以下に、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
以下の説明において、タイヤ幅方向とは、空気入りタイヤの回転軸と平行な方向をいい、タイヤ幅方向内側とはタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向、タイヤ幅方向外側とは、タイヤ幅方向においてタイヤ赤道面に向かう方向の反対方向をいう。また、タイヤ径方向とは、タイヤ回転軸と直交する方向をいい、タイヤ径方向内側とはタイヤ径方向においてタイヤ回転軸に向かう方向、タイヤ径方向外側とは、タイヤ径方向においてタイヤ回転軸から離れる方向をいう。また、タイヤ周方向とは、タイヤ回転軸を中心として回転する方向をいう。
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の要部を示す子午断面図である。図1に示す空気入りタイヤ1は、タイヤ回転軸に平行な向きでタイヤ回転軸を通る断面である子午断面で見た場合、タイヤ径方向の最も外側となる部分にトレッド部2が配設されており、トレッド部2の表面、即ち、当該空気入りタイヤ1を装着する車両(図示省略)の走行時に路面と接触する部分は、トレッド面3として形成されている。トレッド面3には、タイヤ周方向に延びる周方向主溝20と、タイヤ幅方向に延びるラグ溝40(図2参照)とがそれぞれ複数形成されている。トレッド面3には、これらの複数の周方向主溝20やラグ溝40によって複数の陸部10が画成されており、複数の陸部10は、タイヤ幅方向における少なくとも一方の端部が、周方向主溝20により区画されている。
タイヤ幅方向におけるトレッド部2の両端は、ショルダー部4として形成されており、ショルダー部4から、タイヤ径方向内側の所定の位置までは、サイドウォール部5が配設されている。つまり、サイドウォール部5は、タイヤ幅方向における空気入りタイヤ1の両側2箇所に配設されている。
さらに、それぞれのサイドウォール部5のタイヤ径方向内側には、ビード部30が位置しており、ビード部30は、サイドウォール部5と同様に、タイヤ赤道面CLの両側2箇所に配設されている。即ち、ビード部30は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に一対が配設されている。一対のビード部30のそれぞれにはビードコア31が設けられており、それぞれのビードコア31のタイヤ径方向外側にはビードフィラー35が配設されている。ビードコア31は、スチールワイヤであるビードワイヤをリング状に巻くことにより形成されている。ビードフィラー35は、後述するカーカス6のタイヤ幅方向端部がビードコア31の位置でタイヤ幅方向外側に折り返されることにより形成された空間に配置されるゴム材である。
トレッド部2のタイヤ径方向内側には、ベルト層7が設けられている。ベルト層7は、例えば、一対の交差ベルト7a,7bとベルトカバー7cとを積層した多層構造をなし、スチール、またはポリエステルやレーヨンやナイロン等の有機繊維材から成る複数のベルトコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成される。このうち、少なくとも一対の交差ベルト7a,7bは、タイヤ周方向に対するベルトコードのタイヤ幅方向の傾斜角として定義されるベルト角度が互いに異なっており、ベルトコードの傾斜方向を相互に交差させて積層される、いわゆるクロスプライ構造として構成される。
ベルト層7のタイヤ径方向内側、及びサイドウォール部5のタイヤ赤道面CL側には、ラジアルプライのコードを内包するカーカス6が連続して設けられている。カーカス6は、1枚のカーカスプライから成る単層構造、或いは複数のカーカスプライを積層して成る多層構造を有し、タイヤ幅方向の両側に配設されるビードコア31間にトロイダル状に架け渡されてタイヤの骨格を構成する。詳しくは、カーカス6は、タイヤ幅方向における両側に位置する一対のビード部30のうち、一方のビード部30から他方のビード部30にかけて配設されており、ビードコア31及びビードフィラー35を包み込むようにビード部30でビードコア31に沿ってタイヤ幅方向内側から外側に向かって巻き返されている。このように配設されるカーカス6のカーカスプライは、スチール材から成るカーカスコードであるスチールコードが用いられ、複数のスチールコードをコートゴムで被覆して圧延加工して構成されている。即ち、カーカス6は、スチールカーカス材を使用して構成されている。
また、カーカス6の内側、或いは、当該カーカス6の、空気入りタイヤ1における内部側には、インナーライナ8がカーカス6に沿って形成されている。
図2は、図1のA−A矢視図である。周方向主溝20は、3本がタイヤ幅方向に並んで設けられ、周方向主溝20によって区画される陸部10は、4列がタイヤ幅方向に並んで設けられている。3本の周方向主溝20のうち、タイヤ幅方向における中央に位置する周方向主溝20はセンター周方向主溝21として設けられ、タイヤ幅方向における最外側に位置する2本の周方向主溝20はショルダー周方向主溝22として設けられている。つまり、2本のショルダー周方向主溝22は、タイヤ幅方向におけるタイヤ赤道面CLの両側に配設されており、センター周方向主溝21は、タイヤ幅方向における2本のショルダー周方向主溝22の間に位置すると共にタイヤ赤道面CL上に配設されている。これらの周方向主溝20は、全てタイヤ周方向に直線状に延びて形成されている。
周方向主溝20は、全てタイヤ周方向に直線状に延びて形成されており、溝幅が4mm以上8mm以下の範囲内で、溝深さが10mm以上20mm以下の範囲内になっている。なお、周方向主溝20は、直線状以外の形状で形成されていてもよく、例えば、タイヤ周方向に延びつつタイヤ幅方向に繰り返し傾斜する波状、或いはジグザグ状の形状で形成されていてもよい。
ラグ溝40としては、隣り合うセンター周方向主溝21とショルダー周方向主溝22との間に配設されるセンターラグ溝41と、ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向における外側に配設されるショルダーラグ溝42とが設けられている。このうち、センターラグ溝41は、タイヤ幅方向における一端がセンター周方向主溝21またはショルダー周方向主溝22に開口し、他端が、センター周方向主溝21とショルダー周方向主溝22との間に位置する陸部10内で終端する片側開口ラグ溝として設けられている。
片側開口ラグ溝であるセンターラグ溝41は、隣り合う周方向主溝20同士を貫通していないため、隣り合うセンター周方向主溝21とショルダー周方向主溝22との間に位置する陸部10は、タイヤ周方向に分断されることなくタイヤ周方向に延びるリブ状の陸部10であるセンターリブ11として形成されている。センターリブ11は、センター周方向主溝21のタイヤ幅方向における両側2箇所に配設されており、それぞれタイヤ幅方向における内側がセンター周方向主溝21によって区画され、タイヤ幅方向における外側がショルダー周方向主溝22によって区画されている。即ち、センターリブ11は2列が設けられており、2列のセンターリブ11は、センター周方向主溝21を介して隣り合って配設されている。
センターラグ溝41は、このように形成されるセンターリブ11に設けられており、センターラグ溝41としては、第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60とが設けられている。このうち、第1センターラグ溝50は、一端がショルダー周方向主溝22に開口し、他端がセンターリブ11内で終端している。また、第2センターラグ溝60は、一端がセンター周方向主溝21に開口し、他端がセンターリブ11内で終端している。
これらの第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60とは、タイヤ周方向に向かって第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60とが交互に設けられることにより、千鳥配置となって配設されている。換言すると、センターラグ溝41は、タイヤ周方向における所定の方向に向かって、第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60とが交互に配設されることにより、ショルダー周方向主溝22に開口するセンターラグ溝41とセンター周方向主溝21に開口するセンターラグ溝41とが、互い違いに配設されている。
また、センターリブ11には、センターラグ溝41におけるセンターリブ11内で終端する側の端部の延長線上に位置して周方向主溝20に開口する切欠き90が複数設けられている。詳しくは、切欠き90は、センター周方向主溝21に開口する切欠き90である第1切欠き91と、ショルダー周方向主溝22に開口する切欠き90である第2切欠き95とが、それぞれ複数設けられている。このうち、第1切欠き91は、第1センターラグ溝50におけるセンターリブ11内で終端する側の端部54の延長線上に位置しており、第2切欠き95は、第2センターラグ溝60におけるセンターリブ11内で終端する側の端部64の延長線上に位置している。
なお、ここでいう切欠き90は、トレッド面3から凹んで形成される凹みのうち、タイヤ幅方向における幅が5mm未満のものをいい、センターラグ溝41、即ち、ラグ溝40は、タイヤ幅方向における幅が5mm以上のものをいう。また、切欠き90は、切欠き90の全ての部分が、センターラグ溝41におけるセンターリブ11内で終端する側の端部54、64の延長線上に位置していなくてもよい。切欠き90は、センターラグ溝41が設けられるセンターリブ11を区画する2本の周方向主溝20のうち、センターラグ溝41が開口する周方向主溝20とは異なる周方向主溝20に向かってセンターラグ溝41を延長した場合における、センターラグ溝41の溝幅の範囲内に、切欠き90の少なくとも一部が位置していればよい。
それぞれ同じ周方向主溝20に開口するセンターラグ溝41と切欠き90とは、タイヤ周方向において交互に配設されている。つまり、同じショルダー周方向主溝22に開口する第1センターラグ溝50と第2切欠き95とは、タイヤ周方向において交互に配設されており、同じセンター周方向主溝21に開口する第2センターラグ溝60と第1切欠き91とは、タイヤ周方向において交互に配設されている。
また、第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60が、タイヤ周方向に向かって交互に設けられることに伴い、第1切欠き91と第2切欠き95とも、タイヤ周方向に向かって交互に設けられている。即ち、第1切欠き91と第2切欠き95とは、第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60と同様に、タイヤ周方向に向かって第1切欠き91と第2切欠き95とが交互に設けられることにより、千鳥配置となって配設されている。さらに、それぞれ複数設けられるセンターラグ溝41と切欠き90とのそれぞれが千鳥配置となって配設されることにより、センターラグ溝41と切欠き90とも、千鳥配置となって配設されている。
また、ショルダーラグ溝42は、ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向における外側に位置しており、ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に位置する陸部10をタイヤ幅方向に貫通している。つまり、ショルダーラグ溝42は、タイヤ幅方向における内側の端部が、ショルダー周方向主溝22に対してタイヤ幅方向外側から開口しており、タイヤ幅方向における外側の端部が、ショルダー部4に位置してタイヤ幅方向外側に向かって開口している。
ショルダーラグ溝42は、このようにショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に位置する陸部10をタイヤ幅方向に貫通するため、ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に位置する陸部10は、ショルダー周方向主溝22とショルダーラグ溝42とによりショルダーブロック12として区画されている。つまり、ショルダーブロック12は、ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に位置する陸部10であるショルダー陸部として設けられており、タイヤ幅方向における内側がショルダー周方向主溝22によって区画され、タイヤ周方向における両側がショルダーラグ溝42によって区画されている。このように形成されるショルダーブロック12は、複数がタイヤ周方向に並んで配設されており、このため、ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向における外側には、ショルダーブロック12がタイヤ周方向に配列されたショルダーブロック列13が配設されている。ショルダーブロック列13は、2本のショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向における外側の2箇所に配設されており、ショルダー周方向主溝22を介してセンターリブ11と隣り合っている。
また、ショルダーラグ溝42は、溝深さが異なる第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とを有している。第1ショルダーラグ溝70の溝深さは第2ショルダーラグ溝80の溝深さよりも深くなっており、第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、タイヤ周方向に交互に配設されている。なお、この場合における第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80の溝深さの比較は、溝深さを溝面積によって重み付けした平均の深さである、いわゆる加重平均した溝深さ同士を比較したものになっている。つまり、第1ショルダーラグ溝70は、加重平均の溝深さが、第2ショルダーラグ溝80の加重平均の溝深さよりも深くなっている。また、第1ショルダーラグ溝70の加重平均の溝深さは、第1センターラグ溝50及び第2センターラグ溝60の加重平均の溝深さよりも深くなっている。
ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向外側に位置する陸部10は、ショルダーラグ溝42によりタイヤ周方向に区画されたショルダーブロック12として形成されているのに対し、ショルダー周方向主溝22のタイヤ幅方向内側に位置する陸部10は、タイヤ周方向に連続するセンターリブ11になっている。つまり、センターラグ溝41と切欠き90とが配設されるセンターリブ11には、両端が周方向主溝20に開口する溝及びサイプが形成されておらず、陸部10をタイヤ幅方向に貫通するラグ溝40は、ショルダーブロック列13のみに形成されている。反対に、センターラグ溝41のような片側開口ラグ溝と切欠き90とは、ショルダーブロック12には形成されておらず、片側開口ラグ溝であるセンターラグ溝41と切欠き90とは、ショルダーブロック12以外の陸部10に千鳥配置となって配設されている。
図3は、図2のB部詳細図である。図4は、図2のC部詳細図である。センターリブ11に形成されてショルダー周方向主溝22に開口する第1センターラグ溝50は、一定の溝幅で形成される一定幅部51と、溝幅が変化する拡幅部52とを有すると共に、拡幅部52がショルダー周方向主溝22に開口している。このうち、一定幅部51は、拡幅部52におけるショルダー周方向主溝22に開口している側の反対側の部分から、第1センターラグ溝50におけるセンターリブ11内で終端する側の端部54にかけて延びている。また、拡幅部52は、一定幅部51が接続されている位置では、溝幅が一定幅部51の溝幅とほぼ同じ大きさになっており、一定幅部51側からショルダー周方向主溝22に開口している側に向かうに従って、溝幅が大きくなっている。このように形成される拡幅部52における、ショルダー周方向主溝22に開口している部分が、第1センターラグ溝50におけるショルダー周方向主溝22に対する開口部53になっている。
第1センターラグ溝50と同様に、センターリブ11に形成されてセンター周方向主溝21に開口する第2センターラグ溝60は、一定の溝幅で形成される一定幅部61と、溝幅が変化する拡幅部62とを有すると共に、拡幅部62がセンター周方向主溝21に開口している。このうち、一定幅部61は、拡幅部62におけるセンター周方向主溝21に開口している側の反対側の部分から、第2センターラグ溝60におけるセンターリブ11内で終端する側の端部64にかけて延びている。また、拡幅部62は、一定幅部61が接続されている位置では、溝幅が一定幅部61の溝幅とほぼ同じ大きさになっており、一定幅部61側からセンター周方向主溝21に開口している側に向かうに従って、溝幅が大きくなっている。このように形成される拡幅部62における、センター周方向主溝21に開口している部分が、第2センターラグ溝60におけるセンター周方向主溝21に対する開口部63になっている。
これらのように形成されるセンターラグ溝41は、センターラグ溝41が配設されるセンターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、センターラグ溝41のタイヤ幅方向における長さL1が、0.3≦(L1/W1)≦0.6の範囲内になっている。つまり、第1センターラグ溝50は、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対する第1センターラグ溝50のタイヤ幅方向における長さL1の比率が0.3以上0.6以下になっており、第2センターラグ溝60も、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対する第2センターラグ溝60のタイヤ幅方向における長さL1の比率が0.3以上0.6以下になっている。
また、第1センターラグ溝50は、一定幅部51のタイヤ幅方向における長さL3が、第1センターラグ溝50のタイヤ幅方向における長さL1に対して、0.6≦(L3/L1)≦0.8の範囲内になっている。第2センターラグ溝60も同様に、一定幅部61のタイヤ幅方向における長さL3が、第2センターラグ溝60のタイヤ幅方向における長さL1に対して、0.6≦(L3/L1)≦0.8の範囲内になっている。
さらに、第1センターラグ溝50は、拡幅部52における周方向主溝20に開口している位置での溝幅W5と、一定幅部51の溝幅W4との関係が、0.4≦(W4/W5)≦0.6の範囲内になっており、第2センターラグ溝60も、拡幅部62における周方向主溝20に開口している位置での溝幅W5と、一定幅部61の溝幅W4との関係が、0.4≦(W4/W5)≦0.6の範囲内になっている。この場合における一定幅部51、61の溝幅W4は、一定幅部51、61の溝壁に直交する方向における、対向する溝壁同士の距離になっている。また、拡幅部52、62における周方向主溝20に開口している位置での溝幅W5は、周方向主溝20に対する第1センターラグ溝50や第2センターラグ溝60の開口部53、63のタイヤ周方向における幅になっている。
なお、第1センターラグ溝50は、一定幅部51の溝幅が3mm以上8mm以下の範囲内で、一定幅部51の溝深さが1mm以上5mm以下の範囲内で形成されるのが好ましい。第2センターラグ溝60も、一定幅部61の溝幅が3mm以上8mm以下の範囲内で、一定幅部61の溝深さが1mm以上5mm以下の範囲内で形成されるのが好ましい。
また、センターリブ11に形成される切欠き90は、切欠き90が開口する周方向主溝20に対してタイヤ幅方向に離れた位置から周方向主溝20に近付くに従ってタイヤ周方向における幅が大きくなる、台形状の形状で形成されている。つまり、センター周方向主溝21に開口する第1切欠き91は、センター周方向主溝21に対してタイヤ幅方向に離れた位置からセンター周方向主溝21に近付くに従って、タイヤ周方向における幅が大きくなっており、タイヤ幅方向においてセンター周方向主溝21に開口する側の反対側に位置する端部92が、タイヤ周方向に沿って形成されている。同様に、ショルダー周方向主溝22に開口する第2切欠き95は、ショルダー周方向主溝22に対してタイヤ幅方向に離れた位置からショルダー周方向主溝22に近付くに従って、タイヤ周方向における幅が大きくなっており、タイヤ幅方向においてショルダー周方向主溝22に開口する側の反対側に位置する端部96が、タイヤ周方向に沿って形成されている。
このように形成される切欠き90は、第1センターラグ溝50の拡幅部52や第2センターラグ溝60の拡幅部62と、ほぼ同じ形状で形成されている。つまり、切欠き90と、拡幅部52、62とは、タイヤ周方向における幅やタイヤ幅方向における幅が同程度の大きさになっており、タイヤ径方向における深さも同程度の深さになっている。
また、切欠き90は、切欠き90が配設されるセンターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、切欠き90のタイヤ幅方向における長さL2が、0.05≦(L2/W1)≦0.20の範囲内になっている。つまり、第1切欠き91は、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対する第1切欠き91のタイヤ幅方向における長さL2の比率が0.05以上0.20以下になっており、第2切欠き95も、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対する第2切欠き95のタイヤ幅方向における長さL2の比率が0.05以上0.20以下になっている。
さらに、切欠き90は、第1切欠き91と第2切欠き95とのいずれも、タイヤ周方向における最小幅W2と最大幅W3との関係が、0.4≦(W2/W3)≦0.6の範囲内になっている。本実施形態では、切欠き90は台形状の形状になっているため、第1切欠き91の最小幅W2は、センター周方向主溝21に開口する側の反対側の端部92のタイヤ周方向における幅になっており、第1切欠き91の最大幅W3は、センター周方向主溝21に対して開口している部分のタイヤ周方向における幅になっている。第2切欠き95も同様であり、第2切欠き95の最小幅W2は、ショルダー周方向主溝22に開口する側の反対側の端部96のタイヤ周方向における幅になっており、第2切欠き95の最大幅W3は、ショルダー周方向主溝22に対して開口している部分のタイヤ周方向における幅になっている。
図5は、図3のE−E断面図である。第1センターラグ溝50は、一定幅部51と拡幅部52とで溝深さが大きく異なっており、拡幅部52の溝深さが、一定幅部51の溝深さよりも深くなって形成されている。具体的には、第1センターラグ溝50は、一定幅部51の最小溝深さD1が、拡幅部52の最大溝深さD2に対して、0.2≦(D1/D2)≦0.5の範囲内になっている。
また、第1センターラグ溝50の拡幅部52は、溝深さがショルダー周方向主溝22の溝深さと同程度の大きさになっており、拡幅部52の最大溝深さD2は、拡幅部52が開口するショルダー周方向主溝22の溝深さDCに対して、0.8≦(D2/DC)≦1.0の範囲内になっている。
図6は、図4のF−F断面図である。第2センターラグ溝60も、一定幅部61と拡幅部62とで溝深さが大きく異なっており、拡幅部62の溝深さが、一定幅部61の溝深さよりも深くなって形成されている。具体的には、第2センターラグ溝60は、一定幅部61の最小溝深さD1が、拡幅部62の最大溝深さD2に対して、0.2≦(D1/D2)≦0.5の範囲内になっている。
また、第2センターラグ溝60の拡幅部62は、溝深さがセンター周方向主溝21の溝深さと同程度の大きさになっており、拡幅部62の最大溝深さD2は、拡幅部62が開口するセンター周方向主溝21の溝深さDCに対して、0.8≦(D2/DC)≦1.0の範囲内になっている。
図7は、図2のG部詳細図である。第1ショルダーラグ溝70は、溝壁が第1ショルダーラグ溝70の長さ方向における中央付近で屈曲することにより、一定の溝幅で形成される一定幅部71と、溝幅が変化する拡幅部72とを有している。第2ショルダーラグ溝80も同様に、溝壁が第2ショルダーラグ溝80の長さ方向における中央付近で屈曲することにより、一定の溝幅で形成される一定幅部81と、溝幅が変化する拡幅部82とを有している。第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、共に一定幅部71、81が、拡幅部72、82のタイヤ幅方向における内側に位置し、拡幅部72、82が、一定幅部71、81のタイヤ幅方向における外側に位置している。つまり、第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、一定幅部71、81がショルダー周方向主溝22に開口し、拡幅部72、82が、ショルダー部4でタイヤ幅方向外側に向かって開口している。
図8は、図7のH部詳細図である。第1ショルダーラグ溝70の一定幅部71は、ショルダー周方向主溝22への第1ショルダーラグ溝70の開口部分である内側開口部74から、タイヤ幅方向におけるショルダーブロック12の中央付近までタイヤ幅方向外側に向かって延びている。なお、本実施形態では、第1ショルダーラグ溝70の一定幅部71は、タイヤ幅方向に延びつつ、タイヤ周方向に傾斜しており、内側開口部74に面取りが施されている。
第1ショルダーラグ溝70の拡幅部72は、一定幅部71におけるタイヤ幅方向外側の端部からタイヤ幅方向外側に向かって延びている。つまり、第1ショルダーラグ溝70の溝壁は、タイヤ幅方向におけるショルダーブロック12の中央付近に屈曲部73を有しており、拡幅部72は、屈曲部73からタイヤ幅方向外側に延びて形成されている。また、拡幅部72は、一定幅部71との境界位置となる屈曲部73の位置では溝幅が一定幅部71の溝幅と同じ大きさになっており、タイヤ幅方向における内側から外側に向かうに従って溝幅が大きくなっている。即ち、屈曲部73は、第1ショルダーラグ溝70の溝幅が変化する位置になっており、第1ショルダーラグ溝70は、屈曲部73からタイヤ幅方向内側は溝幅が一定に形成され、屈曲部73からタイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向外側に向かうに従って溝幅が広くなっている。なお、屈曲部73は、第1ショルダーラグ溝70の対向する溝壁の双方に形成されていてもよく、対向する溝壁の一方の溝壁のみに形成されていてもよい。
第1ショルダーラグ溝70は、このように一定幅部71と拡幅部72とを有することにより、タイヤ幅方向における第1ショルダーラグ溝70の中央付近の位置での溝幅よりも、タイヤ幅方向外側端部の位置での溝幅の方が大きくなっている。詳しくは、第1ショルダーラグ溝70のタイヤ幅方向における一方の端部からショルダーブロック12のタイヤ幅方向における幅WBの40%以上60%以下の範囲である測定領域AM内に位置する部分において最も狭い溝幅を最小溝幅W11とし、第1ショルダーラグ溝70のタイヤ幅方向外側の端部における溝幅を溝幅W12とする。この場合に、第1ショルダーラグ溝70は、最小溝幅W11と溝幅W12との関係が、1.3≦(W12/W11)≦1.7の範囲内になっている。
つまり、第1ショルダーラグ溝70は、一定幅部71と拡幅部72との境界位置である屈曲部73が測定領域AM内に位置しており、最小溝幅W11は、測定領域AM内に位置する一定幅部71の溝幅になっている。また、第1ショルダーラグ溝70のタイヤ幅方向外側の端部における溝幅W12は、拡幅部72における、ショルダー部4でタイヤ幅方向外側に向かって開口している部分である外側開口部75の溝幅になっている。第1ショルダーラグ溝70は、最小溝幅W11に対する外側開口部75の溝幅W12の比率が、1.3以上1.7以下の範囲内になっている。
なお、第1ショルダーラグ溝70の最小溝幅W11は、4mm以上8mm以下の範囲内であるのが好ましく、第1ショルダーラグ溝70のタイヤ幅方向外側の端部における溝幅W12は、6mm以上12mm以下の範囲内であるのが好ましい。
図9は、図7のJ部詳細図である。第2ショルダーラグ溝80も第1ショルダーラグ溝70と同様に、第2ショルダーラグ溝80の一定幅部81は、ショルダー周方向主溝22への第2ショルダーラグ溝80の開口部分である内側開口部84から、タイヤ幅方向におけるショルダーブロック12の中央付近まで、タイヤ周方向に傾斜しつつタイヤ幅方向外側に向かって延びている。また、第2ショルダーラグ溝80も、溝壁のタイヤ幅方向におけるショルダーブロック12の中央付近に屈曲部83を有しており、拡幅部82は、屈曲部83からタイヤ幅方向外側に延びて形成されている。また、拡幅部82は、一定幅部81との境界位置となる屈曲部83の位置では溝幅が一定幅部81の溝幅と同じ大きさになっており、タイヤ幅方向における内側から外側に向かうに従って溝幅が大きくなっている。即ち、屈曲部83は、第2ショルダーラグ溝80の溝幅が変化する位置になっており、第2ショルダーラグ溝80は、屈曲部83からタイヤ幅方向内側は溝幅が一定に形成され、屈曲部83からタイヤ幅方向外側は、タイヤ幅方向外側に向かうに従って溝幅が広くなっている。なお、第2ショルダーラグ溝80の屈曲部83も第1ショルダーラグ溝70の屈曲部73と同様に、第2ショルダーラグ溝80の対向する溝壁の双方に形成されていてもよく、対向する溝壁の一方の溝壁のみに形成されていてもよい。
第2ショルダーラグ溝80も、第1ショルダーラグ溝70と同様に一定幅部81と拡幅部82とを有することにより、タイヤ幅方向における第2ショルダーラグ溝80の中央付近の位置での溝幅よりも、タイヤ幅方向外側端部の位置での溝幅の方が大きくなっている。詳しくは、第2ショルダーラグ溝80のタイヤ幅方向における一方の端部からショルダーブロック12のタイヤ幅方向における幅WBの40%以上60%以下の範囲である測定領域AM内に位置する部分において最も狭い溝幅を最小溝幅W21とし、第2ショルダーラグ溝80のタイヤ幅方向外側の端部における溝幅を溝幅W22とする。この場合に、第2ショルダーラグ溝80は、最小溝幅W21と溝幅W22との関係が、1.1≦(W22/W21)≦1.5の範囲内になっている。
つまり、第2ショルダーラグ溝80は、一定幅部81と拡幅部82との境界位置である屈曲部83が測定領域AM内に位置しており、最小溝幅W21は、測定領域AM内に位置する一定幅部81の溝幅になっている。また、第2ショルダーラグ溝80のタイヤ幅方向外側の端部における溝幅W22は、拡幅部82における、ショルダー部4でタイヤ幅方向外側に向かって開口している部分である外側開口部85の溝幅になっている。第2ショルダーラグ溝80は、最小溝幅W21に対する外側開口部85の溝幅W22の比率が、1.1以上1.5以下の範囲内になっている。
なお、第2ショルダーラグ溝80の最小溝幅W21は、4mm以上8mm以下の範囲内であるのが好ましく、第2ショルダーラグ溝80のタイヤ幅方向外側の端部における溝幅W22は、5mm以上10mm以下の範囲内であるのが好ましい。
さらに、第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、第2ショルダーラグ溝80の外側開口部85における溝幅W22よりも、第1ショルダーラグ溝70の外側開口部75における溝幅W12の方が大きくなっている。詳しくは、第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、第1ショルダーラグ溝70の外側開口部75における溝幅W12と、第2ショルダーラグ溝80の外側開口部85における溝幅W22との関係が、1.1≦(W12/W22)≦1.3の範囲内になっている。
第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、加重平均の溝深さが互いに異なっており、第2ショルダーラグ溝80の荷重平均の溝深さよりも、第1ショルダーラグ溝70の加重平均の溝深さの方が深くなっている。つまり、第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、第1ショルダーラグ溝70の溝底の形態と、第2ショルダーラグ溝80の溝底の形態とが異なっており、これにより、加重平均の溝深さが互いに異なっている。
詳しくは、第2ショルダーラグ溝80は、内側開口部84側から外側開口部85側にかけて、溝深さが大きく変化せず、ほぼ一定であるのに対し、第1ショルダーラグ溝70は、内側開口部74側よりも外側開口部75側の方が、溝深さが深くなっている。より詳しくは、第1ショルダーラグ溝70は、内側開口部74の位置からタイヤ幅方向外側における所定の位置まで、溝深さがほぼ一定の深さになっており、この所定の位置からタイヤ幅方向外側に向かうに従って溝深さが深くなっている。第1ショルダーラグ溝70は、例えば、タイヤ幅方向における第1ショルダーラグ溝70の幅の中央付近からタイヤ幅方向内側の領域は、溝深さがほぼ一定になっており、タイヤ幅方向における第1ショルダーラグ溝70の幅の中央付近からタイヤ幅方向外側の領域は、タイヤ幅方向外側に向かうに従って溝深さが深くなっている。
図10は、第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80の外側領域についての説明図である。第1ショルダーラグ溝70は、内側開口部74寄りの位置での溝深さよりも外側開口部75寄りの位置での溝深さの方が深くなっているのに対し、第2ショルダーラグ溝80は、タイヤ幅方向における位置に関わらず、溝深さがほぼ一定になっている。このため、第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80とは、タイヤ幅方向外側寄りの位置での深さが大きく異なっている。具体的には、第1ショルダーラグ溝70の外側領域A11の溝深さをD11とし、第2ショルダーラグ溝80の外側領域A21の溝深さをD21とする場合に、第1ショルダーラグ溝70の溝深さD11と第2ショルダーラグ溝80の溝深さD21との関係が、0.2≦(D21/D11)≦0.5の範囲内になっている。
この場合における第1ショルダーラグ溝70の外側領域A11は、第1ショルダーラグ溝70における屈曲部73の位置から、第1ショルダーラグ溝70のタイヤ幅方向外側の端部、即ち外側開口部75までの領域である。同様に、第2ショルダーラグ溝80の外側領域A21は、第2ショルダーラグ溝80における屈曲部83の位置から第2ショルダーラグ溝80のタイヤ幅方向外側の端部、即ち外側開口部85までの領域である。また、第1ショルダーラグ溝70の外側領域A11の第1ショルダーラグ溝70の溝深さD11は、外側領域A11における第1ショルダーラグ溝70の溝深さを加重平均した溝深さになっている。同様に、第2ショルダーラグ溝80の外側領域A21の第2ショルダーラグ溝80の溝深さD21は、外側領域A21における第2ショルダーラグ溝80の溝深さを加重平均した溝深さになっている。
これらのように、第2ショルダーラグ溝80は、溝深さがほぼ一定であるのに対し、第1ショルダーラグ溝70は、タイヤ幅方向における位置によって溝深さが異なっており、且つ、ショルダー部4寄りの位置では、溝深さが第2ショルダーラグ溝80の溝深さよりも深くなっている。
センターリブ11に形成される第1センターラグ溝50は、一定幅部51の最小溝深さD1が、第2ショルダーラグ溝80の外側領域A21の溝深さD21に対して、0.8≦(D1/D21)≦1.2の範囲内になっている。第2センターラグ溝60も同様に、一定幅部61の最小溝深さD1が、第2ショルダーラグ溝80の外側領域A21の溝深さD21に対して、0.8≦(D1/D21)≦1.2の範囲内になっている。つまり、第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60とは、一定幅部51、61の溝深さが、第2ショルダーラグ溝80の溝深さと同程度の大きさになっている。
図11は、隣り合う第1センターラグ溝50同士の距離と一定幅部51との関係を示す説明図である。図12は、隣り合う第2センターラグ溝60同士の距離と一定幅部61との関係を示す説明図である。センターラグ溝41は、同じ周方向主溝20に開口してタイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝41同士のタイヤ周方向における距離をLCとする場合に、第1センターラグ溝50の一定幅部51のタイヤ周方向における幅W6や、第2センターラグ溝60の一定幅部61のタイヤ周方向における幅W6が、距離LCに対して、それぞれ0.05≦(W6/LC)≦0.15の範囲内になっている。つまり、第1センターラグ溝50は、タイヤ周方向に隣り合う第1センターラグ溝50同士のタイヤ周方向における距離LCに対する、第1センターラグ溝50の一定幅部51のタイヤ周方向における幅W6の比率が、0.05以上0.15以下の範囲内になっている。第2センターラグ溝60も同様に、タイヤ周方向に隣り合う第2センターラグ溝60同士のタイヤ周方向における距離LCに対する、第2センターラグ溝60の一定幅部61のタイヤ周方向における幅W6の比率が、0.05以上0.15以下の範囲内になっている。
図13は、周方向主溝20を介して隣り合う陸部10に設けられるセンターラグ溝41及び切欠き90の相対的な位置関係についての説明図である。センター周方向主溝21を介して隣り合う2列のセンターリブ11にそれぞれ配設されるセンターラグ溝41と切欠き90とは、センターリブ11同士の間で所定の範囲内に配設されている。具体的には、センター周方向主溝21を介して隣り合う2列のセンターリブ11のうち、一方のセンターリブ11に配設されてそれぞれセンター周方向主溝21に開口すると共にタイヤ周方向に隣り合う第2センターラグ溝60と第1切欠き91とのタイヤ周方向における距離をL4とし、他方のセンターリブ11に配設されてセンター周方向主溝21に開口し、且つ、タイヤ周方向における位置が、距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91との間に位置する第2センターラグ溝60または第1切欠き91と、距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91とのそれぞれのタイヤ周方向における距離のうち、短い方の距離をL5とする場合に、距離L4と距離L5との関係が、0.4≦(L5/L4)≦0.5の範囲内になっている。
つまり、距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91とが配設されるセンターリブ11とは異なるセンターリブ11に配設され、タイヤ周方向における位置が、距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91のとの間に位置するのは、第2センターラグ溝60と第1切欠き91とのうち第2センターラグ溝60である場合(図13参照)は、当該第2センターラグ溝60と、距離L4を規定する第2センターラグ溝60とのタイヤ周方向における距離、及び当該第2センターラグ溝60と、距離L4を規定する第1切欠き91とタイヤ周方向における距離のうち、短い方の距離をL5とする。
また、距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91とが配設されるセンターリブ11とは異なるセンターリブ11に配設され、タイヤ周方向における位置が、距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91のとの間に位置するのは、第2センターラグ溝60と第1切欠き91とのうち第1切欠き91である場合(図示省略)は、当該第1切欠き91と、距離L4を規定する第2センターラグ溝60とのタイヤ周方向における距離、及び当該第1切欠き91と、距離L4を規定する第1切欠き91とタイヤ周方向における距離のうち、短い方の距離をL5とする。
なお、この場合における第2センターラグ溝60と第1切欠き91との距離L4は、第1切欠き91の最大幅W3となる部分のタイヤ周方向における中心位置、即ち、第1切欠き91におけるセンター周方向主溝21への開口部分のタイヤ周方向における中心位置と、第2センターラグ溝60の一定幅部61の中心線がセンター周方向主溝21に交差する位置とのタイヤ周方向における距離になっている。距離L5においても同様で、第2センターラグ溝60の位置は、第2センターラグ溝60の一定幅部61の中心線がセンター周方向主溝21に交差する位置で示され、第1切欠き91の位置は、第1切欠き91におけるセンター周方向主溝21への開口部分のタイヤ周方向における中心位置で示される。
図14は、ショルダー周方向主溝22を介して隣り合う陸部10に設けられるセンターラグ溝41と切欠き90とショルダーラグ溝42との相対的な位置関係についての説明図である。ショルダー周方向主溝22と共にショルダーブロック12を区画するショルダーラグ溝42と、ショルダー周方向主溝22を介して隣り合うセンターリブ11に設けられてショルダー周方向主溝22に開口するセンターラグ溝41及び切欠き90とは、所定の範囲内に配設されている。
具体的には、ショルダー周方向主溝22を介してショルダーブロック12と隣り合うセンターリブ11に配設され、タイヤ周方向に隣り合う第1センターラグ溝50と第2切欠き95とのタイヤ周方向における距離をL4とし、複数のショルダーラグ溝42のうちタイヤ周方向における位置が距離L4を規定する第1センターラグ溝50と第2切欠き95との間に位置するショルダーラグ溝42と、距離L4を規定する第1センターラグ溝50と第2切欠き95とのそれぞれのタイヤ周方向における距離のうち、短い方の距離をL6とする場合に、距離L4と距離L6との関係が、0.4≦(L6/L4)≦0.5の範囲内になっている。
つまり、距離L4を規定する第1センターラグ溝50と第2切欠き95とのタイヤ周方向における位置の間に、第1ショルダーラグ溝70が位置する場合は、距離L6は、第1センターラグ溝50または第2切欠き95と、第1ショルダーラグ溝70とのタイヤ周方向における距離になり、距離L4を規定する第1センターラグ溝50と第2切欠き95とのタイヤ周方向における位置の間に、第2ショルダーラグ溝80が位置する場合は、距離L6は、第1センターラグ溝50または第2切欠き95と、第2ショルダーラグ溝80とのタイヤ周方向における距離になる。
なお、この場合におけるショルダーラグ溝42の位置は、面取りは考慮しないショルダーラグ溝42の溝幅の中心線とショルダー周方向主溝22との交点のタイヤ周方向における位置で示される。つまり、ショルダーラグ溝42の位置は、ショルダーラグ溝42の一定幅部71、81の中心線がショルダー周方向主溝22に交差する位置で示される。
これらのように構成される本実施形態に係る空気入りタイヤ1は、用途が重荷重用空気入りタイヤになっている。この空気入りタイヤ1を車両に装着する際には、リムホイールにリム組みしてインフレートした状態で車両に装着する。リムホイールにリム組みした状態の空気入りタイヤ1は、例えばトラックやバス等の、乗用車と比較して大型の車両に装着して使用される。
空気入りタイヤ1を装着した車両が走行すると、トレッド面3のうち下方に位置するトレッド面3が路面に接触しながら当該空気入りタイヤ1は回転する。空気入りタイヤ1を装着した車両で乾燥した路面を走行する場合には、主にトレッド面3と路面との間の摩擦力により、駆動力や制動力を路面に伝達したり、旋回力を発生させたりすることにより走行する。また、濡れた路面を走行する際には、トレッド面3と路面との間の水が周方向主溝20やラグ溝40に入り込み、これらの溝でトレッド面3と路面との間の水を排出しながら走行する。これにより、トレッド面3は路面に接地し易くなり、トレッド面3と路面との間の摩擦力により、車両は走行することが可能になる。
トレッド面3に形成される溝は、このようにトレッド面3と路面との間の水を排水することにより、濡れた路面での走行性能に寄与するが、トレッド面3に形成される溝は、トレッド面3における路面との接地領域で発生する音を接地領域以外にも伝える経路にもなるため、騒音の原因にもなる。特に、タイヤ幅方向に延びるラグ溝40は、接地領域で発生する音をタイヤ幅方向における外側に伝えるため、車両の走行時に接地領域からタイヤ幅方向外側に向けて発せられる、いわゆる通過音が大きくなる原因にもなる。
これに対し、本実施形態では、センターラグ溝41が、一端が周方向主溝20に開口して他端が陸部10内で終端する片側開口ラグ溝として形成されるため、車両の走行時に接地領域で発生する音が、センターラグ溝41を通ってタイヤ幅方向外側に流れることを抑制することができる。これにより、通過音を低減することができるため、車両の走行時における低騒音化を図ることができる。
また、センターラグ溝41が形成されるセンターリブ11には、センターラグ溝41の延長線上に位置して周方向主溝20に開口する切欠き90が設けられ、センターラグ溝41と切欠き90とは千鳥配置となって配設されるため、タイヤ幅方向におけるセンターリブ11のいずれの位置の排水性も確保すると共に、センターラグ溝41と切欠き90とによってエッジ成分も確保することができる。これにより、濡れた路面の走行時におけるトラクション性能を確保することができる。これらの結果、ウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、センターラグ溝41は、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、センターラグ溝41のタイヤ幅方向における長さL1が、0.3≦(L1/W1)≦0.6の範囲内であるため、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される付近が接地する際の音を低減しつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。つまり、センターラグ溝41のタイヤ幅方向における長さL1が、センターリブ11の幅W1に対して、(L1/W1)<0.3である場合は、センターラグ溝41の長さL1が短過ぎる虞がある。この場合、センターラグ溝41によって排水性を確保するのが困難になり、ウェット性能を確保するのが困難になる虞がある。また、センターラグ溝41のタイヤ幅方向における長さL1が、センターリブ11の幅W1に対して、(L1/W1)>0.6である場合は、センターラグ溝41の長さL1が長過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音が大きくなり、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、センターラグ溝41のタイヤ幅方向における長さL1が、センターリブ11の幅W1に対して、0.3≦(L1/W1)≦0.6の範囲内である場合は、センターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音を抑えつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、切欠き90は、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、切欠き90のタイヤ幅方向における長さL2が、0.05≦(L2/W1)≦0.20の範囲内であるため、センターリブ11における切欠き90が形成される付近が接地する際の音を低減しつつ、濡れた路面の走行時におけるトラクション性能であるウェットトラクション性を、切欠き90によって確保することができる。つまり、切欠き90のタイヤ幅方向における長さL2が、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、(L2/W1)<0.05である場合は、切欠き90の長さL2が短過ぎる虞がある。この場合、切欠き90のエッジ成分が少なくなり過ぎて、濡れた路面でのトラクション性を確保するのが困難になる虞がある。また、切欠き90のタイヤ幅方向における長さL2が、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、(L2/W1)>0.20である場合は、切欠き90の長さL2が長過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11における切欠き90が形成される位置の接地時における打音が大きくなり、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、切欠き90のタイヤ幅方向における長さL2が、センターリブ11の幅W1に対して、0.05≦(L2/W1)≦0.20の範囲内である場合は、切欠き90が形成される位置の接地時における打音を抑えつつ、切欠き90によってウェットトラクション性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、切欠き90は、タイヤ周方向における最小幅W2と最大幅W3との関係が、0.4≦(W2/W3)≦0.6の範囲内であるため、センターリブ11における切欠き90が形成される付近が接地する際の音を低減しつつ、切欠き90によってウェットトラクション性を確保することができる。つまり、切欠き90の最小幅W2と最大幅W3との関係が、(W2/W3)<0.4である場合は、切欠き90の最小幅W2が小さ過ぎる虞がある。この場合、切欠き90によってウェットトラクション性を確保するのが困難になる虞がある。また、切欠き90の最小幅W2と最大幅W3との関係が、(W2/W3)>0.6である場合は、切欠き90の最小幅W2が大き過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11における切欠き90が形成される位置の接地時における打音が大きくなり、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、切欠き90の最小幅W2と最大幅W3との関係が、0.4≦(W2/W3)≦0.6の範囲内である場合は、切欠き90が形成される位置の接地時における打音を抑えつつ、切欠き90によってウェットトラクション性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、センターラグ溝41は、拡幅部52、62における周方向主溝20に開口している位置での溝幅W5と、一定幅部51、61の溝幅W4との関係が、0.4≦(W4/W5)≦0.6の範囲内であるため、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される付近が接地する際の音を低減しつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。つまり、センターラグ溝41の、拡幅部52、62における周方向主溝20に開口している位置での溝幅W5と、一定幅部51、61の溝幅W4との関係が、(W4/W5)<0.4である場合は、一定幅部51、61の溝幅W4が小さ過ぎる虞がある。この場合、センターラグ溝41によって排水性を確保するのが困難になり、ウェット性能を確保するのが困難になる虞がある。また、センターラグ溝41の、拡幅部52、62における周方向主溝20に開口している位置での溝幅W5と、一定幅部51、61の溝幅W4との関係が、(W4/W5)>0.6である場合は、一定幅部51、61の溝幅W4が大き過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音が大きくなり、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、センターラグ溝41の、拡幅部52、62における周方向主溝20に開口している位置での溝幅W5と、一定幅部51、61の溝幅W4との関係が、0.4≦(W4/W5)≦0.6の範囲内である場合は、センターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音を抑えつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、センターラグ溝41は、一定幅部51、61のタイヤ幅方向における長さL3が、センターラグ溝41のタイヤ幅方向における長さL1に対して、0.6≦(L3/L1)≦0.8の範囲内であるため、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される付近が接地する際の音を低減しつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。つまり、一定幅部51、61のタイヤ幅方向における長さL3が、センターラグ溝41の長さL1に対して(L3/L1)<0.6である場合は、拡幅部52、62のタイヤ幅方向における長さが大きくなり過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音が大きくなり、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。また、一定幅部51、61のタイヤ幅方向における長さL3が、センターラグ溝41の長さL1に対して(L3/L1)>0.8である場合は、拡幅部52、62のタイヤ幅方向における長さが小さくなり過ぎる虞がある。この場合、センターラグ溝41によって排水性を確保するのが困難になり、ウェット性能を確保するのが困難になる虞がある。
これに対し、センターラグ溝41の一定幅部51、61のタイヤ幅方向における長さL3が、センターラグ溝41の長さL1に対して0.6≦(L3/L1)≦0.8の範囲内である場合は、センターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音を抑えつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、センターラグ溝41は、一定幅部51、61の最小溝深さD1が、拡幅部52、62の最大溝深さD2に対して、0.2≦(D1/D2)≦0.5の範囲内であるため、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される付近が接地する際の音を低減しつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。つまり、一定幅部51、61の最小溝深さD1が、拡幅部52、62の最大溝深さD2に対して(D1/D2)<0.2である場合は、一定幅部51、61の最小溝深さD1が浅過ぎる虞がある。この場合、センターラグ溝41によって排水性を確保するのが困難になり、ウェット性能を確保するのが困難になる虞がある。また、一定幅部51、61の最小溝深さD1が、拡幅部52、62の最大溝深さD2に対して(D1/D2)>0.5である場合は、一定幅部51、61の最小溝深さD1が深過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音が大きくなり、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、センターラグ溝41の一定幅部51、61の最小溝深さD1が、拡幅部52、62の最大溝深さD2に対して0.2≦(D1/D2)≦0.5の範囲内である場合は、センターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音を抑えつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、センターラグ溝41は、拡幅部52、62の最大溝深さD2が、拡幅部52、62が開口する周方向主溝20の溝深さDCに対して、0.8≦(D2/DC)≦1.0の範囲内であるため、センターリブ11の剛性が部分的に低くなることを抑えつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。つまり、拡幅部52、62の最大溝深さD2が、周方向主溝20の溝深さDCに対して(D2/DC)<0.8である場合は、拡幅部52、62の最大溝深さD2が浅過ぎる虞がある。この場合、センターラグ溝41によって排水性を確保するのが困難になり、ウェット性能を確保するのが困難になる虞がある。また、拡幅部52、62の最大溝深さD2が、周方向主溝20の溝深さDCに対して(D2/DC)>1.0である場合は、拡幅部52、62の最大溝深さD2が深過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11における拡幅部52、62の近傍の剛性が低くなり過ぎて、偏摩耗が発生し易くなる虞がある。
これに対し、センターラグ溝41の拡幅部52、62の最大溝深さD2が、周方向主溝20の溝深さDCに対して0.8≦(D2/DC)≦1.0の範囲内である場合は、センターリブ11の剛性が部分的に低くなることを抑えつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ、偏摩耗の発生を抑制することができる。
また、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝41同士のタイヤ周方向における距離LCと、センターラグ溝41の一定幅部51、61のタイヤ周方向における幅W6との関係が、0.05≦(W6/LC)≦0.15の範囲内であるため、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される付近が接地する際の音を低減しつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。つまり、センターラグ溝41同士の距離LCと一定幅部51、61の幅W6との関係が、(W6/LC)<0.05である場合は、一定幅部51、61の幅W6が小さ過ぎたり、センターラグ溝41同士の距離LCが大き過ぎたりする虞がある。これらの場合、センターラグ溝41によって排水性を確保するのが困難になり、ウェット性能を確保するのが困難になる虞がある。また、センターラグ溝41同士の距離LCと一定幅部51、61の幅W6との関係が、(W6/LC)>0.15である場合は、一定幅部51、61の幅W6が大き過ぎたり、センターラグ溝41同士の距離LCが小さ過ぎたりする虞がある。これらの場合、センターリブ11におけるセンターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音が大きくなり、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、センターラグ溝41同士の距離LCと一定幅部51、61の幅W6との関係が、0.05≦(W6/LC)≦0.15の範囲内である場合は、センターラグ溝41が形成される位置の接地時における打音を抑えつつ、センターラグ溝41での排水性を確保することができる。この結果、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
また、センター周方向主溝21を介して隣り合う2列のセンターリブ11のうち、一方のセンターリブ11に配設されてタイヤ周方向に隣り合う第2センターラグ溝60と第1切欠き91とのタイヤ周方向における距離L4と、他方のセンターリブ11に配設され、タイヤ周方向における位置が距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91との間に位置する第2センターラグ溝60または第1切欠き91と、距離L4を規定する第2センターラグ溝60と第1切欠き91とのうち短い方の距離L5との関係が、0.4≦(L5/L4)≦0.5の範囲内であるため、第2センターラグ溝60や第1切欠き91が形成される位置の接地時の打音を、より確実に低減することができる。つまり、距離L4と距離L5との関係が、(L5/L4)<0.4である場合は、センターリブ11に設けられる第2センターラグ溝60同士、または第1切欠き91同士、または第2センターラグ溝60との第1切欠き91とのタイヤ周方向における距離が、小さくなり過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11における第2センターラグ溝60や第1切欠き91が形成される位置の接地時における打音が連続的に発生し、打音が大きくなり易くなるため、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、距離L4と距離L5との関係が、0.4≦(L5/L4)≦0.5の範囲内である場合は、隣り合うセンターリブ11同士で、第2センターラグ溝60同士の距離、第1切欠き91同士の距離、第2センターラグ溝60と第1切欠き91との距離を適度な大きさにし、それぞれ適度な大きさで離間させることができるので、第2センターラグ溝60や第1切欠き91が形成される位置の接地時における打音を、より確実に抑えることができる。この結果、より確実に低騒音化を図ることができる。
また、タイヤ周方向に隣り合う第1センターラグ溝50と第2切欠き95とのタイヤ周方向における距離L4と、複数のショルダーラグ溝42のうちタイヤ周方向における位置が距離L4を規定する第1センターラグ溝50と第2切欠き95との間に位置するショルダーラグ溝42と距離L4を規定する第1センターラグ溝50と第2切欠き95とのうち短い方の距離L6との関係が、0.4≦(L6/L4)≦0.5の範囲内であるため、第1センターラグ溝50や第2切欠き95が形成される位置の接地時や、ショルダーブロック12におけるショルダーラグ溝42近傍の接地時における打音を、より確実に低減することができる。つまり、距離L4と距離L6との関係が、(L6/L4)<0.4である場合は、第1センターラグ溝50とショルダーラグ溝42とのタイヤ周方向における距離や、第2切欠き95とショルダーラグ溝42とのタイヤ周方向における距離が、小さくなり過ぎる虞がある。この場合、センターリブ11における第1センターラグ溝50や第2切欠き95が形成される位置の接地時や、ショルダーブロック12におけるショルダーラグ溝42近傍の接地時における打音が連続的に発生し、打音が大きくなり易くなるため、低騒音化を図るのが困難になる虞がある。
これに対し、距離L4と距離L6との関係が、0.4≦(L6/L4)≦0.5の範囲内である場合は、第1センターラグ溝50とショルダーラグ溝42とのタイヤ周方向における距離や、第2切欠き95とショルダーラグ溝42とのタイヤ周方向における距離を適度な大きさにし、それぞれ適度な大きさで離間させることができるので、第1センターラグ溝50や第2切欠き95が形成される位置の接地時や、ショルダーブロック12におけるショルダーラグ溝42近傍の接地時における打音を、より確実に抑えることができる。この結果、より確実に低騒音化を図ることができる。
〔変形例〕
なお、上述した実施形態に係る空気入りタイヤ1では、トレッド面3には周方向主溝20とラグ溝40とが設けられるのみであるが、トレッド面3には、周方向主溝20とラグ溝40以外が設けられていてもよい。図15は、実施形態に係る空気入りタイヤ1の変形例でありトレッド面3にサイプが形成される場合の説明図である。トレッド面3には、複数のサイプが形成されていてもよい。サイプとしては、例えば、図15に示すように、センターリブ11に屈曲サイプ101を設けたり、ラグ溝サイプ102を設けたりしてもよく、ショルダーブロック12にリブエッジサイプ103を設けてもよい。このうち、屈曲サイプ101は、両端がセンターリブ11内で終端する、いわゆるクローズドサイプ100になっており、タイヤ周方向における位置が、タイヤ周方向において隣り合う第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60との間に位置している。また、屈曲サイプ101は、タイヤ幅方向に延びつつ2箇所で屈曲することにより、クランク状に形成されている。
また、ラグ溝サイプ102も屈曲サイプ101と同様に、両端がセンターリブ11内で終端するクローズドサイプ100になっており、タイヤ周方向における位置が第1センターラグ溝50のタイヤ周方向における位置や、第2センターラグ溝60のタイヤ周方向における位置と同じ位置に配設されている。詳しくは、ラグ溝サイプ102は、第1センターラグ溝50や第2センターラグ溝60の延在方向に沿って配設されており、一部が第1センターラグ溝50や第2センターラグ溝60に重なっている。つまり、ラグ溝サイプ102は、一部が第1センターラグ溝50や第2センターラグ溝60の溝底に形成されている。
また、リブエッジサイプ103は、ショルダーブロック12における、ショルダー周方向主溝22によって区画されるエッジに形成されており、短い長さでタイヤ幅方向に延びると共に一端がショルダー周方向主溝22に開口し、他端がショルダーブロック12内で終端するサイプになっている。図15に示す例では、リブエッジサイプ103は、タイヤ周方向に隣り合う第1ショルダーラグ溝70と第2ショルダーラグ溝80との間に、2本ずつが配設されている。
なお、ここでいうサイプは、トレッド面3に細溝状に形成されるものであり、空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みし、正規内圧の内圧条件で、無負荷時には細溝を構成する壁面同士が接触しないが、平板上で垂直方向に負荷させたときの平板上に形成される接地面の部分に細溝が位置する際、または細溝が形成される陸部10の倒れ込み時には、当該細溝を構成する壁面同士、或いは壁面に設けられる部位の少なくとも一部が、陸部10の変形によって互いに接触するものをいう。
正規リムとは、JATMAで規定する「標準リム」、TRAで規定する「Design Rim」、或いは、ETRTOで規定する「Measuring Rim」である。また、正規内圧とは、JATMAで規定する「最高空気圧」、TRAで規定する「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、或いはETRTOで規定する「INFLATION PRESSURES」である。
トレッド面3に、屈曲サイプ101、ラグ溝サイプ102、リブエッジサイプ103のようなサイプを配設することにより、エッジ成分を増加させることができ、濡れた路面の走行時におけるトラクション性能を確保することができる。また、サイプは、サイプが形成されるトレッド面3の接地時には閉じるため、トレッド面3の接地時に発生する音がサイプを通ってタイヤ幅方向外側に流れることを抑制することができる。特に、クローズドサイプ100である屈曲サイプ101とラグ溝サイプ102とは、周方向主溝20に対して連通していないため、屈曲サイプ101やラグ溝サイプ102と、周方向主溝20との間で音が流れないため、トレッド面3の接地時に発生する音が、屈曲サイプ101やラグ溝サイプ102を通って、異なる領域同士の間を流れることを抑制することができる。これらの結果、より確実に、ウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
図16は、図15に示す屈曲サイプ101の詳細図である。屈曲サイプ101は、タイヤ幅方向における幅W7が、屈曲サイプ101が形成されるセンターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、0.6≦(W7/W1)≦0.9の範囲内になっている。これにより、屈曲サイプ101の端部の位置でクラックが発生することを抑制しつつ、より確実にエッジ成分を増加させることができる。つまり、屈曲サイプ101の幅W7が、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、(W7/W1)<0.6である場合は、屈曲サイプ101の幅W7が小さ過ぎるため、屈曲サイプ101を設けても、エッジ成分を効果的に増加させ難くなる虞がある。この場合、濡れた路面の走行時におけるトラクション性能を向上させ難くなる虞がある。また、屈曲サイプ101の幅W7が、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、(W7/W1)>0.9である場合は、屈曲サイプ101の幅W7が大き過ぎるため、センターリブ11における、屈曲サイプ101の端部と周方向主溝20との間の肉厚が薄くなり過ぎ、クラックが入る虞がある。
これに対し、屈曲サイプ101の幅W7が、センターリブ11のタイヤ幅方向における幅W1に対して、0.6≦(W7/W1)≦0.9の範囲内である場合は、屈曲サイプ101の端部の位置でクラックが発生することを抑制しつつ、屈曲サイプ101によってエッジ成分をより確実に増加させることができる。この結果、サイプクラックを発生させることなく、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
図17は、図16のK−K断面図である。屈曲サイプ101は、屈曲サイプ101の両端の位置での深さよりも深さが浅い浅底部105を有している。つまり、屈曲サイプ101は、屈曲サイプ101の延在方向、或いはタイヤ幅方向における中央付近の位置で、底部が底上げされることにより、屈曲サイプ101の延在方向における中央付近の位置に、浅底部105が形成されている。屈曲サイプ101は、浅底部105が形成されることにより、空気入りタイヤ1の転動時に屈曲サイプ101が大きく開閉し難くなる。これにより、屈曲サイプ101が繰り返し大きく開閉することに起因して発生する、屈曲サイプ101の底部のクラックの発生を抑制することができる。
また、屈曲サイプ101は、浅底部105の位置での最小深さD3と、屈曲サイプ101の最大深さD4との関係が、0.4≦(D3/D4)≦0.6の範囲内になっている。これにより、サイプクラックを抑制しつつ、より確実にウェット性能を向上させることができる。つまり、浅底部105の位置での最小深さD3と、屈曲サイプ101の最大深さD4との関係が、(D3/D4)<0.4である場合は、最小深さD3が浅過ぎる虞があり、屈曲サイプ101が閉じている状態が維持され易くなる虞がある。この場合、濡れた路面の走行時に、屈曲サイプ101内に水が入り込み難くなったり、エッジ成分によるトラクション性能向上の効果を発揮し難くなったりするため、ウェット性能を向上させ難くなる虞がある。また、浅底部105の位置での最小深さD3と、屈曲サイプ101の最大深さD4との関係が、(D3/D4)>0.6である場合は、最小深さD3が深過ぎる虞があり、空気入りタイヤ1の転動に伴う屈曲サイプ101の開閉を低減し難くなり、クラックの発生を抑制し難くなる虞がある。
これに対し、浅底部105の位置での最小深さD3と、屈曲サイプ101の最大深さD4との関係が、0.4≦(D3/D4)≦0.6の範囲内である場合は、屈曲サイプ101にクラックが発生することを抑制しつつ、屈曲サイプ101によってより確実にウェット性能を向上させることができる。この結果、サイプクラックを発生させることなく、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
図18は、図15に示すラグ溝サイプ102の詳細図である。ラグ溝サイプ102は、一部がセンターラグ溝41に重なって配設されると共に、センターラグ溝41の延在方向に沿って延び、センターラグ溝41に重なっている側の端部の反対側の端部が、センターラグ溝41の延長線上に位置する切欠き90の近傍に位置している。このように形成されるラグ溝サイプ102は、タイヤ幅方向における幅W8と、センターラグ溝41が有する拡幅部52、62と切欠き90とのタイヤ幅方向における距離W9との関係が、0.6≦(W8/W9)≦0.9の範囲内になっている。これにより、ラグ溝サイプ102の端部の位置でクラックが発生することを抑制しつつ、より確実にエッジ成分を増加させることができる。
つまり、センターラグ溝41の拡幅部52、62と切欠き90との距離W9と、ラグ溝サイプ102の幅W8との関係が、(W8/W9)<0.6である場合は、ラグ溝サイプ102の幅W8が小さ過ぎるため、ラグ溝サイプ102を設けても、エッジ成分を効果的に増加させ難くなる虞がある。この場合、濡れた路面の走行時におけるトラクション性能を向上させ難くなる虞がある。また、センターラグ溝41の拡幅部52、62と切欠き90との距離W9と、ラグ溝サイプ102の幅W8との関係が、(W8/W9)>0.9である場合は、ラグ溝サイプ102の幅W8が大き過ぎるため、センターリブ11における、ラグ溝サイプ102の端部と拡幅部52、62との間の肉厚や、ラグ溝サイプ102の端部と切欠き90との間の肉厚が薄くなり過ぎ、クラックが入る虞がある。
これに対し、センターラグ溝41の拡幅部52、62と切欠き90との距離W9と、ラグ溝サイプ102の幅W8との関係が、0.6≦(W8/W9)≦0.9の範囲内である場合は、ラグ溝サイプ102の端部の位置でクラックが発生することを抑制しつつ、ラグ溝サイプ102によってエッジ成分をより確実に増加させることができる。この結果、サイプクラックを発生させることなく、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
図19は、図18のM−M断面図である。ラグ溝サイプ102も、屈曲サイプ101と同様に、ラグ溝サイプ102の両端の位置での深さよりも深さが浅い浅底部105を有している。ラグ溝サイプ102は、屈曲サイプ101とは異なり、浅底部105を2箇所有している。つまり、ラグ溝サイプ102は、ラグ溝サイプ102の延在方向、或いはタイヤ幅方向において離間した2箇所の位置で、底部が底上げされることにより、ラグ溝サイプ102の延在方向における2箇所の位置に、浅底部105が形成されている。ラグ溝サイプ102は、浅底部105が形成されることにより、空気入りタイヤ1の転動時にラグ溝サイプ102が大きく開閉し難くなる。これにより、ラグ溝サイプ102が繰り返し大きく開閉することに起因して発生する、ラグ溝サイプ102の底部のクラックの発生を抑制することができる。また、ラグ溝サイプ102は、浅底部105の位置での最小深さD3と、ラグ溝サイプ102の最大深さD4との関係が、0.4≦(D3/D4)≦0.6の範囲内になっているため、屈曲サイプ101と同様に、サイプクラックを発生させることなく、より確実にウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。
なお、これらの屈曲サイプ101の最大深さD4や、ラグ溝サイプ102の最大深さD4は、周方向主溝20の溝深さDCに対して、0.5≦(D4/DC)≦0.8の範囲内であるのが好ましい。また、ラグ溝サイプ102の最大深さD4は、センターラグ溝41の一定幅部51、61の最小溝深さD1との関係が、0.2≦(D1/D4)≦0.5の範囲内であるのが好ましい。
また、上述した実施形態では、センターラグ溝41同士や切欠き90同士が、全て同じ形状で形成されているが、全て同じ形状で形成されていなくてもよい。例えば、第1センターラグ溝50と第2センターラグ溝60とで形状が異なっていてもよく、第1切欠き91と第2切欠き95とで形状が異なっていてもよい。
また、上述した実施形態では、周方向主溝20は3本配設されているが、周方向主溝20は3本以外でもよい。周方向主溝20は、複数が設けられていればよく、複数の陸部10のうち少なくとも1つの陸部10に、一端が周方向主溝20に開口して他端が陸部10内で終端するラグ溝40と、当該ラグ溝40における陸部10内で終端する側の端部の延長線上に位置して周方向主溝20に開口する切欠き90と、がそれぞれ複数設けられ、ラグ溝40と切欠き90とが千鳥配置となって配設されていれば、周方向主溝20の数は問わない。
〔実施例〕
図20A〜図20Eは、空気入りタイヤの性能試験の結果を示す図表である。以下、上記の空気入りタイヤ1について、従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1とについて行なった性能の評価試験について説明する。性能評価試験は、濡れた路面でのトラクション性能であるウェットトラクション性と、空気入りタイヤ1の転動に伴って発生する騒音についての性能である通過騒音とについての試験を行った。
性能評価試験は、JATMAで規定されるタイヤの呼びが205/85R16サイズの空気入りタイヤ1を正規リムにリム組みして、空気圧を正規内圧に調整し、2−Dの試験車両(トラクターヘッド)に装着してテスト走行をすることにより行った。各試験項目の評価方法は、ウェットトラクション性については、ウェット路面での5〜20km/hの速度区間の加速度を測定し、平均加速度を、後述する従来例を100とする指数で表すことによって評価した。数値が大きいほどウェットトラクション性が優れていることを示している。
また、通過騒音については、ECE R117−02(ECE Regulation No.117Revision 2)に定めるタイヤ騒音試験法に従って測定した車外通過音の大きさによって評価した。この試験では、試験車両を騒音測定区間の十分前から走行させ、当該区間の手前でエンジンを停止し、惰行走行させた時の騒音測定区間における最大騒音値dB(周波数800Hz〜1200Hzの範囲の騒音値)を、基準速度に対し±10km/hの速度範囲をほぼ等間隔に8以上に区切った複数の速度で測定し、平均を車外通過騒音とした。最大騒音値dBは、騒音測定区間内の中間点において走行中心線から側方に7.5m、且つ路面から1.2mの高さに設置した定置マイクロフォンを用いてA特性周波数補正回路を通して測定した音圧dB(A)である。通過騒音は、この測定結果を、後述する従来例の通過騒音を基準とし、従来例の通過騒音に対する音圧dBの差で表した。従来例の通過騒音に対して音圧dBが小さいほど、通過騒音に対する性能が優れていることを示している。
評価試験は、従来の空気入りタイヤ1の一例である従来例の空気入りタイヤと、本発明に係る空気入りタイヤ1である実施例9、10、12〜39と、参考例1〜8、11との40種類の空気入りタイヤについて行った。これらの空気入りタイヤ1のうち、従来例の空気入りタイヤは、全てのラグ溝が陸部の両側に開口し、ラグ溝の延長線上には切欠きが設けられていない。
これに対し、本発明に係る空気入りタイヤ1の一例である実施例9、10、12〜39は、全て片側開口ラグ溝であるセンターラグ溝41を有しており、センターラグ溝41の延長線上には切欠き90が配設され、センターラグ溝41と切欠き90とは千鳥配置になっている。さらに、実施例9、10、12〜39と、参考例1〜8、11に係る空気入りタイヤ1は、センターリブ11の幅W1に対するセンターラグ溝41の長さL1の比(L1/W1)や、センターリブ11の幅W1に対する切欠き90の長さL2の比(L2/W1)、切欠き90の最大幅W3に対する最小幅W2の比(W2/W3)、センターラグ溝41の、拡幅部52、62の開口位置での溝幅W5に対する一定幅部51、61の溝幅W4の比(W4/W5)、センターラグ溝41の長さL1に対する一定幅部51、61の長さL3の比(L3/L1)、センターラグ溝41の、拡幅部52の最大溝深さD2に対する一定幅部51の最小溝深さD1の比(D1/D2)、隣り合うセンターラグ溝41同士の距離LCに対する一定幅部61の幅W6の比(W6/LC)、クローズドサイプ100の有無、クローズドサイプ100の最大深さD4に対する浅底部105の比(D3/D4)、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝41と切欠き90との距離L4に対する、隣り合う陸部10に設けられるセンターラグ溝41または切欠き90と、距離L4を規定するセンターラグ溝41または切欠き90との距離L5の比(L5/L4)、タイヤ周方向に隣り合うセンターラグ溝41と切欠き90との距離L4に対する、距離L4を規定するセンターラグ溝41または切欠き90とショルダーラグ溝42との距離L6の比(L6/L4)が、それぞれ異なっている。
これらの空気入りタイヤ1を用いて評価試験を行った結果、図20A〜図20Eに示すように、実施例9、10、12〜39の空気入りタイヤ1は、従来例に対して、ウェットトラクション性が低下することなく、通過騒音が低減することが分かった。つまり、実施例9、10、12〜39に係る空気入りタイヤ1は、ウェット性能を確保しつつ低騒音化を図ることができる。