JP6994108B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
特許文献1には、回転部材であるチェーンスプロケットを一対のバッフルプレートを用いて囲む構成が開示されている。
特許文献2には、回転部材であるギアを一対のバッフルプレートを用いて囲む構成が開示されている。
特許文献2のバッフルプレートは、差動装置が備えるファイナルギアを囲むように設けられている。
このファイナルギアを備える動力伝達装置においては、回転部材(ファイナルギア)による撹拌抵抗を下げて燃費向上を図るために、一対のバッフルプレートに囲まれた空間への油の侵入量を抑制することが基本的には好ましい。
一方で、油温が極めて低くなった場合は例外的な状況が生じる。即ち、まず、動力伝達装置全体でみると様々な経路からオイルポンプの吸入元となる油溜まり(オイルパン)へ油戻りが生じる。次に、油温が低くなると油の粘度ががり流動性が下がる。
そのため、油温が低くなると動力伝達装置全体としてオイルポンプの吸入元となる油溜まり(オイルパン)への油戻りが鈍ることになる。
そこで、油温が低くなった場合に、油溜まりへの油戻しを促進することが求められている。
特開2012-102818号公報 特許5844019号公報
本発明は、
一対のバッフルプレートと、前記一対のバッフルプレートの間の領域に設けられたシール部材と、を含むバッフルプレート部と、
前記バッフルプレート部に囲まれた空間である回転部材室の内部に配置される回転部材と、
前記回転部材に供給される潤滑油の供給元となるオイルポンプと、
前記オイルポンプの吸入元となる油が貯留されるオイルパンと、を有する動力伝達装置であって、
前記一対のバッフルプレートの一方、前記一対のバッフルプレートの他方、又は、前記シール部材の少なくともいずれか一は、油温が低くなるほど収縮する材質を含んで構成されており、
前記バッフルプレート部は、所定油温以上のときに前記一対のバッフルプレートの間の領域が前記シール部材でシールされ、且つ、前記所定油温未満のときに前記一対のバッフルプレートの間の領域にクリアランスが形成される寸法に設定されている構成の動力伝達装置とした。
本発明によれば、油温が低くなった場合に、油溜まりへの油戻しを促進できる。
変速機ケースの要部を説明する図である。 変速機ケースにおけるバッフルプレートの配置を説明する図である。 バッフルプレートを説明する図である。 バッフルプレートの本体部を説明する図である。 バッフルプレートのカバー部を説明する図である。 バッフルプレートのカバー部を説明する図である。 バッフルプレートの作用を説明する図である。
以下、本発明の実施形態を、動力伝達装置が、車両用の自動変速機1である場合を例に挙げて説明する。
図1は、変速機ケース10の要部を説明する図であって、自動変速機1の変速機ケース10における差動装置の収容部15周りを説明する図である。
図1の(a)は、変速機ケース10を、トルクコンバータ(図示せず)側から見た図である。図1の(b)は、図1の(a)における領域Bの拡大図である。
なお、図1では、変速機ケース10におけるコンバータハウジング(図示せず)との接合面と、バッフルプレート4の外壁部62の紙面手前側の端面にハッチングを付して示している。
図2は、変速機ケース10におけるバッフルプレート4の配置を説明する図である。図2の(a)は、図1の(a)におけるA-A線に沿ってバッフルプレート4を切断して示した図であり、図2の(b)は、図1の(b)におけるC-C線に沿ってバッフルプレート4を切断して示した図である。
以下においては、図1における変速機ケース10の配置を基準として、各構成要素の位置関係を説明する。
以下の説明において「上側(上部)」と記載した場合は、自動変速機の設置状態を基準とした鉛直線VL方向の上側を意味し、「下側(下部)」と記載した場合は、自動変速機の設置状態を基準とした鉛直線方向の下側を意味する。
図1に示すように、変速機ケース10の下部には、差動装置の収容部15が設けられている。この収容部15は、図示しないトルクコンバータ側(紙面手前側)に開口している。
収容部15の中央部では、デフケース20が回転可能に支持されている。デフケース20の外周には、デフケース20の回転軸X1方向から見てリング状を成すファイナルギア25が固定されている。
ファイナルギア25の外周には、回転軸X1回りの周方向の全周に亘って歯部250が形成されている。
ファイナルギア25の歯部250は、回転軸X1の径方向から見て、回転軸X1に対して所定角度傾斜している。ファイナルギア25は、歯部250を斜めに付けたヘリカルギアである。
ファイナルギア25の上側には、リダクションギア35が位置している。このリダクションギア35の外周の歯部35aが、ファイナルギア25の歯部250に噛合している。
変速機ケース10においてリダクションギア35は、回転軸X2回りに回転可能に設けられている。リダクションギア35の回転軸X2は、ファイナルギア25の回転軸X1よりも上側で、回転軸X1に対して平行に設けられている。
リダクションギア35は、図示しない変速機構部の出力回転が入力されて回転軸X2回りに回転する。そのため、リダクションギア35が外周に噛合したファイナルギア25は、リダクションギア35から伝達される回転駆動力により、回転軸X1回りに回転する。
自動変速機1を搭載した車両の前進走行時には、ファイナルギア25は、図中、時計回方向CW(正転方向)に回転する。
回転軸X1方向から見て、変速機ケース10の周壁部11は、ファイナルギア25の近傍領域が、ファイナルギア25の外周を囲む弧状を成している。
周壁部11では、周方向に間隔をあけて複数のボルト孔12が設けられている。周壁部11の紙面手前側の端面11aは、トルクコンバータ(図示せず)を囲むコンバータハウジング(図示せず)との接合面となっている。
変速機ケース10では、周壁部11の内側に、ファイナルギア25の側面を覆う壁部13が設けられている。図2の(a)に示すように、壁部13は、ファイナルギア25よりも図中左側で、ファイナルギア25の側面25aに沿う向きで設けられている。
変速機ケース10には、バッフルプレート4(本体部5、カバー部8、カバー部9)が設けられている(図1、図2、図3参照)。
バッフルプレート4は、変速機ケース10におけるファイナルギア25が設けられた領域と、ドリブンスプロケットDSが設けられた領域とに跨がって設けられている。
図3は、バッフルプレート4(本体部5、カバー部8、カバー部9)を説明する図である。図3では、ファイナルギア25を仮想線で示すと共に、回転軸X1方向で、バッフルプレート4の各構成要素(本体部5、カバー部8、カバー部9)と、ファイナルギア25の位置をずらして示している。
図4は、バッフルプレート4の本体部5を説明する図である。図4の(a)は、回転軸X1方向から本体部5を見た図である。図4の(b)は、図4の(a)におけるA-A断面図である。図4の(c)は、図4の(a)におけるB-B断面図である。
なお、図4の(a)では、ドリブンスプロケットDSの一部を仮想線で示しており、図4の(b)ではファイナルギア25を仮想線で示しており、図4(c)では、ドリブンスプロケットDSと駆動シャフトSHの一部を仮想線で示している。
図3に示すように、バッフルプレート4は、変速機ケース10側に固定される本体部5と、コンバータハウジング(図示せず)側に固定されるカバー部8と、本体部5に固定されるカバー部9と、を有している。本実施形態では、低温時の線膨張係数が大きいポリマー材で、バッフルプレート4が形成されている。
本体部5にカバー部8を組み付けると、本体部5とカバー部8との間にファイナルギア25の収容室Sa(回転体収容室)が形成される(図2の(a)参照)。
本体部5にカバー部9を組み付けると、本体部5とカバー部9との間にドリブンスプロケットDsの収容室Sb(回転体収容室)が形成される(図2の(b)参照)。
図4の(a)に示すように、バッフルプレート4の本体部5は、ファイナルギア25の側面を覆う第1カバー部6と、ドリブンスプロケットDSの側面を覆う第2カバー部7とを有している。
第1カバー部6と第2カバー部7は、樹脂成形により一体に形成されている。
回転軸X1方向から見て第1カバー部6は、板状の基部60を有している。
基部60は、回転軸X1周りの周方向に延びており、回転軸X1方向から見て基部60は、円弧状を成している。
基部60の外周までの外径Rは、ファイナルギア25の外周までの半径rよりも大きい径に設定されている。
図2の(a)に示すように、変速機ケース10では、ファイナルギア25の壁部13側の側面25aが、第1カバー部6の基部60で覆われている。
図4の(a)に示すように、基部60には、複数の貫通孔68が設けられている。貫通孔68の各々は、基部60を回転軸X1方向に貫通している。
回転軸X1方向から見て貫通孔68の各々は、回転軸X1を中心とする仮想円Im1上で、回転軸X1周りの周方向に間隔をあけて設けられている。
バッフルプレート4の第1カバー部6は、貫通孔68を挿通させたボルト(図示せず)により、変速機ケース10に固定される。
基部60には、貫通孔68を囲む凹部66と、凹溝67が、さらに設けられている。
回転軸X1方向から見て凹部66は、貫通孔68を囲む円形を成しており、凹部66の各々は、紙面奥側に窪んで形成されている。
図4に示すように、回転軸X1方向から見て凹溝67は、紙面奥側に窪んで形成されている。
凹溝67は、回転軸X1周りの周方向で隣接する凹部66、66同士を接続している。
回転軸X1方向から見て凹溝67は、前記した仮想円Im1に沿う弧状に形成されている。
回転軸X1方向から見て、基部60の一端601は、当該一端601側に設けられた貫通孔68を所定間隔で囲む円弧状に形成されている。
基部60の他端602は、回転軸X1の径方向に延びる線分Laに沿う直線状に形成されている。ここで、回転軸X1方向から見て線分Laは、回転軸X1に直交すると共に回転軸X1の径方向に延びる直線である。
基部60の内径側の縁には、紙面手前側に突出する内壁部61が設けられている。
平面視において内壁部61は円弧形状を成しており、内壁部61は、回転軸X1周りの周方向の全長に亘って、略同じ突出高さで設けられている。
基部60の外径側の縁には、紙面手前側に突出する外壁部62が設けられている。
外壁部62は、基部60の長手方向の一端601側から他端602に及ぶ範囲に設けられている。
回転軸X1方向から見て外壁部62は、ファイナルギア25の外周に沿う円弧状を成している。
図1の(a)に示すように、変速機ケース10では、自動変速機の設置状態を基準とした鉛直線VL方向の下側の領域にオイルOLが貯留されている。
バッフルプレート4は、回転軸X1周りの周方向における外壁部62の一端62aと他端62bが、オイルOLの油面OL_levelよりも上側となるように設けられている。
外壁部62では、オイルOLの油面OL_levelよりも下側となる位置に、油孔65が設けられている(図3参照)。
油孔65は、外壁部62を厚み方向(回転軸X1の径方向)に貫通して設けられている。
図3に示すように、外壁部62は、回転軸X1方向に所定の高さh1を持って設けられている。
この外壁部62の高さh1は、回転軸X1方向におけるファイナルギア25の厚みW1よりも大きい高さとなるように設定されている(h1>W1)。
そのため、図4の(b)に示すように、回転軸X1の径方向から見て、変速機ケース10の下側では、ファイナルギア25の外周が、ファイナルギア25を所定間隔(例えば、2mm)で囲む外壁部62により覆われている。
本実施形態では、回転軸X1方向における外壁部62の略中間となる位置に油孔65が設けられている。
図4の(b)に示すように、外壁部62の外周には、帯状リブ69が設けられている。
帯状リブ69は、本体部5(外壁部62、基部60)を構成する素材と同様に、低温時の線膨張係数が大きい素材で形成されている。
なお、帯状リブ69は、本体部5(外壁部62、基部60)を構成する素材よりも、低温時の線膨張係数が大きい素材で形成されていても良い。
帯状リブ69は、回転軸X1周りの周方向において、油孔65の近傍から第2カバー部7から離れる方向(図4(a)における左方向)の所定範囲に設けられている。
この帯状リブ69が設けられた領域は、車両の前進走行時のファイナルギア25の回転方向において、油孔65よりも下流側であり、回転するファイナルギア25で掻き上げられたオイルOLの移動方向側である。
帯状リブ69は、外壁部62と基部60との境界部において、外壁部62と基部60とに跨がって設けられている。
図4の(b)に示すように帯状リブ69は、外壁部62の外周に一体に形成された変形促進部691と、基部60の裏面に一体に形成された底部692と、を有している。
変形促進部691は、外壁部62の外周から外方に所定の厚みWa(例えば、4mm)で突出している。変形促進部691は、回転軸X1周りの周方向において、油孔65の近傍から、外壁部62の他端62bの近傍までの所定の角度範囲に設けられている。
回転軸X1方向における変形促進部691の高さh2は、外壁部62の高さh1の大凡半分である。変形促進部691は、外壁部62の端部62c(自由端)から、基部60側(図4(b)における左側)に離れた位置に設けられている。
図3に示すように、変形促進部691には、周方向に間隔をあけて複数の凹部693(スリット)が設けられている。回転軸X1の径方向から見て凹部693は、矩形形状を成しており、凹部693内には、外壁部62の外周が露出している。
底部692は、基部60の外側面を内径側に延びており、前記した凹溝67の領域まで及んでいる(図4の(b)参照)。前記したように凹溝67は、基部60を窪ませて形成されており、基部60の外側面では、凹溝67の領域と底部692とが面一になっている。
図4の(a)に示すように、第2カバー部7の基部70は、第1カバー部6の外壁部62の外周から、回転軸X1の径方向に延出している。
基部70は、第1カバー部6から離れるにつれて回転軸X1周りの周方向の幅が狭くなる先細りの形状を有している。
第2カバー部7の基部70と、第1カバー部6の基部60は、回転軸X1方向で位置をずらして設けられている。図4の(a)では、第2カバー部7の基部70のほうが、第1カバー部6の基部60よりも紙面手前側に位置している。
基部70の延出方向における先端部には、後記するカバー部9の取付部73が設けられている。取付部73は、基部70と一体に設けられている。取付部73は、基部70から離れる方向に延出しており、取付部73の先端側には、ボルト孔73aが開口している。
取付部73と基部70との境界部には、外壁部72が設けられている。図4の(a)において外壁部72は、紙面手前側に延出しており、外壁部72は、取付部73と基部70との境界部から、基部70の側縁に沿って、第1カバー部6の外壁部62まで延びている。
第2カバー部7の外壁部72と、第1カバー部6の外壁部62との接続部の近傍では、外壁部62の外周に、後記するカバー部9の取付部74が設けられている。取付部74は、外壁部62と外壁部72の間の領域に設けられており、取付部74の中央には、ボルト孔74aが開口している。
この取付部74と、前記した取付部73は、回転軸X1方向の高さ位置を揃えて設けられている。
第2カバー部7の外壁部72と、第1カバー部6の外壁部62との接続部の近傍には、板状リブ75が設けられている。
板状リブ75は、外壁部72と外壁部62とに跨がって設けられており、回転軸X1方向に所定間隔で複数設けられている(図3参照)。
外壁部72の外周には、長手方向に間隔をあけて複数のリブ79が設けられている。
リブ79もまた、第2カバー部7(外壁部72、基部70)を構成する素材と同様に、低温時の線膨張係数が大きい素材で形成されている。
なお、リブ79は、第2カバー部7(外壁部72、基部70)を構成する素材よりも、低温時の線膨張係数が大きい素材で形成されていても良い。
図4の(a)に示すように、回転軸方向から見たリブ79の形状は、半径raの半円形状であり、リブ79の各々は、頂点Pを外方に向けた状態で、外壁部72の外周から外方に突出している。
図4の(c)に示すように、回転軸X3方向のリブ79の高さh4は、回転軸X1方向の外壁部72の高さh3よりも低くなっている(h3>h4)。外壁部72においてリブ79は、基部70寄りの位置に設けられており、リブ79は、外壁部72の端部72c(自由端)から、基部70側(図4の(c)における左側)に離れた位置に設けられている。
図4の(a)に示すように、基部70の中央部には、貫通孔71が設けられている。この貫通孔71を、オイルポンプOP(図1参照)の駆動シャフトSH(図4の(c)参照)が貫通している。
図1に示すように、変速機ケース10では、第2カバー部7の紙面奥側に、オイルポンプOPが配置されており、第2カバー部7の紙面手前側にドリブンスプロケットDSが配置されている。
第2カバー部7では、外壁部72と、第1カバー部6の外壁部62との間の領域で、駆動シャフトSHにドリブンスプロケットDSが連結されており、ドリブンスプロケットDSと駆動シャフトSHとが一体に回転するようになっている。
自動変速機では、エンジン側から入力される回転駆動力が、チェーンCHを介して、ドリブンスプロケットDSに伝達される。
そうすると、ドリブンスプロケットDSと駆動シャフトSHとが回転軸X3回りに回転して、オイルポンプOPが駆動される。これにより、オイルパン16内のオイルOLが、オイルストレーナ17(図1の(a)参照)を介してオイルポンプOPに吸引される。そして、オイルポンプOPで加圧されたオイルOLが、自動変速機が備える油圧制御回路に供給される。
図5は、バッフルプレート4のカバー部8を説明する図である。図5の(a)は、回転軸X1方向からカバー部8を見た図である。図5の(b)は、図5の(a)におけるA-A断面図である。なお、図5の(b)ではファイナルギア25の一部を仮想線で示している。
図5に示すように、カバー部8は、板状の基部80を有している。
回転軸X1方向から見て、基部80は回転軸X1周りの周方向に延びており、回転軸X1方向から見て基部80は、円弧状を成している。
図5に示すように、基部80の外周までの外径R1は、本体部5側の外壁部62までの外径R(図4参照)よりも小さい径であって、ファイナルギア25の外周までの半径r(図4参照)よりも大きい径に設定されている。
そのため、基部80の外周部80aと、外壁部62との間に隙間CL1(図5の(b)参照)が確保されている。
図5に示すように、自動変速機1では、ファイナルギア25のコンバータハウジング(図示せず)側の側面25bが、カバー部8の基部80で覆われている。
基部80には、複数の貫通孔85が設けられている。貫通孔85の各々は、基部80を回転軸X1方向に貫通している。
回転軸X1方向から見て貫通孔85の各々は、回転軸X1を中心とする仮想円Im1上に位置している。貫通孔85の各々は、回転軸X1周りの周方向に間隔をあけて設けられている。
バッフルプレート4のカバー部8は、貫通孔85を挿通させたボルト(図示せず)により、コンバータハウジング(図示せず)に固定される。
基部80には、貫通孔85を囲む凹部86が、さらに設けられている。
図5の(a)に示すように、回転軸X1方向から見て凹部86の各々は、紙面手前に窪んで形成されている。
回転軸X1方向から見て、基部80の一端801と他端802は、回転軸X1の径方向に延びる線分Lb、Lcに沿う直線状に形成されている。
ここで、回転軸X1方向から見て線分Lb、Lcは、回転軸X1に直交すると共に回転軸X1の径方向に延びる直線である。
図5に示すように、線分Lcは、線分Lよりも上方に位置している。そのため、カバー部8と本体部5とを組み付けると、カバー部8側の他端802のほうが、本体部5側の他端602よりも上方まで及んで配置されるようになっている。
基部80の内径側の縁には、紙面手前側に突出する内壁部81が設けられている。
回転軸X1方向から見て内壁部81は、円弧形状を成しており、内壁部81は、回転軸X1周りの周方向の全長に亘って、略同じ突出高さh5で設けられている(図5の(b)参照)。
図5の(b)に示すように、内壁部81は、回転軸X1に対して略平行な第1筒状部811と、第1筒状部811から離れるにつれて回転軸X1に近づく方向に傾斜した第2筒状部812とを、有している。
内壁部81は、デフケース20の外周を所定間隔で囲むようにするために、第1筒状部811と第2筒状部812の回転軸X1に対する傾きが異なっている。
図5の(b)に示すように、断面視においてカバー部8では、回転軸X1方向におけるファイナルギア25側から順番に、基部80と、第1筒状部811と、第2筒状部812とが並んでいる。
基部80の外周部80aには、帯状のシール部材88が外嵌して取り付けられている。
シール部材88は、線膨張係数の大きい材料(例えば、ゴム)などの弾性材料で形成された所定幅W3の部材であり、回転軸X1方向から見て、シール部材88は円弧状を成している(図5の(a)参照)。
シール部材88の外径R2は、本体部5側の外壁部62までの外径R(図4参照)よりも僅かに大きい径に設定されている。
図2の(a)に示すように、本体部5にカバー部8を組み付けるとシール部材88の外周縁が、外壁部62の内周に圧接して、本体部5側の外壁部62と、カバー部8側の基部との間の隙間CL1が、シール部材88により封止される。この状態において、ファイナルギア25の外径側に、ファイナルギア25の収容室Sa(回転体収容室)が形成されている。
第1筒状部811の外周には、長手方向に間隔をあけて複数のリブ89が設けられている。
リブ89は、カバー部8(内壁部81、基部80)を構成する素材と同様に、低温時の線膨張係数が大きい素材で形成されている。
なお、リブ89は、カバー部8(内壁部81、基部80)を構成する素材よりも、低温時の線膨張係数が大きい素材で形成されていても良い。
図5の(a)に示すように、回転軸方向から見たリブ89の形状は、半径rbの半円形状であり、リブ89の各々は、頂点Pを外方に向けた状態で、第1筒状部811の外周から外方に突出している。
リブ89は、基部80と第1筒状部811とに跨がって設けられており、回転軸X1方向のリブ89の高さh6は、回転軸X1方向の第1筒状部811の高さh7よりも低くなっている(h7>h6)。第1筒状部811においてリブ89は、第2筒状部812側に隙間を残して設けられている。
リブ89は、第1筒状部811との接触面積の方が、基部80との接触面積よりも広くなっている。
リブ89は、基部80の外周部80a(自由端)から、内壁部81側(図5の(b)における上側)に離れた位置に設けられている。
カバー部8を本体部5に組み付けると、シール部材88の先端側が、本体部5の外壁部62の内周に弾性的に接触して、本体部5側の外壁部62とカバー部8側の基部80の外周との隙間CL1が、シール部材88により封止される。
図2の(a)に示すように、カバー部8を本体部5に組み付けた状態において、ファイナルギア25の下側の領域は、回転軸X1方向の一方の側面25aと他方の側面25bが、それぞれ本体部5の基部60と、カバー部8の基部80で覆われると共に、ファイナルギア25の外周が、本体部5の外壁部62で覆われる。
よって、ファイナルギア25の下側の領域は、ファイナルギア25に近接配置されたバッフルプレート4(バッフルプレート部)で囲まれた状態で配置されている。
図5の(a)に示すように、本実施形態では、シール部材88の長手方向の一端88aは、前記した基部80の一端801(線分Lb)の近傍に位置しており、他端88bは、前記した線分Laまで及んでいる。
シール部材88は、ファイナルギア25が掻き上げるオイルOLが移動する側(図5の(a)における左側)に位置する他端88bの方が、一端88aよりも上方に位置している。
図6は、バッフルプレート4のカバー部9を説明する図である。図6の(a)は、回転軸X3方向からカバー部9を見た図である。図6の(b)は、図6の(a)におけるA-A断面図である。
なお、図6の(b)では、本体部5側の外壁部72の一部と、ドリブンスプロケットDSおよび駆動シャフトSHの一部を仮想線で示している。
図6に示すように、カバー部9は、板状の基部90を有している。回転軸X3方向から見て基部90は、第2カバー部7の基部70に回転軸X3(図3参照)方向から重なることが可能な形状で形成されている。
回転軸X1方向から見て、基部90は、第1カバー部6の外壁部62の外周に沿う形状の第1側縁901と、第2カバー部7の外壁部72の内周に沿う形状の第2側縁902とを有している。
第1側縁901と第2側縁902は、長手方向の一方の端部同士が接続している。第2側縁902の他方の端部には、ボルト孔91aを有する取付部91が設けられている。
第1側縁901の他方の端部に接続された第3側縁903は、ドリブンスプロケットDSの回転軸X3の外径側であって、回転軸X3を挟んだ第2側縁902とは反対側を、迂回して取付部91に接続されている。
基部90では、第1側縁901と第2側縁902との接続部の近傍に、ボルト孔90cが設けられている。
カバー部9のボルト孔91aとボルト孔90cは、前記した第2カバー部7のボルト孔73a、74a(図4参照)に対応する位置に設けられている。
基部90を、第2カバー部7側の取付部73、74に載置すると、第2側縁902が、第2カバー部7の外壁部72との間に隙間CL2を空けた状態で保持される。
これら取付部74と取付部73により、カバー部9が、第2カバー部7の基部70に対して略平行に保持されると共に、ボルトBで第2カバー部7に固定されるようになっている(図3参照)。
第2側縁902の外周には、帯状のシール部材98が外嵌して取り付けられている。
シール部材98は、線膨張係数の大きい材料(例えば、ゴム)などの弾性材料で形成された所定幅W4の部材であり、第2側縁902の形状に対応した湾曲形状で形成されている。
図2の(b)に示すように、カバー部9を、本体部5側の第2カバー部7に組み付けると、シール部材98の外周縁が、第2カバー部7の外壁部72の内周に圧接して、本体部5側の外壁部72と、カバー部9側の基部90との隙間CL2が、シール部材98により封止される。
この状態において、ドリブンスプロケットDSの外径側に、ドリブンスプロケットDSの収容室Sb(回転体収容室)が形成されている。
図2の(b)に示すように、カバー部9を第2カバー部7に組み付けた状態において、ドリブンスプロケットDSの下側の領域は、回転軸X3方向の一方の側面DSaと他方の側面DSbが、それぞれ第2カバー部7の基部70と、カバー部9の基部90で覆われると共に、ドリブンスプロケットDSの外周が、第2カバー部7の外壁部72で覆われる。
ドリブンスプロケットDSの下側の領域は、バッフルプレート4の第2カバー部7と、カバー部9で囲まれた状態で配置されている。
前記したように、バッフルプレート4の本体部5では、ファイナルギア25の外周を所定間隔で囲む外壁部62に、油孔65(図3参照)が設けられている。
外壁部62において油孔65は、自動変速機1の設置状態を基準とした鉛直線方向で、オイルOLの油面OL_levelよりも下側となる位置に設けられている。
本実施形態では、ファイナルギア25が回転する際に生じる負圧により、外壁部62の外周と、変速機ケース10の周壁部11の内周との間のオイルOLが、油孔65を通ってファイナルギア25側に流入できるようになっている。
すなわち、外壁部62の外側のオイルOLが、外壁部62の内側に流入できるようになっている。
ここで、外壁部62の内側に流入するオイルOLの量が多くなると、流入したオイルOLが、ファイナルギア25の回転に対するフリクションとなる。
また、外壁部62の内側に流入するオイルOLの量が少なくなりすぎると、ファイナルギア25の潤滑だけでなく、リダクションギア35周りの潤滑が不足する。ファイナルギア25で掻き上げられてリダクションギア35に供給されるオイルの量が少なくなるからである。
バッフルプレート4は、以下を目的として設けられている。
(a)ファイナルギア25により掻き上げられたオイルOLを、リダクションギア35(他のギア)に誘導する。
(b)ファイナルギア25が回転する際の抵抗(撹拌抵抗)を低減させる。
そのため、油孔65の開口径は、実験結果やシミュレーションを通じて、上記(a)、(b)の目的を達成できる最小の径に設定されている。
自動変速機では、オイルポンプOPが駆動されると、コントロールバルブボディ(図示せず)に付設されたオイルストレーナ17(図1の(a)参照)を介して、オイルパン16内のオイルがオイルポンプOPに吸引される。
そして、オイルポンプOPで調圧されたオイルOLは、変速機構部の作動や回転要素などの潤滑に用いられたのち、自重によりオイルパン16まで戻るようになっている。
変速機ケース10の下部に固定されたオイルパン16内には、変速機構部の作動や回転要素などの潤滑に必要な量のオイルが貯留されている。
ここで、冬季のような低温環境下におけるエンジンの始動直後では、自動変速機1内のオイルの温度が低いため、オイルOLの流動性が低くなる。
かかる場合、オイルパン16へのオイルOLの戻りが悪くなるので、オイルパン16内のオイルOLが不足した場合には、オイルストレーナ17の吸込み口から、空気が吸い込まれてしまうことがある。
そうすると、空気を含んだオイルが変速機構部の作動に用いられて、ショックなどを生じてしまうことがある。
本実施形態では、オイルOLの温度が低いときに、バッフルプレート4内のオイルのオイルパン16側への戻りをよくするために、バッフルプレート4側に、帯状リブ69とリブ79を設けると共に、カバー部8側にリブ89を設けている。
これら帯状リブ69と、リブ79、89は、バッフルプレート4の構成要素を構成する素材と同様に、低温時の線膨張係数が大きい素材で形成されている。
そのため、本実施形態では、帯状リブ69やリブ79、89の部分が、低温時に他の部位よりも大きく縮んで、帯状リブ69やリブ79、89に隣接する他の部位を大きく変形させるようにしている。
以下、具体的に説明する。
図7は、バッフルプレート4の作用を説明する図であって、帯状リブ69やリブ79、89の作用を説明する図である。
図7の(a)は、帯状リブ69とリブ89による外壁部62と基部80の変形を説明する図である。図7の(b)は、リブ79による外壁部72の変形を説明する図である。
図7の(a)に示すように、低温時には、カバー部8側のリブ89が、当該リブ89に隣接する他の領域(基部80、内壁部81)よりも大きく収縮する(図中、矢印参照)。
ここで、リブ89に隣接する領域(基部80、内壁部81)のうち、内壁部81は、第1筒状部811と第2筒状部812との境界部で屈曲した形状で形成されているので、基部80よりも屈曲し難くなっている。
一方、基部80は、内壁部81側(内径側:回転軸X1側)の剛性と強度が高くなっており、外径側(外周部80a:自由端)側が回転軸X1方向に変位可能となっている。
そのため、リブ89の収縮に伴って、基部80がリブ89側に引き寄せられて、基部80の外周部80a側が、ファイナルギア25から離れる方向に湾曲する。
また、低温時には、第1カバー部6側の帯状リブ69が、当該帯状リブ69に隣接する他の領域(基部60、外壁部62)よりも大きく収縮する(図中、矢印参照)。
ここで、帯状リブ69に隣接する領域(基部60、外壁部62)のうち、基部60は、凹溝67に起因する段差が設けられており、この部分が補強リブとしても機能するので、外壁部62よりも屈曲し難くなっている。
一方、外壁部62は、基部60側の強度が、カバー部8側の端部62cよりも高くなっており、外壁部62の端部62c(自由端)側が回転軸X1の径方向に変位可能となっている。
そのため、バッフルプレート4では、低温時に帯状リブ69とリブ89が収縮すると、外壁部62の端部62c側と、基部80の外周部80a側が互いに離れる方向に変位して、外周部80aに設けたシール部材88が、外壁部62から離れる方向に変位する(図7の(a)参照)。
これにより、
(I)本体部5の外壁部62の内周と、カバー部8の基部80との隙間のシール部材88によるシールが、オイルOLの温度が低い時に解消されて、クリアランスCL’が生じる。
そうすると、外壁部62は、自動変速機の設置状態を基準とした鉛直線方向で下側に位置しているので、外壁部62の内側に溜まった流動性の低いオイルOLが、オイルパン16側の下方に排出される。
ここで、本実施形態では、帯状リブ69が、外壁部62から基部60まで跨がって設けられている。そのため、帯状リブ69が収縮すると、帯状リブ69は収縮しながら、剛性強度が高い基部60側(図7の(a)における左側)に引き寄せられる。よって、外壁部62の端部62c側の変位量を大きくして、カバー部8側の基部80の外周部80aとのクリアランスCL’をより広げることができる。
さらに、帯状リブ69の変形促進部691では、回転軸X1周りの周方向に間隔をあけて複数の凹部693(スリット)が設けられている。
そのため、回転軸X1周りの周方向での変位量が、凹部693が設けられている領域のほうが、変形促進部691が設けられている領域よりも少なくなる。
そうすると、回転軸X1方向から見て、弧状を成す外壁部62の端部62c側を波打つような形状に変形させることができる。
これにより、カバー部8側の基部80の外周部80aとのクリアランスCL’を、部分的に広げることができるので、外壁部62の内側に溜まった流動性の低いオイルOLを、オイルパン16側の下方により適切に排出されることができる。
さらに、図7の(b)に示すように、第2カバー部7の外壁部72では、基部70側の外周にリブ79が設けられている。
そのため、外壁部72では、基部70側の強度が、カバー部9側の端部72cよりも高くなっており、第2カバー部7では、リブ79に隣接する領域(基部70、外壁部72)のうち、外壁部72のほうが変位しやすくなっている。
そのため、バッフルプレート4では、低温時にリブ79が収縮すると、外壁部72の端部72c(自由端)側が、回転軸X3の径方向で、基部90から離れる方向に変位して、基部90の外周部90aに設けたシール部材98が、外壁部72から離れることになる(図7の(b)参照)。
これにより、
(II)本体部5の外壁部72の内周と、カバー部9の基部90との隙間のシール部材98によるシールが、オイルOLの温度が低い時に解消されて、クリアランスCL’が生じる。
そうすると、外壁部72は、自動変速機の設置状態を基準とした鉛直線方向で下側に位置しているので、外壁部72の内側に溜まった流動性の低いオイルOLが、オイルパン16側の下方に排出される。
このように、本実施形態では、オイルOLの温度が低いときに、バッフルプレート4内のオイルのオイルパン16側への戻りをよくするために、本体部5側に、帯状リブ69とリブ79を設けると共に、カバー部8側にリブ89を設けている。
これら帯状リブ69と、リブ79、89は、低温時の線膨張係数が大きい素材(低温になると収縮する材質)で形成されており、低温時に帯状リブ69やリブ79、89の部分が他の部位よりも大きく収縮する。
これにより、シール部材88による隙間CL1(外壁部62と基部80との隙間)のシールと、シール部材98による隙間CL2(外壁部72と基部90との隙間)のシールが解消されて、オイルOLを排出可能なクリアランスCL’が形成されるようにしている。
材質には、低温になると膨張する材質と、低温になると収縮する材質と、がある。
まず、後者の材質を選択することで低油温時のバッフルプレート部の構成要素(本体部5の外壁部62、72、カバー部8の基部80)の移動を促して、シール部材88、98によるシールが解消されるようにしている。
ここで、バッフルプレート4(バッフルプレート部)の構成要素(帯状リブ69、リブ79、89)を、低温になると収縮する材質に単純に置き換えただけでは、シール部材によるシールが解消されない場合がある。
これは、例えば、低温になったときの収縮量が小さく、収縮によりシール部材88、98を、バッフルプレート4の外壁部62、72から離すことができるほど収縮しなかったような場合には、シールが解消されないからである。
そこで、本実施形態では、収縮長を考慮してシール部材88、98の寸法(幅W3、W4)、及び/又はバッフルプレート4の各部の寸法を設定している。
例えば、基準温度から所定温度に下がった時の収縮量を考慮して、当該収縮量の収縮が起きた場合にシール部材88、98が、バッフルプレート4の外壁部62、72、から離れる寸法に、以下のものを設定する。
シール部材88、98の寸法(幅W3、W4)、及び/又はバッフルプレート4側の寸法(外壁部62、72の高さh1、h3、カバー部8の基部80の幅W1、カバー部8の基部80の外周部80aと外壁部62との間の隙間CL1(図5の(b)参照)、カバー部9の基部90の外周部90aと、外壁部72との間の隙間CL2(図6の(b)参照))。
ここで、基準温度は、所定温度よりも高い温度で任意の温度を定めれば良い。例えば、常温(25℃)と設定しても良いし、通常使用温度使用領域(数十℃~百数十℃)から任意の温度に設定しても良い。
すなわち、例えば、基準温度におけるバッフルプレート(外壁部62、72)に対するシール部材88、98の押付け力が小さいほど、基準温度から所定温度未満に下がった時に必要な収縮量は小さくなる。
バッフルプレート4(外壁部62、72)に対するシール部材88、98の押付け力は、シール部材88、98、及び/又はバッフルプレート4側の寸法に依存するので、常温におけるバッフルプレート4に対する押付け力が小さくなるように寸法を設定すれば良い。
そして、このような寸法を設定することにより、低温時にクリアランスが形成されて、バッフルプレート4(バッフルプレート部)の内部からオイルパン16側への油戻しを促進することができるようになる。
なお、当該寸法は当業者であれば使用する材料の特性(線膨張係数等)に合わせて予め実験及び/又は計算を行うことにより適宜設定することが可能である。
例えば、以下のような様々な方法で予め寸法を定めることができる。
・バッフルプレート4(バッフルプレート部)の温度を変更させて寸法の変化を計測する。
・バッフルプレート4(バッフルプレート部)に使う材質を用いたサンプルを作成して温度を変更させて寸法の変化を計測する。
・バッフルプレート4(バッフルプレート部)に使う材質の線膨張係数とバッフルプレート部の設計寸法から理論的な収縮量を計算する。
さらに、本実施形態では、帯状リブ69とリブ79、89を構成する素材の材質として、一例として、ポリマー材を採用している。
材質の線膨張係数は限定されないので、金属(純金属、合金含む)、セラミックス、ポリマー(特に、有機ポリマー(有機化合物からなるポリマー)等)などどのような材質を使っても良い。
ただし、線膨張係数が小さい材質(金属など)を用いた場合は、基準温度におけるバッフルプレートに対するシール部材88、98の押付け力を、非常に小さくなるように設定する必要があり、シール部材88、98のシール性が低くなってしまうことになる。
なお、線膨張係数は、以下の範囲であることが好ましい。
金属の場合は、5~25x10-6-1の線膨張係数。セラミックスの場合は、0.5~15x10-6-1の線膨張係数。ポリマーの場合は、50~300x10-6-1の線膨張係数。
以上の通り、本実施形態では、バッフルプレート部(バッフルプレート4)の構成要素、すなわち、本体部5と、カバー部8、9と、シール部材88、98の総てが、低温時の線膨張係数が大きいポリマーなどの材質で形成されている場合を例示した。
本願発明は、この態様にのみ限定されない、本体部5と、カバー部8、9と、シール部材88、98とのうちの少なくとも1つが、低温時の線膨張係数が大きいポリマーなどの材質で形成されていれば良い。この場合において、ポリマーなどの材質で形成されている構成要素の組み合わせは、適宜選択可能である。
また、本体部5やカバー部8、9を、ポリマーなどの材質で形成する場合、本体部5やカバー部8、9の総てがポリマーなどの材質で形成されている必要はない、これらの一部の領域のみがポリマーなどの材質で形成された構成としても良い。
同様に、シール部材88、98を、ポリマーなどの材質で形成する場合、シール部材88、98の総てが、ポリマーなどの材質で形成されている必要はない、これらの一部の領域のみがポリマーなどの材質で形成された構成としても良い。
以上の通り、本実施形態は、以下の構成を有している。
(1)動力伝達装置(自動変速機1)は、
一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8、9)と、
一対のバッフルプレートの間の領域に設けられたシール部材88、98と、を含むバッフルプレート部(バッフルプレート4)と、
バッフルプレート部に囲まれた空間である回転部材室(収容室Sa、Sb)の内部に配置される回転部材(ファイナルギア25、ドリブンスプロケットDS)と、
回転部材(ファイナルギア25、ドリブンスプロケットDS)に供給される潤滑油(オイルOL)の供給元となるオイルポンプOPと、
オイルポンプOPの吸入元となる油(オイルOL)が貯留されるオイルパン16と、を有する。
一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8、9)の一方、一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8、9)の他方、又は、シール部材88、98の少なくともいずれか一は、油温(オイルOLの温度)が低くなるほど収縮する材質(低温での線膨張係数の大きい材質)を含んで構成されている。
バッフルプレート部(本体部5、カバー部8、9)は、所定油温以上のときに、一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8、9)の間の領域(隙間CL1、CL2)がシール部材88、98でシールされ、且つ、所定油温未満のときに一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8)の間の領域にクリアランスCL’が形成される寸法に設定されている。
隙間CL1は、本体部5の外壁部62の内周と、カバー部8の基部80の外周部80aとの隙間である。
隙間CL2は、本体部5の外壁部72の内周と、カバー部9の基部90の外周部90aとの隙間である。
このように構成すると、本体部5の外壁部62、72の内周と、カバー部8、9の基部80、90の外周部80a、90aとの隙間CL1、CL2のシール部材88、98によるシールが、オイルOLの温度が低い時に解消されて、クリアランスCL’、CL’が生じる。
そうすると、外壁部62、72は、自動変速機1の設置状態を基準とした鉛直線方向で下側に位置しているので、外壁部62、72の内側に溜まった流動性の低いオイルOLが、オイルパン16側の下方に排出される。
これにより、低温時にクリアランスCL’が形成されて、バッフルプレート部(本体部5、カバー部8、9)の内部からオイルパン16側への油戻し(オイルOLの戻し)を促進することができる。
また、シール部材88、98を設けることにより、所定温度未満になるまでは、シール部材88、98により、クリアランスCL’を「0(ゼロ)」にすることができるので、油温が高くなった時の油の侵入抑制効果を高くすることができる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(2)材質は、ポリマー材であり、ポリマー材は、樹脂材またはゴム材である。
線膨張係数が高い物質であるポリマーを用いることにより収縮量を大きくすることができる。基準温度におけるバッフルプレート(外壁部62、72)に対するシール部材88、98の押付け力を高くすることができ、シール部材88、98によるシール性を高めることができる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(3)バッフルプレート部(本体部5、カバー部8)は、ポリマー材からなる材質により構成されたリブ(帯状リブ69、リブ79、89)を有する。
バッフルプレート部(本体部5、カバー部8)、またはシール部材のポリマー材の部分に、ポリマー材からなるリブ(帯状リブ69、リブ、79、89)を形成すると、ポリマー材は肉厚であるほど温度変化による収縮量・膨張量が大きくなるので、低温時に形成されるクリアランスCL’をより広くとることができる。
よって、リブ(帯状リブ69、リブ79、89)を設けて局所的に肉厚の部分を作ることにより、温度変化による収縮量・膨張量を大きくすることができる。
これにより、基準温度時におけるシール部材88、98の外壁部62、72に対する押付け力を高くしても、低温時にシール部材88、98を外壁部62、72から離間させてクリアランスCL’を形成できる。よって、バッフルプレート4における収容室Sa、Sbのシール性を向上することができる。
ここで、バッフルプレート4の全体を厚くすることも考えられるが、そうではなく局所的に形成されたリブとすることにより重量低減・コスト低減という効果を得ることができる。
また、例えば、ポリマー材から構成されるバッフルプレート部(本体部5、カバー部8、9)、またはシール部材88、98が、原材料の溶融後に冷却して形成されるため、肉厚の部分の表面積を増やすことができ、比較的に冷却効率を高めることができる。
冷却効率が悪いと、ひずみが生じ、クラックなどが起きてしまうことがあるが、冷却効率が高まることで、かかる事態の発生を好適に防止できるという効果を得ることもできる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(4)自動変速機1(動力伝達装置)は、
一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8、9)を含むバッフルプレート部(バッフルプレート4)と、
バッフルプレート部(バッフルプレート4)に囲まれた空間である回転部材室(収容室Sa、Sb)の内部に配置される回転部材(ファイナルギア25、ドリブンスプロケットDS)と、
回転部材(ファイナルギア25、ドリブンスプロケットDS)に供給される潤滑油(オイルOL)の供給元となるオイルポンプOPと、
オイルポンプOPの吸入元となる油(オイルOL)が貯留されるオイルパン16と、を有する。
一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8、9)の少なくとも一方はポリマー材を含んで構成されている。
バッフルプレート部(バッフルプレート4)は、ポリマー材からなる材質により構成されたリブ(帯状リブ69、リブ79、89)を有する。
ポリマー材は、肉厚であるほど温度変化による収縮量・膨張量が大きくなる。よって、リブ(帯状リブ69、リブ79)を設けて局所的に肉厚の部分を作ることにより、温度変化による収縮量・膨張量を大きくすることができる。
そのため、シール部材が無いバッフルプレートの場合は、温度変化に伴うクリアランスの変化を大きくすることができるので、基準温度時におけるクリアランスをより小さく設定することができ、撹拌抵抗の低減効果を高めることができる。
一方、シール部材があるバッフルプレートの場合は、温度変化に伴うクリアランスの変化を大きくすることができる。これにより、基準温度時におけるシール部材の押付け力を高くすることができるので、シール性を向上することができ、撹拌抵抗の低減効果を高めることができる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(5)リブ79、89が、複数設けられている。
同じ体積のリブを形成するとするのであれば、1つのリブよりも複数のリブの方が表面積を大きくすることができるので冷却効率を高めることができる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(6)帯状リブ69にスリット(凹部693)が設けられている。
スリット(凹部693)を設けることにより表面積を大きくすることができるので、帯状リブ69の部分での冷却効率を高めることができる。なお、他のリブ79、89に、スリットを設けて表面積を大きくしても良い。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(7)リブ(帯状リブ69、リブ89)は、クリアランスCL’を生じさせる隙間CL1から離間した位置に配置される。
リブ79は、クリアランス(隙間CL2)から離間した位置に配置される。
帯状リブ69は、回転軸X1方向で、隙間CL1から離間した位置に配置されている。
リブ89は、回転軸X1の径方向で、隙間CL1から離間した位置に配置されている。
隙間CL1は、帯状リブ69が設けられた外壁部62と、リブ89が設けられたカバー部8側の基部80との間の隙間である。
隙間CL1は、外壁部62の端部62cと、基部80の外周部80aとの間の回転軸X1の径方向の隙間である。
隙間CL2は、リブ79が設けられた外壁部72と、カバー部9側の基部90との間の隙間である。
隙間CL2は、外壁部72の端部72cと、基部90の外周部90aとの間の回転軸X1の径方向の隙間である。
リブ(帯状リブ69、リブ79、89)を、クリアランスCL’を生じさせる隙間CL1から離間させた位置に置くことにより、収縮・膨張に伴うクリアランスCL’の変化を大きくすることができる。
つまり、一定の収縮量・膨張量であるのであれば隙間CL1、CL2から離間するほど、収縮・膨張に伴うクリアランスCL’の変化量が大きくなるし、収縮量・膨張量が大きいほどクリアランスCL’の変化量が大きくなる。
よって、収縮量・膨張量の大きいリブ(帯状リブ69、リブ79、89)が、クリアランスCL’を生じさせる隙間CL1、CL2から遠い位置にあるほど、生じさせるクリアランスCL’の変化量が大きくなる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(8)一対のバッフルプレートの少なくとも一方は、クリアランスを生じさせる隙間CL1と隣接するプレート部(カバー部8)を有し、
プレート部(カバー部8)が回転部材(ファイナルギア25)の軸方向(回転軸X1)において2つの領域(基部80、内壁部81)に区画されている場合において、
リブ9は、2つの領域(基部80、内壁部81)うちのクリアランス(隙間CL1)と隣接する領域(基部80)と重なる面積よりも、2つの領域とのうちのクリアランスと隣接しない領域(内壁部81)と重なる面積が大きくなるように配置されている。
クリアランスと隣接しない領域(内壁部81)は、クリアランス(隙間CL1)と隣接する領域(基部80)において、クリアランス(隙間CL1)から離れた位置から回転軸X1方向に延びている。
クリアランスと隣接しない領域(内壁部81)は、クリアランス(隙間CL1)と隣接する領域(基部80)において、クリアランス(隙間CL1)から離れた位置から回転軸X1方向に延びている。
リアランス(隙間CL1)から視て奥側にリブ9を配置することにより、リブ9を、クリアランスを生じさせる隙間CL1から離れた位置に設けることができるので、クリアランスの変化量をより大きくすることができる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(9)一対のバッフルプレートの少なくとも一方である本体部5は、クリアランスを生じさせる隙間CL1に隣接する第1プレート部(基部60)と、第1プレート部と隣接し且つ回転体(ファイナルギア25)の軸方向(回転軸X1方向)側に向って突出する第2プレート部(外壁部62)と、を有する。
リブ(帯状リブ69)が、第2プレート部(外壁部62)側に設けられている。
リブ(帯状リブ69)を、クリアランスを生じさせる隙間CL1から離れた位置に設けることができるので、クリアランスの変化量をより大きくすることができる。
(10)リブ(帯状リブ69)は、第1プレート部(基部60)と第2プレート部(外壁部62)との境界に接して配置されている。
リブ(帯状リブ69)は、第1プレート部(基部60)と第2プレート部(外壁部62)とに跨がって設けられて、第1プレート部(基部60)と第2プレート部(外壁部62)に接して配置されている。
リブ(帯状リブ69)を、クリアランスを生じさせる隙間CL1から離れた位置に設けることができるので、クリアランスの変化量をより大きくすることができる。
また、第1プレート部(基部60)にも直接的に力を加えることができるのでクリアランスの変化量をより大きくすることができる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(11)リブ(帯状リブ69、リブ89)が、一対のバッフルプレート(本体部5、カバー部8)の双方に設けられている。
本体部5側とカバー部8側の両方に、リブ(帯状リブ69、リブ89)の収縮力を作用させることができるので、本体部5側の外壁部62と、カバー部8側の基部80の両方に、クリアランス(隙間CL1)を開く力を与えることができる。よって、クリアランスの変化量をより大きくすることができる。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(12)リブ(帯状リブ69、リブ89)は、回転部材(ファイナルギア25)の回転部材室(収容室Sa)の外側に配置されている。
回転部材室(収容室Sa)の内側にリブ(帯状リブ69、リブ89)を配置すると、回転部材(ファイナルギア25)と干渉するおそれがあり、回転部材(ファイナルギア25)のレイアウトの制約条件が増えてしまうので、外側に配置する。
本実施形態は、以下の構成を有している。
(13)回転部材は、ギア(ファイナルギア25)、又はチェーンスプロケット(ドリブンスプロケットDS)である。
ファイナルギア25とドリブンスプロケットDSは、変速機ケース内で下部に配置されており、バッフルプレート(本体部5、カバー部8)は、ファイナルギア25とドリブンスプロケットDSとに跨がる範囲に設けられている。
そのため、リブを設けて、シール部材による隙間CL1のシールが解消されるようにすることで、極低温時にバッフルプレート内に滞留するオイルOLを、変速機ケース10下部のオイルパン16側に戻すことができる。
極低温時にのみ、シール部材88によるシールを解消できるので、燃費に影響を与える。
前記した実施形態では、駆動力伝達装置が、車両用の自動変速機である場合を例示した。本願発明の駆動力伝達装置は、車両用の自動変速機のみに限定されない。
複数のギアから構成されるギア列であって、少なくとも1つのギアが、ギア列の収容ケース内のオイルを掻き上げ得るように構成された装置にも適用可能である。このような装置として、入力された回転を減速して出力する減速装置が例示される。
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は、これら実施形態に示した態様のみに限定されるものではない。発明の技術的な思想の範囲内で、適宜変更可能である。

Claims (12)

  1. 一対のバッフルプレートと、前記一対のバッフルプレートの間の領域に設けられたシール部材と、を含むバッフルプレート部と、
    前記バッフルプレート部に囲まれた空間である回転部材室の内部に配置される回転部材と、
    前記回転部材に供給される潤滑油の供給元となるオイルポンプと、
    前記オイルポンプの吸入元となる油が貯留されるオイルパンと、を有する動力伝達装置であって、
    前記一対のバッフルプレートの一方、前記一対のバッフルプレートの他方、又は、前記シール部材の少なくともいずれか一は、油温が低くなるほど収縮する材質を含んで構成されており、
    前記バッフルプレート部は、所定油温以上のときに前記シール部材の外周縁が前記回転部材の外周を覆う前記バッフルプレート部の外壁部に圧接され、且つ、前記所定油温未満のときに前記一対のバッフルプレートの間の領域にクリアランスが形成される寸法に設定されている、動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載の動力伝達装置において、
    前記材質は、ポリマー材からなる、動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載の動力伝達装置において、
    前記ポリマー材は、樹脂材またはゴム材からなる、動力伝達装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の動力伝達装置において、
    前記バッフルプレート部は、前記ポリマー材からなる前記材質により構成されたリブを有する、動力伝達装置。
  5. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記リブは、前記クリアランスと離間した位置に配置される、動力伝達装置。
  6. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記一対のバッフルプレートの少なくとも一方は、前記クリアランスと隣接するプレート部を有し、
    前記プレート部が前記回転部材の軸方向において2つの領域に区画されているとした場合において、前記リブは前記2つの領域のうちの前記クリアランスと隣接する領域と重なる面積よりも前記2つの領域のうちの前記クリアランスと隣接しない領域と重なる面積が大きくなるように配置されている、動力伝達装置。
  7. 請求項4に記載の動力伝達装置において、
    前記一対のバッフルプレートの少なくとも一方は、前記クリアランスと隣接する第1プレート部と、前記第1プレート部と隣接し且つ前記回転部材の軸方向側に向って突出する第2プレート部とを有し、
    前記リブは前記第2プレート部に設けられている、動力伝達装置。
  8. 請求項7に記載の動力伝達装置において、
    前記リブは、前記第1プレート部と前記第2プレート部との境界に接して配置され、且つ、前記第1プレート部と前記第2プレート部の双方に接して配置されている、動力伝達装置。
  9. 請求項4乃至請求項のいずれか一に記載の動力伝達装置において、
    前記リブが複数設けられている、動力伝達装置。
  10. 請求項4乃至請求項のいずれか一に記載の動力伝達装置において、
    前記リブにスリットが設けられている、動力伝達装置。
  11. 請求項4乃至請求項10のいずれか一に記載の動力伝達装置において、
    前記リブは、前記一対のバッフルプレートの双方に設けられている、動力伝達装置。
  12. 請求項4乃至請求項11のいずれか一に記載の動力伝達装置において、
    前記リブは、前記回転部材室の外側に配置されている、動力伝達装置。
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