JP6989551B2 - 移動体、制御装置、周囲物体検出器、及び監視装置 - Google Patents

移動体、制御装置、周囲物体検出器、及び監視装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、移動体、制御装置、周囲物体検出器、及び監視装置に関する。
従来、物流倉庫内の荷物の搬送の省力化のために、自律移動(走行)するロボットや搬送車などの移動体が実用化されている。移動体の走行を制御する方式には、例えば、床面の誘導線に沿って走行するガイド方式と、移動体の周囲の環境を検出して自律的な制御を行うガイドレス方式とがある。また、移動体は、監視領域内の障害物を検出する非接触の障害物検出器や、障害物検出器による検出結果を用いて、移動体を停止させる制御部を備える。これにより、移動体の進行方向に障害物がある場合でも、障害物に衝突せずに停止させることが可能である。
また、近年では、3個以上の駆動輪を備え、全方向に移動可能な全方向移動機構を有する移動体が知られている。全方向移動機構に用いられる駆動輪には、例えば、メカナムホイールが用いられる。全方向に移動可能な移動体は、前進や、方向転換のほか、真横への移動や、その場での旋回など、複雑な動作を瞬時に行える。ここで、移動体には、人の保護を目的とした安全制御系を備えるものがある。安全制御系は、例えば、センサ等によって監視領域内の障害物が検出されると、移動体を低速にしたり、停止させたりする。
また、移動体は、監視領域内の物体を常に障害物として検出してしまうと、例えば、搬送対象物に近付いた際に停止してしまい、搬送対象物を搬送するという本来の目的を達成できない。そこで、移動体が所定速度以下で走行した場合には、搬送対象物の近くに移動したと見なして、監視領域を縮小させることにより、搬送対象物を障害物として検出しないようにすることが可能である。
ここで、全方向に移動可能な移動体が所定速度以下であるか否かを判定するにあたり、移動体の速度制御に用いられる速度指令値を用いたとする。この場合、例えば、モータ制御系や移動体の慣性による時間の遅れや、信号処理の遅延や、エラーなどにより、速度指令値が示す速度と、実際の移動体の速度とが異なってしまうことがある。このため、実際には移動体の速度が所定速度以下ではないにもかかわらず、所定速度以下であると判定しまうと、監視領域を縮小させてしまうことがある。したがって、適切に障害物を検出することができず、全方向に移動可能な移動体の安全を保障することができないおそれがあった。
特開2016−151897号公報 特開2016−062441号公報
本発明が解決しようとする課題は、全方向に移動可能な移動体の安全性を向上させることができる、移動体、制御装置、周囲物体検出器、及び監視装置を提供することである。
実施形態の移動体は、駆動輪と、回転速度検出部と、物体検出部と、制御部と、変更部と、を持つ。駆動輪は、移動体を全方向に移動させるための3個以上の駆動輪であって、それぞれが独立して駆動される3個以上の駆動輪である。回転速度検出部は、前記駆動輪のそれぞれの回転速度を検出する。物体検出部は、前記移動体の周囲の物体を検出する。制御部は、前記物体検出部によって監視領域内で物体が検出された場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる。変更部は、前記回転速度検出部によって検出される前記駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かを判定し、前記判定の結果の論理積に基づいて、前記監視領域の範囲を変更する。
第1の実施形態に係る全方向移動体1の全体構成の一例を示す図。 制御信号40の具体例を示す図。 メカナムホイール11a〜11dの構成の一例を示す図。 全方向移動体1およびメカナムホイール11a〜11dの座標系の一例を示す図。 監視領域400の一例を示す図。 変更された監視領域400の一例を示す図。 全方向移動体1の速度と、メカナムホイール11の回転速度(角速度)との関係の一例を示す図。 第1の実施形態に係る速度判定のロジックを示す図。 第1の実施形態に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すフローチャート。 第1の実施形態の変形例1に係る防護領域401の切り替えのロジックを示す図。 第1の実施形態の変形例1に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図。 第1の実施形態の変形例2に係る防護領域401の切り替えのロジックを示す図。 第1の実施形態の変形例2に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図。 第1の実施形態の変形例3に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図。 第1の実施形態の変形例4に係る防護領域401の切り替えのロジックを示す図。 第1の実施形態の変形例5に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図。 全方向移動体1600及びオムニホイール1601a〜1601dの座標系の一例を示す図。 全方向移動体1700及びオムニホイール1701a〜1701cの座標系の一例を示す図。 第3の実施形態に係る速度判定のロジックを示す図。
以下、実施形態の移動体、制御装置、周囲物体検出器、及び監視装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1Aは、第1の実施形態に係る全方向移動体1の全体構成の一例を示す図である。全方向移動体1は、例えば、自律移動(走行)する搬送ロボットである。具体的には、全方向移動体1は、物流倉庫内における物流用のかご台車を搬送する。全方向移動体1は、駆動系と、制御系とを備える。
まず、駆動系について説明する。駆動系は、4個のメカナムホイール11a〜11dと、4個の駆動モータ12a〜12dと、4個の回転速度検出器13a〜13dとを備える。なお、メカナムホイール11a〜11dは、特に区別する必要がない場合には、単に「メカナムホイール11」と記す。同様に、駆動モータ12a〜12dおよび回転速度検出器13a〜13dについても、「駆動モータ12」、「回転速度検出器13」と記す場合がある。
メカナムホイール11は、車輪円周上に設けられた樽がそれぞれ回転することにより、全方向移動体1の、前進、方向転換、真横への移動や、その場での旋回などを、準備動作なく瞬時に行うことを可能にする。なお、メカナムホイール11の詳細については、図2を用いて後述する。
駆動モータ12は、トルクを発生させて、メカナムホイール11を駆動させる。駆動モータ12は、減速機の機能を含む。減速機は、駆動モータ12の回転を減速させ(トルクを増加させ)、メカナムホイール11に回転力を伝える。
回転速度検出器13は、速度センサであり、メカナムホイール11の回転速度を検出し、回転量を電気信号に変換する。回転速度検出器13には、例えば、ロータリエンコーダが用いられる。また、各車輪の回転を止める制動機14が備えられていてもよい。制動機14は駆動モータ12への通電を遮断すると制動力が作用するタイプのものを用いることが好適である。なお、図1Aのモータ制御回路23と駆動モータ12を繋ぐ矢印線は、モータ駆動用の配線と、制動機14を用いる場合の制動機14への通電配線を意味している。
次に、制御系について説明する。制御系は、外部通信機21と、主制御器22と、モータ制御回路23と、セーフティーレーザスキャナ31と、防護領域制御器32と、遮断器33とを備える。外部通信機21は、ネットワークを介して、外部の通信装置との無線による通信を行う。外部通信機21は、物流倉庫内のすべての全方向移動体1を管理する外部のコンピューター装置から、所定のタイミングで移動計画を受信する。
移動計画は、例えば、物流倉庫内における全方向移動体1の移動経路や、低速走行するエリアの情報、搬送対象物であるかご台車を示す情報、搬送対象物の搬送先を示す情報など、全方向移動体1の搬送に関する様々な情報を含む。外部通信機21は、受信した情報を主制御器22へ出力する。外部通信機21は、通信インターフェースである。なお、ネットワークは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、セルラー網、Wi−Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near field communication)、赤外線通信などを含む。
セーフティーレーザスキャナ31は、全方向移動体1の周囲の物体の存在を検出するセンサである。具体的には、セーフティーレーザスキャナは、赤外線レーザを走査し、反射してくる光の時間の遅れを測定することにより、周囲の物体までの距離や物体の形状を測定する。セーフティーレーザスキャナ31は、例えば、全方向移動体1の前方に取り付けられている。
セーフティーレーザスキャナ31は、予め設定した領域(監視領域)に物体があるか否かの判定を行う。セーフティーレーザスキャナ31は、予め設定した領域に物体があると判定した場合、駆動モータ12等の機器を停止させるための停止信号を主制御器22へ出力する。
ここで、セーフティーレーザスキャナの出力信号には、非安全信号と、安全信号とがある。非安全信号は、全方向移動体1の減速など、全方向移動体1を保護する目的で使用される。一方で安全信号は、電源遮断のためのリレーなど、危険事象の発生時に確実に全方向移動体1を止めるための信号として用いられる。非安全信号は、例えば、主制御器22へ出力される。安全信号は、例えば、遮断器33や主制御器22へ出力される。
主制御器22は、全方向移動体1の移動計画を用いて、全方向移動体1の動作を切り替えるための動作信号をモータ制御回路23へ出力する。なお、主制御器22は、移動計画を、外部通信機21から無線によって取得することに限らず、操作者の操作入力によって取得してもよいし、外部の装置と有線で接続することによって取得してもよい。
また、主制御器22は、セーフティーレーザスキャナ31によって監視領域内で物体が検出された場合は、全方向移動体1を減速させるための動作信号をモータ制御回路23へ出力する。
モータ制御回路23は、主制御器22から出力された動作信号を用いて、駆動モータの回転を制御し、全方向移動体1を所定の速度で所定の方向に移動させたり、減速させたりする。全方向移動体1を停止させる手段としては、主制御器22からの回転数指令値に従う制御停止の他、モータ制御回路23への電源を遮断した場合に、各駆動モータ12への駆動力が消失することによる惰性での回転停止や、モータ制御回路23および駆動モータ系の電気抵抗での回生電力散逸による制動トルクを利用することもできる。また、制動機14を備える場合には、モータ制御回路23から制動機14への通電を遮断させることで制動力が生じる。これにより、全方向移動体1を停止させることも可能である。
ここで、全方向移動体1を含む自律移動ロボットの制御系は、通常制御系と、安全制御系との2つの制御系を含む。通常制御系は、周囲の障害物等の状況を検出して、効率的に全方向移動体1を移動させるための制御系である。例えば、通常制御系は、セーフティーレーザスキャナ31によって得られる値と、地図情報と、移動計画とから、全方向移動体1の動作を制御することである。例えば、通常制御系は、セーフティーレーザスキャナ31からの非安全信号に含まれる、周囲の物体との距離データを用いて地図情報の作成も行う。また、通常制御系は、移動計画や、操作者が操作するインターフェースとしての機能も有する。
自律移動ロボットの制御系では、動作の不具合による事故の回避や、他の動作に優先すべき、人との衝突の回避など、人を保護する目的として、十分な信頼性を確保する必要がある。通常制御系の機能だけでは、このような信頼性を確保することは不十分であり、また、搬送の効率化と、搬送の安全性とを両立させることが困難な場合がある。
そこで、全方向移動体1の制御系は、通常制御系とは別に、安全制御系を備える。安全制御系は、主に安全を確保するための制御系である。具体的には、安全制御系は、セーフティーレーザスキャナ31によって周囲の状況を監視して、障害物などの物体の接近が検出された場合に、全方向移動体1を確実に停止させる。なお、図1Aにおいて、符号40は、安全関連信号を含む制御信号を示す。
例えば、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域内に物体を検出すると、遮断器33へ安全信号を出力する。そして、遮断器33は、安全信号が入力されると、モータ制御回路23に供給する電力を遮断することにより、各メカナムホイール11の駆動を停止させる。停止は、駆動力消失により惰性で回転が停止する他、モータ制御回路23と駆動モータ系での電気抵抗(回生電力消費)による制動トルクの発生、さらに制動機14を備える場合にはその制動力が利用される。遮断器33は、例えば、セーフティーリレーによって実現される。
また、安全制御系は、通常制御系に異常が生じた場合でも、全方向移動体1を確実に停止させるために、長期間にわたって故障しない頑健性や、故障を検出する機能、故障した際に全方向移動体1を安全に停止させる機能などが求められる。
ここで、監視領域には、セーフティーレーザスキャナ31の中心から遠方に向かって、例えば、防護領域と、警告領域とが設定されている。セーフティーレーザスキャナ31は、監視領域の範囲を示す複数のパターンを記憶することが可能である。
防護領域制御器32は、セーフティーレーザスキャナ31に設定されるパターンを切り替える。具体的には、防護領域制御器32は、全方向移動体1が単体で走行する動作や、搬送対象物を搬送する動作や、搬送対象物をピックアップする動作など、それぞれの動作に応じて、パターン(警告領域や防護領域の範囲)を切替える。
ここで、安全制御系が常に機能すると、全方向移動体1の利便性を阻害し、本来の利用目的を達成できない場合がある。例えば、全方向移動体1が、搬送対象物をピックアップ(ドッキング)する場合に、安全制御系が機能していると、搬送対象物を障害物として検出してしまい、全方向移動体1が停止してしまうことがある。すなわち、搬送対象物をピックアップすること(搬送対象物の下に潜り込むこと)ができず、搬送対象物を搬送するという本来の目的を達成することができないことがある。
そこで、安全制御系は、全方向移動体1が搬送対象物に接近した場合には、セーフティーレーザスキャナ31に設定される防護領域の範囲を一時的に小さく、または、防護領域の範囲を無効(ミューティング)にする。具体的には、全方向移動体1が所定速度以下となった場合に、防護領域制御回路302は、一時的に防護領域を小さく、または、無効にする。これにより、全方向移動体1は、搬送対象物をピックアップすることが可能になる。
なお、各機器間を伝達する信号には、定期的に故障を検出するための信号が含まれてもよい。また、信号を受信する機器は、故障を検出するための信号には反応しない時間的フィルタなどを備えていてもよい。また、図1Aにおいて、各機器間を伝達する信号線は、1本の線を示すが、一般的な安全制御系に用いられる信号の配線と同様に、2重化されていてもよい。また、各機器間の情報伝達には、産業用通信プロトコル(例えば、Ethernet/IP,PROFINET,EtherCAT,Profibus,Modbus,CC-Link,CANopenなど)、および、その安全対応の通信プロトコルを用いてもよい。
なお、主制御器22は、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、モータ制御回路23および防護領域制御回路302は、それぞれハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現される。
ただし、モータ制御回路23、および防護領域制御回路302は、それぞれ、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現されてもよい。また、主制御器22、モータ制御回路23、および防護領域制御回路302は、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。プロセッサが記憶部に記憶されているプログラムを実行することによって、各機能部が実現される。
(制御信号40の具体例について)
図1Bは、制御信号40の具体例を示す図である。図1Bにおいて、図1Aに示した制御信号40は、減速(警報)信号41と、動作モード信号42と、異常時停止信号43とを含む。減速信号41は、セーフティーレーザスキャナ31によって警告領域内の物体が検知されると、セーフティーレーザスキャナ31から主制御器22へ出力される信号である。主制御器22は、減速信号41が入力されると、モータ制御回路23を制御して、全方向移動体1の速度を減速させる。
動作モード信号42は、ドッキングモードに移行する場合などに、主制御器22から、を防護領域制御器32へ出力される信号である。防護領域制御器32は、動作モード信号42が入力されると、セーフティーレーザスキャナ31に設定される防護領域の範囲を一時的に小さく、または、防護領域の範囲を無効(ミューティング)にする。
異常時停止信号43は、防護領域制御器32によって、全方向移動体1の速度が設計上の上限速度に達している等の速度値の異常が判定された場合に、防護領域制御器32から遮断器33へ出力される信号である。遮断器33は、異常時停止信号43が入力されると、モータ制御回路23へ供給される電力を遮断する。これにより、全方向移動体1の速度を減速(停止)させる。
(メカナムホイール11a〜11dの構成について)
図2は、メカナムホイール11a〜11dの構成の一例を示す図である。図2において、メカナムホイール11a〜11dは、それぞれ、複数の樽型ころ201を備える。複数の樽型ころ201は、車輪の外周上に車輪軸に対して傾いて取り付けてある。メカナムホイール11a〜11dの車輪径は、いずれも同じ車輪径である。ただし、これらの車輪径は、異なる車輪径であってもよい。
図2において、中心線202は、樽型ころ201の傾きを示す。各メカナムホイール11a〜11dにおいて、複数の樽型ころ201は、それぞれ、同方向に同じ回転速度で回転する。メカナムホイール11a〜11dには、樽型ころ201が右上がりに傾いて取り付けられた右勝手と、樽型ころ201が左上がりに傾いて取り付けられた左勝手との2種類がある。メカナムホイール11a〜11dは、それぞれ、4輪の自動車のように、全方向移動体1の筐体300(図3参照)の前後左右4か所に配置される。
また、右側(または左側)に配置されメカナムホイール11a、11b(11c、11d)は、前後で異なる種類(右勝手と左勝手)が配置される。また、全方向移動体1の対角線上に配置されるメカナムホイール11a、11d(11b、11c)は、それぞれ同じ種類の右勝手(左勝手)が配置される。なお、メカナムホイール11a、11dと、メカナムホイール11b、11cとのうち、いずれを右勝手とするか左勝手とするかは、設計に応じて任意とすることができる。
このようにメカナムホイール11a〜11dを配置することにより、各車輪の発生する推力のつり合いによって、移動体の進行方向および姿勢が安定する。例えば、各車輪を所定速度で回転させることにより、全方向移動体1を一方向に移動させることが可能である。例えば、前進、後進、真横に移動、旋回、斜め移動などが可能である。
(全方向移動体1及びメカナムホイール11a〜11dの座標系について)
図3は、全方向移動体1及びメカナムホイール11a〜11dの座標系の一例を示す図である。図3に示すように、x軸と、y軸と、z軸とを右手座標系により定義する。x軸は、前後方向を示す。y軸は、横方向を示す。z軸は、高さ方向を示す。全方向移動体1の前進方向の速度を主移動速度Vxとする。全方向移動体1の横方向の速度をVyとする。全方向移動体1の旋回速度をωとする。
各メカナムホイール11の回転方向は、それぞれ、全方向移動体1への取り付け方向に向かって反時計方向を正(プラス)とする。また、メカナムホイール11aの車輪の回転速度をφ1とし、メカナムホイール11bの車輪の回転速度をφ2とし、メカナムホイール11cの車輪の回転速度をφ3とし、メカナムホイール11dの車輪の回転速度をφ4とする。
以下に、全方向移動体1が、前進する場合、真横に移動する場合、その場で旋回する場合のそれぞれについて、例示する。
(前進する場合)
φ1=−1rad/s、φ2=−1rad/s、φ3=1rad/s、φ4=1rad/sとすると、全方向移動体1は、x軸方向に1m/sの主移動速度Vxで前進移動する。
(真横に移動場合)
φ1=−1rad/s、φ2=1rad/s、φ3=−1rad/s、φ4=1rad/sとすると、全方向移動体1は、y軸方向に1m/sの速度Vyで横方向に移動する。
(その場で旋回する場合)
φ1=−0.5rad/s、φ2=−0.5rad/s、φ3=−0.5rad/s、φ4=−0.5rad/sとすると、全方向移動体1は、その場で、ω≒1rad/sの角速度で旋回する。
なお、回転、および並進方向の符号は、定義した座標系や向きと、メカナムホイール11の左右の種類の配置とによって決まる。例えば、定義した座標系や向きと、メカナムホイール11の左右の種類とが、図示とは異なる場合、移動方向の符号が、上記の例示と異なることになる。
ここで、4個のメカナムホイール11を備える全方向移動体1について、各メカナムホイール11の回転速度と全方向移動体1の移動速度との関係について説明する。各メカナムホイール11の回転速度と全方向移動体1の移動速度とは、数式(1)で表すことができる。
Figure 0006989551
Aは3×4行列である。行列成分には、メカナムホイール11の車輪径や、車輪配置に関係する係数が入る。数式(1)は、順運動学と呼ばれる数式である。
一方、数式(2)は、逆運動学と呼ばれる数式である。数式(2)は、全方向移動体1の目標速度から、必要な車輪回転速度を算出する計算式である。
Figure 0006989551
Bは4×3行列である。行列成分には、メカナムホイール11の車輪径や、車輪配置に関係する係数が入る。主制御器22は、数式(1)および数式(2)の関係を用いることにより、全方向移動体1の目標速度から、4つのメカナムホイール11の目標回転速度を算出する。主制御器22は、算出した目標回転速度をモータ制御回路23に出力することにより、全方向移動体1を所望の方向へ所望の速度で移動させることができる。
(監視領域400の一例について)
図4は、監視領域400の一例を示す図である。図4において、全方向移動体1の前方には、セーフティーレーザスキャナ31によって物体が検出される監視領域400が設定されている。監視領域400は、全方向移動体1に近い防護領域401と、防護領域401よりも遠方の警告領域402とを含む。
防護領域401は、全方向移動体1が停止するまでの距離を勘案して設定され、例えば、全方向移動体1の前方方向の50cm以内の領域である。防護領域401に障害物が存在することがセーフティーレーザスキャナ31によって検出されると、遮断器33(図1A参照)がモータ制御回路23に供給する電力を遮断することにより、全方向移動体1は停止する。
警告領域402は、例えば、全方向移動体1の前方方向の50cm〜数m以内の領域である。警告領域402に障害物が存在することがセーフティーレーザスキャナ31によって検出されると、主制御器22がモータ制御回路23を制御して、全方向移動体1を減速させる。監視領域400(防護領域401および警告領域402)は、それぞれ状況に応じて範囲が変更可能な領域である。
(監視領域400の範囲の変更について)
図5は、変更された監視領域400の一例を示す図である。図5に示すように、全方向移動体1の前方には、搬送対象物500(かご台車)が存在する。すなわち、全方向移動体1が移動計画に基づいて、搬送対象物500を搬送するために、搬送対象物500に近付いた状況を示している。ここで、セーフティーレーザスキャナ31が搬送対象物500を障害物として検出してしまうと、全方向移動体1が停止し、搬送対象物500を搬送することができない。
そのため、搬送対象物500の近くに移動すると、一時的に防護領域401の範囲を小さくし(または無効にし)、搬送対象物500を障害物として検出しないようにする。また、警告領域402は、例えば、一時的に無効とされる。これにより、全方向移動体1は、搬送対象物500をピックアップすること(搬送対象物500の下に潜り込むこと)ができる。
(全方向移動体1の速度と、メカナムホイール11の回転速度との関係について)
図6は、全方向移動体1の速度と、メカナムホイール11の回転速度(角速度)との関係の一例を示す図である。図6において、横軸は、全方向移動体1の速度の絶対値|V|を示す。すなわち、|V|は数式(3)で表すことができる。
Figure 0006989551
縦軸は、4個のメカナムホイール11の回転速度のうち最大値の絶対値|φ|を示す。また、図6に示す|ω|は、全方向移動体1の旋回の回転速度(角速度)の絶対値を示す。|ω|は、0rad/s、0.25rad/s、0.5rad/sのうちのいずれかを示す。
図6に示すように、例えば、回転速度|φ|(縦軸)が0.3rad/s以下(図中A)ならば、速度|V|(横軸)は、0.3m/s以下(図中B)となる、という関係が成り立つ。また、|ω|が大きくなったとしても、この関係は成り立つ。
このため、4個のメカナムホイール11の回転速度のうち最大値の絶対値|φ|が0.3rad/s以下であることを判定することにより、全方向移動体1の速度|V|が0.3m/s以下であると(低速走行していると)見なすことができる。第1の実施形態では、4個のメカナムホイール11の回転速度をそれぞれ検出し、いずれもが、閾値(例えば、0.3rad/s)以下である場合に、低速走行しているものと見なして、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。
(速度判定のロジックについて)
図7は、第1の実施形態に係る速度判定のロジックを示す図である。図7に示すロジック700は、メカナムホイール11の各車輪の回転速度が閾値以下であるか否かを判定し、その判定結果の論理積を出力するロジックがある。具体的には、ロジック700は、回転速度φ1〜φ4のいずれもが閾値N未満になると、すなわち、AND条件が成立すると、防護領域制御器32が防護領域401の切り替え信号を出力するロジックを示す。
一方で、回転速度検出器13a〜13dによって検出されるメカナムホイール11a〜11dの回転速度φ1〜φ4のうち、いずれか1つでも閾値N以上であると、防護領域401の切り替え信号は出力されない。これにより、回転速度φ1〜φ4のいずれもが閾値N未満になった場合に、すなわち、全方向移動体1が低速(低速値Vs以下)で走行した場合に、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401の範囲を縮小することができる。
なお、本実施形態では、各メカナムホイール11a〜11dの車輪径は、同一としたが、これに限らず、異なっていてもよい。各メカナムホイール11a〜11dの車輪径が異なる場合には、ロジック700の回転速度の判定において、各車輪の回転速度に、換算係数を乗じて判定すればよい。また、ロジック700の回転速度の判定において、異なる閾値が設定されてもよい。
また、閾値Nは、1段階としたが、これに限らず、複数段階とすることも可能である。例えば、警告領域402の範囲を縮小させる場合には、閾値Nよりも大きい値の閾値を設定し、当該閾値を用いた論理積を出力することにより、警告領域402の範囲を縮小させることが可能である。なお、この場合、論理積の演算ロジックについては、多段階のロジックになり、また、信号の出力についても多段階の出力になる。
(防護領域401の切り替えを行う工程について)
図8は、第1の実施形態に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すフローチャートである。図8のステップS801において、防護領域制御器32は、全方向移動体1の速度が低速値Vs(例えば0.3m/s)以下となるまで待機する。具体的には、防護領域制御器32は、回転速度検出器13a〜13dによって検出されるメカナムホイール11a〜11dの回転速度φ1〜φ4のいずれもが閾値N(例えば0.3rad/s)未満となるまで待機する。
全方向移動体1の速度が低速値Vs以下になると、防護領域制御器32が、セーフティーレーザスキャナ31へ、防護領域401の範囲を切り替えるための切り替え信号を出力する。これにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401を縮小し(または無効にし)(ステップS802)、一連の工程を終了する。
以上説明した、第1の実施形態の全方向移動体1によれば、全方向移動体1が低速で走行(低速値Vs以下)した場合に、セーフティーレーザスキャナ31の防護領域401の範囲を縮小することができる。これにより、搬送対象物500に近付いて低速走行した際に、セーフティーレーザスキャナ31が搬送対象物500を障害物として検出してしまうことを抑えることができる。したがって、全方向移動体1は、搬送対象物500をピックアップすること(搬送対象物500の下に潜り込むこと)ができ、搬送対象物500を搬送することができる。
特に、第1の実施形態に係る全方向移動体1では、障害物を検出する複数のセンサなどを設けずに、メカナムホイール11の回転速度を用いて、防護領域401の範囲を縮小することができるため、簡単な構成で安全制御系の制御を行うことができる。したがって、全方向移動体1を、簡単な構成で安全に動作させることができる。
(第1の実施形態の変形例1)
上述した第1の実施形態では、図7に示したように、各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積の出力結果に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明した。第1の実施形態の変形例1では、「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積」と、「主制御器22から出力される動作信号」との論理積に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。なお、以下の各変形例および他の実施形態において、第1の実施形態で説明した内容と同様の内容については、同様の符号を付すとともに、適宜説明を省略する。
(防護領域401の切り替えのロジックについて)
図9は、第1の実施形態の変形例1に係る防護領域401の切り替えのロジックを示す図である。図9に示すロジック900は、ロジック700の出力結果と、主制御器22からの動作信号との論理積を出力するロジックである。主制御器22からの動作信号は、搬送対象物500(かご台車)とドッキング(ピックアップする際の動作)する場合など、目標とする移動計画に応じて、主制御器22から出力される信号である。この動作信号の入力と、ロジック700に示す速度の判定結果との、AND条件の成立により、防護領域制御器32は、防護領域401を縮小させるための信号を出力する。
(防護領域401の切り替えを行う工程について)
図10は、第1の実施形態の変形例1に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図である。図10のステップS1001において、主制御器22は、移動計画を参照し、全方向移動体1の搬送対象物500の搬送開始を示すドッキングモードの開始となるまで待機する。ドッキングモードの開始となると、主制御器22は、防護領域制御器32へ動作信号(例えば、ミューティング信号)を出力する(ステップS1002)。
一方、防護領域制御器32は、ステップS1003において、全方向移動体1の速度が低速値Vs以下となるまで待機する。具体的には、防護領域制御器32は、回転速度検出器13a〜13dによって検出されるメカナムホイール11a〜11dの回転速度φ1〜φ4のいずれもが閾値N未満となるまで待機する。
全方向移動体1の速度が低速値Vs以下になり、且つ、主制御器22から動作信号を入力すると、すなわち、AND条件が成立すると、防護領域制御器32は、セーフティーレーザスキャナ31に対して、防護領域401の範囲を切り替えるための切り替え信号を出力する。これにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401を縮小し(または無効にし)(ステップS1004)、一連の工程を終了する。
第1の実施形態に係る変形例1によれば、搬送対象物500が配置される位置の近くで全方向移動体1が低速走行(低速値Vs以下)した際に、セーフティーレーザスキャナ31によって搬送対象物500が障害物として検出されないようにすることができる。すなわち、全方向移動体1が低速走行したとしても、搬送対象物500が配置される位置の近くでなければ、防護領域401を縮小しないようにすることができる。したがって、不適切な位置で防護領域401の範囲を縮小させることによって、安全性が低下してしまうことを抑えることができる。また、より適切なタイミングで防護領域401の範囲を縮小できるため、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
(第1の実施形態の変形例2)
上述した第1の実施形態では、図7に示したように、各車輪の回転速度の判定結果を用いた論理積の出力結果に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明した。第1の実施形態の変形例2では、「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積」と、「メカナムホイール11のそれぞれの回転速度を用いて算出した算出値」との論理和に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。
ここで言う算出値とは、全方向移動体1のx方向(「主進行方向」ともいう)の主移動速度Vxである。変形例2では、主移動速度Vxが負となる場合、すなわち、主進行方向に対して、全方向移動体1が後退する場合に、防護領域401の範囲を縮小させることについて説明する。主進行方向に対して、全方向移動体1が後退しているか否かは、数式(4)によって判定することができる。
Figure 0006989551
数式(4)の左辺は、主移動速度Vxを示す。数式(4)を満たす場合、全方向移動体1が後退していると判定できる。
(防護領域401の切り替えのロジックについて)
図11は、第1の実施形態の変形例2に係る防護領域401の切り替えのロジックを示す図である。図11に示すロジック1100は、ロジック700の出力結果と、全方向移動体1が後退していることの判定結果との、論理和(OR条件の結果)を出力するロジックである。このロジック1100を用いて、これらのOR条件が成立することにより、防護領域制御器32は、防護領域401を縮小させるための信号を出力する。
(防護領域401の切り替えを行う工程について)
図12は、第1の実施形態の変形例2に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図である。図12のステップS1201において、防護領域制御器32は、全方向移動体1の速度が低速値Vs以下となるまで待機する。具体的には、防護領域制御器32は、回転速度検出器13a〜13dによって検出されるメカナムホイール11a〜11dの回転速度φ1〜φ4のいずれもが閾値N未満となるまで待機する。
また、防護領域制御器32は、ステップS1202において、全方向移動体1が後退することを示す、主移動速度Vxが0未満になるまで(−(φ1+φ2)+(φ3+φ4)<0を満たすまで)待機する。全方向移動体1の速度が低速値Vs以下になるか、もしくは、主移動速度Vxが0未満になると、すなわち、OR条件を満たすと、防護領域制御器32は、セーフティーレーザスキャナ31に対して、防護領域401の範囲を切り替えるための切り替え信号を出力する。これにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401を縮小し(または無効にし)(ステップS1203)、一連の工程を終了する。
第1の実施形態に係る変形例2によれば、全方向移動体1の移動速度が低下したとき(低速値Vs以下)のみならず、全方向移動体1が後退するときにも、防護領域401の範囲を縮小させることができる。例えば、全方向移動体1が搬送対象物500の近くで、搬送対象物500に対する向き(正対する向き)を整える場合など後退するような場合でも、防御領域の範囲を適切に縮小させ、搬送対象物500を障害物として検出しないようにすることができる。したがって、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
(第1の実施形態の変形例3)
上述した第1の実施形態の変形例1では、「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積」と、「主制御器22から出力される動作信号」との論理積に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明した。第1の実施形態の変形例3では、変形例1で説明した「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積と、主制御器22からの動作信号との論理積」と、変形例2で説明した「メカナムホイール11のそれぞれの回転速度を用いて算出した算出値」との、論理和に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。
(防護領域401の切り替えを行う工程について)
図13は、第1の実施形態の変形例3に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図である。図13のステップS1301において、主制御器22は、移動計画を参照し、全方向移動体1の搬送対象物500の搬送開始を示すドッキングモードの開始となるまで待機する。ドッキングモードの開始となると、主制御器22は、防護領域制御器32へ動作信号(例えば、ミューティング信号)を出力する(ステップS1302)。
一方、防護領域制御器32は、ステップS1303において、全方向移動体1の速度が低速値Vs以下となるまで待機する。具体的には、防護領域制御器32は、回転速度検出器13a〜13dによって検出されるメカナムホイール11a〜11dの回転速度φ1〜φ4のいずれもが閾値N未満となるまで待機する。
また、防護領域制御器32は、ステップS1304において、全方向移動体1が後退することを示す、主移動速度Vxが0未満になるまで(−(φ1+φ2)+(φ3+φ4)<0を満たすまで)待機する。
(1)「全方向移動体1の速度が低速値Vs以下になり、且つ、主制御器22からの動作信号の入力がある」というAND条件が成立するか、もしくは、(2)主移動速度Vxが0未満になると、すなわち、(1)と(2)のOR条件が成立したとする。この場合、防護領域制御器32は、セーフティーレーザスキャナ31に対して、防護領域401の範囲を切り替えるための切り替え信号を出力する。これにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401を縮小し(または無効にし)(ステップS1305)、一連の工程を終了する。
第1の実施形態に係る変形例3によれば、変形例1および変形例2の両方の効果を得ることができる。したがって、全方向移動体1の安全性が低下してしまうことを抑えることができるとともに、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
(第1の実施形態の変形例4)
上述した第1の実施形態では、図7に示したように、各車輪の回転速度の判定に用いられる閾値を1種類(閾値Nのみ)とし、回転速度の判定を1段階とした場合について説明した。第1の実施形態の変形例4では、各車輪の回転速度の判定に用いられる閾値を車輪ごとに異なる閾値とし、また、回転速度の判定を複数段階(2段階)にして、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。変形例4では、ドッキングモードに入る前の特定の動作であることを判別することにより、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。
(防護領域401の切り替えのロジックについて)
図14は、第1の実施形態の変形例4に係る防護領域401の切り替えのロジックを示す図である。図14に示すロジック1400は、メカナムホイール11の各車輪の回転速度が、それぞれ同一または異なる閾値以下であるか否かを判定し、その判定結果の論理積を出力するロジックがある。
図14に示す車輪ごとに設定される閾値A1〜A4、B1〜B4は、ドッキングモードに入る前の特定の動作を判別するための値である。防護領域制御器32は、回転速度検出器13aによって検出されるメカナムホイール11aの回転速度φ1が閾値A1未満となると、さらに、その後に、回転速度φ1が閾値B1未満となるまで待機する。
同様に、防護領域制御器32は、回転速度検出器13b〜13dによって検出されるメカナムホイール11b〜dの回転速度φ2〜φ4がそれぞれ閾値A2〜A4未満となると、さらに、その後に、回転速度φ2〜φ4が閾値B2〜B4未満となるまで待機する。
防護領域制御器32は、回転速度φ1〜φ4がいずれも、順次条件が成立していき、図14に示す2段階の条件を全て満たすと、すなわち、AND条件が成立すると、ドッキングモードに入る前の特定の動作が行われたものと見なさせる。このため、防護領域制御器32から、セーフティーレーザスキャナ31に対して、防護領域401の範囲を切り替えるための切り替え信号が出力される。これにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401を縮小(または無効にし)する。
また、主制御器22は、所定時間が経過すると動作信号を出力する。これにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401の縮小または無効をリセットする。なお、防護領域制御器32が主制御器22から動作信号を入力することにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域制御器32からの指示に基づいて、防護領域401の縮小または無効をリセットしてもよい。また、セーフティーレーザスキャナ31は、主制御器22から直接、リセットを示す動作信号を入力することにより、防護領域401の縮小または無効をリセットしてもよい。
また、セーフティーレーザスキャナ31は、タイマの計測結果に基づいて、防護領域401の縮小または無効をリセットしてもよい。タイマは、防護領域制御器32に設けられていてもよいし、セーフティーレーザスキャナ31に設けられていてもよい。防護領域制御器32にタイマが設けられている場合、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域制御器32からのタイマの計測結果に基づく指示に基づいて、防護領域401の縮小または無効をリセットしてもよい。
第1の実施形態に係る変形例4によれば、全方向移動体1がドッキングモードに入る前の特定の動作を行った際に、セーフティーレーザスキャナ31によって搬送対象物500が障害物として検出されないようにすることができる。したがって、防御領域の範囲を縮小させることによって、安全性が低下してしまうことを抑えることができる。また、より適切なタイミングで防護領域401の範囲を縮小できるため、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
さらに、第1の実施形態に係る変形例4によれば、主制御器22からの動作信号を用いなくても、ドッキングモードに入る前の特定の動作であることを判別して、防護領域401の範囲を縮小させることができる。これにより、主制御器22が行う動作信号の出力に係る負荷を抑えることができる。
なお、第1の実施形態に係る変形例4に、第1の実施形態に係る変形例1を適用してもよい。すなわち、主制御器22から出力される動作信号を用いて、防護領域401の範囲を縮小させるようにしてもよい。具体的には、「回転速度φ1〜φ4が図14に示す2段階の条件を全て満たしたことの論理積」と、「主制御器22から出力される動作信号」との論理積に応じて、防護領域401の範囲を縮小させてもよい。
これにより、搬送対象物500が配置される位置で、全方向移動体1が特定の動作を行った際に(搬送対象物500とドッキングする際)に、セーフティーレーザスキャナ31によって搬送対象物500が障害物として検出されないようにすることができる。すなわち、全方向移動体1が特定の動作を行ったとしても、搬送対象物500が配置される位置の近くでなければ、防御領域を縮小しないようにすることができる。したがって、不適切な位置で、防御領域の範囲を縮小させることによって、安全性が低下してしまうことを抑えることができる。また、より適切なタイミングで防護領域401の範囲を縮小できるため、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
(第1の実施形態の変形例5)
上述した第1の実施形態では、各車輪の回転速度のみに応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明した。第1の実施形態の変形例5では、「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積」と、「回転異常の検出結果」との論理積に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。
メカナムホイール11の各車輪の回転速度について、異常を検出するには、数式(5)、数式(6)が用いられる。
Figure 0006989551
Figure 0006989551
回転速度検出器13に異常が無く、さらに、路面と車輪間との間に滑りがない理想的な状態では、数式(5)に示す「|h|」は、ゼロとなる。一方で、φ1〜φ4の少なくともいずれかの値が異常値を示す場合には、「|h|」はゼロ以上の値を示す。そこで「ξ」を許容値として設定することにより、数式(6)によって異常値を判定できる。
ここで、上述した順運動学の数式(1)において、φ1、φ2、φ3、φ4と、Vx、Vy、ωとの関係を示した。数式(1)において、φ1、φ2、φ3、φ4は、理論上は任意の値がとることができるが、実際には路面と車輪との間の拘束条件により、任意の値をとることはできない。
一方で、上述した逆運動学の数式(2)では、Vx、Vy、ωは、任意の値をとることができる。数式(6)は、数式(1)で拘束条件から外れたφ1〜φ4のいずれかの値が入力されたことを判定する式である。
順運動学の数式(1)を用いて、
φ1=−1、φ2=−1、φ3=1、φ4=1、とすると、
Vx=1、Vy=0、ω=0
である。
このとき、|h|=0である。
次に、順運動学の数式(1)を用いて、
φ1=0、φ2=−1、φ3=1、φ4=1、とすると、
Vx=0.75、Vy=−0.25、ω=−0.4835
である。
このとき、|h|=1である。
h≠0であるため、一部の車輪の回転速度に異常があると判定できる。
得られたVx、Vy、ωを逆運動学の数式(2)に代入してみると、
φ1=−0.249、φ2=−0.749、φ3=1.250、φ4=0.75
となり、入力した値である、
φ1=0、φ2=−1、φ3=1、φ4=1
と矛盾することからも、一部の車輪の回転速度に異常があると判定できる。
(防護領域401の切り替えを行う工程について)
図15は、第1の実施形態の変形例5に係る全方向移動体1が行う、防護領域401の切り替えを行う工程を示すシーケンス図である。図15のステップS1501において、防護領域制御器32は、全方向移動体1の速度が低速値Vs以下となるまで待機する。具体的には、防護領域制御器32は、回転速度検出器13a〜13dによって検出されるメカナムホイール11a〜11dの回転速度φ1〜φ4のいずれもが閾値N未満となるまで待機する。
また、防護領域制御器32は、ステップS1502において、異常を検出するまで、すなわち、「|h|<ξ」となるまで待機する。異常を検出すると、ステップS1503において、防護領域制御器32は、一定時間持続したか否かを判定する。ここで、一定時間持続したか否かの判定を行うには、例えば、平均化フィルタが用いられる。これによって、ノイズや一時的な車輪の滑りによって、回転異常と判定してしまい、停止してしまうことを抑えることができる。
異常が一定時間持続しない場合には、NOT条件が成立する。このNOT条件の成立と、ステップS1501において全方向移動体1の速度が低速値Vs以下になることとの、AND条件が成立したとする。この場合、防護領域制御器32は、セーフティーレーザスキャナ31に対して、防護領域401の範囲を切り替えるための切り替え信号を出力する。これにより、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401を縮小し(または無効にし)(ステップS1504)、一連の工程を終了する。
一方で、異常が一定時間持続した場合には、防護領域制御器32は、全方向移動体1を停止させるための保護停止信号を出力する。保護停止信号は、防護領域制御器32から遮断器33へ直接、または、他の機器(主制御器22、モータ制御回路23、セーフティーレーザスキャナ31など)を介して、遮断器33へ出力される。遮断器33は、停止信号を入力すると、駆動モータ12を停止させ(ステップS1505)、一連の工程を終了する。
第1の実施形態に係る変形例5によれば、回転異常がある場合や回転速度検出器13に異常がない場合において、全方向移動体1が低速(低速値Vs以下)で走行した場合に、セーフティーレーザスキャナ31の防護領域401の範囲を縮小することができる。したがって、回転異常がなく、正常に動作している場合に、防護領域401の範囲を縮小し、搬送対象物500をピックアップすることができる。したがって、安全性を向上させつつ、全方向移動体1を適切に動作させることができる。
また、第1の実施形態に係る変形例5によれば、回転異常がある場合や回転速度検出器13に異常がある場合には、全方向移動体1を停止させることができる。したがって、安全性をより向上させることができる。
また、第1の実施形態に係る変形例5では、車輪の回転異常を一定時間検出した場合に、全方向移動体1を停止させる。このため、ノイズや一時的な車輪の滑りで車輪の回転異常であると判定してしまうことにより、全方向移動体1を停止させてしまうことを抑えることができる。これにより、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
(第2の実施形態)
上述した第1の実施形態では、全方向移動体1の駆動輪を、4個のメカナムホイール11とした場合について説明した。第2の実施形態では、全方向移動体1の駆動輪を、4個のオムニホイールとした場合について説明する。
(オムニホイール1601a〜1601dの座標系について)
図16は、全方向移動体1600及びオムニホイール1601a〜1601dの座標系の一例を示す図である。なお、オムニホイール1601a〜1601dは、特に区別する必要がない場合には、単に「オムニホイール1601」と記す。図16に示すように、全方向移動体1600は、4個のオムニホイール1601を備える。4個のオムニホイール1601は、オムニホイール1601aおよびオムニホイール1601dを結ぶ車軸と、オムニホイール1601bおよびオムニホイール1601cを結ぶ車軸とが、全方向移動体1600の中心を通り、相互に90°の角度をなすように配置される。
図16において、全方向移動体1600の進行方向(前進方向)をx軸とし、横方向をy軸とし、紙面に垂直方向をz軸(不図示)とする。また、x軸は、図示の上方を正の向きとする。y軸は図示の左方向を正の向きとする。また、旋回方向は、図示の反時計回りを正の向きとする。また、全方向移動体1600の前進方向の速度をVxとする。全方向移動体1600の横方向の速度をVyとする。また、全方向移動体1600の旋回速度をωとする。
各オムニホイール1601の回転方向は、それぞれ、全方向移動体1600への取り付け方向(全方向移動体1700の中心)に向かって反時計方向を正(プラス)とする。また、オムニホイール1601aの車輪の回転速度をφ1とし、オムニホイール1601bの車輪の回転速度をφ2とし、オムニホイール1601cの車輪の回転速度をφ3とし、オムニホイール1601dの車輪の回転速度をφ4とする。
オムニホイール1601についても、第1の実施形態で説明したメカナムホイール11と同様に、上述した数式(1)〜(3)を適用することができる。したがって、主制御器22は、算出した目標回転速度をモータ制御回路23に出力することにより、全方向移動体1600を所望の方向へ所望の速度で移動させることができる。
また、第1の実施形態の変形例2と同様に、主進行方向に対して全方向移動体1600が後退しているか否かは、上述した数式(4)によって判定することができる。また、第1の実施形態の変形例5と同様に、オムニホイール1601についての各車輪の回転速度の異常の有無は、上述した数式(5)、(6)によって判定することができる。
したがって、第2の実施形態に係る、オムニホイール1601を用いた全方向移動体1600によれば、第1の実施形態に示したメカナムホイール11を用いた全方向移動体1と同様の効果を奏することができる。また、第2の実施形態においても、第1の実施形態の変形例1〜5に示した各変形例を適用することができる。
(第3の実施形態)
上述した第2の実施形態では、全方向移動体1の駆動輪を、4個のオムニホイールとした場合について説明した。第3の実施形態では、全方向移動体1の駆動輪を、3個のオムニホイールとした場合について説明する。
(オムニホイール1701a〜1701cの座標系について)
図17は、全方向移動体1700及びオムニホイール1701a〜1701cの座標系の一例を示す図である。なお、オムニホイール1701a〜1701cは、特に区別する必要がない場合には、単に「オムニホイール1701」と記す。図17に示すように、全方向移動体1700は、3個のオムニホイール1701を備える。3個のオムニホイール1701は、それぞれの車軸が全方向移動体1700の中心を通るように配置される。また、3個のオムニホイール1701は、それぞれの車軸間の間隔が120°の角度をなすように配置される。
図17において、全方向移動体1700の進行方向(前進方向)をx軸とし、横方向をy軸とし、紙面に垂直方向をz軸(不図示)とする。また、x軸は、図示の上方を正の向きとする。y軸は図示の左方向を正の向きとする。また、旋回方向は、図示の反時計回りを正の向きとする。また、全方向移動体1700の前進方向の速度をVxとする。全方向移動体1700の横方向の速度をVyとする。また、全方向移動体1700の旋回速度をωとする。
各オムニホイール1701の回転方向は、それぞれ、全方向移動体1700への取り付け方向(全方向移動体1700の中心)に向かって反時計方向を正(プラス)とする。また、オムニホイール1701aの車輪の回転速度をφ1とし、オムニホイール1701bの車輪の回転速度をφ2とし、オムニホイール1701cの車輪の回転速度をφ3とする。
ここで、3輪のオムニホイール1701を備える全方向移動体1700について、各オムニホイール1701の回転速度と全方向移動体1700の移動速度との関係について説明する。各オムニホイール1701の回転速度と全方向移動体1の移動速度は、数式(7)で表すことができる。数式(7)は、順運動学と呼ばれる数式である。
Figure 0006989551
Cは3×3行列である。行列成分には、オムニホイール1701の車輪径や、車輪配置に関係する係数が入る。
一方、数式(8)は、逆運動学と呼ばれる数式である。数式(8)は、全方向移動体1700の目標速度から、必要な車輪回転速度を算出する計算式である。
Figure 0006989551
Dは3×3行列である。行列成分には、オムニホイール1701の車輪径や、車輪配置に関係する係数が入る。主制御器22は、数式(7)および数式(8)の関係を用いることにより、全方向移動体1700の目標速度から、3つのオムニホイール1701の目標回転速度を算出する。主制御器22は、算出した目標回転速度をモータ制御回路23に出力することにより、全方向移動体1700を所望の方向へ所望の速度で移動させることができる。
(速度判定のロジックについて)
図18は、第3の実施形態に係る速度判定のロジックを示す図である。図18に示すロジック1800は、オムニホイール1701の各車輪の回転速度が閾値以下であるか否かを判定し、その判定結果の論理積を出力するロジックがある。具体的には、ロジック1800は、回転速度φ1〜φ3のいずれもが閾値Q未満になると、すなわち、AND条件が成立すると、防護領域401の切り替え信号を出力するロジックを示す。
回転速度検出器13a〜13dによって検出されるオムニホイール1701a〜1701cの回転速度φ1〜φ3のいずれもが閾値Q未満となることは、全方向移動体1700が閾値以下(低速)であることを示す。すなわち、ロジック1800における論理積の出力結果は、全方向移動体1700が閾値以下(低速)であることを示す。
回転速度φ1〜φ3のいずれもが閾値Q未満となると、防護領域制御器32から、セーフティーレーザスキャナ31に対して、防護領域401の範囲を切り替えるための切り替え信号が出力される。これにより、全方向移動体1700が低速で走行した場合に、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域401の範囲を縮小することができる。
以上説明した、第3の実施形態に係る、3個のオムニホイール1701を用いた全方向移動体1700によれば、第1の実施形態に示したメカナムホイール11を用いた全方向移動体1と同様の効果を奏することができる。
また、第3の実施形態においても、第1の実施形態の変形例1,3〜5に対応する変形例を適用することができる。なお、第1の実施形態の変形例5に示した、「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積」と、「回転異常の検出結果」との論理積に応じて、防護領域401の範囲を縮小させることについて補足する。3個のオムニホイール1701を備えた全方向移動体1700の場合、各車輪の回転速度を任意にとることができるため、3個のオムニホイール1701のそれぞれの回転速度のみから回転数の異常を検出することはできない。すなわち、第1の実施形態の変形例5に示した、数式(5)、(6)に対応する式を得ることができない。
このため、主制御器22の指示に基づく回転速度の目標値と、回転速度検出器13によって検出される実際の車輪回転数との差が、所定の閾値よりも大きい場合に異常と見なすようにしてもよい。これにより、3個のオムニホイール1701を備えた全方向移動体1700において、「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積」と、「回転異常の検出結果」との論理積に応じて、防護領域401の範囲を縮小させることができる。
(第3の実施形態の変形例1)
第3の実施形態の変形例1では、第1の実施形態の変形例2に対応する例について説明する。上述した第3の実施形態では、各車輪の回転速度の判定結果を用いた論理積の出力結果に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明した。第3の実施形態の変形例1では、「各車輪の回転速度が閾値以下であることの論理積」と、「オムニホイール1701のそれぞれの回転速度を用いて算出した算出値」との論理和に応じて、防護領域401の範囲を縮小させる場合について説明する。
ここで言う算出値は、全方向移動体1700のx方向(「主進行方向」ともいう)の主移動速度Vxの判定に用いられる。変形例1では、算出値が所定値m未満となる場合に、防護領域401の範囲を縮小させることについて説明する。数式(9)は、主進行方向に対する全方向移動体1の速度の判定式を示す。
Figure 0006989551
mは、判定閾値である。k1、k2、k3は、いずれも適切な係数である。
図17に示す例において、例えば、k1=0、k2=−1、k3=1とすると、数式(9)は、数式(10)によって表される。
Figure 0006989551
数式(9)および数式(10)に基づく判定結果を用いることにより、例えば、全方向移動体1700が後退していると判定することができる。
第3の実施形態の変形例1では、図18に示したロジック1800の出力結果と、オムニホイール1701のそれぞれの回転速度を用いて算出した算出値を用いた判定結果との、論理和(OR条件の結果)を出力するロジックを用いる。そして、このロジックを用いて、これらのOR条件が成立することにより、防護領域制御器32は、防護領域401を縮小させるための信号を出力する。これにより、全方向移動体1は、防護領域401の範囲を縮小させることができる。
第3の実施形態に係る変形例1によれば、全方向移動体1700の移動速度が低下したときのみならず、例えば、全方向移動体1700が後退するときにも、防護領域401の範囲を縮小させることができる。例えば、全方向移動体1700が搬送対象物500の近くで、搬送対象物500に対する向き(正対する向き)を整える場合など後退するような場合に、防御領域の範囲を適切に縮小させ、搬送対象物500を障害物として検出しないようにすることができる。したがって、全方向移動体1700が行う搬送の効率化を図ることができる。
(第1の実施形態〜第3の実施形態の機能的構成について)
次に、上述した第1の実施形態〜第3の実施形態に係る全方向移動体1、1600、1700(以下「全方向移動体1等」と称する)の機能的構成について説明する。全方向移動体1等は、駆動輪と、回転速度検出部と、物体検出部と、制御装置とを備える。制御装置は、減速制御部(制御部)と、変更部とを備える。
駆動輪は、全方向移動体1等を全方向に移動させるための3個以上の駆動輪であって、それぞれが独立して駆動される。駆動輪は、例えば、4個のメカナムホイール11a〜11d(図3参照)、4個のオムニホイール1601a〜1601d(図16参照)、および、3個のオムニホイール1701a〜1701c(図17参照)のうちの、いずれかを用いることができる。
回転速度検出部は、駆動輪のそれぞれの回転速度を検出する。回転速度検出部は、回転速度検出器13a〜13d(図1A参照)によって実現される。回転速度検出部(回転速度検出器13a〜13d)には、ロータリエンコーダを用いたが、これに限らない。例えば、回転速度検出部には、タコジェネレータ、レゾルバなど、他の速度センサを用いてもよい。また、回転速度検出部から出力される信号は、アナログ電圧値でもよいし、アナログ電圧値を変換したデジタル値であってもよい。
物体検出部は、全方向移動体1等の周囲の物体を検出する。物体は、人や物などの障害物である。物体検出部は、例えば、監視領域400(図4参照)内の物体を検出する。監視領域400は、防護領域401と、警告領域402とを含む。物体検出部は、例えば、セーフティーレーザスキャナ31(図1A参照)によって実現される。ただし、物体検出部は、セーフティーレーザスキャナ31に限らず、物体を撮像するカメラを用いたり、超音波式のセンサなど他のセンサを用いたりすることも可能である。また、物体検出部は、複数設けられていてもよい。例えば、物体検出部は、全方向移動体1等の左右や後方に設けられていてもよい。
減速制御部は、物体検出部によって監視領域400内で物体が検出された場合に、全方向移動体1等を減速させる。減速には、停止を含むものとする。減速制御部は、例えば、停止させる機能が遮断器33(図1A参照)によって実現され、減速させる機能が主制御器22によって実現される。例えば、減速制御部は、物体検出部によって監視領域400のうち防護領域401内で物体が検出された場合に、遮断器33の機能によって、全方向移動体1等を停止させる。また、減速制御部は、物体検出部によって監視領域400のうち警告領域402内で物体が検出された場合に、主制御器22の機能によって全方向移動体1等を、停止させずに減速させる。
変更部は、回転速度検出部によって検出される駆動輪のそれぞれの回転速度に基づいて、監視領域400の範囲を変更する。変更部は、例えば、駆動輪のそれぞれの回転速度が閾値以下、すなわち、全方向移動体1等の速度が低速値Vs(例えば0.3m/s)以下になると、物体検出部に設定される監視領域400のうち、防護領域401の範囲を縮小させる。
なお、変更部は、駆動輪のそれぞれの回転速度に基づいて、防護領域401の範囲のみならず、警告領域402の範囲を変更してもよい。また、変更部は、防護領域401の範囲のみを変更し、警告領域402の範囲については変更しないでもよいし、警告領域402の範囲のみを変更し、防護領域401の範囲については変更しないでもよい。
以上説明した、少なくともひとつの実施形態によれば、各駆動輪の回転速度に基づいて、監視領域400(防護領域401)の範囲を変更する変更部を持つことにより、複数のセンサなどを設けなくても、簡単な構成で、防護領域401の範囲を縮小できる。したがって、搬送対象物500の近くで、搬送対象物500を障害物として判別して、全方向移動体1が停止してしまうことを抑えることができる。この結果、全方向移動体1等の安全性を向上させることができる。このため、全方向移動体1を簡単且つ適切に動作させることができる。
(安全制御系をハードウェアまたはソフトウェアによって実現する場合について)
変更部は、駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かを判定し、当該判定の結果の論理積に基づいて、監視領域400の範囲を変更する。例えば、図7に示したように、変更部は、メカナムホイール11のそれぞれについての回転速度が閾値以下であることを示すAND条件(論理積)が成立した場合に、防護領域401の範囲を縮小させる。
具体的には、変更部は、例えば、防護領域制御器32(ハードウェア)によって実現される。ただし、変更部は、主制御器22(ソフトウェア)によって実現されてもよい。すなわち、所定の監視領域変更プログラムをCPUに実行させることによって、物体検出部の監視領域400の範囲を変更する、という変更部の機能を実現してもよい。
また、減速制御部のうち、停止させる機能は、遮断器33(例えばセーフティーリレー)によって実現される。ただし、減速制御部のうち、停止させる機能は、主制御器22(ソフトウェア)によって実現されてもよい。すなわち、所定の停止プログラムをCPUに実行させることによって、全方向移動体1等を停止させる、という減速制御部の機能を実現してもよい。この場合、減速制御部には、例えば、安全認証が取得済みのセーフティコントローラが用いられる。ただし、減速制御部には、通常のコントローラ、PC、シーケンサなどを用いることも可能である。
ただし、安全制御系の機能である、変更部の機能と、減速制御部の停止させる機能とを、ソフトウェアによって実現したとすると、回転速度検出部によって検出される回転速度から全方向移動体等1の移動速度を算出するという、演算処理が必要になる。この演算処理を安全制御系に組み込むことは、安全面を担保するという観点から、開発者には多大な時間と労力がかかる。具体的には、バグやエラーの有無などを鋭意検証し、パフォーマンスレベル(PL:Performance Level)や、安全度水準(SIL:Safety Integrity Level)といった性能指標を得る必要があるため、ソフトウェアの開発プロセスにおいて多大な時間と労力がかかってしまう。
そこで、変更部や、減速制御部の停止させる機能を、制約可変言語を用いる安全対応PLC(Programmable Logic Controller)などの機器によって実現することにより、このような、開発プロセスにおける多大な時間とコストを抑えることができる。また、ソフトウェアによる演算処理を不要とすることができるため、演算処理に係る制御の負荷を抑えることができる。また、簡単な構成で正確な出力結果を得ることができる。したがって、全方向移動体1等を、より簡単な構成で適切に動作させることができるとともに、全方向移動体1等の安全性の向上を図ることができる。
(移動速度を示す算出値に基づく監視領域400の変更について)
変更部は、駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される全方向移動体1等の移動速度を示す算出値に基づいて、監視領域の範囲を変更する。全方向移動体1等の移動速度を示す算出値は、例えば、上述した数式(4)の左辺に示す主移動速度Vxである。変更部は、例えば、主移動速度Vxが0未満になると、すなわち、後退すると、防護領域401の範囲を縮小させる。なお、主移動速度Vxの判定は、「0未満」に限らず、所定速度未満としてもよい。ただし、ここで言う所定速度は、全方向移動体1等の速度が低速を示す低速値Vs(例えば0.3m/s)よりも低い値であればよい。
これにより、全方向移動体1が搬送対象物500の近くで、搬送対象物500に対する向き(正対する向き)を整える場合など、より低速(低速値Vs以下)または後退するような場合に、防御領域の範囲を適切に縮小させ、搬送対象物500を障害物として検出しないようにすることができる。したがって、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
(論理和に基づく監視領域400の変更について)
変更部は、駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以上であるか否かを判定し、「当該判定の結果の論理積」と、「駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される全方向移動体1等の移動速度を示す算出値」と、の論理和に基づいて、監視領域400の範囲を変更する。具体的には、変更部は、図11に示したように、全方向移動体1等が低速値Vs(例えば0.3m/s)以下で走行するか、主移動速度Vxが0未満になるかの、いずれか一方の条件(OR条件)の成立により、防護領域401の範囲を縮小させる。
これにより、全方向移動体1が搬送対象物500に近づいて、低速走行(低速値Vs以下)した場合のみならず、搬送対象物500に対する向き(正対する向き)を整える場合など、より低速または後退するような場合にも、防御領域の範囲を適切に縮小させて搬送対象物500を障害物として検出しないようにすることができる。したがって、全方向移動体1が行う搬送の効率化を図ることができる。
(動作信号に基づく監視領域400の変更について)
変更部は、駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以上であるか否かを判定し、「判定の結果の論理積」と、「全方向移動体1等の移動計画を用いて生成された、全方向移動体1等の動作を切り替えるための動作信号」と、の論理積に基づいて、監視領域の範囲を変更する。具体的には、変更部は、図9に示したように、全方向移動体1等が低速値Vs(例えば0.3m/s)以下で走行することと、動作信号(例えば、ミューティング信号)の入力との、これらの両方の条件(AND条件)が成立することにより、防護領域401の範囲を縮小させる。また、動作信号は、ミューティング信号に限らず、防護領域401の範囲を縮小させるための信号や、警告領域402の範囲を縮小させるための信号であってもよい。
これにより、搬送対象物500が配置される位置の近くで全方向移動体1等が低速走行(低速値Vs以下)した際に、物体検出部によって搬送対象物500が障害物として検出されないようにすることができる。すなわち、全方向移動体1等が低速走行したとしても、搬送対象物500が配置される位置の近くでなければ、防護領域401を縮小しないようにすることができる。したがって、不適切な位置で、防御領域の範囲を縮小させることによって、安全性が低下してしまうことを抑えることができる。また、より適切なタイミングで防護領域401の範囲を縮小できるため、全方向移動体1等が行う搬送の効率化を図ることができる。
(異常検出時の停止について)
減速制御部は、駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される駆動輪の状態を示す算出値が、異常を示す閾値以上である場合に、全方向移動体1等を停止させる。駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される駆動輪の状態を示す算出値は、例えば、上述した数式(5)によって得られる値「h」の絶対値「|h|」である。異常を示す閾値は、例えば、上述した数式(6)の「ξ」である。減速制御部は、算出値「|h|」が、異常を示す閾値「ξ」以上である場合に、全方向移動体1等を停止させる。
これにより、全方向移動体1等に、回転異常がある場合や回転速度検出器13に異常がある場合に、全方向移動体1等を停止させることができる。したがって、安全性をより向上させることができる。
(異常検出時の停止の他の例について)
減速制御部は、駆動輪のそれぞれの速度指令値が示す各回転速度と、回転速度検出部によって検出される駆動輪のそれぞれの回転速度と、の相違に基づいて、全方向移動体1等を停止させてもよい。具体的には、回転異常や回転速度検出器13の異常を検出する別の方法として、減速制御部は、主制御器22の指示に基づく回転速度の目標値と、回転速度検出部によって検出される実際の車輪回転数との差が、所定の閾値よりも大きい場合に異常と見なして、異常を検出するようにしてもよい。
このようにしたとしても、全方向移動体1等に、回転異常がある場合や回転速度検出器13に異常がある場合に、全方向移動体1等を停止させることができる。したがって、安全性をより向上させることができる。
(平均化フィルタを用いた例について)
変更部は、駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される算出値が示す状態が一定時間継続したか否かに基づいて、監視領域400の範囲を変更する。回転速度を用いて算出される算出値が示す状態は、例えば、図15に示したように、回転異常を示す状態、すなわち、駆動輪の状態を示す算出値「|h|」が異常を示す閾値「ξ」以上となる状態である。一定時間継続したか否かの判定には、例えば、平均化フィルタが用いられる。変更部は、駆動輪の状態を示す算出値「|h|」が、異常を示す閾値「ξ」以上となったことが一定時間以上継続していない場合において、全方向移動体1が低速(低速値Vs以下)で走行した場合に、防護領域401の範囲を縮小させる。
一方で、駆動輪の状態を示す算出値「|h|」が、異常を示す閾値「ξ」以上となったことが一定時間以上継続した場合は、全方向移動体1が低速走行した否かにかかわらず、全方向移動体1等を停止させる。これによって、ノイズや一時的な車輪の滑りによって、回転異常と判定してしまい、停止してしまうことを抑えることができる。
ただし、回転速度を用いて算出される算出値が示す状態は、回転異常を示す状態に限らない。例えば、全方向移動体1等の速度が低速を示す低速値Vs(例えば0.3m/s)以下である状態や、全方向移動体1が後退していることを示す状態(例えば主移動速度Vx<0)や、ドッキングモードに入る前の特定の動作を示す状態であってもよい。これらの状態については、一定時間継続した場合に、防護領域401の範囲を縮小させてもよい。
これにより、ノイズ等によって、これらの状態であると判定してしまうことにより、防護領域401を縮小させてしまうことを抑えることができる。このため、不適切なタイミングで防護領域401を縮小させてしまうことを抑えることができ、安全性をより向上させることができる。
(ドッキング時以外の速度の監視について)
なお、上述した説明では、監視領域400の変更は、ドッキング時に行われる場合について説明したが、ドッキング時以外のときに行われてもよい。例えば、監視領域400の変更は、速度のみに応じて行われてもよい。例えば、全方向移動体1等が低速値Vs(例えば0.3m/s)以下で走行した場合に、警告領域402の範囲を縮小させ、全方向移動体1等が低速を示す速度を超えた速度(高速)で走行した場合に、警告領域402の範囲を広げてもよい。
ここで、衝突時の危害の大きさは、全方向移動体1等の運動エネルギーに依存することから、人との衝突のおそれがある場合には速度を落とすことが大原則である。また、衝突を回避するための処理時間の観点からも、高速で移動している場合には、障害物を非接触で検出してから、物理的な接触に至るまでの時間が短く、衝突を回避する動作が間に合わない場合がある。このため、低速の移動であれば、時間的に衝突を回避する動作が間に合う。このように、全方向移動体1等の速度に応じて、監視領域400の範囲を変更するといった速度の監視を行うことにより、ドッキング時以外のときの安全性についても向上させることができる。
(速度の監視の利用例について)
ここで、通常制御系は、安全制御系の有効または無効を制御してもよい。例えば、フェールセーフ機能として速度の監視を行ってもよい。具体的には、安全制御系が無効の状態で、全方向移動体1等が第1の速度(制限速度)を超えた場合に、安全制御系を有効にし、安全制御系が全方向移動体1等を停止させてもよい。また、安全制御系の有効または無効にかかわらず、第2の速度(非常停止速度)を越えた場合には、安全制御系による制御を最優先して、安全制御系が全方向移動体1等を停止させてもよい。
(縮小した防護領域401の解除について)
また、上述した説明において、全方向移動体1等の移動速度が閾値以上(例えば低速値Vs以上)の状態から、全方向移動体1等の移動速度が閾値以下(例えば低速値Vs以下)になると、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域制御器32から切り替え信号が入力されて、防護領域401を縮小する。
その後、全方向移動体1等の移動速度が閾値以上になると、セーフティーレーザスキャナ31は、防護領域制御器32からの切り替え信号の出力が解除されることにより、セーフティーレーザスキャナ31は、縮小した防護領域401の範囲を通常の範囲に戻す。なお、防護領域401の範囲を切り替える際のチャタリングを防止するために、移動速度の閾値は、切り替え信号が出力されるときと、切り替え信号の出力が解除されるときとで、異なる値としてもよい。
(防護領域401を縮小した際の速度監視について)
また、防護領域制御器32は、防護領域401の範囲を縮小させる切り替え信号を、主制御器22にも出力してもよい。主制御器22は、防護領域制御器32から切り替え信号が出力されている間は(防護領域401の範囲が縮小している間は)、移動速度が閾値以上にならないように、モータ制御回路23を制御して、速度を監視してもよい。ここでいう閾値は、低速値Vsであるか否かを判定する閾値でもよいし、それよりも低い値(低い速度)でもよい。
また、切り替え信号が出力されている間に、移動速度が閾値を超えた場合、遮断器33は、駆動モータ12を停止させ、全方向移動体1等を停止させる。また、防護領域制御器32は、例えば、主制御器22からの切り替え信号の解除の指令を受けて、セーフティーレーザスキャナ31によって監視領域400内に物体が検出されていない場合は、切り替え信号の出力を解除する。そして、防護領域制御器32からの切り替え信号の出力が解除されると、主制御器22は、移動速度の閾値を再設定する。ここでいう閾値は、低速値Vsであるか否かを判定する閾値Vsでもよいし、それよりも高い値(高い速度)でもよい。
(制御装置の他の一例について)
次に、制御装置の他の一例について説明する。上述した説明では、制御装置が、減速制御部と、変更部とを備える場合について説明した。ここでは、制御装置の他の一例として、制御装置が変更部のみを備える場合について説明する。ここで説明する制御装置は、周囲物体検出器に接続して使用される。周囲物体検出器は、例えば、上述した物体検出部の機能を有する。具体的には、周囲物体検出器は、例えば、セーフティーレーザスキャナ31によって実現される。周囲物体検出器は、周囲の物体を監視領域400内で検出した場合に、機械(例えば、全方向移動体1等)の動作を減速あるいは停止させるための信号を出力する。
また、制御装置(変更部)は、周囲物体検出器に接続して使用され、周囲物体検出器の監視領域400の範囲を変更する。制御装置は、3個以上の各々独立の移動速度量検出器からの移動速度信号を入力する。移動速度量検出器は、例えば、上述した回転速度検出部の機能を有する。具体的には、移動速度量検出器は、例えば、回転速度検出器13a〜13d(図1A参照)によって実現される。制御装置は、入力したそれぞれの移動速度信号に基づいて、監視領域400の範囲を変更するための信号を出力する。これにより、周囲物体検出器は、監視領域400の範囲を変更する。
このような制御装置によれば、移動速度量検出器からの移動速度信号に基づいて、監視領域400(防護領域401)の範囲を変更することができるため、複数のセンサなどを設けなくても、簡単な構成で、防護領域401の範囲を縮小できる。したがって、搬送対象物500の近くで、搬送対象物500を障害物として判別して、機械(全方向移動体1)が停止してしまうことを抑えることができる。この結果、機械の安全性を向上させることができる。このため、制御装置の他の一例によれば、制御装置の機能によって、機械を簡単且つ適切に動作させることができる。
(周囲物体検出器について)
次に、周囲物体検出器に着目して説明する。周囲物体検出器は、例えば、上述した物体検出部の機能を有する。具体的には、周囲物体検出器は、例えば、セーフティーレーザスキャナ31によって実現される。周囲物体検出器は、周囲の物体を監視領域400内で検出した場合に、機械(例えば、全方向移動体1等)の動作を減速あるいは停止させるための信号を出力する。
また、周囲物体検出器は、3個以上の各々独立の移動速度量検出手段から出力されたそれぞれの移動速度信号に基づいて、監視領域400の範囲が変更される。具体的には、周囲物体検出器は、例えば、移動速度信号から得られる機械の速度が低速値Vs(例えば0.3m/s)以下になると、監視領域400のうち、防護領域401の範囲が縮小される。
このような周囲物体検出器によれば、移動速度量検出器からの移動速度信号に基づいて、監視領域400(防護領域401)の範囲が変更されるため、複数のセンサなどを設けなくても、簡単な構成で、防護領域401の範囲を縮小できる。したがって、搬送対象物500の近くで、搬送対象物500を障害物として判別して、機械(全方向移動体1)が停止してしまうことを抑えることができる。この結果、機械の安全性を向上させることができる。このため、周囲物体検出器によれば、周囲物体検出器の機能によって、機械を簡単且つ適切に動作させることができる。
(監視装置について)
次に、監視装置について説明する。上述した「制御装置の他の一例」の説明では、周囲物体検出器と、制御装置とが別々に設けられる場合について説明した。ここでは、周囲物体検出器と、制御装置とが一体として設けられる監視装置について説明する。ここで説明する周囲物体検出器は、例えば、上述した物体検出部の機能を有する。具体的には、周囲物体検出器は、例えば、セーフティーレーザスキャナ31によって実現される。周囲物体検出器は、周囲の物体を監視領域400内で検出した場合に、機械(例えば、全方向移動体1等)の動作を減速あるいは停止させるための信号を出力する。
制御装置は、周囲物体検出器に接続して使用され、周囲物体検出器の監視領域400の範囲を変更する。制御装置は、3個以上の各々独立の移動速度量検出器からの移動速度信号を入力とし、入力したそれぞれの移動速度信号に基づいて、監視領域400の範囲を変更するための信号を出力する。これにより、周囲物体検出器は、監視領域400の範囲を変更する。
このような監視装置によれば、移動速度量検出器からの移動速度信号に基づいて、監視領域400(防護領域401)の範囲を変更することができるため、複数のセンサなどを設けなくても、簡単な構成で、防護領域401の範囲を縮小できる。したがって、搬送対象物500の近くで、搬送対象物500を障害物として判別して、機械(全方向移動体1)が停止してしまうことを抑えることができる。この結果、機械の安全性を向上させることができる。このため、監視装置によれば、監視装置の機能によって、機械を簡単且つ適切に動作させることができる。
なお、上述した実施形態における全方向移動体1の機能の少なくとも一部をコンピューターで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録してもよい。また、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。記憶装置は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリー等の可搬媒体も含む。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、短時間の間、動的にプログラムを保持するものでもよい。具体的には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線等である。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」は、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。具体的には、サーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリー等である。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上記プログラムは、上述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、1600、1700…全方向移動体、11a〜11d…メカナムホイール、12a〜12d…駆動モータ、13a〜13d…回転速度検出器、21…外部通信機、22…主制御器、23…モータ制御回路、31…セーフティーレーザスキャナ、32…防護領域制御器、33…遮断器、201…樽型ころ、400…監視領域、401…防護領域、402…警告領域、500…搬送対象物、1601a〜1601d…オムニホイール、1701a〜1701c…オムニホイール

Claims (18)

  1. 移動体を全方向に移動させるための3個以上の駆動輪であって、それぞれが独立して駆動される3個以上の駆動輪と、
    前記駆動輪のそれぞれの回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記移動体の周囲の物体を検出する物体検出部と、
    前記物体検出部によって監視領域内で物体が検出された場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる制御部と、
    前記回転速度検出部によって検出される前記駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かを判定し、前記判定の結果の論理積に基づいて、前記監視領域の範囲を変更する変更部と、
    を備える移動体。
  2. 前記変更部は、
    前記駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かを判定し、前記判定の結果の論理積と、
    前記駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される前記移動体の移動速度を示す算出値と、
    の論理和に基づいて、前記監視領域の範囲を変更する、
    請求項に記載の移動体。
  3. 前記変更部は、
    前記駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かを判定し、前記判定の結果の論理積と、
    前記移動体の移動計画を用いて生成された、前記移動体の動作を切り替えるための動作信号と、
    の論理積に基づいて、前記監視領域の範囲を変更する、
    請求項1または2に記載の移動体。
  4. 前記制御部は、前記駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される前記駆動輪の状態を示す算出値が、異常を示す閾値以上である場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる、
    請求項1〜いずれか一項に記載の移動体。
  5. 前記制御部は、
    前記駆動輪のそれぞれの速度指令値が示す各回転速度と、前記回転速度検出部によって検出される前記駆動輪のそれぞれの回転速度と、の相違に基づいて、前記移動体を減速あるいは停止させる、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の移動体。
  6. 前記変更部は、前記駆動輪のそれぞれの回転速度を用いて算出される算出値が示す状態が一定時間継続したか否かに基づいて、前記監視領域の範囲を変更する、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の移動体。
  7. 前記駆動輪は、4個のメカナムホイールである、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の移動体。
  8. 前記駆動輪は、4個のオムニホイールである、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の移動体。
  9. 前記駆動輪は、3個のオムニホイールである、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の移動体。
  10. 移動体を全方向に移動させるための3個以上の駆動輪であって、それぞれが独立して駆動される3個以上の駆動輪と、
    前記駆動輪のそれぞれの回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記移動体の周囲の物体を検出する物体検出部と、
    を備える前記移動体に用いられる制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記物体検出部によって監視領域内で物体が検出された場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる制御部と、
    前記回転速度検出部によって検出される前記駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かを判定し、前記判定の結果の論理積に基づいて、前記監視領域の範囲を変更する変更部と、
    を備える制御装置。
  11. 周囲の物体を監視領域内で検出した場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための出力を有する周囲物体検出器に接続して使用され、前記周囲物体検出器の前記監視領域の範囲を変更するために用いられる制御装置であって、
    3個以上の各々独立の移動速度量検出器からの移動速度信号を入力とし、入力したそれぞれの移動速度信号から得られる各駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かの判定結果の論理積に基づいて、前記監視領域の範囲を変更するための信号を出力する制御装置。
  12. 周囲の物体を監視領域内で検出した場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための出力を有し
    3個以上の各々独立の移動速度量検出手段から出力されたそれぞれの移動速度信号から得られる各駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かの判定結果の論理積に基づいて、前記監視領域の範囲が変更される
    周囲物体検出器。
  13. 周囲の物体を監視領域内で検出した場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための出力を有する周囲物体検出器と、
    前記周囲物体検出器に接続して使用され、前記周囲物体検出器の前記監視領域の範囲を変更するために用いられる制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、3個以上の各々独立の移動速度量検出器からの移動速度信号を入力とし、入力したそれぞれの移動速度信号から得られる各駆動輪のそれぞれの回転速度が所定値以下であるか否かの判定結果の論理積に基づいて、前記監視領域の範囲を変更するための信号を出力する、
    監視装置。
  14. 移動体を全方向に移動させるための4個のメカナムホイールであって、それぞれが独立して駆動される4個のメカナムホイールと、
    前記メカナムホイールのそれぞれの回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記移動体の周囲の物体を検出する物体検出部と、
    前記物体検出部によって監視領域内で物体が検出された場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる制御部と、
    前記回転速度検出部によって検出される前記メカナムホイールのそれぞれの回転速度に基づいて、前記監視領域の範囲を変更する変更部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記メカナムホイールのそれぞれの回転速度を用いて、加法および減法により前記メカナムホイールの状態を示す算出値を算出し、前記算出値が異常を示す閾値以上である場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる、
    移動体。
  15. 移動体を全方向に移動させるための4個のメカナムホイールであって、それぞれが独立して駆動される4個のメカナムホイールと、
    前記メカナムホイールのそれぞれの回転速度を検出する回転速度検出部と、
    前記移動体の周囲の物体を検出する物体検出部と、
    を備える前記移動体に用いられる制御装置であって、
    前記制御装置は、
    前記物体検出部によって監視領域内で物体が検出された場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる制御部と、
    前記回転速度検出部によって検出される前記メカナムホイールのそれぞれの回転速度に基づいて、前記監視領域の範囲を変更する変更部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記メカナムホイールのそれぞれの回転速度を用いて、加法および減法により前記メカナムホイールの状態を示す算出値を算出し、前記算出値が異常を示す閾値以上である場合に、前記移動体を減速あるいは停止させる、
    制御装置。
  16. 周囲の物体を監視領域内で検出した場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための出力を有する周囲物体検出器に接続して使用され、前記周囲物体検出器の前記監視領域の範囲を変更するために用いられる制御装置であって、
    4個の各々独立の移動速度量検出器からの移動速度信号を入力とし、入力したそれぞれの移動速度信号から得られる各メカナムホイールのそれぞれの回転速度を用いて、加法および減法により前記メカナムホイールの状態を示す算出値を算出し、前記算出値が異常を示す閾値以上である場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための信号を出力する制御装置。
  17. 周囲の物体を監視領域内で検出した場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための出力を有し、
    4個の各々独立の移動速度量検出手段から出力されたそれぞれの移動速度信号から得られる各メカナムホイールのそれぞれの回転速度を用いて、加法および減法により算出された前記メカナムホイールの状態を示す算出値が異常を示す閾値以上である場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための信号を出力する、
    周囲物体検出器。
  18. 周囲の物体を監視領域内で検出した場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための出力を有する周囲物体検出器と、
    前記周囲物体検出器に接続して使用され、前記周囲物体検出器の前記監視領域の範囲を変更するために用いられる制御装置と、
    を備え、
    前記制御装置は、4個の各々独立の移動速度量検出器からの移動速度信号を入力とし、入力したそれぞれの移動速度信号から得られる各メカナムホイールのそれぞれの回転速度を用いて、加法および減法により算出された前記メカナムホイールの状態を示す算出値の異常を示す閾値以上である場合に、機械の動作を減速あるいは停止させるための信号を出力する、
    監視装置。
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