JP3828433B2 - 内視鏡装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬質部材とこの硬質部材の表面に付設される軟質部材とからなる組立体を有し、この硬質部材と軟質部材とのそれぞれを射出成形によって形成可能とした内視鏡装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、内視鏡は医療分野などにおいて広く用いられるようになった。医療分野で用いる内視鏡は、生体内に挿入するため、その挿入部は患者の粘液や汚物が付着する。また、粘液や汚物が、内視鏡の観察や処置の妨げとなることもあり、これを除去するために、観察窓洗浄用の水を挿入部先端に送る管路や汚物吸引のための管路等、複数の管路が挿入部内に設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の内視鏡にあって、内視鏡の外表面又は内部に配設された流体管路に連通する空間内に設けられた、例えば送気・送水ボタンのピストン上部部材、ピストン下部部材、押しボタンのボタン固定部材、スイッチ押圧部材等の硬質部材と、例えばシール部材、シート部材、押しボタンの弾性支持部材等の軟質部材とからなる組立体である、送気・送水ボタンや押しボタン等は、組立費が高価で、製造コストが高くなっていた。
【0004】
また、従来の内視鏡は、前記硬質部材と軟質部材との接合部に隙間が生じ、洗浄や消毒に手間がかかることがあった。
【0005】
さらに、従来の内視鏡は、前記軟質部材にシリコン等の加硫ゴムを用いているため、これらをインサート成型によって一体に形成しようとしても、硬質部材を熱可塑性樹脂で形成すると、加硫ゴムの加硫時に高熱が加わるため不具合が発生することがあった。
【0006】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたもので、硬質部材と軟質部材とのそれぞれを射出成形によって安価に成形可能とし、かつ組立工程を省略して安価な内視鏡装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明の他の目的は、金型に対するインサート物の出し入れの手間を省き、更なる製造コストを低減した内視鏡装置を提供するにある。
【0008】
さらに、本発明の他の目的は、硬質部材と軟質部材との接着工程を省くことができ、その上前記硬質部材と軟質部材との接合強度を高め、これらが外れることなどの故障を防止することができる内視鏡装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に記載の内視鏡装置の発明は、射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成されるとともに、所定の深さを有する筒部を形成された硬質部材と、前記硬質部材をインサート物として前記筒部内に所定の深さまで密に注入されて溶着されるとともに、前記硬質部材の所定の範囲に溶着されるインサート成形によって二次成形され、軟質な熱可塑性弾性体組成物によって前記硬質部材に一体的に成形される軟質部材と、前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体とを具備することを特徴とする。
また、請求項2に記載の内視鏡装置の発明は射出成形による一次成形で軟質な熱可塑性弾性体組成物によって形成された軟質部材と前記軟質部材をインサート物とするインサート成形によって、前記軟質部材の所定の範囲が内部に充填され、かつ溶着される筒部を有する形状に二次成形され、硬質な熱可塑性樹脂によって前記軟質部材に一体的に成形される硬質部材と前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体とを具備することを特徴とする
【0010】
さらに、請求項3に記載の内視鏡装置の発明は射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成され、所定の深さを有する筒部を形成された第1の硬質部材と、前記第1の硬質部材とともに射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成され、前記第1の硬質部材を内部に配置する第2の硬質部材と前記第1の硬質部材および前記第2の硬質部材をインサート物として、前記筒部内に所定の深さまで密に注入されて溶着されるとともに、前記第2の硬質部材の外面に溶着されるインサート成形によって二次成形され、軟質な熱可塑性弾性体組成物によって前記第1の硬質部材および前記第2の硬質部材に一体的に成形される軟質部材と、前記第1の硬質部材、前記第2の硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体とを具備することを特徴とする
また、請求項4に記載の内視鏡装置の発明は射出成形による一次成形で軟質な熱可塑性弾性体組成物によって形成された軟質部材と前記軟質部材をインサート物とするインサート成形によって、前記軟質部材の所定の範囲が内部に充填され、かつ溶着される筒部として二次成形され、硬質な熱可塑性樹脂によって前記軟質部材に一体的に成形される第1の硬質部材と前記軟質部材の所定の範囲を外周面に溶着されるインサート成形によって前記第1の硬質部材とともに二次成形され、内部に前記第1の硬質部材が配置されるとともに、硬質な熱可塑性樹脂によって前記軟質部材に一体的に成形された第2の硬質部材と前記第1の硬質部材、前記第2の硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の内視鏡装置の発明は射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成されるとともに、表面に所定の深さを有する溝部を形成された硬質部材と前記硬質部材をインサート物として前記溝部内に密に注入されて溶着されるとともに、前記硬質部材に対して所定量突出する突出部を形成するインサート成形によって二次成形され、軟質な熱可塑性弾性体組成物によって前記硬質部材に一体的に成形される軟質部材と前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡の内部に配設された流体流路に連通する空間内に取り付けられる組立体とを具備することを特徴とする。
さらに、請求項6に記載の内視鏡装置の発明は射出成形による一次成形で軟質な熱可塑性弾性体組成物によって形成された軟質部材と前記軟質部材をインサート物とするインサート成形によって、前記軟質部材の所定の範囲を内部に溶着させる溝部を備えた形状に二次成形され、前記軟質部材に一体的に成形される硬質な熱可塑性樹脂からなる硬質部材と前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡の内部に配設された流体流路に連通する空間内に取り付けられる組立体とを具備することを特徴とする。
そして、請求項7に記載の内視鏡装置の発明は請求項1〜請求項6のいずれかに記載の内視鏡装置において、一方を射出成形によって一次成形するとともに、これを成型金型から取り出すことなく二次成形を行う二色成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、前記硬質部材および前記軟質部材を一体に形成したことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1ないし図14は本発明の第1の実施形態に係り、図1はカバー式内視鏡の全体構成を示す説明図、図2はカバー用内視鏡に内視鏡カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の先端部の構成を示す断面図、図3は内視鏡検査に使用する前の挿入部カバーを示す斜視図、図4は挿入部カバーの先端付近の構成を示す斜視図、図5は先端保護部材の内径と先端カバー部の外径との寸法関係を示す説明図、図6は先端保護部材の変形例の構成を示す挿入部長手方向断面図、図7は図6のC−C線断面図、図8は先端保護部材及びオーバーチューブを取り外した状態の挿入部カバー先端付近の構成を示す斜視図、図9は図8の状態の挿入部カバー全体を示す斜視図、図10は挿入部カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部の断面構成を示す断面図、図11は挿入部カバーに外装したチューブ部材を加熱収縮させた状態の挿入部全体を示す斜視図、図12は図11の状態の挿入部カバー先端付近を示す斜視図、図13は図12のD−D線断面図、図14は図12のE−E線断面図である。
【0013】
図1に示すように内視鏡カバー方式の内視鏡(以下、カバー式内視鏡と略す)1は、カバーを装着して使用するカバー用内視鏡2と、このカバー用内視鏡2に装着される内視鏡カバー3との組み合せからなっている。
【0014】
内視鏡検査を行う際には、清潔な内視鏡カバー3の挿入部カバー4によって、カバー用内視鏡2の挿入部5が覆われる。内視鏡検査が終了すると、内視鏡カバー3はカバー用内視鏡2から取り外されて廃棄される。そして、カバー用内視鏡2には、新しい清潔な内視鏡カバー3が再び被覆され、カバー用内視鏡2が繰り返し使用されることが特徴となる。これにより、症例後におけるカバー用内視鏡2の洗浄、消毒の手間を省くことができる。
【0015】
内視鏡カバー3の挿入部カバー4は、肉厚が0.1mm〜0.3mm程度の薄肉で柔軟な、例えばウレタンチューブ等から形成されている。挿入部カバー4の先端には、カバー用内視鏡の挿入部5の先端に設けられた先端部6を収納、固定する先端カバー部7が設けられている。先端カバー部7は、ポリカーボネート、ポリサルフォン等の樹脂からなり、体腔内への挿入性を考慮して外径を細くするために、外周部の肉厚は0.3mm〜1mm程度に形成されている。
【0016】
先端カバー部7には、図2に示すように、カバー用内視鏡2に内視鏡カバー3が装着された状態において、カバー用内視鏡2の先端部6に設けられた照明光学系8の先端側に位置する照明窓9と、先端部6に設けられた観察光学系10の先端側に位置する観察窓11とが接着や熱溶着等の手段によって接合固定されている。照明窓9及び観察窓11は、ポリカーボネート、メタクリル樹脂等の光学用樹脂やガラスから形成され、光学性能を満たすために、肉厚は0.3mm〜1mm程度に形成されている。
【0017】
図3に内視鏡検査に使用する前の挿入部カバー4を示す。挿入部カバー4には、検査を開始する前に、万が一清潔な挿入部カバー4が検査室の汚物等に触れて汚染されることがないように、挿入部カバー4の全長を被覆するオーバーチューブ12が設けられている。このオーバーチューブ12は、カバー用内視鏡2と内視鏡カバー3の装着が完了した後、検査で使用する直前に挿入部カバー4から外されて廃棄される。
【0018】
図4に挿入部カバー4の先端付近の構成を示す。内視鏡カバー3の先端カバー部7には、オーバーチューブ12の上から厚肉で筒状の先端保護部材13が着脱自在に外嵌されている。先端保護部材13は、発泡スチロール、シリコンゴム、熱可塑性エラストマー等の弾性部材で構成されている。
【0019】
図5に示すように、先端保護部材13の内径Aは、先端カバー部7の外径Bに対して、A≦Bとなるように形成されており、先端カバー部7に外嵌された状態では先端保護部材13は外周側へ延びて弾性変形した状態であり、先端保護部材13は内周側へ縮む復元力によって先端カバー部7及びオーバーチューブ12に固定されている。このため、先端保護部材13を外さない限り、オーバーチューブ12が挿入部カバー4から抜けてしまうことのないようになっている。
【0020】
使用前の内視鏡カバー3の輸送時や保管時において、内視鏡カバー3の先端カバー部7に衝撃が加わった場合、先端保護部材13により衝撃を吸収できるため、先端カバー部7及び先端カバー部7に設けられた照明窓9や観察窓11が破損することがない。また、カバー用内視鏡2と内視鏡カバー3との装着の際や、装着後にカバー式内視鏡1が図示しないスコープハンガー等に掛けられている際に、他の機器や壁、床等に挿入部カバー4の先端をぶつけるなどした場合にも、先端保護部材13により衝撃を吸収できるため、先端カバー部7、照明窓9、観察窓11が破損することがない。この先端保護部材13は、検査で使用する直前にオーバーチューブ12と共に挿入部カバー4から取り外される。
【0021】
従来のカバー式内視鏡では、本出願人が特願平7−268755号において提案した光学素子部と隣接部材とを一体に形成した光学コンポーネントのように、内視鏡カバーの先端カバー部、照明窓、観察窓等が薄肉の樹脂で形成されている。このため、内視鏡カバーの運搬時や保管時、あるいは、検査準備時におけるカバー用内視鏡と内視鏡カバーとの装着の際、カバー装着後の使用時などに、挿入部の先端を他の器材や壁、床などに衝突させた場合には、カバー用内視鏡の挿入部の可撓性や先端カバー部に内挿されるカバー用内視鏡の先端部の質量の影響などにより、内視鏡カバーの先端カバー部、照明窓、観察窓に大きな衝撃が加わり、非常に破損し易いという問題点がある。
【0022】
本実施形態では先端保護部材13を設けることによって、先端カバー部7、照明窓9、観察窓11が破損することを防止できるため、カバー用内視鏡2と内視鏡カバー3との装着作業等の際に、特に取り扱いに気を使う必要がなく、取り扱いが容易で作業性の良好なカバー式内視鏡を提供できる。
【0023】
先端保護部材13の変形例の構成を図6及び図7に示す。図6は挿入部長手方向断面図、図7は図6のC−C線断面図である。
【0024】
変形例の先端保護部材13Aの外周面には、オーバーチューブ12Aが熱溶着によって接合固定され、先端保護部材13Aとオーバーチューブ12Aとは一体に形成されている。先端保護部材13Aの内面部には、内視鏡カバー3の照明窓9及び観察窓11の先端側に空間部20が設けられており、照明窓9及び観察窓11の表面に先端保護部材13Aが接触しないように構成されている。
【0025】
検査を開始する際には、前述と同様に先端保護部材13A及びオーバーチューブ12Aを挿入部カバー4から取り外す。このとき、前述した先端保護部材13の作用に加え、この変形例の先端保護部材13Aはオーバーチューブ12Aと一体に形成されているため、使用開始する際に一度の作業で先端保護部材13A及びオーバーチューブ12Aを取り外すことができる。
【0026】
また、前述した先端保護部材13では、作業ミス等により先端保護部材13を外してしまうと検査直前まで必要であるオーバーチューブ12が挿入部カバー4から抜け落ちて外れてしまうおそれがあるが、この変形例の先端保護部材13Aはオーバーチューブ12Aと分離できないため、検査直前までオーバーチューブ12Aが挿入部カバー4から外されることがない。また、照明窓9及び観察窓11の表面に先端保護部材13Aが接触しない構成のため、照明窓9や観察窓11と先端保護部材13Aとが擦れて、照明窓9や観察窓11に傷が付いてしまうことがなく、観察性能の低下を防止できる。
【0027】
このように本変形例では、前述した先端保護部材13の効果に加えて、検査の準備作業が容易で、かつ使用前に挿入部カバー4が汚染されることがなく、観察性能が良好なカバー式内視鏡を提供できる。
【0028】
次に、先端保護部材13及びオーバーチューブ12を取り外した状態の挿入部カバー4の構成を図8及び図9に示す。
【0029】
カバー用内視鏡2の挿入部5には、先端部6に連結して湾曲部15が設けられ、この湾曲部15の基端側には長尺の可撓管部30が設けられている。挿入部カバー4には、湾曲部15よりも基端側の挿入部カバー4のほぼ全長に渡って、挿入部カバー4の外径よりも大きな内径を有するカバー外装部材としてのチューブ部材14が外装されている。
【0030】
チューブ部材14は、肉厚が0.1mm〜0.3mm程度の薄肉で柔軟な熱収縮チューブから形成されており、図9に示すように、長手方向全長に渡ってチューブ状のチューブ部材14をシート状に展開するように切離することができるいわゆるミシン目16が設けられている。
【0031】
図10に挿入部カバー4を装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部の断面構成を示す。
【0032】
挿入部カバー4の内部には、吸引管路17、送気管路18、送水管路19が全長に渡って配設され、これらの管路の側部にカバー用内視鏡の挿入部5が挿入されている。挿入部カバー4の内径は、挿入部カバー4と可撓管部30及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間にある程度のクリアランスが生じるよう設定されている。
【0033】
カバー用内視鏡2に内視鏡カバー3を装着する際には、カバー用内視鏡2の挿入部5が内視鏡カバー3の挿入部カバー4に挿入された後、図示しないドライヤー、ヒートガン等の温風器、ヒーターなどの加熱手段によって、チューブ部材14を加熱する。
【0034】
すると、図11及び図12に示すように、熱収縮チューブからなるチューブ部材14は加熱によって径方向に収縮し、図13(図12のD−D線断面図)に示すように、挿入部カバー4と可撓管部30及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間のクリアランスがほぼなくなるまで、挿入部カバー4の自然状態での外径よりも内径が小さくなるように収縮する。
【0035】
このとき、チューブ部材14が外装されていない湾曲部15付近では、図14(図12のE−E線断面図)に示すように、挿入部カバー4と湾曲部15及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間にはクリアランスが生じた状態のままである。
【0036】
そして、検査の終了後には、前記ミシン目16を切離させてチューブ部材14を展開し、チューブ部材14を挿入部カバー4より取り外す。
【0037】
本実施形態の構成では、カバー用内視鏡2に内視鏡カバー3を装着する際には、挿入部カバー4とカバー用内視鏡の挿入部5及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間にクリアランスが設けられているため、挿入部5を挿入部カバー4へ挿入するときの抵抗が少なくなる。
【0038】
そして、内視鏡検査の際には、チューブ部材14を収縮させることにより、湾曲部15より基端側では挿入部カバー4と可撓管部30及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間のクリアランスがなく、かつチューブ部材14と挿入部カバー4との間にクリアランスがなく密着する。このため、術者がカバー式内視鏡の挿入部を握って挿入部をねじる操作をした場合に、挿入部カバー4と可撓管部30及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間、及びチューブ部材14と挿入部カバー4とが滑ってしまうことがなく、挿入部カバー4内部の可撓管部30にねじり操作のための力が十分に伝達される。
【0039】
また、湾曲操作の際には、湾曲部15の付近ではチューブ部材14がないため挿入部カバー4と湾曲部15及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間にクリアランスが設けられている。このため、吸引管路17、送気管路18、送水管路19が湾曲部15の外周に沿って挿入部カバー4内を自由に移動する。従って、各管路が座屈することがなく、送気、送水、吸引操作に不具合が生じることもない。また、湾曲操作にも不具合がなく、軽い力量で操作が行える。
【0040】
次いで、検査終了時には、チューブ部材14を取り外すことにより、カバー用内視鏡2から内視鏡カバー3を取り外す際に、挿入部の全長において挿入部カバー4と挿入部5及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間にクリアランスが生じているため、挿入部カバー4から挿入部5を抜去するときの抵抗が少なくなる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、カバー用内視鏡2と内視鏡カバー3との装着や取り外しの作業が容易で、かつ検査の際の送気、送水、吸引操作や湾曲操作に不具合が生じることなく、挿入部のねじり操作を行う際においても、挿入部カバー内の可撓管部30まで確実に操作力を伝達させてねじり操作を容易に行うことができ、体腔内への挿入性の良好なカバー式内視鏡が提供することができる。
【0042】
図15及び図16は本発明の第2の実施形態に係り、図15は挿入部カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部全体を示す斜視図、図16は図15の挿入部カバーのチューブ部材基端部付近の構成を示す断面図である。
【0043】
第2の実施形態は、第1の実施形態の挿入部カバーにおけるチューブ部材の構成の一部を異ならせたものである。ここでは第1の実施形態と異なる主要部分のみ説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0044】
第2の実施形態のチューブ部材14Aは、挿入部カバー4基端側の端部において予め加熱されて内径が挿入部カバー4の外径と略同一の大きさに形成された縮径部21が設けられており、縮径部21が挿入部カバー4の外周に嵌合することによって、または接着等の手段によって挿入部カバー4に固定されている。チューブ部材14Aの先端は、第1の実施形態と同様に湾曲部15よりも基端側に位置している。
【0045】
内視鏡カバー3をカバー用内視鏡2に装着する際には、第1の実施形態と同様に、内視鏡の挿入部5を挿入部カバー4に完全に挿入した後、チューブ部材14Aを加熱して収縮させ、可撓管部30の部分でチューブ部材14Aと、挿入部カバー4、カバー内部の管路、及び内視鏡挿入部とを密着させる。
【0046】
チューブ部材14Aは、挿入部カバー4に固定されているため、使用時にチューブ部材14Aを収縮させる前にチューブ部材14Aが挿入部カバー4から外れてしまうことがない。また、チューブ部材14Aは、挿入部カバー4に対して軸方向の位置が変化しないため、湾曲部15付近の挿入部カバー4の外側で収縮することがなく、湾曲部15付近の挿入部カバー4内部のクリアランスを狭めてしまうことを防止できる。
【0047】
第2の実施形態では、前述した第1の実施形態の効果に加え、チューブ部材14Aの挿入部カバー4に対する長手方向の位置を合わせる手間が不要となるため、検査の準備作業をさらに容易にすることができる。その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
【0048】
図17は本発明の第3の実施形態に係るカバー式内視鏡の挿入部及びオーバーチューブの構成を示す斜視図である。
【0049】
第3の実施形態は、第1の実施形態の挿入部カバーにおけるチューブ部材の構成の一部を異ならせたものである。ここでは第1の実施形態と異なる主要部分のみ説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0050】
第3の実施形態のチューブ部材14Bは、前述した使用前に挿入部カバー4の全長を被覆しておくオーバーチューブ12Bの一部として構成されている。オーバーチューブ12Bは、肉厚が0.1mm〜0.3mm程度の薄肉で柔軟な熱収縮チューブで形成されており、先端側チューブ22、チューブ部材14B、基端側チューブ23の3つの部材から構成されている。出荷状態においてはこれらは一体に形成されている。
【0051】
先端側チューブ22の基端側内周とチューブ部材14Bの先端側外周、及び基端側チューブ23の先端側内周とチューブ部材14Bの基端側外周には、接合代24が設けられており、これらは熱溶着や接着等の手段によって、使用者の手で接合を破壊可能な強度で接合されている。
【0052】
内視鏡カバー3をカバー用内視鏡2に装着する際には、内視鏡の挿入部5を挿入部カバー4に完全に挿入した後、内視鏡検査で使用する直前にオーバーチューブ12Bを挿入部カバー4から外し、オーバーチューブ12Bから先端側チューブ22及び基端側チューブ23を切り離して、図17の下側に示すようにチューブ部材14Bのみを再び挿入部カバー4に被覆する。そして、第1の実施形態と同様に、チューブ部材14Bが湾曲部15にはかからないように基端側に位置させた状態で、チューブ部材14Bを加熱して収縮させ、可撓管部30の部分でチューブ部材14Bと、挿入部カバー4、カバー内部の管路、及び内視鏡挿入部とを密着させる。
【0053】
第3の実施形態では、前述した第1の実施形態の効果に加え、チューブ部材14Bがオーバーチューブ12Bの一部として構成されているため、オーバーチューブと共用して部品点数を削減することができ、安価なカバー式内視鏡を構成することができる。その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
【0054】
図18ないし図22は本発明の第4の実施形態に係り、図18はチューブ部材の構成を示す斜視図、図19はチューブ部材を挿入部カバーに装着するための治具の構成を示す断面図、図20はチューブ部材を挿入部カバーに装着する際の寸法関係を示す説明図、図21はチューブ部材の内径を装着治具により伸張させて挿入部カバーを内部に挿通した状態を示す斜視図、図22は図21の状態から折り返されていたチューブ部材の両端を元に戻し内径を自然状態まで収縮させて挿入部カバーに被覆した状態を示す斜視図である。
【0055】
第4の実施形態は、第1の実施形態の挿入部カバーにおけるチューブ部材の構成の一部を異ならせたものである。ここでは第1の実施形態と異なる主要部分のみ説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0056】
第4の実施形態のチューブ部材14Cは、肉厚が0.1mm〜0.3mmの薄肉で柔軟なシリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等からなるチューブ状の部材で構成されている。チューブ部材14Cの内径Fは、挿入部カバー4の自然状態における外径Gよりも小さく、チューブ部材14Cを挿入部カバー4に被覆した際に、第1の実施形態と同様に挿入部カバー4と可撓管部30及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間のクリアランスがほぼなくなるような大きさに設定されている。
【0057】
図19にチューブ部材14Cを挿入部カバー4に装着するために用いる装着治具を示す。装着治具25は、前記チューブ部材14Cよりも若干短い円筒状の筒部26と、吸引口金27とから構成されている。吸引口金27は、筒部26の外周に設けられ、筒部26の内側と吸引口金27の吸引路28とが連通している。吸引口金27には、他端が図示しない検査室の吸引源やシリンジ等の吸引手段に接続された吸引チューブ29が接続されている。
【0058】
図20に示すように、筒部26の内径Hは、チューブ部材14Cの肉厚Iと挿入部5が挿入された状態における挿入部カバー4の外径Jとの間で、H>J+2×Iなる関係を満たすよう設定されている。
【0059】
挿入部カバー4にチューブ部材14Cを装着する際には、図19に示すように、まずチューブ部材14Cを装着治具25の筒部26に挿通し、チューブ部材14Cの両端をめくり筒部26の外周面に折り返す。
【0060】
そして、図示しない吸引手段によって、吸引チューブ29,吸引口金27を介して吸引を行い、筒部26の内周面とチューブ部材14Cの外周面との間の空間に負圧を与える。この負圧によって、図20に示すように、チューブ部材14Cは外周側に伸張して筒部26の内周面に密着し、チューブ部材14Cの内径は挿入部カバー4の外径Jよりも大きくなる。
【0061】
次に、図21に示すように、挿入部5が挿入されている挿入部カバー4を装着治具25の筒部26に密着したチューブ部材14Cの内周部に挿入する。そして、図22に示すように、カバー用内視鏡2の湾曲部15よりも基端側に筒部26の先端が位置する所で、筒部26の外周面に折り返されていたチューブ部材14Cの両端を戻す。チューブ部材14Cの両端が基に戻されると、筒部26の内周面とチューブ部材14Cの外周面との間の空間に与えられていた負圧は大気に解放され、チューブ部材14Cは自然状態に近づくように径方向に収縮する。
【0062】
このとき、第1の実施形態と同様に、挿入部カバー4と可撓管部30及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間のクリアランスがほぼなくなり、密着する。
【0063】
検査終了時には、挿入部カバー4から挿入部5を抜去した後、チューブ部材14Cから挿入部カバー4を抜去する。
【0064】
第4の実施形態では、前述した第1の実施形態の効果に加え、チューブ部材14Cを挿入部カバー4に装着する際に加熱手段が不要であり、検査室に常備されている吸引源やシリンジ等の吸引手段を用いるため、容易かつ安全にチューブ部材の装着を行うことができる。よって、検査の準備作業が容易なカバー式内視鏡を提供できる。その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
【0065】
なお、本実施形態においては、検査後に取り外したチューブ部材14Cを洗浄・消毒することによって、繰り返しチューブ部材14Cを使用することも可能である。
【0066】
図23及び図24は本発明の第5の実施形態に係り、図23は挿入部カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部を示す断面図、図24は図23の挿入部カバーにチューブ部材を被覆して収縮させた状態を示す断面図である。
【0067】
第5の実施形態は、第1の実施形態の内視鏡挿入部における可撓管部の構成の一部を異ならせたものである。ここでは第1の実施形態と異なる主要部分のみ説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0068】
第5の実施形態の可撓管部30Aは、全長に渡って吸引管路溝31、送気管路溝32、送水管路溝33が延設されている。カバー用内視鏡2に内視鏡カバー3が装着された状態においては、これらの溝31,32,33に吸引管路17、送気管路18、送水管路19がそれぞれ収納され、可撓管部30A及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19の外周は略円形の断面形状となる。
【0069】
挿入部カバー4の内径は、挿入部カバー4と可撓管部30A及び吸引管路17、送気管路18、送水管路19との間に若干のクリアランスが生じるような大きさに設定されている。
【0070】
内視鏡カバー3をカバー用内視鏡2に装着する際には、第1の実施形態と同様に、内視鏡の挿入部5を挿入部カバー4に完全に挿入した後、チューブ部材14を加熱して収縮させ、可撓管部30Aの部分でチューブ部材14と、挿入部カバー4、カバー内部の管路、及び内視鏡挿入部とを密着させる。
【0071】
このようにチューブ部材14を収縮させた際、図24に示すように、挿入部カバー4及びチューブ部材14を含めた挿入部の断面は略円形の断面形状となり、断面形状において周方向に方向性がない状態となる。このため、術者がカバー式内視鏡の挿入部を握って挿入部のねじり操作を行う際に挿入部が握り易くなる。
【0072】
第5の実施形態では、前述した第1の実施形態の効果に加え、挿入部のねじり操作を更に容易に行うことが可能であり、体腔内への挿入性の良好なカバー式内視鏡を提供できる。その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
【0073】
図25は本発明の第6の実施形態に係るカバー式内視鏡の挿入部の先端付近の構成を示す断面図である。
【0074】
第6の実施形態は、第1の実施形態の挿入部カバーにおける先端保護部材及びチューブ部材の構成の一部を異ならせたものである。ここでは第1の実施形態と異なる主要部分のみ説明し、他の部分についての説明は省略する。
【0075】
第6の実施形態の挿入部カバー4の先端カバー部7Aの外周部には、円筒状の先端保護フード部材34が嵌着されている。先端保護フード部材34は、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム、塩化ビニル等の弾性体から形成されている。先端保護フード部材34の先端部は、先端カバー部7の観察窓11から1mm〜10mm程度突出するよう形成されている。なお、先端保護フード部材34が観察視野内に入る場合には、先端保護フード部材34は透明な部材で形成するのが望ましい。
【0076】
また、熱収縮チューブからなるチューブ部材14は、カバー用内視鏡2の湾曲部15の基端側の一部及び可撓管部30のほぼ全長を被覆するように挿入部カバー4に外装されている。なお、チューブ部材14は、湾曲部15の全長の略中間の位置より基端側を被覆するように配設するのが望ましい。
【0077】
本実施形態では、第1の実施形態における先端保護部材13と同様にして、先端保護フード部材34によって先端カバー部7A、照明窓9、観察窓11の破損を防止する。
【0078】
内視鏡検査時には、先端カバー部7Aに先端保護フード部材34を嵌着した状態で使用する。このとき、カバー式内視鏡の先端部が体腔内壁に近接した場合に、先端保護フード部材34の先端部が先に体腔内壁に当接するため、先端カバー部7Aの観察窓11が体腔内組織に接して観察不能になることを防止できる。
【0079】
湾曲操作の際には、湾曲部15の基端側にチューブ部材14が被覆されているため、基端側は湾曲するための抵抗が大きくなる。従って、湾曲するための抵抗の少ない湾曲部15の先端側から曲がり始め、チューブ部材14が被覆されていない先端側の部分が曲がりきってから、基端側が湾曲することとなる。このため、基端側が曲がり始めない小さな湾曲角度の範囲では、湾曲半径の小さな湾曲形状が得られる。
【0080】
第6の実施形態では、前述した第1の実施形態の効果に加え、先端カバー部7の観察窓11が体腔内壁に接することがなく、観察不能になることを防止できる。また、小さな湾曲角度においては湾曲形状をコンパクトにできるため、狭い体腔内でも所望の湾曲動作を行って所望の部位の観察及び処置を容易に行うことができる。これらにより、観察性能及び処置性能の良好なカバー式内視鏡を提供できる。その他の作用、効果は第1の実施形態と同様である。
【0081】
なお、本発明においては前述した実施形態に限定されず、チューブ部材は第1の実施形態における熱収縮チューブに代えて、水分や光等を与えることによって塑性変形して径が収縮する形状記憶チューブを用いても良い。また、第4の実施形態におけるチューブ部材についても、弾性変形して径が挿入部カバーの外径よりも大きく拡張するものであれば、どのような材質を用いても良い。
【0082】
また、チューブ部材を使用後に展開するためのミシン目についてもこれに限定されず、ミシン目の代わりに、容易に破壊可能な接着部や溶着部を設けて、これらを破壊して展開する構成としても良い。
【0083】
また、挿入部カバー内部に挿通された管路は、複数でなく、単数でも良いし、管路を有さないカバー式内視鏡において挿入部カバーと内視鏡挿入部の間にクリアランスを設けると共に外部にチューブ部材を設ける構成としても良い。
【0084】
また、チューブ部材を長手方向に分割して複数設けても良く、この場合、チューブ部材は比較的短尺となるため取り扱いが容易である。また、先端側と基端側とで可撓性(硬度)の異なるチューブ部材を設けて、挿入部の可撓性(硬度)を変化させても良い。
【0085】
また、先端保護部材は、軟性樹脂からなる軟性部材でも、硬性樹脂からなる硬性部材でも良く、また、弾性部材でも非弾性部材でも良い。要は外部から受けた衝撃を減じて先端カバー部に伝える構成ならばいずれのものでも良い。
【0086】
次に、カバー式内視鏡の操作部に設けられる送気・送水操作を行うための送気・送水操作手段の構成を説明する。図26は操作部51に設けられる送気・送水ボタン55及び送気・送水シリンダ52の構成を示したものである。なお図26において、左側は送気・送水ボタン55の自然状態、右側は送気・送水ボタン55の押し込み状態を示している。
【0087】
操作部51の本体に設けられた送気・送水シリンダ52には、送気・送水ボタン55が着脱自在に嵌挿されている。送気・送水シリンダ52は段差を有する略円筒状に形成されており、側壁には開口側から底部側に向って順に、内視鏡カバー3に設けられた前記送気管路18と連通する気体流出路41、図示しない送気源と連通する気体流入路42、前記送水管路19と連通する液体流出路43、図示しない送水源と連通する液体流入路44が設けられている。
【0088】
送気・送水ボタン55は、送気・送水シリンダ52に嵌挿される略円筒状のピストン部56を有して構成されている。ピストン部56は、図26において外周側上方に位置するピストン上部部材57と内周側下方に位置するピストン下部部材58とを有している。これらの部材は接着等の手段によって接合され、一体化されている。また、ピストン部56の内部には、長手軸方向に連通路47が設けられている。この連通路47の下端には側方に開口する開口部48が設けられている。
【0089】
ピストン上部部材57及びピストン下部部材58は、ポリサルホン、変性PPO、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン等の剛性を有する硬質の熱可塑性樹脂から形成されている。
【0090】
ピストン上部部材57の外周には、シール部材60aが設けられており、シール部材60aより下側のピストン上部部材57の下端部には、送気・送水シリンダ52の内径と略同一の外径を有するすべり部材61aが設けられている。ピストン下部部材58の外周には、上から順に逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cが設けられており、シール部材60bとシール部材60cの間には、送気・送水シリンダ52の内径と略同一の外径を有するすべり部材61bが設けられている。前記シール部材60a,シール部材60b,シール部材60cの外周部は送気・送水シリンダ52の内周面に密接している。
【0091】
シール部材60a,シール部材60b,シール部材60cには、内周側の周上の所定間隔毎に、リブ状の強度補強部67が設けられている。この強度補強部67によって、ピストン部56が送気・送水シリンダ52内を摺動するときのシール部材60a,60b,60cの変形を防止することができる。
【0092】
シール部材60a,シール部材60b,シール部材60c及び逆止弁59は、ゴム弾性に優れた熱可塑性弾性体組成物から形成されている。この熱可塑性弾性体組成物としては、オレフィン系エラストマー、ポリエステルエラストマー等から選択して用いられるが、本実施形態においては、例えば硬度(JISショアー硬度A)が40°〜50°程度のオレフィン系エラストマーを用いて形成する。また、オレフィン系エラストマーの中でも、ソフトセグメント(ゴム成分)が98%以上の架橋度で架橋された完全架橋タイプのエラストマーを用いる。
【0093】
完全架橋タイプのエラストマーは、シリコンゴム等の加硫ゴムに近似した物性と耐久性を有している。具体的には、(1)加硫ゴムと同等の圧縮永久歪特性、反発弾性、硬度を有する、(2)140℃程度の高温下でも使用可能である、(3)優れた耐油性、耐薬品性、耐候性、耐疲労性を有する、等の特徴を持っている。また一方では、成形の際には加硫ゴムのようにコンパウンディング工程や加硫工程が不要であり、一般の熱可塑性樹脂の成形方法、成形装置で成形できるという特徴を有している。
【0094】
ここで、図27及び図28を基にピストン下部部材58、逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cの製造工程を説明する。図27及び図28は前記部材を製造するための成形金型の概略構成を示したものである。
【0095】
前記ピストン下部部材58と逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cは、インサート成形の一種である二色成形による射出成形によって一体に形成されている。
【0096】
まず、図27に示すように、雄金型68と一次雌金型69とによって形成される一次キャビティ70に、前述の硬質樹脂を射出してピストン下部部材58を二色成形の一次成形工程によって射出成形する。次いで、一次雌金型69を雄金型68と分離する。この際、ピストン下部部材58は雄金型68に留置されたままである。
【0097】
次に、図28に示すように、二次雌金型71を雄金型68にセットする。ここで、雄金型68、二次雌金型71及び一次成形されたピストン下部部材58によって形成される空間が二次キャビティ72となる。そして、二次キャビティ72に前述の熱可塑性弾性組成物を射出して逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cを二色成形の二次成形工程によって射出成形する。
【0098】
このとき、加熱溶融した熱可塑性弾性体組成物は、それ自身の熱で一次成形されたピストン下部部材58の接する部分の表面を一部溶かして、両者は混合または凝着して、ピストン下部部材58との当接部に融着面を形成する。
【0099】
以上説明した二色成形による射出成形の工程によって、ピストン下部部材58と逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cとは一体化されて形成され、組み立てが完了する。
【0100】
また、前記ピストン上部部材57とシール部材60aは、ピストン下部部材58と逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cとの製造方法と同様にして、ピストン上部部材57を一次成形する工程と、シール部材60aを二次成形する工程とを有する二色成形による射出成形の工程によって、一体化され組み立てられる。
【0101】
前記ピストン上部部材57の上部の外側には、円筒状のピストンストッパ53が設けられており、ピストン上部部材57のシール部材60aの上側に設けられたフランジ部54とピストンストッパ53の内面のストッパ側フランジ部49とが当接するようになっている。
【0102】
ピストン上部部材57及びピストン下部部材58の上端部には、ピストン部56を上下動させる際に手指をかける指当て部66がピストン上部部材57に嵌着して設けられている。指当て部66の内周側には、外表面に露出した円筒状の識別指標46が設けられている。
【0103】
ストッパ側フランジ部49の上面と指当て部66の下面との間には、コイルスプリング62が係入されて設けられている。このコイルスプリング62の付勢力によって、ピストン部56は上方に、ピストンストッパ53は下方にそれぞれ付勢されており、自然状態において、フランジ部54とストッパ側フランジ部49とが当接してピストン部56が係止されている。
【0104】
ピストンストッパ53の外周には、弾性部材で形成されたボタン固定部材50が一体に設けられ、ピストンストッパ53下部の送気・送水シリンダ52の開口部には、固定口金64が設けられており、ボタン固定部材50の内面の突出部63と固定口金64の口金フランジ部45とが係合している。
【0105】
前記ピストンストッパ53は、前記ピストン上部部材57及びピストン下部部材58と同様の剛性を有する硬質の熱可塑性樹脂から形成されている。また、前記ボタン固定部材50は、前記逆止弁59、シール部材60a、シール部材60b、シール部材60cと同様のゴム弾性に優れた熱可塑性弾性体組成物から形成されている。このピストンストッパ53とボタン固定部材50は、前述のピストン下部部材58と逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cとの製造方法と同様にして、ピストンストッパ53を一次成形しボタン固定部材50を二次成形する二色成形による射出成形の工程によって一体化され組み立てられている。
【0106】
以上のように構成された送気・送水操作手段は、図26の左側に示すように自然状態においては、ピストン部56がコイルスプリング62によって押し上げられて、シール部材60cによって液体流入路44と液体流出路43とが遮断され、図示しない送水源より送出されて液体流入路44から液体流出路43に向かう液体の流れが遮断されている。
【0107】
また、図示しない送気源から送出される気体は、気体流入路42から送気・送水シリンダ52と逆止弁59とシール部材60bによって囲まれた空間を通り、ピストン部56の開口部48に流入し、連通路47を通って連通路47の上端から大気に流出している。
【0108】
この自然状態において、操作者が指当て部66に指を添えて連通路47の上端を塞ぐと、逆止弁59が送気源からの気体の送出圧力によって内側に折り曲げられ、送気・送水シリンダ52の内壁面から離れる。この状態では、前記気体は逆止弁59と送気・送水シリンダ52の内壁面との間のすき間を通過し、送気・送水シリンダ52とシール部材60aとシール部材60bによって囲まれた空間を通って気体流出路41から流出し、送気管路18を経て挿入部の先端に設けられた図示しないノズルより送気が行われる。
【0109】
さらに、図26の右側に示すように指当て部66を指で押圧し、ピストン部56をコイルスプリング62の付勢力に抗して押し込むと共に、連通路47の上端を塞ぐと、逆止弁59の下部が送気・送水シリンダ52に押し付けられて気体流入路42から流入していた気体は流路を遮断される。このとき、シール部材60cは送気・送水シリンダ52下端の太径部40に移動し、送気・送水シリンダ52の内壁面との間に隙間が生じる。この状態では、液体流入路44から流入した液体は送気・送水シリンダ52とシール部材60bによって囲まれた空間を通って液体流出路43から流出し、送水管路19を経て挿入部の先端に設けられた図示しないノズルより送水が行われる。
【0110】
なお、本実施形態の送気・送水ボタン55は、ボタン固定部材50を上方に引き上げることにより、突出部63が外側へ弾性変形して口金フランジ部45との係合が外れ、ピストン部56を送気・送水シリンダ52から取り外すことができる。また、取り付ける際には、ボタン固定部材50を下方に押し込むことによって、突出部63が外側へ弾性変形して口金フランジ部45を乗り越えて口金フランジ部45と係合し、ピストン部56が係止される。使用後にはこのようにピストン部56を取り外して容易に洗浄、消毒を行うことができる。
【0111】
次に、カバー式内視鏡の操作部に設けられる図示しない画像処理装置を制御するためのスイッチ手段の構成を説明する。図29は操作部51に設けられるリモートスイッチの構成を示したものである。
【0112】
操作部51の一部を形成するカバー73の内部には、シャーシ74が設けられている。このシャーシ74には、電気的な接点を有する電気スイッチ75が外側に向かって固定されている。カバー73の電気スイッチ75と相対する位置には、穴部76が設けられ、この穴部76に押ボタン77が嵌入されている。押ボタン77は、基端部に設けられたボタン固定部材78と、内部中央に配設された円筒状のスイッチ押圧部材79と、操作者が指で押圧操作する弾性支持部材80とから構成されている。
【0113】
弾性支持部材80の外径は、穴部76との嵌合部においては穴部76の内径よりも若干大きめに形成されている。穴部76に押ボタン77が嵌入された状態では、弾性支持部材80はボタン固定部材78と穴部76の内壁とに挟まれて弾性変形状態にあり、カバー73の外側と操作部51の内部とを気密的にシールしている。
【0114】
前記ボタン固定部材78とスイッチ押圧部材79は、前記送気・送水ボタン55のピストン上部部材57及びピストン下部部材58と同様の硬質の熱可塑性樹脂から形成されている。また、前記弾性支持部材80は、前記送気・送水ボタン55の逆止弁59及びシール部材60a〜60cと同様の熱可塑性弾性体組成物から形成されている。このボタン固定部材78及びスイッチ押圧部材79と弾性支持部材80とは、インサート成形の一種である二色成形による射出成形によって一体に形成されている。
【0115】
ここで、図30及び図31を基にボタン固定部材78、スイッチ押圧部材79、弾性支持部材80からなる押ボタン77の製造工程を説明する。図30及び図31は前記部材を製造するための成形金型の概略構成を示したものである。
【0116】
まず、図30に示すように、雄金型68Aと一次雌金型69Aとによって形成される一次キャビティ70Aに、前述の硬質の熱可塑性樹脂を射出してボタン固定部材78とスイッチ押圧部材79とを二色成形の一次成形工程によって同時に射出成形する。次いで、一次雌金型69Aを雄金型68Aと分離する。この際、ボタン固定部材78及びスイッチ押圧部材79は雄金型68Aに留置されたままである。
【0117】
次に、図31に示すように、二次雌金型71Aを雄金型68Aにセットする。そして、雄金型68A、二次雌金型71A及びボタン固定部材78、スイッチ押圧部材79によって形成される二次キャビティ72Aに、前述の熱可塑性弾性体組成物を射出して弾性支持部材80を二色成形の二次成形工程によって射出形成する。
【0118】
このとき、ボタン固定部材78、スイッチ押圧部材79と弾性支持部材80との当接部は、前述した送気・送水ボタン55のピストン下部部材58と逆止弁59、シール部材60b、シール部材60cの製造工程の場合と同様に融着されている。
【0119】
以上説明した二色成形による射出成形の工程によって、ボタン固定部材78、スイッチ押圧部材79、弾性支持部材80は一体化されて形成され、組み立てが完了する。
【0120】
このように構成されたスイッチ手段において、操作者が指で押ボタン77の弾性支持部材80を押圧すると、弾性支持部材80の薄肉部39が押した方向に弾性変形してたわみ、スイッチ押圧部材79が電気スイッチ75に向って移動し、電気スイッチ75の作動部を押す。これにより、電気スイッチ75がオンされる。また、操作者が押圧を止めると、弾性支持部材80の薄肉部39は弾性力によって元の形状に復元し、スイッチ押圧部材79が元の位置に戻り、電気スイッチ75がオフされる。これらの操作の際、スイッチ押圧部材79は硬質の部材からなるため、操作者にはいつも一定のクリック感が伝わる。また、どの様な方向から弾性支持部材80を押した場合でも確実に電気スイッチ75を作動できる。
【0121】
前述したように、本実施形態では、硬質で剛性を有することが要求される送気・送水ボタン55のピストン上部部材57、ピストン下部部材58、ピストンストッパ53、及び押ボタン77のボタン固定部材78、スイッチ押圧部材79を硬質の熱可塑性樹脂で形成すると共に、軟質で弾性を有することが要求される送気・送水ボタン55の逆止弁59、シール部材60a、シール部材60b、シール部材60c、ボタン固定部材50、及び押ボタン77の弾性支持部材80をゴム弾性に優れた熱可塑性弾性体組成物で形成し、これらを二色成形による射出成形によって一体に形成したため、これら部材のそれぞれを組立形成するための工程が不要となり、製造コストを低減できる。これにより、非常に安価に送気・送水ボタン55及び押ボタン77を製造することができる。
【0122】
また、二色成形による工程内で硬質の熱可塑性樹脂と熱可塑性弾性体組成物とを融着しているため、これらの部材の接合強度が高く、より強固に形成できる。従って、これらの硬質部材と軟質部材とが外れるなどして故障することを防止できる。また、これらの硬質部材と軟質部材との間に隙間が生じないため、汚物等が隙間に入ることがなく、洗浄、消毒が容易である。さらに、接着等の工程が不要であるため、製造コストを低減でき、安価に送気・送水ボタン55及び押ボタン77を製造することができる。
【0123】
また、軟質部材として熱可塑性弾性体組成物を用いているため、従来のシリコン等の加硫ゴムのように加硫工程が不要であり、硬質の熱可塑性樹脂に加硫時の高熱が加わらないので製造時の不具合をなくすことができる。また、加硫工程の工程費が必要ないので製造コストを低減でき、安価に送気・送水ボタン55及び押ボタン77を製造することができる。
【0124】
以上により、さらに安価なカバー式内視鏡を提供することができる。
【0125】
なお、本発明においては上述した実施形態に限定されず、硬質部材と軟質部材とを一体に成形する射出成形は、二色成形でなく、予め射出成形によって形成した一方を成形金型にインサートして他の一方を射出成形する一般的なインサート成形を用いても良い。
【0126】
また、一体化される部材の成形順序は、成形金型の構成等により成形ができないものでなければ、前述の硬質の熱可塑性樹脂で形成される部材を先に形成して、熱可塑性弾性体組成物で形成される部材を後から成形しても良いし、この逆でも良い。
【0127】
また、硬質の熱可塑性樹脂と熱可塑性弾性体組成物との当接部において、互いに融着性のある硬質の熱可塑性樹脂と熱可塑性弾性体組成物を選択して二次成形時に融着させる場合には、例えば以下に示す構成例を採用すれば良い。
【0128】
第1の例は、前記熱可塑性弾性体組成物を、
1.熱可塑性弾性体…100重量部
2.ポリエーテルブロックアミド…25〜185重量部
からなるものとし、
前記熱可塑性硬質樹脂を、ポリカーボネート、ナイロン11、ナイロン12、ABS樹脂、メタクリル樹脂から選択されるものとし、
前記熱可塑性弾性体は、水添SBSブロックコポリマー、オレフィン系エラストマー、ジエン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、可塑化ポリ塩化ビニル、ナイロンエラストマーから選択される一種であるもの。
【0129】
第2の例は、前記熱可塑性弾性体組成物を、
1.熱可塑性弾性体…100重量部
2.ポリエステル系熱可塑性エラストマー…25〜185重量部
からなるものとし、
前記熱可塑性硬質樹脂を、ポリカーボネート、ナイロン11、ナイロン12、ABS樹脂、メタクリル樹脂から選択されるものとし、
前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーが、芳香族ジカルボン酸と短鎖グリコールから調整されたポリエステルセグメントと、芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールから調整されたポリエーテルセグメントと、を有するポリエーテル・エステル型のコポリマーであるもの、または、芳香族ジカルボン酸と短鎖グリコールから調整されたポリエステルセグメントと、ポリカプロラクトンから調整されたポリエステルセグメントと、を有するポリエステル・エステル型のコポリマーであるもので、
前記熱可塑性弾性体は、水添SBSブロックコポリマー、オレフィン系エラストマー、ジエン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、可塑化ポリ塩化ビニルから選択されるもの。
【0130】
第3の例は、前記熱可塑性弾性体組成物を、
1.ポリスチレンブロックと水添または非水添のポリブタジエンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体…3〜100重量部
2.ポリウレタン系熱可塑性ブロック弾性体…100重量部
からなるものとし、
前記熱可塑性硬質樹脂を、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂から選択されるものとし、
前記ポリウレタン系熱可塑性ブロック弾性体が、ジイソシアネート短鎖グリコールから調整されたハードセグメントと、ジイソシアネートと長鎖ポリオールから調整されたソフトセグメントと、を有し、前記長鎖ポリオールが、ポリエーテル系またはポリエステル系のポリオールであるもの。
【0131】
第4の例は、前記熱可塑性弾性体組成物を、
1.ポリスチレンブロックと水添または非水添のポリイソプレンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体…3〜100重量部
2.ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、及びポリウレタン系熱可塑性エラストマーから選択された縮合重合系熱可塑性ブロック弾性体…100重量部
からなるものとし、
前記熱可塑性硬質樹脂を、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂から選択されるものとし、
前記付加重合系熱可塑性ブロック弾性体が、ポリスチレンブロック(S)と水添または非水添のポリイソプレンブロック(I)の二ブロック(S−I)からなるもの、または、ポリスチレンブロック(S)と水添または非水添のポリイソプレンブロック(I)の三ブロック(S−I−S)からなるもの。
【0132】
これらの4つの構成例を適宜用いて形成すれば良い。
【0133】
また、硬質部材と軟質部材とを一体に成形する場合には、先に形成された部材に接着剤を塗布しておき、この部材に、後から成形される部材が成形時に接着されるようにしても良い。
【0134】
また、熱可塑性弾性体組成物の硬度(JISショアー硬度A)は、70°〜35°程度のものから選択すれば良い。
【0135】
[付記]
(1) 挿入部を有するカバー用内視鏡と、前記挿入部を覆う挿入部カバーを有し前記カバー用内視鏡に着脱自在に外装される内視鏡カバーと、を有して構成されるカバー式内視鏡において、
挿入部側周面において前記挿入部カバーと前記挿入部との間に隙間が生じるよう前記挿入部カバー及び前記挿入部の径を形成すると共に、前記挿入部カバーの少なくとも一部に該挿入部カバーを被覆し挿入部カバー外皮の外径よりも小さな内径を有するチューブ部材を外装して設けたことを特徴とするカバー式内視鏡。
【0136】
(2) 前記挿入部カバーは、内部に吸引管路、送気管路、送水管路、処置具挿通管路の内の少なくとも一つの管路を有し、
前記挿入部カバーと前記挿入部及び前記管路との間に隙間が生じるよう前記挿入部カバーと前記挿入部及び前記管路の径を形成したことを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0137】
(3) 前記挿入部カバーにおける前記挿入部の湾曲部を覆う湾曲部カバー部より基端側の少なくとも一部に、前記チューブ部材を設けたことを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0138】
(4) 前記挿入部カバーにおける前記挿入部の湾曲部を覆う湾曲部カバー部より基端側の略全長を被覆するよう前記チューブ部材を設けたことを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0139】
(5) 前記挿入部カバーにおける前記挿入部の湾曲部を覆う湾曲部カバー部の基端側の少なくとも一部と、前記湾曲部カバー部より基端側の挿入部カバーの略全長とを被覆するよう前記チューブ部材を設けたことを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0140】
(6) 前記挿入部カバーの略全長を被覆するよう前記チューブ部材を設けたことを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0141】
(7) 前記チューブ部材は、自然状態において前記挿入部カバーの外径よりも大きな内径を有し、前記挿入部カバーの外径よりも小さな内径に塑性変形可能であることを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0142】
(8) 前記チューブ部材は、薄肉で柔軟な加熱によって塑性変形可能な熱収縮チューブで形成されていることを特徴とする付記7に記載のカバー式内視鏡。
【0143】
(9) 前記チューブ部材に該チューブ部材を展開するための展開部を設けたことを特徴とする付記7または8に記載のカバー式内視鏡。
【0144】
(10) 前記展開部は、切り離し可能なミシン目であることを特徴とする付記9に記載のカバー式内視鏡。
【0145】
(11) 前記展開部は、破壊可能な溶着部ないし接着部であることを特徴とする付記9に記載のカバー式内視鏡。
【0146】
(12) 前記チューブ部材は、少なくとも一部が前記挿入部カバーに固定されていることを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0147】
(13) 前記チューブ部材は、自然状態において前記挿入部カバーの外径よりも小さな内径を有し、前記挿入部カバーの外径よりも大きな内径に弾性変形可能であることを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0148】
(14) 前記チューブ部材は、薄肉で柔軟なゴムチューブで形成されていることを特徴とする付記13に記載のカバー式内視鏡。
【0149】
(15) 前記ゴムチューブは、シリコンゴムで形成されていることを特徴とする付記14に記載のカバー式内視鏡。
【0150】
(16) 前記ゴムチューブは、ウレタンゴムで形成されていることを特徴とする付記14に記載のカバー式内視鏡。
【0151】
(17) 前記ゴムチューブは、フッ素ゴムで形成されていることを特徴とする付記14に記載のカバー式内視鏡。
【0152】
(18) 前記チューブ部材は、チューブ拡張手段によって拡張されて前記挿入部カバーの外径よりも大きな内径に弾性変形することを特徴とする付記13に記載のカバー式内視鏡。
【0153】
(19) 前記チューブ拡張手段は、前記チューブ部材を内部に挿通する円筒部材と、前記円筒部材の内部と連通した口金と、前記口金と接続され前記円筒部材の内部に吸引力を与える吸引手段と、前記チューブ部材の両端を固定する固定部と、を有し、
前記円筒部材の内径は、内部に挿通した前記チューブ部材が拡張して該円筒部材の内壁に当接した際のチューブ部材の内径が前記挿入部カバー部の外径よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする付記18に記載のカバー式内視鏡。
【0154】
(20) 前記チューブ部材は、前記挿入部カバーを被覆し挿入部の汚染を防止するためのオーバーチューブの一部から構成されることを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0155】
(21) 前記カバー用内視鏡の挿入部は、可撓管部の外周部において、前記挿入部カバー内部に挿通された吸引管路、送気管路、送水管路、処置具挿通管路の内の少なくとも一つの管路を収納する挿入部長手方向に延設された管路収納溝を有することを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0156】
(22) 前記管路収納溝を複数設けたことを特徴とする付記21に記載のカバー式内視鏡。
【0157】
(23) 前記チューブ部材を複数設けたことを特徴とする付記1に記載のカバー式内視鏡。
【0158】
(24) 前記チューブ部材を挿入部長手方向に分割して複数設け、先端側に設けたチューブ部材と基端側に設けたチューブ部材との可撓性または硬度を異ならせたことを特徴とする付記23に記載のカバー式内視鏡。
【0159】
(25) 挿入部と、この挿入部の先端に設けられた先端部とを有するカバー用内視鏡と、
前記挿入部を覆う挿入部カバーと、前記挿入部カバーの先端に設けられ前記先端部を保持する先端カバー部とを有し、前記カバー用内視鏡に着脱自在に外装される内視鏡カバーと、
を有して構成されるカバー式内視鏡において、
前記先端カバー部を被覆する先端保護部材を設けたことを特徴とするカバー式内視鏡。
【0160】
(26) 前記先端保護部材は、前記先端カバー部を梱包時または使用準備時に保護するものであることを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0161】
(27) 前記先端保護部材を前記先端カバー部に着脱自在に設けたことを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0162】
(28) 前記先端保護部材は、軟性部材で形成されていることを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0163】
(29) 前記先端保護部材は、硬性部材で形成されていることを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0164】
(30) 前記先端保護部材は、前記先端カバー部の外径と略同一かまたは小さな内径を有する円筒状に形成された弾性部材で形成されていることを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0165】
(31) 前記先端保護部材は、前記挿入部カバーを被覆し挿入部の汚染を防止するためのオーバーチューブと一体に形成されていることを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0166】
(32) 前記先端保護部材は、前記先端カバー部に設けられた観察窓及び照明窓の前方に空間部を有してなることを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0167】
(33) 前記先端保護部材は、軟性樹脂で形成されていることを特徴とする付記28に記載のカバー式内視鏡。
【0168】
(34) 前記先端保護部材は、硬性樹脂で形成されていることを特徴とする付記29に記載のカバー式内視鏡。
【0169】
(35) 前記先端保護部材は、熱可塑性エラストマーで形成されていることを特徴とする付記33に記載のカバー式内視鏡。
【0170】
(36) 前記先端保護部材は、発泡スチロールで形成されていることを特徴とする付記33に記載のカバー式内視鏡。
【0171】
(37) 前記先端保護部材は、シリコンゴムで形成されていることを特徴とする付記33に記載のカバー式内視鏡。
【0172】
(38) 前記先端保護部材は、ウレタンゴムで形成されていることを特徴とする付記33に記載のカバー式内視鏡。
【0173】
(39) 前記先端保護部材は、フッ素ゴムで形成されていることを特徴とする付記33に記載のカバー式内視鏡。
【0174】
(40) 前記先端保護部材は、先端を前記先端カバー部の先端面より突出して設けたフード部材であることを特徴とする付記25に記載のカバー式内視鏡。
【0175】
(41) 前記フード部材は、光学的に透明な部材により形成されていることを特徴とする付記40に記載のカバー式内視鏡。
【0176】
(42) シリンダと、このシリンダに進退自在に内挿されるピストンとを有して構成され、内視鏡に配設された流体管路を切り替える流体制御機構を備えた内視鏡装置において、
前記ピストンに、前記シリンダ内の空間を仕切る少なくとも一つの弁部材と、この弁部材を支持する支持部材とを設け、
前記支持部材を硬質の熱可塑性硬質樹脂で形成すると共に、
前記弁部材を前記支持部材より軟質な熱可塑性弾性体組成物で形成し、
前記支持部材と前記弁部材のどちらか一方を射出成形によって一次成形し、これをインサート物とするインサート成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、これらの部材を一体に形成したことを特徴とする内視鏡装置。
【0177】
(43) 前記支持部材を硬質の熱可塑性硬質樹脂で形成すると共に、
前記弁部材を前記支持部材より軟質な熱可塑性弾性体組成物で形成し、
前記支持部材と前記弁部材のどちらか一方を射出成形によって一次成形し、これを成形金型から取り出すことなく二次成形を行う二色成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、これらの部材を一体に形成したことを特徴とする付記42に記載の内視鏡装置。
【0178】
(44) 前記弁部材は、前記シリンダ内の空間を気密または水密的に仕切るシール部材であることを特徴とする付記42に記載の内視鏡装置。
【0179】
(45) 前記弁部材は、前記シリンダ内の流体の流路を一定方向からの流体の圧力により開閉する逆止弁であることを特徴とする付記42に記載の内視鏡装置。
【0180】
(46) 前記ピストンは、複数の弁部材を有してなることを特徴とする付記42に記載の内視鏡装置。
【0181】
(47) 有底のシリンダと、前記シリンダの開口部に設けられたフランジ状のボタン取り付け部と、前記シリンダに進退自在に内挿されるピストンを有する流体制御ボタンとを有して構成され、内視鏡に配設された流体管路を切り替える流体制御機構を備えた内視鏡装置において、
前記流体制御ボタンは、該流体制御ボタンを前記シリンダのボタン取り付け部に着脱自在に係合する弾性変形可能な係合部を有するボタン係止部材と、前記ピストンを前記シリンダの底部から開口方向に付勢するバネ部材と、前記バネ部材の一端を支持する前記ボタン係止部材に内挿されたバネ受け部材と、を有してなり、
前記バネ受け部材を硬質の熱可塑性硬質樹脂で形成すると共に、
前記ボタン係止部材を前記バネ受け部材より軟質な熱可塑性弾性体組成物で形成し、
前記バネ受け部材と前記ボタン係止部材のどちらか一方を射出成形によって一次成形し、これをインサート物とするインサート成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、これらの部材を一体に形成したことを特徴とする内視鏡装置。
【0182】
(48) 前記バネ受け部材を硬質の熱可塑性硬質樹脂で形成すると共に、
前記ボタン係止部材を前記バネ受け部材より硬質な熱可塑性弾性体組成物で形成し、
前記バネ受け部材と前記ボタン係止部材のどちらか一方を射出成形によって一次成形し、これを成形金型から取り出すことなく二次成形を行う二色成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、これらの部材を一体に形成したことを特徴とする付記47に記載の内視鏡装置。
【0183】
(49) 制御信号の切換えを行う制御スイッチと、前記制御スイッチに相対する位置に設けられたスイッチ操作ボタンとを有して構成され、画像の制御を含む指示操作を行う操作手段を備えた内視鏡装置において、
前記スイッチ操作ボタンは、前記制御スイッチを押すための硬質のスイッチ押圧部材と、該スイッチ操作ボタンを内視鏡の操作部に固定するための硬質のボタン固定部材と、前記スイッチ押圧部材を弾性的に上下動または左右動可能に支持するボタン支持部材と、を有してなり、
前記スイッチ押圧部材と前記ボタン固定部材とを硬質の熱可塑性硬質樹脂で形成すると共に、
前記ボタン支持部材を前記スイッチ押圧部材及びボタン固定部材より軟質な熱可塑性弾性体組成物で形成し、
前記スイッチ押圧部材及びボタン固定部材と前記ボタン支持部材のどちらか一方を射出成形によって一次成形し、これをインサート物とするインサート成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、これらの部材を一体に形成したことを特徴とする内視鏡装置。
【0184】
(50) 前記スイッチ押圧部材と前記ボタン固定部材とを硬質の熱可塑性硬質樹脂で形成すると共に、
前記ボタン支持部材を前記スイッチ押圧部材及びボタン固定部材より軟質な熱可塑性弾性体組成物で形成し、
前記スイッチ押圧部材及びボタン固定部材と前記ボタン支持部材のどちらか一方を射出成形によって一次成形し、これを成形金型から取り出すことなく二次成形を行う二色成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、これらの部材を一体に形成したことを特徴とする付記49に記載の内視鏡装置。
【0185】
(51) 前記ボタン支持部材に、他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部を設けたことを特徴とする付記49に記載の内視鏡装置。
【0186】
(52) 前記熱可塑性硬質樹脂と前記熱可塑性弾性体組成物との当接部を成形型内で熱溶着して接合したことを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0187】
(53) 前記熱可塑性硬質樹脂を一次成形し、前記熱可塑性弾性体組成物を二次成形したことを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0188】
(54) 前記熱可塑性弾性体組成物を一次成形し、前記熱可塑性硬質樹脂を二次成形したことを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0189】
(55) 前記熱可塑性弾性体組成物の硬度(JISショアー硬度A)が70〜35度であることを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0190】
(56) 前記熱可塑性弾性体組成物をオレフィン系エラストマーで形成したことを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0191】
(57) 前記熱可塑性弾性体組成物をゴム成分の架橋度が70%〜100%の架橋型熱可塑性弾性樹脂で形成したことを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0192】
(58) 前記熱可塑性弾性体組成物をゴム成分の架橋度が98%以上である完全架橋型熱可塑性弾性樹脂で形成したことを特徴とする付記57に記載の内視鏡装置。
【0193】
(59) 前記熱可塑性硬質樹脂をポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトンから選択される一種で形成したことを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0194】
(60) 前記熱可塑性弾性体組成物が、
1.熱可塑性弾性体…100重量部
2.ポリエーテルブロックアミド…25〜185重量部
からなるものであることを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0195】
(61) 前記熱可塑性弾性体が、水添SBSブロックコポリマー、オレフィン系エラストマー、ジエン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、可塑化ポリ塩化ビニル、ナイロンエラストマーから選択される一種であることを特徴とする付記60に記載の内視鏡装置。
【0196】
(62) 前記熱可塑性弾性体組成物が、
1.熱可塑性弾性体…100重量部
2.ポリエステル系熱可塑性エラストマー…25〜185重量部
からなるものであることを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0197】
(63) 前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーが、芳香族ジカルボン酸と短鎖グリコールとから調整されたポリエステルセグメントと、芳香族ジカルボン酸とポリアルキレングリコールとから調整されたポリエーテルセグメントと、を有するポリエーテル・エステル型のコポリマーであることを特徴とする付記62に記載の内視鏡装置。
【0198】
(64) 前記ポリエステル系熱可塑性エラストマーが、芳香族ジカルボン酸と短鎖グリコールとから調整されたポリエステルセグメントと、ポリカプロラクトンから調整されたポリエステルセグメントと、を有するポリエステル・エステル型のコポリマーであることを特徴とする付記62に記載の内視鏡装置。
【0199】
(65) 前記熱可塑性弾性体が、水添SBSブロックコポリマー、オレフィン系エラストマー、ジエン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、可塑化ポリ塩化ビニルから選択されるものであることを特徴とする付記62に記載の内視鏡装置。
【0200】
(66) 前記熱可塑性硬質樹脂が、ポリカーボネート、ナイロン11、ナイロン12、ABS樹脂、メタクリル樹脂から選択されるものであることを特徴とする付記60または62に記載の内視鏡装置。
【0201】
(67) 前記熱可塑性弾性体組成物が、
1.ポリスチレンブロックと水添または非水添のポリブタジエンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体…3〜100重量部
2.ポリウレタン系熱可塑性ブロック弾性体…100重量部
からなるものであることを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0202】
(68) 前記ポリウレタン系熱可塑性ブロック弾性体が、ジイソシアネート短鎖グリコールから調整されたハードセグメントと、ジイソシアネートと長鎖ポリオールとから調整されたソフトセグメントと、を有するものであることを特徴とする付記67に記載の内視鏡装置。
【0203】
(69) 前記長鎖ポリオールが、ポリエーテル系またはポリエステル系のポリオールであることを特徴とする付記68に記載の内視鏡装置。
【0204】
(70) 前記熱可塑性弾性体組成物が、
1.ポリスチレンブロックと水添または非水添のポリイソプレンブロックとからなる付加重合系熱可塑性ブロック弾性体…3〜100重量部
2.ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、及びポリウレタン系熱可塑性エラストマーから選択された縮合重合系熱可塑性ブロック弾性体…100重量部
からなるものであることを特徴とする付記42,43,47〜50のいずれかに記載の内視鏡装置。
【0205】
(71) 前記付加重合系熱可塑性ブロック弾性体が、ポリスチレンブロック(S)と水添または非水添のポリイソプレンブロック(I)の二ブロック(S−I)からなるものであることを特徴とする付記70に記載の内視鏡装置。
【0206】
(72) 前記付加重合系熱可塑性ブロック弾性体が、ポリスチレンブロック(S)と水添または非水添のポリイソプレンブロック(I)の三ブロック(S−I−S)からなるものであることを特徴とする付記70に記載の内視鏡装置。
【0207】
(73) 前記熱可塑性硬質樹脂が、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂から選択されるものであることを特徴とする付記67または70に記載の内視鏡装置。
【0208】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、硬質部材と軟質部材とのそれぞれを射出成形によって安価に成形可能とし、かつ組立工程を省略して安価に内視鏡装置を提供でき、また、金型に対するインサート物の出し入れの手間を省き、更なる製造コストを低減でき、さらに、硬質部材と軟質部材との接着工程を省くことができ、その上前記硬質部材と軟質部材との接合強度を高め、これらが外れることなどの故障を防止することができる効果がある。また、これらの硬質部材と軟質部材との間に隙間が生じないため、汚物等が隙間に入ることがなく洗浄、消毒が容易になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカバー式内視鏡の全体構成を示す説明図
【図2】カバー用内視鏡に内視鏡カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の先端部の構成を示す断面図
【図3】第1の実施形態に係る挿入部カバーの内視鏡検査に使用する前の状態を示す斜視図
【図4】第1の実施形態に係る挿入部カバーの先端付近の構成を示す斜視図
【図5】先端保護部材の内径と先端カバー部の外径との寸法関係を示す説明図
【図6】先端保護部材の変形例の構成を示す挿入部長手方向断面図
【図7】図6のC−C線断面図
【図8】先端保護部材及びオーバーチューブを取り外した状態の挿入部カバー先端付近の構成を示す斜視図
【図9】図8の状態の挿入部カバー全体を示す斜視図
【図10】挿入部カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部の断面構成を示す断面図
【図11】挿入部カバーに外装したチューブ部材を加熱収縮させた状態の挿入部全体を示す斜視図
【図12】図11の状態の挿入部カバー先端付近を示す斜視図
【図13】図12のD−D線断面図
【図14】図12のE−E線断面図
【図15】第2の実施形態に係る挿入部カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部全体を示す斜視図
【図16】図15の挿入部カバーのチューブ部材基端部付近の構成を示す断面図
【図17】第3の実施形態に係るカバー式内視鏡の挿入部及びオーバーチューブの構成を示す斜視図
【図18】第4の実施形態に係るチューブ部材の構成を示す斜視図
【図19】図18のチューブ部材を挿入部カバーに装着するための治具の構成を示す断面図
【図20】チューブ部材を挿入部カバーに装着する際の寸法関係を示す説明図
【図21】チューブ部材の内径を装着治具により伸張させて挿入部カバーを内部に挿通した状態を示す斜視図
【図22】図21の状態から折り返されていたチューブ部材の両端を元に戻し内径を自然状態まで収縮させて挿入部カバーに被覆した状態を示す斜視図
【図23】第5の実施形態に係る挿入部カバーを装着した状態でのカバー式内視鏡の挿入部を示す断面図
【図24】図23の挿入部カバーにチューブ部材を被覆して収縮させた状態を示す断面図
【図25】第6の実施形態に係るカバー式内視鏡の挿入部の先端付近の構成を示す断面図
【図26】カバー式内視鏡の操作部に設けられる送気・送水ボタン及び送気・送水シリンダの構成を示す断面図
【図27】硬質のピストン下部部材と軟質のシール部材とを一体に製造するための一次成形工程に用いる成形金型の概略構成を示す説明図
【図28】硬質のピストン下部部材と軟質のシール部材とを一体に製造するための二次成形工程に用いる成形金型の概略構成を示す説明図
【図29】カバー式内視鏡の操作部に設けられるリモートスイッチの構成を示す断面図
【図30】押ボタンの硬質部材と軟質部材とを一体に製造するための一次成形工程に用いる成形金型の概略構成を示す説明図
【図31】押ボタンの硬質部材と軟質部材とを一体に製造するための二次成形工程に用いる成形金型の概略構成を示す説明図
【符号の説明】
1…カバー式内視鏡
2…カバー用内視鏡
3…内視鏡カバー
4…挿入部カバー
5…挿入部
6…先端部
7…先端カバー部
12…オーバーチューブ
13…先端保護部材
14…チューブ部材
30…可撓管部
15…湾曲部
17…吸引管路
18…送気管路
19…送水管路
50… ボタン固定部材
53…ピストンストッパ
55… 送気・送水ボタン
57… ピストン上部部材
58…ピストン下部部材
59… 逆止弁
60a…シール部材
77…押しボタン
78…ボタンの固定部材
79…スイッチ押圧部材
80…弾性支持部材

Claims (7)

  1. 射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成されるとともに、所定の深さを有する筒部を形成された硬質部材と
    前記硬質部材をインサート物として前記筒部内に所定の深さまで密に注入されて溶着されるとともに、前記硬質部材の所定の範囲に溶着されるインサート成形によって二次成形され、軟質な熱可塑性弾性体組成物によって前記硬質部材に一体的に成形される軟質部材と
    前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体と
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
  2. 射出成形による一次成形で軟質な熱可塑性弾性体組成物によって形成された軟質部材と
    前記軟質部材をインサート物とするインサート成形によって、前記軟質部材の所定の範囲が内部に充填され、かつ溶着される筒部を有する形状に二次成形され、硬質な熱可塑性樹脂によって前記軟質部材に一体的に成形される硬質部材と
    前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体と
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
  3. 射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成され、所定の深さを有する筒部を形成された第1の硬質部材と
    前記第1の硬質部材とともに射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成され、前記第1の硬質部材を内部に配置する第2の硬質部材と
    前記第1の硬質部材および前記第2の硬質部材をインサート物として、前記筒部内に所定の深さまで密に注入されて溶着されるとともに、前記第2の硬質部材の外面に溶着されるインサート成形によって二次成形され、軟質な熱可塑性弾性体組成物によって前記第1の硬質部材および前記第2の硬質部材に一体的に成形される軟質部材と
    前記第1の硬質部材、前記第2の硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体と
    を具備することを特徴とする内視鏡装置。
  4. 射出成形による一次成形で軟質な熱可塑性弾性体組成物によって形成された軟質部材と
    前記軟質部材をインサート物とするインサート成形によって、前記軟質部材の所定の範囲が内部に充填され、かつ溶着される筒部として二次成形され、硬質な熱可塑性樹脂によって前記軟質部材に一体的に成形される第1の硬質部材と
    前記軟質部材の所定の範囲を外周面に溶着されるインサート成形によって前記第1の硬質部材とともに二次成形され、内部に前記第1の硬質部材が配置されるとともに、硬質な熱可塑性樹脂によって前記軟質部材に一体的に成形された第2の硬質部材と
    前記第1の硬質部材、前記第2の硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡に取り付けられる組立体と
    を具備することを特徴とする内視鏡装置
  5. 射出成形による一次成形で硬質の熱可塑性樹脂により形成されるとともに、表面に所定の深さを有する溝部を形成された硬質部材と
    前記硬質部材をインサート物として前記溝部内に密に注入されて溶着されるとともに、前記硬質部材に対して所定量突出する突出部を形成するインサート成形によって二次成形され、軟質な熱可塑性弾性体組成物によって前記硬質部材に一体的に成形される軟質部材と
    前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡の内部に配設された流体流路に連通する空間内に取り付けられる組立体と
    を具備することを特徴とする内視鏡装置
  6. 射出成形による一次成形で軟質な熱可塑性弾性体組成物によって形成さ れた軟質部材と
    前記軟質部材をインサート物とするインサート成形によって、前記軟質部材の所定の範囲を内部に溶着させる溝部を備えた形状に二次成形され、前記軟質部材に一体的に成形される硬質な熱可塑性樹脂からなる硬質部材と
    前記硬質部材および前記軟質部材によって一体に構成され、内視鏡の内部に配設された流体流路に連通する空間内に取り付けられる組立体と
    を具備することを特徴とする内視鏡装置
  7. 一方を射出成形によって一次成形するとともに、これを成型金型から取り出すことなく二次成形を行う二色成形による射出成形によって他方を二次成形することにより、前記硬質部材および前記軟質部材を一体に形成したことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の内視鏡装置
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