JP6991876B2 - 二次電池 - Google Patents

二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6991876B2
JP6991876B2 JP2018018579A JP2018018579A JP6991876B2 JP 6991876 B2 JP6991876 B2 JP 6991876B2 JP 2018018579 A JP2018018579 A JP 2018018579A JP 2018018579 A JP2018018579 A JP 2018018579A JP 6991876 B2 JP6991876 B2 JP 6991876B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
negative electrode
secondary battery
carbon fiber
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018018579A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019135702A (ja
Inventor
匠昭 奥田
拓郎 松永
佳大 岸田
厳 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2018018579A priority Critical patent/JP6991876B2/ja
Publication of JP2019135702A publication Critical patent/JP2019135702A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6991876B2 publication Critical patent/JP6991876B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

本明細書で開示する発明は、二次電池に関する。
従来、この種の二次電池としては、電解質を含むリチウムイオン供給コア部と、このコア部の外面を囲んで形成され内部電極活物質が外面にコーティングされた3次元網状構造の集電体を含む内部電極と、内部電極の外面を囲んで形成され外部電極活物質層を含む外部電極を含むケーブル型二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この二次電池では、コア部の電解質が電極の活物質に浸透しやすく、電池の容量特性及びサイクル特性に優れる、としている。
特表2014-532277号公報
ところで、近年、リチウム二次電池は、その高容量化、単位体積あたりの高エネルギー密度化が望まれている。例えば、電極を積層した二次電池の電池容量を増加させるには、活物質層の厚さを厚くする必要があるが、このように電極を高厚膜化すれば、電解液の厚さ方向の流れ道が長くなり、厚さ方向のイオンの濃度勾配を緩和しにくくなり、出力が低下することがあった。一方、上述した特許文献1のリチウムイオン二次電池では、電池の容量特性やサイクル特性に優れるものとしているが、エネルギー密度をより高めることはまだ十分でなく、レート特性の向上やエネルギー密度をより向上することが望まれていた。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、出力特性をより高めると共にエネルギー密度をより向上することができる新規な二次電池を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、所定の結晶化度及び空孔率を有する炭素繊維を負極活物質とする負極の表面に、イオン伝導性及び絶縁性を有する分離膜と正極活物質層を形成し、この負極を複数結束すると、出力特性及びエネルギー密度をより向上することができることを見いだし、本明細書で開示する発明を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する二次電池は、
正極活物質を有する正極と、
放射光を用いてX線小角散乱測定をイメージング法で行い(結晶部002回折ピーク面積)/(結晶部002回折ピーク面積+非晶質部面積)の計算式で求められる結晶化度が0.78以上であり空孔率が6体積%未満である炭素繊維の負極活物質を有する線状の負極と、
イオン伝導性を有し前記正極と前記負極とを絶縁する分離膜と、
を備えたものである。
本開示は、出力特性及びエネルギー密度をより向上した新規な二次電池を提供することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、リチウムイオン二次電池などの二次電池の負極を線状とし、炭素繊維を用いることにより、全周からキャリアのイオンを吸蔵放出させることができる。全周からの吸蔵放出反応は、正負極対向面積の増加による反応促進に加えて、深部(奥部)に行くほど対向面積当たりの活物質量が減少することによる平均反応速度の向上効果が期待でき、高出力化が達成できる。なお、深部での活物質量の減少は、深部の活物質ほど反応しにくいために好適と考えられる。また、平均反応速度の向上は、正/負極活物質間の平均距離低下に基づく。また、X線小角散乱測定で求められる結晶化度が0.78以上であり空孔率が6体積%未満の黒鉛化した炭素繊維では、負極容量がより高く、負極のエネルギー密度をより高めることができるものと推察される。これらの複合的な理由により、本開示の二次電池では、出力特性、例えば、高容量での急速充放電などの出力特性や、エネルギー密度などをより向上することができるものと推察される。
二次電池10の一例を示す模式図。 二次電池10のA-A断面図。 二次電池10の製造工程の一例を示す説明図。 結束構造及び積層構造における正負極対向面積及びセルエネルギー密度の関係図。 負極繊維径又は負極合材の膜厚に対するセルエネルギー密度及び電極対向面積の関係図。 評価セル30の説明図。 実施例1の炭素繊維のX線小角散乱測定結果。
実施形態で説明する二次電池は、正極活物質を有する正極と、炭素繊維の負極活物質を有する線状の負極と、イオン伝導性を有し正極と負極とを絶縁する分離膜とを備えている。この負極は、放射光を用いてX線小角散乱測定をイメージング法で行い(結晶部002回折ピーク面積)/(結晶部002回折ピーク面積+非晶質部面積)の計算式で求められる結晶化度が0.78以上であり空孔率が6体積%未満である炭素繊維の負極活物質を有する。正極及び負極には、活物質のほか導電材や結着材を含むものとしてもよい。この負極は、線状であればよく、その断面は円形であってもよいし、多角形であってもよい。また、正極は、炭素繊維の負極の周りに存在するものとしてもよいし、負極の間の空間に充填されているものとしてもよい。この二次電池は、正極、負極及び分離膜のうち1以上に電解液を含むものとしてもよい。あるいは、分離膜が固体電解質であるものとしてもよい。また、この二次電池は、分離膜を介して正極と隣り合う状態で複数の負極が結束された構造を有するものとしてもよい。また、正極及び負極には、集電線などの集電部材が埋設されているものとしてもよいし、この集電部材を備えないものとしてもよい。ここでは、説明の便宜のため、リチウムイオンをキャリアとするリチウム二次電池をその主たる一例として以下説明する。
次に、本実施形態で開示する二次電池について図面を用いて説明する。図1は、二次電池10の一例を示す模式図である。図2は、図1の二次電池10のA-A断面図である。この二次電池10は、図1、2に示すように、負極11と、負極集電体12と、正極16と、正極集電体17と、分離膜21とを備えている。この二次電池10は、炭素繊維を負極活物質とする負極11と、負極11の周りに形成された正極活物質層からなる正極16とを備えている。この二次電池10は、分離膜21を介して正極16と隣り合う状態で複数の負極11が結束された構造を有するものとする。また、この二次電池10では、50本以上の負極11が結束された構造を有しているものとしてもよい。
負極11は、炭素繊維の負極活物質からなる線状体であるものとしてもよい。負極11は、端面以外の外周が分離膜21を介して正極16に対向している。例えば、負極11は、セル全体の負極容量の1/nの容量を有し、n個が負極集電体12に並列接続されているものとしてもよい。この負極11は、長手方向に垂直な断面の長さ(直径)が10μm以上200μm以下の範囲であることが好ましい。この長さが10μm以上では、電極構造体としての強度を担保することができ安定した充放電ができる。また、この長さが200μm以下ではキャリアのイオンの移動距離が長くなりすぎず、高出力性能が得られる。また、この長さがこの範囲では、単位体積あたりのエネルギー密度をより高めることができる。あるいは、この範囲では、キャリアのイオンの移動距離をより短くすることができ、より大きな電流で充放電を行うことができる。この炭素繊維の長手方向の長さは、二次電池の用途などに応じて適宜定めることができ、例えば、20mm以上200mm以下の範囲などとしてもよい。炭素繊維の長さが20mm以上では、電池容量をより高めることができ好ましく、200mm以下では、負極の電気抵抗をより低減することができ好ましい。
負極11は、放射光を用いてX線小角散乱測定をイメージング法で行い、計算式(1)で表される結晶化度が0.78以上の範囲である炭素繊維を活物質とする。この結晶化度が0.78以上では、炭素繊維の電子抵抗が低くなることに起因して、電池内部抵抗が低下して出力性能が高くなると共に、負極の平均充放電電位が低くなるため、電池のエネルギー密度がより向上する。また、この結晶化度が0.78以上では、負極容量をより大きくすることができる。この結晶化度は、より高いことが好ましく、0.80以上であることが好ましく、0.85以上であることがより好ましく、0.90以上であることが更に好ましい。この結晶化度は、製造工程の制約などを考慮すると0.95以下であるものとしてもよいし、0.90以下としてもよいし、0.85以下としてもよい。負極11に含まれる炭素繊維は、結晶性の高い炭素(例えば黒鉛)が主成分であるものとしてもよい。ここで「主成分」とは、全体に占める割合がより多い成分をいうものとする。
結晶化度=(結晶部002回折ピーク面積)/(結晶部002回折ピーク面積+非晶質部面積) … 計算式(1)
また、この炭素繊維は、空孔率が6体積%未満である。空孔率が6体積%未満では、例えば、炭素繊維が電解液を含みにくいものとすることができる。この場合、負極中のイオン伝導が電解液を通じて行われるよりも炭素の固体内拡散で行われる方が圧倒的に多くなるため、急速充放電など、より良好な出力特性を有するものとすることができる。また、空孔率が6体積%未満では、負極の体積容量がより高くなるため、二次電池のエネルギー密度をより高めることができる。この空孔率は、より低いことが好ましく、5体積%以下が好ましく、3体積%以下がより好ましく、2体積%以下が更に好ましい。この空孔率は、放射光を使ったナノCTで求めた値とする。
この炭素繊維は、例えば、炭素繊維の長手方向に結晶が配向したものが好ましい。また、長手方向に直交する方向に断面視したときに結晶が中心から外周面側に放射状に配向したものであることが好ましい(図1、2参照)。このような炭素繊維では、外周からキャリアであるリチウムイオンを吸蔵放出することができ、イオン伝導性が高く好ましい。
炭素繊維は、1サイクル目のC/4レート充電容量に対する1サイクル目の60Cレート充電容量の割合であるレート特性(%)が80%以上であることが好ましい。このレート特性は、より高いことが好ましく、81%以上であることがより好ましく、83%以上であることが更に好ましい。炭素繊維は、C/4レート充電での1サイクル目の平均充電電圧がLi基準電位で0.3V以下であることが好ましい。平均充電電圧が0.3V以下では、二次電池の電圧をより高めることができ、エネルギー密度をより高めることができる。この平均電圧は、0.28V以下であることがより好ましく、0.25V以下であることが更に好ましい。炭素繊維は、1Cレートで充放電したときの1サイクル目の放電容量が320mAh/g以上であることが好ましい。この放電容量は、より高いことが好ましい。炭素繊維のレート特性、平均充電電圧及び放電容量は、炭素繊維をハーフセル(図6参照)で測定した値とする。
負極11は、正極平均電位を3.85Vとして求めた場合、エネルギー密度が1.10Wh/g以上であることが好ましい。負極のエネルギー密度はより高いことが好ましく、1.12Wh/g以上であることがより好ましく、1.15Wh/g以上であることが更に好ましい。この正極平均電位を仮定して求めたエネルギー密度は、理論上の限界より、1.35Wh/g以下であるものとしてもよい。
負極集電体12は、導電性を有する部材であり、負極11の端面が電気的に接続されている。負極集電体12には、50本以上の負極11が並列接続されている。この負極集電体12は、例えば、カーボンペーパー、アルミニウム、銅、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、白金、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化(還元)性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタン、銀、白金、金などで処理したものも用いることができる。負極集電体12の形状は、複数の負極11が接続できるものであれば特に限定されず、例えば、板状、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。
正極16は、正極活物質を有し、負極11の外周に分離膜21を介して形成されている。正極16は、断面の外形が六角形状であり、円柱状の負極11を内包しているものとしてもよい。なお、正極16は、負極11の間に充填されるものとすればよく、外形が六角形状には特に限定されない。正極16は、それ自体に導電性を有するものとし、集電部材は省略されているものとしてもよい。正極16は、その端面が正極集電体17に直接接続されているものとしてもよい。この正極16は、例えば、負極11の外周に分離膜21を形成したのち、その外周に正極16の原料を塗布して形成されたものとしてもよい。
正極16は、正極活物質を含んでいるが、正極活物質が導電性を有さない場合は、例えば導電性を有する導電材を混合して成形したものとしてもよい。この正極16は、例えば、正極活物質と、必要に応じて導電材と、結着剤とを混合し成形したものとしてもよい。正極活物質は、例えば、キャリアであるリチウムを吸蔵放出可能な材料が挙げられる。正極活物質としては、例えば、リチウムと遷移金属とを有する化合物、例えば、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物などが挙げられる。具体的には、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0≦x≦1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn24などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoaNibMnc2(a>0、b>0、c>0、a+b+c=1)、Li(1-x)CoaNibMnc4(0<a<1、0<b<1、1≦c<2、a+b+c=2)などとするリチウムコバルトニッケルマンガン複合酸化物、基本組成式をLiV23などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV25などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。また、基本組成式をLiFePO4とするリン酸鉄リチウム化合物などを正極活物質として用いることができる。これらのうち、リチウムコバルトニッケルマンガン複合酸化物、例えば、LiCo1/3Ni1/3Mn1/32やLiNi0.4Co0.3Mn0.32などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素、例えば、AlやMgなどの成分を含んでもよい趣旨である。
正極に含まれる導電材は、電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子や導電材粒子を繋ぎ止めて所定の形状を保つ役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。
正極16において、正極活物質の含有量は、より多いことが好ましく、正極16の質量全体に対して70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。導電材の含有量は、正極16の全体の質量に対して0質量%以上20質量%以下の範囲であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下の範囲であることがより好ましい。このような範囲では、電池容量の低下を抑制し、導電性を十分に付与することができる。また、結着材の含有量は、正極16の質量全体に対して0.1質量%以上5質量%以下の範囲であることが好ましく、0.2質量%以上3質量%以下の範囲であることがより好ましい。
正極集電体17は、導電性を有する部材であり、正極16に電気的に接続されている。正極集電体17には、50本以上の正極16の端面が並列接続されている。この正極集電体17は、負極集電体12と同様の部材とするものとしてもよい。
分離膜21は、キャリアであるイオン(例えばリチウムイオン)のイオン伝導性を有し負極11と正極16とを絶縁するものである。分離膜21は、正極16と対向する負極11の外周面の全体、及び負極11と対向する正極16の外周面の全体に形成されており、負極11と正極16との短絡を防止している。分離膜21は、イオン伝導性と絶縁性とを有するポリマーが好適である。この分離膜21は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体や、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、及びPMMAとアクリルポリマーとの共重合体などが挙げられる。例えば、PVdFとHFPとの共重合体では、電解液の一部がこの膜を膨潤ゲル化し、イオン伝導膜となる。この分離膜21の厚さtは、例えば、0.5μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、5μm以上であるものとしてもよい。厚さtが0.5μm以上では、絶縁性を確保する上で好ましい。また、分離膜21の厚さtは、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。厚さtが20μm以下では、イオン伝導性の低下を抑制できる点で好ましい。厚さtが0.5~20μmの範囲では、イオン伝導性及び絶縁性が好適である。この分離膜21は、例えば、原料を含む溶液へ負極11を浸漬させてその表面にコートすることにより形成されるものとしてもよい。
分離膜21は、キャリアであるイオンを伝導する電解液を含むものとしてもよい。この電解液は、例えば、非水系溶媒などが挙げられる。電解液の溶媒としては、例えば、非水電解液の溶媒などが挙げられる。この溶媒としては、例えば、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネート(EC)やプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート、エチル-n-ブチルカーボネート、メチル-t-ブチルカーボネート、ジ-i-プロピルカーボネート、t-ブチル-i-プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ-ブチルラクトン、γ-バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3-ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。この電解液には、二次電池10のキャリアであるイオンを含む支持塩を溶解したものとしてもよい。支持塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiClO4などの無機塩、及びLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この支持塩は、電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。
この二次電池10において、正極活物質の容量に対する負極活物質の容量の比である正負極容量比(負極容量/正極容量)は、1.0以上1.5以下の範囲とすることが好ましく、より好ましくは1.2以下の範囲である。正極の形成厚さX(図4参照)は、負極の直径及び正負極容量比に応じて適宜設定されるが、例えば、5μm以上50μm以下の範囲としてもよい。正極の形成厚さは、例えば、負極上に形成された部分のうち最大の厚さをいうものとする。
次に、二次電池の製造方法について説明する。この製造方法は、熱処理工程と、分離膜形成工程と、正極活物質形成工程と、結束工程とを含むものとしてもよい。熱処理工程では、炭素原料を熱処理して炭素繊維を得る。なお、炭素繊維を別に用意し、この工程を省略してもよい。分離膜形成工程では、炭素繊維の負極活物質を有する線状体である負極の表面に、イオン伝導性及び絶縁性を有する分離膜を形成する。正極活物質形成工程では、分離膜を形成した炭素繊維上に正極活物質を含む正極合材を形成する。この正極活物質形成工程のあとに、導電材を追加形成する導電材添加工程を行ってもよい。結束工程では、分離膜を介して正極活物質を有する正極と隣り合う状態で複数の負極を結束する。ここでは、具体例として、二次電池10の製造工程について説明する。図3は、二次電池10の製造工程の一例を示す説明図であり、図3(a)が熱処理工程、図3(b)が分離膜形成工程、図3(c)が正極活物質形成工程、図3(d)が導電材添加工程、図3(e)が結束工程である。なお、二次電池に用いる材料などは、上述したいずれかを適宜用いることができる。
熱処理工程では、炭素材料の原料を熱処理し、炭素繊維を作製する(図3(a))。この工程では、炭素材料の原料を紡糸したのち熱処理するものとしてもよい。炭素繊維の原料は、易黒鉛化炭素など、黒鉛化して結晶化度をより高める炭素を用いることができる。熱処理は、不活性雰囲気中で、800℃以上1200℃以下の範囲で行うものとしてもよい。この熱処理温度は、900℃以上1100℃以下の範囲で行うことが好ましい。不活性雰囲気としては、窒素中や希ガス中などが挙げられ、このうちアルゴン雰囲気が好ましい。この工程では、結晶化度が0.78以上の炭素繊維となるよう処理を行うものとする。また、この工程では、空孔率が6体積%未満の炭素繊維となるよう処理するものとする。また、10μm以上200μm以下の範囲の直径で炭素繊維を形成することが好ましい。空孔率は、炭素材料の原料粒径や、成形圧力などにより調整することができる。長手方向に垂直な断面の長さ(直径)は、紡糸時の条件により調整することができる。
次に、分離膜形成工程では、炭素繊維の外表面に分離膜を形成する(図3(b))。この工程では、上述した分離膜の原料を塗布し、乾燥させるものとしてもよい。あるいは、この工程では、分離膜の原料溶液中に炭素繊維を浸漬させるものとしてもよい。次に、正極活物質形成工程では、分離膜上に正極活物質を形成する(図3(c))。この正極活物質は、例えば、活物質の微粒子に導電材や結着材を付着させたものとしてもよい。このような正極活物質粒子をスラリー状にした正極合材を調製し、分離膜上に塗布するものとしてもよい。正極合材には、必要に応じて導電材を添加する処理を行う(図3(d))。導電材としては、炭素材料や金属粒子(例えばCu、Ni、Alなど)を用いてもよい。そして、結束工程では、上記作製された負極の炭素繊維を複数並べ、結束する(図3(e))。この工程では、結束体に対して圧力を付与してもよい。このようにして、二次電池10を作製することができる。
以上詳述した二次電池10及びその製造方法では、出力特性及びエネルギー密度をより向上した新規なものを提供することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、リチウムイオン二次電池などの二次電池の負極を線状とし、炭素繊維を用いることにより、全周からキャリアのイオンを吸蔵放出させることができる。全周からの吸蔵放出反応は、正負極対向面積の増加による反応促進に加えて、深部(奥部)に行くほど対向面積当たりの活物質量が減少することによる平均反応速度の向上効果が期待でき、高出力化が達成できる。なお、深部での活物質量の減少は、深部の活物質ほど反応しにくいために好適と考えられる。また、平均反応速度の向上は、正/負極活物質間の平均距離低下に基づく。また、X線小角散乱測定で求められる結晶化度が0.78以上であり空孔率が6体積%未満の黒鉛化した炭素繊維では、負極容量がより高く、負極のエネルギー密度をより高めることができるものと推察される。これらの複合的な理由により、二次電池10では、出力特性、例えば、高容量での急速充放電などの出力特性や、エネルギー密度などをより向上することができるものと推察される。また、この製造方法によれば、炭素繊維の表面に分離膜と正極活物質層とを形成して結束するという比較的簡便な工程で二次電池10を作製することができる。
また、例えば、金属箔の集電体上に活物質を形成しセパレータを介して積層した従来の電極構造では、エネルギー密度を高めようとすると、集電箔上の電極合材の塗布量や密度を高めなければならず、イオン伝導性が低下するなどの弊害が生じうる。これに対して、本開示の二次電池10では、炭素繊維の電極を結束した構造を採用することによって、イオンの伝導距離をより短くすることができる。また、本開示の二次電池10では、構造内部に箔状の集電体を設けなくてもよく、更に、セパレータなどを分離膜に変更してより薄くするなど、活物質による空間の占有率をより高めることができる。このため、よりエネルギー密度を高めることもできる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、二次電池10において、負極や正極は、集電線を有しないものとして説明したが、特にこれに限定されず、各電極は、集電線を埋設していてもよい。
また、上述した実施形態では、二次電池のキャリアをリチウムイオンとしたが、特にこれに限定されず、ナトリウムイオンやカリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、カルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの2族元素イオンとしてもよい。また、正極活物質は、キャリアのイオンを含むものとすればよい。また、電解液を非水系電解液としたが、水溶液系電解液としてもよい。
上述した実施形態では、炭素繊維は、円柱形状である例を説明したが、特にこれに限定されず、四角柱や六角柱などの形状としてもよい。
以下には、上述した二次電池を具体的に作製した例を実施例として説明する。まず、二次電池の構造について考察した結果を実験例として説明する。
図4は、二次電池10における、炭素繊維の結束構造及び電極箔の積層構造における正負極合材の径や厚さ、正負極対向面積及びセルエネルギー密度を計算によって求めた関係図である。図5は、炭素繊維の結束構造及び電極箔の積層構造における負極繊維径又は負極合材の膜厚に対するセルエネルギー密度及び電極対向面積の関係図である。図4に示した負極の直径A、正極の厚さX及び分離膜の厚さtなどを用いて実験例1~3を計算した。なお、実験例6は、積層構造の従来電極をモデルとし、実験例4は、従来電極の電極合材を厚膜化した高エネルギー型の電極とした。また、正負極容量比は結束構造(実験例1~3)ではLi移動距離が短いことから負極過剰量は不要として1.0とし、従来型の積層構造(実験例4~6)では従来どおり1.2とした。また、セル効率については、積層構造ではLi移動距離が長いため70%とし、結束構造では80%として計算した。図4、5に示すように、二次電池10の結束構造を採用した場合、負極の径を20~100μmとし、正極の厚さを5~15μmとすると、セルエネルギー密度を650Wh/L以上とし、正負極の対向面積を100cm2以上とすることができることがわかった。以上のように、図1に示した電極構造は、Li電池用に使用されている正極活物質、負極活物質、有機電解液を使用して、エネルギー密度をEV車に適した600Wh/L(電極合材の体積分率が88%程度)まで向上することができることがわかった。一方、従来の積層構造では、電極対向面積が100cm2以上、エネルギー密度が700Wh/L以上を示すものとするのは困難であることがわかった。また、電池容量をより高めようとするとキャリアイオンの移動距離が長くなるため、出力特性を向上し、且つ高エネルギー密度を得るのは困難であることがわかった。
次に、この負極の外周に正極合材を形成して結束した結束構造を有する二次電池に好適な炭素繊維について具体的に検討した。二次電池の性能は、正極と負極とを組み合わせたフルセルで評価するのが一般的であるが、フルセルの電池性能は、正極及び負極の仕上がり状態の影響を受ける。ここでは、対極をLi金属としたハーフセル(図6参照)を用いることにより、炭素繊維の特性について詳細に評価した。なお、上述した実験例により、好適な繊維径の範囲が把握されたが、本実施例では表1に示した繊維径にて測定を行い、炭素繊維の材質による充放電の影響について検討した。
[実施例1]
易黒鉛化ピッチ材料を紡糸後、不活性雰囲気下で高温処理して得られた炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製XN-60-60S)を負極活物質とした。この炭素繊維は、直径が10μm、長さが32mm、放射光を使ったナノCTで測定した空孔率が2体積%であった。この炭素繊維を炭素繊維測定用の評価セル(ハーフセル)に装着して充放電特性を測定した。図6は、評価セル30の説明図であり、図6Aが評価セル30の側面図、図6Bが図6AのA-A断面図である。この評価セル30は、支持集電体32、対極33、集電体34、セパレータ35、保持部材36、電解液37及び収容部材38を備えている。炭素繊維31は、測定対象である負極活物質である。支持集電体32は、炭素繊維31の一端を把持する導電部材であり、金属薄板で形成されている。支持集電体32は、炭素繊維31の他端側にも設けられており、炭素繊維31の電気抵抗も測定可能である。この支持集電体32の先端にはNi製のタブが配設されている。対極33は、幅21mmのLi金属とした。集電体34は、対極33に接続され、その先端にNi製のタブが配設されている。セパレータ35は、厚さ15μm、空孔率50体積%であり、ハイレート充放電用のポリエチレン製のものを用いた。保持部材36は、厚さ8mmのポリエーテルエーテルケトン樹脂製の部材である。この保持部材36は、炭素繊維31の両側面に支持集電体32、セパレータ35及び対極33を配置した状態で挟み込んでこれらを固定する。電解液37は、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比で30/40/30で混合した混合溶媒にLiPF6を1.0Mの濃度で溶解させたものとした。収容部材38は、Alラミネート製の密閉袋とした。測定対象の炭素繊維31は、空気雰囲気下、450℃の加熱処理を2時間行い、表面の油脂分を除去後、長さ32mmに切りそろえた約2mg(50本程度)を用いた。
[実施例2]
易黒鉛化ピッチ材料を紡糸後、不活性雰囲気下で高温処理して得られた直径が11μm、空孔率が1.5体積%の炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製XN-60-90S)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した評価セルを実施例2とした。
[比較例1、2]
易黒鉛化ピッチ材料を紡糸後、不活性雰囲気下で高温処理して得られた直径が10μm、空孔率が2.5体積%の炭素繊維(三菱ケミカル社製K63712)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した評価セルを比較例1とした。易黒鉛化ピッチ材料を紡糸後、不活性雰囲気下で高温処理して得られた直径が11μm、空孔率が2.5体積%の炭素繊維(三菱ケミカル社製K13916)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した評価セルを比較例2とした。
[比較例3]
ポリアクリロニトリルの繊維を不活性雰囲気下で高温処理して得られた直径が13μm、空孔率が3体積%の炭素繊維(東レ社製T300)を用いた以外は、実施例1と同様に作製した評価セルを比較例3とした。
[比較例4、5]
難黒鉛化原料である難黒鉛化ピッチ材料を径50μmのノズルから噴出させて紡糸したのち、不活性雰囲気(Ar)中で2000℃、5分間高温処理して得られた難黒鉛化性炭素繊維を用いた以外は、実施例1と同様に作製した評価セルを比較例4とした。この炭素繊維は、直径が14μm、長さが32mm、空孔率が5体積%であった。高温処理を1000℃で行った以外は比較例4と同様の工程を経て得られた難黒鉛化性炭素繊維を用いた以外は、比較例4と同様に作製した評価セルを比較例5とした。この難黒鉛化性炭素繊維は、直径が12μm、空孔率が3体積%であった。
(X線小角散乱測定)
X線小角散乱測定は、あいちシンクロトロンにて以下の条件で行った。測定は、波長0.92Å(13.5keV)の放射光を用い、ビームサイズを縦0.28mm×横0.99mmとし、露光時間180秒の条件で行った。実施例1の測定結果を図7に示す。算出式(結晶部002回折ピーク面積)/(結晶部002回折ピーク面積+非晶質部面積)を用いて結晶化度を算出した。
(炭素繊維の空孔率の測定)
空孔率は、SPring8でのナノCTを用い、3次元断面像を構築し、この3次元像から炭素領域の体積Paと空孔領域の体積Ppとを求め、空孔率(%)=Pp/(Pa+Pp)×100の式から算出した。
(充放電評価)
上記作製した評価セルを用い、25℃の温度環境下、CCで1.5Vまで充電(還元)する処理とCCCVで0.01Vまで放電(酸化)する処理とを種々のレートで充放電を行い、C/4レートでの平均充電電圧を求めると共に、C/4レートでの充電容量に対する60Cレートでの充電容量の割合とするレート特性(60Cレート充電容量/(C/4レート充電容量)×100%)を求めた。また、1Cレートで充放電を30回繰り返し、サイクル維持率を(30サイクル目の容量)/(1サイクル目の容量)×100%との式より求めた。また、正極の平均電位をLi基準電位で3.85Vと仮定し、この3.85VとC/4レートでの放電容量との積から負極のエネルギー密度(Wh/g)を求めた。
(結果と考察)
炭素繊維の原料、直径(μm)、X線小角散乱測定による結晶化度、C/4レート充電における平均充電電圧(V)、1Cレートでの放電容量(mAh/g)、レート特性(%)及び負極のエネルギー密度(Wh/g)を表1にまとめた。表1に示すように、炭素繊維の種別に応じて、平均充電電圧、放電容量、レート特性などが異なることがわかった。高エネルギー密度と急速充電が両立可能である特性を考慮すると、平均充電電圧がより低く、放電容量がより高く、レート特性がより大きいことが必要である。実施例1、2では、平均充電電圧がLi基準電位で0.3V以下であり、負極のエネルギー密度が1.10Wh/g以上を示し、且つレート特性が80%以上を示した。また、実施例1、2では、放電容量が320mAh/g以上と高い値を示した。この結果より、易黒鉛化炭素を原料として黒鉛化した炭素繊維であり、X線小角散乱測定による結晶化度が0.78以上を示すものが、エネルギー密度及びレート特性が高い炭素繊維であることがわかった。また、空孔率が6.0体積%未満である炭素繊維では、レート特性及びエネルギー密度が上記実用的な範囲に入るものであると推察された。
Figure 0006991876000001
上記結果より、炭素繊維を負極活物質とした線状の負極の外周に分離膜が形成され、負極間に正極合材を充填した結束構造を有する二次電池(図1参照)に対して、結晶化度が0.78以上で、空孔率が6体積%未満である炭素繊維を用いることが好ましいことがわかった。
なお、本開示は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
10 二次電池、11 負極、12 負極集電体、16 正極、17 正極集電体、21 分離膜、30 評価セル、31 炭素繊維、32 支持集電体、33 対極、34 集電体、35 セパレータ、36 保持部材、37 電解液、38 収容部材。

Claims (8)

  1. 正極活物質を有する正極と、
    放射光を用いてX線小角散乱測定をイメージング法で行い(結晶部002回折ピーク面積)/(結晶部002回折ピーク面積+非晶質部面積)の計算式で求められる結晶化度が0.78以上であり空孔率が6体積%未満である炭素繊維の負極活物質を有する線状の負極と、
    イオン伝導性を有し前記正極と前記負極とを絶縁する分離膜と、
    を備えた二次電池。
  2. 前記炭素繊維は、前記結晶化度が0.80以上である、請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記炭素繊維は、前記空孔率が5体積%以下である、請求項1又は2に記載の二次電池。
  4. 前記負極は、エネルギー密度が1.10Wh/g以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次電池。
  5. 前記炭素繊維は、C/4レート充電容量に対する60Cレート充電容量の割合であるレート特性(%)が80%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の二次電池。
  6. 前記炭素繊維は、放電容量が320mAh/g以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の二次電池。
  7. 前記正極は、前記負極の周りに形成された前記正極活物質を含む活物質層により形成され、
    前記分離膜は、前記負極の端面以外の外周面に形成されており、
    前記分離膜を介して前記正極と隣り合う状態で複数の前記負極が結束された構造を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の二次電池。
  8. 前記負極は、50本以上が結束されている、請求項7に記載の二次電池。
JP2018018579A 2018-02-05 2018-02-05 二次電池 Active JP6991876B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018018579A JP6991876B2 (ja) 2018-02-05 2018-02-05 二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018018579A JP6991876B2 (ja) 2018-02-05 2018-02-05 二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019135702A JP2019135702A (ja) 2019-08-15
JP6991876B2 true JP6991876B2 (ja) 2022-01-13

Family

ID=67623697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018018579A Active JP6991876B2 (ja) 2018-02-05 2018-02-05 二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6991876B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210044721A (ko) * 2019-10-15 2021-04-23 한양대학교 에리카산학협력단 기능성 양극 활물질, 및 그 제조 방법

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015080499A1 (ko) 2013-11-27 2015-06-04 주식회사 엘지화학 케이블형 이차전지
WO2016160247A1 (en) 2015-04-03 2016-10-06 Intel Corporation Constrained anode fiber for rechargeable battery

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09213331A (ja) * 1996-02-01 1997-08-15 Toray Ind Inc 電極およびそれを用いた二次電池
JP2010073533A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 充放電可能な電池

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015080499A1 (ko) 2013-11-27 2015-06-04 주식회사 엘지화학 케이블형 이차전지
WO2016160247A1 (en) 2015-04-03 2016-10-06 Intel Corporation Constrained anode fiber for rechargeable battery

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019135702A (ja) 2019-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102309192B1 (ko) 비수전해질 이차 전지용 부극재 및 부극 활물질 입자의 제조 방법
JP6919488B2 (ja) 二次電池及びその製造方法
JP6631568B2 (ja) 二次電池及びその製造方法
JP7015447B2 (ja) 非水電解質二次電池
US11101456B2 (en) Secondary battery and method for manufacturing same
JP2017062911A (ja) 非水電解質二次電池用電極、及び非水電解質二次電池
JP6930147B2 (ja) 二次電池
WO2018168286A1 (ja) 二次電池及びその製造方法
JP7087422B2 (ja) 二次電池
JP7234853B2 (ja) 電極構造体、二次電池及び電極構造体の製造方法
JP6991876B2 (ja) 二次電池
JP7007240B2 (ja) 二次電池
WO2019131628A1 (ja) 非水電解液二次電池
US10897043B2 (en) Secondary battery
JP2019160733A (ja) 二次電池
JP6991877B2 (ja) 二次電池
JP2021136082A (ja) 蓄電デバイス
JP2021118147A (ja) 蓄電デバイス及び蓄電デバイスモジュール
KR20200088771A (ko) 부극
JP7424120B2 (ja) 蓄電デバイス
JP7200971B2 (ja) 蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法
JP7322903B2 (ja) 蓄電デバイス用電極、蓄電デバイス及び蓄電デバイス用電極の製造方法
JP7047826B2 (ja) 活物質膜及び蓄電デバイス
JP2021166164A (ja) 蓄電デバイス
JP2021044208A (ja) ポリマー膜、蓄電デバイス及び蓄電デバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20201120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20201120

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6991876

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150