JP6983625B2 - 二液硬化型メタクリル系接着剤 - Google Patents
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Description
このような点に注目した結果、重合性メタクリル系モノマー、液状ゴム、有機過酸化物を必須成分とする主剤と、重合性メタクリル系モノマー、液状ゴム、還元剤を必須成分とする硬化剤を必須成分とし、主剤及び硬化剤に対して、炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートを所望量配合することで上記課題を解決することを見出した。さらに、上記主剤及び硬化剤にパラフィンワックスを所望量配合することで、皮膚刺激性をより低くできることを見出した。
(1)重合性メタクリル系モノマー、有機過酸化物、液状ゴムを必須成分とする主剤と、重合性メタクリル系モノマー、還元剤、液状ゴムを必須成分とする硬化剤とから構成される二液硬化型メタクリル系接着剤において、前記主剤の重合性メタクリル系モノマーおよび前記硬化剤の重合性メタクリル系モノマーが、メタクリル酸アルキルエステル、フェノキシチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、多価アルコールのポリメタクリレート、エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加反応させて得られるエポキシメタクリレート、ウレタンポリメタクリレート、ポリエステルポリメタクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジメタクリレートの少なくともいずれかであり、かつ前記重合性メタクリル系モノマーの30重量%〜70重量%が、炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートであることを特徴とする二液硬化型メタクリル系接着剤;
(2)前記主剤および前記硬化剤のPII値のいずれか大きい方の値が5.2以下であることを特徴とする(1)記載の二液硬化型メタクリル系接着剤;
(3)前記炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートがラウリルメタクリレートであることを特徴とする(1)または(2)記載の二液硬化型メタクリル系接着剤;
(4)前記主剤にさらにパラフィンワックスを含有することを特徴とする(1)乃至(3)のいずれか記載の二液硬化型メタクリル系接着剤;
(5)前記有機過酸化物がハイドロパーオキサイド類であることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか記載の二液硬化型メタクリル系接着剤;
(6)前記還元剤がバナジウム化合物であることを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか記載の二液硬化型メタクリル系接着剤;
を要旨とするものである。
炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートは、単独では皮膚刺激性が小さい物質であるが、驚くべきことに、重合性メタクリル系モノマーの70重量%を超える量が、炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートである場合、主剤及び硬化剤の皮膚刺激性は大きくなった。これは、皮膚との親和性の高い、炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートが皮膚内に浸透する際に、主剤及び硬化剤の中に配合されている皮膚刺激性が高い物質(主剤であれば過酸化物、硬化剤であればリン酸エステルが該当)を皮膚内に引きずり込む量が多いために、このような結果になったと推測する。
重合性メタクリル系モノマーの30重量%未満が炭素数を8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートである場合、皮膚刺激性では問題ないが、柔軟性が良好ではない。
一般に、アルキル基の炭素数の値を増加させると、主鎖が接近しにくくなり、その結果主鎖が運動しやすくなり柔軟性を発現しやすくなる。つまり、アルキル基の炭素数の値が小さい炭素数が8未満のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートは、柔軟性が十分ではない。一方、さらにアルキル基の炭素数の値を増加させる(炭素数が18を超えるアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートの場合)と、側鎖の結晶化傾向が強くなり十分な柔軟性を発現しない。特に、柔軟性と炭素数の関係において炭素数が10以上13以下付近で極小値を示すため、炭素数が10以上13以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートが好ましく、さらに、炭素数が12のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレート(ラウリルメタクリレートのこと)がより好ましい。
液状ゴムの配合量は、適宜調整してよいが、重合性メタクリル系モノマー100重量部に対して5重量部〜40重量部が好ましい。硬化物の柔軟性を付与するために液状ゴム40重量部を超える量を配合すると、粘度が高くなり良好に塗布することを妨げ、液状ゴムと重合性メタクリル系モノマーとの相溶性が悪いため、経時変化により組成が分離して接着性能を著しく低下させるおそれがある。
バナジウム化合物としては、バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムアセチルアセトネート、バナジウムベンゾイルアセトネート等が挙げられる。バナジウム化合物の配合量は重合性メタクリル系モノマー100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、更には、1〜5重量部がより好ましい。バナジウム化合物の配合量が0.1重量部未満であると硬化速度が遅いため好ましくなく、逆に10重量部を超えても配合量に比例した硬化速度の向上が見られなくなるだけでなく、重合性メタクリル系モノマーと共存させた場合に保存安定性が低下するので好ましくない。
皮膚刺激性をさらに低下させるために、主剤にパラフィンワックスを配合することが好ましい。パラフィンワックスを配合させることにより、主剤及び硬化剤の中に配合されている皮膚刺激性が高い物質をパラフィンワックスによりブロックさせるために皮膚刺激性が低下するものと推測している。
パラフィンワックスの配合量は、重合性メタクリル系モノマー100重量部に対してパラフィンワックスを0.1〜5.0重量部が好ましく、特に0.2〜2.0重量部が好ましい。
α−ヒドロキシカルボニル化合物しては乳酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、クエン酸等のα−ヒドロキシカルボン酸、乳酸メチル、乳酸エチル、グリコール酸エチル等のα−ヒドロキシカルボン酸エステル、ヒドロキシアセトン、ジヒドロキシアセトン、アセトイン、ベンゾイン等のα−ケトール等が挙げられるが、α−ケトールを使用した場合には保存中に容器に光が当たると変質しやすいためα−ヒドロキシカルボニル化合物としてα−ヒドロキシカルボン酸又はα−ヒドロキシカルボン酸エステルを使用するのが特に好ましい。また、α−ヒドロキシカルボニル化合物の配合量は重合性メタクリル系モノマー100重量部に対して0.1〜5重量部が好ましく、更には、0.5〜3重量部がより好ましい。α−ヒドロキシカルボニル化合物の配合量が0.1重量部未満であると接着性の向上が顕著ではないため好ましくなく、逆に5重量部を超えても配合量に比例した接着性の向上が見られない。なお、重合性メタクリル系モノマーとα−ヒドロキシカルボニル化合物が存在する系にバナジウム化合物が存すると、保存安定性が低下する傾向があるので、有機過酸化物を配合している主剤に配合するのが好ましい。
試験法は、OECD化学物質試験ガイドラインを参考にした。試験前日に、ウサギの背部皮膚の被毛をバリカンで刈毛した。試験当日、2.45×2.45cmのリント布の片面に、試験物質0.5mlを均一に塗布した後、紙絆創膏を用いてウサギの背部皮膚に貼付した。次に、これらのパッチを大型リント布で被覆した後、粘着性伸縮包帯で背部に固定した。暴露時間は4時間とし、暴露終了後にリント布製パッチを取り除き、試験物質を注射用水およびティッシュペーパーを用いて取り除いた。パッチ除去後、1、24、48及び78時間、加えて7及び14日に皮膚刺激性反応を観察し、判定基準に従い採点した。観察結果及び採点結果を基に、GHSおよびドレーズの基準に従って皮膚刺激性及び腐食性を評価した。
皮膚刺激性は、ドレーズの基準に従って0〜8の範囲内の数値で示す。
腐食性は、GHSの基準(GHS分類の腐食性区分)に従って示したものであり、GHS分類の区分2または3と判断したものについては腐食性なし、GHS分類の区分1と判断したものについては腐食性ありとした。
主剤及び硬化剤を容器に約500g採取して23℃に調整し、23℃、50%RHの雰囲気中にて24時間以上経過した後に、同雰囲気中にて、BH型粘度計(東京計器製)、ロータNo.5を用いて回転数20rpmで、回転を開始して1分後の粘度を測定した。
23℃、50%RHの雰囲気中にて、主剤及び硬化剤を等量混合した組成物を24時間以上養生し、直径30mm、厚さ6mmの円形平板となる接着剤組成物の硬化物を作製した。得られた硬化物についてタイプDデュロメータを用いて測定した。
23℃、50%RHの雰囲気中にて、幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの脱脂されたSPCC鋼鈑に主剤及び硬化剤を等量塗布し、10秒間混合後に直ちに同じ鋼鈑を12.5mmのラップで貼り合わせてクリップで固定し、24時間以上経過した後にJIS K 6850を参考にして引張り速度2.5mm/分にて測定した。
23℃、50%RHの雰囲気中にて、幅25mm×長さ200mm×厚み0.5mmの脱脂されたSPCC鋼鈑に主剤、硬化剤を等量塗布し、混合後に約150mmの範囲で薄く塗布して、直ちに同じ鋼鈑を貼り合わせてクリップで固定し、24時間以上経過した後にJIS K 6854−3を参考にして引張り速度50mm/分にて測定した。
23℃、50%RHの雰囲気中にて、主剤0.5g及び硬化剤0.5gを10秒間混合してから、急激に粘度上昇が始まるまでの時間を測定した。
23℃、50%RHの雰囲気中にて、幅25mm×長さ100mm×厚み1.6mmの脱脂されたSPCC鋼鈑に主剤及び硬化剤を等量塗布し、10秒間混合後に直ちに同じ鋼鈑を12mmのラップで貼り合わせて、クリップで固定してから、剪断方向に5kgの荷重を掛けて剥がれなくなるまでに要する時間を測定した。
また、実施例1及び2、比較例1乃至3は、引張せん断接着強さやT形剥離接着強さが良好であり、可使時間やセットタイムも良好であり、例えば薄い鋼板に剛性の高い補強材を接着するスチール製収納庫やスチール製物置の扉のような被着体が薄い平板に使用する接着剤として好適に使用できる。
Claims (6)
- 重合性メタクリル系モノマー、有機過酸化物、液状ゴムを必須成分とする主剤と、重合
性メタクリル系モノマー、還元剤、液状ゴムを必須成分とする硬化剤とから構成される二
液硬化型メタクリル系接着剤において、前記主剤の重合性メタクリル系モノマーおよび前
記硬化剤の重合性メタクリル系モノマーが、メタクリル酸アルキルエステル、フェノキシエチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、メタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、多価アルコールのポリメタクリレート、エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加反応させて得られるエポキシメタクリレート、ウレタンポリメタクリレート、ポリエステルポリメタクリレート、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物のジメタクリレートの少なくともいずれかであり、かつ前記重合性メタクリル系モノマーの30重量%〜70重量%が、炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートであることを特徴とする二液硬化型メタクリル系接着剤。 - 前記主剤および前記硬化剤のPII値のいずれか大きい方の値が5.2以下であることを特徴とする請求項1記載の二液硬化型メタクリル系接着剤。
- 前記炭素数が8以上18以下のアルキル基をエステル末端に有するアルキルメタクリレートがラウリルメタクリレートであることを特徴とする請求項1又は2記載の二液硬化型メタクリル系接着剤。
- 前記主剤にさらにパラフィンワックスを含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の二液硬化型メタクリル系接着剤。
- 前記有機過酸化物がハイドロパーオキサイド類であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の二液硬化型メタクリル系接着剤。
- 前記還元剤がバナジウム化合物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の二液硬化型メタクリル系接着剤。
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