JP6989846B2 - リニアモータの可動子、およびその製造方法 - Google Patents
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また、上記課題を解決するために本発明のリニアモータの可動子製造方法は、複数の棒状磁石が直列状に配列されたシャフトにスライド自在に外嵌される筒状ボビンと、その胴部に巻着された複数のコイルとにより形成されたコイルユニットと、該コイルユニットを内装するケース体とを備え、前記コイルの励磁によって直線的に駆動するよう構成されたリニアモータの可動子を製造する方法であって、前記ケース体は、前記筒状ボビンへの支持孔を有してその両側面に配設される導電性側壁と、ケース体の外周面に配設されるコ字状の外周カバーとを有して一側面が開口された箱型状に形成するにあたり、前記導電性側壁の一側面に、該導電性側壁の外周側と前記支持孔の内周側に僅かに突出させた状態で、予めゴム製のシール部材を取着しておき、該導電性側壁を、前記支持孔から僅かに突出するシール部材に対して、前記筒状ボビンの外周端面を押圧接触させた状態で挿着せしめ、前記シール部材の側面を前記コイルユニットの両側面に密接せしめてセットした後、前記外周カバーを、前記導電性側壁の外周面から僅かに突出するシール部材に対して、その内周端面を押圧接触させた状態で挿着せしめて、前記コイルユニットを被嵌し、前記外周カバーの開口側から熱伝導性の良好な充填剤を流し込んでケース体を形成することで可動子を製造することを特徴とするものである。
コイルブロック32aは、3相駆動のためのU相、V相、W相の捲き方向を同じくする3相駆動のための3個のコイル32…から成る2以上のコイルブロック32aを組として構成されるが、3組、4組ユニットなどその組数は任意である。
つまり、シール部材5は、筒状ボビン31が挿入される内周突部51と、外周カバー332と蓋カバー333の内周端面が挿着される外周突部52を有して形成されている。この様に形成すると、内周突部51の周端面が、挿入された筒状ボビン31の外周端面と押圧接触して密封状態が保持され、挿着されたコイルユニット3aの両側に配設された対面するコイル32との絶縁状態が保持され、かつ、外周突部52の周端面が、外周カバー332と蓋カバー333の内周端面に押圧接触して密封状態を保持することができる。
外周カバー332をセットした後、開口側を上向きにして、導電性側壁331を両側から挟み込んだ状態で治具にセットし、治具により両側から徐々に締め付け操作して、各ナット孔33b…と対応するネジ孔33e…との位置合わせを行い、ネジ固定する。なお、本実施例では、シール部材5と対面するコイル32の側面とは、僅かな間隔をもって離間した非接触状態でセットしたが、両者を接触させた状態でセットしても、その絶縁性が保持されるようになっており、複数のコイルブロック32aを組として筒状ボビン31に挿入した際に、全幅に製作誤差が生じても当該誤差を吸収してケース体33に収容セットすることができる。
この蓋カバー333の取着にあたっては、本実施形態における充填剤6の埋設充填量を、絶縁性や放熱性を考慮して、蓋カバー333との間に空域を形成した状態において、蓋カバー333に絶縁紙334を貼着させておき、コイル32の露出面と外周カバー332側の非絶縁面域との間隔が、絶縁性を充分に確保することができる空域として形成したものであり、これに限定されず、例えは、内部全体が埋まる状態など任意に空域幅を調整できる。したがって、ケース体33全体に気密性、防水性、防滴性などの機能を確保したい場合には、シール部材5の外周突部52の周端面により押圧密封されるので、外周カバー332のツバ部33cと蓋カバー333との接合部分と配線引出し溝33dについてだけ、密封処理すれば良く、例えば、本実施形態における埋設充填量のまま行う際には、ツバ部33c側に僅かに膨出する状態で外周カバー332の内周端面に軟質性のシリコン樹脂(ゴム形成体であっても良い)を塗布し、また、埋設充填量の調整により行うには、コイル32の露出面を覆う程度に充填させて狭い余剰空間を形成して、絶縁性を確保しても良く、硬化した充填剤6の上面の外周カバー332近傍に対して、軟質性のシリコン樹脂(ゴム形成体であっても良い)を蓋カバー333を被嵌した際に押しつぶされるように塗布した状態で装着固定した後、配線引出し溝33dを同様に塗布して密封し、蓋カバー333側面から外部に漏れた部分の樹脂だけを拭き取れば良く、拭き取り作業およびこれら機能確保をバリエーションを持って容易に行うことができる。
この様に構成すると、視認により流し込み状態を確認しながら充填作業を行うことができるので、蓋カバー333を、導電性側壁331や外周カバー332のツバ部33cに対して、硬化後の充填剤6との接触が回避された状態で取り付けることができるだけでなく、充填剤6の充填量を調整することで、その上面と蓋カバー333との間に空域が形成した可動子3を製作でき、しかも、当該空域幅を任意に調整設定することができる。その結果、ケース体33全体に気密性、防水性、防滴性などの機能を確保したい場合に、導電性側壁331側は、シール部材5の外周突部52の周端面により押圧密封されるので、外周カバー332のツバ部33cと蓋カバー333との接合部分と配線引出し溝33dについてだけ、軟質性のシリコン樹脂やシリコンゴム等により密封処理すれば良く、密封作業も容易に行うことができ、作業効率が向上され、安価に製作することができる。
2 シャフト
2a 棒状磁石
3 可動子
3a コイルユニット
31 筒状ボビン
31a 支持部
32 コイル
32a コイルブロック
321 絶縁紙
322 絶縁テープ
323 配線
33 ケース体
331 導電性側壁
332 外周カバー
333 蓋カバー
334 絶縁紙
33a 支持孔
33b ナット孔
33c ツバ部
33d 配線引出し溝
33e ネジ孔
4 基台
41 支持部
42 ガイドレール
43 走行台
431 ガイド片
5 シール部材
51 内周突部
52 外周突部
6 充填剤
Claims (4)
- 複数の棒状磁石が直列状に配列されたシャフトにスライド自在に外嵌され、その内周部に備えるコイルの励磁によって直線的に駆動するよう構成されたリニアモータの可動子であって、
該可動子は、前記シャフトに外嵌される筒状ボビンと、該筒状ボビンの胴部に巻着される複数のコイルとにより、全体が筒型形状に形成されたコイルユニットと、該コイルユニットが内装されるケース体とからなり、
該ケース体は、前記筒状ボビンの両側に挿着配置される導電性側壁と、前記コイルユニットを被嵌して当該導電性側壁の外周面に取着されるコ字状の外周カバーとで、一側面が開口された箱型状に形成すると共に、
前記導電性側壁には、その内側面全域を覆って対面する両側端のコイルとの絶縁状態と、前記筒状ボビンの外周端面と、前記外周カバーの内周端面に押圧接触して密封状態とを保持すべくゴム製のシール部材を介在せしめて構成されていることを特徴とするリニアモータの可動子。 - 請求項1において、前記ケース体は、前記外周カバーの開口側から熱伝導性の良好な充填剤を流し込み充填可能に構成され、該充填剤を、開口上端から任意幅をもって面落ちさせた余剰空域を存して充填せしめ、開口側を被嵌する蓋カバーを、当該充填剤の上面と離間した非接触状態で取着せしめて形成されていることを特徴とするリニアモータの可動子。
- 請求項1または2において、前記シール部材は、シリコンゴムにて形成され、対面する前記コイル32の側端面を、シール部材に接触または非接触状態の何れであっても前記ケース体内に収容可能に構成されていることを特徴とするリニアモータの可動子。
- 複数の棒状磁石が直列状に配列されたシャフトにスライド自在に外嵌される筒状ボビンと、その胴部に巻着された複数のコイルとにより形成されたコイルユニットと、該コイルユニットを内装するケース体とを備え、前記コイルの励磁によって直線的に駆動するよう構成されたリニアモータの可動子を製造する方法であって、
前記ケース体は、前記筒状ボビンへの支持孔を有してその両側面に配設される導電性側壁と、ケース体の外周面に配設されるコ字状の外周カバーとを有して一側面が開口された箱型状に形成するにあたり、
前記導電性側壁の一側面に、該導電性側壁の外周側と前記支持孔の内周側に僅かに突出形成させたゴム製のシール部材を、予め取着しておき、
該導電性側壁を、前記支持孔から僅かに突出するシール部材に対して、前記筒状ボビンの外周端面を押圧接触させた状態で挿着せしめ、前記シール部材の側面を前記コイルユニットの両側面に密接せしめてセットした後、
前記外周カバーを、前記導電性側壁の外周面から僅かに突出するシール部材に対して、その内周端面を押圧接触させた状態で挿着せしめて、前記コイルユニットを被嵌し、
前記外周カバーの開口側から熱伝導性の良好な充填剤を流し込んでケース体を形成することで可動子を製造することを特徴とするリニアモータ可動子の製造方法。
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