JP6988002B2 - 超音波内視鏡用バルーン、これを備えた超音波内視鏡及びその製造方法 - Google Patents

超音波内視鏡用バルーン、これを備えた超音波内視鏡及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、超音波内視鏡用バルーン、これを備えた超音波内視鏡及びその製造方法に関する。
超音波内視鏡は、内視鏡挿入部の先端部に超音波送受信部を有し、体内から超音波診断を行う医療機器である。超音波送受信部は超音波を発生し、この超音波が被検体に当たって生じるエコーを超音波送受信部で受信する。受信された超音波エコーは画像化され、被検体の表面及び深部の状態の診断等が行われる。
超音波送受信部における超音波の送受信において、超音波送受信部と被検体の観察部位との間に空気が介在していると、超音波が減衰し、画像生成に必要な超音波エコーを十分に得ることが難しくなる。この超音波の減衰を軽減するため、超音波内視鏡の挿入部に配された超音波送受信部を覆うように伸縮性を有するバルーンが着脱自在に取り付けられる。内視鏡挿入部とバルーンとで形成される空間(バルーン内部空間)に水などの液状物質を充填することにより、バルーンが膨張して観察部位に密着し、空気による超音波の減衰を抑制することができる。
内視鏡挿入部へのバルーンの取り付けは、バルーンの両端に形成した肉厚のビード部を、内視鏡挿入部に設けた溝に嵌め込むことにより行われる。また、バルーンの構成材料としては、天然ゴム、合成エラストマー等の種々の弾性部材の使用が検討されている(例えば特許文献1)。
特開2017−113143号公報
バルーンの構成材料としては、機械的物性の観点からは天然ゴムが多用されている。しかし、天然ゴムはいわゆるラテックスアレルギーを引き起こす原因となる。また、天然ゴム製のバルーンでは、出荷時にバルーン同士の接着を抑制するために接着防止剤としてコーンスターチが用いられている。しかし、このコーンスターチもアレルギーの原因物質となり得る。
これらのアレルギーの発症リスクを抑えるには、合成エラストマーを構成材料とするバルーンに切り替える必要がある。しかし、本発明者らが合成エラストマーにより形成したバルーンについて検討を重ねたところ、合成エラストマーにより形成したバルーンは天然ゴム製のものと比較して機械的物性に劣る傾向があり、例えば、内視鏡挿入部への装着の際、あるいはバルーン内部空間に水を充填した際などに、バルーンが破れやすい傾向にあることがわかってきた。
そこで本発明は、合成エラストマーにより形成されアレルギーを発症しにくい超音波内視鏡用バルーンであって、内視鏡挿入部に強固に固定化することができ、この固定化状態において破れにくい超音波内視鏡用バルーンを提供することを課題とする。また本発明は、この超音波内視鏡用バルーンを備えた超音波内視鏡を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、合成エラストマーにより形成した超音波内視鏡用バルーンであっても、バルーンを固定するために内視鏡挿入部に設けられたビード部取り付け溝の幅と、この溝に取り付けられるバルーンのビード部の外径とを特定の関係とし、さらに、バルーンのビード部により囲まれた孔の内径と、内視鏡挿入部のバルーンが装着される部分の外径とを特定の関係とすることにより、内視鏡挿入部にバルーンを強固に固定化しながら、この固定化状態におけるバルーンの機械的物性も高めることができることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
すなわち、本発明の上記の課題は下記の手段により解決された。
〔1〕
合成エラストマーにより形成された超音波内視鏡用バルーンであって、
上記バルーンのビード部の幅Wと、上記バルーンを固定するために超音波内視鏡挿入部に設けられたビード部取り付け溝の幅Xとの関係を1.1≦W/X≦2.5とし、かつ、
上記バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yと、上記超音波内視鏡挿入部の上記ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径Zとの関係を0.30≦Y/Z≦0.55として用いる、超音波内視鏡用バルーン。
〔2〕
上記合成エラストマーが、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種である、〔1〕に記載の超音波内視鏡用バルーン。
〔3〕
上記合成エラストマーがオレフィン系エラストマーの少なくとも1種を含む、〔1〕又は〔2〕に記載の超音波内視鏡用バルーン。
〔4〕
上記合成エラストマーがイソプレンゴムを含む、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の超音波内視鏡用バルーン。
〔5〕
上記超音波内視鏡用バルーンが少なくとも外側表面にコーティング層を有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の超音波内視鏡用バルーン。
〔6〕
上記コーティング層が、上記超音波内視鏡用バルーンを形成する合成エラストマーとは異なる合成エラストマーにより形成されている、〔5〕に記載の超音波内視鏡用バルーン。
〔7〕
上記コーティング層の形成に用いる合成エラストマーが、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種である、〔6〕に記載の超音波内視鏡用バルーン。
〔8〕
上記コーティング層の形成に用いる合成エラストマーが、ポリウレタン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種である、〔6〕又は〔7〕に記載の超音波内視鏡用バルーン。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の超音波内視鏡用バルーンを備えた超音波内視鏡。
〔10〕
内視鏡挿入部の超音波送受信部を覆ってバルーンが装着された超音波内視鏡の製造方法であって、下記(a)及び(b)を満たす関係にあるバルーンと超音波内視鏡とを用意し、この超音波内視鏡の挿入部に上記バルーンを装着することを含む、バルーン付超音波内視鏡の製造方法:
(a)上記バルーンのビード部の外径Wと、上記バルーンを固定するために超音波内視鏡挿入部に設けられたビード部取り付け溝の幅Xとの関係が、1.1≦W/X≦2.5;
(b)上記バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yと、上記超音波内視鏡挿入部の上記ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径Zとの関係が、0.30≦Y/Z≦0.55。
本発明の説明において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の超音波内視鏡用バルーンは、アレルギーの原因となりにくい合成エラストマーにより形成され、内視鏡挿入部に強固に固定化することができ、また、この固定化状態において破れにくく機械的物性に優れる。また、本発明の超音波内視鏡は、内視鏡挿入部の超音波送受信部を覆うように本発明の超音波内視鏡用バルーンを備え、超音波内視鏡を用いた診断等を安定して、かつ効率的に行うことを可能とする。
本発明のバルーンが装着される超音波内視鏡の構成を示す外観図である。 図1に示す超音波内視鏡の先端部の構成を示す部分断面図である。 本発明のバルーンの一例を示す外観図である。 図3に示すバルーンの断面図である。 図2に示す超音波内視鏡の先端部にバルーンが装着された状態を示す部分断面図である。
本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して以下に説明する。なお、各図面に示される形態は、本発明の理解を容易にするための模式図であり、各部材のサイズないし相対的な大小関係等は説明の便宜上大小を変えている場合があり、実際の関係をそのまま示すものではない。また、本発明で規定する事項以外はこれらの図面に示された外形、形状に限定されるものでもない。
[超音波内視鏡用バルーン]
本発明の超音波内視鏡用バルーン(以下、単に「本発明のバルーン」とも称す。)は、超音波内視鏡の挿入部に配された超音波送受信部を覆って装着され、その状態でバルーン内部空間に水などの液状物質が充填され、超音波送受信時における超音波の減衰を抑制するための部材である。
図1に本発明のバルーンが装着される超音波内視鏡の一例について、その外観(基本構成)を示す。図1に示した例において、超音波内視鏡2は、体腔内に挿入される挿入部3と、挿入部3の基端部分に連設された本体操作部5と、プロセッサ装置や光源装置に接続されるユニバーサルコード6とを備えている。挿入部3は、本体操作部5に連設される可撓管3aと、そこに連設されるアングル部3bと、その先端に連設される先端部3cとから構成される。この先端部3cには、体腔内撮影用の超音波トランデューサ(図示せず)が内蔵されている。
図2には、図1に示す超音波内視鏡の挿入部3のうち、バルーンが装着される先端部3cの構成を部分断面図として示す。この先端部3cは超音波送受信部11を有し、この超音波送受信部を覆ってバルーンを装着するためのビード部取り付け溝12a、12bが設けられている。また、バルーンを装着して形成されるバルーン内部空間に充填される液が流通する管路13を有している。なお、ビード部取り付け溝12a及び12bに沿って切断した先端部の各断面は、先端部3cの中心軸に対して通常は垂直の面となる。
超音波送受信部11には、電気信号と超音波とを相互に変換する超音波トランデューサ14が配されている。超音波トランデューサ14は、例えば、円柱状の挿入部3の中心軸のまわりに、円周方向に並んで複数の素子が配設されたラジアル走査型の形態とすることができる。
図2に示すビード部取り付け溝12a、12bの幅(図2中のX)が、本発明で規定する「幅X」であり、図2に示すビード部取り付け溝12a及び12bの各溝において、溝の壁面の最上部により囲まれた部分の外径(図2中のZ)が、本発明で規定する「外径Z」である。「溝の壁面の最上部」は、図2に示すように、ビード部取り付け溝の形成のために、先端部3cの表面からビード部取り付け溝の底部に向けて落ち込みが開始する部分である。
幅Xは、ビード部取り付け溝の2つの側面が互いに平行に形成されている部分における、2つの側面間の距離を意味する。少なくともビード部取り付け溝の2つの側面が互いに平行に形成されている部分には、バルーンのビード部が嵌め込まれることになる。
なお、先端部3cの断面は通常は円形であり、したがってビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分(ビード部取り付け溝の壁面最上部に沿って先端部3cを切断した断面)も通常は円形である。ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分が円形でない場合には、「外径Z」は円相当径を意味する。この「円相当径」は、ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の面積に相当する、真円の直径を意味する。
本発明のバルーンの一例について、その外観を図3に、断面図を図4に示す。バルーン20は、略円筒状に成形され、その内に挿入部3の先端部3cを挿通させて、先端部3cに取り付けられる。バルーン20は、その両端に肉厚な環状のビード部21a、21bを有し、このビード部21a、21bをそれぞれビード部取り付け溝12a、12b(図2参照)に水密に取り付け、先端部3cに固定される。
本発明で規定する「ビード部の幅W」及び「バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Y」を図4に示す。ここで、ビード部は、内視鏡挿入部に設けられたビード部取り付け溝において、2つの側面が互いに平行に形成されている部分に挿入される。これら2つの側面に対して垂直方向に対応するビード部の最大幅が、ビード部の幅Wである。また、内径Yは、バルーンを円筒状にして自立させた状態(バルーンの孔の中心軸方向を横方向として静置した状態を意味する。以下同様。)における、バルーンのビード部により囲まれた孔の内径を意味する。バルーンのビード部により囲まれた孔が円形でない場合には、内径Yは円相当径とする。この「円相当径」は、バルーンのビード部により囲まれた孔の面積に相当する、真円の直径を意味する。
図5は、超音波内視鏡の先端部3cにバルーン20が装着された状態を示す部分断面図である。バルーン20の両端に設けられたビード部21a、21bが、超音波送受信部を有する先端部3cに設けられたビード部取り付け溝12a、12bに挿入されて水密に取り付けられ、バルーン内部空間20Aには、管路13を通して水等の液が充填可能な状態となる。
本発明のバルーンは合成エラストマーにより形成されている。つまり、バルーン形成材料には天然ゴムが含まれない。これにより、天然ゴムにより引き起こされるラテックスアレルギーの発症リスクを抑えることができる。
本発明のバルーンは、それが装着される内視鏡挿入部との間で、次の(a1)及び(b1)の関係を満たすものである。
(a1)バルーンのビード部の幅Wと、バルーンを固定するために内視鏡挿入部に設けられたビード部取り付け溝の幅Xとの関係が、1.1≦W/X≦2.5。
(b1)バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yと、超音波内視鏡挿入部のビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径Zとの関係が、0.30≦Y/Z≦0.55。
上記(a1)及び(b1)は、内視鏡挿入部に装着する前のバルーン(未使用の状態のバルーン)と、このバルーンが装着される超音波内視鏡の挿入部(先端部)との関係である。
また、上記(a1)及び(b1)は、バルーンの一端のビード部と、それが挿入される先端部3cのビード部取り付け溝との関係、及び、バルーンの他端のビード部と、それが挿入される先端部3cの別のビード部取り付け溝との関係である。例えば、バルーンの一端のビード部の幅と他端のビード部の幅が異なっていたり、バルーンの一端のビード部により形成される孔の大きさと他端のビード部により形成される孔の大きさが異なっていたりする場合には、各ビード部と、各ビード部に対応するビード部取り付け溝との関係において、上記(a1)及び(b1)を満たすことを意味する。また、例えば、一端のビード部内(又は他端のビード部内)において、ビード部の幅Wが均一ではなく、ばらつきがある場合には、一端のビード部(又は他端のビード部)のすべての部分の幅Wと、このビード部の取り付け溝の幅Xとの関係が上記(a1)を満たす。また、例えば、先端部3cのビード部取り付け溝内において、その幅Xにばらつきがある場合には、先端部3cのビード部取り付け溝のすべての部分における溝の幅Xが、この溝に挿入されるビード部の幅Wとの関係で上記(a1)を満たす。また、例えば、一端のビード部内(又は他端のビード部内)において、ビード部の幅Wが均一ではなく、かつ、このビード部が挿入されるビード部取り付け溝内において、その幅Xにもばらつきがある場合には、一端のビード部(又は他端のビード部)のすべての部分の幅Wと、このビード部が挿入されるビード部取り付け溝のすべての部分における溝の幅Xが、上記(a1)を満たす。
上記(a1)と(b1)において、幅Wと幅Xの単位は同じであり(例えばいずれの単位もmm)、内径Yと外径Zの単位も同じである(例えばいずれの単位もmm)。
上記関係を満たすことにより、バルーン内部空間に管路13を通して液を充填した際に、バルーンが外れにくく、かつ、バルーンを破れにくくすることができる。
上記のビード部の幅Wと、ビード部取り付け溝の幅Xとの関係は、1.6≦W/X≦2.4を満たすことが好ましく、1.65≦W/X≦2.3を満たすことがより好ましく、1.7≦W/X≦2.3を満たすことがさらに好ましい。
バルーンのビード部の幅Wの大きさは、ビード部取り付け溝の幅Xとの関係が上記を満たせば特に制限はなく、例えば、0.5〜3mmとすることが好ましく、1〜2.5mmとすることも好ましく、1.5〜2.0mmとすることがより好ましい。なお、上記と同様、バルーンのビード部内においてビード部の幅にばらつきがある場合には、バルーンのビード部のすべての部分の幅が、上記好ましい範囲に入ることが好ましい。
また、バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yの大きさは、超音波内視鏡挿入部のビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径Zとの関係が上記を満たせば特に制限はなく、例えば、1〜8mmとすることが好ましく、2.5〜6.5mmとすることも好ましく、3.5〜5.5mmとすることがより好ましい。
本発明のバルーンの長さは、目的に応じて適宜に設定されるものである。例えば、バルーンを自立させた状態において、一端のビード部から他端のビード部までの長さ(バルーンの中心軸方向の長さ)を10〜100mmとすることができ、10〜50mmが好ましく、20〜40mmがさらに好ましい。バルーンの中心軸方向の長さは、2つのビード部取り付け溝の間隔よりも長くすることが好ましい。
上記(b1)の関係は、0.37≦Y/Z≦0.55を満たすことが好ましく、0.38≦Y/Z≦0.55を満たすことがより好ましく、0.40≦Y/Z≦0.55を満たすことがさらに好ましい。
バルーンを形成するための合成エラストマーは、常温(25℃)でゴム弾性を示す合成ポリマーであれば特に制限なく用いることができる。例えば、加硫ゴム、ゴム状弾性体、及び熱可塑性エラストマー等を広く用いることができる。
なかでも本発明のバルーンの形成に用いる合成エラストマーは、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種であることが好ましい。これらのエラストマーの好ましい例について以下に説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
<スチレン系エラストマー>
スチレン系エラストマーは、ハードセグメントがポリスチレン構造を有するエラストマーである。スチレン系エラストマーとしては、例えば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SBR)、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体(SEB、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SEBS、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体)、スチレン−イソプレンブロック共重合体(SIR)、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体(SEP、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SEPS、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体)等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
<オレフィン系エラストマー>
オレフィン系エラストマーはポリオレフィン構造からなる、架橋又は非架橋構造のエラストマーである。オレフィン系エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、1−ブテン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−1−ブテン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン−エチレン共重合体、プロピレン−α−オレフィン−1−ブテン共重合体、1−ブテン−α−オレフィン−エチレン共重合体、イソプレンゴム(IR)、シス−1,4−ポリブタジエン(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ポリプロピレンの中にエチレン−プロピレンゴムを分散させたエラストマー、ポリプロピレンの中にエチレン−プロピレン−ジエンゴムを分散させたエラストマー等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
<塩化ビニル系エラストマー>
塩化ビニル系エラストマーは、ハードセグメントがポリ塩化ビニル構造を有するエラストマーである。塩化ビニル系エラストマーとしては、例えば、高重合度のポリ塩化ビニルが挙げられる。また、部分架橋のポリ塩化ビニルを用いることにより、架橋部がハードセグメント、直鎖部がソフトセグメントとして機能するエラストマーが挙げられる。
本発明のバルーンの形成に、塩化ビニル系エラストマーの1種又は2種以上を用いることができる。
<ポリエステル系エラストマー>
ポリエステル系エラストマーは、ハードセグメントがポリエステル構造を有するエラストマーである。例えば、特開平11−92636号公報などに記載された高融点ポリエステルセグメント(ハードセグメント)と分子量400〜6,000程度の低融点ポリマーセグメント(ソフトセグメント)とからなるブロックコポリマーを用いることができる。高融点ポリエステルセグメントとしては、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等を挙げることができる。また、低融点ポリマーセグメントとしては、例えば、ガラス転移温度が−70℃の非晶性ポリエーテル、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)等を挙げることができる。
本発明のバルーンの形成にポリエステル系エラストマーの1種又は2種以上を用いることができる。
<ポリウレタン系エラストマー>
ポリウレタン系エラストマーは、ハードセグメントがポリウレタン構造を有するエラストマーである。ポリウレタン系エラストマーとしては、例えば、低分子のグリコール及びジイソシアネートからなるハードセグメントと、高分子(長鎖)ジオールおよびジイソシアネートからなるソフトセグメントとの構造単位を含むエラストマーなどが挙げられる。
高分子(長鎖)ジオールとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンオキサイド、ポリ(1,4−ブチレンアジペート)、ポリ(エチレン−1,4−ブチレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(1,6−ヘキシレンカーボネート)、ポリ(1,6−ヘキシレン・ネオペンチレンアジペート)などが挙げられる。高分子(長鎖)ジオールの数平均分子量は、500以上10,000未満が好ましい。
低分子のグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等の短鎖ジオールを用いることができる。短鎖ジオールの数平均分子量は、48以上〜500未満が好ましい。
本発明のバルーンの形成にポリウレタン系エラストマーの1種又は2種以上を用いることができる。
<ポリアミド系エラストマー>
ポリアミド系エラストマーは、ハードセグメントがポリアミド構造を有するエラストマーである。例えば、ハードセグメントがポリアミドであり、ソフトセグメントがポリエーテルやポリエステルを用いたマルチブロックコポリマーを挙げることができる。ハードセグメントとしては、例えば、ポリアミド6,66,610,11,12等が挙げられる。ソフトセグメントにおけるポリエーテルは、ポリエチレングリコール、ジオールポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール等が挙げられ、ポリエステルは、ポリ(エチレンアジペート)グリコール、ポリ(ブチレン−1,4−アジペート)グリコール等が挙げられる。
本発明のバルーンの形成にポリアミド系エラストマーの1種又は2種以上を用いることができる。
<シリコーン系エラストマー>
シリコーン系エラストマーとしては、オルガノポリシロキサン構造を有するエラストマーである。オルガノポリシロキサンに架橋構造を導入したものであり、例えば、ポリジメチルシロキサン系、ポリメチルフェニルシロキサン系、及びポリジフェニルシロキサン系のエラストマーが知られている。シリコーン系エラストマーの市販品の具体例としては、KEシリーズ(信越化学工業社製)、SEシリーズ、CYシリーズ、SHシリーズ(いずれも東レダウコーニングシリコーン社製)などが挙げられる。
本発明のバルーンの形成にシリコーン系エラストマーの1種又は2種以上を用いることができる。
<フッ素系エラストマー>
フッ素系エラストマーは、ハードセグメントがフッ素樹脂で形成されたエラストマーである。フッ素系エラストマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフロライド、ポリビニルフロライド、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド−プロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが挙げられる。
本発明のバルーンの形成にフッ素系エラストマーの1種又は2種以上を用いることができる。
本発明のバルーンの形成には、上述した合成エラストマーの1種又は2種以上を用いることができる。本発明のバルーンは、オレフィン系エラストマーの少なくとも1種を含むこと好ましく、なかでもイソプレンゴムを含むことが好ましい。本発明のバルーンは、より好ましくはオレフィン系エラストマーの少なくとも1種で形成され、イソプレンゴムで形成されていることがさらに好ましい。
本発明のバルーンは、少なくとも外側表面にコーティング層を有することが好ましい。このコーティング層により、バルーンの出荷時、保管時等に、バルーン同士の接着を抑制することができる。このコーティング層は合成エラストマーにより形成することが好ましい。コーティング層の形成に用い得る合成エラストマーは、上述したバルーンの形成に用い得る合成エラストマーを用いることができる。この場合、バルーンの形成に用いる合成エラストマーとコーティング層の形成に用いる合成エラストマーとは、互いに異なる種類とすることが好ましい。コーティング層を合成エラストマーにより形成する場合、用いる合成エラストマーは、ポリウレタン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種であることが好ましい。
本発明のバルーンは、バルーンのビード部の幅W、及び、バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yを、装着される超音波内視鏡の挿入部(先端部)との間で上述した特定の関係を満たすようにすること以外は、通常の方法により製造することができる。
例えば、所望のサイズと形状を有する金型を準備し、この金型を、バルーン形成に用いるポリマーの分散液又は溶液に浸漬し、金型表面にポリマーを付着させる。次いで付着したポリマーを乾燥させ、ビード部の幅、及びビード部により囲まれた孔の内径が目的の大きさとなるように、金型に付着したポリマーを端から巻き上げる。その後、ポリマーを金型から外し、必要により水等で洗浄し、乾燥させ、あるいは架橋反応を行って、目的のバルーンを得ることができる。バルーンのビード部の幅と、ビード部により囲まれた孔の内径は、マイクロスコープ等により観察し、決定することができる。
なお、バルーンの形成材料として熱可塑性エラストマーを用いる場合には、押出し成形、ブロー成形等により、ビード部の幅、及びビード部により囲まれた孔の内径を目的の大きさとしたバルーンを得ることもできる。
バルーンのコーティング層は、コーティングされるバルーンが本発明のバルーンであること以外は、通常の方法により行うことができる。例えば、コーティング材料を含む分散液、溶液等にバルーンを浸漬したり、コーティング材料を含む分散液、溶液等をバルーンにスプレーしたりして、必要により乾燥処理等を施して形成することができる。
[超音波内視鏡]
本発明の超音波内視鏡は、本発明のバルーンを備えた超音波内視鏡である。本発明の超音波内視鏡を構成するバルーンの構成と、バルーン以外の構成(すなわち超音波内視鏡本体の構成)は、上述した通りである。
本発明の超音波内視鏡は、バルーンが装着された状態でもよく、また、バルーン装着前の超音波内視鏡と、バルーンとがより分けられていてもよい。すなわち、バルーン装着前の超音波内視鏡と未使用のバルーンとがより分けられた形態(超音波内視鏡とバルーンのセット)も、本発明の超音波内視鏡に包含される。
超音波内視鏡の挿入部(先端部)へのバルーンの装着方法は特に制限されない。例えば、筒状の治具の中心軸とバルーンの孔の中心軸をおよそ一致させて、治具の孔内にバルーンを入れる。バルーンのビード部の一端を手で広げながら、広げたビード部を治具の外側表面へと折り返して、このビード部を治具の外側表面に設けられた溝に固定し、バルーンの孔の一端が治具の筒の大きさに広げられた状態とする。次いで、この広げられたバルーンの孔内に超音波内視鏡の挿入部(先端部)を挿入し、治具の外側表面の溝に固定されていたビード部を内視鏡挿入部(先端部)のビード部取り付け溝(先端部に設けられた2つのビード部取り付け溝のうち、アングル部側に設けられたビード部取り付け溝)へと移動させる。こうしてビード部の一端を内視鏡挿入部に固定する。その後、治具を取り外し、送水してバルーン内部に水を充填し、もう一方のビード部を手で広げてバルーン内部空間に空気が入らないようにしながら、手で広げたビード部を内視鏡挿入部のもう一方のビード部取り付け溝に固定する。こうして超音波内視鏡の挿入部(先端部)にバルーンを装着することができる。
すなわち、本発明によれば下記のバルーン付超音波内視鏡の製造方法が提供される。
内視鏡挿入部の超音波送受信部を覆ってバルーンが装着された超音波内視鏡の製造方法であって、下記(a)及び(b)を満たす関係にあるバルーンと超音波内視鏡とを用意し、この超音波内視鏡に上記バルーンを装着することを含む、バルーン付超音波内視鏡の製造方法:
(a)上記バルーンのビード部の外径Wと、上記バルーンを固定するために超音波内視鏡挿入部に設けられた溝の幅Xとの関係が、1.1≦W/X≦2.5(好ましくは1.6≦W/X≦2.4、より好ましくは1.65≦W/X≦2.3);
(b)上記バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yと、上記超音波内視鏡挿入部の上記ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径Zとの関係が、0.30≦Y/Z≦0.55(好ましくは0.37≦Y/Z≦0.55、より好ましくは0.38≦Y/Z≦0.55、さらに好ましくは0.40≦Y/Z≦0.55)。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜9、比較例1〜4]
図3及び4に示す形状のバルーンを作製した。
図3及び4に示すバルーンの形状に対応した形状の金型を、ポリイソプレンラテックス分散液(加硫剤含む)中に浸漬し、金型表面にポリイソプレンラテックスを付着させた。次いで、付着したポリイソプレンラテックスを金型上で乾燥させた。バルーン端をカットして、ビード部の幅、及びビード部により囲まれた孔の内径が表1記載の通りとなるように、金型に付着したポリイソプレンを端から巻き上げてビード部を形成した。バルーン両端の2つのビード部の形状とサイズは同じにした。また、ビード部の断面は図4に示す通り円形とした。その後、ポリマーを金型から外し、水で洗浄し、140℃で加硫させることにより、イソプレンゴムにより形成された表1に示すバルーンを得た。得られたバルーンは、自立させた状態において、バルーンの中心軸方向の長さが25mmであった。
[実施例10〜19]
バルーンを形成するエラストマーを表1に示す通りに変更し、表1に示すバルーンを得た。実施例10〜19のバルーンは、自立させた状態において、バルーンの中心軸方向の長さはいずれも25mmとした。
ここで、実施例11及び実施例12については、バルーン形成エラストマーを成形可能な流動性が得られる温度まで昇温し、金型に射出成型してバルーンを得た。
また、実施例18及び実施例19については、バルーン形成エラストマーをブロー成型することによりバルーンを作製した。
また、実施例10、実施例13、実施例14、実施例15、実施例16及び実施例17については、バルーン形成エラストマーが溶解する溶媒に溶解させ、その溶液に金型を浸漬させ引き揚げた後、溶媒を乾燥させることによりバルーンを作製した。
下記試験例では、バルーンを装着する内視鏡挿入部の先端部として、図2に示す形状のスコープを用いた。このスコープは、ビード部取り付け溝の幅Xが1mm、2つのビード部取り付け溝の壁面最上部により円環状に囲まれた部分の外径Zがいずれも10.7mm、2つのビード部取り付け溝の間隔は、17.8mmである。
[試験例1]
<超音波内視鏡挿入部に装着されたバルーンの強度試験>
バルーンを上記スコープに装着し、バルーン内部空間に管路を通して100mL/minの流速で送水した。この送水の開始からバルーンが破れるまでの時間を測定した。試験に用いたバルーンと同じ形状及びサイズのバルーンを、天然ゴムを用いて調製し、基準品とした。バルーン強度の評価は下記評価基準に基づき行った。なお、バルーンをスコープに装着した段階ではバルーンに破れは生じておらず、下記試験例における送水によりはじめて破れが生じた。また、バルーンの破れは、いずれの場合もビード部では生じておらず、ビード部の近傍で生じていた。
−バルーン強度評価基準−
A:基準品に対し、バルーンが破れるまでの時間が1.8倍以上
B:基準品に対し、バルーンが破れるまでの時間が1.6倍以上1.8倍未満
C:基準品に対し、バルーンが破れるまでの時間が1.4倍以上1.6倍未満
D:基準品に対し、バルーンが破れるまでの時間が1.2倍以上1.4倍未満
E:基準品に対し、バルーンが破れるまでの時間が1.0倍以上1.2倍未満
F:基準品に対し、バルーンが破れるまでの時間が1.0倍未満
結果を下表に示す。
Figure 0006988002
上記表中に示した略称について以下に説明する。
IR:イソプレンゴム(商品名:カリフレックスTM IR−401、クレイトン社製)
BR:ブタジエンゴム(商品名:UBEPOL BR150B、宇部興産社製)
SEPS:スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(商品名:セプトン4077、クラレ社製)
SEBS:スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(商品名:セプトン8076、クラレ社製)
CR:クロロプレンゴム(商品名:M−30、デンカ社製)
IIR:ブチルゴム(商品名:Butyl365、日本ブチル社製)
PP−EPM:ポリプロピレンの中にエチレン−プロピレンゴムを分散させたエラストマー(商品名:サーモランZ103N、三菱ケミカル社製)
PP−EPDM:ポリプロピレンの中にエチレン−プロピレン−ジエンゴムを分散させたエラストマー(商品名:サーモランQT70HG、三菱ケミカル社製)
PUR:ポリウレタン系エラストマー(商品名:ミラクトランE580、日本ミラクトン社製)
Si:シリコーン系エラストマー(商品名:KE−103、信越化学工業社製)LSN201(藤倉ゴム工業社製)
F:フッ素系エラストマー(商品名:ダイエルサーモプラスチック T−530、ダイキン工業社製)
表1に示されるように、[幅W]/[幅X]が1.0の場合、バルーンを内視鏡挿入部に固定することはできたが、この固定化状態においてバルーンは破れやすかった(比較例1)。逆に、[幅W]/[幅X]が本発明で規定するよりも大きい場合にも、バルーンを内視鏡挿入部に十分に固定することができたが、この固定化状態においてバルーンは破れやすかった(比較例2)。比較例1及び2において、内視鏡挿入部に固定化された状態においてバルーンが破れやすくなった理由は明らかではない。
また、[内径Y]/[外径Z]が小さすぎるとバルーンは破れやすく(比較例3)、逆に大きすぎると、バルーンが破れる前に内視鏡挿入部から外れてしまい、バルーン強度を評価することができなかった(比較例4)。
これに対し、内視鏡挿入部との関係が本発明の規定を満たすバルーンは、いずれも内視鏡挿入部に十分に固定することができ、またこれらのバルーンは水圧に対して丈夫で破れにくかった(実施例1〜19)。
[実施例20〜22]
実施例3と同様にしてバルーンを作製した。このバルーンに、下表に示すコーティング用エラストマーを溶解してなる溶液に浸漬した。次いで乾燥し、バルーンの外表面に、バルーンの形成材料とは異なるエラストマーによるコーティングを施した。
[試験例3]
<バルーン同士の接着抑制試験>
実施例3及び20〜22のバルーンについて、バルーン同士の接着性を下記方法により試験し、コーティング層による接着抑制作用を調べた。
<接着性試験方法>
同じバルーン10個をアルミラミジップの袋にランダムに入れ、次いでアルミラミジップの上から3kgの荷重をかけて1晩静置した。その後、アルミラミジップからバルーンを取り出し、バルーン同士の接着の有無を目視で調べた。具体的には、バルーンを一つ持ち上げた場合に、接していたバルーンが引っ付いてこない場合は接着「無」、接していたバルーンも一緒に持ち上げられた場合を接着「有」とした。
結果を下表に示す。なお、表2中の略称は表1と同じ意味である。
Figure 0006988002
表2に示されるように、合成エラストマーで形成したバルーンにコーティング層を設けることにより、バルーン同士の接着を防げることがわかる。したがって、バルーンにコーティング処理を施すことにより、保管、流通時においても取扱い易いバルーンを提供することができる。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2018年8月27日に日本国で特許出願された特願2018−158204に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
2 超音波内視鏡
3 挿入部
3a 可撓管
3b アングル部
3c 先端部
5 本体操作部
6 ユニバーサルコード
11 超音波送受信部
12a、12b ビード部取り付け溝
X ビード部取り付け溝の幅
13 管路
14 超音波トランデューサ
Z ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径
20 バルーン
20A バルーン内部空間
21a、21b ビード部
W バルーンのビード部の幅
Y バルーンのビード部により囲まれた孔の内径

Claims (14)

  1. 合成エラストマーにより形成された超音波内視鏡用バルーンであって、
    前記バルーンのビード部の幅Wと、前記バルーンを固定するために超音波内視鏡挿入部に設けられたビード部取り付け溝の幅Xとの関係を1.6≦W/X≦2.4とし、かつ、
    前記バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yと、前記超音波内視鏡挿入部の前記ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径Zとの関係を0.37≦Y/Z≦0.55として用いる、超音波内視鏡用バルーン。
  2. 前記幅Wと前記幅Xとの関係を1.7≦W/X≦2.3とし、前記内径Yと前記外径Zとの関係を0.38≦Y/Z≦0.55として用いる、請求項1に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  3. 前記合成エラストマーが、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  4. 前記合成エラストマーがオレフィン系エラストマーの少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  5. 前記合成エラストマーがイソプレンゴムを含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  6. 前記超音波内視鏡用バルーンが少なくとも外側表面にコーティング層を有する、請求項1〜のいずれか1項に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  7. 前記コーティング層が、前記超音波内視鏡用バルーンを形成する合成エラストマーとは異なる合成エラストマーにより形成されている、請求項に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  8. 前記コーティング層の形成に用いる合成エラストマーが、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種である、請求項に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  9. 前記コーティング層の形成に用いる合成エラストマーが、ポリウレタン系エラストマー、シリコーン系エラストマー、及びフッ素系エラストマーの少なくとも1種である、請求項又はに記載の超音波内視鏡用バルーン。
  10. 前記超音波内視鏡用バルーンが筒状であり、中心軸方向の両端にビード部を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の超音波内視鏡用バルーン。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の超音波内視鏡用バルーンを備えた超音波内視鏡。
  12. 内視鏡挿入部の超音波送受信部を覆ってバルーンが装着された超音波内視鏡の製造方法であって、下記(a)及び(b)を満たす関係にあるバルーンと超音波内視鏡とを用意し、該超音波内視鏡の挿入部に該バルーンを装着することを含む、バルーン付超音波内視鏡の製造方法:
    (a)前記バルーンのビード部の外径Wと、前記バルーンを固定するために超音波内視鏡挿入部に設けられたビード部取り付け溝の幅Xとの関係が、1.6≦W/X≦2.4
    (b)前記バルーンのビード部により囲まれた孔の内径Yと、前記超音波内視鏡挿入部の前記ビード部取り付け溝の壁面最上部により囲まれた部分の外径Zとの関係が、0.37≦Y/Z≦0.55。
  13. 前記(a)において、前記幅Wと前記幅Xとの関係が1.7≦W/X≦2.3であり、前記(b)において、前記内径Yと前記外径Zとの関係が0.38≦Y/Z≦0.55である、請求項12に記載のバルーン付超音波内視鏡の製造方法。
  14. 前記バルーンが筒状であり、中心軸方向の両端にビード部を有する、請求項12又は13に記載のバルーン付超音波内視鏡の製造方法。
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