JP6986242B2 - 圧力緩和装置 - Google Patents
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Description
ここで、配管内に正圧が生じる要因としては、例えば集合住宅において、上層階より縦管内に大量の排水が生じ、排水と共に流下してきた空気が下層階の横管へと流入することによって、当該横管より上流の排水流路内が正圧となる場合が挙げられる。当該正圧が生じた際には、正圧によって排水トラップの封水が押し出され、屋内に封水(排水)が逆流してしまう。これに対し、特許文献1に記載された圧力緩和装置は、正圧によって生じた空気を一時的に装置内部に流入させることで圧力変動を緩和させる構造となっている。
尚、正圧を緩和させる圧力緩和装置は、特許文献2のように、サイフォン排水システムの起動の際の起動を早めるためにも使用される。
排水配管内部の圧力変動に応じて膨張又は収縮し、容積が増減すると共に弾性材を備えた袋状部を備え、当該袋状部は平時において弾性材によって収縮状態にあって、対向する面同士が近接するとともに、内部に空気が流入した際には膨張し、排水流路内に生じた正圧を緩衝することを特徴とする圧力緩和装置である。
排水流路内が負圧になった際に、外部の空気を排水流路内に流入させる吸気弁を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の圧力緩和装置である。
又、圧力緩和装置が吸気弁を備えることにより、排水流路内の負圧にも対応することが可能となる。
ケーシング下部3は略筒状であって、上部がケーシング上部5に接続され、下端が前記枝管300端部に接続されている。又、ケーシング下部3は内部において、逆流防止弁10と接続部7が内部に配置されているとともに、接続部7下方において、逆流防止弁10が枝管300内に落下しないように保持する保持部4が内側面より中央に向けて突設されている。
ケーシング上部5は上方へと延設された円筒状であって、下端にケーシング下部3と係合する爪部が形成されているとともに、上端には孔部6が形成されている。尚、ケーシング上部5の内側の空間は、延伸した状態の袋状部11よりも大きい。
接続部7は保持部4の上方に配置された円筒状部材であって、外周にパッキンが嵌着されており、上端には逆流防止弁10が上昇時に当接するテーパ状の弁座9が形成されている。又、接続部7は内側面より中央に向けてガイド部8が突設されている。当該ガイド部8は軸方向に延設されているとともに、下方に向かうにつれて対向するガイド部8同士の幅が広がるように形成されており、上昇した逆流防止弁10が弁座9に当接するよう、逆流防止弁10の動作を誘導する。
逆流防止弁10は球形のフロートボールであって、水より比重が軽いが、下流側に生じた正圧では上昇しない程度の重量で形成されている。当該逆流防止弁10は平時において上記保持部4の保持部4上に載置されており、排水の枝管300内に逆流した際には当該排水によって浮上し、弁座9と当接する。
弾性材12は金属製のバネから成り、平時においては渦巻き状を成すが、上記袋状部11が膨張し、当該膨張に伴う圧力がバネ力に打ち勝った際には渦巻き状から直線状に変化し、延伸する。尚、上記膨張に伴う圧力が消滅すると、弾性材12は復元力によって渦巻き状に畳まれて縮小するよう構成されている。
上記平時の状態より、排水流路内に正圧が発生すると、当該正圧によって押し上げられた空気が枝管300を通じて袋状部11内に流入する。この時、図3に示すように、袋状部11は弾性材12の弾性力に逆らって根元側から順に直線状に変形するとともに、内部に空気が流入することによって膨張し、円筒状に変形する。従って、下流側から逆流してきた空気は圧力緩和装置1内に流入し、貯留されるため、前述した正圧による排水トラップ200の封水が屋内に逆流することを防ぐことが可能となる。尚、ケーシング上部5は孔部6が開口されているため、袋状部11の膨張に伴い、ケーシング上部5の内側と袋状部11の外周との間に存在していた空気は孔部6から排出される。
そして、上記正圧が消失すると、袋状部11は収縮するとともに弾性材12の復元力によって先端側から順に渦巻き状に巻き取られ、内部の空気はほぼ全て排出される。
次に、排水流路内に負圧が生じた時には、当該負圧によって配管内に空気が引き込まれることにより、吸気弁13内の弁体15が上昇し、連通口14を開放する。この時、連通口14より外部の空気が排水流路内に流入し、排水流路内の負圧が解消される。そして、上記負圧が解消されると、上昇していた弁体15が連通口14を再び閉塞し、外部の空気の流入が停止される。
又、袋状部11の外側は硬質のケーシング2によって覆われているため、膨張時の袋状部11が床下の横管500等と干渉することはない。尚、前述の通り、ガイド部8は下方に向かうにつれて対向するガイド部8同士の幅が広がるようにして軸方向に延設されているため、圧力緩和装置1を略水平方向に向けて配置した際において、平時における逆流防止弁10は下流側(図8における右方)に位置するとともに、排水の逆流時には弁座9に当接するように浮動する。
2 ケーシング
3 ケーシング下部
4 保持部
5 ケーシング上部
6 孔部
7 接続部
8 ガイド部
9 弁座
10 逆流防止弁
11 袋状部
12 弾性材
13 吸気弁
14 連通口
15 弁体
100 排水配管
200 排水トラップ
300 枝管
400 縦管
500 横管
Claims (5)
- 排水配管に取り付けられ、排水流路内の圧力変動を抑える圧力緩和装置であって、
排水配管内部の圧力変動に応じて膨張又は収縮し、容積が増減すると共に弾性材を備えた袋状部を備え、
当該袋状部は平時において弾性材によって収縮状態にあって、対向する面同士が近接するとともに、内部に空気が流入した際には膨張し、排水流路内に生じた正圧を緩衝することを特徴とする圧力緩和装置。 - 平時には弾性材によって袋状部が渦巻き状を成すとともに、内部に空気が流入した際には延伸することを特徴とする請求項1に記載の圧力緩和装置。
- 前記弾性材は、渦巻き状のバネより成ることを特徴とする請求項2に記載の圧力緩和装置。
- 略水平方向に向けて配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の圧力緩和装置。
- 前記圧力緩和装置は、
排水流路内が負圧になった際に、外部の空気を排水流路内に流入させる吸気弁を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載の圧力緩和装置。
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JP2017114854A JP6986242B2 (ja) | 2017-06-12 | 2017-06-12 | 圧力緩和装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017114854A JP6986242B2 (ja) | 2017-06-12 | 2017-06-12 | 圧力緩和装置 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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