JP5543844B2 - 2液硬化型アクリル系接着剤 - Google Patents

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本発明は、(メタ)アクリル系モノマー(本発明において(メタ)アクリルは、アクリル又はメタクリルをいうものとする。)と重合開始剤からなるA液と、(メタ)アクリル系モノマーと重合促進剤からなるB液とからなる、レドックス反応を利用した2液硬化型アクリル系接着剤に関する。詳しくは、重合開始剤として有機過酸化物、重合促進剤としてバナジウム化合物、及びチオ尿素誘導体を用いた2液硬化型アクリル系接着剤に関する。
(メタ)アクリル系モノマーと有機過酸化物を必須成分とするA液と、(メタ)アクリル系モノマーとバナジウム化合物を必須成分とするB液からなる、レドックス反応を利用した2液硬化型アクリル系接着剤は、取扱いが簡単で、接着強度に優れており、電機、機械、建築などの分野で多く使用されている。このような接着剤として本発明者らは、前に特許文献1の発明を開示した。特許文献1の接着剤は、A液が(メタ)アクリル系モノマー、有機ハイドロパーオキサイドを必須成分とし、B液が(メタ)アクリル系モノマー、バナジウム化合物、チオ尿素又はその誘導体、及びN−ニトロソジフェニルアミンを必須成分とする2液主剤型アクリル系接着剤であり、硬化時間が短く、しかも長期間保存することもできる接着剤であった。しかしながらこの接着剤には、B液の重合促進効果が時間の経過と共に低下するという問題があった。即ち、長期間保存したB液を使用すると、調製直後のB液よりも、硬化に時間を要するのである。
尚、(メタ)アクリル系モノマーを主成分とし、重合開始剤として有機過酸化物を、重合促進剤としてバナジウム化合物を使用した接着剤が特許文献2〜5に開示されている。特許文献2記載の接着剤組成物はジビニル化合物、有機過酸化物及びビニルモノマーと、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム又はカルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエンゴムから選ばれる1種以上からなる接着剤組成物と、チオ尿素誘導体、α・α’−ジピリジル及びバナジウム等の有機酸塩又は無機酸塩と、更に揮発性有機溶剤とからなる硬化促進剤組成物の2液からなる。特許文献3の発明は、特定構造を有する(メタ)アクリル系モノマー、有機過酸化物及び合成ゴムからなる接着剤組成物に関する発明であり、好適に使用される重合促進剤として、バナジルアセチルアセトネート等のアセチルアセトンの金属塩やチオ尿素誘導体等が例示されている。
特許文献4記載の接着剤は(メタ)アクリル系モノマー等のビニル化合物と過酸化物とパラフィン又はワックスからなる接着剤主剤と、(A)チオ尿素誘導体、(B)バナジルトリスアセチルアセトネート等のβ−ジケトンキレート又はβ−ケトエステルキレート及び(C)これらを溶解又は分散せしめる媒体からなる硬化促進剤とからなる。この接着剤は(B)β−ジケトンキレート又はβ−ケトエステルキレートが一種しか用いられておらず、複数の(B)β−ジケトンキレート又はβ−ケトエステルキレートを併用することについては記載されていない。
尚、特許文献2〜4に開示されている接着剤は、いずれも接着強度等は優れるがその硬化時間の経時変化について言及するものではない。
特許文献5は重合性組成物に関するものであり、(メタ)アクリレートとt−ブチルヒドロペルオキシドを含む第一成分と、(メタ)アクリレートとチオ尿素誘導体及びバナジウム化合物とを含む第二成分からなる。該組成物は保存安定性がよく、長期間保存した後に使用しても硬化時間の変化はほとんど見られなかったが、実施例を見ると硬化時間が6〜13分程度であり、十分に短いとはいえないものであった。
尚、非特許文献1には不飽和ポリエステル樹脂を硬化させるための促進剤として、アルミニウムアセチルアセトネートが記載されており、「バナジル系促進剤と併用し促進効果を強める」という記載がある。そこで本発明者らは、(メタ)アクリル系モノマーとバナジウム化合物を必須成分とするB液に、更にアルミニウムアセチルアセトネートを加えて2液硬化型アクリル系接着剤を製造したところ、接着剤の硬化時間が短縮することを確認できた。しかしながら該B液は保存安定性が悪く、調製後数日でゲルが発生し、使用できなくなった。
特開2006−188627 特公昭51−17966 特公昭54−28177 特公昭55−17041 特開2009−144054
滝山栄一郎著、「プラスチック材料講座10 ポリエステル樹脂」第7版、日刊工業新聞社、昭和53年2月10日発行、p.87
本発明は、(メタ)アクリル系モノマー、及び有機過酸化物を必須成分とするA液と、(メタ)アクリル系モノマー、バナジウム化合物、及びチオ尿素誘導体を必須成分とするB液からなる、レドックス反応を利用した2液硬化型アクリル系接着剤において、接着剤調製直後の硬化時間(即ち、A液とB液とを混合してから硬化するまでの時間)が非常に短く、尚且つ保存安定性が良好(即ち、長期間保存してもゲル等が発生せず、接着剤の性質がほとんど変化しない)で、更に硬化時間の経時による増加もほとんど見られない2液硬化型接着剤の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、B液にバナジウム化合物、チオ尿素誘導体及び酸性リン化合物を配合すると共に、アルミニウム化合物を配合することにより、接着剤の硬化時間を短くできること、更にバナジウム化合物とアルミニウム化合物の併用によって低下するB液の保存安定性を、特定構造のハイドロキノン系化合物を配合することにより回復できることを見出し、上記課題を解決するに至った。すなわち本発明は以下の通りである。
(メタ)アクリル系モノマー100重量部、及び有機過酸化物1〜10重量部を必須成分とするA液、並びに(メタ)アクリル系モノマー100重量部、バナジウム化合物0.05〜0.45重量部、チオ尿素誘導体0.1〜5重量部、アルミニウム化合物0.1〜5重量部、酸性リン化合物0.6〜10重量部、及び1置換又は2置換のハイドロキノン系化合物0.1〜5重量部を必須成分とするB液からなることを特徴とする2液硬化型アクリル系接着剤。
ハイドロキノン系化合物が、2置換ハイドロキノンである前記2液硬化型アクリル系接着剤。
チオ尿素誘導体が、モノベンゾイルチオ尿素である前記2液硬化型アクリル系接着剤。
酸性リン化合物の配合量が、0.6〜4重量部である前記2液硬化型アクリル系接着剤。
本発明の2液硬化型アクリル系接着剤は、B液にバナジウム化合物とチオ尿素誘導体及びアルミニウム化合物が配合されているので、B液調製直後から長期にわたって硬化時間が非常に短い。更にB液には酸性リン化合物と共に、1置換又は2置換のハイドロキノン(以下、単にハイドロキノン系化合物と称す。)が併せて配合されており、B液の保存安定性が良好で、経時により接着剤中にゲル等が発生したり、接着剤の硬化時間が変化したりしにくい。
本発明においてA液、B液の主成分として用いられる(メタ)アクリル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ビスフェノールA又はビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート等が挙げられ、これらが単独で、或いは、2種以上組み合わせて用いられる。
またA液中に配合される有機過酸化物としては、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシデカノエート等のパーオキシエステル類が挙げられ、これらが単独、或いは、2種以上組み合わせて用いられるが、接着性が優れていることからハイドロパーオキサイド類が特に好適に用いられる。有機過酸化物の配合量はA液に配合される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して1〜10重量部とし、特に3〜6重量部が好ましい。有機過酸化物の配合量が1重量部未満であると硬化時間が長くなる恐れがあり、10重量部を超えるとA液の保存安定性が低下し、B液と混合する前にモノマーの重合が進む恐れがある。
B液中に配合されるバナジウム化合物としては、バナジルアセチルアセトネート、バナジルステアレート、バナジウムナフテネート、バナジウムアセチルアセトネート、バナジウムベンゾイルアセトネート等が挙げられ、これらが単独で、或いは、2種以上組み合わされて用いられる。バナジウム化合物の配合量はB液中に配合される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して0.05〜0.45重量部であり、0.1〜0.35重量部がより好ましい。バナジウム化合物の配合量が0.05重量部未満であると硬化時間が長くなり、逆に0.45重量部を超えるとB液の保存安定性が低下し、経時によってB液が変質する恐れが生じる。
B液中に配合されるチオ尿素誘導体とは、チオ尿素を包含し、エチレンチオ尿素、1,3−ジメチルチオ尿素、1,3−ジエチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、モノアセチルチオ尿素、モノベンゾイルチオ尿素、1,3−ジフェニルチオ尿素、1,3−ジシクロヘキシルチオ尿素等が挙げられ、これらが単独で、或いは、2種以上組み合わされ用いられる。尚、短い硬化時間を維持しつつ、B液の変質を長期に渡って防止するためには、該チオ尿素誘導体としてモノベンゾイルチオ尿素が特に適する。
チオ尿素誘導体の配合量はB液中に配合される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して0.1〜5重量部であり、0.5〜3重量部がより好ましい。該配合量が0.1重量部未満であるとB液の保存安定性が低下し、逆に5重量部を超えると(メタ)アクリル系モノマーへの溶解が困難になり、更に接着強度が低下する恐れが生じる。
B液中に配合されるアルミニウム化合物としては、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムsec−ブトキシド等が挙げられ、これらが単独で、或いは、2種以上組み合わされて用いられる。アルミニウム化合物の配合量はB液中に配合される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して0.1〜5重量部であり、特に0.2〜2.0重量部が適する。該配合量が0.1重量部未満であるとB液調製直後の短い硬化時間を長期間維持することが困難となり、5重量部を超えても配合量に比例した硬化時間の短縮は見られず、B液の保存安定性の低下をもたらすだけである。
B液中には更に、酸性リン化合物が配合されている。酸性リン化合物はB液の保存安定性に寄与し、更にレドックス反応の助剤としても作用しうる。該酸性リン化合物としては、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、β−クロロエチルアシッドホスフェート、エトキシエチルアシッドホスフェート、エチレングリコールアシッドホスフェート、ブチルピロホスフェート、フェニルホスフェート、ジフェニルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等の酸性リン化合物が挙げられるが、接着強度を考慮すると(メタ)アクリロイルオキシ基を有する酸性リン化合物が好ましく、これらが単独で、或いは、2種以上組み合わされて用いられる。酸性リン化合物の配合量は、保存安定性の観点からB液に配合される(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して0.6〜10重量部とする。配合量が0.6〜10重量部より少なくても、また多くてもB液保存中にゲルが発生する恐れがある。
尚、酸性リン化合物は保存中にB液が変質することを防止するが、配合量によっては若干ではあるが硬化時間を長くする場合がある。よって硬化時間を重視する場合は、酸性リン化合物の配合量を4重量部以下とすることが望ましい。
更にまたB液には、室温での長期保存安定性の向上を目的として、メチルハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン等の1置換ハイドロキノン、又は2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5−ジ−t−アミルハイドロキノン、2,5−ジエトキシハイドロキノン等の2置換ハイドロキノンから選ばれるハイドロキノン系化合物が配合される。ハイドロキノン系化合物の配合量は、(メタ)アクリル系モノマー100重量部に対して0.1〜5重量部であり、更には、0.2〜1重量部がより好ましい。ハイドロキノン系化合物の配合量が0.1未満であると保存安定性が低下し、保存中にB液にゲルが発生する恐れがある。また逆に5重量部を超えると接着剤の硬化時間が長くなる。
尚、ハイドロキノン系化合物として2置換ハイドロキノンを採用すると、1置換ハイドロキノンを採用した場合よりも、更に接着剤調製直後の硬化時間を短縮することができ、この短い短縮時間を長期間にわたって維持することができる。
その他、本発明においてはA液及び/又はB液に、粘度調整及び硬化物の柔軟性を向上させることを目的として、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸エステル−ブタジエン共重合体(MB樹脂)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−アクリロニトリル−スチレン共重合体(MBAS樹脂)等の熱可塑性樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)、塩化ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム等の未加硫ゴム、液状ポリブタジエン、末端(メタ)アクリル変性液状ポリブタジエン、液状アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の液状ゴム、揺変性を付与することを目的として微粉末ポリエチレン、ジベンジリデン−D−ソルビトール、セルローストリアセテート、ステアリン酸アミド、ベントナイト、微粉末ケイ酸等の揺変性付与剤、表面硬化性を促進するためのパラフィンや蜜ろう、及び着色のための染料や顔料を配合することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明の範囲が限定的に解釈されるものではない。
実施例及び比較例における各接着剤を、以下の(1)〜(3)の項目について評価した。
(1)保存安定性
A液又はB液を250ccのポリエチレン製容器に250g入れて、40℃に保たれた乾燥機内に保管し、ゲルを生じるまでの日数を測定した。
(2)硬化時間
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で寸法1.6×25×100mmの冷間圧延鋼板を、ラップ長さ12mm(ラップ面積25×12mm2)でA液、B液を等量混合して接着し、5kgfの荷重をかけても剥がれなくなるまでの時間を測定した。
(3)接着強度
23℃、50%RHの恒温恒湿室内で寸法1.6×25×100mmの冷間圧延鋼板をラップ長さ12mm(ラップ面積25×12mm)でA液、B液を等量混合して接着し、24時間養生後にASTM D1022−64に準拠して引張せん断強度(N/mm)を測定した。
[実施例1〜8、比較例1〜8]
下記に示すA液を調製し、40℃に保たれた乾燥機内に保管して保存安定性を評価したところ、30日以上ゲルが発生せず安定であった。なお、このA液は実施例9〜11、及び比較例9〜12にも共通に使用した。更に下記に示す組成で各B液を調製した。尚、B液の一部(バナジルアセチルアセトネート、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、モノベンゾイルチオ尿素、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート)については配合量を表1に記す。また、以下の実施例、比較例において「部」は「重量部」を表すものである。
各B液の保存安定性と、A液と混合した際の硬化時間及び接着強度を測定し、表2に記す。尚、硬化時間及び接着強度は調製直後のA液及びB液を用いた場合と、40℃30日間保存後のA液及びB液を用いた場合の双方について測定した。
A液の組成
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 50部
2−エチルヘキシルメタクリレート 30部
2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン 20部
MBS樹脂1) 50部
p−ベンゾキノン 0.15部
エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩 0.1部
クエン酸 1.0部
クメンハイドロパーオキサイド 5部
B液の組成
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 50部
2−エチルヘキシルメタクリレート 30部
2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン 20部
MBS樹脂1) 50部
2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン 0.3部
バナジルアセチルアセトネート(「VOAA」と略す)
アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)(「AlAA」と略す)
モノベンゾイルチオ尿素(「BTU」と略す)
2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート2)(「P−1M」と略す)

1)(株)カネカ製 カネエースB−56
2)共栄社化学(株)製 ライトエステルP−1M
表2より、バナジウム化合物(VOAA)、チオ尿素化合物(BTU)、及び酸性リン化合物(P−1M)が本発明において開示された範囲内において使用した実施例1〜8は、酸性リン化合物が本発明において開示された量に満たない比較例1〜3、チオ尿素化合物が含まれていない比較例4、比較例6、バナジウム化合物の配合量が多い比較例7、8と比較して保存安定性が優れていることが分かる。また実施例1〜8の接着剤は硬化時間、接着強度のいずれもが、調製直後も40℃30日保存後も良好であった。しかしながら、酸性リン化合物(P−1M)が5重量部配合されたB液を用いた実施例4は、実施例1〜実施例3及び実施例5〜実施例8と比較すると、若干ではあるが調製直後の硬化時間が長く、40℃30日保存後の硬化時間も長かった。また比較例5の接着剤は、接着強度の低下は少ないものの、硬化時間が著しく長くなった。これによりアルミニウム化合物(AlAA)が含まれていない為、B液の重合促進効果が経時で低下した為である。
[実施例9〜11、比較例9〜12]
2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノンを表3に記す安定剤に変えた以外は、実施例3と同じ組成で各B液を調製した。各B液の40℃での保存安定性と、前述したA液と混合した際の硬化時間及び接着強度を測定し、表4に記す。尚、硬化時間及び接着強度は調製直後のA液及びB液を用いた場合と、40℃30日間保存後のA液及びB液を用いた場合の双方について測定した。
表4より、安定剤として本発明において開示された1置換又は2置換ハイドロキノンを使用した実施例9〜11は、他の安定剤を使用した比較例9〜12に比べ、保存安定性が優れていることが分かる。また実施例9〜11は硬化時間が調製時、40℃30日保存後の何れも良好であった。特に、2置換ハイドロキノンである2,5−ジ−t−アミルハイドロキノンを用いた実施例11は、硬化時間が調製時、40℃30日保存後の何れも、非常に短かった。
[実施例12〜13]
下記に示すA液を調製し、40℃における保存安定性を評価したところ、30日以上安定であった。更に下記に示す組成で各B液を調製した。尚、各実施例においてアルミニウム化合物及びチオ尿素誘導体は、表5に示すものを用いた。各B液の40℃における保存安定性と、A液と混合した際の硬化時間及び接着強度を測定し、表6に記す。尚、硬化時間及び接着強度は調製直後のA液及びB液を用いた場合と、40℃30日間保存後のA液及びB液を用いた場合の双方について測定した。
A液の組成
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 50部
2−エチルヘキシルメタクリレート 30部
2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン 20部
MBS樹脂1) 50部
p−ベンゾキノン 0.15部
エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム塩 0.1部
クエン酸 1部
t−ブチルハイドロパーオキサイド 4部
B液の組成
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート 50部
2−エチルヘキシルメタクリレート 30部
2,2−ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン 20部
MBS樹脂1) 50部
バナジルアセチルアセトネート 0.3部
2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン 0.3部
アルミニウム化合物(表5参照) 0.3部
チオ尿素誘導体(表5参照) 1部
2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート2) 3部

1)(株)カネカ製 カネエースB−56
2)共栄社化学(株)製 ライトエステルP−1M
表6より、実施例12及び13で用いられたB液は保存安定性に優れていることが分かる。またこれらの接着剤は、調製時から硬化時間が短く、40℃30日保存後も接着時間の変化が少なく、接着強度の低下もみられない。特にチオ尿素誘導体としてモノベンゾイルチオ尿素を用いた実施例12は、調製時の硬化時間が短く、30日保存後も硬化時間の変化が余り見られない。
本発明の2液硬化型アクリル系接着剤は、保存安定性が良好であり、各液を調製した直後はもちろん、長期間保存した後であっても硬化時間が短く、電機、機械、建築等、幅広い分野で好適に利用可能である。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル系モノマー100重量部、及び有機過酸化物1〜10重量部を必須成分とするA液、並びに(メタ)アクリル系モノマー100重量部、バナジウム化合物0.05〜0.45重量部、チオ尿素誘導体0.1〜5重量部、アルミニウム化合物0.1〜5重量部、酸性リン化合物0.6〜10重量部、及び1置換又は2置換のハイドロキノン系化合物0.1〜5重量部を必須成分とするB液からなることを特徴とする2液硬化型アクリル系接着剤。
  2. 前記ハイドロキノン系化合物が、2置換ハイドロキノンであることを特徴とする請求項1記載の2液硬化型アクリル系接着剤。
  3. 前記チオ尿素誘導体が、モノベンゾイルチオ尿素であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の2液硬化型アクリル系接着剤。
  4. 前記酸性リン化合物が、0.6〜4重量部配合されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の2液硬化型アクリル系接着剤。
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