JP3448752B2 - 自走式掃除機 - Google Patents

自走式掃除機

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昌弘 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は障害物を検知し、その障
害物を回避移動し、部屋内を移動して部屋の掃除ができ
る自走式掃除機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、掃除機に移動機能を付加し、掃除
時の操作性の向上を図った掃除機が開発されている。と
くに、マイクロコンピュータと、障害物検知センサ、接
触センサ、方位センサなどの各種のセンサ類を登載し
た、いわゆる自立誘導型の自走式掃除機の開発が行われ
ている。この種の自走式掃除機は、人手によらず清掃作
業の効率向上のため無人で自動的に清掃を行わせる目的
で作られたものであって、図4に示したように、清掃区
域の内側を障害物を検知するまで直進し、検知した地点
でジャイロなどの出力を基に180度ターンを行い再度
直進する。このような往復動作を繰り返して清掃を行っ
ていく。
【0003】以下、従来の自走式掃除機について図面を
参照しながら説明する。図3は従来の自走式掃除機の構
成を示すブロック図である。図において、1は自走式掃
除機の本体、2は電力源である電池、3はゴミを吸い込
む床ノズル、4は床ノズル3内に設けられた回転ブラ
シ、5は回転ブラシ4を回転させる回転ブラシモータ、
6はゴミを吸引するためのファンモータ、7は床ノズル
3から吸い込まれたゴミを集塵するダストボックス、8
は移動するための駆動輪、9は障害物を検知する超音波
センサからなる障害物センサ、10は障害物センサ9か
らの信号により駆動輪8を駆動するモータを制御するモ
ータ制御手段である。
【0004】上記構成においてその動作を説明する。本
体1は、電池2の電力で駆動される駆動輪8により移動
しながら、床ノズル3内に設けられた回転ブラシ4を回
転ブラシモータ5により回転させ、ファンモータ6によ
りゴミを吸引し、ダストボックス7にゴミを集塵し清掃
作業を行なう。また、障害物センサ9が障害物を検知し
て信号をモータ制御手段10に送り、その信号によりモ
ータ制御手段10が障害物を回避するように駆動輪8を
制御することにより、本体1は障害物を回避しながら清
掃の作業移動を行っている。なお、障害物センサ9は超
音波を送信する送信手段と、送信手段から放射されて障
害物に反射した超音波を受信する受信手段を備えた送受
独立型の超音波センサや、送受兼用型の超音波センサが
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の自走
式掃除機では、回転ブラシの回転状態、たとえば回転の
有無、回転数の大小、床質や移動速度に適した回転数制
御などを行っていないので、適切な清掃作業ができない
場合があり、また、床ノズルの高さも一定としているた
め、絨毯の毛足の長さに適した清掃作業ができないこと
もある。また、床面の段差がある場合に段差を転落して
移動できなくなる場合もあった。
【0006】また、何らかの外的要因で駆動輪が滑って
空回りしたりロックした状態では清掃を思い通りに実行
できないばかりでなく、たとえば、空転する駆動輪が床
や絨毯を傷つけたり、ロックした状態では駆動輪やモー
タ制御手段などの走行操舵手段を壊したりする。また、
走行操舵手段に異常が発生しても、いつまでも清掃を実
行しようとして本体の電源を消費し尽くすまで異常動作
を続けるものである。
【0007】本発明は、上記の課題を解決するもので、
回転ブラシの回転停止などの異常を検知するとともに、
床質や移動速度に適した回転数に制御し、また、床ノズ
ルの高さを絨毯の毛足の長さに合わせて制御するなど
掃除作業の機能を十分、かつ安定に発揮できるようにし
た自走式掃除機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる本発明
は、移動しながら清掃する自走式掃除機の本体と、前記
本体を移動させる駆動輪と、前記駆動輪を駆動するモー
タ制御手段と、障害物を検出する障害物センサと、前記
障害物センサの出力信号により前記モータ制御手段を制
御して障害物を回避しながら前記本体を移動させる移動
制御手段と、床面を清掃する床ノズルと、前記床ノズル
内にあって床面を清掃するための回転ブラシと、前記回
転ブラシを回転させる回転ブラシモータと、前記回転ブ
ラシモータの電流を検出する電流検出手段と、前記電流
検出手段の出力信号により前記回転ブラシの回転異常を
検出する状態検出手段と、前記回転ブラシモータの回転
数を検出するブラシ回転数検出手段と、前記ブラシ回転
数検出手段からの信号により前記回転ブラシモータの回
転数を一定に制御する回転ブラシモータ制御手段を備
え、前記モータ制御手段の出力信号により、前記本体の
移動速度が速い場合は前記回転ブラシの回転数を高く
し、前記本体の移動速度が遅い場合は前記回転ブラシの
回転数を低くするように制御する自走式掃除機である。
【0009】また、請求項2に係わる本発明は、移動し
ながら清掃する自走式掃除機の本体と、前記本体を移動
させる駆動輪と、前記駆動輪を駆動するモータ制御手段
と、障害物を検出する障害物センサと、前記障害物セン
サの出力信号により前記モータ制御手段を制御して障害
物を回避しながら前記本体を移動させる移動制御手段
と、床面を清掃する床ノズルと、前記床ノズル内にあっ
て床面を清掃するための回転ブラシと、前記回転ブラシ
を回転させる回転ブラシモータと、前記回転ブラシモー
タの電流を検出する電流検出手段と、前記電流検出手段
の出力信号により前記回転ブラシの回転異常を検出する
状態検出手段を備え、前記電流検出手段が検出した電流
値が大きくなったとき、床ノズルの床面からの高さを高
くする自走式掃除機である。
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【作用】請求項1に係わる本発明において、超音波セン
サが移動中の障害物を検知し、この超音波センサの出力
信号により駆動輪と連動したモータ制御手段を制御しな
がら本体を回避移動するとともに、電流検出手段は回転
ブラシを回転させる回転ブラシモータの電流を検出し、
状態検出手段は、その電流値により回転ブラシが回転し
ているか否かを自動的に判定し、さらにモータ制御手段
の出力信号により回転ブラシモータを制御し、前記本体
の移動速度が速い場合は高く、遅い場合は低く、回転ブ
ラシの回転数に制御する。
【0019】また、請求項2に係わる本発明において、
電流検出手段が検出した電流値が大きくなったとき、床
ノズルの床面からの高さを高くする
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【実施例】(実施例1) 以下、請求項1に係わる本発明の一実施例について図面
を参照しながら説明する。図1は本実施例の構成を示す
ブロック図である。なお、従来例と同じ構成要素には同
一番号を付与して詳細な説明を省略する。また、図示を
省略したが、電力源である電池、ゴミを吸引するための
ファンモータ、床ノズルから吸い込まれたゴミを集塵す
るダストボックスなどを備えていることは言うまでもな
い。
【0029】本実施例が従来例と異なる点は、障害物セ
ンサ9の信号によりモータ制御手段10を制御し障害物
を回避しながら移動させる移動制御手段11と、回転ブ
ラシモータ5の電流を検出する回転ブラシモータ電流検
出手段12と、回転ブラシモータ電流検出手段12の信
号により回転ブラシモータ5を回転させたとき、モータ
電流が流れないことを回転ブラシ4の回転異常として検
出する回転ブラシ状態検出手段13と、回転ブラシモー
タ5の回転数を検出するブラシ回転数検出手段14と、
ブラシ回転数検出手段14からの信号により回転ブラシ
モータ5の回転数を一定に制御する回転ブラシモータ制
御手段15と、ブラシ回転数検出手段14からの信号と
回転ブラシモータ電流検出手段12からの信号とによ
り、床面であるか、または絨毯であるかの床質を判別す
る床質判別手段16と、駆動輪8を駆動するモータ制御
手段10からの信号により、回転ブラシ4の回転数が本
体1の移動速度に適した回転数になるように、回転ブラ
シモータ制御手段15が回転ブラシモータ5を制御する
ようにしたことにある。
【0030】上記の構成においてその動作を説明する。
本体1の電源をオンとして移動を開始すると、移動制御
手段11がモータ制御手段10に信号を送り、このモー
タ制御手段10が駆動輪8を駆動して移動する。このと
き、障害物センサ9が超音波を放射しながら移動するこ
とにより、放射された超音波が障害物に当たって反射し
た場合に障害物を検知する。すなわち、超音波が障害物
に反射することを利用して障害物を検知している。障害
物センサ9が移動中に障害物を検知すると移動制御手段
11に信号を送出する。この信号を受け移動制御手段1
1が障害物を回避するようにモータ制御手段10を制御
し、本体1は障害物を回避しながら移動することができ
る。
【0031】また、本体1が移動を開始すると、床ノズ
ル3内に設けられた回転ブラシモータ5に通電し、回転
ブラシモータ5に連結された回転ブラシ4が回転し、清
掃しながら移動する。この回転ブラシモータ5の電流を
回転ブラシモータ電流検出手段12が検出している。回
転ブラシモータ5が回転している場合は、モータに電流
が流れている。回転ブラシモータ5が配線切れたなどで
回転していない場合はモータに電流が流れていない。回
転ブラシ状態検出手段13は回転ブラシモータ5に流れ
る電流レベルをチェックしており、所定の設定値以上で
あるか否か判定する。この電流レベルが設定値以上であ
れば回転ブラシモータ5が正常に動作していると判定
し、設定値以下であれば回転ブラシモータ5が回転せず
異常であると判定する。この電流レベルを回転ブラシ状
態検出手段13が判定することにより、本体1の始動開
始時や清掃中に回転ブラシ4が動作しているかどうかの
故障診断を行うことできる。また、清掃を開始するとブ
ラシ回転数検出手段14が回転ブラシモータ5の回転数
を検出し、その回転数の信号を回転ブラシモータ制御手
段15に送出する。回転ブラシモータ制御手段15は回
転数の信号を入力して現在の回転数を判定し、回転ブラ
シモータ5の回転数が一定になるように制御する。一般
に、回転ブラシモータ5の負荷は清掃移動中に床面の状
態により変動するが、上記の回転数制御により床面の状
態に係わらず一定に回転数で安定に清掃ができる。 さら
に、ブラシ回転数検出手段14が回転ブラシモータ5の
回転数を検出し、回転数の信号を床質判別手段16に送
出するとともに、回転ブラシモータ電流検出手段12が
モータ電流の信号を床質判別手段16に送出する。この
とき、床質が絨毯の場合はモータ負荷が大きく、回転ブ
ラシモータ5の回転数は遅くて電流値は大きい。また、
床質がベアフロアの場合はモータ負荷が小さく、回転ブ
ラシモータ5の回転数は速くて電流値は小さい。したが
って、回転ブラシモータ5の回転数と電流値により床質
判別手段16がベアフロアなどの床面であるか、または
絨毯であるかの判別を行うことができる。この床質判別
手段16は床質信号を回転ブラシモータ制御手段15に送
り、回転ブラシモータ制御手段15は床質に合った回転
数に回転ブラシモータ5を制御することができる。 さら
に、駆動輪8を駆動するモータ制御手段10からの信号
により、回転ブラシモータ制御手段15が本体1の移動
速度を検出し、その移動速度に応じて回転ブラシモータ
5の回転数を制御する。このとき、回転ブラシモータ5
の回転数は、移動速度が速い場合は回転ブラシ4の回転
数を高くし、移動速度が遅い場合は回転ブラシ4の回転
数を低くするように制御する。なお、左右の駆動輪の回
転数を平均化するなどの処理をして移動速度を求めても
良い。以上の動作により、本体1の移動速度に応じて回
転ブラシ4の回転数を制御することができ、移動速度に
合った回転ブラシ4の回転数で安定に清掃することがで
きる。
【0032】(実施例2) 以下、請求項2に係わる本発明の一実施例について、図
面を参照しながら説明する。図2は本実施例の構成を示
すブロック図である。なお、実施例1と同じ構成要素に
は同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例
が実施例1と異なる点は、回転ブラシモータ電流検出手
段12からの信号により床ノズル3の床面からの高さを
調整する床ノズル高さ調整手段18を備えたことにあ
る。
【0033】上記の構成において、その動作を説明す
る。床質が絨毯など柔らかい場合、本体1が沈み込むと
ともに、床ノズル3も沈み込む。床ノズル3が沈み込ん
だときは、回転ブラシモータ5に大きな負荷が加わり、
モータ電流が大きくなって回転数が低下する。この電流
変動を回転ブラシモータ電流検出手段12が検出し、床
ノズル高さ調整手段18に信号を送出する。床ノズル高
さ調整手段18は回転ブラシモータ5の電流値が所定の
設定値になるように高さを変える。すなわち、床ノズル
高さ調整手段18は回転ブラシモータ5が適切な回転数
になるように床ノズル3の高さを制御するので、安定な
回転ブラシ4の回転数で清掃できるとともに、回転ブラ
シモータ5が過負荷になることを防止することができ
る。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1から第2の発明によれば、回転ブラシの回転異常
を検知して自己診断を行うことができる。また、回転ブ
ラシを一定な回転にでき、また、床ノズルの高さを調整
できて、床面の状態に合わせた回転の回転ブラシにより
適切な掃除作業ができるとともに、回転ブラシモータの
過負荷を防止して安定した掃除作業ができるものであ
る。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係わる本発明の自走式掃除機の一実
施例の構成を示すブロック図
【図2】請求項2に係わる本発明の自走式掃除機の一実
施例の構成を示すブロック図
【図3】従来の自走式掃除機の構成を示すブロック図
【図4】同自走式掃除機の走行状態を示す模式図
【符号の説明】
1 本体 2 電池 3 床ノズル 4 回転ブラシ 5 回転ブラシモータ 6 ファンモータ 7 ダストボックス 8 駆動輪 9 障害物センサ 10 モータ制御手段 11 移動制御手段 12 回転ブラシモータ電流検出手段 13 回転ブラシ状態検出手段 14 ブラシ回転数検出手段 15 回転ブラシモータ制御手段 16 床質判別手段 18 床ノズル高さ調整手段
フロントページの続き (72)発明者 薮内 秀隆 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 小川 光康 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 藤原 俊明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 江口 修 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 高木 祥史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 石橋 崇文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 黒木 義貴 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−42087(JP,A) 特開 平6−98844(JP,A) 特開 平4−361726(JP,A) 特開 平5−329083(JP,A) 特開 平5−130960(JP,A) 特開 平3−29(JP,A) 特開 平5−161577(JP,A) 特開 平1−195515(JP,A) 特開 平4−312104(JP,A) 特開 昭63−309232(JP,A) 特開 昭60−21730(JP,A) 実開 昭58−130653(JP,U) 実開 平5−88463(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47L 9/28 A47L 9/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動しながら清掃する自走式掃除機の本
    体と、前記本体を移動させる駆動輪と、前記駆動輪を駆
    動するモータ制御手段と、障害物を検出する障害物セン
    サと、前記障害物センサの出力信号により前記モータ制
    御手段を制御して障害物を回避しながら前記本体を移動
    させる移動制御手段と、床面を清掃する床ノズルと、前
    記床ノズル内にあって床面を清掃するための回転ブラシ
    と、前記回転ブラシを回転させる回転ブラシモータと、
    前記回転ブラシモータの電流を検出する電流検出手段
    と、前記電流検出手段の出力信号により前記回転ブラシ
    の回転異常を検出する状態検出手段と、前記回転ブラシ
    モータの回転数を検出するブラシ回転数検出手段と、前
    記ブラシ回転数検出手段からの信号により前記回転ブラ
    シモータの回転数を一定に制御する回転ブラシモータ制
    御手段を備え、前記モータ制御手段の出力信号により、
    前記本体の移動速度が速い場合は前記回転ブラシの回転
    数を高くし、前記本体の移動速度が遅い場合は前記回転
    ブラシの回転数を低くするように制御する自走式掃除
    機。
  2. 【請求項2】 移動しながら清掃する自走式掃除機の本
    体と、前記本体を移動させる駆動輪と、前記駆動輪を駆
    動するモータ制御手段と、障害物を検出する障害物セン
    サと、前記障害物センサの出力信号により前記モータ制
    御手段を制御して障害物を回避しながら前記本体を移動
    させる移動制御手段と、床面を清掃する床ノズルと、前
    記床ノズル内にあって床面を清掃するための回転ブラシ
    と、前記回転ブラシを回転させる回転ブラシモータと、
    前記回転ブラシモータの電流を検出する電流検出手段
    と、前記電流検出手段の出力信号により前記回転ブラシ
    の回転異常を検出する状態検出手段を備え、前記電流検
    出手段が検出した電流値が大きくなったとき、床ノズル
    の床面からの高さを高くする自走式掃除機。
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