JP6988720B2 - 搬送装置 - Google Patents

搬送装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6988720B2
JP6988720B2 JP2018129226A JP2018129226A JP6988720B2 JP 6988720 B2 JP6988720 B2 JP 6988720B2 JP 2018129226 A JP2018129226 A JP 2018129226A JP 2018129226 A JP2018129226 A JP 2018129226A JP 6988720 B2 JP6988720 B2 JP 6988720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hanger member
transfer path
work
elevating
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018129226A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020007090A (ja
Inventor
豊明 長山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Boshoku Corp
Original Assignee
Toyota Boshoku Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Boshoku Corp filed Critical Toyota Boshoku Corp
Priority to JP2018129226A priority Critical patent/JP6988720B2/ja
Publication of JP2020007090A publication Critical patent/JP2020007090A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6988720B2 publication Critical patent/JP6988720B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Warehouses Or Storage Devices (AREA)
  • Intermediate Stations On Conveyors (AREA)

Description

本発明は、作業箇所でハンガー部材にワークを取付けたのち、ワーク付きハンガー部材を取出箇所に搬送する搬送装置に関し、より具体的には、ハンガー部材を作業箇所に移送する第一移送路と、ワーク付きハンガー部材を作業箇所から取出箇所に移送する第二移送路とを備えた搬送装置に関する。
この種の搬送装置は、典型的に上下一対の移送路を備えるとともに、作業箇所でハンガー部材にワークを取付けてワーク付きハンガー部材としたのち、このワーク付きハンガー部材を取出箇所に搬送する。このとき上側の移送路で、ハンガー部材を作業箇所に移送し、下側の移送路で、ワーク付きハンガー部材を作業箇所から取出箇所に移送する。例えば特許文献1に開示の装置は、作業箇所と取出箇所の間に側面視で概ね横V字をなす移送路が設けられている。上側の移送路は、作業箇所に向かうにつれて次第に下方に傾斜し、下側の移送路は、作業箇所から離れるにつれて次第に下方に傾斜している。そこで上側の移送路にハンガー部材をセットすると、このハンガー部材が自身の自重で上側の移送路を通じて作業箇所に移送されていく。そこで作業箇所にて、ハンガー部材にワークを取付けてワーク付きハンガー部材とし、このワーク付きハンガー部材を下側の移送路にセットする。こうすることでワーク付きハンガー部材が自身の自重で下側の移送路を通じて取出箇所に移送されていく。
ところで一般的な搬送装置では、ハンガー部材に人力でワークを取付けるため、複数のハンガー部材が作業箇所に集中することは極力回避すべきである。このため公知技術の装置には、一個送り装置と、ストッパ装置と、送り出し装置が設けられており、これら各装置によって作業箇所にハンガー部材を順次配置しておくことができる。すなわち一個送り装置によって、上側の移送路からハンガー部材を一つずつ作業箇所に移送していく。つぎにストッパ装置によって、ハンガー部材を作業箇所に止めておき、このハンガー部材にワークを取付けてワーク付きハンガー部材とする。そして送り出し装置によってワーク付きハンガー部材を下の移送路に送り出したのち、次のハンガー部材が一個送り装置にて作業箇所に移送される。
特開2008−168965号公報
ところで公知技術の装置では、作業性の観点などから、一個送り装置とストッパ装置と送り出し装置を設け、これら各装置を、個別のアクチュエータ(電装品)で駆動させている。このため公知技術の構成は、電装品の部品点数が増加して装置構成が複雑化しがちであるとともに、省電力化の観点などから、すんなり採用できる構成ではなかった。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、作業性の向上を図りつつ、省電力化に資する搬送装置を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の搬送装置は、ハンガー部材にワークを取付けてワーク付きハンガー部材にする作業箇所と、作業箇所とは異なる位置に設けられている取出箇所と、ハンガー部材を作業箇所に移送する第一移送路と、ワーク付きハンガー部材を作業箇所から取出箇所に移送する第二移送路とを備えている。そして第一移送路と第二移送路とは、上下方向に離間して配置されているとともに、所定の角度で傾いていることで対応するハンガー部材が自重で移送される。本発明では、作業箇所にハンガー部材を順次送り出して作業性の向上を図るのであるが、この種の装置構成は、省電力化に資する構成であることが望まれる。
そこで本発明の搬送装置の作業箇所には、ハンガー部材を収容可能で且つ昇降自在とされた昇降部が設けられている。この昇降部は、上昇方向に付勢されているとともに、第一移送路から移送された一つのハンガー部材が収容される上昇状態から、ワーク付きハンガー部材の重みによって、ワーク付きハンガー部材を第二移送路に移送可能な下降状態に変位する構成である。そして第一移送路側には、第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入して昇降部の直近に配置するハンガー部材に係止される上ロック機構が設けられている。この上ロック機構は、下降状態から上昇する昇降部の押圧力が機構的に伝達されて第一移送路上のハンガー部材の移動経路から退避するとともに、上昇状態の昇降部に収容されたハンガー部材の押圧力が機構的に伝達されて第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入する構成である。さらに第二移送路側には、下降状態の昇降部に係止される下ロック機構が設けられている。この下ロック機構は、下降状態の昇降部から第二移送路上に移送されたワーク付きハンガー部材の押圧力が機構的に伝達されて昇降部との係止が解除される構成である。
本発明では、作業箇所において、上昇状態の昇降部に、一つのハンガー部材を送り出して収容しておくことで、ハンガー部材にワークを作業性良く取付けることができる。このとき第一移送路上のハンガー部材と上ロック機構の係止状態(同機構の侵入状態)を、昇降部の上昇時の押圧を利用して解除することにより、上昇状態の昇降部に、一つのハンガー部材を送り出して収容しておくことができる。さらに昇降部に収容されるハンガー部材の押圧力を利用して、上ロック機構を再び元の状態(侵入状態)に戻すことで、第一移送路上のハンガー部材に係止可能な状態としておく。こうして本発明では、上ロック機構を、昇降部及びハンガー部材の押圧力を機構的に伝達して動かすことにより、省電力化に資する構成となっている。さらに本発明では、ワーク付きハンガー部材の重みで昇降部を下降させて、下ロック機構にて昇降部の下降状態を維持することで、ワーク付きハンガー部材を昇降部から第二移送路に安定的に送り出すことができる。そして下ロック機構の係止は、第二移送路上のワーク付きハンガー部材の押圧力が機構的に伝達されることにより解除されるため、省電力化に資する構成となっている。
第2発明の搬送装置は、第1発明の搬送装置において、第一移送路には、昇降部の直近に配置されている直近のハンガー部材と、別のハンガー部材とが隣接して配置されている。そして上ロック機構には、第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入して直近のハンガー部材に係止される第一アーム部と、第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入して別のハンガー部材に係止される第二アーム部とが機構的に連動可能な状態で設けられている。そして第一アーム部は、下降状態から上昇する昇降部の押圧力が機構的に伝達されて第一移送路上のハンガー部材の移動経路から退避するとともに、上昇状態の昇降部に収容された直近のハンガー部材の押圧力が機構的に伝達されて第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入する構成である。また第二アーム部は、第一アーム部の退避に連動して第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入するとともに、第一アーム部の侵入に連動して第一移送路上のハンガー部材の移動経路から退避する構成である。本発明では、昇降部及びハンガー部材の押圧力を利用して、上ロック機構の第一アーム部を動かすことで、昇降部に一つのハンガー部材(直近のハンガー部材)を収容する。このとき第二アーム部を第一アーム部に連動させることで、昇降部に一つのハンガー部材をより確実に収容することが可能となっている。すなわち第一アーム部が退避状態(アンロック状態)にある場合に、第二アーム部が、別のハンガー部材に係止されることで、この別のハンガー部材が誤って昇降部側に移動することを極力回避できる。また第一アーム部が侵入状態(ロック状態)にある場合に、第二アーム部が退避状態にあることで、別のハンガー部材が第一アーム部側に移送され、この別のハンガー部材が次の直近のハンガー部材として昇降部の直近に配置されることとなる。
第3発明の搬送装置は、第1発明又は第2発明の搬送装置において、第二移送路には、第二移送路を通じて取出箇所に移送されるワーク付きハンガー部材が昇降部側に戻ろうとする動きを規制する規制部が設けられている。本発明では、規制部によって、ワーク付きハンガー部材を、より確実に取出箇所に移送することが可能となっている。
第4発明の搬送装置は、第1発明〜第3発明のいずれかの搬送装置において、取出箇所には、ワーク付きハンガー部材を搬出するための台車を配置可能であり、台車は、取出箇所から送り出されたワーク付きハンガー部材を積載する搬出移送路を有している。そして取出箇所には、第二移送路上のワーク付きハンガー部材を搬出移送路に向けて送り出し可能なように台車を位置決めして配置する位置決め部が設けられている。本発明では、台車を利用することにより、ワーク付きハンガー部材を作業性良く適所に搬送することが可能となっている。このとき第二移送路を、位置決め部を介して台車の搬出移送路に位置決めしておくことで、ワーク付きハンガー部材を、より作業性良く搬送装置から台車に送り出すことができる。
第5発明の搬送装置は、第1発明〜第4発明のいずれかの搬送装置において、取出箇所には、ワーク付きハンガー部材を搬出するための台車を配置可能であり、取出箇所には、台車を取り外し可能な状態で連結する連結部が設けられている。本発明では、搬送装置と台車が、取り外し可能な状態で連結部にて連結されているため、ワーク付きハンガー部材を、より安定的に台車に送り出したのち、この台車で搬出することが可能となっている。
本発明に係る第1発明によれば、作業性の向上を図りつつ、省電力化に資する搬送装置を提供することができる。また第2発明によれば、より作業性の向上を図りつつ、省電力化に資する搬送装置を提供することができる。また第3発明によれば、更に作業性の向上を図りつつ、省電力化に資する搬送装置を提供することができる。また第4発明によれば、台車の利用により適した搬送装置を提供することができる。そして第5発明によれば、台車の利用に更に適した搬送装置を提供することができる。
搬送装置と台車の斜視図である。 ワーク付きハンガー部材の斜視図である。 台車の概略側面図である。 昇降部を下降させた状態の搬送装置の前面図である。 昇降部を上昇させた状態の搬送装置の前面図である。 搬送装置の側面図である。 搬送装置の上部側の斜視図である。 上ロック機構を示す搬送装置の上端側の斜視図である。 昇降部の上昇途中における上ロック機構の概略側面図である。 昇降部が上昇した際の上ロック機構の概略側面図である。 昇降部にハンガー部材を収容した際の上ロック機構の概略側面図である。 下ロック機構の概略側面図である。 下ロック機構を示す搬送装置の後方斜視図である。 解除状態の下ロック機構の概略側面図である。 規制部を示す搬送装置の斜視図である。 連結部を示す搬送装置の斜視図である。 連結部を示す搬送装置の拡大斜視図である。 ワークの取付け作業時を示す搬送装置の概略側面図である。 ワーク付きハンガー部材の移送初期の搬送装置の概略側面図である。 ワーク付きハンガー部材の移送後期の搬送装置の概略側面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図20を参照して説明する。各図には、便宜上、搬送装置の前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。図1に示す搬送装置2は、図2に示すハンガー部材HにワークWを取付けてワーク付きハンガー部材WHとする際に用いられる装置である。この搬送装置2では、装置前部の作業箇所4で、ハンガー部材HにワークWを人力で取付けてワーク付きハンガー部材WHとすることができる。そしてワーク付きハンガー部材WHを、搬送装置2の後部の取出箇所6から台車TMに送り出すことができる。
図1の搬送装置2は、基台部10と、第一移送路70と、第二移送路80と、昇降部AMと、上ロック機構BMと、下ロック機構CMと、規制部DMと、位置決め部31,33等と、連結部EMとを備えている(各部及び各機構の詳細は後述)。そして搬送装置2では、ハンガー部材Hを、第一移送路70を通じて作業箇所4に移送するとともに、ワーク付きハンガー部材WHを、第二移送路80を通じて取出箇所6に移送する。このとき作業性の観点から、作業箇所4にハンガー部材Hを順次送り出すのであるが、この種の装置構成は、省電力化に資する構成であることが望まれる。そこで本実施例では、後述する機構的な構造を搬送装置2に採用することで、作業性の向上と省電力化を図ることとした。特に本実施例の搬送装置2は、作業箇所4におけるワークWの取付け作業は人力で行うが、その他の移送作業や台車TMへの搬入出作業などは極力人力に頼らない(タッチレスな)構成とされている。以下、搬送装置2とその関連構成の詳細を説明する。
[ハンガー部材、ワーク]
図2に示すハンガー部材Hは、上方視で概ね長方形に組まれた基枠部2hと、この基枠部2hの下方に突出する一対のJ字状の係止ワイヤ部4hとを有している。この基枠部2hは、後述する搬送装置2の各移送路(70,80)上にセットすることが可能であり、このセット状態では、一対の係止ワイヤ部4hが、左右に適宜に離間した状態で下方に突出する。そこで各係止ワイヤ部4hの下部を、それぞれワークWの枠内に係止しておくことにより、ハンガー部材HにワークWを取付けてワーク付きハンガー部材WHとすることができる。ここでワークWは、略矩形の金属枠体であり、図示しない乗物用シートのバックフレームとして使用できる。
[台車]
図3に示す台車TMは、前後に長尺な概ね直方体状の枠体であり、底側の適宜の位置には車輪2tがそれぞれ設けられている。この台車TMは、後述の搬送装置2に連結される一対の連結柱部4t,5tと、案内板部6tと、搬入移送路7tと、搬出移送路8tとを有している。一対の連結柱部4tは、台車TMの底面前側で左右に延びている柱状の部位であり、前後に適宜の間隔をあけて設けられている。また案内板部6tは、台車TMの上側に設けられた平板状の部位であり、縦向きとされた状態で台車TMの左面前部と右面後部にそれぞれ固定されている。そして図1及び図3に示す左面前部の案内板部6tは、後述する搬送装置2と台車TMの連結時において搬送装置2の対応する上位置決め部31に対面状に配置される。また図3に示す台車TMの上側には搬入移送路7tが設けられ、台車TMの下側には搬出移送路8tが設けられている。搬入移送路7tは、ハンガー部材Hを配置しておくローラコンベア状の部材であり、前側に向かうにつれて次第に下方に傾斜している。また搬出移送路8tは、ワーク付きハンガー部材WHを後方に移送しつつ積載しておくローラコンベア状の部材であり、後方に向かうにつれて次第に下方に傾斜している。これら搬入移送路7t(搬出移送路8t)内の右端と左端には、図2及び図3を参照して、それぞれ複数のローラRが前後に並列して設けられており、各ローラRの直上が対応するハンガー部材の移動経路となっている。
そして図3に示す搬入移送路7t(搬出移送路8t)の前側と後側には、対応するハンガー部材Hの脱落を阻止する脱落ストッパ部10tがそれぞれ設けられている。これら各脱落ストッパ部10tは、上方側に持ち上げられることで対応する各移送路のハンガー部材の移動経路から退避する構成とされている。そして図1及び図3を参照して、後述する搬送装置2と台車TMの連結時には、搬入移送路7t(搬出移送路8t)の前側の脱落ストッパ部10tを持ち上げて退避状態とすることで、搬送装置2と台車TMの間で対応するハンガー部材Hの受け渡しが可能な状態となる。なお搬入移送路7t(搬出移送路8t)は、搬送装置2と台車TMを左右方向で見て概ね一致するように連結することで、搬送装置2側の対応する移送路と左右方向において概ね一致するように配設されている。
[搬送装置(基台部)]
ここで図1及び図4〜図6に示す搬送装置2の外形は基台部10にて構成されており、この基台部10は、上下に長尺な概ね直方体の枠体である。そして基台部10は、四方から起立している複数の支柱(右前支柱11,右後支柱12,左前支柱13,左後支柱14)と、隣り合う支柱の間に掛け渡されて固定されている複数の横柱15〜21とで構成されている。例えば右前支柱11の上端と左前支柱13の上端には上横柱15が掛け渡されて固定されている。また基台部10の下部側には、三対の下横柱16〜18が、上方視で後方が開放した概コ字をなすように固定されている。すなわち右前支柱11の下部と左前支柱13の下部には前下横柱16が掛け渡されて固定されている。また右前支柱11の下部と右後支柱12の下部には右下横柱17が掛け渡されて固定され、左前支柱13の下部と左後支柱14の下部にも、左下横柱18が掛け渡されて固定されている。そして基台部10の上下方向途中には、左右一対の中横柱19,20が左右対称となるように固定されている。すなわち右前支柱11の途中と右後支柱12の上端には右中横柱19が掛け渡されて固定され、左前支柱13と左後支柱14の上端には左中横柱20が掛け渡されて固定されている。さらに右中横柱19の下方には、右補助中柱21が固定されており、相対的に貴台部10の右面側の強度性が高められている。
[位置決め部]
また図1、図4〜図6に示す基台部10には、台車用の複数の位置決め部30〜33と、各移送路用の複数の支持柱40〜43と、下ロック機構用の下支持部50と、昇降部用の一対の案内バー60,61が設けられている。ここで図1に示す各位置決め部(左右一対の上位置決め部30,31、左右一対の下位置決め部32,33)は、取出箇所6に対する台車TMの位置決めを行う部位である。ここで右側の上位置決め部30(左側の上位置決め部31)は、右後支柱12(左後支柱14)の上端から後方に向けて突出している柱状の部位である。これら各上位置決め部30,31の左右の離間寸法は、台車TMの左右の寸法よりも若干大きくされており、各上位置決め部30,31の間に台車TMを収容することが可能である。また右側の下位置決め部32(左側の下位置決め部33)は、搬送装置2の下端でその外側に配置されている柱状の部位であり、対応する各支柱11,12(13,14)に固定された状態で後方に突出している。これら各下位置決め部32,33の左右の離間寸法も、台車TMの左右の寸法よりも若干大きくされている。そして後述する台車TMの配置作業の際には、これら上下の各位置決め部31〜33に沿って台車TMを前方に移動させることにより、搬送装置2(取出箇所6)に対する台車TMの位置決めを行うことが可能である。
また図1、図4及び図5に示す複数の支持柱(左右一対の上支持柱42,43、左右一対の下支持柱40,41)は、それぞれ対応する後述の各移送路(70,80)を位置決めして固定する部位である。右側の上支持柱42(左側の上支持柱43)は、後述の第一移送路70を支持する柱状の部位であり、図13に示すように右後支柱12の上端側(左後支柱14の上端側)に設けられている。各上支持柱42,43は、左右対称となるように対応する後支柱12,14から装置内に向けて突出しているとともに、後述の第二移送路80を避けるようにクランク状に屈曲して上方に起立している。そして図4及び図5に示す各上支持柱42,43の上端には、L字ブラケットBR(L字状の断面を有する板材)が前後を向いた状態でそれぞれ固定されており、各L字ブラケットBRは後述する第一移送路70の一部をなしている。また図4及び図5に示す右側の下支持柱40(左側の下支持柱41)は、後述の第二移送路80を支持する柱状の部位であり、図13及び図15に示すように右後支柱12(左後支柱14)の上側に設けられている。各下支持柱40,41は、左右対称となるように対応する後支柱12,14から装置内に向けて突出している。そして図4及び図5に示す各下支持柱40,41の先端にも、L字ブラケットBRが前後を向いた状態でそれぞれ固定されており、各L字ブラケットBRは後述する第二移送路80の一部をなしている。
また図4及び図5に示す下支持部50は、後述の下ロック機構CMを取付ける部位であり、基台部10の右側に配設されている。この下支持部50は、図12及び図13を参照して、前下支持部位51と、一対の後下支持部位52,53とを有している。図12に示す前下支持部位51は、右中横柱19の上部から起立している板状の部位であり、下ロック機構CMの前側を固定できる。また図13に示す一対の後下支持部位52,53は、それぞれ下ロック機構CMの後側を固定する部位であり、前下支持部位51の後方に配設されている。これら各後下支持部位52,53は、右中横柱19と右側の上支持柱42の間に水平な状態で固定された支持板54から起立する板材であり、左右に適宜の間隔をあけて対面状に配置されている。
そして図1、図4〜図6に示す一対の案内バー60,61は、後述する昇降部AMを昇降自在に保持する部位であり、基台部10の前側(作業箇所4)で左右対称となるように設けられている。これら各案内バー60,61は、上下方向に概ね同径の円柱で形成されているが、これらの上端及び下端は径寸法が大きくなっており、これら上端と下端の間で昇降部AMが昇降することとなる。そして各案内バー60,61は、上下を向いた状態で装置内に配置されているとともに、各案内バー60,61の下端は、図4及び図5に示す受止部62を介して基台部10側に固定されている。ここで受止部62は、クランク状に屈曲する板材であり、右中横柱19と左中横柱20に左右対称となるように固定されている。そして各受止部62の上部側が装置外側に屈曲して対応する中横柱19,20に固定され、装置内側に屈曲する各受止部62の下部側に各案内バー60,61の下端が固定されている。さらに各案内バー60,61の上端には、左右に延びる側面視でL字状の上枠体64が掛け渡されて固定されており、この上枠体64は、後述する上ロック機構BMの固定箇所としても機能している。そして図6に示す上枠体64の中央部分は、L字をなす板状の固定ブラケット66を介して基台部10の上横柱15に固定されている。
[第一移送路]
図4及び図6に示す第一移送路70は、ハンガー部材Hを作業箇所4に移送するローラコンベア状の部材である。そして第一移送路70の上下は解放状とされているとともに、その内部の右端と左端には、それぞれ複数のローラRが前後に並列して設けられている。この第一移送路70は、一対の上支持柱42,43(上端)上にそれぞれ固定されて、搬送装置2の上部側に配置されている。そして第一移送路70は、左端又は右端で左右に延びている略矩形の板材71と、対応するL字ブラケットBRとで構成されている。これら各板材71とL字ブラケットBRとは左右に延びる軸材(図示省略)で連結され、さらに軸材の軸線周りにローラRが回転可能な状態で軸支されている。そして第一移送路70は、図6に示すように前方に向かうにつれて次第に下方に向けて傾斜した状態となっている。このためハンガー部材Hは、自身の自重で第一移送路70のローラR上を移動することが可能であり、この複数のローラRの直上が本発明のハンガー部材の移動経路(P1)となっている。
また後述する台車TMの連結時には、図1に示すように、第一移送路70の後端が、上下方向において台車TMの搬入移送路7tの前端と概ね一致する位置に配置される。この第一移送路70の後端側には、台車TMの搬入移送路7tの前側に設けられた脱落ストッパ部10tを開き状態とする上解除アーム72が設けられている。この上解除アーム72は、図1及び図3を参照して、側面視で概ね逆V字状の板状部材であり、後方に突出する部分が前側に向かうにつれて次第に上方に傾斜している。そして後述する台車TMの配置の際に、脱落ストッパ部10tが上解除アーム72に沿って次第に上方に押し上げられることで搬入移送路7tの前側が開放状態となる。こうして本実施例では、台車TMが連結した状態において、台車TMのハンガー部材Hが自身の自重により搬入移送路7tから第一移送路70に自然と移送されて、搬送装置2に受け渡される構成となっている。
[第二移送路]
図5及び図6に示す第二移送路80は、ワーク付きハンガー部材WHを作業箇所4から取出箇所6に移送するローラコンベア状の部材である。そして第二移送路80の上下は解放状とされているとともに、その内部の右端と左端には、それぞれ複数のローラRが前後に並列して設けられている。この第二移送路80は、一対の下支持柱40,41の端部に固定されて、第一移送路70よりも搬送装置2の下部側に配置されている。そして第二移送路80は、左端又は右端で左右に延びている略矩形の板材81と、対応するL字ブラケットBRとで構成されている。これら各板材81とL字ブラケットBRとは左右に延びる軸材(図示省略)で連結され、さらに軸材の軸線周りにローラRが回転可能な状態で軸支されている。そして第二移送路80は、図6に示すように後方に向かうにつれて次第に下方に向けて傾斜した状態となっている。このためワーク付きハンガー部材WHは、自身の自重で第二移送路80のローラR上を移動することが可能であり、この複数のローラRの直上がワーク付きハンガー部材WHの移動経路(P2)となっている。
また後述する台車TMの連結時には、図1に示すように、第二移送路80の後端が、上下方向において台車TMの搬出移送路8tの前端と概ね一致する位置に配置される。この第二移送路80の左方には、台車TMの搬出移送路8t前側に設けられた脱落ストッパ部10tを開き状態とする下解除アーム82が設けられている。この下解除アーム82は、図1及び図3を参照して、後方に向けて突出する板部材であって、その後端には、前方に向かうにつれて次第に上方に傾斜している板部83が固定されている。そして後述する台車TMの配置の際に、脱落ストッパ部10tが下解除アーム82の板部83に沿って次第に上方に押し上げられることで搬出移送路8tの前側が開放状態となる。こうして本実施例では、台車TMが連結した状態において、搬送装置2のワーク付きハンガー部材WHが自身の自重により第二移送路80から搬出移送路8tに自然と移送されて、台車TMに受け渡される構成となっている。
[昇降部]
図1、図4〜図8に示す昇降部AMは、ハンガー部材Hを収容可能な上方視で矩形の箱状部材であり、作業箇所4に昇降自在とされて配設されている。そして昇降部AMの後面及び下面は開放状とされて、第一移送路70からハンガー部材Hを受け入れ可能であるとともに、昇降部AMの内部の右端と左端には、図6に示す複数のローラRが前後に並列して設けられている。なお昇降部AMの後端には図8に示す補助ローラRXが設けられており、対応する移送路70等側のローラRの橋渡しがなされている。また昇降部AMの上面前部から前面にかけての部分も開放状とされており、この開放部分には、後述する上ロック機構BMの一部(前側爪部13b)を配置することが可能である。そして図4、図7及び図8に示す昇降部AMの上面側には、押上部2aと、支持ロッド4aと、後述の動滑車部16aが設けられている。この押上部2aは、側面視で横L字状の部位であって、昇降部AM(後述のブラケット17a)から後方に突出したのち上方に向けて屈曲している。そして押上部2aは、昇降部AMとともに上昇することで、後述する上ロック機構BMの第一アーム部10bを上方に押圧できる。
また図4及び図5を参照して、昇降部AMの上面には、左右に延びている支持ロッド4aが取付けられており、昇降部AM(本体をなす箱部分)は、支持ロッド4aに対して前後に揺動可能な状態となっている。そして支持ロッド4aの右端(左端)が、それぞれ対応する案内バー60(61)に取付けられることで、昇降部AMが、作業箇所4に昇降自在とされて配設される。すなわち支持ロッド4aの右端(左端)には、それぞれスライド部6a(8a)が固定されており、各スライド部6a(8a)は、上下が開放された筒状の部材である。そして各スライド部6a(8a)に、対応する案内バー60(61)を摺動可能な状態で挿通しておくことで、昇降部AMが、支持ロッド4aとともに各案内バー60,61に沿って上下に移動可能とされる。さらに図6に示す右側のスライド部6aには、後方に突出する板状の係止凸部7aが設けられており、この係止凸部7aは、後述する下ロック機構CMに係止される部位である。
そして図1の作業箇所4に設けられた昇降部AMは、各案内バー60,61に沿って上下に移動(昇降)することで、上昇状態と下降状態の間で変位可能となっている。図5及び図6に示す上昇状態の昇降部AMの後側は、上下方向において第一移送路70の前端と概ね一致する位置に配置される。また図4及び図12に示す下降状態の昇降部AMの後側は、上下方向において第二移送路80の前端と概ね一致する位置に配置される。そして昇降部AMは、上昇方向に付勢された状態で作業箇所4に配設されており、昇降部AMを付勢するための部材として、後述する図4及び図5の分銅部10aとワイヤ材12aと複数の滑車部14a〜16aが搬送装置2に設けられている。
図4及び図5に示す分銅部10aは、基台部10の右方に配置する直方体状の部材であり、昇降部AMを上昇方向に付勢するための重りとして機能している。そして分銅部10aは、その上端に連結されたワイヤ材12aで吊り下げられた状態となっており、このワイヤ材12aは、複数の滑車部14a〜16aを通じて昇降部AMに連結されている。ここで基台部10を前側から見た場合に、基台部10には、横向きとされた第一滑車部14aと第二滑車部15aが右から左に向けて配置されており、昇降部AMの上面には縦向きとされた動滑車部16aがブラケット17aを介して配置されている。第一滑車部14aは、分銅部10aの上方に配置された滑車であり、右側の案内バー60,61の上端に固定された別ブラケット18aに配設されている。また第二滑車部15aは、昇降部AMの上方に配置された滑車であり、第一滑車部14aと前後の位置が一致するように上枠体64の上端に配設されている。そこでワイヤ材12aを、分銅部10aから上方に延長したのち、第一滑車部14aと第二滑車部15aの間に掛け渡しつつ左方に向けて延長する。つぎにワイヤ材12aを、図7に示すように第二滑車部15aから上枠体64の孔部を通して昇降部AMの直下に延長する。そしてワイヤ材12aを、昇降部AM上面の動滑車部16aの下方に巻き付けたのち、ワイヤ材12aの先端を上方に引き上げて、図8に示すように上枠体64側に固定しておく。
そして本実施例では、図4及び図5に示す分銅部10aの重みを、ハンガー部材Hを収容した昇降部AMよりも重く且つワーク付きハンガー部材WHを収容した昇降部AMよりも軽くなるように設定しておく。こうすることで昇降部AMにハンガー部材Hだけが配置された状態(又は何も配置されていない空の状態)では、図5に示すように相対的に重い分銅部10a側にワイヤ材12aが引っ張られる。すなわち分銅部10aが下降してワイヤ材12aが引っ張られることにより、ハンガー部材Hを収容した昇降部AMが上方に付勢された状態となり、また空の昇降部AMが、左右の案内バー60,61に沿って上昇することとなる。なお本実施例では、上昇状態の昇降部AM前面から横ストッパ板S1が左方に延びており、この横ストッパ板S1が、左支柱13の前面に沿うように移動する。そして上昇状態の昇降部AMを、上枠部64から下方に突出する縦ストッパ板S2で支持する(位置決めする)ことが可能である。そして昇降部AMのハンガー部材HにワークWを取付けた場合には、図4に示すように相対的に重いワーク付きハンガー部材WHを収容した昇降部AM側にワイヤ材12aが引っ張られる。このためワーク付きハンガー部材WHを収容した昇降部AMは、ワイヤ材12aを介して分銅部10aを引き上げつつ、左右の案内バー60,61に沿って下降していくこととなる。なお本実施例では、図12に示すように昇降部AMの後部に右方に突出する止板部20aが設けられている。そして止板部20aが下降して第二移送路80に当接することで、下降状態の昇降部AMと第二移送路80の上下の位置決めがなされる。
[上ロック機構(第一アーム部)]
図1、図6及び図8に示す上ロック機構BMは、第一移送路70上のハンガー部材Hの移動を規制する機構であり、第一アーム部10bと、後述の第二アーム部20bと、これらの関連構成2b〜8bを有している。ここで第一アーム部10bは、図8を参照して、昇降部AMの直上で概ね前後方向に延びている板状の部位であり、昇降部AMの直近(図8の後方)に位置する直近のハンガー部材(H1)に係止することが可能である。この第一アーム部10bは、上枠体64に固定された固定板2bを介して上枠体64側に取付けられており、固定板2bから左右に延びる第一軸材3bの周りに回転(揺動)可能な状態とされている。そして図9〜図11を参照して、第一アーム部10bは、固定板2bの第一軸材3bを中心に前後に揺動することで、後側が相対的に下を向くロック状態と、前側が相対的に下を向くアンロック状態との間で変位可能な状態となっている。
そして図8〜図10を参照して、第一アーム部10bの後端には、下方に延長している後側爪部12bが設けられ、第一アーム部10bの前端には、下方に延長している前側爪部13bが設けられている。後側爪部12bは、第一移送路70に向けて下方に延長しており、第一アーム部10bが図9のロック状態の際には、第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)に侵入する。そして本実施例では、後側爪部12bが、第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)内に侵入することで、後述するように昇降部AMの直近に配置するハンガー部材H(第一のハンガー部材H1)に係止される。また第一アーム部10bが図10のアンロック状態の際には、後側爪部12bが相対的に上方に移動することにより、この後側爪部12bが、第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)から退避する。また前側爪部13bは、上昇状態の昇降部AMの前方で下方に延長しており、第一アーム部10bが図9のロック状態の際には、相対的に上方に配置されている。そして第一アーム部10bが図10のアンロック状態の際には、前側爪部13bが相対的に下方に移動して、上昇状態の昇降部AM内に収容されるハンガー部材Hを受止め可能な位置に配置される。
[第二アーム部]
図1、図6及び図8に示す第二アーム部20bは、第一アーム部10bの後方で前後方向に延長している板状の部位であり、第一のハンガー部材H1の後方に配置する別のハンガー部材H(第二のハンガー部材H2)に係止可能である。この第二アーム部20bは、図8を参照して、上枠体64に固定された状態でその後方に配置されている配設枠体4bに取付けられているとともに、この配設枠体4bに対して前後に揺動可能な構成となっている。ここで配設枠体4bは、第一アーム部10bを囲むように設けられた上方視で概ねコ字状の部位であり、前後方向に延びている左右一対の縦板部5bと、各縦板部5bの後端に掛け渡されて固定されている横軸部6bとを有している。左右一対の縦板部5bは、上枠体64に固定された状態で後方に概ね水平に延長しており、これら各縦板部5bは、第一アーム部10bを挟んで左右対称に配置されている。また横軸部6bは、第一アーム部10bの後方で左右方向に延長している円柱状の部位であり、この横軸部6bの左右方向中央に第二アーム部20bが取付けられて後方に延長している。そして第二アーム部20bの前端は、横軸部6bの軸周りに回転可能な状態で取付けられているとともに、第二アーム部20bの後端には、下方に延長する最後尾爪部22bが設けられている。この最後尾爪部22bは、第一アーム部10bの後側爪部12bの後方で、第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)に侵入可能な位置に配置されている。
また第二アーム部20bは、図9〜図11を参照して、連結アーム部7bを介して第一アーム部10bに連動可能な状態で連結されている。この連結アーム部7bは、横軸部6bの上方で前後方向に延長する板状の部材であって、前端と後端とがそれぞれ下方に向けて屈曲している。この連結アーム部7bの前端下部は、第一アーム部10b後部に取付けられているとともに、第一アーム部10bから左右に突出する第二軸材8bの周りを回転可能な状態とされている。また連結アーム部7bの後端下部は、第二アーム部20bの前後方向における途中位置に固定されている。そして本実施例では、連結アーム部7bの前端(第二軸材8b)と下端とを結ぶ仮想直線VLを想定した場合、連結アーム部7bと仮想直線VLで囲まれた部分は、横軸部6bを基点に前後に揺動することが可能である。
そして本実施例では、第一アーム部10bが図9のロック状態から図10のアンロック状態に移行するに従って、次第に第二アーム部20bの後側が下方に移動していくことができる。ここで図9のロック状態では、第一アーム部10bの後部側が下を向いた状態となることで、上述の仮想直線VLの前側が下方に押し下げられた状態となる。そしてこの状態の仮想直線VLは概ね水平な姿勢となり、仮想直線VLの後部につながる第二アーム部20bは、相対的に上方に配置される。こうして第一アーム部10bがロック状態の場合において、第二アーム部20bの最後尾爪部22bは、第一移送路70上のハンガー部材Hの移動経路(P1)から上方に退避した状態となっている。
そして第一アーム部10bが図10のアンロック状態に移行するに従って、次第に第二アーム部20bの後側が下方に移動していく。すなわち図10のアンロック状態では、第一アーム部10bの後部側が上を向いた状態となることで、上述の仮想直線VLの前側が上方に押し上げられた状態となる。この状態の連結アーム部7bと仮想直線VLで囲まれた部分は、(横軸部6bを基点に)後方に向かうにつれて次第に下方を向く傾斜姿勢となる。そして仮想直線VLの後部につながる第二アーム部20bも、後方に向かうにつれて次第に下方を向く傾斜姿勢となり、アンロック状態の第一アーム部10bとは逆向きに揺動することとなる。こうして第一アーム部10bの揺動の際に、第二アーム部20bが逆向きに揺動することとなり、このとき第二アーム部20bの最後尾爪部22bは、第一移送路70上のハンガー部材Hの移動経路(P1)に侵入した状態となる。そして最後尾爪部22bが、第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)内に侵入することで、後述するように第二のハンガー部材H2に当接して係止されることとなる。
[下ロック機構]
図6、図12及び図13に示す下ロック機構CMは、下降状態の昇降部AMに係止される機構であり、下ロック本体部2cと、連結ロッド10cと、傾動アーム部12cとを有している。図12に示す下ロック本体部2cは、連結リンク部4cと、係止リンク部6cと、分銅リンク部8cとが側面視で概ね横コ字をなすように軸(A)連結されることで形成されている。連結リンク部4cは、前後に延びている板状の部材であり、連結リンク部4cの前端に係止リンク部6cが軸連結され、連結リンク部4cの後端に分銅リンク部8cが軸連結されている。そして係止リンク部6cは、連結リンク部4cの前端から下方に延長している矩形の板状部位であり、基台部10に設けられている下支持部50に取付けられている。すなわち係止リンク部6cの上下方向途中は、前下支持部位51から右方に突出する前軸材7cの周りに回転可能な状態で取付けられている。この係止リンク部6cの下端側は、相対的に幅広とされているとともに、下降状態の昇降部AMの一部(係止凸部7a)に係止可能な位置に配置されている。なお前下支持部位51には、係止リンク部6cの起立姿勢を維持する維持軸部A1が設けられ、この維持軸部A1は、前軸材7cの上方で起立姿勢の係止リンク部6cを後方から支持している。
また図12に示す分銅リンク部8cは、連結リンク部4cの後端から下方に延長している矩形の板状部位であり、分銅リンク部8cの下端側には、所定の重量の重り部9cが固定されている。なお右側の上位置決め部40の上面には、分銅リンク部8cの起立姿勢を維持する維持ボルトSBが設けられている。この維持ボルトSBは、ボルト用ブラケットSBBを介して上位置決め部40に固定されており、概ね起立姿勢の分銅リンク部8cを前方から支持している。そして分銅リンク部8cの上下方向途中には連結ロッド10cの右端側が固定されているとともに、この連結ロッド10cの左端側には傾動アーム部12cが固定されている。ここで図12及び図13に示す連結ロッド10cは、分銅リンク部8cから左方に延びている軸状部位であり、一対の後下支持部位52,53の上部(貫通孔)に挿通されて回転可能な状態で支持されている。そして傾動アーム部12cは、連結ロッド10cの左端側から下方に延長している棒状の部材である。この傾動アーム部12cは、下方に向けて延長した状態で、第二移送路80上のハンガー部材の移動経路(P2)に侵入している。
そして本実施例では、図12及び図14を参照して、後述するワーク付きハンガー部材WHの押圧力にて、傾動アーム部12cと下ロック本体部2cとが連結ロッド10cを介して連動して動く構成となっている。例えば傾動アーム部12cが、図14に示すように第二移送路80で移送されるワーク付きハンガー部材WHに押されることで、連結ロッド10cを回転させながら下方に向かうにつれて次第に後方に傾斜した状態となる。そして連結ロッド10cが回転することにより、分銅リンク部8cが、傾動アーム部12cと同様に下方に向かうにつれて次第に後方に傾斜し、この分銅リンク部8cの動きが連結リンク部4cを介して係止リンク部6cに伝達される。すなわち分銅リンク部8cが傾斜しながら連結リンク部4cを前方に押出すことで、係止リンク部6cが、前軸材7cを基点に下側に向かうにつれて次第に後方に傾斜する。このため係止リンク部6cの下部は、昇降部AMの係止凸部7aから離れる係脱方向(各図の後方)に移動することとなる。
また図14のワーク付きハンガー部材WHが傾動アーム部12cを上方に押し退けながら後方に移動した場合には、ワーク付きハンガー部材WHの押圧力が傾動アーム部12cにかからなくなる。この場合には、図12に示すように分銅リンク部8cが重り部9cにて元の状態に復帰することで、下ロック機構CM全体が元の状態に復帰する。すなわち分銅リンク部8cの元に戻ろうとする動きが、連結ロッド10cを通じて傾動アーム部12cに伝達されるとともに、連結リンク部4cを介して係止リンク部6cにも伝達される。こうして傾動アーム部12cは、第二移送路80上のハンガー部材の移動経路(P2)に侵入している元の状態に復帰する。また係止リンク部6cも元の状態に復帰することで、係止リンク部6cの下部が、昇降部AMの係止凸部7aに係止可能な位置に配置されることとなる。
[規制部]
また図5、図13及び図15に示す規制部DMは、第二移送路80上のワーク付きハンガー部材WHが昇降部AM側に戻ろうとする動きを規制する部材である。この規制部DMは、図15を参照して、第二移送路80の下方で上下に延びている矩形の板材であって、下端が肉厚とされて左右に張出している。また規制部DMの上部前側は、上方に向かうにつれて次第に後方に傾斜するテーパ状とされている。そして規制部DMは、図5及び図13に示すように基台部10の一対の下支持柱40,41にそれぞれ取付けられて第二移送路80の下方に配置されている。例えば図15に示す左側の下支持柱41の先端下方には板状の取付板部2dが固定され、取付板部2dは、外方に向かうにつれて次第に下方に傾斜した状態となっている。そして取付板部2dの下面からは取付軸4dが突出しているとともに、取付板部2dの前縁は肉厚となっている回止部6dが設けられている。そこで規制部DMの上下方向中央に取付軸4dを挿通して固定しておくことにより、規制部DMを、取付軸4dを基点に前後に傾動可能な状態で配設しておく。このとき規制部DMの上部側は、回止部6dに当接するように配置しておき、規制部DMの下部側は、取付板部2dから若干浮かせた状態として回止部6dに乗り上げ可能な状態としておく。
本実施例では、後述するように図15のワーク付きハンガー部材WHが第二移送路80上を移送される際に、このワーク付きハンガー部材WHの各係止ワイヤ部4hが対応する規制部DMのテーパ状の上部前側にそれぞれ当接する。そして係止ワイヤ部4hが、各規制部DMを後方に傾かせながら乗り越えることで、ワーク付きハンガー部材WHの後方への移動が許容される。なおこの状態の規制部DMでは、ワーク付きハンガー部材WHに当接した上部側が後方に傾いて回止部6dから離れ、規制部DMの下部側は、前方に傾きながら回止部6dに乗り上げた状態となる。そしてワーク付きハンガー部材WHが通過したのちに、規制部DMは、下部側の肉厚とされた部分の重みで自然と元の状態に復帰する。また仮にワーク付きハンガー部材WHが昇降部AM側(図15の前側)に移動しようとした場合を想定する。このとき係止ワイヤ部4hが規制部DMを押圧して逆向きに傾かせようとしても、各規制部DMの上部側が回止部6dに当接することで、規制部DMの逆向きの傾動が阻止される。このため規制部DMの上部側に係止ワイヤ部4hが当接してそれ以上の移動が規制されるため、ワーク付きハンガー部材WHの昇降部AM側への移動が阻止されることとなる。
[連結部]
図1、図16及び図17に示す連結部EMは、搬送装置2の取出箇所6に台車TMを連結しておく部位であり、搬送装置2の下端側に設けられている。この連結部EMは、図16を参照して、上方視で前方が開放した概ねコ字状の枠体であって、その枠内には、上方視で概ね横T字をなす操作部2eが固定されている。この操作部2eは、連結部EMの枠内に固定されて左右に延びる固定部位3eと、この固定部位3eから後方に延びる板状の操作部位4eが設けられている。そして操作部位4eは、連結部EMから後方に突出しているとともに、操作部位4eの前端には、上方に突出する連結突起5eが設けられている。また連結部EMの後端部(6e)は、左右に延びているとともに、その下面には傾斜板部7eが固定されている。傾斜板部7eは、前方に向かうにつれて次第に下方に傾斜している板材であり、台車TMの各連結柱部4t,5tの間に嵌込状に係止することが可能である。
そして本実施例では、図16に示す連結部EMを、保持柱20eを介して基台部10の底面側に取付け、さらに水平保持部10eにて水平状態で保持しておく。ここで基台部10の底面側には、右後支柱12と左後支柱14の間で左右に延びている保持柱20eが設けられており、連結部EMの前端側Eが、保持柱20eの軸線周りに回転可能な状態で取付けられている。また基台部10の底面側には水平保持部10eが設けられており、この水平保持部10eは、右下横柱17と左下横柱18の間に掛け渡されている円柱状の部位である。そして水平保持部10eは、その軸周りに回転可能な状態で対応する下横柱17,18に取付けられている。また水平保持部10eの左右方向中央には、操作部位4eの連結突起5eに連結可能な保持突起11eが設けられ、さらに水平保持部10eの左端にはクランク状に下方且つ後方に屈曲する操作アーム30eが固定されている。そこで本実施例では、水平保持部10eの保持突起11eと、操作部位4eの連結突起5eとを左右方向に延びる軸で軸連結することで、水平保持部10eによって、連結部EMを概ね水平な状態で保持しておく。そして操作アーム30eの押し下げによる水平保持部10eの軸心回りの回転によって、操作部位4e前端の連結軸部5eを下方に押し下げることにより、連結部EMを、後方に向かうにつれて次第に上方に傾斜した解除姿勢とすることができる。そして操作部位4eの下方への押圧をやめることで、連結部EMは自身の自重により元の水平状態に復帰する。
[搬送装置(取出箇所)に対する台車の配置作業]
ワークWの取付け作業に先立って、図1及び巣図16に示すように搬送装置2の取出箇所6に台車TMを配置しておく。このとき台車TMを、搬送装置2の各位置決め部30〜33に沿って前方に移動していくことにより、搬送装置2と台車TMとを左右方向で概ね一致するように配置することができる。このように位置決めされた状態においては、左右方向において、台車TMの搬入移送路7tが搬送装置2の第一移送路70と概ね一致する位置に配置され、台車TMの搬出移送路8tが搬送装置2の第二移送路80と概ね一致する位置に配置される。そして台車TMが、基台部10に設けられた連結部EMによって、搬送装置2に連結されて位置固定される。このとき図17を参照して、連結部EM後端の傾斜板部7eに台車TMの連結柱部4tが下方から当接し、この連結柱部4tが、傾斜板部7eを上方に押し上げながら前方に移動していく。そして台車TMの前側の連結柱部4tが傾斜板部7eを乗り越えたのちに、この連結部EMが保持柱20eを中心に下方に回転して元の水平な状態に戻る。こうして連結部EMが水平状態に復帰したのちに、傾斜板部7eが、台車TMの一対の連結柱部4tの間に嵌め込まれて係止される(連結される)こととなる。そして搬送装置2と台車TMが連結された状態では、図3に示す台車TMの搬入移送路7tと搬出移送路8tの前側は、搬送装置2の各解除アーム72,82にて解除されることで開放状態となる。
[ハンガー部材の移送作業]
図1及び図18を参照して、台車TMの搬入移送路7tには複数のハンガー部材Hが配置されており、この複数のハンガー部材Hが、搬入移送路7tから第一移送路70に送り出されていく。このとき搬入移送路7tと第一移送路70とは概ね一つなぎとなるように配置され、さらに両移送路が前方に向かうにつれて次第に下方に傾斜している。このため各ハンガー部材Hを自身の自重によって搬入移送路7tから第一移送路70に送り出していくことができる。このように台車TMから搬送装置2に各ハンガー部材Hが自然に送り出されることで、各ハンガー部材Hを人力で移し替える必要がなくなり、作業性の向上に資する構成となっている。そして各ハンガー部材Hは、第一移送路70を通じて移送されて、昇降部AMの手前で上ロック機構BMに係止される。すなわち図9に示すように上ロック機構BMでは、ロック状態の第一アーム部10bの後側爪部12bが、第一移送路70上のハンガー部材Hの移送経路に侵入した状態となっている。このため各ハンガー部材Hは、昇降部AM手前で前側爪部13bに係止されて昇降部AMへの移送が阻止されており、昇降部AMの直近に第一のハンガー部材H1が留め置かれ、その次に第二のハンガー部材H2が留め置かれている。
つぎに図9及び図10を参照して、上ロック機構BM(第一アーム部10b)の係止を解除して、作業箇所4の昇降部AMに、第一移送路70から第一のハンガー部材H1を送り出して収容する。この第一アーム部10bは、下降状態から上昇する昇降部AMの押圧力が機構的に伝達されて第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)から退避する構成となっている。すなわち昇降部AMを上昇させて、昇降部AMの押上部2aによって第一アーム部10bを上方に押し上げることにより、この第一アーム部10bを図9のロック状態から図10のアンロック状態に揺動させて変位させていくことができる。このとき第一アーム部10bの後側爪部12bは、移動経路(P1)内に侵入した状態から、次第に上方に移動して移動経路(P1)から退避する。このように第一アーム部10bの後側爪部12bが移動経路(P1)から退避することで、図10及び図18に示すように第一移送路70から第一のハンガー部材H1が昇降部AM内に移送されていく。
さらに本実施例では、図9及び図10を参照して、アンロック状態に変位する第一アーム部10bに第二アーム部20bが連動し、この第二アーム部20bにて第二のハンガー部材H2の移送を阻止しておくことができる。この第二アーム部20bでは、第一アーム部10bがロック状態からアンロック状態に変位(揺動)するに従って、次第に第二アーム部20bの後側が下方に移動していく。すなわち第二アーム部20bが、第一アーム部10bと逆向きに揺動して、第二アーム部20bの最後尾爪部22bが、第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)に侵入した状態となる。こうして図10に示すように最後尾爪部22bが、移動経路(P1)内に侵入することで第二のハンガー部材H2に当接して係止されることとなる。こうして第二のハンガー部材H2を最後尾爪部22bに係止して留め置くことで、第一のハンガー部材H1だけをより確実に昇降部AMに移送することができる。
そして図11に示すように第一のハンガー部材H1が昇降部AMに収容されたのちに、上ロック機構BMを元の状態に復帰させる。このとき上ロック機構BMの第一アーム部10bは、上昇状態の昇降部AMに収容されたハンガー部材Hの押圧力が機構的に伝達されて第一移送路70上のハンガー部材の移動経路(P1)に侵入する(元の状態に戻る)構成である。すなわち図10のアンロック状態の第一アーム部10bでは、前側爪部13bが、上昇状態の昇降部AM内に収容されるハンガー部材Hを受止め可能な位置に配置されている。そして第一のハンガー部材H1が、昇降部AM内に移動しつつ前側爪部13bを押圧することにより、第一のハンガー部材H1の押圧力で前側爪部13bが上方に跳ね上げられていく。そして前側爪部13bが上方に跳ね上げられることで、第一アーム部10bが、固定板2bの第一軸材3bの周りを回転して、後側が相対的に下を向くロック状態に復帰することとなる。さらに本実施例の第二アーム部20bでは、第一アーム部10bがアンロック状態からロック状態に変位(揺動)するに従って、次第に第二アーム部20bの後側が上方に移動していく。こうして図10に示すように最後尾爪部22bが移動経路(P1から上方に退避することで、第二のハンガー部材H2が、最後尾爪部22bを超えて後側係止爪まで移送され、次の第一のハンガー部材として昇降部AMの直近に留め置かれた状態となる。
[ハンガー部材に対するワークの取付け作業]
そして図18に示す搬送装置2の作業箇所4では、上昇状態の昇降部AMが、一つのハンガー部材Hが収容された状態で配置されている。この昇降部AMは、上昇方向に付勢されているため、上昇状態で安定的に留め置かれている。このため作業箇所4にて、昇降部AMのハンガー部材HにワークWを作業性良く取付けることができる。そして昇降部AMは、この上昇状態から、ワーク付きハンガー部材WHの重みによって、ワーク付きハンガー部材WHを第二移送路80に移送可能な図19の下降状態に変位する構成である。そこで収容部内のハンガー部材HにワークWを係止して、ワーク付きハンガー部材WHとする。こうして昇降部AMのハンガー部材HにワークWを取付けた場合には、図4に示すように相対的に重いワーク付きハンガー部材WHを収容した昇降部AM側にワイヤ材12aが引っ張られる。このためワーク付きハンガー部材WHを収容した昇降部AMは、ワイヤ材12aを介して分銅部10aを引き上げつつ、左右の案内バー60,61に沿って下降していく。
[ワーク付きハンガー部材の移送作業]
図19を参照して、昇降部AMに収容されたワーク付きハンガー部材WHは、昇降部AMが下降状態となることで第二移送路80に送り出される。このとき下降状態の昇降部AMを、下ロック機構CMに係止しておくことで、ワーク付きハンガー部材WHを下降状態の昇降部AMから第二移送路80に安定的に送り出すことができる。この下ロック機構CMの係止に際しては、図12を参照して、昇降部AMの係止凸部7aを、下ロック機構CM(下ロック本体部2c)の係止リンク部6cに係止する。すなわち係止凸部7aは、昇降部AMとともに下降しながら、係止リンク部6cの前縁をやや後方に押しつつそれに沿って移動していく。そして昇降部AMが下降状態に変位した後に、この係止凸部7aが、係止リンク部6cの下端に係止されることにより、昇降部AMの上方への移動が阻止された状態となる。そして図20に示すように、ワーク付きハンガー部材WHが、昇降部AMから第二移送路80に送り出され、さらに第二移送路80を通じて取出箇所6に移送されていく。そして本実施例では、第二移送路80側に取付けられている各規制部DMの働きによって、ワーク付きハンガー部材WHの昇降部AM側への移動が規制されている。このためワーク付きハンガー部材WHを、より確実に第二移送路80を通じて取出箇所6に移送していくことができる。
そして図20を参照して、ワーク付きハンガー部材WHが第二移送路80に送り出されたのちに、下ロック機構CMの係止を解除して昇降部AMを係脱させる。このとき下ロック機構CMは、図14を参照して、下降状態の昇降部AMから第二移送路80上に移送されたワーク付きハンガー部材WHの押圧力が機構的に伝達されて昇降部AMとの係止が解除される構成である。すなわち下ロック機構CMでは、傾動アーム部12cが、第二移送路80で移送されるワーク付きハンガー部材WHに押されることで、連結ロッド10cを回転させながら下方に向かうにつれて次第に後方に傾斜した状態となる。そして連結ロッド10cの回転を分銅リンク部8cと連結リンク部4cを通じて係止リンク部6cに伝達することで、この係止リンク部6cが、前軸材7cを基点に下側に向かうにつれて次第に後方に傾斜する。こうして係止リンク部6cの下部が、昇降部AMの係止凸部7aから離れる係脱方向に移動することで、下ロック機構CMから昇降部AMを係脱させることができる。そしてワーク付きハンガー部材WHが傾動アーム部12cを超えて後方に移動した場合には、分銅リンク部8cの重り部9cの重みを利用して、下ロック機構CMが、図12に示す元の状態に復帰することとなる。また下ロック機構CMから係脱した昇降部AM(空の昇降部AM)も、図5及び図20に示すように分銅部10aの重みによって下降状態から上昇状態へと変位していく。そして上昇する昇降部AMにて、上ロック機構BMを再び動かすことにより、上昇状態の昇降部AM内に、次の第一のハンガー部材H1が第一移送路70から移送されることとなる。
こうして本実施例では、図20に示すように、ワーク付きハンガー部材WHが、第二移送路80を通じて取出箇所6に順次移送され、更に取出箇所6に連結された台車の搬出移送路8tに送り出されていく。そして図1及び図3に示す台車TMの搬出移送路8t上に十分なワーク付きハンガー部材WHが積載されたのちには、連結部EMを操作して搬送装置2との連結を解除して台車TMを取外す。このとき図16を参照して、連結部EMの操作部位4eを下方に押圧操作(例えば足で踏み込み操作)することで、連結部EMの後部(6e)が上方に跳ね上がり、台車TMとの連結が解除されることとなる。こうして図1及び図3に示すワーク付きハンガー部材WHを、台車TMにて適所に搬出していくことができる。
以上説明した通り本実施例では、作業箇所4において、上昇状態の昇降部AMに、一つのハンガー部材Hを送り出して収容しておくことで、ハンガー部材HにワークWを作業性良く取付けることができる。このとき第一移送路70上のハンガー部材Hと上ロック機構BMの係止状態(同機構の侵入状態)を、昇降部AMの上昇時の押圧を利用して解除することにより、上昇状態の昇降部AMに、一つのハンガー部材Hを送り出して収容しておくことができる。さらに昇降部AMに収容されるハンガー部材Hの押圧力を利用して、上ロック機構BMを再び元の状態(侵入状態)に戻すことで、第一移送路70上のハンガー部材Hに係止可能な状態としておく。こうして本発明では、上ロック機構BMを、昇降部AM及びハンガー部材Hの押圧力を機構的に伝達して動かすことにより、省電力化に資する構成となっている。さらに本実施例では、ワーク付きハンガー部材WHの重みで昇降部AMを下降させて、下ロック機構CMにて昇降部AMの下降状態を維持することで、ワーク付きハンガー部材WHを昇降部AMから第二移送路80に安定的に送り出すことができる。そして下ロック機構CMの係止は、第二移送路80上のワーク付きハンガー部材WHの押圧力が機構的に伝達されることにより解除されるため、省電力化に資する構成となっている。このため本実施例によれば、作業性の向上を図りつつ、省電力化に資する搬送装置2を提供することができる。特に本実施例の搬送装置2は、上述のとおり、作業箇所4におけるワークWの取付け作業は人力で行うが、その他の移送作業や台車への搬入出作業などは極力人力に頼らない(タッチレスな)構成とされている。
また本実施例では、昇降部AM及びハンガー部材Hの押圧力を利用して、上ロック機構BMの第一アーム部10bを動かすことで、昇降部AMに一つのハンガー部材(H1)を収容する。このとき第二アーム部20bを第一アーム部10bに連動させることで、昇降部AMに一つのハンガー部材(H1)をより確実に収容することが可能となっている。すなわち第一アーム部10bが退避状態(アンロック状態)にある場合に、第二アーム部20bが、別のハンガー部材(H2)に係止されることで、この別のハンガー部材(H2)が誤って昇降部AM側に移動することを極力回避できる。また第一アーム部10bが侵入状態(ロック状態)にある場合に、第二アーム部20bが退避状態にあることで、別のハンガー部材(H2)が第一アーム部10b側に移送され、この別のハンガー部材(H2)が次の直近のハンガー部材として昇降部AMの直近に配置されることとなる。
また本実施例では、規制部DMによって、ワーク付きハンガー部材WHを、より確実に取出箇所6に移送することが可能となっている。また本実施例では、台車TMを利用することにより、ワーク付きハンガー部材WHを作業性良く適所に搬送することが可能となっている。このとき第一移送路70と第二移送路80を、位置決め部30〜33を介して台車TMの対応する移送路7t,8tに位置決めしておくことで、対応するハンガー部材H,WHを、より作業性良く搬送装置2から台車TMに送り出すことができる。そして本実施例では、搬送装置2と台車TMが、取り外し可能な状態で連結部EMにて連結されているため、ワーク付きハンガー部材WHを、より安定的に台車TMに送り出したのち、この台車TMで搬出することが可能である。
本実施形態の搬送装置2は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。本実施形態では、昇降部AM及びその関連部材の構成(形状,寸法,配置位置,構成要素など)を例示したが、これら各部等の構成を限定する趣旨ではない。例えば昇降部は、分銅部のほか、バランサ(ワイヤ材を牽引する部材)やバネ材によって上方に付勢することができる。
また本実施形態では、作業箇所4及び取出箇所6と、第一移送路70と第二移送路80の配置関係や構成を例示したが、各移送路の配置関係や構成を限定する趣旨ではない。例えば作業箇所と取出箇所は、対面位置に設ける必要はなく、適宜の位置関係で搬送装置に設けることができる。そして第一移送路と第二移送路は、作業箇所と取出箇所の位置関係に応じて適宜の位置に設けることができ、必要に応じて湾曲させておくことも可能である。そして各移送路の構成は、対応するハンガー部材を自重で移送可能な構成であればよく、ローラコンベアのほかに各種の搬送可能な構成を採用できる。また取出箇所からは、台車以外の手法でワーク付きハンガー部材を取り出すことが可能である。なお本実施例では、取出箇所の上部からハンガー部材を搬入したが、ハンガー部材の搬入箇所を取出箇所とは別に設けることも可能である。
また本実施形態では、上ロック機構BMと下ロック機構CMの構成を例示したが、各機構の構成を限定する趣旨ではない。例えば上ロック機構の機構として、昇降部とハンガー部材の押圧力を伝達可能な各種の機構を採用できる。また上ロック機構に第一アーム部を設け、第二アーム部を省略する構成とすることも可能である。また下ロック機構の機構として、ワーク付きハンガー部材の押圧力を伝達可能な各種の機構を採用できる。また本実施形態では、位置決め部と規制部と連結部の構成を例示したが、各部の構成を限定する趣旨ではない。例えば位置決め部として、上位置決め部と下位置決め部の少なくとも一方を設けることもできる。また搬送装置では、必要に応じて、両位置決め部と規制部と連結部の少なくとも一つを省略することもできる。
そして本実施形態では、ハンガー部材とワークを例示したが、これら各部材の構成を限定する趣旨ではない。例えばハンガー部材は、第一移送路と第二移送路を自重で移動可能な各種の形状や寸法を有することが可能である。またワークとして、乗物用の各種の部材を想定できるが、必ずしも乗物用の部材に限定する必要はない。また台車の構成も適宜変更可能である。
2 搬送装置
4 作業箇所
6 取出箇所
10 基台部
11 右前支柱
12 右後支柱
13 左前支柱
14 左後支柱
15 上横柱
16 前下横柱
17 右下横柱
18 左下横柱
19 右中横柱
20 左中横柱
30,31 上位置決め部(本発明の位置決め部)
32,33 下位置決め部(本発明の位置決め部)
40,41 上支持柱
42,43 各下支持柱
50 下支持部
51 前下支持部位
52,53 後下支持部位
54 支持板
60,61 案内バー
62 受止部
64 上枠体
66 固定ブラケット
70 第一移送路
72 上解除アーム
P1 第一移送路上のハンガー部材の移動経路
R ローラ
BR L字ブラケット
80 第二移送路
82 下解除アーム
83 板部
P2 第に移送路上のハンガー部材の移動経路
AM 昇降部
2a 押上部
4a 支持ロッド
6a スライド部
7a 係止凸部
10a 分銅部
12a ワイヤ材
14a 第一滑車部
15a 第二滑車部
16a 動滑車部
17a ブラケット
18a 別ブラケット
BM 上ロック機構
2b 固定板
3b 第一軸材
4b 配設枠体
5b 縦板部
6b 横軸部
7b 連結アーム部
8b 第二軸材
10b 第一アーム部
12b 後側爪部
13b 前側爪部
20b 第二アーム部
22b 最後尾爪部
VL 仮想直線
CM 下ロック機構
2c 下ロック本体部
4c 連結リンク部
6c 係止リンク部
7c 前軸材
8c 分銅リンク部
10c 連結ロッド
12c 傾動アーム部
DM 規制部
2d 取付板部
4d 取付軸
6d 回止部
EM 連結部
2e 操作部
3e 固定部位
4e 操作部位
5e 連結突起
6e 連結部の後端部
7e 傾斜板部
10e 水平保持部
11e 保持突起
20e 保持柱
TM 台車
2t 車輪
4t,5t 連結柱部
7t 搬入移送路
8t 搬出移送路
10t 脱落ストッパ部
W ワーク
H ハンガー部材
2h 基枠部
4h 係止ワイヤ部
H1 第一のハンガー部材(本発明の直近のハンガー部材)
H2 第二のハンガー部材(本発明の別のハンガー部材)
WH ワーク付きハンガー部材

Claims (5)

  1. ハンガー部材にワークを取付けてワーク付きハンガー部材にする作業箇所と、前記作業箇所とは異なる位置に設けられている取出箇所と、前記ハンガー部材を前記作業箇所に移送する第一移送路と、前記ワーク付きハンガー部材を前記作業箇所から前記取出箇所に移送する第二移送路とを備え、前記第一移送路と前記第二移送路とは、上下方向に離間して配置されているとともに、所定の角度で傾いていることで対応するハンガー部材が自重で移送される搬送装置において、
    前記作業箇所には、前記ハンガー部材を収容可能で且つ昇降自在とされた昇降部が設けられており、前記昇降部は、上昇方向に付勢されているとともに、前記第一移送路から移送された一つの前記ハンガー部材が収容される上昇状態から、前記ワーク付きハンガー部材の重みによって、前記ワーク付きハンガー部材を前記第二移送路に移送可能な下降状態に変位する構成であり、
    前記第一移送路側には、前記第一移送路上に侵入して前記昇降部の直近に配置する前記ハンガー部材に係止される上ロック機構が設けられており、前記上ロック機構は、下降状態から上昇する前記昇降部の押圧力が機構的に伝達されて前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路から退避するとともに、前記上昇状態の前記昇降部に収容された前記ハンガー部材の押圧力が機構的に伝達されて前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入する構成であり、
    前記第二移送路側には、下降状態の前記昇降部に係止される下ロック機構が設けられており、前記下ロック機構は、下降状態の前記昇降部から前記第二移送路上に移送された前記ワーク付きハンガー部材の押圧力が機構的に伝達されて前記昇降部との係止が解除される構成である搬送装置。
  2. 前記第一移送路には、前記昇降部の直近に配置されている直近のハンガー部材と、別のハンガー部材とが隣接して配置されており、
    前記上ロック機構には、前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入して前記直近のハンガー部材に係止される第一アーム部と、前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入して前記別のハンガー部材に係止される第二アーム部とが機構的に連動可能な状態で設けられており、
    前記第一アーム部は、下降状態から上昇する前記昇降部の押圧力が機構的に伝達されて前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路から退避するとともに、前記上昇状態の前記昇降部に収容された前記直近のハンガー部材の押圧力が機構的に伝達されて前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入する構成であり、
    前記第二アーム部は、前記第一アーム部の退避に連動して前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路に侵入するとともに、前記第一アーム部の侵入に連動して前記第一移送路上のハンガー部材の移動経路から退避する構成である請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記第二移送路には、前記第二移送路を通じて前記取出箇所に移送される前記ワーク付きハンガー部材が前記昇降部側に戻ろうとする動きを規制する規制部が設けられている請求項1又は2に記載の搬送装置。
  4. 前記取出箇所には、前記ワーク付きハンガー部材を搬出するための台車を配置可能であり、前記台車は、前記取出箇所から送り出された前記ワーク付きハンガー部材を積載する搬出移送路を有し、
    前記取出箇所には、前記第二移送路上のワーク付きハンガー部材を前記搬出移送路に向けて送り出し可能なように前記台車を位置決めして配置する位置決め部が設けられている請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置。
  5. 前記取出箇所には、前記ワーク付きハンガー部材を搬出するための台車を配置可能であり、
    前記取出箇所には、前記台車を取り外し可能な状態で連結する連結部が設けられている請求項1〜4のいずれか一項に記載の搬送装置。
JP2018129226A 2018-07-06 2018-07-06 搬送装置 Active JP6988720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018129226A JP6988720B2 (ja) 2018-07-06 2018-07-06 搬送装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018129226A JP6988720B2 (ja) 2018-07-06 2018-07-06 搬送装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020007090A JP2020007090A (ja) 2020-01-16
JP6988720B2 true JP6988720B2 (ja) 2022-01-05

Family

ID=69150343

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018129226A Active JP6988720B2 (ja) 2018-07-06 2018-07-06 搬送装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6988720B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09136715A (ja) * 1995-11-10 1997-05-27 Toyoda Gosei Co Ltd 箱搬送装置
JP4694212B2 (ja) * 2005-01-18 2011-06-08 スペーシア株式会社 物流用棚装置
JP4862305B2 (ja) * 2005-07-12 2012-01-25 日産自動車株式会社 部品供給装置および部品供給システム並びに部品供給方法
JP2008168965A (ja) * 2007-01-09 2008-07-24 Nissan Motor Co Ltd 供給部品の位置決め装置および位置決め方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020007090A (ja) 2020-01-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI344438B (en) Article transport facility
CN101181956B (zh) 物品输送设备
NL2001268C2 (nl) Artikeltransportmiddel.
JP6086122B2 (ja) 前方の荷重を支持するキャスターおよびそのリンクシステムを備える持ち上げ搬送装置
WO2005090136A1 (ja) オーバーヘッドコンベア
CN100354173C (zh) 运送设备
JP5123236B2 (ja) ドア搬送装置
US10633011B2 (en) Carriage
JP6988720B2 (ja) 搬送装置
JP2018034718A (ja) 箱交換装置
WO2006038423A1 (ja) 吊り下げ搬送装置
JP6697106B1 (ja) 揺れ止め機構付のブロック搬送据付装置
JP2020069911A (ja) バッテリーキャリア
JP3169535U (ja) ヘリコプター搬送用台車
JP4867493B2 (ja) コンベア装置
JP5324811B2 (ja) 搬送台車
CN210941817U (zh) 卷筒搬运小车
JP2014058180A (ja) リヤカー
JP4862305B2 (ja) 部品供給装置および部品供給システム並びに部品供給方法
JP2020182390A (ja) 育苗箱並べ装置および育苗箱並べ方法
JP6504007B2 (ja) 箱交換装置
CN215286963U (zh) 用于辅助物料流转的工装及物料流转装置
JP4086028B2 (ja) 吊り下げ搬送装置
JP4450186B2 (ja) 搬送用台車の牽引装置
KR20170100890A (ko) 리프트 캐리어

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211021

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211102

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211115

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6988720

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151