JP2014088458A - アクリル系接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温時の接着強度に優れるアクリル系接着剤組成物、その硬化物及びその硬化物により強固に接合された接合体を提供する。
【解決手段】エラストマー成分(A)、下式(1)で表される(メタ)アクリル系重合性単量体(B)、(B)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体(C)、重合開始剤(D)及び還元剤(E)を含有する接着剤組成物。
【化1】

(式(1)において、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは1つ以上の水酸基を有する脂環式炭化水素構造である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、アクリル系接着剤組成物、その硬化物及びその硬化物により接合された接合体に関する。
第二世代のアクリル系接着剤(以下、「SGA」という。)は、作業性や耐衝撃性に優れた接着剤として、電気電子や土木建築、自動車等の分野で広く使用されている。
SGAは、(メタ)アクリルモノマー成分にエラストマー成分を溶解した樹脂液を主成分とし、さらに硬化剤としてハイドロパーオキサイドなどの過酸化物を加えた組成物と、還元剤として遷移金属塩やチオ尿素化合物などを加えた組成物の二剤で構成されることが多い。
SGAには、バランスの良い性能を付与するために、複数種類の(メタ)アクリルモノマー成分が用いられ、接着性を向上するためには、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー成分を配合することが有効であることが知られている。しかしながら、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマー成分として一般的に用いられる2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートはガラス転移点が低いので、この成分を配合した接着剤組成物は、高温での接着強度が低くなる。そのため、作動時に高温となる電気電子部材や自動車部材などの接着用途としては使用できない。
特許文献1では、このような課題を解決するために、平均粒子径が5.0μm以下の酸化チタンを接着剤組成物中に加えることで、高温時の接着強度を向上する手法が開示されているが、その効果は十分ではない。
特開2000−355647号公報
本発明は、高温時の接着強度に優れるアクリル系接着剤組成物、その硬化物及びその硬化物により強固に接合された接合体を提供する。
本発明は、エラストマー成分(A)(以下、「(A)成分」という)、下式(1)で表される化合物(B)(以下、「(B)成分」という)、(B)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体(C)(以下、「(C)成分」という)、重合開始剤(D)(以下、「(D)成分」という)及び還元剤(E)(以下、「(E)成分」という)を含有する接着剤組成物(以下、「本接着剤組成物」という)。
(式(1)において、Rは水素原子、またはメチル基であり、Rは1つ以上の水酸基を有する脂環式炭化水素構造である。)
本接着剤組成物において、(B)成分はヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
また本発明は、本接着剤組成物の硬化物(以下、「本硬化物」という。)である。
更に本発明は、2つの物体が本硬化物により接合された接合体(以下、「本接合体」という。)である。
本発明の接着剤組成物を硬化して得られる硬化物により接合された本接合体は、高温時にも十分な接着強度を有する。
本明細書において、「(メタ)アクリル」は「アクリル」及び「メタクリル」から選ばれる少なくとも1種を示し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」及び「メタクリレート」から選ばれる少なくとも1種を示す。
また、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基」及び「メタクリロイル基」から選ばれる少なくとも1種を示し、CH=C(R)−C(=O)−(Rは水素原子又はメチル基)で表される官能基である。
[(A)成分]
本発明で使用される(A)成分は、本接着剤組成物の粘度を調整することで作業性を良好にし、さらに本硬化物の耐衝撃性を向上するためのエラストマー成分である。(A)成分は、常温でゴム弾性を有する高分子量体である。(A)成分は、単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
(A)成分としては、例えば、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等が挙げられる。
(A)成分の構造は、直鎖状、分岐状、グラフト状、コア/シェル状のいずれでも良い。(メタ)アクリル系重合性単量体である(B)成分及び(C)成分への相溶性の点から、(A)成分は、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムが好ましい。
(A)成分の配合量は、(A)〜(C)成分の合計に対して5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。この量は、多いほど耐衝撃性が良好となり、低いほど適度が低下するので作業性が良好となる。
[(B)成分]
本発明で使用される(B)成分は、本硬化物の接着性と、高温時の接着強度を向上するための成分で、前記式(1)で表される(メタ)アクリル系重合性単量体ある。式(1)中のRは、一つ以上の水酸基を有する脂環式炭化水素構造であり、前記構造中の水酸基の位置は特に限定されない。Rとしては、例えば脂環式炭化水素基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換されたものが挙げられる。(B)成分は、単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
(B)成分の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシノルボニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシイソボルニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ヒドロキシジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート、3,5−ジヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A)成分及び(C)成分との相溶性の点から、(B)成分は、2−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(B)成分の配合量は、高温時の接着強度の点から、(A)〜(C)成分の合計に対して5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%がより好ましい。
[(C)成分]
本発明で使用される(C)成分は、本接着剤組成物の粘度を調整することで作業性を良好にし、さらに本硬化物の接着性を向上するための成分で、(B)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体である。(C)成分は、単独で又は2種以上を併せて使用することができる。
(C)成分の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの6−ヘキサノリド付加重合物と無水リン酸との反応生成物、2−エチルヘキシルジエチレングリコール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ジメチルアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス((メタ)アクロキシエチル)イソシアヌレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A)成分及び(B)成分との相溶性の点から、(C)成分は、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、接着強度の点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオシエチルアシッドホスフェート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートの6−ヘキサノリド付加 重合物と無水リン酸との反応生成物が好ましい。
(C)成分の配合量は(A)〜(C)成分の合計に対して、30〜80質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましい。30〜80質量%とすることで、適切な粘度となるため、作業性が良好となる。30質量%以上とすることで、接着強度が良好なものとなる。
[(D)成分]
本発明で使用される(D)成分は、本接着剤組成物の硬化剤であり、(E)成分と反応してラジカルを発生する。(D)成分の具体例としては、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、t−アミルハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等が挙げられる。本接着剤組成物の貯蔵安定性、反応速度の点から、クメンハイドロパーオキサイドが好ましい。
(D)成分の含有量は、(A)〜(C)成分の合計量を100質量部としたとき、0.1〜20質量部であることが好ましく、1〜15質量部がより好ましい。この量は多いほど硬化性が良好となり、少ないほど本接着剤組成物の貯蔵安定性が良好となる。
[(E)成分]
本発明で使用される(E)成分は、本接着剤組成物の還元剤であり、(D)成分と反応してラジカルを発生する。(E)成分としては、遷移金属塩、チオ尿素化合物等が挙げられる。遷移金属塩の具体例としては、バナジルアセチルアセトネート、バナジウムアセチルアセトネート、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト等が挙げられる。チオ尿素化合物の具体例としては、チオ尿素、エチレンチオ尿素、N,N’−ジメチルチオ尿素、N,N’−ジエチルチオ尿素、N,N’−ジプロピルチオ尿素、N,N’−ジ−n−ブチルチオ尿素、N,N’−ジラウリルチオ尿素、N,N’−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、1−ベンゾイル−2−チオ尿素等が挙げられる。反応性の点から、バナジルアセチルアセトネートが好ましい。
(E)成分の含有量は、(A)〜(C)成分の合計量を100質量部としたとき、0.05〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。この量は多いほど硬化性が良好となり、少ないほど本接着剤組成物の貯蔵安定性が良好となる。
[その他の成分]
本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を含んでもよい。その他の成分の具体例としては、ビニル系モノマー等のアクリル系以外のラジカル重合性単量体、各種添加剤(酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、消泡剤、重合禁止剤、無機微粒子等)が挙げられる。また、硬化時間の短縮化のために、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジイソプロピル−p−トルイジン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン等の第3級アミン化合物を加えても良い。さらに、硬化物の強度をより向上するために、熱重合開始剤((D)成分以外の過酸化物、アゾ化合物等)、光重合開始剤(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等)を加えてもよい。
その他の成分の含有量は、特に限定されないが、(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
[接着剤組成物]
本接着剤組成物は、(A)〜(E)成分を含む組成物であるが、製造時には(D)成分と(E)成分が混合しないように分離した二剤の状態で製造される。具体的には、(A)〜(C)成分に(D)成分が溶解した第一剤(以下「X剤」という。)と、(A)〜(C)成分に(E)成分が溶解した第二剤(以下「Y剤」という。)から成る二剤型、(A)〜(C)成分に(E)成分が溶解した第一剤と、(D)成分から成る二剤型等が挙げられる。
本接着剤組成物の製造方法としては、例えば、(A)〜(C)成分を加熱混合することで相溶した後に常温まで冷却してABC混合液を製造し、ABC混合液に(D)成分を混合してX剤を製造し、ABC混合液に(E)成分を混合してY剤を製造する手法や、(A)〜(C)成分をプラネタリーミキサー等でせん断力を加えることで相溶してABC混合液を製造し、ABC混合液に(D)成分を配合し、常温で混合してX剤を製造し、ABC混合液に(E)成分を配合し、常温で混合してY剤を製造する手法等で製造したX剤とY剤を接着時に混合する方法等が挙げられる。
本硬化物は、二剤を混合し、重合反応を起こすことにより得られる。また、本発明の接合体は、2つの物体(被接着体)の一方に二剤を混合したものを塗布して他方に貼り合せる接着方法や、二剤を別々に塗布した被接着体同士を貼り合わせる接着方法等で製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。以下において、「部」は「質量部」を意味する。実施例及び、比較例における高温時の接着強度の評価は、以下の方法で実施した。
[接着強度の評価]
JIS K6850に準じて、評価した。X剤、Y剤を等量混合した接着剤組成物で、2枚の脱脂したSPCC(サンドブラスト処理済、寸法:100mm×25mm×1.6mm)を貼り合わせ、クリップで固定した。23℃で24時間養生後、クリップを取り除き、接着試験体を得た。接着試験体を80℃で1時間養生した後、80℃において、引っ張り速度5mm/分で、引張せん断接着強度を測定し、高温時の接着強度を評価した。
[合成例1]
<2−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレートの合成>
温度計、塩化カルシウムを付けた冷却管、攪拌機、空気導入管、滴下ロートを備えたフラスコに、メタクリル酸1550g(18モル)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)を1.5g、酢酸クロム5.2gを入れ、50℃に昇温した。シクロヘキセンオキサイド878g(9モル)を滴下ロートに入れ、液温が50〜70℃になるような速度で滴下した。その後60℃で2時間熟成した。以上の操作は、少量の空気をバブリングし、撹拌しながら実施した。その後、室温まで冷却し、反応液をヘキサン4800gに溶解させた。ヘキサン溶液を3600gの水で水洗後、15%炭酸ナトリウム水溶液1000gで3回洗浄した後、3600gの水で洗浄した。そして、p−メトキシフェノールを150mg、N,N’−ビス(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミンを添加して、エバポレーターでヘキサンを留去した。
この反応液を単蒸留装置に入れ、圧力80〜120パスカル、液温90〜120℃で蒸留した。このとき得られた本留を再度同じ条件で蒸留して、2−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレートを977g得た(純度99%、収率58%)。
[実施例1]
X剤の製造:冷却器を備えた反応容器に、(B)成分として、合成例1で合成した2−ヒドロキシシクロヘキシルメタクリレート30部、(C)成分として、メチルメタクリレート50部、2−エチヘキシルアクリレート8部、重合禁止剤としてとして、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.2部を加え、反応容器内の液を攪拌しながら、反応容器内に(A)成分としてコアシェル型エラストマーを12部添加した。攪拌しながら加熱し、(A)成分が完全に溶解したことを確認した後、常温まで冷却し、(D)成分として、クメンハイドロパーオキサイド(化薬アクゾ(株)製、商品名:カヤクメンH)を5部加えた。(D)成分を攪拌溶解し、X剤を得た。
Y剤の製造:表1に示した配合に変更した以外は、X剤と同様に、(A)成分を溶解した。常温まで冷却した後、さらに(B)成分として、リン酸エステル含有モノマーを5部、(E)成分として、バナジルアセチルアセトネート(新興化学工業(株)製)を1部加え、攪拌溶解し、Y剤を得た。
得られたX剤とY剤を用いて接着強度の評価を行った結果を表1に示した。
[実施例2、比較例1〜2]
硬化性樹脂組成物の組成を表1に示す組成とした以外は実施例1と同様にして、X剤とY剤を製造し、接着強度の評価を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
硬化性樹脂組成物の組成を表1に示す組成とし、常温まで冷却後、(D)成分あるいは(E)成分と同様に酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:CR−97、平均粒子径:0.25μm)を加え、攪拌溶解し、X剤とY剤を得た。得られたX剤とY剤を用いて接着強度の評価を行った。結果を表1に示した。
表1中の略語は、以下の化合物を示す。
コアシェル型エラストマー:n−ブチルアクリレート・ブタジエン・メチルメタクリレート等を共重して成るコアシェル型重合体(ユーエムジー・エービーエス(株)製、商品名:MUX−IR)
NBR:アクリロニトリルブタジエンゴム(日本ゼオン(株)製、商品名:Nipol HF01)
リン酸エステル含有モノマー:2−ヒドロキシエチルメタクリレートの6−ヘキサノリド付加重合物と無水リン酸との反応生成物(日本化薬(株)製、商品名:KAYAMER PM−21)
BHT:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(本州化学(株)製、商品名:H−BHT)
表1の結果から、(B)成分を含有する本接着剤組成物を用いた実施例1及び2では、高温時の接着強度の指標である引張せん断接着強度が高く良好であった。しかしながら、(B)成分の代わりに、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートを含有する比較例1と、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを含有する比較例2は、高温時の接着強度の指標である引張せん断接着強度が低く不良であった。また、比較例2に酸化チタンをさらに含有する比較例3においても実施例と比較すると高温時の接着強度の指標である引張せん断接着強度が低位であった。

Claims (4)

  1. エラストマー成分(A)、下式(1)で表される(メタ)アクリル系重合性単量体(B)、(B)成分以外の(メタ)アクリル系重合性単量体(C)、重合開始剤(D)及び還元剤(E)を含有する接着剤組成物。
    (式(1)において、Rは水素原子またはメチル基であり、Rは1つ以上の水酸基を有する脂環式炭化水素構造である。)
  2. (メタ)アクリル系重合性単量体(B)がヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートである請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の接着剤組成物の硬化物。
  4. 2つの物体が請求項3に記載の硬化物により接合された接合体。
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