JP6988634B2 - トナー用外添微粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー用外添微粒子の製造方法に関する。
近年、コスト意識や環境意識の高まりから、コピー機やプリンター等の電子写真装置は従来以上に、長期間使用できること求められている。そして、長期間の使用を可能とするための手法の一例として、トナー容器により多くのトナーを充填することが行われている。
トナー容器にトナーを多く充填する手法の一つとして、外添剤をトナーに添加することが知られている。
特許文献1、特許文献2に示されるように、外添剤は、トナーに添加されることで、トナー粒子表面に付着しトナーの帯電性をコントロールする。また特許文献3に示されるようにトナーのクリーニング性を向上させ、トナーの寿命を高める効果を発揮する。
特開2015−3947号公報 特開2015−3946号公報 特開平5−333585号公報
しかしながら、特許文献1に記載のトナー用外添剤おいては、長期間の帯電量維持という面で不十分であった。
また特許文献2に記載のトナー用外添剤おいては、その製造時に添加したアルコールの除去が必要となり工程が煩雑であった。また、特許文献2に記載のトナー用外添剤の帯電性も十分とは言えなかった。
一方、特許文献3に記載のトナー用外添剤においては、製造に重合安定剤及び金属塩のバインダーとして多量のポリビニルアルコールが用いられるため重合に洗浄工程が必要となる等、工程が煩雑であった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、簡便な工程にて良好な帯電性を有するトナー用外添微粒子の製造方法の提供を目的とする。
本発明の一態様に係るトナー用外添微粒子の製造方法は、重合性単量体を、界面活性剤を含まない水媒体中に分散させ共重合し樹脂微粒子を得るソープフリー重合において、極性官能基を持たない第1の重合性単量体と、単官能の極性官能基を有する第2の重合性単量体と、20℃における水への溶解度が0.02質量%未満である第3の重合性単量体と、を含み、前記第1の重合性単量体、前記第2の重合性単量体、および前記第3の重合性単量体の合計100質量%のうち、前記第2の重合性単量体が0.1〜10質量%であり、前記第3の重合性単量体が0.5〜3.0質量%である重合性単量体混合液を準備し、前記重合性単量体混合液を、前記界面活性剤を添加せずに共重合することにより、前記樹脂微粒子の懸濁液を得て、前記樹脂微粒子の前記懸濁液に、アルカリ土類金属を除く多価金属塩化合物を添加する。
前記金属塩化合物が添加された前記樹脂微粒子の前記懸濁液を洗浄せずに乾燥してもよい。
前記極性官能基がアセトアセチル基または、カルボキシル基、スルホ基、およびリン酸基からなる群もしくはその一価金属塩より選ばれた少なくとも1つであってもよい。
上記態様に係るトナー用外添微粒子の製造方法によれば、簡便な工程にて帯電性に優れたトナー用外添微粒子を製造することができる。
以下、好適な実施形態に基づいて、本発明を説明する。
<外添微粒子(B)(トナー用外添微粒子(B))の製造方法>
本発明の一実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法は、重合性単量体のソープフリー重合において、極性官能基を持たない第1の重合性単量体と、単官能の極性官能基を有する第2の重合性単量体と、20℃における水への溶解度が0.02質量%未満である第3の重合性単量体と、を含み、前記第1の重合性単量体、前記第2の重合性単量体、および前記第3の重合性単量体の合計100質量%のうち、前記第2の重合性単量体が0.1〜10質量%であり、前記第3の重合性単量体が0.5〜3.0質量%である重合性単量体混合液を準備し、前記重合性単量体混合液を、界面活性剤を添加せずに共重合を行うことにより、樹脂微粒子の懸濁液を得て、前記樹脂微粒子の前記懸濁液に、アルカリ土類金属を除く多価金属塩化合物を添加する。
換言すれば、第1の重合性単量体、第2の重合性単量体、および第3の重合性単量体を、界面活性剤を添加せずに共重合して得られた樹脂微粒子(A)の懸濁液に、金属塩化合物を添加して、トナー用外添微粒子(B)を製造することができる。
以下、本実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法において使用される各構成要素について、説明する。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の総称であり、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレートおよびアクリレートの総称である。
なお、本実施形態におけるソープフリー重合とは、界面活性剤を用いずに重合を行うことである。
本実施形態では、例えば、重合性単量体を、界面活性剤を含まない水媒体中に分散させて、共重合して、樹脂微粒子を得る重合工程をソープフリー重合と呼ぶことがある。
<極性官能基を持たない重合性単量体(第1の重合性単量体)>
極性官能基を持たない重合性単量体(第1の重合性単量体)は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルやスチレン系単量体が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、極性官能基を持たない重合性単量体(第1の重合性単量体)は、以下に示す難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)とは区別される。
換言すれば、本実施形態において、第1の重合性単量体は、極性官能基を持たない重合性単量体であり、かつ、20℃における水への溶解度が0.02質量%以上の重合性単量体であると定義される。
なお、本明細書において、20℃における水への溶解度とは、20℃において水100gに溶ける溶質の質量(g)の百分率のことである。
本実施形態に係る極性官能基を持たない(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、極性官能基を持たない(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
極性官能基を持たない(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおけるアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。該アルキル基の炭素数は、1〜6が好ましく、1〜4がより好ましい。
極性官能基を持たない(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシルなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るスチレン系単量体としては、例えばスチレン、m−もしくはp−クロロスチレンなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<単官能の極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)>
本実施形態に係る単官能の極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)においては、極性官能基が多価金属イオンと塩を形成し得る官能基である。極性官能基が導入されることにより樹脂微粒子表面に後述の金属塩化合物が化学的に吸着されやすくなるため、ポリビニルアルコールやセルロース等の水溶性高分子を用いることなく金属塩化合物を粒子表面に吸着させることができる。
なお、単官能の極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)は、以下に示す難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)とは区別される。
換言すれば、本実施形態において、第2の重合性単量体は、極性官能基を有する重合性単量体であり、かつ、20℃における水への溶解度が0.02質量%以上の重合性単量体であると定義される。
本実施形態に係る単官能の極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)においては、例えば、アセトアセチル基または、カルボキシル基、スルホ基およびリン酸基からなる群もしくはその一価金属塩より選ばれた少なくとも1つであることが好ましい。
例えば、上記単官能の極性官能基を有する重合性単量体をトナー用外添微粒子に用いた場合、トナーが負に帯電し、負電荷にて帯電性を確保することができる。
一方、極性官能基を有する重合性単量体が単官能でない場合、例えば、マレイン酸等の二官能以上である場合、トナー用外添微粒子として二官能以上の極性官能基を有する重合性単量体を用いると、外添微粒子の帯電量が低下してしまう。
単官能の極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)としては、例えば、アセトアセチル基または、カルボキシル基、スルホ基およびリン酸基からなる群もしくはその一価金属塩含有単量体が挙げられる。
アセトアセチル基含有単量体としては、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、β−カルボキシエチルアクリレート、4−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スルホ基含有単量体としては、例えば、2−アクリルアミド−2− メチルプロパンスルホン酸、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、p−スチレンスルホン酸リチウム、p−スチレンスルホン酸アンモニウムなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
リン酸基含有単量体としては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートなどが挙げられる。
これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)>
本実施形態に係る難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)は、20℃における水への溶解度が0.02質量%未満の重合性単量体である。
本実施形態に係る難水溶性重合性単量体は、極性官能基を有していてもよく、極性官能基を有していなくてもよく、20℃における水への溶解度が0.02質量%未満であればよい。また、ここで言う難水溶性単量体とは、重合の際、高分子鎖に組み込まれるものであればよく、重合速度が著しく低いものも含まれる。
換言すれば、20℃における水への溶解度が0.02質量%未満であるという点において、難水溶性重合性単量体(第3の重合性単量体)は、上記第1の重合性単量体および上記第2の重合性単量体とは、区別される。
難水溶性重合性単量体を用いた場合、界面活性剤を用いずに、第1の重合性単量体および第2の重合性単量体の安定したソープフリー重合が可能となる。
難水溶解性重合性単量体としては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン、o−、m−、p−メチルスチレンもしくはα-メチルスチレンダイマーが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法によれば、界面活性剤を用いずに、難水溶解性重合性単量体を用いることにより、第1の重合性単量体および第2の重合性単量体の安定したソープフリー重合が可能になる。
なお、第1〜第3の重合性単量体の20℃における水の溶解度の関係は、以下の通りである。
難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)<極性官能基を持たない重合性単量体(第1の重合性単量体)<極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)
すなわち、第1〜第3の重合性単量体のうち難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)が最も水に溶けにくい。
また、極性官能基を持たない重合性単量体(第1の重合性単量体)は、難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)よりも、20℃において水に溶けやすい。
さらに、極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)は、極性官能基を持たない重合性単量体(第1の重合性単量体)よりも、20℃において水に溶けやすい。
本実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法において、第1の重合性単量体と、第2の重合性単量体と、第3の重合性単量体とから構成される重合性単量体混合液において、第1の重合性単量体、第2の重合性単量体、および、第3の重合性単量体の合計を100質量%としたとき、第1の重合性単量体の含有率は、87.0質量%〜99.4質量%である。
また、本実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法において、第1の重合性単量体と、第2の重合性単量体と、第3の重合性単量体とから構成される重合性単量体混合液において、第1の重合性単量体、第2の重合性単量体、および、第3の重合性単量体の合計を100質量%としたとき、第2の重合性単量体の含有率は、0.1質量%〜10質量%である。
さらに、本実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法において、第1の重合性単量体と、第2の重合性単量体と、第3の重合性単量体とから構成される重合性単量体混合液において、第1の重合性単量体、第2の重合性単量体、および、第3の重合性単量体の合計を100質量%としたとき、第3の重合性単量体の含有率は、0.5〜3.0質量%である。
<重合開始剤>
重合に用いられる重合開始剤(以下、単に開始剤ともいう。)としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン)水和物などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上併用してもよい。開始剤の使用量は、重合する単量体の合計100質量部に対して0.05〜3.0質量部が好ましく、0.2〜2.0質量部がより好ましい。
重合の際、前記の開始剤以外に、公知の各種添加剤を用いてもよい。
<樹脂微粒子(A)>
本実施形態に係る樹脂微粒子(A)は、上記第1〜第3の重合性単量体を、界面活性剤(乳化剤)を添加せずに、ソープフリー重合することによって樹脂微粒子(A)の懸濁液である共重合体エマルション(樹脂微粒子(A)を含む共重合体エマルション)として得ることが出来る。
樹脂微粒子(A)を構成する共重合体の数平均分子量は、特に限定されないが、通常、10,000〜200,000であり、20,000〜150,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲の下限値以上であれば樹脂微粒子の耐久性がより優れる。数平均分子量が前記範囲の上限値以下であればトナーへの付着性がより優れる。共重合体の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算の値である。
樹脂微粒子(A)を構成する共重合体のガラス転移温度は、特に限定されないが、通常、70℃〜120℃であり、80〜110℃が好ましい。ガラス転移温度が前記範囲の下限値以上であればブロッキングが起こりにくく、上限値以下であれば低温定着性が優れる。共重合体のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により測定される値である。
<多価金属塩化合物(アルカリ土類金属を除く)>
本実施形態に係る多価金属塩化合物(アルカリ土類金属を除く多価金属塩化合物)としては、例えば金属の硫酸塩、硝酸塩、蓚酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、リン酸塩、および金属の塩化物のうち少なくとも1つが挙げられる。
金属塩化合物を形成する多価金属としては、例えば、鉄、コバルト、クロム、亜鉛、スズ、ニッケル、マンガンなどが挙げられる。
なお、本実施形態に係る金属塩化合物としては、上記の条件を満たせば特に限定されないが、酢酸クロム、塩化亜鉛などを用いてもよい。
金属塩化合物は、第1〜第3の重合性単量体を共重合して得た樹脂微粒子(A)の懸濁液(共重合体エマルジョン)に対して、0.1〜10質量%となるように、添加することが好ましい。
第1〜第3の重合性単量体を共重合して得た樹脂微粒子(A)の懸濁液に対し、上記範囲(0.1〜10重量%)で金属塩化合物を加えた際に、負の電荷による十分な帯電量が得られ、外添微粒子をトナーに用いた際に、経時で現像性が悪化しにくいトナーが得られる。
<外添微粒子(B)(トナー用外添微粒子(B))>
本実施形態に係る外添微粒子(B)は、例えば、上記樹脂微粒子(A)の懸濁液である共重合体エマルションに、上記金属塩化合物水溶液を加えて、攪拌し、樹脂微粒子(A)と金属塩化合物の混合エマルションを得た後に、この混合エマルションを乾燥し、解砕することにより得ることができる。
外添剤は、トナー粒子表面に付着しトナーの流動性を高め、スペーサーとして働くためブロッキングも防止する。また、外添剤は、トナーの帯電性もコントロールする。
従来のように、外添剤に界面活性剤(乳化剤)を用いた場合、帯電性が低下し、現像性が悪化するおそれがある。
一方、本発明の一実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法によれば、界面活性剤(乳化剤)を用いずに、外添微粒子(B)を安定的に製造できる。
そのため、本実施形態に係るトナー用外添微粒子の製造方法により得られた外添微粒子(B)をトナーに用いることで、外添剤が良好な帯電性を有することから、トナーの帯電性も良好に保たれ、帯電性の低下が抑制される。
なお、本実施形態に係る外添微粒子(B)の製造方法によれば、金属塩化合物が添加された樹脂微粒子の懸濁液を洗浄せずに乾燥して、外添微粒子(B)を得ることができる。
通常、界面活性剤(乳化剤)を用いた外添剤の製造方法によれば、界面活性剤(乳化剤)を洗浄する工程が必要になる他、樹脂微粒子にポリビニルアルコール等の水溶性高分子をバインダーとして金属成分を付着させた場合にも余剰なポリビニルアルコール等の水溶性高分子を洗浄する工程が必要となる。
一方、本実施形態に係る外添微粒子(B)の製造方法によれば、ソープフリーな方法であるため、界面活性剤(乳化剤)の洗浄工程が必要とならず、またポリビニルアルコール等の水溶性高分子を洗浄する工程も簡略化できる点で有用である。
<帯電性>
トナー用外添微粒子の帯電量は、例えば、カスケード式帯電量測定に得られた値を用いることができ、−0.3×10−1μC/g以下であれば、トナーに添加して用いた際に十分な帯電性が得られ、十分に負に帯電していると判断される。
例えば、トナー用外添微粒子の帯電量が、−0.3×10−1μC/g以下であれば、帯電性が良好であり、外添剤をトナーに用いた場合においてトナーが長時間撹拌されても現像性が悪化しにくい。
<粒子径(平均粒子径)>
外添微粒子(B)の平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、0.05〜1.0μmであってもよく、0.1〜0.8μmが好ましい。
外添剤(B)の平均粒子径を0.8μmより大きくするとトナー表面から脱離しやすく、帯電量が低下することで現像性を悪化させる。
外添微粒子(B)の平均粒子径が0.1μm以上であるとスペーサーとしての機能が十分となりブロッキングが発生しにくくなる。
外添微粒子(B)の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて測定される値である。
<トナー>
本実施形態に係るトナーは、結着剤を含むトナー母粒子と、本実施形態に係るトナー用外添微粒子(B)とを含む。
外添微粒子(B)は、外添剤であり、トナー母粒子の表面に付着させて使用される。
本実施形態に係るトナーは、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、外添微粒子(B)以外の他の外添剤をさらに含んでもよい。
以下、実施例によって上記した効果についてより具体的に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されない。
樹脂微粒子(A−1)の製造例を以下に示す。
(製造例1)
樹脂微粒子(A−1)
撹拌機、コンデンサ、温度計、窒素導入管を付した4口フラスコに、イオン交換水400質量%、極性官能基を持たない重合性単量体(第1の重合性単量体)としてメタクリル酸メチル(MMA)98.9質量%、極性官能基を有する重合性単量体(第2の重合性単量体)として2−アクリロイロキシエチルフタル酸(ライトアクリレートHOA−MPL(N):共栄社化学製)0.1質量%、および、難水溶解性重合性単量体(第3の重合性単量体)として2−エチルヘキシルアクリレート(2−EHA)1.0質量%を入れた後、窒素下で75℃まで昇温し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.0質量%とイオン交換水10質量%を加え、75℃で3時間反応させた。その後、85℃まで昇温し、さらに3時間撹拌して樹脂微粒子(A−1)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
表1に、製造例1の各成分の比率を示す。
(製造例2〜19)
樹脂微粒子(A−2〜A−15)、および、樹脂(A−16〜A−19)
極性官能基を持たない重合性単量体、極性官能基を有する重合性単量体、および、難水溶性重合性単量体をそれぞれ表1および表2に記載のとおりに変更した以外は製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−2〜A−15)、および、樹脂(A−16〜A−19)を得た。
以下に各製造例について詳細に説明する。
(製造例2)
樹脂微粒子(A−2)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を98.5質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を0.5質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−2)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例3)
樹脂微粒子(A−3)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を98.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−3)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例4)
樹脂微粒子(A−4)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を98.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体として、2−アクリロイロキシエチルフタル酸に代えて2−アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEM:日本合成化学工業製)を用い、AAEMの量を1.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−4)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例5)
樹脂微粒子(A−5)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を98.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体として、2−アクリロイロキシエチルフタル酸に代えて2−アクリロイロキシエチル−コハク酸(HOA−MS:共栄社化学製)を用い、HOA−MSの量を1.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−5)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例6)
樹脂微粒子(A−6)
極性官能基を持たない重合性単量体として、メタクリル酸メチルおよびスチレンを用い、メタクリル酸メチルの量を49.0質量%とし、スチレンの量を49.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体としての2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−6)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例7)
樹脂微粒子(A−7)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を94.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を5.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−7)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例8)
樹脂微粒子(A−8)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を89.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を10.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−8)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例9)
樹脂微粒子(A−9)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を98.5質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とし、難水溶性重合性単量体である2−エチルヘキシルアクリレートの量を0.5質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−9)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例10)
樹脂微粒子(A−10)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を97.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とし、難水溶性重合性単量体である2−エチルヘキシルアクリレートの量を2.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−10)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例11)
樹脂微粒子(A−11)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を96.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とし、難水溶性重合性単量体である2−エチルヘキシルアクリレートの量を3.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−11)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例12)
樹脂微粒子(A−12)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を99.0質量%とし、極性官能基を有する重合性単量体である2−アクリロイロキシエチルフタル酸を添加しない(2−アクリロイロキシエチルフタル酸添加量0質量%とした)他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−12)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例13)
樹脂微粒子(A−13)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を98.0質量%とし、2−アクリロイロキシエチルフタル酸に代えて、二官能の極性官能基を有するマレイン酸を用い、マレイン酸の量を1.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−13)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例14)
樹脂微粒子(A−14)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を99.0質量%とし、2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とし、難水溶性重合性単量体である2−エチルヘキシルアクリレートを添加せず(2−エチルヘキシルアクリレートの量を0質量%とした)、界面活性剤(乳化剤)であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(DBS)を用い、DBSの量を1.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−14)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例15)
樹脂微粒子(A−15)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を99.0質量%とし、2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とし、難水溶性重合性単量体である2−エチルヘキシルアクリレートを添加せず(2−エチルヘキシルアクリレートの量を0質量%とした)ポリビニルアルコール(PVA)を用い、PVAの量を1.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂微粒子(A−15)の懸濁液である共重合体エマルションを得た。
(製造例16)
樹脂(A−16)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を87.0質量%とし、2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を12.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂(A−16)を得た。
製造例16の組成においては、重合が不安定となり、樹脂の塊が得られるか、または、樹脂が個別の粒子として形成されなかった。
(製造例17)
樹脂(A−17)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を98.8質量%とし、2−アクリロイロキシエチルフタル酸を1.0質量%とし、2−エチルヘキシルアクリレートの量を0.2質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂(A−17)を得た。
製造例17の組成においては、重合が不安定となり、樹脂の塊が得られるか、または、樹脂が個別の粒子として形成されなかった。
(製造例18)
樹脂(A−18)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を94.0質量%とし、2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とし、2−エチルヘキシルアクリレートの量を5.0質量%とした他は、製造例1と同様にして樹脂(A−18)を得た。
製造例18の組成においては、重合が不安定となり、樹脂の塊が得られるか、または、樹脂が個別の粒子として形成されなかった。
(製造例19)
樹脂(A−19)
極性官能基を持たない重合性単量体であるメタクリル酸メチルの量を99.0質量%とし、2−アクリロイロキシエチルフタル酸の量を1.0質量%とし、2−エチルヘキシルアクリレートを添加しない(2−エチルヘキシルアクリレートの量を0質量%とした)他は、製造例1と同様にして樹脂(A−19)を得た。
製造例19の組成においては、重合が不安定となり、樹脂の塊が得られるか、または、樹脂が個別の粒子として形成されなかった。
次に、製造例1〜19のうち、樹脂微粒子が形成された製造例1〜15に係る樹脂微粒子(A−2)〜(A−15)の懸濁液である共重合体エマルションを用いて、実施例および比較例に係る外添微粒子を調製し、帯電性評価に用いた。
実施例および比較例に係る外添微粒子の組成、ならびに、実施例および比較例に係る外添微粒子の帯電量の結果を表3および表4に示す。
各実施例および各比較例について、以下に詳細に示す。
[実施例1]
<外添微粒子(B−1)の製造、および、帯電性評価>
上記製造例1で得られた樹脂微粒子(A−1)の懸濁液である共重合体エマルションに、金属塩化合物として酢酸クロム0.1質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を室温下にて加えて1時間攪拌し、共重合体−酢酸クロム混合エマルションを得た。
この共重合体−酢酸混合エマルションをスプレードライヤー(大川原化工機製)で乾燥し、解砕機で解砕して外添微粒子(B−1)を得た。
乾燥して得られた外添微粒子(B−1)の帯電量を測定した。
外添微粒子の帯電量の測定は、外添剤微粒子(B−1)を固形分濃度が10%となるようにメチルエチルケトンで分散させ、その分散液を傾斜帯電量測定用のSUS板に均一に塗り、80℃ のオーブンで15分乾燥後、140℃のオーブンで30分乾燥することで傾斜帯電量測定用試料板を作製し、カスケード式帯電量測定法(TS−100AS:東芝ケミカル製)を用いて測定した。
なお、カスケード式帯電量測定法を用いて得られた帯電量の値が−0.3×10−1μC/g以下であれば、トナー用外添微粒子において十分な帯電量(負の電荷)を有していると判断し、合格とした。
[実施例2]
<外添微粒子(B−2)の製造、および、帯電性評価>
上記製造例2で得られた樹脂微粒子(A−2)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム0.5質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−2)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−2)の帯電量を測定した。
[実施例3]
<外添微粒子(B−3)の製造、および、帯電性評価>
製造例3に係る樹脂微粒子(A−3)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−3)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−3)の帯電量を測定した。
[実施例4]
<外添微粒子(B−4)の製造、および、帯電性評価>
製造例4に係る樹脂微粒子(A−4)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−4)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−4)の帯電量を測定した。
[実施例5]
<外添微粒子(B−5)の製造、および、帯電性評価>
製造例5に係る樹脂微粒子(A−5)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−5)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−5)の帯電量を測定した。
[実施例6]
<外添微粒子(B−6)の製造、および、帯電性評価>
製造例6に係る樹脂微粒子(A−6)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−6)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−6)の帯電量を測定した。
[実施例7]
<外添微粒子(B−7)の製造、および、帯電性評価> 製造例7に係る樹脂微粒子(A−7)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム5.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−7)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−7)の帯電量を測定した。
[実施例8]
<外添微粒子(B−8)の製造、および、帯電性評価>
製造例8に係る樹脂微粒子(A−8)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム10.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−8)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−8)の帯電量を測定した。
[実施例9]
<外添微粒子(B−9)の製造、および、帯電性評価>
製造例9に係る樹脂微粒子(A−9)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−9)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−9)の帯電量を測定した。
[実施例10]
<外添微粒子(B−10)の製造、および、帯電性評価>
製造例10に係る樹脂微粒子(A−10)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−10)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−10)の帯電量を測定した。
[実施例11]
<外添微粒子(B−11)の製造、および、帯電性評価>
製造例11に係る樹脂微粒子(A−11)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−11)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−11)の帯電量を測定した。
[実施例12]
<外添微粒子(B−12)の製造、および、帯電性評価>
製造例3に係る樹脂微粒子(A−3)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として塩化亜鉛1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−12)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−12)の帯電量を測定した。
[実施例13]
<外添微粒子(B−13)の製造、および、帯電性評価>
製造例11に係る樹脂微粒子(A−11)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として塩化亜鉛1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(B−13)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(B−13)の帯電量を測定した。
[比較例1]
<外添微粒子(C−1)の製造、および、帯電性評価>
製造例12に係る樹脂微粒子(A−12)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(C−1)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(C−1)の帯電量を測定した。
[比較例2]
<外添微粒子(C−2)の製造、および、帯電性評価>
製造例3に係る樹脂微粒子(A−3)の懸濁液である共重合体エマルションを、酢酸クロム水溶液を添加せずに、スプレードライヤー(大川原化工機製)で乾燥し、解砕機で解砕して外添微粒子(C−2)を得た。
換言すれば、樹脂微粒子(A−3)の懸濁液である共重合体エマルションには、金属塩化合物を加えずに、外添微粒子(C−2)を形成した。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(C−2)の帯電量を測定した。
[比較例3]
<外添微粒子(C−3)の製造、および、帯電性評価>
製造例13に係る樹脂微粒子(A−13)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(C−3)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(C−3)の帯電量を測定した。
[比較例4]
<外添微粒子(C−4)の製造、および、帯電性評価>
製造例3に係る樹脂微粒子(A−3)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として硝酸カルシウム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(C−4)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(C−4)の帯電量を測定した。
[比較例5]
<外添微粒子(C−5)の製造、および、帯電性評価>
製造例14に係る樹脂微粒子(A−14)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(C−5)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(C−5)の帯電量を測定した。
[比較例6]
<外添微粒子(C−6)の製造、および、帯電性評価>
製造例15に係る樹脂微粒子(A−15)の懸濁液である共重合体エマルション、および、金属塩化合物として酢酸クロム1.0質量%をイオン交換水20質量%に溶解した溶液を用いた他は、実施例1と同様の手法にて、外添微粒子(C−6)を得た。
実施例1と同様に、乾燥して得られた外添微粒子(C−6)の帯電量を測定した。
Figure 0006988634
Figure 0006988634
なお、表1および表2に記載した化合物の略称は、以下の化合物に対応している。
MMA:メタクリル酸メチル(メチルメタクリレート)
HOA−MPL(N):2−アクリロイロキシエチルフタル酸
HOA−MS:2−アクリロイロキシエチル−コハク酸
AAEM:2−アセトアセトキシエチルメタクリレート
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
PVA:ポリビニルアルコール
APS:過硫酸アンモニウム
また、表1および表2に記載した略称は、以下のように対応する。
「単量体」:極性官能基を持たない重合性単量体
「極性官能基単量体」:極性官能基を有する重合性単量体
「難溶性単量体」:難水溶性重合性単量体
Figure 0006988634
Figure 0006988634
以上に示すように、実施例1〜11に係る外添微粒子は、いずれもカスケード式帯電量測定法を用いて得られた帯電量の値が−0.3×10−1μC/g以下であり、トナー用外添微粒子において十分な帯電量(負の電荷)を有しており、良好な結果が得られた。
金属塩化合物として、酢酸クロムの添加量が0.1〜10.0質量となるように用いた際に、外添微粒子に添加する酢酸クロムの量が多いほど、負の電荷を有する傾向にあり、帯電量が良好となった。
一方、単官能の極性官能基を有する2−アクリロイロキシエチルフタル酸を含まずに、樹脂微粒子(A−12)を用いた比較例1に係る外添微粒子(C−1)は、金属塩化合物である酢酸クロムを添加しても帯電量が−0.3×10−1μC/gよりも高い値となった。すなわち、比較例1に係る外添微粒子(C−1)は十分に負に帯電しなかった。
また、樹脂微粒子(A−3)を用い、金属塩化合物を含まずに調製した比較例2に係る外添微粒子(C−2)は、帯電量が−0.3×10−1μC/gよりも高い値となった。すなわち、比較例2に係る外添微粒子(C−2)は十分に負に帯電しなかった。
また、二官能の極性官能基を有するマレイン酸を用いて調製した樹脂微粒子(A−13)を用いた比較例3に係る外添微粒子(C−3)は、帯電量が−0.3×10−1μC/gより高い値となった。すなわち、比較例3に係る外添微粒子(C−3)は十分に負に帯電しなかった。
また、樹脂微粒子(A−3)を用い、金属塩化合物として、アルカリ土類金属の塩である硝酸カルシウムを用いた比較例4に係る外添微粒子(C−4)は、帯電量が−0.3×10−1μC/gより高い値となった。すなわち、比較例4に係る外添微粒子(C−4)は十分に負に帯電しなかった。
また、難水溶性重合性単量体である2−エチルヘキシルアクリレートを添加せず、界面活性剤(乳化剤)であるドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いて調製した樹脂微粒子(A−14)を用いた比較例5に係る外添微粒子(C−5)は、帯電量が−0.3×10−1μC/gより高い値となった。すなわち、比較例5に係る外添微粒子(C−5)は十分に負に帯電しなかった。
さらに、難水溶性重合性単量体である2−エチルヘキシルアクリレートを添加せず、ポリビニルアルコールを用いて調製した樹脂微粒子(A−15)を用いた比較例6に係る外添微粒子(C−6)は、帯電量が−0.3×10−1μC/gより高い値となった。すなわち、比較例6に係る外添微粒子(C−6)は十分に負に帯電しなかった。
また、第1〜第3の重合性単量体の合計に対して、2−アクリロイロキシエチルフタル酸を12.0質量%となるように添加した製造例16では、重合が不安定となり、樹脂を個別の粒子として得ることが出来なかった。
また、第1〜第3の重合性単量体の合計に対して、2−エチルヘキシルアクリレートを0.2質量%となるように添加した製造例17では、重合が不安定となり、樹脂を個別の粒子として得ることが出来なかった。
また、第1〜第3の重合性単量体の合計に対して、2−エチルヘキシルアクリレートを5.0質量%となるように添加した製造例18では、重合が不安定となり、樹脂を個別の粒子として得ることが出来なかった。
また、2−エチルヘキシルアクリレートを用いなかった製造例19では、重合が不安定となり、樹脂を個別の粒子として得ることが出来なかった。
実施例1〜13および比較例1〜6の結果によれば、(1)極性官能基を持たない第1の重合性単量体と、単官能の極性官能基を有する第2の重合性単量体と、20℃における水への溶解度が0.02質量%未満である第3の重合性単量体と、を含む重合性単量体混合液において、第1〜第3の重合性単量体の合計100質量%のうち、第2の重合性単量体が0.1〜10質量%であり、第3の重合性単量体が0.5〜3.0質量となるように調整し、当該重合性単量体混合液を、界面活性剤を含まない水媒体中に分散させ共重合し(ソープフリー重合)、かつ、(2)ソープフリー重合により得られた樹脂微粒子の懸濁液に、特定の金属塩化合物を添加した場合に得られた外添微粒子は、トナー用外添微粒子として十分な帯電量(負の電荷)を有する傾向が観察された。
上述の実施形態に係る外添微粒子によれば、帯電性が良好で長時間撹拌されても現像性が悪化しにくいトナーが得られる。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
本発明の良好な帯電性を有する外添微粒子は、トナー用の外添剤として有用である。

Claims (3)

  1. トナー用外添微粒子の製造方法であって、
    下記第1の重合性単量体、下記第2の重合性単量体及び下記第3の重合性単量体を、界面活性剤を含まない水媒体中に分散させ共重合し樹脂微粒子を得るソープフリー重合において、
    アセトアセチル基または、カルボキシル基、スルホ基、およびリン酸基からなる群もしくはその一価金属塩より選ばれた少なくとも1つの極性官能基を持たない第1の重合性単量体と、
    アセトアセチル基または、カルボキシル基、スルホ基、およびリン酸基からなる群もしくはその一価金属塩より選ばれた単官能の極性官能基を有する第2の重合性単量体と、
    20℃における水への溶解度が0.02質量%未満であり、前記第1の重合性単量体及び前記第2の重合性単量体の20℃における水への溶解度よりも低い、第3の重合性単量体と、からなる重合性単量体混合液を準備し
    前記第1の重合性単量体、前記第2の重合性単量体、および前記第3の重合性単量体の合計100質量%のうち、前記第1の重合性単量体の含有率が87.0質量%〜99.4質量%であり、前記第2の重合性単量体の含有率が0.1〜10質量%であり、前記第3の重合性単量体の含有率が0.5〜3.0質量%であ
    前記重合性単量体混合液を、前記水媒体中に分散させ、前記界面活性剤を添加せずに共重合することにより、前記樹脂微粒子の懸濁液を得て、
    前記樹脂微粒子の前記懸濁液に、アルカリ土類金属を除く多価金属塩化合物を添加する、トナー用外添微粒子の製造方法。
  2. 前記多価金属塩化合物が添加された前記樹脂微粒子の前記懸濁液を洗浄せずに乾燥する、請求項1に記載のトナー用外添微粒子の製造方法。
  3. 前記第3の重合性単量体が、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、α−メチルスチレン、及びo−、m−、p−メチルスチレンもしくはα−メチルスチレンダイマーから任意に選択される1種以上である、請求項1または2に記載のトナー用外添微粒子の製造方法。
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