JP6984403B2 - ポリブチレンテレフタレートの製造方法および製造装置 - Google Patents

ポリブチレンテレフタレートの製造方法および製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ポリブチレンテレフタレートの製造方法、およびポリブチレンテレフタレートの製造装置に関するもので、より詳細にはエステル化反応槽の液面計液相受圧部(接液部)に原料である1,4−ブタンジオールの一部を連続的に接触させつつ供給することにより、液面計液相受圧部へのスケール付着防止に関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の結晶性熱可塑性ポリエステル樹脂は、優れた物理的、化学的性質を有するため、繊維、フィルム、その他の成形品など、種々の用途に広く用いられている。中でもポリブチレンテレフタレートは、強度や弾性率等の機械特性、耐熱性等に優れているため、特にエンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。
ポリブチレンテレフタレートの製造方法の中で、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとのエステル化反応によりビスヒドロキシブチルテレフタレートおよびその低重合物を得るエステル化工程と、ビスヒドロキシブチルテレフタレートおよびその低重合物を高温、高真空下で過剰の1,4−ブタンジオールを留出させつつ重縮合させて高重合度ポリブチレンテレフタレートを得る重縮合工程とからなる直接連続重合法は、生産性を著しく向上させる技術として、現在主流になりつつある。この直接連続重合法では、触媒に有機チタン化合物やスズ化合物を用いて反応を促進し、さらに分解抑制剤としてリン化合物などを添加する技術が好適に用いられている。特に有機チタン化合物は、原料の1,4−ブタンジオールが分解して副生するテトラヒドロフランの発生量を低減し、重合反応を効率化できることから、添加量の増加が望まれる。一方で、有機チタン化合物を過剰に添加すると、異物の原因となり、当該異物起因のスケールが重合装置に付着する問題があった。
重合プロセスにおいて装置のスケール付着物対策として、多槽重合槽よりなる重合プロセス移送用制御弁のステム摺動部分に生成する未反応のモノマーおよび触媒による弁の作動不良を、弁のステム摺動部へリンス液を注入することで防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、エチレン性不飽和二重結合を有する単量体の重合器において、コンデンサで生成した凝縮液を重合器気相部へもどすための配管を重合器の内壁面から気相部へ突き出すことで、重合器内壁で成長するスケールの防止を図ることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、重合装置に付着した重合体スケールを、重合に用いる処方量より多量の単量体で溶解除去することからなる重合装置付着スケールの除去方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。また、水性溶媒体中で重合性ビニル化合物を重合させるに際し、水性媒体を構成する水の一部を重合槽上部に設けられた複数個の台管または台管に接続する配管から重合体中に注入し、重合生成物による重合槽配管の閉塞を防止することが提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平2005−194355号公報 特開平7−233201号公報 特開昭52−32088号公報 特開昭50−38783号公報
ポリブチレンテレフタレート重合反応槽内の有機チタン化合物由来の異物に起因する付着物を除去するためには、高圧水による洗浄方法が一般的に用いられているが、複雑な形状をしたポリブチレンテレフタレートの製造装置は高圧水洗浄が難しく、薬液による効率的な洗浄や該化合物由来の付着スケール対策が望まれていた。特に、反応槽に付属の液面計は、運転監視に重要な計器であり、スケールが付着した場合、反応槽内の液面測定が不良となり運転継続が困難となるなど問題があった。そのため、特に液面計液相受圧部(接液部)のスケール対策が望まれていた。
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ポリブチレンテレフタレートの製造装置であるエステル化反応槽内の液面計液相受圧部に対するスケールの付着を防止することで、液面計の測定不良による重大トラブルがなくなり、安定して生産することのできる、高品質なポリブチレンテレフタレートの製造方法ならびにポリブチレンテレフタレートの製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、
(1)テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとを、エステル化反応槽において連続式にてエステル化反応させた後、次いで重縮合反応槽において重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを製造する方法において、エステル化反応槽内の液面を測定する液面計液相受圧部に、原料である1,4−ブタンジオールの一部を30〜225℃の温度で、かつ毎時0.001〜5mの線速度で連続的に接触させつつ供給することを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法、
(2)前記エステル化反応槽において、有機チタン化合物の存在下でエステル化反応させることを特徴とする(1)に記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法、
(3)前記有機チタン化合物が、テトラ−n−ブチルチタネートであることを特徴とする(2)に記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法、
(4)テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとを、エステル化反応槽において連続式にてエステル化反応させた後、次いで重縮合反応槽において重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを製造する装置において、エステル化反応槽内の液面を測定する液面計液相受圧部に、原料である1,4−ブタンジオールを30〜225℃の温度で、かつ毎時0.001〜5mの線速度で接触させつつ供給する機構を有することを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造装置、
(5)前記エステル化反応槽において、有機チタン化合物の存在下でエステル化反応させることを特徴とする(4)に記載のポリブチレンテレフタレートの製造装置、
(6)前記有機チタン化合物が、テトラ−n−ブチルチタネートであることを特徴とする(5)に記載のポリブチレンテレフタレートの製造装置、である。
本発明のポリブチレンテレフタレートの製造方法によれば、ポリブチレンテレフタレート製造装置のエステル化反応槽液面計液相受圧部(接液部)に有機チタン化合物由来のスケールの生成がなくなるため、液面計の測定不良による重大トラブルを防止でき長期間連続して安定的に良質なポリブチレンテレフタレートを生産することができる。
本発明の実施態様の一例を示す装置構成図である。 従来の1,4−ブタンジオールを接触させつつ供給する機構を有さない装置の一例を示す装置構成図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリブチレンテレフタレート樹脂は、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールを主成分とするジオール成分を用いた重縮合反応によって得られた、主鎖にエステル結合を有する高分子量の熱可塑性ポリエステルである。ここで、「主成分」とは、ジカルボン酸成分のうちテレフタル酸が60モル%以上であり、ジオール成分のうち1,4−ブタンジオールが60モル%以上であることをいう。他の酸成分および/または他のジオール成分を共重合成分として一部用いることもできる。この場合、酸成分の例としてはイソフタル酸、オルトフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、セバシン酸、アジピン酸、ドデカン二酸などの脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。ジオール成分の例としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、2,2−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の芳香族ジオールなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの共重合成分はそれぞれテレフタル酸または1,4−ブタンジオールに対して40モル%未満であることが好ましい。
本発明のポリブチレンテレフタレートの製造方法は、連続式にてポリブチレンテレフタレートを製造するものである。連続式のポリブチレンテレフタレートの製造方法は、少なくとも、(1)有機チタン化合物の存在下でジカルボン酸とジオールとを、エステル化反応槽において連続的にエステル化反応させてオリゴマーを得る工程、(2)前記(1)により得られるオリゴマーを予備重縮合反応槽において連続的に重縮合反応させて低重合ポリマーを得る工程および(3)前記(2)により得られる低重合ポリマーを重縮合反応槽において連続的にさらに重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを得る工程を含む。かかるポリブチレンテレフタレートの製造方法には、エステル化反応槽、予備重縮合反応槽および重縮合反応槽を有する直列連続槽型反応器が好ましく用いられる。
具体的には、ジオール成分とジカルボン酸成分を主体とする原料をスラリー調整し、そのスラリーをエステル化反応槽に供給し、エステル化反応を行う。得られたエステル化反応生成物であるオリゴマーを、予備重縮合反応槽及び重縮合反応槽を経て重縮合反応させる。
まず、上記工程(1)について説明する。テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールを含む原料をスラリー調製し、そのスラリーをエステル化反応槽に連続的に供給し、連続的にエステル化反応を行うことが好ましい。エステル化反応槽に供給するスラリーは、ジカルボン酸と、ジオールの少なくとも一部を混合することにより得ることができる。原料となるジオールの一部を用いてスラリー調製した場合、残りのジオールはエステル化反応槽へ直接供給することもできる。本発明の好ましい形態としては、ジカルボン酸成分に対するジオール成分の仕込みモル比は1.4〜2.0が好ましい。ジカルボン酸に対するジオールの仕込み比率(モル比)を1.4以上とすることにより、エステル化反応率および重縮合反応速度をより向上させ、得られるポリブチレンテレフタレートの物性を向上させることができる。1.5以上がより好ましい。一方、ジカルボン酸に対するジオールの仕込み比率(モル比)を2.0以下とすることにより、各反応槽の熱効率を高く保ち、テトラヒドロフランの副生を抑制することができる。1.8以下がより好ましい。なお、過剰に仕込まれたジオールは、後述の重縮合反応において系外へ抜き出されることが好ましい。
本発明に用いるエステル化反応槽の型式としては特に限定されるものではないが、例えば、縦型撹拌完全混合槽、縦型熱対流式混合槽、棚段型反応槽などを用いることができ、複数の槽を用いる場合はこれら同種または異種の複数基の槽を直列する複数槽とすることができる。本発明においては、好ましくは縦型撹拌完全混合槽である。エステル化反応槽の留出口には精留塔をつけることが好ましく、精留塔により留出物中の水及びテトラヒドロフランと1,4−ブタンジオールを分離することができる。精留塔の塔頂からは水及びテトラヒドロフランを主成分とする留出物が留出され、コンデンサーで凝縮された後、回収工程へ送液される。1,4−ブタンジオールを主成分とする留出物は精留塔の底部で凝縮し還流液として、エステル化反応槽へ返送されることが好ましい。また、その際に、ジカルボン酸に対するジオールの仕込み量を過剰にした場合にはエステル化反応槽中でのモル比を調整するため、還流液の一部を系外へ留出させてもよい。この場合、留出させた1,4−ブタンジオールを主成分とする留出物は再度、原料として用いることができ、精留して使用してもよいし、そのまま使用してもよい。
エステル化反応を効率的に進めるために、エステル化反応触媒を用いることが好ましい。エステル化反応触媒としては、有機チタン化合物が好ましい。本発明で好ましく用いられる有機チタン化合物は、下記一般式
(RO)Ti(OR4−n
(ただし、R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜10の脂肪族、脂環族または芳香族の炭化水素基、nは0〜4の整数である。)で表されるチタン酸エステルおよび縮合物で代表される。
有機チタン化合物は、具体的には、チタン酸のメチルエステル、テトラ−n−プロピルエステル、テトライソプロピルエステル、テトラ−n−ブチルエステル、テトライソブチルエステル、テトラ−tert−ブチルエステル、テトラ−2エチルヘキシルエステル、テトラオクチルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル、トリルエステルあるいはこれらの混合エステルなどがある。これらの中でも安価に入手できることからチタン酸のテトラ−n−プロピルエステル(テトラ−n−プロピルチタネート)、テトライソプロピルエステル(テトラ−イソプロピルチタネート)、テトラ−n−ブチルエステル(テトラ−n−ブチルチタネート)が好ましく、チタン酸のテトラ−n−ブチルエステル(テトラ−n−ブチルチタネート)が特に好ましく用いられる。これらの有機チタン化合物は1種のみを用いても、2種以上を併用してもよい。また、エステル化反応時だけでなく、重縮合反応時に有機チタン化合物を用いてもよい。詳細については後述するが、その場合は同一種を用いても、異種の有機チタン化合物を用いてもよい。
上記、有機チタン化合物は後述する有機溶媒で希釈してエステル化反応槽へ添加してもよく、希釈することなく1,4−ブタンジオール中へ添加し、1,4−ブタンジオールとともにエステル化反応槽へ添加してもよい。また、エステル化反応槽へ返送される還流液に直接添加してもよく、有機溶媒で希釈したものを還流液に添加してもよい。
この場合の有機溶媒としてはイソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオールなどが挙げられるが、品質面の影響等を考慮すると1,4−ブタンジオールが好ましく用いられる。
該有機チタン化合物の添加量は、Ti原子換算でポリマー総重量に対して25〜75ppmであることが好ましい。添加量が25ppm以上であるとエステル化速度が遅くなることを抑制し、テトラヒドロフランの副生を抑えることができるため好ましい。30ppm以上がより好ましい。また、75ppm以下であると、得られるポリマーの溶液ヘイズを低くすることができるため好ましい。70ppm以下がより好ましい。なお、有機チタン化合物を過剰に添加すると、異物発生の原因となり、当該異物起因のスケールの元となる。
また、有機チタン化合物を添加する場合、ジカルボン酸成分のエステル化反応率を95〜98%に保った状態でエステル化反応槽に添加することが好ましい。エステル化反応槽に添加する際、ジカルボン酸成分のエステル化反応率が95%以上で有機チタン化合物を添加するとオリゴマー中のテレフタル酸の残存量が少ないため異物の発生を低減することができる。96%以上がより好ましい。また、98%以下で添加すると、テレフタル酸の残存と有機チタン化合物の反応を抑制し、ポリマーの溶液ヘイズを低減することができるため好ましい。97%以下がより好ましい。
本発明におけるエステル化反応は有機チタン化合物の存在下で、反応温度は好ましくは210〜260℃、より好ましくは220〜250℃で行なうことが好ましい。圧力は好ましくは13.3〜93kPa以下、より好ましくは20〜87kPaの減圧下で行うことが好ましい。エステル化反応により得られるオリゴマーの数平均重合度は通常2〜5である。なお、オリゴマーの数平均重合度、後述する低重合度ポリマーの数平均重合度、およびポリブチレンテレフタレートの数平均重合度は、いずれも、GPC(Gel Permeation Chromatography)にてMn(数平均分子量)を測定し、ポリブチレンテレフタレートの場合は、その一繰り返し単位の分子量220で割ることにより求めることができる。
本発明におけるエステル化反応槽に付属する液面計は、連続的に槽内の液面を測定するものである。本発明は、エステル化反応槽内の液面計の液相受圧部(接液部)に原料である1,4−ブタンジオールの一部を連続して液体の状態で接触させつつ供給することを特徴とする。原料と同じ液体を用いることで、ポリブチレンテレフタレートの品質を悪化させることなく、液面計液相受圧部に触媒として用いた有機チタン化合物に由来するスケールの生成を防止することができる。また、エステル化反応槽内が沸騰しガスが発生している状態であっても、液面計液相受圧部へ連続して液体が流れているため反応槽内の沸騰したガスによる影響を受けることなく、安定して液面を測定することができる。液面計液相受圧部へ接触させつつ供給する流体に品質を考慮しエステル化反応で生成する水やテトラヒドロフランを用いた場合、エステル化反応槽内温度と流体の沸点差が大きいため液面計液相受圧部で沸騰が起こりやすくなり液面指示値が変動するため好ましくない。また、原料であるテレフタル酸を用いた場合、液面計液相受圧部にテレフタル酸が詰まりトラブルの原因となる。そのほか、窒素などの不活性ガスを用いた場合、液面計指示値の変動が大きくなるため好ましくなく、圧縮空気は防災上の観点から使用することができない。
なお、本発明の液面計は気相に設置する気相受圧部と液相に設置する液相受圧部とを有する構成となっている。
液面計液相受圧部へ流す1,4−ブタンジオールの線速度は、毎時0.001〜5mであることが好ましい。線速度が毎時0.001m以上であると、長期間運転した場合であってもスケールの生成を抑制することができる。毎時0.01m以上がさらに好ましい。また、毎時5m以下とすることで、液面計液相受圧部の誤作動や故障を抑制し、検出誤差を小さくすることができる。毎時3m以下がさらに好ましい。液面計液相受圧部へ流す1,4−ブタンジオールの温度は、連続して液体の状態で流す必要があるため、1,4−ブタンジオールの融点である20℃以上が好ましく、さらに好ましくは30℃以上である。30℃以上とすることで、液面計指示値が安定しスケールの析出を軽減できる。液面計液相受圧部へ流す1,4−ブタンジオールの温度の上限値は225℃以下が好ましい。温度が225℃を超えると、液面計液相受圧部で1,4−ブタンジオールが沸騰しやすくなり、液面計指示値が変動しやすくなることがある。また、液面計液相受圧部へ流す1,4−ブタンジオールの温度は、エステル化反応槽内温との温度差を50℃以内とすることがより好ましい。50℃以内とすることで、液面計液相受圧部の温度差による故障を少なくすることができ、スケールの析出も低減できる。
次に、(2)前記(1)により得られるオリゴマーを予備重縮合反応槽において連続的に重縮合反応させて低重合度ポリマーを得る工程について説明する。本発明において使用する予備重縮合反応槽について、その型式は特に制限されるものではないが、例えば、縦型撹拌重合槽、横型撹拌重合槽、薄膜蒸発式重合槽などを用いることができる。
特に高粘度品を生産する際、重合効率を上げるために、予備重縮合反応または後述する重縮合反応において、重縮合反応触媒を用いてもよい。重縮合反応触媒は、前述のスラリーまたはエステル化反応槽に添加してもよいし、重縮合反応槽に添加してもよい。重縮合反応触媒としては、有機チタン化合物が一般的に用いられる。エステル化反応触媒と同じ触媒を重縮合反応触媒として用いることもできる。その添加量はエステル化反応と同様、Ti原子換算でポリマー総重量に対して25〜75ppm添加することが好ましく、30〜70ppmがより好ましい。また、予備重縮合反応槽に添加する触媒量を上乗せして、エステル化反応槽に一括添加した場合は、異物含有量や溶液ヘイズが上昇することがある。
予備重縮合反応槽は1基または同種もしくは異種の複数基の槽を直列する複数槽とすることができる。予備重縮合反応の反応温度は好ましくは210〜270℃、より好ましくは220〜260℃である。予備重縮合反応の圧力は好ましくは7kPa以下、より好ましくは1〜6kPaの減圧下で行うことが好ましい条件として挙げられる。予備重縮合反応により得られる低重合ポリマーの数平均重合度は通常20〜50が好ましい。
次に、(3)前記(2)により得られる低重合度ポリマーを重縮合反応槽において連続的にさらに重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを得る工程について説明する。本発明において用いる重縮合反応槽の型式は特に制限されるものではないが、例えば、横型1軸反応機、横型2軸反応機などを用いることができる。重縮合反応槽の反応温度は好ましくは220〜260℃、より好ましくは230〜250℃である。重縮合反応槽の圧力は好ましくは1.3kPa以下、より好ましくは0.67kPa以下の減圧下で行うことが好ましい条件として挙げられる。重縮合反応により得られるポリブチレンテレフタレートの数平均重合度は通常70〜180であることが好ましい。
本発明の方法でポリブチレンテレフタレートを製造するに際し、本発明の目的を損なわない範囲で、通常の添加剤、例えば紫外線吸収剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、染料および顔料を含む着色剤などを1種以上添加することができる。
本発明で得られたポリブチレンテレフタレートの異物含有量は、40ppm未満が好ましく、より好ましくは30ppm以下、さらに好ましくは20ppm以下である。異物含有量を40ppm未満とすることが、製造設備の運転面とポリブチレンテレフタレートの品質面の両方で好ましい。ポリブチレンテレフタレートを最終製品である成形品やフィルムにした際に、十分な強度を有し、表面性の良好な成形品およびフィルムを得ることができる。なお、ポリブチレンテレフタレートの異物含有量は、以下の方法で求めることができる。まず目開き10μmの焼結繊維フィルターを用いて温度255℃の条件でポリマーの濾過を行い、焼結フィルター上に異物を捕集する。濾過に用いた焼結繊維フィルターをo−クロロフェノールを入れたビーカーへ投入し撹拌し、得られた溶液を目開き5μmのPTFEメンブレンフィルターで濾過する。濾過に用いたPTFEメンブレンフィルターをアセトンで洗浄後、50℃で12時間真空乾燥させて重量を測定する。乾燥後のPTFEメンブレンフィルターの重量と濾過に用いる前のPTFEメンブレンフィルターの重量との差を、濾過したポリブチレンテレフタレートの重量で除すことで、異物含有量(単位ppm)を求めることができる。
以下に実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、ポリブチレンテレフタレートの重合、および各測定値は下記の方法により行った。
<ポリブチレンテレフタレートの製造方法>
スラリー化槽、スラリー貯槽、エステル化反応槽1基、予備重縮合反応槽1基、重縮合反応槽1基、ペレタイザーを直列に配した製造装置を用いた。まず、テレフタル酸100kgに対して1,4−ブタンジオール100kgの割合で両原料をスラリー化槽に供給し、撹拌混合を行い、スラリーを調製した。得られたスラリーを、50℃の定温にしたスラリー貯槽に移し、スラリー貯槽からスラリーをポンプにより8000kg/時の一定速度で精留塔を有する完全混合槽型エステル化反応槽に供給し、併せて、テトラ−n−ブチルチタネート(TBT)を、エステル化反応槽に付属の精留塔から3200kg/時の速度で還流する1,4−ブタンジオールへ、2kg/時の速度で連続的に供給した。
エステル化反応槽の反応条件は、温度230℃、圧力80kPaの条件で、滞留時間2時間とし、精留塔の塔頂からはテトラヒドロフランおよび水を留出させ、精留塔の塔底から1,4−ブタンジオールを還流させ、オリゴマーを得た。
引き続いてこのオリゴマーをギヤポンプにて予備重縮合反応槽に供給し、反応温度255℃、圧力2.0kPaの条件で、滞留時間2時間で重縮合反応させ、数平均重合度28、固有粘度0.30の低重合ポリマーを得た。
この低重合ポリマーを重縮合反応槽(横型2軸反応機)に供給し、温度248℃、圧力120Pa、滞留時間1.5時間の条件で重縮合反応させ、数平均重合度107のポリマーを得た。このポリマーを、ギヤポンプによりポリマーフィルターならびにダイを経て系外にストランド状に吐出し、冷却水により冷却し、ペレタイザーによりペレット化した。
(1)液面計のスケール有無
エステル化反応槽内を洗浄後、液面計を取り外しスケールの有無について液面計の接液部を目視で観察した。液面計の液相受圧部にスケールが付着していない状態を○、液相受圧部の表面積に対し、スケールが20%未満付着した状態を△、スケールが20%以上付着した状態を×とした。
(2)液面計の誤差
エステル化反応槽内を洗浄後、液面計を水を用いて検定し、エステル化反応槽への水の投入量と液面高さから液面指示値を算出した。液面指示値の算出結果と実際の液面計指示値の誤差が2%以内を適合、2%超過を不適合とした。
(3)固有粘度
各実施例および比較例により得られたペレットについて、ウベローデ型粘度計とo−クロロフェノールを用い、25℃において、ポリブチレンテレフタレートの濃度1.0dl/g、0.5dl/gおよび0.25dl/gの溶液粘度を測定し、溶液粘度の値を濃度0に外挿して固有粘度(dl/g)を求めた。
(4)色調(色座標b値)
各実施例および比較例により得られたペレットについて、反射法によりスガ試験機社製カラーテスターSC−3−CH型を用いて、JIS Z 8730の参考1に記載されるLab表色系におけるハンターの色差式の色座標b値を測定した。カラーテスターSC−3−CH型の電源投入後4時間以上放置し、予め装置を十分安定させた後、内径60mm、深さ30mm、受光部が石英ガラス製である測定セルにペレットをすり切り位置まで充填し、測定セルの向きを90度ずつ4方向変えて色座標b値を4回測定し、その数平均値を求めた。
(5)異物含有量
各実施例および比較例により得られたペレット2000gを、濾過面積2.0cm、目開き10μmの焼結繊維フィルターを取り付けた富士フィルター工業社製MST−C400へ仕込み、口金温度255℃、濾過速度6.8g/分で焼結繊維フィルターを通過させ、焼結繊維フィルター上へ異物を補集した。ポリマーが付着した焼結繊維フィルターを富士フィルター工業社製MST−C400から取り出し、o−クロロフェノール20mlが仕込まれているビーカーへ投入し、100℃で2時間撹拌した。撹拌により得られた溶液を、目開きが5μmのミリポア社製のPTFEメンブレンフィルターで濾過し、該PTFEメンブレンフィルターをアセトンで洗浄後、50℃で12時間真空乾燥した。真空乾燥したPTFEメンブレンフィルターの重量を測定し、濾過前の重量との差を求めた。求めた重量差をペレット量(2000g)で割り、異物含有量(単位ppm)を求めた。
(6)溶液ヘイズ
実施例および比較例により得られたペレット5.4gをフェノール/四塩化エタン(60:40wt%)の混合溶媒40mlに100℃で2時間加熱溶解し、この溶液を光路長30mmのセルに入れて積分式ヘーズメーター(スガ試験機:HZ−2)で溶液ヘイズを測定した。
(実施例1)
上記したポリブチレンテレフタレートの製造方法で連続運転した。エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、温度200℃に加温した1,4−ブタンジオールを毎時0.06mの線速度で連続的に流し、液面を測定しながら半年間運転した。半年後工程を停機し、エステル化反応槽を洗浄して液面計を取り外しスケールの有無を確認した。取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.0%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例2)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.11mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.0%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.28mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.5%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時3.00mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.6%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.57mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.7%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時5.00mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.9%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.03mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.2%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.001mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.5%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
参考例9)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時5.60mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかったが、液面計の検定結果は誤差が3.3%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は20ppm、溶液ヘイズ15%と、エステル化反応槽液面の誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレット中の異物含有量が増加した。評価結果を表1に示す。
参考例10)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.0007mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計液相受圧部のスケールは大きく、液面計の検定結果は誤差が5.6%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.9dl/g、b値は6、異物含有量は30ppm、溶液ヘイズ20%と、エステル化反応槽液面の誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレット中の異物含有量が増加し、b値も若干悪化した。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、温度30℃に加温した1,4−ブタンジオールを毎時0.11mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.9%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ3%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
参考例12)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時6.00mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかったが、液面計の検定結果は誤差が15.5%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.9dl/g、b値は6、異物含有量は70ppm、溶液ヘイズ40%と、エステル化反応槽液面の誤差が大きく工程変動の原因となることがあった。結果、ペレットの固有粘度、b値、異物含有量、溶液ヘイズが悪化した。評価結果を表1に示す。
参考例13)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、温度25℃に加温した1,4−ブタンジオールを毎時0.11mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計液相受圧部にスケールが付着し、液面計の検定結果は誤差が2.2%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は10ppm、溶液ヘイズ5%と、エステル化反応槽液面の誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレット中の異物含有量が増加し、ヘイズも若干悪化した。評価結果を表1に示す。
(実施例14)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、温度210℃に加温した1,4−ブタンジオールを毎時0.11mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.0%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例15)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、温度180℃に加温した1,4−ブタンジオールを毎時0.28mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.5%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(実施例16)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、温度225℃に加温した1,4−ブタンジオールを毎時5.00mの線速度で連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部にスケールは生成していなかった。液面計の検定結果は誤差が1.9%で合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は1.0dl/g、b値は5、異物含有量は5ppm、溶液ヘイズ1%と成形品やフィルムに適したポリマーであった。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に1,4−ブタンジオールを流さなかった。その他の条件は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計の液相受圧部は一面にスケールが付着し、液面計の検定結果は誤差が10.2%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.9dl/g、b値は6、異物含有量は50ppm、溶液ヘイズ30%と、エステル化反応槽液面の誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレットの固有粘度、b値、異物含有量、溶液ヘイズ全てにおいて成形品やフィルムに適さない結果であった。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、1日に5分間、毎時0.06mの線速度で完結的に1,4−ブタンジオールを流した。その他の条件は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。結果、取り外した液面計液相受圧部のスケールは大きく、液面計の検定結果は誤差が9.0%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.9dl/g、b値は6、異物含有量は40ppm、溶液ヘイズ25%と、エステル化反応槽液面の誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレットの固有粘度、b値、異物含有量、溶液ヘイズ全てにおいて成形品やフィルムに適さない結果であった。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時4.93mの線速度で25℃(常温)の窒素を連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。窒素を流した場合、液面計指示値の変動が非常に大きく運転が不安定であった。結果、取り外した液面計液相受圧部のスケールは大きく、液面計の検定結果は誤差が7.1%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.9dl/g、b値は6、異物含有量は35ppm、溶液ヘイズ25%と、エステル化反応槽液面の変動と誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレットの固有粘度、b値、異物含有量、溶液ヘイズ全てにおいて成形品やフィルムに適さない結果であった。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.11mの線速度で30℃の水を連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。水を流した場合、液面計指示値の変動が大きく運転が不安定であった。結果、取り外した液面計液相受圧部のスケールは大きく、液面計の検定結果は誤差が18.1%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.9dl/g、b値は6、異物含有量は80ppm、溶液ヘイズ45%と、エステル化反応槽液面の変動と誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレットの固有粘度、b値、異物含有量、溶液ヘイズ全てにおいて成形品やフィルムに適さない結果であった。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.11mの線速度で30℃のテトラヒドロフランを連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。テトラヒドロフランを流した場合、液面計指示値の変動が非常に大きく運転が不安定であった。結果、取り外した液面計液相受圧部のスケールは大きく、液面計の検定結果は誤差が9.5%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.9dl/g、b値は6、異物含有量は40ppm、溶液ヘイズ25%と、エステル化反応槽液面の変動と誤差が大きく反応率が変動した結果、ペレットの固有粘度、b値、異物含有量、溶液ヘイズ全てにおいて成形品やフィルムに適さない結果であった。評価結果を表1に示す。
(比較例6)
エステル化反応槽の液面計液相受圧部に、毎時0.11mの線速度で150℃のエチレングリコールを連続的に流したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリマーを製造した。エチレングリコールを流した場合、液面計指示値が変動し運転が不安定となることがあった。結果、取り外した液面計液相受圧部のスケールは大きく、液面計の検定結果は誤差が6.0%と不合格であった。工程を停機する24時間前のペレットの固有粘度は0.8dl/g、b値は8、異物含有量は35ppm、溶液ヘイズ40%と、エステル化反応槽液面の変動と誤差が大きく反応率が変動することがあり、また、液面計液相受圧部へ連続的にエチレングリコールを流したため、品質上問題となることがあった。ペレットの固有粘度、b値、異物含有量、溶液ヘイズ全てにおいて成形品やフィルムに適さない結果であった。評価結果を表1に示す。
Figure 0006984403



a:エステル化反応槽
b:原料スラリー入口
c:エステル化反応物移液ライン
d:液面計液相受圧部(接液部)1,4−ブタンジオール供給ライン
e:液面計気相受圧部
f:液面計液相受圧部(接液部)

Claims (6)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとを、エステル化反応槽において連続式にてエステル化反応させた後、次いで重縮合反応槽において重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを製造する方法において、エステル化反応槽内の液面を測定する液面計液相受圧部に、原料である1,4−ブタンジオールの一部を30〜225℃の温度で、かつ毎時0.001〜5mの線速度で連続的に接触させつつ供給することを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 前記エステル化反応槽において、有機チタン化合物の存在下でエステル化反応させることを特徴とする請求項に記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法。
  3. 前記有機チタン化合物が、テトラ−n−ブチルチタネートであることを特徴とする請求項に記載のポリブチレンテレフタレートの製造方法。
  4. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸と1,4−ブタンジオールを主成分とするジオールとを、エステル化反応槽において連続式にてエステル化反応させた後、次いで重縮合反応槽において重縮合反応させてポリブチレンテレフタレートを製造する装置において、エステル化反応槽内の液面を測定する液面計液相受圧部に、原料である1,4−ブタンジオールを30〜225℃の温度で、かつ毎時0.001〜5mの線速度で接触させつつ供給する機構を有することを特徴とするポリブチレンテレフタレートの製造装置。
  5. 前記エステル化反応槽において、有機チタン化合物の存在下でエステル化反応させることを特徴とする請求項に記載のポリブチレンテレフタレートの製造装置。
  6. 前記有機チタン化合物が、テトラ−n−ブチルチタネートであることを特徴とする請求項に記載のポリブチレンテレフタレートの製造装置。
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