以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
2.第2の実施の形態
3.適用例
<1.第1の実施の形態>
[構成例]
図1は、第1の実施の形態に係る送信装置を備えた通信システム(通信システム1)の一構成例を表すものである。通信システム1は、3つの電圧レベルを有する信号を用いて通信を行うものである。
通信システム1は、送信装置10と、伝送路100と、受信装置30とを備えている。通信システム1は、伝送路100を介して、送信装置10から受信装置30に対して信号を伝送するものである。送信装置10は、出力端子Tout1A,Tout1B,Tout1Cと、出力端子Tout2A,Tout2B,Tout2Cと、出力端子Tout3A,Tout3B,Tout3Cとを有している。伝送路100は、線路101A,101B,101Cと、線路102A,102B,102Cと、線路103A,103B,103Cとを有している。受信装置30は、入力端子Tin1A,Tin1B,Tin1Cと、入力端子Tin2A,Tin2B,Tin2Cと、入力端子Tin3A,Tin3B,Tin3Cとを有している。送信装置10の出力端子Tout1Aおよび受信装置30の入力端子Tin1Aは線路101Aを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子Tout1Bおよび受信装置30の入力端子Tin1Bは線路101Bを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子Tout1Cおよび受信装置30の入力端子Tin1Cは線路101Cを介して互いに接続されている。同様に、送信装置10の出力端子Tout2Aおよび受信装置30の入力端子Tin2Aは線路102Aを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子Tout2Bおよび受信装置30の入力端子Tin2Bは線路102Bを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子Tout2Cおよび受信装置30の入力端子Tin2Cは線路102Cを介して互いに接続されている。また、送信装置10の出力端子Tout3Aおよび受信装置30の入力端子Tin3Aは線路103Aを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子Tout3Bおよび受信装置30の入力端子Tin3Bは線路103Bを介して互いに接続され、送信装置10の出力端子Tout3Cおよび受信装置30の入力端子Tin3Cは線路103Cを介して互いに接続されている。線路101A,101B,10C,102A,102B,102C,103A,103B,103Cの特性インピーダンスは、この例では約50[Ω]である。
線路101A,101B,101Cは、レーンLN1を構成し、線路102A,102B,102Cは、レーンLN2を構成し、線路103A,103B,103Cは、レーンLN3を構成する。そして、通信システム1は、レーンLN1を用いて、線路101Aを介して信号SIG1Aを伝送し、線路101Bを介して信号SIG1Bを伝送し、線路101Cを介して信号SIG1Cを伝送する。同様に、通信システム1は、レーンLN2を用いて、線路102Aを介して信号SIG2Aを伝送し、線路102Bを介して信号SIG2Bを伝送し、線路102Cを介して信号SIG2Cを伝送する。また、通信システム1は、レーンLN3を用いて、線路103Aを介して信号SIG3Aを伝送し、線路103Bを介して信号SIG3Bを伝送し、線路103Cを介して信号SIG3Cを伝送する。以下、信号SIG1A,SIG1B,SIG1C、信号SIG2A,SIG2B,SIG2C、および信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cのうちの任意の一組を表すものとして、信号SIGA,SIGB,SIGCを適宜用いる。信号SIGA,SIGB,SIGCは、それぞれ3つの電圧レベル(高レベル電圧VH、中レベル電圧VM、および低レベル電圧VL)の間で遷移するものである。
図2は、信号SIGA,SIGB,SIGCの電圧レベルを表すものである。送信装置10は、3つの信号SIGA,SIGB,SIGCを用いて、6つのシンボル“+x”,“−x”,“+y”,“−y”,“+z”,“−z”を送信する。例えば、シンボル“+x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを高レベル電圧VHにし、信号SIGBを低レベル電圧VLにし、信号SIGCを中レベル電圧VMにする。シンボル“−x”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを低レベル電圧VLにし、信号SIGBを高レベル電圧VHにし、信号SIGCを中レベル電圧VMにする。シンボル“+y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを中レベル電圧VMにし、信号SIGBを高レベル電圧VHにし、信号SIGCを低レベル電圧VLにする。シンボル“−y”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを中レベル電圧VMにし、信号SIGBを低レベル電圧VLにし、信号SIGCを高レベル電圧VHにする。シンボル“+z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを低レベル電圧VLにし、信号SIGBを中レベル電圧VMにし、信号SIGCを高レベル電圧VHにする。シンボル“−z”を送信する場合には、送信装置10は、信号SIGAを高レベル電圧VHにし、信号SIGBを中レベル電圧VMにし、信号SIGCを低レベル電圧VLにするようになっている。
(送信装置10)
送信装置10は、図1に示したように、クロック生成部11と、処理部12と、送信信号生成部131,132,133と、ドライバ制御部141,142,143と、ドライバ部151,152,153と、電圧生成部16とを有している。
クロック生成部11は、クロック信号TxCKを生成するものである。クロック信号TxCKの周波数は、例えば1.7[GHz]である。なお、これに限定されるものではなく、例えば、送信装置10における回路を、いわゆるハーフレートアーキテクチャを用いて構成した場合には、クロック信号TxCKの周波数を0.85[GHz]にすることができる。クロック生成部11は、例えばPLL(Phase Locked Loop)を用いて構成され、例えば送信装置10の外部から供給されたリファレンスクロック(図示せず)に基づいてクロック信号TxCKを生成する。そして、クロック生成部11は、このクロック信号TxCKを、処理部12、送信信号生成部131,132,133、およびドライバ制御部141,142,143に供給するようになっている。
処理部12は、所定の処理を行うことにより、レーンLN1,LN2,LN3を用いて送信するデータをそれぞれ生成するものである。そして、処理部12は、レーンLN1を用いて送信するデータを送信信号生成部131に供給し、レーンLN2を用いて送信するデータを送信信号生成部132に供給し、レーンLN3を用いて送信するデータを送信信号生成部133に供給するようになっている。
送信信号生成部131は、処理部12から供給されたデータに基づいて送信信号S131を生成するものである。送信信号生成部132は、処理部12から供給されたデータに基づいて送信信号S132を生成するものである。送信信号生成部133は、処理部12から供給されたデータに基づいて送信信号S133を生成するものである。
図3は、送信信号生成部131の一構成例を表すものである。なお、送信信号生成部132,133についても同様である。送信信号生成部131は、マッパ21と、シリアライザ22F,22R,22Pと、送信シンボル生成部23とを有している。
マッパ21は、処理部12から供給されたデータ、およびクロック信号TxCKに基づいて、所定のマッピング処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成するものである。ここで、1組の遷移信号TxF0,TxR0,TxP0は、送信装置10がレーンLN1を用いて送信するシンボルのシーケンスにおけるシンボルの遷移を示すものである。同様に、1組の遷移信号TxF1,TxR1,TxP1はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF2,TxR2,TxP2はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF3,TxR3,TxP3はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF4,TxR4,TxP4はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF5,TxR5,TxP5はシンボルの遷移を示し、1組の遷移信号TxF6,TxR6,TxP6はシンボルの遷移を示すものである。すなわち、マッパ21は、7組の遷移信号を生成するものである。以下、7組の遷移信号のうちの任意の一組を表すものとして遷移信号TxF,TxR,TxPを適宜用いる。
図4は、遷移信号TxF,TxR,TxPとシンボルの遷移との関係を表すものである。各遷移に付した3桁の数値は、遷移信号TxF,TxR,TxPの値をこの順で示したものである。
遷移信号TxF(Flip)は、“+x”と“−x”との間でシンボルを遷移させ、“+y”と“−y”との間でシンボルを遷移させ、“+z”と“−z”との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxFが“1”である場合には、シンボルの極性を変更するように(例えば“+x”から“−x”へ)遷移し、遷移信号TxFが“0”である場合には、このような遷移を行わないようになっている。
遷移信号TxR(Rotation),TxP(Polarity)は、遷移信号TxFが“0”である場合において、“+x”と“−x”以外との間、“+y”と“−y”以外との間、“+z”と“−z”以外との間でシンボルを遷移させるものである。具体的には、遷移信号TxR,TxPが“1”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図4において右回りに(例えば“+x”から“+y”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“1”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図4において右回りに(例えば“+x”から“−y”へ)遷移する。また、遷移信号TxR,TxPが“0”,“0”である場合には、シンボルの極性を保ったまま、図4において左回りに(例えば“+x”から“+z”へ)遷移し、遷移信号TxR,TxPが“0”,“1”である場合には、シンボルの極性を変更するとともに、図4において左回りに(例えば“+x”から“−z”へ)遷移する。
マッパ21は、このような遷移信号TxF,TxR,TxPを7組生成する。そして、マッパ21は、この7組の遷移信号TxF,TxR,TxP(遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6)のうちの遷移信号TxF0〜TxF6をシリアライザ22Fに供給し、遷移信号TxR0〜TxR6をシリアライザ22Rに供給し、遷移信号TxP0〜TxP6をシリアライザ22Pに供給するようになっている。
シリアライザ22Fは、遷移信号TxF0〜TxF6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxF0〜TxF6をこの順にシリアライズすることにより、遷移信号TxF9を生成するものである。シリアライザ22Rは、遷移信号TxR0〜TxR6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxR0〜TxR6をこの順にシリアライズすることにより、遷移信号TxR9を生成するものである。シリアライザ22Pは、遷移信号TxP0〜TxP6およびクロック信号TxCKに基づいて、遷移信号TxP0〜TxP6をこの順にシリアライズすることにより、遷移信号TxP9を生成するものである。
送信シンボル生成部23は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成し、そのシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を送信信号S131として出力するものである。送信シンボル生成部23は、信号生成部24と、フリップフロップ(F/F)25とを有している。
信号生成部24は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびシンボル信号D1,D2,D3に基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成するものである。具体的には、信号生成部24は、シンボル信号D1,D2,D3が示すシンボル(遷移前のシンボルDS)と、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9とに基づいて、図4に示したように遷移後のシンボルNSを求め、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3として出力するようになっている。
フリップフロップ25は、クロック信号TxCKに基づいてシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3をサンプリングして、そのサンプリング結果をシンボル信号D1,D2,D3としてそれぞれ出力するものである。
図5は、送信シンボル生成部23の一動作例を表すものである。この図5は、シンボル信号D1,D2,D3が示すシンボルDSと遷移信号TxF9,TxR9,TxP9とに基づいて生成されるシンボルNSを示している。シンボルDSが“+x”である場合を例に挙げて説明する。遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“000”である場合には、シンボルNSは“+z”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“001”である場合には、シンボルNSは“−z”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“010”である場合には、シンボルNSは“+y”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“011”である場合には、シンボルNSは“−y”であり、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9が“1xx”である場合には、シンボルNSは“−x”である。ここで、“X”は、“1”,“0”のどちらであってもよいことを示している。シンボルDSが“−x”である場合、“+y”である場合、“−y”である場合、“+z”である場合、“−z”である場合についても同様である。
このようにして、送信シンボル生成部23は、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成し、そのシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を送信信号S131として出力する。そして、送信シンボル生成部23は、その送信信号S131を、ドライバ制御部141に供給するようになっている。
ドライバ制御部141は、送信信号S131およびクロック信号TxCKに基づいて、信号S141を生成するものである。ドライバ制御部142は、送信信号S132およびクロック信号TxCKに基づいて、信号S142を生成するものである。ドライバ制御部143は、送信信号S133およびクロック信号TxCKに基づいて、信号S143を生成するものである。信号S141,S142,S143のそれぞれは、9つの信号UPA,MDA,DNA,UPB,MDB,DNB,UPC,MDC,DNCを有している。
ドライバ部151は、信号S141に基づいて、信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cを生成するものである。ドライバ部152は、信号S142に基づいて、信号SIG2A,SIG2B,SIG2Cを生成するものである。ドライバ部153は、信号S143に基づいて、信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cを生成するものである。
図6は、ドライバ部151の一構成例を表すものである。ドライバ部152,153についても同様である。ドライバ部151は、ドライバ151A,151B,151Cを有している。ドライバ151Aは、信号S141に含まれる信号UPA,MDA,DNAに基づいて、信号SIG1Aを生成するものである。ドライバ151Bは、信号UPB、MDB,DNBに基づいて信号SIG1Bを生成するものである。ドライバ151Cは、信号UPC,MDC,DNCに基づいて信号SIG1Cを生成するものである。
次に、ドライバ151Aの構成について具体的に説明する。なお、ドライバ151B,151Cについても同様である。ドライバ151Aは、M個の回路UA(回路UA1〜UAM)と、M個の回路UB(回路UB1〜UBM)と、M個の回路DA(回路DA1〜DAM)と、M個の回路DB(回路DB1〜DBM)と、トランジスタ95を有している。
回路UA1〜UAM,UB1〜UBMのそれぞれは、トランジスタ91と、抵抗素子92とを有している。トランジスタ91は、この例では、NチャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のFET(Field Effect Transistor)である。回路UA1〜UAM,UB1〜UBMのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPAが供給され、ドレインには電圧V1が供給され、ソースは抵抗素子92の一端に接続されている。また、抵抗素子92の一端はトランジスタ91のソースに接続され、他端は出力端子Tout1Aに接続されている。トランジスタ91のオン状態における抵抗値と、抵抗素子92の抵抗値との和は、この例では“50×2M”[Ω]である。
回路DA1〜DAM,DB1〜DBMのそれぞれは、抵抗素子93と、トランジスタ94とを有している。トランジスタ94は、この例では、NチャネルMOS型のFETである。回路DA1〜DAM,DB1〜DBMのそれぞれにおいて、抵抗素子93の一端は出力端子Tout1Aに接続され、他端はトランジスタ94のドレインに接続されている。また、トランジスタ94のゲートには信号DNAが供給され、ドレインは抵抗素子93の他端に接続され、ソースは接地されている。抵抗素子93の抵抗値と、トランジスタ94のオン状態における抵抗値との和は、この例では“50×2M”[Ω]である。
トランジスタ95は、この例では、NチャネルMOS型のFETであり、ゲートには信号MDAが供給され、ドレインは出力端子Tout1Aに接続され、ソースには中レベル電圧VMに対応する電圧を有する信号Vdcが供給されている。
図7は、ドライバ制御部141およびドライバ部151の一動作例を表すものである。ドライバ制御部142およびドライバ部152についても同様であり、ドライバ制御部143およびドライバ部153についても同様である。ドライバ制御部141は、例えば、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3が“100”である場合には、シンボル“+x”を出力すべきと判断し、信号UPA,MDA,DNAを“100”にし、信号UPB,MDB,DNBを“001”にし、信号UPC,MDC,DNCを“010”にする。これにより、ドライバ部151のドライバ151Aでは、回路UA1〜UAM,UB1〜UBMにおけるトランジスタ91がオン状態になる。その結果、信号SIG1Aの電圧が高レベル電圧VHになるとともに、ドライバ151Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。また、ドライバ部151のドライバ151Bでは、回路DA1〜DAM,DB1〜DBMにおけるトランジスタ94がオン状態になる。その結果、信号SIG1Bの電圧が低レベル電圧VLになるとともに、ドライバ151Bの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。また、ドライバ部151のドライバ151Cでは、トランジスタ95がオン状態になり、信号SIG1Cの電圧が中レベル電圧VMになる。このようにして、ドライバ部151は、シンボル“+x”を生成するようになっている。他のシンボルについても同様である。
電圧生成部16(図1)は、中レベル電圧VMに対応する電圧を有する信号Vdcを生成するものである。
図8は、電圧生成部16の一構成例を表すものである。電圧生成部16は、M個の回路UC(回路UC1〜UCM)と、M個の回路DC(回路DC1〜DCM)とを有している。回路UCは、ドライバ部151における回路UA,UB(図6)と同様の構成を有するものであり、回路DCは、ドライバ部151における回路DA,DB(図6)と同様の構成を有するものである。回路UC1〜UCMにおけるトランジスタ91のゲート、および回路DC1〜DCMにおけるトランジスタ94のゲートには電圧V1が供給されている。これにより、回路UC1〜UCMにおけるトランジスタ91はオン状態になるとともに、回路DC1〜DCMにおけるトランジスタ94はオン状態になる。回路UC1〜UCMによる合計抵抗値は約100[Ω]であり、回路DC1〜DCMによる合計抵抗値は約100[Ω]である。よって、電圧生成部16では、電源(電圧V1)から接地に向かって、回路UC1〜UCMおよび回路DC1〜DCMを介して直流電流IMが流れる。このようにして、電圧生成部16は、中レベル電圧VMに対応する電圧を有する信号Vdcを生成するとともに、電圧生成部16の出力インピーダンスは、約50[Ω]になる。
(受信装置30)
図1に示したように、受信装置30は、受信部31,32,33と、処理部34とを有している。
受信部31は、信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cを受信するとともに、この信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cに基づいて、受信信号S31を生成するものである。受信部32は、信号SIG2A,SIG2B,SIG2Cを受信するとともに、この信号SIG2A,SIG2B,SIG2Cに基づいて、受信信号S32を生成するものである。受信部33は、信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cを受信するとともに、この信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cに基づいて、受信信号S33を生成するものである。
図9は、受信部31の一構成例を表すものである。受信部32,33についても同様である。受信部31は、抵抗素子41A,41B,41Cと、スイッチ42A,42B,42Cと、アンプ43A,43B,43Cと、クロック生成部44と、フリップフロップ(F/F)45,46と、信号生成部47とを有している。
抵抗素子41A,41B,41Cは、レーンLN1における終端抵抗として機能するものであり、抵抗値は、この例では50[Ω]程度である。抵抗素子41Aの一端は入力端子Tin1Aに接続されるとともに信号SIG1Aが供給され、他端はスイッチ42Aの一端に接続されている。抵抗素子41Bの一端は入力端子Tin1Bに接続されるとともに信号SIG1Bが供給され、他端はスイッチ42Bの一端に接続されている。抵抗素子41Cの一端は入力端子Tin1Cに接続されるとともに信号SIG1Cが供給され、他端はスイッチ42Cの一端に接続されている。
スイッチ42Aの一端は抵抗素子41Aの他端に接続され、他端はスイッチ42B,42Cの他端に接続されている。スイッチ42Bの一端は抵抗素子41Bの他端に接続され、他端はスイッチ42A,42Cの他端に接続されている。スイッチ42Cの一端は抵抗素子41Cの他端に接続され、他端はスイッチ42A,42Bの他端に接続されている。受信装置30では、スイッチ42A,42B,42Cは、オン状態に設定され、抵抗素子41A〜41Cが終端抵抗として機能するようになっている。
アンプ43Aの正入力端子は、アンプ43Cの負入力端子および抵抗素子41Aの一端に接続されるとともに信号SIG1Aが供給され、負入力端子は、アンプ43Bの正入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに信号SIG1Bが供給される。アンプ43Bの正入力端子は、アンプ43Aの負入力端子および抵抗素子41Bの一端に接続されるとともに信号SIG1Bが供給され、負入力端子は、アンプ43Cの正入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに信号SIG1Cが供給される。アンプ43Cの正入力端子は、アンプ43Bの負入力端子および抵抗素子41Cの一端に接続されるとともに信号SIG1Cが供給され、負入力端子は、アンプ43Aの正入力端子および抵抗素子41Aに接続されるとともに信号SIG1Aが供給される。
この構成により、アンプ43Aは、信号SIG1Aと信号SIG1Bとの差分AB(SIG1A−SIG1B)に応じた信号を出力し、アンプ43Bは、信号SIG1Bと信号SIG1Cとの差分BC(SIG1B−SIG1C)に応じた信号を出力し、アンプ43Cは、信号SIG1Cと信号SIG1Aとの差分CA(SIG1C−SIG1A)に応じた信号を出力するようになっている。
図10は、受信部31がシンボル“+x”を受信する場合における、アンプ43A,43B,43Cの一動作例を表すものである。なお、スイッチ42A,42B,42Cは、オン状態であるため、図示を省いている。この例では、信号SIG1Aの電圧は高レベル電圧VHであり、信号SIG1Bの電圧は低レベル電圧VLであり、信号SIG1Cの電圧は中レベル電圧VMである。この場合には、入力端子Tin1A、抵抗素子41A、抵抗素子41B、入力端子Tin1Bの順に電流Iinが流れる。そして、アンプ43Aの正入力端子には高レベル電圧VHが供給されるとともに負入力端子には低レベル電圧VLが供給され、差分ABは正(AB>0)になるため、アンプ43Aは“1”を出力する。また、アンプ43Bの正入力端子には低レベル電圧VLが供給されるとともに負入力端子には中レベル電圧VMが供給され、差分BCは負(BC<0)になるため、アンプ43Bは“0”を出力する。また、アンプ43Cの正入力端子には中レベル電圧VMが供給されるとともに負入力端子には高レベル電圧VHが供給され、差分CAは負(CA<0)になるため、アンプ43Cは“0”を出力するようになっている。
クロック生成部44は、アンプ43A,43B,43Cの出力信号に基づいて、クロック信号RxCKを生成するものである。
フリップフロップ45は、アンプ43A,43B,43Cの出力信号を、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。フリップフロップ46は、フリップフロップ45の3つの出力信号を、クロック信号RxCKの1クロック分遅延させ、それぞれ出力するものである。
信号生成部47は、フリップフロップ45,46の出力信号、およびクロック信号RxCKに基づいて、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するものである。この遷移信号RxF,RxR,RxPは、送信装置10における遷移信号TxF9,TxR9,TxP9(図3)にそれぞれ対応するものであり、シンボルの遷移を表すものである。信号生成部47は、フリップフロップ45の出力信号が示すシンボルと、フリップフロップ46の出力信号が示すシンボルに基づいて、シンボルの遷移(図4)を特定し、遷移信号RxF,RxR,RxPを生成するようになっている。
このようにして、受信部31は、信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cに基づいて、遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKを生成する。そして、受信部31は、その遷移信号RxF,RxR,RxPおよびクロック信号RxCKを、受信信号S31として出力するようになっている。
処理部34(図1)は、受信信号S31,S32,S33に基づいて、所定の処理を行うものである。
ここで、ドライバ部151は、本開示における「第1の送信部」の一具体例に対応する。ドライバ部152は、本開示における「第2の送信部」の一具体例に対応する。トランジスタ95は、本開示における「スイッチ」の一具体例に対応する。電圧生成部16は、本開示における「電圧生成部」の一具体例に対応する。
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の通信システム1の動作および作用について説明する。
(全体動作概要)
まず、図1,3を参照して、通信システム1の全体動作概要を説明する。送信装置10のクロック生成部11(図1)は、クロック信号TxCKを生成する。処理部12は、所定の処理を行うことにより、レーンLN1,LN2,LN3を用いて送信するデータをそれぞれ生成し、レーンLN1を用いて送信するデータを送信信号生成部131に供給し、レーンLN2を用いて送信するデータを送信信号生成部132に供給し、レーンLN3を用いて送信するデータを送信信号生成部133に供給する。送信信号生成部131は、処理部12から供給されたデータに基づいて送信信号S131を生成し、送信信号生成部132は、処理部12から供給されたデータに基づいて送信信号S132を生成し、送信信号生成部133は、処理部12から供給されたデータに基づいて送信信号S133を生成する。
例えば、送信信号生成部131では、マッパ21(図3)は、処理部12から供給されたデータ、およびクロック信号TxCKに基づいて、所定のマッピング処理を行うことにより、遷移信号TxF0〜TxF6,TxR0〜TxR6,TxP0〜TxP6を生成する。シリアライザ22Fは、遷移信号TxF0〜TxF6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxF9を生成し、シリアライザ22Rは、遷移信号TxR0〜TxR6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxR9を生成し、シリアライザ22Pは、遷移信号TxP0〜TxP6およびクロック信号TxCKに基づいて遷移信号TxP9を生成する。送信シンボル生成部23は、遷移信号TxF9,TxR9,TxP9およびクロック信号TxCKに基づいて、シンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を生成し、そのシンボル信号Tx1,Tx2,Tx3を送信信号S131として出力する。
ドライバ制御部141(図1)は、送信信号S131およびクロック信号TxCKに基づいて信号S141を生成し、ドライバ制御部142は、送信信号S132およびクロック信号TxCKに基づいて信号S142を生成し、ドライバ制御部143は、送信信号S133およびクロック信号TxCKに基づいて信号S143を生成する。電圧生成部16は、中レベル電圧VMに対応する電圧を有する信号Vdcを生成する。ドライバ部151は、信号S141および信号Vdcに基づいて信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cを生成し、ドライバ部152は、信号S142および信号Vdcに基づいて信号SIG2A,SIG2B,SIG2Cを生成し、ドライバ部153は、信号S143および信号Vdcに基づいて信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cを生成する。
受信装置30(図1)では、受信部31は、信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cに基づいて受信信号S31を生成し、受信部32は、信号SIG2A,SIG2B,SIG2Cに基づいて受信信号S32を生成し、受信部33は、信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cに基づいて受信信号S33を生成する。処理部34は、受信信号S31〜S33に基づいて所定の処理を行う。
(詳細動作)
電圧生成部16は、中レベル電圧VMに対応する電圧を有する信号Vdcを生成する。そして、ドライバ部151は、信号S141および信号Vdcに基づいて信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cを生成し、ドライバ部152は、信号S142および信号Vdcに基づいて信号SIG2A,SIG2B,SIG2Cを生成し、ドライバ部153は、信号S143および信号Vdcに基づいて信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cを生成する。以下に、この動作について詳細に説明する。
図11は、シンボル“+x”を出力するときのドライバ部151の一動作例を表すものである。図11において、回路UA1〜UAM,UB1〜UBMのうち、実線で示した回路は、トランジスタ91がオン状態になっている回路を示し、破線で示した回路は、トランジスタ91がオフ状態になっている回路を示す。同様に、回路DA1〜DAM,DB1〜DBMのうち、実線で示した回路は、トランジスタ94がオン状態になっている回路を示し、破線で示した回路は、トランジスタ94がオフ状態になっている回路を示す。なお、電圧生成部16において、回路UCは、トランジスタ91がオン状態になっているので、実線で示しており、回路DCは、トランジスタ94がオン状態になっているので、実線で示している。また、トランジスタ95を、その動作状態を示すスイッチで示している。
シンボル“+x”を出力する場合には、ドライバ制御部141は、図7に示したように、信号UPA,MDA,DNAを“100”にし、信号UPB,MDB,DNBを“001”にし、信号UPC,MDC,DNCを“010”にする。
これにより、ドライバ151Aでは、回路UA1〜UAM,UB1〜UBMにおけるトランジスタ91がオン状態になり、回路DA1〜DAM,DB1〜DBMにおけるトランジスタ94がオフ状態になり、トランジスタ95がオフ状態になる。これにより、信号SIG1Aの電圧は高レベル電圧VHになるとともに、ドライバ151Aの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、ドライバ151Bでは、回路UA1〜UAM,UB1〜UBMにおけるトランジスタ91がオフ状態になり、回路DA1〜DAM,DB1〜DBMにおけるトランジスタ94がオン状態になり、トランジスタ95がオフ状態になる。これにより、信号SIG1Bの電圧は低レベル電圧VLになるとともに、ドライバ151Bの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
また、ドライバ151Cでは、回路UA1〜UAM,UB1〜UBMにおけるトランジスタ91がオフ状態になり、回路DA1〜DAM,DB1〜DBMにおけるトランジスタ94がオフ状態になり、トランジスタ95がオン状態になる。これにより、ドライバ151Cでは、電圧生成部16が生成した信号Vdcが出力端子Tout1Cに供給され、出力端子Tout1Cの電圧が中レベル電圧VMに設定される。一方、受信装置30の受信部31では、抵抗素子41Aの一端には高レベル電圧VHが印加され、抵抗素子41Bの一端には低レベル電圧VLが印加されるため、これらの抵抗素子41A,41Bにより分圧された電圧(中レベル電圧VM)が、抵抗素子41Cを介して入力端子Tin1Cに供給される。このように、出力端子Vout1Cの電圧と入力端子Vin1Cの電圧は殆ど同じになるため、線路101Cには殆ど電流が流れない。このようにして、信号SIG1Cの電圧は中レベル電圧VMになる。
送信装置10では、図1に示したように、電圧生成部16が、信号Vdcを、ドライバ部151だけでなく、ドライバ部152,153にも供給するようにした。言い換えれば、送信装置10では、3つのドライバ部151,152,153に対して1つの電圧生成部16を設けた。よって、通信システム1において、3つのレーンLN1,LN2,LN3を用いて通信を行う場合には、3つのレーンLN1,LN2,LN3の間で互いに影響を及ぼすことが有り得る。
図12は、3つのレーンLN1,LN2,LN3を用いて通信を行った場合における、レーンLN1でのアイダイアグラムの一例を表すものである。この図12は、信号SIG1Aと信号SIG1Bとの差分AB、信号SIG1Bと信号SIG1Cとの差分BC、信号SIG1Cと信号SIG1Aとの差分CAのアイダイアグラムを示している。このように、通信システム1では、3つのレーンLN1,LN2,LN3を用いて通信を行った場合でも、十分なアイ開口を確保することができ、波形品質の低下を抑えることができる。
このように、通信システム1では、3つのドライバ部151,152,153に対して1つの電圧生成部16を設けるようにしたので、以下に説明する比較例の場合と比べて、通信性能の低下を抑えつつ、消費電力を低減することができる。
(比較例)
次に、比較例に係る通信システム1Rについて説明する。通信システム1Rは、中レベル電圧VMの生成方法が、通信システム1とは異なるものである。
通信システム1Rは、送信装置10Rと、受信装置30とを備えている。送信装置10Rは、本実施の形態に係る送信装置10(図1)において、電圧生成部16を削除するとともに、ドライバ制御部141,142,143をドライバ制御部141R,142R、143Rに置き換え、ドライバ部151,152,153をドライバ部151R,152R,153Rに置き換えたものである。
ドライバ制御部141Rは、送信信号S131およびクロック信号TxCKに基づいて、信号S141Rを生成するものである。ドライバ制御部142Rは、送信信号S132およびクロック信号TxCKに基づいて、信号S142Rを生成するものである。ドライバ制御部143Rは、送信信号S133およびクロック信号TxCKに基づいて、信号S143Rを生成するものである。信号S141R,S142R,S143Rのそれぞれは、12個の信号UPAA,UPAB,DNAA,DNAB,UPBA,UPBB,DNBA,DNBB,UPCA,UPCB,DNCA,DNCBを有している。
ドライバ部151Rは、信号S141Rに基づいて、信号SIG1A,SIG1B,SIG1Cを生成するものである。ドライバ部152Rは、信号S142Rに基づいて、信号SIG2A,SIG2B,SIG2Cを生成するものである。ドライバ部153Rは、信号S143Rに基づいて、信号SIG3A,SIG3B,SIG3Cを生成するものである。
図13は、ドライバ部151Rの一構成例を表すものである。ドライバ部152R,153Rについても同様である。ドライバ部151Rは、ドライバ151RA,151RB,151RCを有している。ドライバ151RAは、信号S141Rに含まれる信号UPAA,UPAB,DNAA,DNABに基づいて、信号SIG1Aを生成するものである。ドライバ151RBは、UPBA,UPBB,DNBA,DNBBに基づいて信号SIG1Bを生成するものである。ドライバ151RCは、UPCA,UPCB,DNCA,DNCBに基づいて信号SIG1Cを生成するものである。
ドライバ151RAは、M個の回路UA(回路UA1〜UAM)と、M個の回路UB(回路UB1〜UBM)と、M個の回路DA(回路DA1〜DAM)と、M個の回路DB(回路DB1〜DBM)を有している。回路UA1〜UAMのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPAAが供給されており、回路UB1〜UBMのそれぞれにおいて、トランジスタ91のゲートには信号UPABが供給されている。回路DA1〜DAMのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNAAが供給されており、回路DB1〜DBMのそれぞれにおいて、トランジスタ94のゲートには信号DNABが供給されている。ドライバ151RB,ドライバ151RCについても同様である。
図14は、シンボル“+x”を出力するときのドライバ部151Rの一動作例を表すものである。シンボル“+x”を出力する場合には、ドライバ制御部141Rは、例えば、信号UPAA,UPAB,DNAA,DNABを“1100”にし、信号UPBA,UPBB,DNBA,DNBBを“0011”にし、信号UPCA,UPCB,DNCA,DNCBを“1010”にする。
ドライバ151RAでは、回路UA1〜UAM,UB1〜UBMにおけるトランジスタ91がオン状態になり、回路DA1〜DAM,DB1〜DBMにおけるトランジスタ94がオフ状態になる。これにより、信号SIG1Aの電圧が高レベル電圧VHになるとともに、ドライバ151RAの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。また、ドライバ151RBでは、回路UA1〜UAM,UB1〜UBMにおけるトランジスタ91がオフ状態になり、回路DA1〜DAM,DB1〜DBMにおけるトランジスタ94がオン状態になる。これにより、信号SIG1Bの電圧が低レベル電圧VLになるとともに、ドライバ151RBの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。また、ドライバ151RCでは、回路UA1〜UAMにおけるトランジスタ91、および回路DA1〜DAMにおけるトランジスタ94がオン状態になり、回路UB1〜UBMにおけるトランジスタ91、および回路DB1〜DBMにおけるトランジスタ94がオフ状態になる。これにより、信号SIG1Cの電圧が中レベル電圧VMになるとともに、ドライバ151RCの出力終端抵抗(出力インピーダンス)が約50[Ω]になる。
このとき、ドライバ151RCでは、回路UA1〜UAMにおけるトランジスタ91、および回路DA1〜DAMにおけるトランジスタ94がオン状態になっている。言い換えれば、ドライバ151RCの出力端子Tout1Cは、約100[Ω]の抵抗素子によりプルアップされるとともに、約100[Ω]の抵抗素子によりプルダウンされる。よって、ドライバ151RCでは、これらの2つの抵抗素子を介して直流電流IMが流れる。3つのレーンLN1,LN2,LN3を用いて通信を行った場合には、ドライバ部151Rにおいて、1つのドライバにこの直流電流IMが流れ、ドライバ部152Rにおいて、1つのドライバにこの直流電流IMが流れ、ドライバ部153Rにおいて、1つのドライバにこの直流電流IMが流れる。その結果、通信システム1Rでは、消費電力が大きくなってしまうおそれがある。
一方、本実施の形態に係る通信システム1では、3つのドライバ部151,152,153に対して1つの電圧生成部16を設けるようにした。これにより、直流電流IMにより消費される消費電力を抑えることができ、送信装置10における消費電力を低減することができる。
[効果]
以上のように本実施の形態では、複数のドライバ部に対して1つの電圧生成部を設けるようにしたので、消費電力を低減することができる。
[変形例1−1]
上記実施の形態では、図8に示したように、抵抗分圧により信号Vdcを生成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図15に示す電圧生成部16Aのように、レギュレータを用いて信号Vdcを生成してもよい。電圧生成部16Aは、リファレンス電圧生成部51と、オペアンプ52と、容量素子53と、抵抗素子54とを有している。リファレンス電圧生成部51は、例えばバンドギャップリファレンス回路を含んで構成されるものであり、中レベル電圧VMに対応するリファレンス電圧Vrefを生成するものである。オペアンプ52の正入力端子にはリファレンス電圧Vrefが供給され、負入力端子は出力端子に接続されている。この構成により、オペアンプ52は、ボルテージフォロワとして動作し、中レベル電圧VMに対応する電圧を有する信号Vdcを出力するようになっている。このような電圧生成部16Aを用いた場合でも、図16に示したように、十分なアイ開口を確保することができ、波形品質の低下を抑えることができる。
[変形例1−2]
上記実施の形態では、電圧生成部16の出力インピーダンスを約50[Ω]にしたが、これに限定されるものではない。これに代えて、例えば、電圧生成部の出力インピーダンスを十分に低くするとともに、各ドライバに約50[Ω]の終端抵抗を設けるようにしてもよい。以下に、本変形例に係る通信システム1Bについて詳細に説明する。
通信システム1Bは、送信装置10Bと、受信装置30とを備えている。送信装置10Bは、ドライバ部251,252,253と、電圧生成部16Bとを有している。
図17は、ドライバ部251の一構成例を表すものである。ドライバ部252,253についても同様である。ドライバ部251は、ドライバ251A,251B,251Cを有している。ドライバ251Aは、抵抗素子96を有している。抵抗素子96の一端は、トランジスタ95のドレインに接続され、他端は出力端子Tout1Aに接続されている。この抵抗素子96の抵抗値は、約50[Ω]である。ドライバ251B,251Cについても同様である。
図18は、電圧生成部16Bの一構成例を表すものである。電圧生成部16Bは、抵抗素子55,56と、容量素子57とを有している。抵抗素子55の一端には電圧V1が供給され、他端は抵抗素子56の一端および容量素子57の一端に接続されている。抵抗素子56の一端は抵抗素子55の他端および容量素子57の一端に接続され、他端は接地されている。抵抗素子55,56の抵抗値は、等しい値に設定される。具体的には、抵抗素子55,56の抵抗値は、それぞれ、例えば数[kΩ]に設定することができる。容量素子57の一端は抵抗素子55の他端および抵抗素子56の一端に接続され、他端は接地されている。この構成により、電圧生成部16Bは、中レベル電圧VMに対応する電圧を有する信号Vdcを生成するとともに、通信システム1Bが伝送する信号の周波数範囲における電圧生成部16Bの出力インピーダンスを低くすることができる。
この通信システム1Bでは、電圧生成部16Bにおける直流電流IMの電流量を下げることができるため、消費電力を低減することができる。また、ドライバ251A,251B,251Cのそれぞれが抵抗素子96を有するようにしたので、例えば、3つのレーンLN1,LN2,LN3を用いて通信を行った場合でも、レーン間のアイソレーションを高めることができるため、波形品質を高めることができる。
また、この例では、電圧生成部16B(図18)を用いたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、図19に示す電圧生成部16Cを用いてもよい。この電圧生成部16Cは、リファレンス電圧生成部51と、オペアンプ52と、容量素子53とを有するものである。すなわち、この電圧生成部16Cは、電圧生成部16A(図15)から抵抗素子54を省いたものである。
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る通信システム2A,2Bについて説明する。本実施の形態は、3つの電圧レベルを有する信号を用いて通信を行う動作モードと、差動信号を用いて通信を行う動作モードとを有する送信装置を用いたものである。なお、上記第1の実施の形態に係る通信システム1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
図20Aは、本実施の形態に係る通信システム2Aの一構成例を表すものである。図20Bは、本変形例に係る通信システム2Bの一構成例を表すものである。通信システム2Aは、送信装置60と、伝送路100と、受信装置30とを備えている。通信システム2Aは、3つの電圧レベルを有する信号を用いて通信を行うものである。通信システム2Bは、送信装置60と、伝送路110と、受信装置70とを備えている。通信システム2Bは、差動信号を用いて通信を行うものである。送信装置60は、2つの動作モードMA,MBを有している。送信装置60は、通信システム2Aに適用される場合には動作モードMAで動作し、通信システム2Bに適用される場合には動作モードMBで動作するようになっている。
通信システム2A(図20A)は、上記実施の形態に係る通信システム1と同様に動作する。すなわち、通信システム2Aは、レーンLN1を用いて、線路101Aを介して信号SIG1Aを伝送し、線路101Bを介して信号SIG1Bを伝送し、線路101Cを介して信号SIG1Cを伝送する。同様に、通信システム2Aは、レーンLN2を用いて、線路102Aを介して信号SIG2Aを伝送し、線路102Bを介して信号SIG2Bを伝送し、線路102Cを介して信号SIG2Cを伝送する。また、通信システム2Aは、レーンLN3を用いて、線路103Aを介して信号SIG3Aを伝送し、線路103Bを介して信号SIG3Bを伝送し、線路103Cを介して信号SIG3Cを伝送する。
通信システム2B(図20B)において、伝送路110は、線路111P,111Nと、線路112P,112Nと、線路113P,113Nと、線路114P,114Nとを有している。受信装置70は、入力端子Tin1P,Tin1Nと、入力端子Tin2P,Tin2Nと、入力端子Tin3P,Tin3Nと、入力端子Tin4P,Tin4Nとを有している。送信装置60の出力端子Tout1Aおよび受信装置70の入力端子Tin1Pは線路111Pを介して互いに接続され、送信装置60の出力端子Tout1Bおよび受信装置70の入力端子Tin1Nは線路111Nを介して互いに接続されている。同様に、送信装置60の出力端子Tout1Cおよび受信装置70の入力端子Tin2Pは線路112Pを介して互いに接続され、送信装置60の出力端子Tout2Aおよび受信装置70の入力端子Tin2Nは線路112Nを介して互いに接続されている。また、送信装置60の出力端子Tout2Bおよび受信装置70の入力端子Tin3Pは線路113Pを介して互いに接続され、送信装置60の出力端子Tout2Cおよび受信装置70の入力端子Tin3Nは線路113Nを介して互いに接続されている。また、送信装置60の出力端子Tout3Aおよび受信装置70の入力端子Tin4Pは線路114Pを介して互いに接続され、送信装置60の出力端子Tout3Bおよび受信装置70の入力端子Tin4Nは線路114Nを介して互いに接続されている。線路111P,111N,112P,112N,113P,113N,114P,114Nの特性インピーダンスは、この例では約50[Ω]である。
線路111P,111Nは、レーンLN11を構成し、線路112P,112Nは、レーンLN12を構成し、線路113P,113Nは、レーンLN13を構成し、線路114P,114Nは、レーンLN14を構成する。そして、通信システム2Bは、レーンLN11を用いて、線路111Pを介して信号SIG1Pを伝送し、線路111Nを介して信号SIG1Nを伝送する。同様に、通信システム2Bは、レーンLN12を用いて、線路112Pを介して信号SIG2Pを伝送し、線路112Nを介して信号SIG2Nを伝送する。また、通信システム2Bは、レーンLN13を用いて、線路113Pを介して信号SIG3Pを伝送し、線路113Nを介して信号SIG3Nを伝送する。また、通信システム2Bは、レーンLN14を用いて、線路114Pを介して信号SIG4Pを伝送し、線路114Nを介して信号SIG4Nを伝送する。信号SIG1P,SIG1Nは差動信号を構成し、信号SIG2P,SIG2Nは差動信号を構成し、信号SIG3P,SIG3Nは差動信号を構成し、信号SIG4P,SIG4Nは差動信号を構成する。
(送信装置60)
図21は、送信装置60の一構成例を表すものである。送信装置60は、処理部62と、送信信号生成部181〜184と、セレクタ191〜199とを有している。
処理部62は、所定の処理を行うことにより送信するデータを生成するものである。また、処理部62は、2つの動作モードMA,MBのうちの1つを選択し、送信装置60が選択された動作モードで動作するように制御する。具体的には、処理部62は、送信装置60が通信システム2A(図20A)に適用される場合には、動作モードMAを選択し、信号SELを“1”にするとともに、レーンLN1,LN2,LN3を用いて送信するデータをそれぞれ生成する。そして、処理部62は、レーンLN1を用いて送信するデータを送信信号生成部131に供給し、レーンLN2を用いて送信するデータを送信信号生成部132に供給し、レーンLN3を用いて送信するデータを送信信号生成部133に供給する。また、処理部62は、送信装置60が通信システム2B(図20B)に適用される場合には、動作モードMBを選択し、信号SELを“0”にするとともに、レーンLN11,LN12,LN13,LN14を用いて送信するデータをそれぞれ生成する。そして、処理部62は、レーンLN11を用いて送信するデータを送信信号生成部181に供給し、レーンLN12を用いて送信するデータを送信信号生成部182に供給し、レーンLN13を用いて送信するデータを送信信号生成部183に供給し、レーンLN14を用いて送信するデータを送信信号生成部184に供給するようになっている。
送信信号生成部181は、処理部62から供給されたデータおよびクロック信号TxCKに基づいて信号S181を生成するものである。送信信号生成部182は、処理部62から供給されたデータおよびクロック信号TxCKに基づいて信号S182を生成するものである。送信信号生成部183は、処理部62から供給されたデータおよびクロック信号TxCKに基づいて信号S183を生成するものである。送信信号生成部184は、処理部62から供給されたデータおよびクロック信号TxCKに基づいて信号S184を生成するものである。
図22は、送信信号生成部181の一構成例を表すものである。送信信号生成部182〜184についても同様である。送信信号生成部181は、パターン生成部63と、セレクタ64と、シリアライザ65とを有している。
パターン生成部63は、クロック信号TxCKに基づいて、例えば、通信システム2B(図20B)において、レーンLN11〜LN14間のデスキューを行う際に使用するデータパターンを生成するものである。
セレクタ64は、例えば、処理部62から供給された制御信号(図示せず)に基づいて、処理部62から供給されたデータと、パターン生成部63により生成されたデータとのうちの一方を選択し、選択されたデータを信号S64として出力するものである。
シリアライザ65は、クロック信号TxCKに基づいて、セレクタ64から供給されたデータ(パラレル信号)をシリアライズすることにより、信号S181を生成するものである。信号S181は、互いに反転した信号UP,DNを含んでいる。
セレクタ191〜199(図21)は、信号SEL、および信号S141〜S143,S181〜S184に基づいて、ドライバ部151〜153の動作を制御するものである。
図23は、セレクタ191〜199の一動作例を表すものである。
セレクタ191は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S141に含まれる信号UPAを信号UP1として出力し、信号MDAを信号MD1として出力し、信号DNAを信号DN1として出力する。ドライバ151Aは、この信号UP1,MD1,DN1に基づいて、信号SIG1Aを生成する。例えば、信号MD1が“1”である場合には、上記第1の実施の形態の場合と同様に、ドライバ151Aにおけるトランジスタ95がオン状態になることにより、信号SIG1Aの電圧は中レベル電圧VMに設定される。
また、セレクタ191は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S181に含まれる信号UPを信号UP1として出力し、信号DNを信号DN1として出力し、信号MD1を“0”(低レベル)にする。ドライバ151Aは、この信号UP1,MD1,DN1に基づいて、信号SIG1Pを生成する。よって、動作モードMBでは、ドライバ151Aにおけるトランジスタ95はオフ状態を維持する。
また、セレクタ192は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S141に含まれる信号UPBを信号UP2として出力し、信号MDBを信号MD2として出力し、信号DNBを信号DN2として出力する。ドライバ151Bは、この信号UP2,MD2,DN2に基づいて、信号SIG1Bを生成する。また、セレクタ192は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S181に含まれる信号DNを信号UP2として出力し、信号UPを信号DN2として出力し、信号MD2を“0”(低レベル)にする。ドライバ151Bは、この信号UP2,MD2,DN2に基づいて、信号SIG1Nを生成する。
また、セレクタ193は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S141に含まれる信号UPCを信号UP3として出力し、信号MDCを信号MD3として出力し、信号DNCを信号DN3として出力する。ドライバ151Cは、この信号UP3,MD3,DN3に基づいて、信号SIG1Cを生成する。また、セレクタ193は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S182に含まれる信号UPを信号UP3として出力し、信号DNを信号DN3として出力し、信号MD3を“0”(低レベル)にする。ドライバ151Cは、この信号UP3,MD3,DN3に基づいて、信号SIG2Pを生成する。
また、セレクタ194は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S142に含まれる信号UPAを信号UP4として出力し、信号MDAを信号MD4として出力し、信号DNAを信号DN4として出力する。ドライバ152Aは、この信号UP4,MD4,DN4に基づいて、信号SIG2Aを生成する。また、セレクタ194は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S182に含まれる信号DNを信号UP4として出力し、信号UPを信号DN4として出力し、信号MD4を“0”(低レベル)にする。ドライバ152Aは、この信号UP4,MD4,DN4に基づいて、信号SIG2Nを生成する。
また、セレクタ195は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S142に含まれる信号UPBを信号UP5として出力し、信号MDBを信号MD5として出力し、信号DNBを信号DN5として出力する。ドライバ152Bは、この信号UP5,MD5,DN5に基づいて、信号SIG2Bを生成する。また、セレクタ195は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S183に含まれる信号UPを信号UP5として出力し、信号DNを信号DN5として出力し、信号MD5を“0”(低レベル)にする。ドライバ152Bは、この信号UP5,MD5,DN5に基づいて、信号SIG3Pを生成する。
また、セレクタ196は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S142に含まれる信号UPCを信号UP6として出力し、信号MDCを信号MD6として出力し、信号DNCを信号DN6として出力する。ドライバ152Cは、この信号UP6,MD6,DN6に基づいて、信号SIG2Cを生成する。また、セレクタ196は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S183に含まれる信号DNを信号UP6として出力し、信号UPを信号DN6として出力し、信号MD6を“0”(低レベル)にする。ドライバ152Cは、この信号UP6,MD6,DN6に基づいて、信号SIG3Nを生成する。
また、セレクタ197は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S143に含まれる信号UPAを信号UP7として出力し、信号MDAを信号MD7として出力し、信号DNAを信号DN7として出力する。ドライバ153Aは、この信号UP7,MD7,DN7に基づいて、信号SIG3Aを生成する。また、セレクタ197は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S184に含まれる信号UPを信号UP7として出力し、信号DNを信号DN7として出力し、信号MD7を“0”(低レベル)にする。ドライバ153Aは、この信号UP7,MD7,DN7に基づいて、信号SIG4Pを生成する。
また、セレクタ198は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S143に含まれる信号UPBを信号UP8として出力し、信号MDBを信号MD8として出力し、信号DNBを信号DN8として出力する。ドライバ153Bは、この信号UP8,MD8,DN8に基づいて、信号SIG3Bを生成する。また、セレクタ198は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号S184に含まれる信号DNを信号UP8として出力し、信号UPを信号DN8として出力し、信号MD8を“0”(低レベル)にする。ドライバ153Bは、この信号UP8,MD8,DN8に基づいて、信号SIG4Nを生成する。
また、セレクタ199は、信号SELが“1”(動作モードMA)である場合には、信号S143に含まれる信号UPCを信号UP9として出力し、信号MDCを信号MD9として出力し、信号DNCを信号DN9として出力する。ドライバ153Cは、この信号UP9,MD9,DN9に基づいて、信号SIG3Cを生成する。また、セレクタ199は、信号SELが“0”(動作モードMB)である場合には、信号UP9,MD9,DN9をそれぞれ“0”(低レベル)にする。
(受信装置70)
図20Bに示したように、受信装置70は、受信部71,72,73,74と、処理部75とを有している。
受信部71は、信号SIG1P,SIG1Nを受信するとともに、この信号SIG1P,SIG1Nに基づいて、受信信号S71を生成するものである。受信部72は、信号SIG2P,SIG2Nを受信するとともに、この信号SIG2P,SIG2Nに基づいて、受信信号S72を生成するものである。受信部73は、信号SIG3P,SIG3Nを受信するとともに、この信号SIG3P,SIG3Nに基づいて、受信信号S73を生成するものである。受信部74は、信号SIG4P,SIG4Nを受信するとともに、この信号SIG4P,SIG4Nに基づいて、受信信号S74を生成するものである。
図24は、受信部71の一構成例を表すものである。受信部72〜74についても同様である。受信部71は、抵抗素子81と、アンプ82と、クロック生成部83と、フリップフロップ(F/F)84とを有している。
抵抗素子81は、レーンLN11における終端抵抗として機能するものであり、抵抗値は、この例では100[Ω]程度である。抵抗素子81の一端は入力端子Tin1Pに接続されるとともに信号SIG1Pが供給され、他端は入力端子Tin1Nに接続されるとともに信号SIG1Nが供給される。
アンプ82の正入力端子は、抵抗素子81の一端に接続されるとともに信号SIG1Pが供給され、負入力端子は、抵抗素子81の他端に接続されるとともに信号SIG1Nが供給される。
クロック生成部83は、アンプ82の出力信号に基づいて、クロック信号RxCKを生成するものである。フリップフロップ84は、アンプ82の出力信号を、クロック信号RxCKの遷移タイミングでサンプリングし、そのサンプリング結果をデータ信号RxDとして出力するものである。
このようにして、受信部71は、信号SIG1P,SIG1Nに基づいて、データ信号RxDおよびクロック信号RxCKを生成する。そして、受信部71は、そのデータ信号RxDおよびクロック信号RxCKを、受信信号S71として出力するようになっている。
処理部75(図20B)は、受信信号S71〜S74に基づいて、所定の処理を行うものである。
以上のように本実施の形態では、複数の動作モード(この例では2つの動作モードM1,M2)を設けるようにしたので、様々なインタフェースを実現することができる。
<3.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した通信システムの適用例について説明する。
(適用例1)
図25は、上記実施の形態等の通信システムが適用されるスマートフォン300(多機能携帯電話)の外観を表すものである。このスマートフォン300には、様々なデバイスが搭載されており、それらのデバイス間でデータのやり取りを行う通信システムにおいて、上記実施の形態等の通信システムが適用されている。
図26は、スマートフォン300に用いられるアプリケーションプロセッサ310の一構成例を表すものである。アプリケーションプロセッサ310は、CPU(Central Processing Unit)311と、メモリ制御部312と、電源制御部313と、外部インタフェース314と、GPU(Graphics Processing Unit)315と、メディア処理部316と、ディスプレイ制御部317と、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)インタフェース318とを有している。CPU311、メモリ制御部312、電源制御部313、外部インタフェース314、GPU315、メディア処理部316、ディスプレイ制御部317は、この例では、システムバス319に接続され、このシステムバス319を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
CPU311は、プログラムに従って、スマートフォン300で扱われる様々な情報を処理するものである。メモリ制御部312は、CPU311が情報処理を行う際に使用するメモリ501を制御するものである。電源制御部313は、スマートフォン300の電源を制御するものである。
外部インタフェース314は、外部デバイスと通信するためのインタフェースであり、この例では、無線通信部502およびイメージセンサ410と接続されている。無線通信部502は、携帯電話の基地局と無線通信をするものであり、例えば、ベースバンド部や、RF(Radio Frequency)フロントエンド部などを含んで構成される。イメージセンサ410は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサを含んで構成される。
GPU315は、画像処理を行うものである。メディア処理部316は、音声や、文字や、図形などの情報を処理するものである。ディスプレイ制御部317は、MIPIインタフェース318を介して、ディスプレイ504を制御するものである。MIPIインタフェース318は、画像信号をディスプレイ504に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース318は、例えば水晶振動子を含む発振回路330から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース318とディスプレイ504との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
図27は、イメージセンサ410の一構成例を表すものである。イメージセンサ410は、センサ部411と、ISP(Image Signal Processor)412と、JPEG(Joint Photographic Experts Group)エンコーダ413と、CPU414と、RAM(Random Access Memory)415と、ROM(Read Only Memory)416と、電源制御部417と、I2C(Inter-Integrated Circuit)インタフェース418と、MIPIインタフェース419とを有している。これらの各ブロックは、この例では、システムバス420に接続され、このシステムバス420を介して、互いにデータのやり取りをすることができるようになっている。
センサ部411は、画像を取得するものであり、例えばCMOSセンサにより構成されるものである。ISP412は、センサ部411が取得した画像に対して所定の処理を行うものである。JPEGエンコーダ413は、ISP412が処理した画像をエンコードしてJPEG形式の画像を生成するものである。CPU414は、プログラムに従ってイメージセンサ410の各ブロックを制御するものである。RAM415は、CPU414が情報処理を行う際に使用するメモリである。ROM416は、CPU414において実行されるプログラムやキャリブレーションにより得られた設定値などを記憶するものである。電源制御部417は、イメージセンサ410の電源を制御するものである。I2Cインタフェース418は、アプリケーションプロセッサ310から制御信号を受け取るものである。また、図示していないが、イメージセンサ410は、アプリケーションプロセッサ310から、制御信号に加えてクロック信号をも受け取るようになっている。具体的には、イメージセンサ410は、様々な周波数のクロック信号に基づいて動作できるよう構成されている。MIPIインタフェース419は、画像信号をアプリケーションプロセッサ310に送信するものである。画像信号としては、例えば、YUV形式やRGB形式などの信号を用いることができる。MIPIインタフェース419は、例えば水晶振動子を含む発振回路430から供給される基準クロックに基づいて動作するようになっている。このMIPIインタフェース419とアプリケーションプロセッサ310との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
(適用例2)
図28は、上記実施の形態等の通信システムが適用される車両制御システム600の一構成例を表すものである。車両制御システム600は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車などの動作を制御するものである。この車両制御システム600は、駆動系制御ユニット610と、ボディ系制御ユニット620と、バッテリ制御ユニット630と、車外情報検出ユニット640と、車内情報検出ユニット650と、統合制御ユニット660とを有している。これらのユニットは、通信ネットワーク690を介して互いに接続されている。通信ネットワーク690は、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)、LAN(Local Area Network)、FlexRay(登録商標)などの任意の規格に準拠したネットワークを用いることができる。各ユニットは、例えば、マイクロコンピュータ、記憶部、制御対象の装置を駆動する駆動回路、通信I/Fなどを含んで構成される。
駆動系制御ユニット610は、車両の駆動系に関連する装置の動作を制御するものである。駆動系制御ユニット610には、車両状態検出部611が接続されている。車両状態検出部611は、車両の状態を検出するものであり、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、アクセルペダルやブレーキペダルの操作量や操舵角などを検出するセンサなどを含んで構成されるものである。駆動系制御ユニット610は、車両状態検出部611により検出された情報に基づいて、車両の駆動系に関連する装置の動作を制御するようになっている。この駆動系制御ユニット610と車両状態検出部611との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
ボディ系制御ユニット620は、キーレスエントリシステム、パワーウィンドウ装置、各種ランプなど、車両に装備された各種装置の動作を制御するものである。
バッテリ制御ユニット630は、バッテリ631を制御するものである。バッテリ制御ユニット630には、バッテリ631が接続されている。バッテリ631は、駆動用モータへ電力を供給するものであり、例えば2次電池、冷却装置などを含んで構成されるものである。バッテリ制御ユニット630は、バッテリ631から、温度、出力電圧、バッテリ残量などの情報を取得し、これらの情報に基づいて、バッテリ631の冷却装置などを制御するようになっている。このバッテリ制御ユニット630とバッテリ631との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
車外情報検出ユニット640は、車両の外部の情報を検出するものである。車外情報検出ユニット640には、撮像部641および車外情報検出部642が接続されている。撮像部641は、車外の画像を撮像するものであり、例えば、ToF(Time Of Flight)カメラ、ステレオカメラ、単眼カメラ、赤外線カメラなどを含んで構成されるものである。車外情報検出部642は、車外の情報を検出するものであり、例えば、天候や気象を検出するセンサや、車両の周囲の他の車両、障害物、歩行者などを検出するセンサなどを含んで構成されるものである。車外情報検出ユニット640は、撮像部641により得られた画像や、車外情報検出部642により検出された情報に基づいて、例えば、天候や気象、路面状況などを認識し、車両の周囲の他の車両、障害物、歩行者、標識や路面上の文字などの物体検出を行い、あるいはそれらと車両との間の距離を検出するようになっている。この車外情報検出ユニット640と、撮像部641および車外情報検出部642との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
車内情報検出ユニット650は、車両の内部の情報を検出するものである。車内情報検出ユニット650には、運転者状態検出部651が接続されている。運転者状態検出部651は、運転者の状態を検出するものであり、例えば、カメラ、生体センサ、マイクなどを含んで構成されるものである。車内情報検出ユニット650は、運転者状態検出部651により検出された情報に基づいて、例えば、運転者の疲労度合、運転者の集中度合い、運転者が居眠りをしていないかどうかなどを監視するようになっている。この車内情報検出ユニット650と運転者状態検出部651との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
統合制御ユニット660は、車両制御システム600の動作を制御するものである。統合制御ユニット660には、操作部661、表示部662、およびインストルメントパネル663が接続されている。操作部661は、搭乗者が操作するものであり、例えば、タッチパネル、各種ボタンやスイッチなどを含んで構成されるものである。表示部662は、画像を表示するものであり、例えば液晶表示パネルなどを用いて構成されるものである。インストルメントパネル663は、車両の状態を表示するものであり、スピードメータなどのメータ類や各種警告ランプなどを含んで構成されるものである。この統合制御ユニット660と、操作部661、表示部662、およびインストルメントパネル663との間の通信システムには、例えば、上記実施の形態等の通信システムが適用される。
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記の各実施の形態では、本技術を、3つの電圧レベルを有する信号を用いて通信を行う通信システムに適用したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば4つ以上の電圧レベルを有する信号を用いて通信を行う通信システムに適用してもよい。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
(1)それぞれが、第1の電圧と、第2の電圧と、前記第1の電圧および前記第2の電圧の間の第3の電圧とを含む複数の電圧を用いて信号を送信可能に構成された複数のドライバを有し、シンボルのシーケンスを送信する第1の送信部と、
それぞれが、前記複数の電圧を用いて信号を送信可能に構成された複数のドライバを有し、シンボルのシーケンスを送信する第2の送信部と、
前記第3の電圧を生成する電圧生成部と
を備え、
前記第1の送信部の前記複数のドライバ、および前記第2の送信部の前記複数のドライバは、それぞれ、オン状態になることにより、前記電圧生成部が生成した前記第3の電圧をそのドライバの出力端子に伝えるスイッチを有する
送信装置。
(2)前記第1の送信部の前記複数のドライバは、第1のドライバ、第2のドライバ、および第3のドライバを含み、
前記第1のドライバ、前記第2のドライバ、および前記第3のドライバは、それぞれの出力端子における電圧を、前記第1の電圧、前記第2の電圧、および前記第3の電圧のうちの互いに異なる電圧に設定する第1の動作を行う
前記(1)に記載の送信装置。
(3)前記送信装置は、第1の動作モードおよび第2の動作モードを有し、
前記第1のドライバ、前記第2のドライバ、および前記第3のドライバは、前記第1の動作モードにおいて、前記第1の動作を行う
前記(2)に記載の送信装置。
(4)前記第1のドライバおよび前記第2のドライバは、前記第2の動作モードにおいて、それぞれの出力端子における電圧を、前記第1の電圧および前記第2の電圧のうちの互いに異なる電圧に設定する第2の動作を行う
前記(3)に記載の送信装置。
(5)前記第2の送信部の前記複数のドライバは、第4のドライバ、第5のドライバ、および第6のドライバを含み、
前記第4のドライバ、前記第5のドライバ、および前記第6のドライバは、前記第1の動作モードにおいて、前記第1の動作を行い、
前記第3のドライバおよび前記第4のドライバは、前記第2の動作モードにおいて、前記第2の動作を行い、
前記第5のドライバおよび前記第6のドライバは、前記第2の動作モードにおいて、前記第2の動作を行う
前記(4)に記載の送信装置。
(6)前記電圧生成部は、前記送信装置に接続された伝送路の線路インピーダンスに対応した出力インピーダンスを有する
前記(1)から(5)のいずれかに記載の送信装置。
(7)前記第1の送信部の前記複数のドライバ、および前記第2の送信部の前記複数のドライバは、それぞれ、抵抗素子を有し、
前記第1の送信部の前記複数のドライバ、および前記第2の送信部の前記複数のドライバのそれぞれにおいて、前記スイッチは、オン状態になることにより、前記電圧生成部が生成した前記第3の電圧を、前記抵抗素子を介して、そのドライバの出力端子に伝える
前記(1)から(6)のいずれかに記載の送信装置。
(8)前記抵抗素子は、前記送信装置に接続された伝送路の線路インピーダンスに対応した抵抗値を有する
前記(7)に記載の送信装置。
(9)前記電圧生成部は、前記第1の電圧に対応する第1の電源と、前記第2の電圧に対応する第2の電源との間の経路上に設けられた複数の抵抗素子を有する
前記(1)から(8)のいずれかに記載の送信装置。
(10)前記電圧生成部は、前記第3の電圧を生成するレギュレータを有する
前記(1)から(8)のいずれかに記載の送信装置。
(11)送信装置と、
受信装置と
を備え、
前記送信装置は、
それぞれが、第1の電圧と、第2の電圧と、前記第1の電圧および前記第2の電圧の間の第3の電圧とを含む複数の電圧を用いて信号を送信可能に構成された複数のドライバを有し、シンボルのシーケンスを送信する第1の送信部と、
それぞれが、前記複数の電圧を用いて信号を送信可能に構成された複数のドライバを有し、シンボルのシーケンスを送信する第2の送信部と、
前記第3の電圧を生成する電圧生成部と
を有し、
前記第1の送信部の前記複数のドライバ、および前記第2の送信部の前記複数のドライバは、それぞれ、オン状態になることにより、前記電圧生成部が生成した前記第3の電圧をそのドライバの出力端子に伝えるスイッチを有する
通信システム。