇒かなり強い
6点⇒強い
5点⇒やや強い
4点⇒同程度
3点⇒やや弱い
2点⇒弱い
1点⇒かなり弱い
甘みの強さについて、各対照例よりも数値が大きいものを効果があったと判断した。
水に各成分を表1記載の濃度となるように添加して各飲料を調合し、得られた飲料を95℃瞬間殺菌にて殺菌し、容器詰飲料を得た。
この容器詰飲料について、試験例1と同様の官能評価を実施した。なお、塩味の強さについてはカリウムも関与する可能性があり得るが、試験例2に係る飲料においてカリウム濃度はナトリウム濃度と比較して非常に低く、実質的に塩味に寄与していないと考えられる。
また、pH4.0未満である実施例については甘みが強く感じられるようになることが確認されたが、pH4.3である比較例2では甘みが強く感じられるようにはなっていなかった。
Claims (9)
- アスパルテームと食塩を含有し、且つスクラロースを実質的に含まない飲料であって、pH4.0未満であり、ナトリウム濃度が50~135mg/100mlであり、ナトリウム濃度(A)とアスパルテーム濃度(B)の比率(A)/(B)が6.10~8.72である飲料。
- 前記飲料におけるナトリウム濃度が80~135mg/100mlである請求項1に記載の飲料。
- アスパルテームの含有割合が0.001重量%以上である請求項1または2に記載の飲料。
- 電解質補給用飲料である請求項1から3のいずれか一つに記載の飲料。
- アスパルテームと食塩を含有し、且つスクラロースを実質的に含まない飲料において、pHを4.0未満とするとともにナトリウム濃度を50~135mg/100mlとし、ナトリウム濃度(A)とアスパルテーム濃度(B)の比率(A)/(B)を6.10~8.72とすることを含む、甘味増強方法。
- アスパルテームと食塩を含有し、且つスクラロースを実質的に含まない飲料であって、pH4.0未満であり、ナトリウム濃度が80~135mg/100mlであり、ナトリウム濃度(A)とアスパルテーム濃度(B)の比率(A)/(B)が3.50~8.50である飲料。
- アスパルテームの含有割合が0.001重量%以上である請求項6に記載の飲料。
- 電解質補給用飲料である請求項6または7に記載の飲料。
- アスパルテームと食塩を含有し、且つスクラロースを実質的に含まない飲料において、pHを4.0未満とするとともにナトリウム濃度を80~135mg/100mlとし、ナトリウム濃度(A)とアスパルテーム濃度(B)の比率(A)/(B)を3.50~8.50とすることを含む、甘味増強方法。
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