以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.適用例
<1.実施の形態>
[構成例]
図1は、一実施の形態に係る通信システム(通信システム1)の一構成例を表すものである。通信システム1は、デエンファシスにより通信性能の向上を図るものである。
通信システム1は、送信装置10と、伝送路100と、受信装置30とを備えている。送信装置10は、3つの出力端子ToutA,ToutB,ToutCを有し、伝送路100は、線路110A,110B,110Cを有し、受信装置30は、3つの入力端子TinA,TinB,TinCを有している。送信装置10の出力端子ToutAおよび受信装置30の入力端子TinAは、線路110Aを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子ToutBおよび受信装置30の入力端子TinBは、線路110Bを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子ToutCおよび受信装置30の入力端子TinCは、線路110Cを介して互いに接続されている。線路110A〜110Cの特性インピーダンスは、この例では約50[Ω]である。
送信装置10は、出力端子ToutAから信号SIGAを出力し、出力端子ToutBから信号SIGBを出力し、出力端子ToutCから信号SIGCを出力する。そして、受信装置30は、入力端子TinAを介して信号SIGAを受信し、入力端子TinBを介して信号SIGBを受信し、入力端子TinCを介して信号SIGCを受信する。信号SIGA,SIGB,SIGCは、それぞれ、3つの電圧状態SH,SM,SLをとり得るものである。
図2は、3つの電圧状態SH,SM,SLを表すものである。電圧状態SHは、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)に対応する状態である。高レベル電圧VH0,VH1,VH2のうち、高レベル電圧VH0は一番低い電圧であり、高レベル電圧VH2は一番高い電圧である。電圧状態SMは、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)に対応する状態である。中レベル電圧VM0,VM1plus,VM1minusのうち、中レベル電圧VM1minusは一番低い電圧であり、中レベル電圧VM1plusは一番高い電圧である。電圧状態SLは、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)に対応する状態である。低レベル電圧VL0,VL1,VL2のうち、低レベル電圧VL0は一番高い電圧であり、低レベル電圧VL2は一番低い電圧である。高レベル電圧VH2は、デエンファシスをかけない場合の高レベル電圧であり、中レベル電圧VM0は、デエンファシスをかけない場合の中レベル電圧であり、低レベル電圧VL2は、デエンファシスをかけない場合の低レベル電圧である。
図3は、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧状態を表すものである。送信装置10は、3つの信号SIGA,SIGB,SIGCを用いて、6つのシンボル“+x”,“−x”,“+y”,“−y”,“+z”,“−z”を送信する。例えば、シンボル“+x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SHにし、信号SIGBを電圧状態SLにし、信号SIGCを電圧状態SMにする。シンボル“−x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SLにし、信号SIGBを電圧状態SHにし、信号SIGCを電圧状態SMにする。シンボル“+y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SMにし、信号SIGBを電圧状態SHにし、信号SIGCを電圧状態SLにする。シンボル“−y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SMにし、信号SIGBを電圧状態SLにし、信号SIGCを電圧状態SHにする。シンボル“+z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SLにし、信号SIGBを電圧状態SMにし、信号SIGCを電圧状態SHにする。シンボル“−z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを電圧状態SHにし、信号SIGBを電圧状態SMにし、信号SIGCを電圧状態SLにするようになっている。
伝送路100は、このような信号SIGA,SIGB,SIGCを用いて、シンボルのシーケンスを伝える。すなわち、3つの線路110A,110B,110Cは、シンボルのシーケンスを伝える1つのレーンとして機能するようになっている。
(送信装置10)
送信装置10は、図1に示したように、クロック生成部11と、処理部12と、送信部20とを有している。
クロック生成部11は、クロック信号TxCKを生成するものである。クロック信号TxCKの周波数は、例えば2.5[GHz]である。なお、これに限定されるものではなく、例えば、送信装置10における回路を、いわゆるハーフレートアーキテクチャを用いて構成した場合には、クロック信号TxCKの周波数を1.25[GHz]にすることができる。クロック生成部11は、例えばPLL(Phase Locked Loop)を用いて構成され、例えば送信装置10の外部から供給されるリファレンスクロック(図示せず)に基づいてクロック信号TxCKを生成する。そして、クロック生成部11は、このクロック信号TxCKを、処理部12および送信部20に供給するようになっている。
処理部12は、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成するものである。ここで、1組の遷移信号TxF0,TxR0,TxP0は、送信装置10が送信するシンボルのシーケンスにおけるシンボルの遷移を示すものである。同様に、1組の遷移信号TxF1,TxR1,TxP1はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF2,TxR2,TxP2はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF3,TxR3,TxP3はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF4,TxR4,TxP4はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF5,TxR5,TxP5はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF6,TxR6,TxP6はシンボルの遷移を示すものである。すなわち、処理部12は、7組の遷移信号を生成するものである。以下、7組の遷移信号のうちの任意の一組を表すものとして遷移信号TxF,TxR,TxPを適宜用いる。
図4は、遷移信号TxF,TxR,TxPとシンボルの遷移との関係を表すものである。各遷移に付した3桁の数値は、遷移信号TxF,TxR,TxPの値をこの順で示したものである。
遷移信号TxF(Flip)は、“+x”と“−x”との間でシンボルを遷移させ、“+y”と“−y”との間でシンボルを遷移させ、“+z”と“−z”との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxFが“1”である場合には、シンボルの極性を変更するように(例えば“+x”から“−x”へ)遷移し、遷移信号TxFが“0”である場合には、このような遷移を行わないようになっている。
遷移信号TxR(Rotation),TxP(Polarity)は、遷移信号TxFが“0”である場合において、“+x”と“−x”以外との間、“+y”と“−y”以外との間、“+z”と“−z”以外との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxR,TxPが“1”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図4において右回りに(例えば“+x”から“+y”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“1”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図4において右回りに(例えば“+x”から“−y”へ)遷移する。また、遷移信号TxR,TxPが“0”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図4において左回りに(例えば“+x”から“+z”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“0”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図4において左回りに(例えば“+x”から“−z”へ)遷移する。
処理部12は、このような遷移信号TxF,TxR,TxPを7組生成する。そして、処理部12は、この7組の遷移信号TxF,TxR,TxP(遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6)を送信部20に供給するようになっている。
送信部20は、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6に基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図5は、送信部20の一構成例を表すものである。送信部20は、シリアライザ21F,21R,21Pと、送信シンボル生成部22と、出力部26とを有している。
シリアライザ21Fは、遷移信号TxF0〜TxF6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxF0〜TxF6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxF9を生成するものである。シリアライザ21Rは、遷移信号TxR0〜TxR6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxR0〜TxR6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxR9を生成するものである。シリアライザ21Pは、遷移信号TxP0〜TxP6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxP0〜TxP6をこの順にシリアライズして、遷移信号TxP9を生成するものである。
送信シンボル生成部22は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3およびシンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3を生成するものである。送信シンボル生成部22は、信号生成部23と、フリップフロップ24とを有している。
信号生成部23は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3に基づいて、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成するものである。具体的には、信号生成部23は、シンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3が示すシンボル(一つ前のシンボルDS)と、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9とに基づいて、図4に示したように現在のシンボルNSを求め、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3として出力するようになっている。
フリップフロップ24は、クロック信号TxCKに基づいてシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3をサンプリングして、そのサンプリング結果をシンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3としてそれぞれ出力するものである。
図6は、送信シンボル生成部22の一動作例を表すものである。この図6は、シンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3が示すシンボルDSと遷移信号TxF9,TxR9,TxP9とに基づいて生成されるシンボルNSを示している。シンボルDSが“+x”である場合を例に挙げて説明する。遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”である場合には、シンボルNSは“+z”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“001”である場合には、シンボルNSは“−z”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”である場合には、シンボルNSは“+y”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“011”である場合には、シンボルNSは“−y”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“1XX”である場合には、シンボルNSは“−x”である。ここで、“X”は、“1”,“0”のどちらであってもよいことを示している。シンボルDSが“−x”である場合、“+y”である場合、“−y”である場合、“+z”である場合、“−z”である場合についても同様である。
出力部26は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、シンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図7は、出力部26の一構成例を表すものである。出力部26は、電圧生成部50と、ドライバ制御部27N,27Dと、エンファシス制御部28A,28B,28Cと、ドライバ29A,29B,29Cとを有している。
電圧生成部50は、中レベル電圧VM0に対応する電圧Vdcを生成するものである。電圧生成部50は、リファレンス電圧生成部51と、オペアンプ52と、容量素子53と有している。リファレンス電圧生成部51は、例えばバンドギャップリファレンス回路を含んで構成されるものであり、中レベル電圧VM0に対応するリファレンス電圧Vrefを生成するものである。オペアンプ52の正入力端子にはリファレンス電圧Vrefが供給され、負入力端子は出力端子に接続されている。この構成により、オペアンプ52は、ボルテージフォロワとして動作し、中レベル電圧VM0に対応する電圧Vdcを出力するようになっている。容量素子53の一端はオペアンプ52の出力端子に接続され、他端は接地されている。
ドライバ制御部27Nは、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAN,SUBAN、信号MAINBN,SUBBN、および信号MAINCN,SUBCNを生成するものである。具体的には、ドライバ制御部27Nは、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が示す現在のシンボルNSに基づいて、図3に示したように、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧状態をそれぞれ求める。そして、ドライバ制御部27Nは、例えば、信号SIGAを電圧状態SHにする場合には、信号MAINAN,SUBANをそれぞれ“1”,“0”にし、信号SIGAを電圧状態SLにする場合には、信号MAINAN,SUBANをそれぞれ“0”,“1”にし、信号SIGAを電圧状態SMにする場合には、信号MAINAN,SUBANをともに“1”または“0”にする。信号MAINBN,SUBBN,および信号MAINCN,SUBCNについても同様である。そして、ドライバ制御部27Nは、信号MAINAN,SUBANをエンファシス制御部28Aに供給し、信号MAINBN,SUBBNをエンファシス制御部28Bに供給し、信号MAINCN,SUBCNをエンファシス制御部28Cに供給するようになっている。
ドライバ制御部27Dは、1つ前のシンボルDSに係るシンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAD,SUBAD、信号MAINBD,SUBBD、および信号MAINCD,SUBCDを生成するものである。ドライバ制御部27Dは、ドライバ制御部27Nと同じ回路構成を有するものである。そして、ドライバ制御部27Dは、信号MAINAD,SUBADをエンファシス制御部28Aに供給し、信号MAINBD,SUBBDをエンファシス制御部28Bに供給し、信号MAINCD,SUBCDをエンファシス制御部28Cに供給するようになっている。
エンファシス制御部28Aは、信号MAINAN,SUBANおよび信号MAINAD,SUBADに基づいて、6つの信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を生成するものである。ドライバ29Aは、6つの信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1に基づいて、信号SIGAを生成するものである。
エンファシス制御部28Bは、信号MAINBN,SUBBNおよび信号MAINBD,SUBBDに基づいて、6つの信号UPB0,UPB1,MDB0,MDB1,DNB0,DNB1を生成するものである。ドライバ29Bは、6つの信号UPB0,UPB1,MDB0,MDB1,DNB0,DNB1に基づいて、信号SIGBを生成するものである。
エンファシス制御部28Cは、信号MAINCN,SUBCNおよび信号MAINCD,SUBCDに基づいて、6つの信号UPC0,UPC1,MDC0,MDC1,DNC0,DNC1を生成するものである。ドライバ29Cは、6つの信号UPC0,UPC1,MDC0,MDC1,DNC0,DNC1に基づいて、信号SIGCを生成するものである。
図8は、ドライバ29Aの一構成例を表すものである。なお、ドライバ29B,29Cについても同様である。ドライバ29Aは、2つのサブドライバ290,291を有している。サブドライバ290は、M個の回路U0(回路U01〜U0M)と、M個の回路D0(回路D01〜D0M)と、M個の回路M0(回路M01〜M0M)とを有している。サブドライバ291は、N個の回路U1(回路U11〜U1N)と、N個の回路D1(回路D11〜D1N)と、N個の回路M1(回路M11〜M1N)とを有している。この例では、“M”は“N”よりも大きい数である。また、この例では、回路U0の個数、回路M0の個数、回路D0の個数、回路U1の個数、回路M1の個数、および回路D1の個数は、それぞれ別々に設定可能に構成されている。
回路U01〜U0M,U11〜U1Nのそれぞれは、トランジスタ91と、抵抗素子92とを有している。トランジスタ91は、この例では、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のFET(Field Effect Transistor)である。回路U01〜U0Mのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPA0が供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。回路U11〜U1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPA1が供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。回路U01〜U0M,U11〜U1Nのそれぞれにおいて、抵抗素子92の一端はトランジスタ91のソースに接続され、他端は出力端子ToutAに接続されている。トランジスタ91のオン状態における抵抗値と、抵抗素子92の抵抗値との和は、この例では“50×(M+N)”[Ω]である。
回路D01〜D0M,D11〜D1Nのそれぞれは、抵抗素子93と、トランジスタ94とを有している。回路D01〜D0M,D11〜D1Nのそれぞれにおいて、抵抗素子93の一端は出力端子ToutAに接続され、他端はトランジスタ94のドレインに接続されている。トランジスタ94は、この例では、NチャネルMOS型のFETである。回路D01〜D0Mのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNA0が供給され、ドレインは抵抗素子93の他端に接続され、ソースは接地されている。回路D11〜D1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNA1が供給され、ドレインは抵抗素子93の他端に接続され、ソースは接地されている。抵抗素子93の抵抗値と、トランジスタ94のオン状態における抵抗値との和は、この例では“50×(M+N)”[Ω]である。
回路M01〜M0M,M11〜M1Nのそれぞれは、トランジスタ95と、抵抗素子96とを有している。トランジスタ95は、この例では、NチャネルMOS型のFETである。回路M01〜M0Mのそれぞれにおいて、トランジスタ95のゲートには信号MDA0が供給され、ソースには電圧生成部50が生成した電圧Vdcが供給され、ドレインは抵抗素子96の一端に接続されている。回路M11〜M1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ95のゲートには信号MDA1が供給され、ソースには電圧生成部50が生成した電圧Vdcが供給され、ドレインは抵抗素子96の一端に接続されている。回路M01〜M0M,M11〜M1Nのそれぞれにおいて、抵抗素子96の一端はトランジスタ95のドレインに接続され、他端は出力端子ToutAに接続されている。トランジスタ95のオン状態における抵抗値と、抵抗素子96の抵抗値との和は、この例では“50×(M+N)”[Ω]である。
図9は、エンファシス制御部28Aの一動作例を表すものである。図10A〜10Cは、信号SIGAを電圧状態SHにするときのドライバ29Aの一動作例を模式的に表すものであり、図11A〜11Cは、信号SIGAを電圧状態SMにするときのドライバ29Aの一動作例を模式的に表すものであり、図12A〜12Cは、信号SIGAを電圧状態SLにするときのドライバ29Aの一動作例を模式的に表すものである。図10A〜10C,11A〜11C,12A〜12Cにおいて、回路U01〜U0M,U11〜U1Nのうち、網掛けされた回路は、トランジスタ91がオン状態になっている回路を示し、網掛けされていない回路は、トランジスタ91がオフ状態になっている回路を示す。同様に、回路D01〜D0M,D11〜D1Nのうち、網掛けされた回路は、トランジスタ94がオン状態になっている回路を示し、網掛けされていない回路は、トランジスタ94がオフ状態になっている回路を示す。また、回路M01〜M0M,M11〜M1Nのうち、網掛けされた回路は、トランジスタ95がオン状態になっている回路を示し、網掛けされていない回路は、トランジスタ95がオフ状態になっている回路を示す。なお、ここでは、エンファシス制御部28Aおよびドライバ29Aを例に挙げて説明するが、エンファシス制御部28Bおよびドライバ29Bについても同様であり、エンファシス制御部28Cおよびドライバ29Cについても同様である。
エンファシス制御部28Aは、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、図10A〜10Cに示したように、信号SIGAの電圧を3つの高レベル電圧VH0,VH1,VH2のいずれかに設定する。
具体的には、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“110000”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図10Aに示したように、回路U01〜U0M,U11〜U1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH2になるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“100100”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図10Bに示したように、回路U01〜U0Mにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路M11〜M1Nにおけるトランジスタ95がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH1になるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“0”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“100001”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図10Cに示したように、回路U01〜U0Mにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路D11〜D1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH0になるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANがともに“0”または“1”である場合には、図11A〜11Cに示したように、信号SIGAの電圧を3つの中レベル電圧VM0,VM1plus,VM1minusのいずれかに設定する。
具体的には、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“011000”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図11Aに示したように、回路M01〜M0Mにおけるトランジスタ95がオン状態になるとともに、回路U11〜U1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM1plusになるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“001100”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図11Bに示したように、回路M01〜M0M,M11〜M1Nにおけるトランジスタ95がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM0になるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合も同様である。また、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。また、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“0”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“001001”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図11Cに示したように、回路M01〜M0Mにおけるトランジスタ95がオン状態になるとともに、回路D11〜D1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM1minusになるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“1”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部28Aは、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、図12A〜12Cに示したように、信号SIGAの電圧を3つの低レベル電圧VL0,VL1,VL2のいずれかに設定する。
具体的には、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“010010”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図12Aに示したように、回路D01〜D0Mにおけるトランジスタ94がオン状態になるとともに、回路U11〜U1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL0になるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“0”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“000110”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図12Bに示したように、回路D01〜D0Mにおけるトランジスタ94がオン状態になるとともに、回路M11〜M1Nにおけるトランジスタ95がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL1になるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“1”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合も同様である。
また、エンファシス制御部28Aは、例えば、図9に示したように、1つ前のシンボルDSに係る信号MAINAD,SUBADが“1”,“0”であり、現在のシンボルNSに係る信号MAINAN,SUBANが“0”,“1”である場合には、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“000011”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図12Cに示したように、回路D01〜D0M,D11〜D1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL2になるとともに、ドライバ29Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
このようにして、出力部26は、現在のシンボルNSおよび一つ前のシンボルDSに基づいて、出力端子ToutA,ToutB,ToutCにおける電圧を設定する。その際、送信装置10は、いわゆる2タップのFIR(Finite Impulse Response)フィルタのように動作し、デエンファシス動作を行う。これにより、通信システム1では、通信性能を高めることができるようになっている。
(受信装置30)
図1に示したように、受信装置30は、受信部40と、処理部32とを有している。
受信部40は、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成するものである。
図13は、受信部40の一構成例を表すものである。受信部40は、抵抗素子41A,41B,41Cと、スイッチ42A,42B,42Cと、アンプ43A,43B,43Cと、クロック生成部44と、フリップフロップ45,46と、信号生成部47とを有している。
抵抗素子41A,41B,41Cは、通信システム1の終端抵抗として機能するものであり、抵抗値は、この例では、50[Ω]程度である。抵抗素子41Aの一端は入力端子TinAに接続されるとともにアンプ43Aの正入力端子およびアンプ43Cの負入力端子に接続され、他端はスイッチ42Aの一端に接続されている。抵抗素子41Bの一端は入力端子TinBに接続されるとともにアンプ43Bの正入力端子およびアンプ43Aの負入力端子に接続され、他端はスイッチ42Bの一端に接続されている。抵抗素子41Cの一端は入力端子TinCに接続されるとともにアンプ43Cの正入力端子およびアンプ43Bの負入力端子に接続され、他端はスイッチ42Cの一端に接続されている。
スイッチ42Aの一端は抵抗素子41Aの他端に接続され、他端はスイッチ42B,42Cの他端に接続されている。スイッチ42Bの一端は抵抗素子41Bの他端に接続され、他端はスイッチ42A,42Cの他端に接続されている。スイッチ42Cの一端は抵抗素子41Cの他端に接続され、他端はスイッチ42A,42Bの他端に接続されている。受信装置30では、スイッチ42A,42B,42Cは、オン状態に設定され、抵抗素子41A〜41Cが終端抵抗として機能するようになっている。
アンプ43Aの正入力端子は、アンプ43Cの負入力端子および抵抗素子41Aの一端に接続されるとともに入力端子TinAに接続され、負入力端子は、アンプ43Bの正入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに入力端子TinBに接続される。アンプ43Bの正入力端子は、アンプ43Aの負入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに入力端子TinBに接続され、負入力端子は、アンプ43Cの正入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに入力端子TinCに接続される。アンプ43Cの正入力端子は、アンプ43Bの負入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに入力端子TinCに接続され、負入力端子は、アンプ43Aの正入力端子および抵抗素子41Aの一端に接続されるとともに入力端子TinAに接続される。
この構成により、アンプ43Aは、信号SIGAと信号SIGBとの差分AB(SIGA−SIGB)に応じた信号を出力し、アンプ43Bは、信号SIGBと信号SIGCとの差分BC(SIGB−SIGC)に応じた信号を出力し、アンプ43Cは、信号SIGCと信号SIGAとの差分CA(SIGC−SIGA)に応じた信号を出力するようになっている。
図14は、受信部40がシンボル“+x”を受信する場合における、アンプ43A,43B,43Cの一動作例を表すものである。なお、スイッチ42A,42B,42Cは、オン状態であるため、図示を省いている。この例では、信号SIGAの電圧状態は電圧状態SHであり、信号SIGBの電圧状態は電圧状態SLであり、信号SIGCの電圧状態は電圧状態SMである。この場合には、入力端子TinA、抵抗素子41A、抵抗素子41B、入力端子TinBの順に電流Iinが流れる。そして、アンプ43Aの正入力端子には電圧状態SHに対応する電圧が供給されるとともに負入力端子には電圧状態SLに対応する電圧が供給され、差分ABは正(AB>0)になるため、アンプ43Aは“1”を出力する。また、アンプ43Bの正入力端子には電圧状態SLに対応する電圧が供給されるとともに負入力端子には電圧状態SMに対応する電圧が供給され、差分BCは負(BC<0)になるため、アンプ43Bは“0”を出力する。また、アンプ43Cの正入力端子には電圧状態SMに対応する電圧が供給されるとともに負入力端子には電圧状態SHに対応する電圧が供給され、差分CAは負(CA<0)になるため、アンプ43Cは“0”を出力するようになっている。
クロック生成部44は、アンプ43A,43B,43Cの出力信号に基づいて、クロック信号RxCKを生成するものである。
フリップフロップ45は、アンプ43A,43B,43Cの出力信号を、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。フリップフロップ46は、フリップフロップ45の3つの出力信号を、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。
信号生成部47は、フリップフロップ45,46の出力信号、およびクロック信号RxCKに基づいて、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するものである。この遷移信号RxF,RxR,RxPは、送信装置10における遷移信号TxF9,TxR9,TxP9(図5)にそれぞれ対応するものであり、シンボルの遷移を表すものである。信号生成部47は、フリップフロップ45の出力信号が示すシンボルと、フリップフロップ46の出力信号が示すシンボルに基づいて、シンボルの遷移(図4)を特定し、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するようになっている。
処理部32(図1)は、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行うものである。
ここで、ドライバ29A,29B,29Cは、それぞれ、本開示における「第1のドライバ」、「第2のドライバ」、「第3のドライバ」の一具体例に対応する。ドライバ29A,29B,29Cは、本開示における「ドライバ部」の一具体例に対応する。サブドライバ290は、本開示における「第1のサブドライバ」の一具体例に対応する。サブドライバ291は、本開示における「第2のサブドライバ」の一具体例に対応する。サブドライバ290のトランジスタ91は、本開示における「第1のスイッチ」の一具体例に対応し、サブドライバ290のトランジスタ94は、本開示における「第2のスイッチ」の一具体例に対応し、サブドライバ290のトランジスタ95は、本開示における「第3のスイッチ」の一具体例に対応する。サブドライバ291のトランジスタ91は、本開示における「第4のスイッチ」の一具体例に対応し、サブドライバ291のトランジスタ94は、本開示における「第5のスイッチ」の一具体例に対応し、サブドライバ291のトランジスタ95は、本開示における「第6のスイッチ」の一具体例に対応する。エンファシス制御部28A〜28Cは、本開示における「制御部」の一具体例に対応する。送信シンボル生成部22は、本開示における「信号生成部」の一具体例に対応する。トランジスタ91のドレインに供給される電圧V1は、本開示における「第1の電源」および「第2の電源」のうちの一方の一具体例に対応する。トランジスタ94のソースに供給される接地電圧は、本開示における「第1の電源」および「第2の電源」のうちの他方の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の通信システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1,5,7を参照して、通信システム1の全体動作概要を説明する。送信装置10のクロック生成部11は、クロック信号TxCKを生成する。処理部12は、所定の処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成する。送信部20(図5)において、シリアライザ21Fは、遷移信号TxF0〜TxF6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxF9を生成し、シリアライザ21Rは、遷移信号TxR0〜TxR6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxR9を生成し、シリアライザ21Pは、遷移信号TxP0〜TxP6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxP9を生成する。送信シンボル生成部22は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、および一つ前のシンボルDSに係るシンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3を生成する。
出力部26(図7)において、電圧生成部50は、中レベル電圧VM0に対応する電圧を有する電圧Vdcを生成する。ドライバ制御部27Nは、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAN,SUBAN,MAINBN,SUBBN,MAINCN,SUBCNを生成する。ドライバ制御部27Dは、一つ前のシンボルDSに係るシンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAD,SUBAD,MAINBD,SUBBD,MAINCD,SUBCDを生成する。エンファシス制御部28Aは、信号MAINAN,SUBAN,MAINAD,SUBADに基づいて、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を生成する。エンファシス制御部28Bは、信号MAINBN,SUBBN,MAINBD,SUBBDに基づいて、信号UPB0,UPB1,MDB0,MDB1,DNB0,DNB1を生成する。エンファシス制御部28Cは、信号MAINCN,SUBCN,MAINCD,SUBCDに基づいて、信号UPC0,UPC1,MDC0,MDC1,DNC0,DNC1を生成する。ドライバ29Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1に基づいて信号SIGAを生成する。ドライバ29Bは、信号UPB0,UPB1,MDB0,MDB1,DNB0,DNB1に基づいて信号SIGBを生成する。ドライバ29Cは、信号UPC0,UPC1,MDC0,MDC1,DNC0,DNC1に基づいて信号SIGCを生成する。
受信装置30(図1)では、受信部40は、信号SIGA,SIGB,SIGCを受信するとともに、この信号SIGA,SIGB,SIGCに基づいて、遷移信号RxF,RxR、RxPおよびクロック信号RxCKを生成する。処理部32は、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKに基づいて、所定の処理を行う。
(詳細動作)
次に、送信装置10の動作について、詳細に説明する。送信装置10の出力部26は、現在のシンボルNSおよび一つ前のシンボルDSに基づいて、出力端子ToutA,ToutB,ToutCにおける電圧をそれぞれ設定する。
図15,16は、信号SIGAの電圧状態が電圧状態SHから他の電圧状態へ遷移する場合における動作を表すものであり、図15は、信号SIGAの電圧変化を示し、図16は、ドライバ29Aにおける動作状態の遷移を示す。なお、信号SIGB,SIGCについても同様である。図15において、1UI(Unit Interval)は、1つのシンボルを送信する期間である。また、ΔVは、高レベル電圧VH0と中レベル電圧VM0との差であり、同様に、中レベル電圧VM0と低レベル電圧VL0との差である。これらの高レベル電圧VH0、中レベル電圧VM0、および低レベル電圧VL0は、デエンファシス動作の基準となる電圧である。
信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHから電圧状態SMに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、図15に示したように、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)のいずれかから中レベル電圧VM1minusに変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAD,SUBADは“1”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAN,SUBANは例えば“0”,“0”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“001001”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図16に示したように、回路M01〜M0Mにおけるトランジスタ95がオン状態になるとともに、回路D11〜D1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM1minusになる。
このように、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHから電圧状態SMに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、中レベル電圧VM1minusに設定される。すなわち、この場合には、図15に示したように、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、エンファシス制御部28Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階低い中レベル電圧VM1minusに設定する。
また、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHから電圧状態SLに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、図15に示したように、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)のいずれかから低レベル電圧VL2に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAD,SUBADは“1”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAN,SUBANは“0”,“1”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“000011”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図16に示したように、回路D01〜D0M,D11〜D1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL2になる。
このように、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHから電圧状態SLに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、低レベル電圧VL2に設定される。すなわち、この場合には、図15に示したように、信号SIGAの遷移量は、約(−2ΔV)であるので、エンファシス制御部28Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも2段階低い低レベル電圧VL2に設定する。
なお、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SHに維持される場合には、信号SIGAの電圧は、図15に示したように、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)のいずれかから高レベル電圧VH0に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAD,SUBADは“1”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAN,SUBANは“1”,“0”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“100001”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図16に示したように、回路U01〜U0Mにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路D11〜D1Nにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH0になる。このように、送信装置10では、複数のユニットインターバルにわたり信号SIGAの電圧状態が電圧状態SHに維持される場合には、2番目以降のユニットインターバルにおいて、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VH0にする。すなわち、この高レベル電圧VH0は、デエンファシスされた電圧である。
図17,18は、信号SIGAの電圧状態が電圧状態SMから他の電圧状態へ遷移する場合における動作を表すものであり、図17は、信号SIGAの電圧変化を示し、図18は、ドライバ29Aにおける動作状態の遷移を示す。
信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMから電圧状態SHに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、図17に示したように、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)のいずれかから高レベル電圧VH1に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAD,SUBADは例えば“0”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAN,SUBANは“1”,“0”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“100100”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図18に示したように、回路U01〜U0Mにおけるトランジスタ91がオン状態になるとともに、回路M11〜M1Nにおけるトランジスタ95がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH1になる。
このように、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMから電圧状態SHに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、高レベル電圧VH1に設定される。すなわち、この場合には、図17に示したように、信号SIGAの遷移量は、約(+ΔV)であるので、エンファシス制御部28Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも1段階高い高レベル電圧VH1に設定する。
また、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMから電圧状態SLに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、図17に示したように、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)のいずれかから低レベル電圧VL1に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAD,SUBADは例えば“0”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAN,SUBANは“0”,“1”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“000110”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図18に示したように、回路D01〜D0Mにおけるトランジスタ94がオン状態になるとともに、回路M11〜M1Nにおけるトランジスタ95がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL1になる。
このように、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMから電圧状態SLに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、低レベル電圧VL1に設定される。すなわち、この場合には、図17に示したように、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、エンファシス制御部28Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも1段階低い低レベル電圧VL1に設定する。
なお、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SMに維持される場合には、信号SIGAの電圧は、図17に示したように、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)のいずれかから中レベル電圧VM0に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAD,SUBADは例えば“0”,“0”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAN,SUBANは例えば“0”,“0”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、例えば、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“001100”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図18に示したように、回路M01〜M0M,M11〜M1Nにおけるトランジスタ95がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM0になる。このように、送信装置10では、複数のユニットインターバルにわたり信号SIGAの電圧状態が電圧状態SMに維持される場合には、2番目以降のユニットインターバルにおいて、信号SIGAの電圧を中レベル電圧VM0にする。すなわち、この中レベル電圧VM0は、デエンファシスされた電圧である。
図19,20は、信号SIGAの電圧状態が電圧状態SLから他の電圧状態へ遷移する場合における動作を表すものであり、図19は、信号SIGAの電圧変化を示し、図20は、ドライバ29Aにおける動作状態の遷移を示す。
信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLから電圧状態SMに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、図19に示したように、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)のいずれかから中レベル電圧VM1plusに変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAD,SUBADは“0”,“1”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SMであるので、信号MAINAN,SUBANは例えば“0”,“0”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“011000”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図20に示したように、回路M01〜M0Mにおけるトランジスタ95がオン状態になるとともに、回路U11〜U1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は中レベル電圧VM1plusになる。
このように、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLから電圧状態SMに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、中レベル電圧VM1plusに設定される。すなわち、この場合には、図19に示したように、信号SIGAの遷移量は、約(+ΔV)であるので、エンファシス制御部28Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階高い中レベル電圧VM1plusに設定する。
また、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLから電圧状態SHに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、図19に示したように、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)のいずれかから高レベル電圧VH2に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAD,SUBADは“0”,“1”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SHであるので、信号MAINAN,SUBANは“1”,“0”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“110000”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図20に示したように、回路U01〜U0M,U11〜U1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は高レベル電圧VH2になる。
このように、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLから電圧状態SHに遷移する場合には、信号SIGAの電圧は、高レベル電圧VH2に設定される。すなわち、この場合には、図19に示したように、信号SIGAの遷移量は、約(+2ΔV)であるので、エンファシス制御部28Aは、信号SIGAの遷移後の電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも2段階高い高レベル電圧VH2に設定する。
なお、信号SIGAの電圧状態が、電圧状態SLに維持される場合には、信号SIGAの電圧は、図19に示したように、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)のいずれかから低レベル電圧VL0に変化する。具体的には、この場合には、1つ前のシンボルDSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAD,SUBADは“0”,“1”であり、現在のシンボルNSにおける電圧状態が電圧状態SLであるので、信号MAINAN,SUBANは“0”,“1”である。よって、図9に示したように、エンファシス制御部28Aは、信号UPA0,UPA1,MDA0,MDA1,DNA0,DNA1を“010010”にする。これにより、ドライバ29Aでは、図20に示したように、回路D01〜D0Mにおけるトランジスタ94がオン状態になるとともに、回路U11〜U1Nにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIGAの電圧は低レベル電圧VL0になる。このように、送信装置10では、複数のユニットインターバルにわたり信号SIGAの電圧状態が電圧状態SLに維持される場合には、2番目以降のユニットインターバルにおいて、信号SIGAの電圧を低レベル電圧VL0にする。すなわち、この低レベル電圧VL0は、デエンファシスされた電圧である。
このように、送信装置10は、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧状態の遷移に伴う電圧の遷移量に応じて、遷移後の電圧を設定する。具体的には、送信装置10は、電圧状態が1つ高い状態に遷移する場合には、遷移後の電圧を、基準となる電圧(例えば中レベル電圧VM0や高レベル電圧VH0)よりも1段階高い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置10は、1段階分の正のエンファシス電圧を設定する。また、送信装置10は、電圧状態が2つ高い状態に遷移する場合には、遷移後の電圧を、基準となる電圧(例えば高レベル電圧VH0)よりも2段階高い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置10は、2段階分の正のエンファシス電圧を設定する。また、送信装置10は、電圧状態が1つ低い状態に遷移する場合には、遷移後の電圧を、基準となる電圧(例えば中レベル電圧VM0や低レベル電圧VL0)よりも1段階低い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置10は、1段階分の負のエンファシス電圧を設定する。また、送信装置10は、電圧状態が2つ低い状態に遷移する場合には、基準となる電圧(例えば低レベル電圧VL0)よりも2段階低い電圧に設定する。すなわち、この場合には、送信装置10は、2段階分の負のエンファシス電圧を設定する。このように、送信装置10は、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧の遷移量に応じて、その遷移量に比例するように、エンファシス電圧を設定する。
図21A〜21Eは、シンボルが“+x”から“+x”以外のシンボルに遷移する場合における通信システム1の一動作例を表すものであり、図21Aは、シンボルが“+x”から“−x”に遷移する場合を示し、図21Bは、シンボルが“+x”から“+y”に遷移する場合を示し、図21Cは、シンボルが“+x”から“−y”に遷移する場合を示し、図21Dは、シンボルが“+x”から“+z”に遷移する場合を示し、図21Eは、シンボルが“+x”から“−z”に遷移する場合を示す。図21A〜21Eのそれぞれにおいて、(A)は、送信装置10の出力端子ToutA,ToutB,ToutCにおける信号SIGA,SIGB,SIGCの波形を示し、(B)は、受信装置30における差分AB,BC,CAの波形を示す。また、実線は、デエンファシス動作を行ったときの波形を示し、破線は、デエンファシス動作を行わないときの波形を示す。また、遷移前における信号SIGAの電圧は、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)のいずれかであるが、この図では、説明の便宜上、信号SIGAの電圧を高レベル電圧VH0にしている。同様に、遷移前における信号SIGBの電圧を低レベル電圧VL0とし、遷移前における信号SIGCの電圧を中レベル電圧VM0としている。
シンボルが“+x”から“−x”に遷移する場合には、図21A(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から低レベル電圧VL2に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から高レベル電圧VH2に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0に維持される。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−2ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGAの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも2段階低い低レベル電圧VL2に設定する。また、信号SIGBの遷移量は、約(+2ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGBの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも2段階高い高レベル電圧VH2に設定する。このとき、図21A(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−4ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて4段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。
シンボルが“+x”から“+y”に遷移する場合には、図21B(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から中レベル電圧VM1minusに変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から高レベル電圧VH2に変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から低レベル電圧VL1に変化する。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGAの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階低い中レベル電圧VM1minusに設定する。また、信号SIGBの遷移量は、約(+2ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGBの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも2段階高い高レベル電圧VH2に設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGCの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも1段階低い低レベル電圧VL1に設定する。このとき、図21B(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−3ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(+3ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階高くなる。
シンボルが“+x”から“−y”に遷移する場合には、図21C(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から中レベル電圧VM1minusに変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0に維持され、信号SIGCは中レベル電圧VM0から高レベル電圧VH1に変化する。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGAの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階低い中レベル電圧VM1minusに設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGCの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも1段階高い高レベル電圧VH1に設定する。このとき、図21C(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。
シンボルが“+x”から“+z”に遷移する場合には、図21D(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0から低レベル電圧VL2に変化し、信号SIGBは低レベル電圧VL0から中レベル電圧VM1plusに変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から高レベル電圧VH1に変化する。すなわち、信号SIGAの遷移量は、約(−2ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGAの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも2段階低い低レベル電圧VL2に設定する。また、信号SIGBの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGBの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階高い中レベル電圧VM1plusに設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGCの電圧を、基準となる高レベル電圧VH0よりも1段階高い高レベル電圧VH1に設定する。このとき、図21D(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−3ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階低くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(+3ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて3段階高くなる。
シンボルが“+x”から“−z”に遷移する場合には、図21E(A)に示したように、信号SIGAは高レベル電圧VH0に維持され、信号SIGBは低レベル電圧VL0から中レベル電圧VM1plusに変化し、信号SIGCは中レベル電圧VM0から低レベル電圧VL1に変化する。すなわち、信号SIGBの遷移量は、約(+ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGBの電圧を、基準となる中レベル電圧VM0よりも1段階高い中レベル電圧VM1plusに設定する。また、信号SIGCの遷移量は、約(−ΔV)であるので、送信装置10は、信号SIGCの電圧を、基準となる低レベル電圧VL0よりも1段階低い低レベル電圧VL1に設定する。このとき、図21E(B)に示したように、差分AB(SIGA−SIGB)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分ABは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。また、差分BC(SIGB−SIGC)の遷移量は、約(+2ΔV)であるので、遷移後の差分BCは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて2段階高くなる。また、差分CA(SIGC−SIGA)の遷移量は、約(−ΔV)であるので、遷移後の差分CAは、デエンファシス動作を行わない場合に比べて1段階低くなる。
このように、通信システム1では、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧の遷移量に応じて、エンファシス電圧を設定する。すなわち、送信装置10は、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれ(シングルエンド信号)に対して、デエンファシス動作を行う。その結果、通信システム1では、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれについて、波形品質を高めることができるため、通信性能を高めることができる。
また、通信システム1では、このように信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれに対してエンファシス電圧を設定することにより、差動信号である差分AB,BC,CAのそれぞれにおいても、電圧の遷移量に応じて、エンファシス電圧が設定される。その結果、通信システム1では、差分AB,BC,CAのそれぞれについても、波形品質を高めることができるため、通信性能を高めることができる。
図22は、デエンファシス動作を行った場合における、信号SIGAと信号SIGBとの差分AB、信号SIGBと信号SIGCとの差分BC、信号SIGCと信号SIGAとの差分CAのアイダイアグラムを表すものである。図23は、デエンファシス動作を行わない場合における、差分AB,BC,CAのアイダイアグラムを表すものである。通信システム1では、伝送路100が長い場合でも、図22,23に示したように、デエンファシス動作を行うことにより、アイ開口を広くすることができ、その結果、通信性能を高めることができる。
また、通信システム1では、例えばドライバ29Aに回路M01〜M0M,M11〜M1 N を設け、例えば、出力端子ToutAにおける電圧状態を電圧状態SMに設定する際に、この回路M01〜M0Mのトランジスタ95をオン状態にした(図11A〜11C)。そして、出力端子ToutAにおける電圧を中レベル電圧VM1plusに設定する場合(図11A)には、U11〜U1Nのトランジスタ91をオン状態にし、中レベル電圧VM0に設定する場合(図11B)には、M11〜M1 N のトランジスタ95をオン状態にし、中レベル電圧VM1minusに設定する場合(図11C)には、D11〜D1 N のトランジスタ94をオン状態にした。これにより、次に説明する比較例の場合と比べて、消費電力を低減することができる。
(比較例)
次に、比較例と対比して、本実施の形態の作用を説明する。比較例に係る通信システム1Rは、送信装置10Rを備えている。送信装置10Rは、送信部20Rを有している。この送信部20Rは、本実施の形態に係る送信部20(図5)と同様に、出力部26Rを有している。
図24は、出力部26Rの一構成例を表すものである。出力部26Rは、エンファシス制御部28RA,28RB,28RCと、ドライバ29RA,29RB,29RCとを有している。エンファシス制御部28RAは、信号MAINAN,SUBANおよび信号MAINAD,SUBADに基づいて、8つの信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1を生成するものである。ドライバ29RAは、8つの信号UPAA0,UPAB0,UPAA1,UPAB1,DNAA0,DNAB0,DNAA1,DNAB1に基づいて、信号SIGAを生成するものである。エンファシス制御部28RBおよびドライバ29RBについても同様であり、エンファシス制御部28RCおよびドライバ29RCについても同様である。
図25は、ドライバ29RAの一構成例を表すものである。ドライバ29RB,29RCについても同様である。ドライバ29RAは、K個の回路UA0(回路UA01〜UA0K)と、L個の回路UB0(回路UB01〜UB0L)と、K個の回路UA1(回路UA11〜UA1K)と、L個の回路UB1(回路UB11〜UB1L)と、K個の回路DA0(回路DA01〜DA0K)と、L個の回路DB0(回路DB01〜DB0L)と、K個の回路DA1(回路DA11〜DA1K)と、L個の回路DB1(回路DB11〜DB1L)とを有している。この例では、“K”は“L”よりも大きい数である。
回路UA01〜UA0K,UB01〜UB0L,UA11〜UA1K,UB11〜UB1Lのそれぞれは、本実施の形態に係る回路U01〜U0M,U11〜U1Nと同様に、トランジスタ91と、抵抗素子92とを有している。回路UA01〜UA0Kのトランジスタ91のゲートには、信号UPAA0が供給され、回路UB01〜UB0Lのトランジスタ91のゲートには、信号UPAB0が供給され、回路UA11〜UA1Kのトランジスタ91のゲートには、信号UPAA1が供給され、回路UB11〜UB1Lのトランジスタ91のゲートには、信号UPAB1が供給される。トランジスタ91のオン状態における抵抗値と、抵抗素子92の抵抗値との和は、この例では“50×(2×K+2×L)”[Ω]である。
回路DA01〜DA0K,DB01〜DB0L,DA11〜DA1K,DB11〜DB1Lのそれぞれは、本実施の形態に係る回路D01〜D0M,D11〜D1Nと同様に、抵抗素子93と、トランジスタ94とを有している。回路DA01〜DA0Kのトランジスタ94のゲートには信号DNAA0が供給され、回路DB01〜DB0Lのトランジスタ94のゲートには信号DNAB0が供給され、回路DA11〜DA1Kのトランジスタ94のゲートには信号DNAA1が供給され、回路DB11〜DB1Lのトランジスタ94のゲートには信号DNAB1が供給されている。抵抗素子93の抵抗値と、トランジスタ94のオン状態における抵抗値との和は、この例では“50×(2×K+2×L)”[Ω]である。
図26A〜26Cは、信号SIGAを電圧状態SHにするときのドライバ29RAの一動作例を表すものであり、図27A〜27Cは、信号SIGAを電圧状態SMにするときのドライバ29RAの一動作例を表すものであり、図28A〜28Cは、信号SIGAを電圧状態SLにするときのドライバ29RAの一動作例を表すものである。
この例では、信号SIGAを高レベル電圧VH2にする場合には、図26Aに示したように、回路UA01〜UA0K,UB01〜UB0L,UA11〜UA1K,UB11〜UB1Lにおけるトランジスタ91をオン状態にする。また、信号SIGAを高レベル電圧VH1にする場合には、図26Bに示したように、回路UA01〜UA0K,UA11〜UA1K,UB11〜UB1Lにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DB11〜DB1Lにおけるトランジスタ94をオン状態にする。また、信号SIGAを高レベル電圧VH0にする場合には、図26Cに示したように、回路UA01〜UA0K,UA11〜UA1Kにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DB01〜DB0L,DB11〜DB1Lにおけるトランジスタ94をオン状態にする。
信号SIGAを中レベル電圧VM1plusにする場合には、図27Aに示したように、回路UA01〜UA0K,UB01〜UB0L,UB11〜UB1Lにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DA01〜DA0Kにおけるトランジスタ94をオン状態にする。また、信号SIGAを中レベル電圧VM0にする場合には、図27Bに示したように、回路UA01〜UA0K,UB01〜UB0Lにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DA01〜DA0K,DB01〜DB0Lにおけるトランジスタ94をオン状態にする。また、信号SIGAを中レベル電圧VM1minusにする場合には、図27Cに示したように、回路UA01〜UA0Kにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DA01〜DA0K,DB01〜DB0L,DB11〜DB1Lおけるトランジスタ94をオン状態にする。
信号SIGAを低レベル電圧VL0にする場合には、図28Aに示したように、回路UB01〜UB0L,UB11〜UB1Lにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DA01〜DA0K,DA11〜DA1Kにおけるトランジスタ94をオン状態にする。また、信号SIGAを低レベル電圧VL1にする場合には、図28Bに示したように、回路UB01〜UB0Lにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DA01〜DA0K,DB01〜DB0L,DA11〜DA1Kにおけるトランジスタ94をオン状態にする。また、信号SIGAを低レベル電圧VL2にする場合には、図28Cに示したように、回路DA01〜DA0K,DB01〜DB0L,DA11〜DA1K,DB11〜DB1Lにおけるトランジスタ94をオン状態にする。
このように、比較例に係る通信システム1Rでは、例えば、出力端子ToutAにおける電圧を中レベル電圧VM0に設定する場合(図27B)には、回路UA01〜UA0K,UB01〜UB0Lにおけるトランジスタ91をオン状態にするとともに、回路DA01〜DA0K,DB01〜DB0Lにおけるトランジスタ94をオン状態にする。このように、ドライバ29RAは、テブナン終端により、出力端子ToutAにおける電圧を設定する。このテブナン終端により、電圧V1と接地電圧との電位差に起因する多くの電流が流れる。このテブナン終端の直列抵抗値は、約100[Ω]である。出力端子ToutAにおける電圧を中レベル電圧VM1plus,VM1minusに設定する場合(図27A,27C)についても同様である。よって、通信システム1Rでは、このテブナン終端により多くの電流が流れ、その結果、消費電力が増加してしまう。
一方、実施の形態に係る通信システム1では、例えば、出力端子ToutAにおける電圧を中レベル電圧VM0に設定する場合(図11B)には、回路M01〜M0M,M11〜M1 N のトランジスタ95をオン状態にする。すなわち、テブナン終端により出力端子ToutAにおける電圧を設定するのではなく、電圧生成部50が生成した電圧Vdcを用いて出力端子ToutAにおける電圧を設定する。また、例えば、出力端子ToutAにおける電圧を中レベル電圧VM1plusに設定する場合(図11A)には、回路M01〜M0Mのトランジスタ95をオン状態にするとともに、回路U11〜U1 N のトランジスタ91をオン状態にする。この場合には、回路U11〜U1 N から回路M01〜M0Mに電流が流れる。しかしながら、この電流は、比較例の場合(図27A)に比べて小さい。すなわち、第1に、この電流は、比較例の場合と異なり、電圧V1と電圧Vdcとの電位差に起因して流れるものである。すなわち、この電位差は、比較例の場合の約半分である。そして、第2に、回路U11〜U1 N のインピーダンスは、回路M01〜M0Mのインピーダンスよりも十分に大きいため、直列抵抗値は100[Ω]よりも十分に大きい。その結果、この電流は、比較例の場合(図27A)に比べて小さくなる。出力端子ToutAにおける電圧を中レベル電圧VM1minusに設定する場合(図11C)についても同様である。その結果、通信システム1では、消費電力を低減することができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、サブドライバ290に回路M01〜M0Mを設け、例えば、出力端子ToutAにおける電圧状態を電圧状態SMに設定する際に、この回路M01〜M0Mのトランジスタ95をオン状態にしたので、消費電力を低減することができる。
本実施の形態では、サブドライバ291が、各電圧状態での電圧を調整することによりエンファシス電圧を設定したので、通信性能を高めることができる。
本実施の形態では、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれにおいて、電圧の遷移量に応じて、エンファシス電圧を設定したので、信号SIGA,SIGB,SIGCのそれぞれについて、波形品質を高めることができるため、通信性能を高めることができる。
[変形例1]
上記実施の形態では、ドライバ29A,29B,29Cを図8に示したように構成したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例について、いくつかの例を挙げて説明する。
図29は、本変形例に係るドライバ39Aの一構成例を表すものである。このドライバ39Aは、上記実施の形態に係るドライバ29Aに対応するものである。ドライバ39Aは、2つのサブドライバ390,391を有している。サブドライバ390,391は、上記実施の形態に係るサブドライバ290,291(図8)において、トランジスタ91および抵抗素子92の接続を変更したものである。回路U01〜U0M,U11〜U1Nのそれぞれにおいて、抵抗素子92の一端には電圧V1が供給され、他端はトランジスタ91のドレインに接続されている。回路U01〜U0Mのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPA0が供給され、ドレインは抵抗素子92の他端に接続され、ソースは出力端子ToutAに接続されている。回路U11〜U1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPA1が供給され、ドレインは抵抗素子92の他端に接続され、ソースは出力端子ToutAに接続されている。
図30は、本変形例に係る他のドライバ49Aの一構成例を表すものである。このドライバ49Aは、上記実施の形態に係るドライバ29Aに対応するものである。ドライバ49Aは、2つのサブドライバ490,491を有している。サブドライバ490は、M個の回路C0(回路C01〜C0M)を有している。サブドライバ491は、N個の回路C1(回路C11〜C1N)を有している。回路C01〜C0M,C11〜C1Nのそれぞれは、抵抗素子92,97と、トランジスタ91,94,95とを有している。
まず、回路C01〜C0Mについて説明する。回路C01〜C0Mのそれぞれにおいて、抵抗素子92の一端には電圧V1が供給され、他端はトランジスタ91のドレインに接続されている。トランジスタ91のゲートには信号UPA0が供給され、ドレインは抵抗素子92の他端に接続され、ソースは抵抗素子97の一端および出力端子ToutAに接続されている。抵抗素子97の一端は、トランジスタ91のソースおよび出力端子ToutAに接続され、他端はトランジスタ94,95のドレインに接続されている。トランジスタ94のゲートには信号DNA0が供給され、ドレインは抵抗素子97の他端およびトランジスタ95のドレインに接続され、ソースは接地されている。トランジスタ95のゲートには信号MDA0が供給され、ソースには電圧生成部50が生成した電圧Vdcが供給され、ドレインは抵抗素子97の他端およびトランジスタ94のドレインに接続されている。
次に、回路C11〜C1Nについて説明する。回路C11〜C1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPA1が供給されている。トランジスタ94のゲートには信号DNA1が供給されている。トランジスタ95のゲートには信号MDA1が供給されている。それ以外については、回路C01〜C0Mと同様である。
このドライバ49Aにおいて、抵抗素子97は、上記実施の形態に係るドライバ29A(図8)における抵抗素子93,96に対応している。すなわち、例えば、サブドライバ490において、トランジスタ94がオン状態になる場合には、抵抗素子97の抵抗値およびトランジスタ94のオン抵抗がサブドライバ490の出力インピーダンスを構成し、トランジスタ95がオン状態になる場合には、抵抗素子97の抵抗値およびトランジスタ95のオン抵抗がサブドライバ490の出力インピーダンスを構成する。サブドライバ491についても同様である。このように構成することにより、ドライバ49Aでは、素子数を削減することができ、その結果、回路面積を削減することができる。
図31は、本変形例に係る他のドライバ59Aの一構成例を表すものである。このドライバ59Aは、上記実施の形態に係るドライバ29Aに対応するものである。ドライバ59Aは、2つのサブドライバ590,591を有している。サブドライバ590は、M個の回路CC0(回路CC01〜CC0M)を有している。サブドライバ591は、N個の回路CC1(回路CC11〜CC1N)を有している。回路CC01〜CC0M,CC11〜CC1Nのそれぞれは、トランジスタ91,94,95と、抵抗素子98とを有している。
まず、回路CC01〜CC0Mについて説明する。回路CC01〜CC0Mのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPA0が供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースはトランジスタ94,95のドレインおよび抵抗素子98の一端に接続されている。トランジスタ94のゲートには信号DNA0が供給され、ドレインはトランジスタ91のソース、トランジスタ95のドレイン、および抵抗素子98の一端に接続され、ソースは接地されている。トランジスタ95のゲートには信号MDA0が供給され、ソースには電圧生成部50が生成した電圧Vdcが供給され、ドレインはトランジスタ91のソース、トランジスタ94のドレイン、および抵抗素子98の一端に接続されている。抵抗素子98の一端はトランジスタ91のソースおよびトランジスタ94,95のドレインに接続され、他端は出力端子ToutAに接続されている。
次に、回路CC11〜CC1Nについて説明する。回路CC11〜CC1Nのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPA1が供給されている。トランジスタ94のゲートには信号DNA1が供給されている。トランジスタ95のゲートには信号MDA1が供給されている。それ以外については、回路CC01〜CC0Mと同様である。
このドライバ59Aにおいて、抵抗素子98は、上記実施の形態に係るドライバ29A(図8)における抵抗素子92,93,96に対応している。すなわち、例えば、サブドライバ590において、トランジスタ91がオン状態になる場合には、抵抗素子98の抵抗値およびトランジスタ91のオン抵抗がサブドライバ590の出力インピーダンスを構成し、トランジスタ94がオン状態になる場合には、抵抗素子98の抵抗値およびトランジスタ94のオン抵抗がサブドライバ590の出力インピーダンスを構成し、トランジスタ95がオン状態になる場合には、抵抗素子98の抵抗値およびトランジスタ95のオン抵抗がサブドライバ590の出力インピーダンスを構成する。サブドライバ591についても同様である。このように構成することにより、ドライバ59Aでは、素子数を削減することができ、その結果、回路面積を削減することができる。
[変形例2]
上記実施の形態では、出力部26は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、シンボル信号Dtx1,Dtx2,Dtx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成したが、これに限定されるものではない。以下に、本変形例に係る送信装置10Aについて詳細に説明する。
図32は、送信装置10Aの送信部20Aの一構成例を表すものである。送信部20Aは、送信シンボル生成部22Aと、出力部26Aとを有している。送信シンボル生成部22Aは、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成するものである。出力部26Aは、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3およびクロック信号TxCKに基づいて、信号SIGA,SIGB,SIGCを生成するものである。
図33は、出力部26Aの一構成例を表すものである。出力部26Aは、ドライバ制御部27Nと、フリップフロップ17A,17B,17Cとを有している。ドライバ制御部27Nは、現在のシンボルNSに係るシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3、およびクロック信号TxCKに基づいて、信号MAINAN,SUBAN,MAINBN,SUBBN,MAINCN,SUBCNを生成するものである。フリップフロップ17Aは、信号MAINAN,SUBANを、クロック信号TxCKの1クロック分遅延させ、その遅延された信号を信号MAINAD,SUBADとしてそれぞれ出力するものである。フリップフロップ17Bは、信号MAINBN,SUBBNを、クロック信号TxCKの1クロック分遅延させ、その遅延された信号を信号MAINBD,SUBBDとしてそれぞれ出力するものである。フリップフロップ17Cは、信号MAINCN,SUBCNを、クロック信号TxCKの1クロック分遅延させ、その遅延された信号を信号MAINCD,SUBCDとしてそれぞれ出力するものである。
このように構成しても、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
[変形例3]
上記実施の形態では、送信装置10はデエンファシス動作を行うようにしたが、これに限定されるものではなく、プリエンファシス動作を行うようにしてもよい。図34は、3つの電圧状態SH,SM,SLを表すものである。電圧状態SHは、3つの高レベル電圧VH(VH0,VH1,VH2)に対応する状態であり、電圧状態SMは、3つの中レベル電圧VM(VM0,VM1plus,VM1minus)に対応する状態であり、電圧状態SLは、3つの低レベル電圧VL(VL0,VL1,VL2)に対応する状態である。高レベル電圧VH0は、プリエンファシスをかけない場合の高レベル電圧であり、中レベル電圧VM0は、プリエンファシスをかけない場合の中レベル電圧であり、低レベル電圧VL0は、プリエンファシスをかけない場合の低レベル電圧である。このように構成しても、上記実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
[その他の変形例]
また、これらの変形例のうちの2以上を組み合わせてもよい。
<2.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した通信システムの適用例および応用例について説明する。
(適用例)
図35は、上記実施の形態等の通信システムが適用されるスマートフォン300(多機能携帯電話)の外観を表すものである。このスマートフォン300には、様々なデバイスが搭載されており、それらのデバイス間でデータのやり取りを行う通信システムにおいて、上記実施の形態等の通信システムが適用されている。
図36は、スマートフォン300に用いられるアプリケーションプロセッサ310の一構成例を表すものである。アプリケーションプロセッサ310は、CPU(Central Processing Unit)311と、メモリ制御部312と、電源制御部313と、外部インタフェース314と、GPU(Graphics Processing Unit)315と、メディア処理部316と、ディスプレイ制御部317と、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)インタフェース318とを有している。CPU311、メモリ制御部312、電源制御部313、外部インタフェース314、GPU315、メディア処理部316、ディスプレイ制御部317は、この例では、システムバス319に接続され、このシステムバス319を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
CPU311は、プログラムに従って、スマートフォン300で扱われる様々な情報を処理するものである。メモリ制御部312は、CPU311が情報処理を行う際に使用するメモリ501を制御するものである。電源制御部313は、スマートフォン300の電源を制御するものである。
外部インタフェース314は、外部デバイスと通信するためのインタフェースであり、この例では、無線通信部502およびイメージセンサ410と接続されている。無線通信部502は、携帯電話の基地局と無線通信をするものであり、例えば、ベースバンド部や、RF(Radio Frequency)フロントエンド部などを含んで構成される。イメージセンサ410は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサを含んで構成される。
GPU315は、画像処理を行うものである。メディア処理部316は、音声や、文字や、図形などの情報を処理するものである。ディスプレイ制御部317は、MIPIインタフェース318を介して、ディスプレイ504を制御するものである。MIPIインタフェース318は、画像信号をディスプレイ504に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース318は、例えば水晶振動子を含む発振回路330から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース318とディスプレイ504との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
図37は、イメージセンサ410の一構成例を表すものである。イメージセンサ410は、センサ部411と、ISP(Image Signal Processor)412と、JPEG(Joint Photographic Experts Group)エンコーダ413と、CPU414と、RAM(Random Access Memory)415と、ROM(Read Only Memory)416と、電源制御部417と、I2C(Inter-Integrated Circuit)インタフェース418と、MIPIインタフェース419とを有している。これらの各ブロックは、この例では、システムバス420に接続され、このシステムバス420を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
センサ部411は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサにより構成されるものである。ISP412は、センサ部411が取得した画像に対して所定の処理を行うものである。JPEGエンコーダ413は、ISP412が処理した画像をエンコードしてJPEG形式の画像を生成するものである。CPU414は、プログラムに従ってイメージセンサ410の各ブロックを制御するものである。RAM415は、CPU414が情報処理を行う際に使用するメモリである。ROM416は、CPU414において実行されるプログラムやキャリブレーションにより得られた設定値などを記憶するものである。電源制御部417は、イメージセンサ410の電源を制御するものである。I2Cインタフェース418は、アプリケーションプロセッサ310から制御信号を受け取るものである。また、図示していないが、イメージセンサ410は、アプリケーションプロセッサ310から、制御信号に加えてクロック信号をも受け取るようになっている。具体的には、イメージセンサ410は、様々な周波数のクロック信号に基づいて動作できるよう構成されている。MIPIインタフェース419は、画像信号をアプリケーションプロセッサ310に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース419は、例えば水晶振動子を含む発振回路430から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース419とアプリケーションプロセッサ310との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
(応用例1)
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット、建設機械、農業機械(トラクター)などのいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
図38は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システム7000の概略的な構成例を示すブロック図である。車両制御システム7000は、通信ネットワーク7010を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図38に示した例では、車両制御システム7000は、駆動系制御ユニット7100、ボディ系制御ユニット7200、バッテリ制御ユニット7300、車外情報検出ユニット7400、車内情報検出ユニット7500、及び統合制御ユニット7600を備える。これらの複数の制御ユニットを接続する通信ネットワーク7010は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)又はFlexRay(登録商標)等の任意の規格に準拠した車載通信ネットワークであってよい。
各制御ユニットは、各種プログラムにしたがって演算処理を行うマイクロコンピュータと、マイクロコンピュータにより実行されるプログラム又は各種演算に用いられるパラメータ等を記憶する記憶部と、各種制御対象の装置を駆動する駆動回路とを備える。各制御ユニットは、通信ネットワーク7010を介して他の制御ユニットとの間で通信を行うためのネットワークI/Fを備えるとともに、車内外の装置又はセンサ等との間で、有線通信又は無線通信により通信を行うための通信I/Fを備える。図38では、統合制御ユニット7600の機能構成として、マイクロコンピュータ7610、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660、音声画像出力部7670、車載ネットワークI/F7680及び記憶部7690が図示されている。他の制御ユニットも同様に、マイクロコンピュータ、通信I/F及び記憶部等を備える。
駆動系制御ユニット7100は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット7100は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。駆動系制御ユニット7100は、ABS(Antilock Brake System)又はESC(Electronic Stability Control)等の制御装置としての機能を有してもよい。
駆動系制御ユニット7100には、車両状態検出部7110が接続される。車両状態検出部7110には、例えば、車体の軸回転運動の角速度を検出するジャイロセンサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、あるいは、アクセルペダルの操作量、ブレーキペダルの操作量、ステアリングホイールの操舵角、エンジン回転数又は車輪の回転速度等を検出するためのセンサのうちの少なくとも一つが含まれる。駆動系制御ユニット7100は、車両状態検出部7110から入力される信号を用いて演算処理を行い、内燃機関、駆動用モータ、電動パワーステアリング装置又はブレーキ装置等を制御する。
ボディ系制御ユニット7200は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット7200は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット7200には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット7200は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
バッテリ制御ユニット7300は、各種プログラムにしたがって駆動用モータの電力供給源である二次電池7310を制御する。例えば、バッテリ制御ユニット7300には、二次電池7310を備えたバッテリ装置から、バッテリ温度、バッテリ出力電圧又はバッテリの残存容量等の情報が入力される。バッテリ制御ユニット7300は、これらの信号を用いて演算処理を行い、二次電池7310の温度調節制御又はバッテリ装置に備えられた冷却装置等の制御を行う。
車外情報検出ユニット7400は、車両制御システム7000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット7400には、撮像部7410及び車外情報検出部7420のうちの少なくとも一方が接続される。撮像部7410には、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラ及びその他のカメラのうちの少なくとも一つが含まれる。車外情報検出部7420には、例えば、現在の天候又は気象を検出するための環境センサ、あるいは、車両制御システム7000を搭載した車両の周囲の他の車両、障害物又は歩行者等を検出するための周囲情報検出センサのうちの少なくとも一つが含まれる。
環境センサは、例えば、雨天を検出する雨滴センサ、霧を検出する霧センサ、日照度合いを検出する日照センサ、及び降雪を検出する雪センサのうちの少なくとも一つであってよい。周囲情報検出センサは、超音波センサ、レーダ装置及びLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)装置のうちの少なくとも一つであってよい。これらの撮像部7410及び車外情報検出部7420は、それぞれ独立したセンサないし装置として備えられてもよいし、複数のセンサないし装置が統合された装置として備えられてもよい。
ここで、図39は、撮像部7410及び車外情報検出部7420の設置位置の例を示す。撮像部7910,7912,7914,7916,7918は、例えば、車両7900のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部のうちの少なくとも一つの位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部7910及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として車両7900の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部7912,7914は、主として車両7900の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部7916は、主として車両7900の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部7918は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
なお、図39には、それぞれの撮像部7910,7912,7914,7916の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲aは、フロントノーズに設けられた撮像部7910の撮像範囲を示し、撮像範囲b,cは、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部7912,7914の撮像範囲を示し、撮像範囲dは、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部7916の撮像範囲を示す。例えば、撮像部7910,7912,7914,7916で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両7900を上方から見た俯瞰画像が得られる。
車両7900のフロント、リア、サイド、コーナ及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7922,7924,7926,7928,7930は、例えば超音波センサ又はレーダ装置であってよい。車両7900のフロントノーズ、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部に設けられる車外情報検出部7920,7926,7930は、例えばLIDAR装置であってよい。これらの車外情報検出部7920〜7930は、主として先行車両、歩行者又は障害物等の検出に用いられる。
図38に戻って説明を続ける。車外情報検出ユニット7400は、撮像部7410に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像データを受信する。また、車外情報検出ユニット7400は、接続されている車外情報検出部7420から検出情報を受信する。車外情報検出部7420が超音波センサ、レーダ装置又はLIDAR装置である場合には、車外情報検出ユニット7400は、超音波又は電磁波等を発信させるとともに、受信された反射波の情報を受信する。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、降雨、霧又は路面状況等を認識する環境認識処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した情報に基づいて、車外の物体までの距離を算出してもよい。
また、車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等を認識する画像認識処理又は距離検出処理を行ってもよい。車外情報検出ユニット7400は、受信した画像データに対して歪補正又は位置合わせ等の処理を行うとともに、異なる撮像部7410により撮像された画像データを合成して、俯瞰画像又はパノラマ画像を生成してもよい。車外情報検出ユニット7400は、異なる撮像部7410により撮像された画像データを用いて、視点変換処理を行ってもよい。
車内情報検出ユニット7500は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット7500には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部7510が接続される。運転者状態検出部7510は、運転者を撮像するカメラ、運転者の生体情報を検出する生体センサ又は車室内の音声を集音するマイク等を含んでもよい。生体センサは、例えば、座面又はステアリングホイール等に設けられ、座席に座った搭乗者又はステアリングホイールを握る運転者の生体情報を検出する。車内情報検出ユニット7500は、運転者状態検出部7510から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。車内情報検出ユニット7500は、集音された音声信号に対してノイズキャンセリング処理等の処理を行ってもよい。
統合制御ユニット7600は、各種プログラムにしたがって車両制御システム7000内の動作全般を制御する。統合制御ユニット7600には、入力部7800が接続されている。入力部7800は、例えば、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチ又はレバー等、搭乗者によって入力操作され得る装置によって実現される。統合制御ユニット7600には、マイクロフォンにより入力される音声を音声認識することにより得たデータが入力されてもよい。入力部7800は、例えば、赤外線又はその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、車両制御システム7000の操作に対応した携帯電話又はPDA(Personal Digital Assistant)等の外部接続機器であってもよい。入力部7800は、例えばカメラであってもよく、その場合搭乗者はジェスチャにより情報を入力することができる。あるいは、搭乗者が装着したウェアラブル装置の動きを検出することで得られたデータが入力されてもよい。さらに、入力部7800は、例えば、上記の入力部7800を用いて搭乗者等により入力された情報に基づいて入力信号を生成し、統合制御ユニット7600に出力する入力制御回路などを含んでもよい。搭乗者等は、この入力部7800を操作することにより、車両制御システム7000に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
記憶部7690は、マイクロコンピュータにより実行される各種プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、及び各種パラメータ、演算結果又はセンサ値等を記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。また、記憶部7690は、HDD(Hard Disc Drive)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス又は光磁気記憶デバイス等によって実現してもよい。
汎用通信I/F7620は、外部環境7750に存在する様々な機器との間の通信を仲介する汎用的な通信I/Fである。汎用通信I/F7620は、GSM(登録商標)(Global System of Mobile communications)、WiMAX、LTE(Long Term Evolution)若しくはLTE−A(LTE−Advanced)などのセルラー通信プロトコル、又は無線LAN(Wi−Fi(登録商標)ともいう)、Bluetooth(登録商標)などのその他の無線通信プロトコルを実装してよい。汎用通信I/F7620は、例えば、基地局又はアクセスポイントを介して、外部ネットワーク(例えば、インターネット、クラウドネットワーク又は事業者固有のネットワーク)上に存在する機器(例えば、アプリケーションサーバ又は制御サーバ)へ接続してもよい。また、汎用通信I/F7620は、例えばP2P(Peer To Peer)技術を用いて、車両の近傍に存在する端末(例えば、運転者、歩行者若しくは店舗の端末、又はMTC(Machine Type Communication)端末)と接続してもよい。
専用通信I/F7630は、車両における使用を目的として策定された通信プロトコルをサポートする通信I/Fである。専用通信I/F7630は、例えば、下位レイヤのIEEE802.11pと上位レイヤのIEEE1609との組合せであるWAVE(Wireless Access in Vehicle Environment)、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、又はセルラー通信プロトコルといった標準プロトコルを実装してよい。専用通信I/F7630は、典型的には、車車間(Vehicle to Vehicle)通信、路車間(Vehicle to Infrastructure)通信、車両と家との間(Vehicle to Home)の通信及び歩車間(Vehicle to Pedestrian)通信のうちの1つ以上を含む概念であるV2X通信を遂行する。
測位部7640は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)衛星からのGNSS信号(例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号)を受信して測位を実行し、車両の緯度、経度及び高度を含む位置情報を生成する。なお、測位部7640は、無線アクセスポイントとの信号の交換により現在位置を特定してもよく、又は測位機能を有する携帯電話、PHS若しくはスマートフォンといった端末から位置情報を取得してもよい。
ビーコン受信部7650は、例えば、道路上に設置された無線局等から発信される電波あるいは電磁波を受信し、現在位置、渋滞、通行止め又は所要時間等の情報を取得する。なお、ビーコン受信部7650の機能は、上述した専用通信I/F7630に含まれてもよい。
車内機器I/F7660は、マイクロコンピュータ7610と車内に存在する様々な車内機器7760との間の接続を仲介する通信インタフェースである。車内機器I/F7660は、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)又はWUSB(Wireless USB)といった無線通信プロトコルを用いて無線接続を確立してもよい。また、車内機器I/F7660は、図示しない接続端子(及び、必要であればケーブル)を介して、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)、又はMHL(Mobile High-definition Link)等の有線接続を確立してもよい。車内機器7760は、例えば、搭乗者が有するモバイル機器若しくはウェアラブル機器、又は車両に搬入され若しくは取り付けられる情報機器のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。また、車内機器7760は、任意の目的地までの経路探索を行うナビゲーション装置を含んでいてもよい。車内機器I/F7660は、これらの車内機器7760との間で、制御信号又はデータ信号を交換する。
車載ネットワークI/F7680は、マイクロコンピュータ7610と通信ネットワーク7010との間の通信を仲介するインタフェースである。車載ネットワークI/F7680は、通信ネットワーク7010によりサポートされる所定のプロトコルに則して、信号等を送受信する。
統合制御ユニット7600のマイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、各種プログラムにしたがって、車両制御システム7000を制御する。例えば、マイクロコンピュータ7610は、取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット7100に対して制御指令を出力してもよい。例えば、マイクロコンピュータ7610は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行ってもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行ってもよい。
マイクロコンピュータ7610は、汎用通信I/F7620、専用通信I/F7630、測位部7640、ビーコン受信部7650、車内機器I/F7660及び車載ネットワークI/F7680のうちの少なくとも一つを介して取得される情報に基づき、車両と周辺の構造物や人物等の物体との間の3次元距離情報を生成し、車両の現在位置の周辺情報を含むローカル地図情報を作成してもよい。また、マイクロコンピュータ7610は、取得される情報に基づき、車両の衝突、歩行者等の近接又は通行止めの道路への進入等の危険を予測し、警告用信号を生成してもよい。警告用信号は、例えば、警告音を発生させたり、警告ランプを点灯させたりするための信号であってよい。
音声画像出力部7670は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図38の例では、出力装置として、オーディオスピーカ7710、表示部7720及びインストルメントパネル7730が例示されている。表示部7720は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。表示部7720は、AR(Augmented Reality)表示機能を有していてもよい。出力装置は、これらの装置以外の、ヘッドホン、搭乗者が装着する眼鏡型ディスプレイ等のウェアラブルデバイス、プロジェクタ又はランプ等の他の装置であってもよい。出力装置が表示装置の場合、表示装置は、マイクロコンピュータ7610が行った各種処理により得られた結果又は他の制御ユニットから受信された情報を、テキスト、イメージ、表、グラフ等、様々な形式で視覚的に表示する。また、出力装置が音声出力装置の場合、音声出力装置は、再生された音声データ又は音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して聴覚的に出力する。
なお、図38に示した例において、通信ネットワーク7010を介して接続された少なくとも二つの制御ユニットが一つの制御ユニットとして一体化されてもよい。あるいは、個々の制御ユニットが、複数の制御ユニットにより構成されてもよい。さらに、車両制御システム7000が、図示されていない別の制御ユニットを備えてもよい。また、上記の説明において、いずれかの制御ユニットが担う機能の一部又は全部を、他の制御ユニットに持たせてもよい。つまり、通信ネットワーク7010を介して情報の送受信がされるようになっていれば、所定の演算処理が、いずれかの制御ユニットで行われるようになってもよい。同様に、いずれかの制御ユニットに接続されているセンサ又は装置が、他の制御ユニットに接続されるとともに、複数の制御ユニットが、通信ネットワーク7010を介して相互に検出情報を送受信してもよい。
以上説明した車両制御システム7000において、図1を用いて説明した本実施形態に係る通信システム1は、図38に示した応用例における各ブロック間の通信システムに適用することができる。具体的には、例えば、本技術は、撮像部7410(撮像部7910,7912,7914,7916,7918)と、車外情報検出ユニット7400との間の通信システムに適用することができる。これにより、車両制御システム7000では、例えば、伝送レートを高めることができるため、高い画質の画像を車外情報検出ユニット7400に供給することができる。その結果、車両制御システム7000では、車外情報をより正確に把握することができる。
(応用例2)
本開示に係る技術は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
図40は、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の概略的な構成の一例を示す図である。図40では、術者(医師)5067が、内視鏡手術システム5000を用いて、患者ベッド5069上の患者5071に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム5000は、内視鏡5001と、その他の術具5017と、内視鏡5001を支持する支持アーム装置5027と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート5037と、から構成される。
内視鏡手術では、腹壁を切って開腹する代わりに、トロッカ5025a〜5025dと呼ばれる筒状の開孔器具が腹壁に複数穿刺される。そして、トロッカ5025a〜5025dから、内視鏡5001の鏡筒5003や、その他の術具5017が患者5071の体腔内に挿入される。図示する例では、その他の術具5017として、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023が、患者5071の体腔内に挿入されている。また、エネルギー処置具5021は、高周波電流や超音波振動により、組織の切開及び剥離、又は血管の封止等を行う処置具である。ただし、図示する術具5017はあくまで一例であり、術具5017としては、例えば攝子、レトラクタ等、一般的に内視鏡下手術において用いられる各種の術具が用いられてよい。
内視鏡5001によって撮影された患者5071の体腔内の術部の画像が、表示装置5041に表示される。術者5067は、表示装置5041に表示された術部の画像をリアルタイムで見ながら、エネルギー処置具5021や鉗子5023を用いて、例えば患部を切除する等の処置を行う。なお、図示は省略しているが、気腹チューブ5019、エネルギー処置具5021及び鉗子5023は、手術中に、術者5067又は助手等によって支持される。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、ベース部5029から延伸するアーム部5031を備える。図示する例では、アーム部5031は、関節部5033a、5033b、5033c、及びリンク5035a、5035bから構成されており、アーム制御装置5045からの制御により駆動される。アーム部5031によって内視鏡5001が支持され、その位置及び姿勢が制御される。これにより、内視鏡5001の安定的な位置の固定が実現され得る。
(内視鏡)
内視鏡5001は、先端から所定の長さの領域が患者5071の体腔内に挿入される鏡筒5003と、鏡筒5003の基端に接続されるカメラヘッド5005と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒5003を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡5001を図示しているが、内視鏡5001は、軟性の鏡筒5003を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
鏡筒5003の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡5001には光源装置5043が接続されており、当該光源装置5043によって生成された光が、鏡筒5003の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者5071の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡5001は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
カメラヘッド5005の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU:Camera Control Unit)5039に送信される。なお、カメラヘッド5005には、その光学系を適宜駆動させることにより、倍率及び焦点距離を調整する機能が搭載される。
なお、例えば立体視(3D表示)等に対応するために、カメラヘッド5005には撮像素子が複数設けられてもよい。この場合、鏡筒5003の内部には、当該複数の撮像素子のそれぞれに観察光を導光するために、リレー光学系が複数系統設けられる。
(カートに搭載される各種の装置)
CCU5039は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡5001及び表示装置5041の動作を統括的に制御する。具体的には、CCU5039は、カメラヘッド5005から受け取った画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。CCU5039は、当該画像処理を施した画像信号を表示装置5041に提供する。また、CCU5039は、カメラヘッド5005に対して制御信号を送信し、その駆動を制御する。当該制御信号には、倍率や焦点距離等、撮像条件に関する情報が含まれ得る。
表示装置5041は、CCU5039からの制御により、当該CCU5039によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。内視鏡5001が例えば4K(水平画素数3840×垂直画素数2160)又は8K(水平画素数7680×垂直画素数4320)等の高解像度の撮影に対応したものである場合、及び/又は3D表示に対応したものである場合には、表示装置5041としては、それぞれに対応して、高解像度の表示が可能なもの、及び/又は3D表示可能なものが用いられ得る。4K又は8K等の高解像度の撮影に対応したものである場合、表示装置5041として55インチ以上のサイズのものを用いることで一層の没入感が得られる。また、用途に応じて、解像度、サイズが異なる複数の表示装置5041が設けられてもよい。
光源装置5043は、例えばLED(light emitting diode)等の光源から構成され、術部を撮影する際の照射光を内視鏡5001に供給する。
アーム制御装置5045は、例えばCPU等のプロセッサによって構成され、所定のプログラムに従って動作することにより、所定の制御方式に従って支持アーム装置5027のアーム部5031の駆動を制御する。
入力装置5047は、内視鏡手術システム5000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置5047を介して、内視鏡手術システム5000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、患者の身体情報や、手術の術式についての情報等、手術に関する各種の情報を入力する。また、例えば、ユーザは、入力装置5047を介して、アーム部5031を駆動させる旨の指示や、内視鏡5001による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示、エネルギー処置具5021を駆動させる旨の指示等を入力する。
入力装置5047の種類は限定されず、入力装置5047は各種の公知の入力装置であってよい。入力装置5047としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、スイッチ、フットスイッチ5057及び/又はレバー等が適用され得る。入力装置5047としてタッチパネルが用いられる場合には、当該タッチパネルは表示装置5041の表示面上に設けられてもよい。
あるいは、入力装置5047は、例えばメガネ型のウェアラブルデバイスやHMD(Head Mounted Display)等の、ユーザによって装着されるデバイスであり、これらのデバイスによって検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。また、入力装置5047は、ユーザの動きを検出可能なカメラを含み、当該カメラによって撮像された映像から検出されるユーザのジェスチャや視線に応じて各種の入力が行われる。更に、入力装置5047は、ユーザの声を収音可能なマイクロフォンを含み、当該マイクロフォンを介して音声によって各種の入力が行われる。このように、入力装置5047が非接触で各種の情報を入力可能に構成されることにより、特に清潔域に属するユーザ(例えば術者5067)が、不潔域に属する機器を非接触で操作することが可能となる。また、ユーザは、所持している術具から手を離すことなく機器を操作することが可能となるため、ユーザの利便性が向上する。
処置具制御装置5049は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具5021の駆動を制御する。気腹装置5051は、内視鏡5001による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者5071の体腔を膨らめるために、気腹チューブ5019を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ5053は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ5055は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
以下、内視鏡手術システム5000において特に特徴的な構成について、更に詳細に説明する。
(支持アーム装置)
支持アーム装置5027は、基台であるベース部5029と、ベース部5029から延伸するアーム部5031と、を備える。図示する例では、アーム部5031は、複数の関節部5033a、5033b、5033cと、関節部5033bによって連結される複数のリンク5035a、5035bと、から構成されているが、図40では、簡単のため、アーム部5031の構成を簡略化して図示している。実際には、アーム部5031が所望の自由度を有するように、関節部5033a〜5033c及びリンク5035a、5035bの形状、数及び配置、並びに関節部5033a〜5033cの回転軸の方向等が適宜設定され得る。例えば、アーム部5031は、好適に、6自由度以上の自由度を有するように構成され得る。これにより、アーム部5031の可動範囲内において内視鏡5001を自由に移動させることが可能になるため、所望の方向から内視鏡5001の鏡筒5003を患者5071の体腔内に挿入することが可能になる。
関節部5033a〜5033cにはアクチュエータが設けられており、関節部5033a〜5033cは当該アクチュエータの駆動により所定の回転軸まわりに回転可能に構成されている。当該アクチュエータの駆動がアーム制御装置5045によって制御されることにより、各関節部5033a〜5033cの回転角度が制御され、アーム部5031の駆動が制御される。これにより、内視鏡5001の位置及び姿勢の制御が実現され得る。この際、アーム制御装置5045は、力制御又は位置制御等、各種の公知の制御方式によってアーム部5031の駆動を制御することができる。
例えば、術者5067が、入力装置5047(フットスイッチ5057を含む)を介して適宜操作入力を行うことにより、当該操作入力に応じてアーム制御装置5045によってアーム部5031の駆動が適宜制御され、内視鏡5001の位置及び姿勢が制御されてよい。当該制御により、アーム部5031の先端の内視鏡5001を任意の位置から任意の位置まで移動させた後、その移動後の位置で固定的に支持することができる。なお、アーム部5031は、いわゆるマスタースレイブ方式で操作されてもよい。この場合、アーム部5031は、手術室から離れた場所に設置される入力装置5047を介してユーザによって遠隔操作され得る。
また、力制御が適用される場合には、アーム制御装置5045は、ユーザからの外力を受け、その外力にならってスムーズにアーム部5031が移動するように、各関節部5033a〜5033cのアクチュエータを駆動させる、いわゆるパワーアシスト制御を行ってもよい。これにより、ユーザが直接アーム部5031に触れながらアーム部5031を移動させる際に、比較的軽い力で当該アーム部5031を移動させることができる。従って、より直感的に、より簡易な操作で内視鏡5001を移動させることが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
ここで、一般的に、内視鏡下手術では、スコピストと呼ばれる医師によって内視鏡5001が支持されていた。これに対して、支持アーム装置5027を用いることにより、人手によらずに内視鏡5001の位置をより確実に固定することが可能になるため、術部の画像を安定的に得ることができ、手術を円滑に行うことが可能になる。
なお、アーム制御装置5045は必ずしもカート5037に設けられなくてもよい。また、アーム制御装置5045は必ずしも1つの装置でなくてもよい。例えば、アーム制御装置5045は、支持アーム装置5027のアーム部5031の各関節部5033a〜5033cにそれぞれ設けられてもよく、複数のアーム制御装置5045が互いに協働することにより、アーム部5031の駆動制御が実現されてもよい。
(光源装置)
光源装置5043は、内視鏡5001に術部を撮影する際の照射光を供給する。光源装置5043は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成される。このとき、RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置5043において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
また、光源装置5043は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド5005の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
また、光源装置5043は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察するもの(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得るもの等が行われ得る。光源装置5043は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
(カメラヘッド及びCCU)
図41を参照して、内視鏡5001のカメラヘッド5005及びCCU5039の機能についてより詳細に説明する。図41は、図40に示すカメラヘッド5005及びCCU5039の機能構成の一例を示すブロック図である。
図41を参照すると、カメラヘッド5005は、その機能として、レンズユニット5007と、撮像部5009と、駆動部5011と、通信部5013と、カメラヘッド制御部5015と、を有する。また、CCU5039は、その機能として、通信部5059と、画像処理部5061と、制御部5063と、を有する。カメラヘッド5005とCCU5039とは、伝送ケーブル5065によって双方向に通信可能に接続されている。
まず、カメラヘッド5005の機能構成について説明する。レンズユニット5007は、鏡筒5003との接続部に設けられる光学系である。鏡筒5003の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド5005まで導光され、当該レンズユニット5007に入射する。レンズユニット5007は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。レンズユニット5007は、撮像部5009の撮像素子の受光面上に観察光を集光するように、その光学特性が調整されている。また、ズームレンズ及びフォーカスレンズは、撮像画像の倍率及び焦点の調整のため、その光軸上の位置が移動可能に構成される。
撮像部5009は撮像素子によって構成され、レンズユニット5007の後段に配置される。レンズユニット5007を通過した観察光は、当該撮像素子の受光面に集光され、光電変換によって、観察像に対応した画像信号が生成される。撮像部5009によって生成された画像信号は、通信部5013に提供される。
撮像部5009を構成する撮像素子としては、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)タイプのイメージセンサであり、Bayer配列を有するカラー撮影可能なものが用いられる。なお、当該撮像素子としては、例えば4K以上の高解像度の画像の撮影に対応可能なものが用いられてもよい。術部の画像が高解像度で得られることにより、術者5067は、当該術部の様子をより詳細に把握することができ、手術をより円滑に進行することが可能となる。
また、撮像部5009を構成する撮像素子は、3D表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成される。3D表示が行われることにより、術者5067は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部5009が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット5007も複数系統設けられる。
また、撮像部5009は、必ずしもカメラヘッド5005に設けられなくてもよい。例えば、撮像部5009は、鏡筒5003の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
駆動部5011は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部5015からの制御により、レンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部5009による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
通信部5013は、CCU5039との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5013は、撮像部5009から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信する。この際、術部の撮像画像を低レイテンシで表示するために、当該画像信号は光通信によって送信されることが好ましい。手術の際には、術者5067が撮像画像によって患部の状態を観察しながら手術を行うため、より安全で確実な手術のためには、術部の動画像が可能な限りリアルタイムに表示されることが求められるからである。光通信が行われる場合には、通信部5013には、電気信号を光信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。画像信号は当該光電変換モジュールによって光信号に変換された後、伝送ケーブル5065を介してCCU5039に送信される。
また、通信部5013は、CCU5039から、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を受信する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。通信部5013は、受信した制御信号をカメラヘッド制御部5015に提供する。なお、CCU5039からの制御信号も、光通信によって伝送されてもよい。この場合、通信部5013には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられ、制御信号は当該光電変換モジュールによって電気信号に変換された後、カメラヘッド制御部5015に提供される。
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、取得された画像信号に基づいてCCU5039の制御部5063によって自動的に設定される。つまり、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡5001に搭載される。
カメラヘッド制御部5015は、通信部5013を介して受信したCCU5039からの制御信号に基づいて、カメラヘッド5005の駆動を制御する。例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報及び/又は撮像時の露光を指定する旨の情報に基づいて、撮像部5009の撮像素子の駆動を制御する。また、例えば、カメラヘッド制御部5015は、撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報に基づいて、駆動部5011を介してレンズユニット5007のズームレンズ及びフォーカスレンズを適宜移動させる。カメラヘッド制御部5015は、更に、鏡筒5003やカメラヘッド5005を識別するための情報を記憶する機能を備えてもよい。
なお、レンズユニット5007や撮像部5009等の構成を、気密性及び防水性が高い密閉構造内に配置することで、カメラヘッド5005について、オートクレーブ滅菌処理に対する耐性を持たせることができる。
次に、CCU5039の機能構成について説明する。通信部5059は、カメラヘッド5005との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部5059は、カメラヘッド5005から、伝送ケーブル5065を介して送信される画像信号を受信する。この際、上記のように、当該画像信号は好適に光通信によって送信され得る。この場合、光通信に対応して、通信部5059には、光信号を電気信号に変換する光電変換モジュールが設けられる。通信部5059は、電気信号に変換した画像信号を画像処理部5061に提供する。
また、通信部5059は、カメラヘッド5005に対して、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を送信する。当該制御信号も光通信によって送信されてよい。
画像処理部5061は、カメラヘッド5005から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。当該画像処理としては、例えば現像処理、高画質化処理(帯域強調処理、超解像処理、NR(Noise reduction)処理及び/又は手ブレ補正処理等)、並びに/又は拡大処理(電子ズーム処理)等、各種の公知の信号処理が含まれる。また、画像処理部5061は、AE、AF及びAWBを行うための、画像信号に対する検波処理を行う。
画像処理部5061は、CPUやGPU等のプロセッサによって構成され、当該プロセッサが所定のプログラムに従って動作することにより、上述した画像処理や検波処理が行われ得る。なお、画像処理部5061が複数のGPUによって構成される場合には、画像処理部5061は、画像信号に係る情報を適宜分割し、これら複数のGPUによって並列的に画像処理を行う。
制御部5063は、内視鏡5001による術部の撮像、及びその撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部5063は、カメラヘッド5005の駆動を制御するための制御信号を生成する。この際、撮像条件がユーザによって入力されている場合には、制御部5063は、当該ユーザによる入力に基づいて制御信号を生成する。あるいは、内視鏡5001にAE機能、AF機能及びAWB機能が搭載されている場合には、制御部5063は、画像処理部5061による検波処理の結果に応じて、最適な露出値、焦点距離及びホワイトバランスを適宜算出し、制御信号を生成する。
また、制御部5063は、画像処理部5061によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部の画像を表示装置5041に表示させる。この際、制御部5063は、各種の画像認識技術を用いて術部画像内における各種の物体を認識する。例えば、制御部5063は、術部画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具5021使用時のミスト等を認識することができる。制御部5063は、表示装置5041に術部の画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させる。手術支援情報が重畳表示され、術者5067に提示されることにより、より安全かつ確実に手術を進めることが可能になる。
カメラヘッド5005及びCCU5039を接続する伝送ケーブル5065は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
ここで、図示する例では、伝送ケーブル5065を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド5005とCCU5039との間の通信は無線で行われてもよい。両者の間の通信が無線で行われる場合には、伝送ケーブル5065を手術室内に敷設する必要がなくなるため、手術室内における医療スタッフの移動が当該伝送ケーブル5065によって妨げられる事態が解消され得る。
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システム5000の一例について説明した。なお、ここでは、一例として内視鏡手術システム5000について説明したが、本開示に係る技術が適用され得るシステムはかかる例に限定されない。例えば、本開示に係る技術は、検査用軟性内視鏡システムや顕微鏡手術システムに適用されてもよい。
本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、カメラヘッド5005とCCU5039との間の通信システムに好適に適用され得る。具体的には、例えば、本技術に係る送信装置10を、カメラヘッド5005の通信部5013に適用し、受信装置30を、CCU5039の通信部5059に適用することができる。これにより、内視鏡手術システム5000では、例えば、伝送レートを高めることができるため、高い画質の画像をCCU5039に供給することができる。その結果、内視鏡手術システム5000では、術者5067が、患部の状態をより正確に把握することができる。
以上、実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施の形態等では、現在のシンボルNSおよび一つ前のシンボルDSに基づいて、各電圧状態における電圧レベルを設定したが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、現在のシンボルNS、一つ前のシンボルDS、およびさらに一つ前のシンボルに基づいて、各電圧状態における電圧レベルを設定してもよい。この場合には、送信装置は、いわゆる3タップのFIRフィルタのように動作し、デエンファシス動作を行う。なお、これに限定されるものではなく、現在のシンボルNSを含む4つ以上のシンボルに基づいて、各電圧状態における電圧レベルを設定してもよい。
また、例えば、上記実施の形態等では、3つの電圧状態SH,SM,SLを用いたが、これに限定されるものではなく、4つ以上の電圧状態を用いてもよい。例えば、5つの電圧状態を用いる場合には、例えば、サブドライバ290に5つのトランジスタを設けるとともに、サブドライバ291に5つのトランジスタを設けてもよい。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
(1)所定の電圧を生成する電圧生成部と、
第1の電源から第1の出力端子への経路上に設けられた第1のスイッチと、第2の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第2のスイッチと、前記電圧生成部から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第3のスイッチとを有し、前記第1の出力端子における電圧状態を3以上の所定数の電圧状態のうちのいずれかに設定可能な第1のサブドライバと、前記第1の出力端子における各電圧状態での電圧を調整可能な第2のサブドライバとを有する第1のドライバと、
エンファシスを行わせるように前記第1のドライバの動作を制御する制御部と
を備えた送信装置。
(2)前記第2のサブドライバは、前記第1の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第4のスイッチと、前記第2の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第5のスイッチと、前記電圧生成部から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第6のスイッチとを有する
前記(1)に記載の送信装置。
(3)前記所定数の電圧状態は、前記第1の電源における電圧に対応する第1の電圧状態と、前記第2の電源における電圧に対応する第2の電圧状態と、前記所定の電圧に対応し、前記第1の電圧状態と前記第2の電圧状態との間の第3の電圧状態とを含む
前記(2)に記載の送信装置。
(4)前記制御部は、前記第1の出力端子における電圧状態を前記第1の電圧状態から前記第1の電圧状態以外の電圧状態に遷移させる場合には、前記第4のスイッチ、前記第5のスイッチ、および前記第6のスイッチのうちの前記第5のスイッチをオン状態するように制御する
前記(3)に記載の送信装置。
(5)前記制御部は、前記第1の出力端子における電圧状態を前記第3の電圧状態から前記第3の電圧状態以外の電圧状態に遷移させる場合には、前記第4のスイッチ、前記第5のスイッチ、および前記第6のスイッチのうちの前記第6のスイッチをオン状態するように制御する
前記(3)または(4)に記載の送信装置。
(6)前記制御部は、前記ドライバ部の前記第1の出力端子における電圧状態を前記第1の電圧状態に維持させる場合には、前記第4のスイッチ、前記第5のスイッチ、および前記第6のスイッチのうちの前記第5のスイッチをオン状態するように制御する
前記(3)から(5)のいずれかに記載の送信装置。
(7)前記制御部は、前記第1の出力端子における電圧状態を前記第3の電圧状態に維持させる場合には、前記第4のスイッチ、前記第5のスイッチ、および前記第6のスイッチのうちの前記第6のスイッチをオン状態するように制御する
前記(3)から(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8)前記制御部は、
前記第1の出力端子における電圧状態を前記第1の電圧状態に設定する場合には、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチのうちの前記第1のスイッチをオン状態にするように制御し、
前記第1の出力端子における電圧状態を前記第2の電圧状態に設定する場合には、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチのうちの前記第2のスイッチをオン状態にするように制御し、
前記第1の出力端子における電圧状態を前記第3の電圧状態に設定する場合には、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、および前記第3のスイッチのうちの前記第3のスイッチをオン状態にするように制御する
前記(3)から(7)のいずれかに記載の送信装置。
(9)前記第1のサブドライバは、
一端が前記第1の電源に接続され、他端が前記第1のスイッチの一端に接続された第1の抵抗素子と、
一端が前記第1の出力端子に接続され、他端が前記第2のスイッチの一端および前記第3のスイッチの一端に接続された第2の抵抗素子と
を有し、
前記第1のスイッチの他端は前記第1の出力端子に接続され、
前記第2のスイッチの他端は前記第2の電源に接続され、
前記第3のスイッチの他端は前記電圧生成部に接続された
前記(1)から(8)のいずれかに記載の送信装置。
(10)第2の出力端子における電圧状態を前記所定数の電圧状態のうちのいずれかに設定可能な第3のサブドライバと、前記第2の出力端子における各電圧状態での電圧を調整可能な第4のサブドライバとを有する第2のドライバと、
第3の出力端子における電圧状態を前記所定数の電圧状態のうちのいずれかに設定可能な第5のサブドライバと、前記第3の出力端子における各電圧状態での電圧を調整可能な第6のサブドライバとを有する第3のドライバと
をさらに備え、
前記制御部は、前記エンファシスを行わせるように、前記第2のドライバおよび前記第3のドライバの動作をも制御する
前記(1)から(9)のいずれかに記載の送信装置。
(11)前記第1の出力端子、前記第2の出力端子、および前記第3の出力端子における電圧状態は互いに異なる
前記(10)に記載の送信装置。
(12)信号生成部をさらに備え、
前記第1のドライバ、前記第2のドライバ、および前記第3のドライバは、シンボルのシーケンスを送信し、
前記信号生成部は、シンボルの遷移を示す遷移信号に基づいて、シンボルを示す第1のシンボル信号と、前記第1のシンボル信号が示すシンボルの1つ前のシンボルを示す第2のシンボル信号とを生成し、
前記制御部は、前記第1のシンボル信号および前記第2のシンボル信号に基づいて、前記第1のドライバ、前記第2のドライバ、および前記第3のドライバの動作を制御する
前記(10)または(11)に記載の送信装置。
(13)信号生成部をさらに備え、
前記第1のドライバ、前記第2のドライバ、および前記第3のドライバは、シンボルのシーケンスを送信し、
前記信号生成部は、シンボルの遷移を示す遷移信号に基づいて、シンボルを示すシンボル信号を生成し、
前記制御部は、前記シンボル信号が示すシンボルのシーケンスに基づいて、前記第1のドライバ、前記第2のドライバ、および前記第3のドライバの動作を制御する
前記(10)または(11)に記載の送信装置。
(14)前記第1のサブドライバの出力インピーダンスは、前記第2のサブドライバの出力インピーダンスよりも低い
前記(1)から(13)のいずれかに記載の送信装置。
(15)前記第1のサブドライバの出力インピーダンスおよび前記第2のサブドライバの出力インピーダンスは、それぞれ設定可能である
前記(1)から(14)のいずれかに記載の送信装置。
(16)前記エンファシスは、デエンファシスである
前記(1)から(15)のいずれかに記載の送信装置。
(17)前記エンファシスは、プリエンファシスである
前記(1)から(15)のいずれかに記載の送信装置。
(18)3以上の所定数の電圧状態を用いてデータ信号を送信し、各電圧状態における電圧を設定可能なドライバ部と、
前記所定数の電圧状態の間の遷移に応じたエンファシス電圧を設定することにより、前記ドライバ部にエンファシスを行わせる制御部と、
電圧生成部と
を備え、
前記ドライバ部は、
第1の電源から出力端子への経路上に設けられた第1のスイッチと、第2の電源から前記出力端子への経路上に設けられた第2のスイッチと、前記電圧生成部から前記出力端子への経路上に設けられた第3のスイッチとを有する
送信装置。
(19)第1の電源から第1の出力端子への経路上に設けられた第1のスイッチと、第2の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第2のスイッチと、電圧生成部から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第3のスイッチとを有する第1のサブドライバの動作を制御することにより、前記第1の出力端子における電圧状態を3以上の所定数の電圧状態のうちのいずれかに設定し、
第2のサブドライバの動作を制御することにより、エンファシスを行わせるように、前記第1の出力端子における各電圧状態での電圧を調整する
送信方法。
(20)送信装置と
受信装置と
を備え、
前記送信装置は、
所定の電圧を生成する電圧生成部と、
第1の電源から第1の出力端子への経路上に設けられた第1のスイッチと、第2の電源から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第2のスイッチと、前記電圧生成部から前記第1の出力端子への経路上に設けられた第3のスイッチとを有し、前記第1の出力端子における電圧状態を3以上の所定数の電圧状態のうちのいずれかに設定可能な第1のサブドライバと、前記第1の出力端子における各電圧状態での電圧を調整可能な第2のサブドライバとを有する第1のドライバと、
エンファシスを行わせるように前記第1のドライバの動作を制御する制御部と
を有する
通信システム。
本出願は、日本国特許庁において2016年7月26日に出願された日本特許出願番号2016−145899号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。