JP6983577B2 - 粉粒体担持シートの検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献3には、粉粒体の充填状況の撮像画像を基に粉粒体の粒度分布を計測する方法が記載されている。具体的には撮像画像に2次元フーリエ変換を施し、低周波域及び高周波域のパワースペクトルの平均値を求める。次いで、その平均値比で定義されるスペクトル偏在度を算出し、検量線を用いて粒度分布を算出する画像解析装置が記載されている。
特許文献4に記載の分散性評価装置は、シート電極に塗工されたペースト中の活物質の均一分散性などを評価するとされる。具体的には、微小粒子の撮像データから検査画像を生成し、検査画像に基づいて評価対象の粒子領域を抽出する。各粒子領域の重心を規定して、ボロノイ図を作成し、検査画像を区画して複数の分散領域を生成する。分散領域の面積値に基づいて、微小粒子の分散性を評価することが記載されている。
特許文献6には、検査対象物を表す画像信号が示す画像の各部分の濃度値を統計処理して、濃度値のバラツキを統計量に変換し、各部分について統計量と基準値とを比較して対象物の良否を判定する検査装置が記載されている。
特許文献1、3及び4に記載された発明では、粉粒体等が載置された基材等の表面状態の影響が考慮されていないため、シートの地合ムラの影響を排除してシート上に散布された粉粒体の分散性や量を測定することができない。また特許文献2、5及び6に記載された装置では、原画像データを構成する画素に対する輝度レベルを表す波形を水平方向に多項式近似する必要がある。そのため、輝度レベル差が小さい地合ムラや境界がはっきりしない地合ムラの影響を排除して測定することが容易ではない。
前記シートの撮像領域を撮像する撮像部と、
前記撮像部にて得た撮像画像を処理する処理部と、
前記処理部にて求めた統計値に基づいて前記シートの良否判別を行う判別部とを備え、
前記処理部が、前記撮像画像を取得する画像取得部と、前記撮像画像にフィルタ処理を行い粉粒体の画像を抽出する粉粒体抽出部と、前記抽出した粉粒体の画像を複数の領域に区分し、該領域について下記(1)〜(3)のいずれか1つ以上の統計値を算出して保存する統計処理部とを有する
粉粒体担持シートの検査装置を提供する。
(1)前記粉粒体が抽出された画素数もしくは該画素数を基に換算した換算面積、(2)前記画素数もしくは前記換算面積の最大値と最小値、及び(3)前記画素数もしくは前記換算面積の偏差。
前記シートを撮像して撮像画像を得る画像取得処理と、
前記撮像画像にフィルタ処理を行い粉粒体の画像を抽出する粉粒体抽出処理と、
前記粉粒体の抽出画像を複数の領域に区分し、該複数の領域について下記(1)〜(3)のいずれか1つ以上を算出し、粉粒体の統計値を得て保存する統計処理と、
前記統計値に基づいて前記シートの良否判別を行う判別処理とを有する
粉粒体担持シートの検査方法を提供する。
(1)前記粉粒体が抽出された画素数もしくは該画素数を基に換算した換算面積、(2)前記画素数もしくは前記換算面積の最大値と最小値、及び(3)前記画素数もしくは前記換算面積の偏差。
粉粒体110は、シート100上に接着剤(図示せず)を介して接着されたものであり、単にシート100上に粉粒体110が載置されているものや、接着された粉粒体110上にさらに載置されたもの等も含む。シート100に沿って記載された矢印Aは、シート100の搬送方向を示す。シート100には、不織布、パルプシート、織布、フィルム、等を挙げることができる。また粉粒体110には、高吸収性ポリマー、発熱体微粒子、その他の粉粒体を挙げることができる。
また処理部40から照明部20の電源部22に接続される信号線SL2を有する。
上記処理部40には、例えば、オムロン株式会社製の高速コントローラFH−3050−10(商品名)を用いることができる。高速コントローラは、製造装置の制御装置(図示せず)より検査要求信号(トリガ信号)を受け取り、シート100の撮像領域100Sを撮像して得た撮像画像に対し、後述する各種フィルタ処理を行う。
さらに、上記(1)〜(3)の移動平均値を上記統計値にしても好ましい。
面積に換算することで,オペレータ等に対して、判別に用いる面積の基準がわかりやすくなる。
図3に示す「画像取得処理」S2では、図1に示したように、上記シート100の粉粒体110が分布している撮像領域100Sを照明部20によって照明し、撮像部30を用いてシート100の照明された撮像領域100Sを撮像する。そして、撮像により得た撮像画像を画像取得部41に保存する。
上記ぼかし処理における、ぼかしの程度は、概ね粉粒体が判別できなくなる程度の強度に設定することが好ましい。例えば、60×60画素のガウシアンフィルタを使用することができる。ぼかし処理を行うことにより、不織布の坪量ムラによって生じる階調値のムラと粉粒体の分布ムラを抽出することができる。
動的2値化処理は、一画素ごとにしきい値を決定し、シートの地合ムラによって生じる明るさの変動を吸収しながら2値化する手法であるため、地合ムラによるノイズを吸収し検査可能な画像を生成することができる。
オープニング処理における、収縮、膨張処理の回数は以下のように設定する。
収縮処理:シートの繊維もしくは微小な粉粒体(撮像時のノイズと区別がつかないような小さい粒子)が消える程度の回数を設定する。
膨張処理:収縮処理と同じ回数を設定する(収縮処理によって小さくなった粉粒体を収縮処理前の粉粒体と同じ大きさに戻すための処理)。
以上の処理により、シートの地合ムラの影響を除いて粉粒体の分布を精度よく抽出することができる。
次に、「各小領域Rijについて白画素数[Sij]を計数」S42によって、それぞれの小領域Rijにおける白画素数を計数する。白画素数は、画素数又は画素数から換算した画素面積全体に対して計数される。
そして、「Sijについて統計値を計算する。平均値AVE[Sij]、最大値MAX[Sij]、最小値MIN[Sij]、偏差STD[Sij]、合計値SUM[Sij]」S43を行う。Rijの各要素の白画素数Sijについて、平均値は白画素数の単純平均値を求め、最大値は白画素数の最大値を求め、最小値は白画素数の最小値を求める。また統計値の偏差は標準偏差を求める。標準偏差は、各データの値と平均の差の2乗の合計を、データの総数で割った値の正の平方根で求まる。さらに、平均値、最大値、最小値、偏差のそれぞれについての合計値SUM[Sij]を求める。このようにして、前述した(1)〜(3)の各統計値が求まる。
以上の処理によって、粉粒体担持シートの画像に関する統計的データを生成することができる。
また、上記統計値には、前述の(1)〜(3)の移動平均値を用いることも好ましい。移動平均値は、複数回検査を行った時の各統計値の履歴データから求めることができる。
例えば、n回目(nは自然数)の検査で求められた平均値AVE[Sij]をAnとした場合、移動平均値MAnは、次式にて求めることができる(Nは移動平均区間であり、n以下の自然数)。
まず、「合計値SUM>上限閾値又は合計値SUM<下限閾値」S51を行う。上限閾値は合計値SUMの上限値を規定する閾値であり、下限閾値は合計値SUMの下限値を規定する閾値である。S51の判断処理において、合計値SUMが上限閾値より大きい、又は合計値SUMが下限閾値より小さい場合には、「Yes」と判断して「粉粒体量異常フラグF1をON」S52を行う。一方、合計値SUMが上限閾値以下である、又は下限閾値以上である場合には、「No」と判断して「粉粒体量異常フラグF1をOff」S53を行う。
以上の処理により、粉粒体の量や分散性の異常(散布状態の均一性の異常)を検出することができる。具体的には、S54、S57の判断処理によって局所的な粉粒体の量の過大もしくは過小を検出することができる。またS60の判断処理によってシートに担持された粉粒体の分散性の悪化を検出することが可能となる。
品質情報を受け取ったシート100の製造装置のオペレータは、品質情報の内容をもとに、製造装置の点検や補修など、シート100の品質を確保するうえで必要な措置を講じることができる。また、検査装置が異常の発生した位置を特定することによって、効率よく点検を行うことができる。
また、シート100に担持された粉粒体110が撮像されるため、シート100に粉粒体110が担持されていることが保証される。さらに局所的な量が過大、もしくは過少を検出することができる。またさらに、シート100に担持された粉粒体110の分散性の悪化を検出することができる。
また、上記検査方法によれば、画像処理のおける領域設定を規定し、判別処理を組合せることによって、均一分布だけではなく、設定した通りの不均一分布ができているかを判断することもできる。
20、23 照明部
30 撮像部
40 処理部
41 画像取得部
42 粒子抽出部
43 統計処理部
50 判別部
100 シート
100S 撮像領域
110 粉粒体
Claims (8)
- 粉粒体が散布され担持されたシートにおける前記粉粒体の分布状態の検査装置であって、
前記シートの撮像領域を撮像する撮像部と、
前記撮像部にて得た撮像画像を処理する処理部と、
前記処理部にて求めた統計値に基づいて前記シートの良否判別を行う判別部とを備え、
前記処理部が、前記撮像画像を元画像として取得する画像取得部と、前記元画像にフィルタ処理を行って前記粉粒体をぼかし処理した後に動的2値化処理して、粉粒体の画像を抽出する粉粒体抽出部と、前記抽出した粉粒体の画像を複数の領域に区分し、該領域について下記(1)〜(3)のいずれか1つ以上の統計値を算出して保存する統計処理部とを有する
粉粒体担持シートの検査装置。
(1)前記粉粒体が抽出された画素数もしくは該画素数を基に換算した換算面積、(2)前記画素数もしくは前記換算面積の最大値と最小値、及び(3)前記画素数もしくは前記換算面積の偏差。 - 前記統計値として、前記(1)〜(3)の移動平均値を算出する請求項1に記載の粉粒体担持シートの検査装置。
- 前記判別部にて計算した統計値を基に良否判別を行った後に、製造装置に対して品質情報を送信する品質情報送信部を有する請求項1又は2に記載の粉粒体担持シートの検査装置。
- 前記動的2値化処理が、前記元画像と前記ぼかし処理後の画像との各画素の差分をとり、該差分の値がしきい値より低い階調となっている画素を抽出する処理である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の粉粒体担持シートの検査装置。
- 粉粒体が散布され担持されたシートにおける前記粉粒体の分布状態の検査方法であって、
前記シートを撮像して撮像画像を得る画像取得処理と、
前記撮像画像を元画像とし、該元画像にフィルタ処理を行って前記粉粒体をぼかし処理した後に動的2値化処理して、粉粒体の画像を抽出する粉粒体抽出処理と、
前記粉粒体の抽出画像を複数の領域に区分し、該複数の領域について下記(1)〜(3)のいずれか1つ以上を算出し、粉粒体の統計値を得て保存する統計処理と、
前記統計値に基づいて前記シートの良否判別を行う判別処理とを有する
粉粒体担持シートの検査方法。
(1)前記粉粒体が抽出された画素数もしくは該画素数を基に換算した換算面積、(2)前記画素数もしくは前記換算面積の最大値と最小値、及び(3)前記画素数もしくは前記換算面積の偏差。 - 前記(1)〜(3)の移動平均値を求めて前記統計値とする請求項5に記載の粉粒体担持シートの検査方法。
- 前記判別処理にて得た品質情報を前記シートの製造装置に送信する請求項5又は6に記載の粉粒体担持シートの検査方法。
- 前記動的2値化処理が、前記元画像と前記ぼかし処理後の画像との各画素の差分をとり、該差分の値がしきい値より低い階調となっている画素を抽出する処理である、請求項5〜7のいずれか1項に記載の粉粒体担持シートの検査方法。
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