JP5346250B2 - 発光機器の検査装置、発光機器の検査システムおよび発光機器の検査方法 - Google Patents

発光機器の検査装置、発光機器の検査システムおよび発光機器の検査方法 Download PDF

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Description

本発明は、光を発する検査対象物の発光特性を検査する発光機器の検査装置、発光機器の検査システムおよび発光機器の検査方法に関する。
従来から、光を発する検査対象物の発光特性を検査する検査装置として、検査対象物から放射された光を撮像して単位領域あたりの受光量および発光領域の面積を求める装置が知られている。従来の検査装置は、検査対象物の発光面を含む領域を複数の小領域に分割して小領域ごとにスポット計測を行い、各小領域の受光量を測定することによって、発光領域の2次元分布を求める。つまり、従来の検査装置は、発光領域の2次元分布を求めるために、上記スポット計測を繰り返す。
なお、上記のような検査装置とは別に、原稿画像を読み取るための光源の光量を検査する画像読取装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開昭63−078661号公報
しかしながら、従来の検査装置には、検査対象物の発光領域の2次元分布を求めるためにスポット計測を繰り返すことから、検査対象物の検査時間が長くなるという問題があった。その結果、量産ラインで検査対象物を検査することが難しかった。
本発明は上記の点に鑑みて為され、本発明の目的は、検査対象物の検査時間を短縮するとともに検査対象物の良否を精度よく判定することができる発光機器の検査装置、発光機器の検査システムおよび発光機器の検査方法を提供することにある。
請求項1に係る発光機器の検査装置の発明は、光を発するランプユニットと当該ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させる本体部とで構成される検査対象物に対して、前記ランプユニットの発光特性を検査する発光機器の検査装置であって、前記ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させるマスタ部と、前記ランプユニットの発光面を一括して撮像するエリアセンサである撮像部と、前記撮像部で撮像された撮像画像を2値化処理して2値化画像を作成し当該2値化画像を用いて発光領域を抽出する画像処理部と、前記ランプユニットが前記マスタ部に装着された場合に前記撮像画像において前記発光領域の外郭部で囲まれた領域内の予め設定された単位領域の受光量に対応する第1の濃淡値と、前記発光領域の面積値とを用いて、前記マスタ部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記ランプユニットの良否を判定する第1の判定部と、前記第1の判定部で不良品ではないと判定された前記ランプユニットが前記本体部に装着された場合に前記撮像部で撮像された前記撮像画像において前記単位領域の受光量に対応する第2の濃淡値の最大値と、前記第1の濃淡値の最大値とを用いて、前記本体部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記本体部の良否を判定する第2の判定部とを備えることを特徴とする。
請求項2に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項1の発明において、前記本体部から前記ランプユニットに印加される印加電圧の大きさを調整する電圧調整部を備え、前記本体部は、前記電圧調整部の指示によって前記ランプユニットに印加する印加電圧の大きさを制御する電圧制御部を有し、前記第2の判定部は、前記第1の濃淡値の最大値に対する前記第2の濃淡値の最大値の相対値から、前記印加電圧を調整するための電圧調整値を求め、当該電圧調整値が前記電圧調整部の調整範囲外である場合、前記本体部が不良品であると判定することを特徴とする。
請求項3に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項2の発明において、前記電圧調整部は、前記電圧調整値が前記調整範囲内である場合、前記印加電圧を変更するように前記電圧制御部に指示することを特徴とする。
請求項4に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項3の発明において、前記電圧調整部からの指示に応じて前記電圧制御部で前記印加電圧が変更された場合に前記撮像部で撮像された前記撮像画像において前記単位領域ごとの第3の濃淡値の最大値を用いて、前記本体部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記検査対象物の良否を判定する第3の判定部を備えることを特徴とする。
請求項5に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項1〜4のいずれか1項の発明において、前記第1の判定部は、前記発光領域の全領域が撮像領域内に含まれているか否かを判定し、前記発光領域の全領域が前記撮像領域内に含まれているときに、前記単位領域ごとの第1の濃淡値と前記発光領域の面積値とを用いて、前記マスタ部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記ランプユニットの良否を判定することを特徴とする。
請求項6に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項5の発明において、前記第1の判定部は、前記発光領域の外郭部のすべてが前記撮像領域内に含まれている場合、前記発光領域の全領域が前記撮像領域内に含まれていると判定することを特徴とする。
請求項7に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項5の発明において、前記第1の判定部は、前記発光領域の重心が予め設定された領域内に含まれている場合、前記発光領域の全領域が前記撮像領域内に含まれていると判定することを特徴とする。
請求項8に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項1〜7のいずれか1項の発明において、前記撮像部に入射される光量を減少させる減光フィルタを備えることを特徴とする。
請求項9に係る発光機器の検査装置の発明は、請求項1〜8のいずれか1項の発明において、前記撮像部は、露光時間が前記ランプユニットの発光時間以上であることを特徴とする。
請求項10に係る発光機器の検査装置の発明は、高輝度キセノン光源であるランプユニットと当該ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させる本体部とで構成される検査対象物に対して、前記ランプユニットの発光特性を検査する発光機器の検査装置であって、前記ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させるマスタ部と、前記本体部から前記ランプユニットに印加される印加電圧の大きさを調整する電圧調整部と、前記ランプユニットの発光面を一括して撮像するエリアセンサである撮像部と、前記撮像部で撮像された撮像画像を2値化処理して2値化画像を作成し当該2値化画像を用いて発光領域を抽出する画像処理部とを備えるとともに、予め設定された第1の基準濃淡範囲と、予め設定された基準面積範囲とを記憶する記憶部と、前記ランプユニットが前記マスタ部に装着された場合に前記画像処理部で抽出された前記発光領域の全領域が前記撮像画像内に含まれているか否かを判定し、前記発光領域の全領域が前記撮像画像内に含まれているときに、前記撮像画像において前記発光領域の外郭部で囲まれた領域内において予め設定された単位領域ごとの第1の濃淡値と、前記発光領域の面積値とを算出し、前記第1の濃淡値が前記第1の基準濃淡範囲内であるとともに前記発光領域の面積値が前記基準面積範囲内である場合に、前記ランプユニットが不良品ではないと判定する第1の判定部と、前記第1の判定部で不良品ではないと判定された前記ランプユニットが前記本体部に装着された場合に前記撮像部で撮像された前記撮像画像において前記単位領域ごとの第2の濃淡値を算出し、前記第1の濃淡値の最大値に対する前記第2の濃淡値の最大値の相対値から、前記印加電圧を調整するための電圧調整値を求め、当該電圧調整値が前記電圧調整部の調整範囲内である場合、前記本体部が不良品ではないと判定する第2の判定部とを備えることを特徴とする。
請求項11に係る発光機器の検査システムの発明は、請求項1〜10のいずれか1項の発光機器の検査装置を複数備え、各発光機器の検査装置は、他の発光機器の検査装置との前記撮像画像の濃淡ばらつきを補正するために予め設定された補正係数を用いて前記第1の濃淡値および前記第2の濃淡値を補正し、補正後の第1の濃淡値を新たな第1の濃淡値とし、補正後の第2の濃淡値を新たな第2の濃淡値とする補正部を備えることを特徴とする。
請求項12に係る発光機器の検査方法の発明は、光を発するランプユニットと当該ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させる本体部とで構成される検査対象物に対して、撮像機能を有する撮像部と、画像処理機能を有するコンピュータとを用いて、前記ランプユニットの発光特性を検査する発光機器の検査方法であって、前記ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させるマスタ部に装着された当該ランプユニットの発光面を前記撮像部が撮像する第1のステップと、前記第1のステップで撮像された第1の撮像画像を2値化処理して2値化画像を作成し当該2値化画像を用いて第1の発光領域を抽出する第2のステップと、前記第1の撮像画像において前記第1の発光領域の外郭部で囲まれた領域内の予め設定された単位領域ごとの第1の濃淡値と前記第1の発光領域の面積値とを用いて、前記マスタ部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記ランプユニットの良否を判定する第3のステップと、前記第3のステップで不良品ではないと判定され前記本体部に装着された前記ランプユニットの発光面を前記撮像部が撮像する第4のステップと、前記第4のステップで撮像された第2の撮像画像において前記単位領域ごとの第2の濃淡値の最大値と、前記第1の濃淡値の最大値とを用いて、前記本体部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記本体部の良否を判定する第5のステップとを有することを特徴とする。
請求項1の発明によれば、撮像部がエリアセンサであることによって、スポット計測を繰り返して発光面の2次元分布を求める場合に比べて、ランプユニットの発光面の撮像が1回ですむので、検査時間を短縮することができる。また、請求項1の発明によれば、ランプユニットがマスタ部に装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第1の濃淡値と発光領域の面積値とを用いてランプユニットの良否を判定し、ランプユニットが本体部に装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第2の濃淡値の最大値と上記第1の濃淡値の最大値とを用いて本体部の良否を判定することによって、ランプユニットと本体部とで構成される検査対象物の良否を精度よく判定することができる。
請求項2の発明によれば、第2の濃淡値の最大値が第1の濃淡値の最大値に比べて調整できないほどにずれていた場合、第2の判定部で本体部が不良品であると判定されるので、電圧調整部による無駄な電圧調整を防止することができる。
請求項3の発明によれば、本体部からランプユニットへの印加電圧の大きさを調整することによって、本体部に装着されたランプユニットの発光特性が所定条件を満たすようにすることができるので、ランプユニットが装着される本体部の歩留まりを向上させることができる。
請求項4の発明によれば、本体部からランプユニットへの印加電圧を調整した後に、第3の判定部がランプユニットの発光特性を再検査することによって、検査対象物の良否を最終判定することができる。
請求項5の発明によれば、ランプユニットの発光領域の位置ばらつきが大きい場合に、発光領域の全領域が撮像領域内に含まれていることを判定することによって、ランプユニットの良否判定の精度を高めることができる。
請求項6の発明によれば、発光領域の外郭部のすべてが撮像領域内に含まれていることを確認することによって、発光領域の全領域が撮像領域内に含まれていることを確実に判定することができる。
請求項7の発明によれば、発光領域の重心が例えば撮像領域の中心付近にあることを確認することによって、発光領域の全領域が撮像領域内に含まれていることを簡単に判定することができる。
請求項8の発明によれば、撮像部に入射される光量を減少させる減光フィルタを備えることによって、撮像部の受光素子に入る光量の飽和を防止することができる。
請求項9の発明によれば、撮像部の露光時間をランプユニットの発光時間以上にすることによって、ランプユニットからの光をすべて撮像部で取り込むことができる。
請求項10の発明によれば、撮像部がエリアセンサであることによって、スポット計測を繰り返して発光面の2次元分布を求める場合に比べて、ランプユニットの発光面の撮像が1回ですむので、検査時間を短縮することができる。また、請求項1の発明によれば、ランプユニットがマスタ部に装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第1の濃淡値と発光領域の面積値とを用いてランプユニットの良否を判定し、ランプユニットが本体部に装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第2の濃淡値の最大値と上記第1の濃淡値の最大値とを用いて本体部の良否を判定することによって、ランプユニットと本体部とで構成される検査対象物の良否を精度よく判定することができる。
請求項11の発明によれば、各発光機器の検査装置において、発光機器の検査装置ごとに設定された補正係数を用いて第1の濃淡値および第2の濃淡値を補正することによって、発光機器の検査装置間の検査ばらつきを低減することができる。
請求項12の発明によれば、撮像部がエリアセンサであることによって、スポット計測を繰り返して発光面の2次元分布を求める場合に比べて、ランプユニットの発光面の撮像が1回ですむので、検査時間を短縮することができる。また、請求項1の発明によれば、ランプユニットがマスタ部に装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第1の濃淡値と発光領域の面積値とを用いてランプユニットの良否を判定し、ランプユニットが本体部に装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第2の濃淡値の最大値と上記第1の濃淡値の最大値とを用いて本体部の良否を判定することによって、ランプユニットと本体部とで構成される検査対象物の良否を精度よく判定することができる。
実施形態1に係る検査装置の構成を示すブロック図である。 同上に係る検査対象物を示し、(a)が外観図、(b)がランプユニットの詳細図、(c)がランプユニットからの光を示す図である。 同上に係る検査装置の撮像画像を示す図である。 同上に係る検査装置が受光した光強度を示す図である。 同上に係る検査装置において発光領域の位置判定を説明する図である。 同上に係る検査装置を用いた検査方法のフローチャートである。 同上に係る検査装置において発光領域の位置判定の変形例を説明する図である。 実施形態2に係る検査システムの構成を示すブロック図である。
(実施形態1)
実施形態1に係る発光機器の検査装置(以下「検査装置」という)1は、図1に示すように、光を発するランプユニットBを有する検査対象物Aに対して、ランプユニットBの発光特性を検査して、検査対象物Aの良否を判定する。ランプユニットBの発光特性とは、ランプユニットBから放射された光の光量や発光領域などをいう。
検査対象物Aは、上記ランプユニットBと、ランプユニットBが装着される本体部Cとで構成されている。検査対象物Aは、例えば人体に対して光を照射する美容機器や健康器具などである。以下、本実施形態では、光放射面をユーザの肌に直接接触させて上記ユーザの肌に光を短時間照射して肌を美しくする(抑毛効果を含む)美容機器を検査対象物Aとして説明する。図2(a)には、上記美容機器である検査対象物Aの外観が示されている。
ランプユニットBは、図2(b)に示すように、閃光を発する高輝度キセノン光源(以下「光源」という)B1と、光源B1の放射方向に設けられた反射板B2と、反射板B2のうち光の放射側(図2(b)の上側)に設けられたレンズB3とを備えている。ランプユニットBは、本体部Cに対して脱着可能である。
光源B1から放射された光の一部は、図2(c)に示すように、反射板B2で反射することがない直射光L1(図2(c)の実線)としてレンズB3を透過し、受光面B4を照射する。一方、光源B1から放射された光の残りは、反射板B2で反射した反射光L2(図2(c)の破線)としてレンズB3を透過し、受光面B4を照射する。なお、受光面B4は、検査時では検査装置1の撮像部2(図1参照)であり、美容機器として実際に使用される場合ではユーザの肌である。
本体部Cは、図1に示すように、ランプユニットBに電圧印加して、ランプユニットBを発光させる。本体部Cは、ランプユニットBに印加する印加電圧の大きさを制御する電圧制御部C1と、ランプユニットBを発光させるために動作する発光回路C2と、ランプユニットBが装着される装着部C3とを備えている。ランプユニットBが装着部C3に装着されると、電圧制御部C1は、発光回路C2を動作させて、ランプユニットBに電圧印加し、ランプユニットBを発光させる。
本実施形態の検査対象物Aは、上述したように、ランプユニットBの光放射面をユーザの肌に直接接触させる機器である。したがって、検査対象物Aの検査項目としては、抑毛に必要な光強度が十分な範囲で得られているか、安全レベルを超えて発光する領域がないか、発光強度不足になっていないかの3つが少なくとも必要である。
続いて、検査装置1について説明する。検査装置1は、撮像機能を有する撮像部2と、撮像部2の光入力側に取り付けられた減光フィルタ3と、ランプユニットBに電圧を印加するマスタ部4と、画像処理機能を有する処理装置5と、表示機能を有する表示装置6と、ユーザが操作するときに用いられる操作入力装置7とを備えている。
撮像部2は、ランプユニットBの発光面を一括して撮像するCCDエリアセンサである。本実施形態のCCDエリアセンサは、例えば1000万画素以上の高画素センサである。撮像部2の露光時間は、ランプユニットBの発光時間以上である。図3には、ランプユニットBの発光面を撮像したときの撮像画像21が示されている。減光フィルタ3は、ランプユニットBと撮像部2との間に設けられ、撮像部2に入射される光量を減少させる。
図1に示すマスタ部4は、ランプユニットBに印加する印加電圧の大きさを制御する電圧制御部41と、ランプユニットBを発光させるために動作する発光回路42と、ランプユニットBが装着される装着部43とを備えている。ランプユニットBが装着部43に装着されると、電圧制御部41は、発光回路42を動作させて、ランプユニットBに電圧印加し、ランプユニットBを発光させる。
処理装置5は、画像取込部51と、画像処理部52と、記憶部53と、第1の判定部54と、第2の判定部55と、電圧調整部56と、第3の判定部57と、画像出力部58と、入力インタフェース59とを備えている。処理装置5のうち画像処理部52と第1の判定部54と第2の判定部55と電圧調整部56と第3の判定部57とは、コンピュータの演算部に構成され、プログラムに基づいて動作する。
画像取込部51は、撮像部2の出力側に接続され、撮像部2で撮像された撮像画像21(図3参照)を取り込む。
画像処理部52は、画像取込部51で取り込まれた撮像画像21の全画素の濃淡値をそれぞれ算出する。
画像処理部52は、画像取込部51で取り込まれた撮像画像21を2値化処理して2値化画像を作成する。具体的には、画像処理部52は、各画素の濃淡値と適宜選択される閾値とを比較し、濃淡値が閾値以上の画素を白色に変換し、濃淡値が閾値未満の画素を黒色に変換する。上記のように変換された各画素を用いて、画像処理部52は、2値化画像を作成する。その後、画像処理部52は、上記2値化画像を用いて発光領域M(図4参照)を抽出する。なお、上記閾値は、発光領域Mと他の領域とを分離できるような値に選択される。例えば各画素を濃淡値の大きさの順に並び替えた濃淡ヒストグラム(濃度ヒストグラム)を用いて、閾値が設定される。
記憶部53には、予め設定された第1の基準濃淡範囲と、予め設定された基準面積範囲と、予め設定された第3の基準濃淡範囲とが記憶されている。
第1の判定部54は、ランプユニットBがマスタ部4に装着されている場合において、ランプユニットBの発光特性を検査し、ランプユニットBの良否を判定する。具体的には、第1の判定部54は、位置判定機能と、第1の濃淡値算出機能と、第1の最大値抽出機能と、濃淡値判定機能と、面積値算出機能と、面積値判定機能とを有している。
まず、位置判定機能について説明する。第1の判定部54は、ランプユニットBがマスタ部4に装着されたときに画像処理部52で抽出された発光領域Mの外郭部M1のすべてが撮像領域内に含まれているか否かを判定することによって、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれているか否かを判定する。発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれている場合(図5(a)参照)、第1の判定部54は、受光量のピーク位置M2を検出することができる。一方、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれていない場合(図5(b)参照)、第1の判定部54は、位置M3をピーク位置M2として誤検出する場合がある。発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれていない場合、第1の判定部54は、ランプユニットBが不良品であると判定する。
ここで、発光領域Mの外郭部M1の抽出方法について説明する。第1の判定部54は、例えばプリューウィットフィルタ(Prewitt filter)やソーベルフィルタ(Sobel filter)などの微分フィルタを用いて以下のような微分演算を行う。本実施形態では3×3微分フィルタを用いる。上記微分フィルタでは、上段において左から順に画素A、画素B、画素Cとし、中段において左から順に画素D、画素E、画素Fとし、下段において左から順に画素G、画素H、画素Iとする。第1の判定部54は、微分フィルタの中心画素Eを着目画素とし、画素Eに隣接する8画素(以下「8近傍」という)A〜D,F〜Iの濃淡値を用いてX方向(横方向)の濃淡変化ΔXと縦方向(Y方向)の濃淡変化ΔYとを以下の式1と式2とによって求める。第1の判定部54は、画素ごとに濃淡値と微分フィルタの係数との積を求め、求めた積の総和をΔXおよびΔYとする。式1および式2において、A〜Hは対応する画素の濃淡値を示す。
ΔX=(A+D+G)−(C+F+I)(式1)
ΔY=(A+B+C)−(G+H+I)(式2)
第1の判定部54は、画素Eの近傍領域における濃淡変化を表わす微分絶対値abs(E)を式3によって求める。
abs(E)=(ΔX+ΔY1/2(式3)
式3から明らかなように、微分絶対値abs(E)は、画素Eの近傍領域における濃淡値の変化率を表わす。つまり、微分絶対値absは、撮像画像21の画素の濃淡変化が大きい部位ほど大きくなる。その後、第1の判定部54は、撮像画像21の画素を順次走査し、微分絶対値absが規定値以上である画素をエッジ画素とし、連続する複数のエッジ画素を外郭部M1として抽出する。
続いて、第1の濃淡値算出機能について説明する。第1の判定部54は、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれている場合(図5(a)参照)、後述する各区画の平均濃淡値を算出する。
本実施形態では、撮像画像21が1000万画素のCCDエリアセンサで撮像された画像であるため、第1の判定部54が1画素ごとに濃淡値を算出すると、情報量が膨大になる。本実施形態では、50画素×50画素という複数の画素の集まりを1区画とし、区画ごとに、区画内の平均濃淡値が算出される。つまり、第1の判定部54は、2672画素×4000画素の撮像画像21を、50画素×50画素を1区画として53×80個の区画に分割し、各区画ごとに区画内の各画素の濃淡値の平均値(以下「平均濃淡値」という)を算出する。各区画の平均濃淡値のうち、発光領域M内にある区画の平均濃淡値を第1の濃淡値という。上記1区画(50画素×50画素)は、本発明の「予め設定された単位領域」に相当する。なお、撮像画像21の全領域を複数の区画に分割したときに端数(余り)が発生した場合、撮像画像21の両端にある画素を均等に除外すればよい。
第1の判定部54は、各区画の平均濃淡値を算出した後、第1の最大値抽出機能として、平均濃淡値の最大値(以下「第1の最大濃淡値」という)を抽出する。
続いて、濃淡値判定機能について説明する。第1の判定部54は、図4に示すように、第1の最大濃淡値(最大光強度、図4のX1)が濃淡上限値(図4の光強度Pmax)以下であるか否かを判定する(図4参照)。濃淡上限値とは、第1の基準濃淡範囲の上限値である。第1の最大濃淡値が濃淡上限値を超える場合(図4の場合)、第1の判定部54は、ランプユニットBが不良品であると判定する。
一方、第1の最大濃淡値が濃淡上限値以下である場合、第1の判定部54は、発光領域Mの外郭部M1で囲まれた領域において、すべての第1の濃淡値(光強度)が第1の基準濃淡範囲(図4の光強度(Pmax−Pmin))内であるか否かを判定する。いずれかの第1の濃淡値が第1の基準濃淡範囲外である場合(図4のX2)、第1の判定部54は、ランプユニットBが不良品であると判定する。上記より、発光領域Mが環状(ドーナツ状)になっている場合(図4の非発光領域Nがある場合)も、ランプユニットBは不良品と判定される。
次に、面積値算出機能および面積値判定機能について説明する。図1に示す第1の判定部54は、すべての第1の濃淡値が第1の基準濃淡範囲内である場合、面積値算出機能として、発光領域M(図5(a)参照)の面積値(以下「発光面積値」という)を算出する。その後、第1の判定部54は、面積値判定機能として、発光面積値が基準面積範囲内であるか否かを判定する。発光面積値が基準面積範囲内である場合、第1の判定部54は、ランプユニットBが不良品ではないと判定する。一方、発光面積値が基準面積範囲外である場合、第1の判定部54は、ランプユニットBが不良品であると判定する。なお、濃淡値判定機能と面積値判定機能の組み合わせを第1の良否判定機能とする。
上記より、第1の判定部54は、すべての第1の濃淡値が第1の基準濃淡範囲内であるとともに発光面積値が基準面積範囲内である場合、ランプユニットBが不良品ではないと判定する。つまり、上記の場合、ランプユニットBは良品と判定される。
第2の判定部55は、第1の判定部54で良品と判定されたランプユニットBが本体部Cに装着された場合において、ランプユニットBの発光特性を検査し、本体部Cの良否を判定する。具体的には、第2の判定部55は、第2の濃淡値算出機能と、第2の最大値抽出機能と、電圧調整値算出機能と、第2の良否判定機能とを有している。
まず、第2の濃淡値算出機能および第2の最大値抽出機能について説明する。第2の濃淡値算出機能として、第2の判定部55は、ランプユニットBが本体部Cに装着された後に撮像部2で撮像された撮像画像21(図3参照)から各区画(単位領域)ごとに区画内の各画素の濃淡値の平均値を算出する。各画素の濃淡値の平均値を第2の濃淡値とする。その後、第2の最大値抽出機能として、第2の判定部55は、第2の濃淡値の最大値(以下「第2の最大濃淡値」という)を抽出する。
続いて、電圧調整値算出機能について説明する。第2の判定部55は、第1の最大濃淡値に対する第2の最大濃淡値の相対値として、第1の最大濃淡値に対する第2の最大濃淡値の比率、または第1の最大濃淡値と第2の最大濃淡値との差分を求める。上記相対値はアナログ値である。第2の判定部55は、上記相対値を量子化して、本体部CからランプユニットBへの印加電圧を調整するための電圧調整値を求める。つまり、電圧調整値は、電圧制御部C1が印加電圧の大きさを制御するための指示値である。上記相対値を量子化して求めた離散値が電圧調整値となる。
続いて、第2の良否判定機能について説明する。第2の判定部55は、電圧調整値が後述の電圧調整部56の調整範囲外である場合、本体部Cが不良品であると判定する。一方、電圧調整値が電圧調整部56の調整範囲内である場合、第2の判定部55は、本体部Cが良品であると判定する。
電圧調整部56は、本体部CからランプユニットBに印加される印加電圧の大きさを調整する。第2の判定部55で求められた電圧調整値が調整範囲内である場合、電圧調整部56は、上記電圧調整値に応じて、上記印加電圧を変更するように電圧制御部C1に指示する。
第3の判定部57は、電圧調整部56からの指示に応じて電圧制御部C1で印加電圧が変更された場合に、本体部Cに装着されたランプユニットBの発光特性を検査し、検査対象物Aの良否を判定する。具体的には、第3の判定部57は、第3の濃淡値算出機能と、第3の最大値抽出機能と、第3の良否判定機能とを有している。
まず、第3の濃淡値算出機能および第3の最大値抽出機能について説明する。第3の濃淡値算出機能として、第3の判定部57は、電圧調整部56からの指示に応じて電圧制御部C1で印加電圧が変更された後に撮像部2で撮像された撮像画像21(図3参照)から各区画(単位領域)ごとに区画内の各画素の濃淡値の平均値を算出する。各画素の濃淡値の平均値を第3の濃淡値とする。その後、第3の最大値抽出機能として、第3の判定部57は、第3の濃淡値の最大値(以下「第3の最大濃淡値」という)を抽出する。
なお、第3の判定部57の第3の濃淡値算出機能は、第1の判定部54の第1の濃淡値判定機能および第2の判定部55の第2の濃淡値判定機能と共通のハードウェアで構成されていてもよいし、別々のハードウェアで構成されていてもよい。また、第3の判定部57の第3の最大値抽出機能も、第1の判定部54の第1の最大値抽出機能および第2の判定部55の第2の最大値抽出機能と共通のハードウェアで構成されていてもよいし、別々のハードウェアで構成されていてもよい。
続いて、第3の良否判定機能について説明する。第3の判定部57は、第3の最大濃淡値が第3の基準濃淡範囲内である場合、検査対象物Aが良品であると判定する。一方、第3の最大濃淡値が第3の基準濃淡範囲外である場合、第3の判定部57は、検査対象物Aが不良品であると判定する。
画像出力部58には、表示装置6が接続されている。表示装置6は、撮像画像21(図3参照)や2値化画像を表示したり、第1〜3の判定部54,55,57の判定結果を表示したりする。また、入力インタフェース59には、ユーザが操作するときに用いられる操作入力装置7が接続されている。ユーザによる操作入力装置7への操作に応じた入力情報は、入力インタフェース59を介して、処理装置5に取得される。
次に、本実施形態に係る検査装置1を用いた発光機器の検査方法について図6を用いて説明する。検査装置1は、後述の発光領域Mの面積が実用に十分な照射範囲であるか否か、発光領域M内の照射量が設定範囲内であるか否かを検査する。
まず、ランプユニットBがマスタ部4に装着される。上記ランプユニットBの発光面を撮像部2が撮像する(図6のS1)。ステップS1は、本発明の第1のステップに相当する。続いて、画像処理部52が、ステップS1で撮像された第1の撮像画像の全画素の濃淡値をそれぞれ算出し、2値化処理して2値化画像を作成し、発光領域M(図4参照)を抽出する(S2)。ステップS2は、本発明の第2のステップに相当する。
その後、第1の判定部54が、ステップS1で撮像された第1の撮像画像から各区画(単位領域)ごとに平均濃淡値を算出し、さらに第1の最大濃淡値を抽出する。第1の最大濃淡値が基準上限値以下である場合、第1の判定部54は、発光領域M内のすべての第1の濃淡値が第1の濃淡範囲内であるか否かを判定する(S3)。いずれかの第1の濃淡値が第1の濃淡値範囲内ではない場合、第1の判定部54は、ランプユニットBが不良品であると判定する(S12)。一方、すべての第1の濃淡値が第1の濃淡範囲内である場合、第1の判定部54は、発光面積値が基準面積範囲内であるか否かを判定する(S4)。発光面積値が基準面積範囲内である場合、第1の判定部54は、ランプユニットBが良品であると判定する。一方、発光面積値が基準面積範囲内ではない場合、第1の判定部54は、ランプユニットBが不良品であると判定する(S12)。ステップS3,S4は、本発明の第3のステップに相当する。
その後、良品と判定されたランプユニットBは、マスタ部4から取り外され、本体部Cに装着される。上記ランプユニットBの発光面を撮像部2が撮像する(S5)。ステップS5は、本発明の第4のステップに相当する。
その後、第2の判定部55は、ステップS5で撮像された第2の撮像画像から各区画(単位領域)ごとに第2の濃淡値を算出し、第2の最大濃淡値を算出する。続いて、第2の判定部55は、第1の最大濃淡値に対する第2の最大濃淡値の相対値から電圧調整値を作成し、電圧調整値が調整範囲内であるか否かを判定する(S6)。ステップS6は、本発明の第5のステップに相当する。電圧調整値が調整範囲内ではない場合、第2の判定部55は、本体部Cが不良品であると判定する(S12)。一方、電圧調整値が調整範囲内である場合、第2の判定部55は、印加電圧の調整が必要であるか否かを検討する(S7)。印加電圧の調整が不要である場合、第2の判定部55は、本体部Cが良品であると判定する(S11)。印加電圧の調整が必要である場合、電圧調整部56は、本体部CからランプユニットBへの印加電圧を調整するように電圧制御部C1に指示する(S8)。
ところで、電圧調整部56によって本体部CからランプユニットBへの印加電圧が調整された場合、ほとんどのランプユニットBの発光特性は正常になる。しかし、電圧調整値がアナログ値ではなく段階値(ステップ値)であるため、実際の印加電圧と目標の印加電圧とでずれが生じる場合がある。したがって、本実施形態の検査装置1は、検査対象物Aを最終判定するために、以下のステップを実行する。
ステップS8が実行された後、ランプユニットBが本体部Cに装着されたまま、上記ランプユニットBの発光面を撮像部2が撮像する(S9)。
その後、第3の判定部57は、ステップS9で撮像された第3の撮像画像から第3の最大濃淡値を算出し、第3の最大濃淡値が第3の基準濃淡範囲内であるか否かを判定する(S10)。第3の最大濃淡値が第3の基準濃淡範囲内である場合、第3の判定部57は、検査対象物Aが良品であると判定する(S11)。一方、第3の最大濃淡値が第3の基準濃淡範囲内ではない場合、第3の判定部57は、検査対象物Aが不良品であると判定する(S12)。
以上、本実施形態によれば、撮像部2がエリアセンサであることによって、スポット計測を繰り返して発光面の2次元分布を求める場合に比べて、ランプユニットBの発光面の撮像が1回ですむので、検査時間を短縮することができる。
また、本実施形態によれば、ランプユニットBがマスタ部4に装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第1の濃淡値と発光領域Mの面積値とを用いてランプユニットBの良否を判定し、ランプユニットBが本体部Cに装着されているときにおける単位領域の受光量に対応する第2の濃淡値の最大値(第2の最大濃淡値)と第1の濃淡値の最大値(第1の最大濃淡値)とを用いて本体部Cの良否を判定することによって、ランプユニットBと本体部Cとで構成される検査対象物Aの良否を精度よく判定することができる。
さらに、本実施形態によれば、第2の最大濃淡値が第1の最大濃淡値に比べて調整できないほどずれていた場合、第2の判定部55で本体部Cが不良品であると判定されるので、電圧調整部56による無駄な電圧調整を防止することができる。
また、本実施形態によれば、本体部CからランプユニットBへの印加電圧の大きさを調整することによって、本体部Cに装着されたランプユニットBの発光特性が所定条件を満たすようにすることができるので、ランプユニットBが装着される本体部Cの歩留まりを向上させることができる。
さらに、本実施形態によれば、本体部CからランプユニットBへの印加電圧を調整した後に、第3の判定部57がランプユニットBの発光特性を再検査することによって、検査対象物Aの良否を最終判定することができる。
また、本実施形態によれば、撮像部2に入射される光量を減少させる減光フィルタ3を備えることによって、撮像部2のCCD素子(受光素子)に入る光量の飽和を防止することができる。特に、ランプユニットBからの光が閃光のような単位時間あたりの光エネルギーが高い場合に効果的である。
さらに、本実施形態によれば、撮像部2の露光時間をランプユニットBの発光時間以上にすることによって、ランプユニットBからの光をすべて撮像部2で取り込むことができる。
また、本実施形態によれば、ランプユニットBの発光領域Mの位置ばらつきが大きい場合に、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれていることを判定することによって、ランプユニットBの良否判定の精度を高めることができる。このとき、発光領域Mの外郭部M1のすべてが撮像領域内に含まれていることを確認することによって、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれていることを確実に判定することができる。
さらに、本実施形態のようにランプユニットBが閃光を発する場合に、ランプユニットBによる1回の発光で撮像部2が発光面を一括して撮像することができるので、検査対象物Aの検査時間の短縮により効果的である。
なお、本実施形態の変形例として、第1の判定部54は、位置判定機能として、図7に示すように発光領域Mの重心Gを求め、上記重心Gを用いて、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれているか否かを判定してもよい。図7(a)に示すように重心Gが予め設定された領域G1内に含まれる場合、第1の判定部54は、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれていると判定する。図7(b)に示すように発光領域Mの重心Gが領域G1外である場合、第1の判定部54は、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれていないと判定する。以下の実施形態2においても同様である。
ここで、発光領域Mの重心Gの求め方について説明する。第1の判定部54は、実施形態1の方法によって、いくつか(n個)のエッジ画素を抽出する。その後、第1の判定部54は、n個のエッジ画素の座標(a1,b1),(a2,b2)・・・(an,bn)から、発光領域Mの重心Gの座標(x,y)を、x=(a1+a2+・・・+an)/n、y=(b1+b2+・・・+bn)/nとして算出する。
上記変形例によれば、発光領域Mの重心Gが撮像領域の中心付近(領域G1内)にあることを確認することによって、発光領域Mの全領域が撮像領域内に含まれていることを簡単に判定することができる。
また、本実施形態では、撮像画像21を複数の区画に分割し、各区画ごとに区画内の各画素の濃淡値の平均値を第1の濃淡値として求めているが、本実施形態の変形例として、各画素の濃淡値をそれぞれ第1の濃淡値としてもよい。変形例の場合、1つの画素の領域が、本発明の「予め設定された単位領域」に相当する。上記変形例は、各区画ごとに濃淡値の平均値を求める必要がないため、撮像画像21の画素数が少ない場合に有効である。
(実施形態2)
実施形態2では、図8に示すように、複数(図示例では6台)の検査装置1,1・・・を備える検査システムSについて説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
同種の検査対象物Aの検査に対して複数の検査装置1,1・・・を用いる場合、複数の検査装置1,1・・・間で撮像部2の感度や減光フィルタ3にばらつきがあるため、複数の検査装置1,1・・・間で撮像画像21(図3参照)の濃淡値のばらつきが発生する。
そこで、本実施形態では、図8に示すように、各検査装置1は、撮像部2と減光フィルタ3とマスタ部4と処理装置5と表示装置6と操作入力装置7とを実施形態1の検査装置1と同様に備えるとともに、補正係数を用いて第1の濃淡値、第2の濃淡値および第3の濃淡値を補正する補正部8をさらに備えている。補正係数は、他の検査装置1との撮像画像21の濃淡ばらつきを補正するために、各検査装置1ごとに予め設定された係数である。補正部8では、補正後の第1の濃淡値が新たな第1の濃淡値となり、補正後の第2の濃淡値が新たな第2の濃淡値となり、補正後の第3の濃淡値が新たな第3の濃淡値となる。なお、補正部8は、処理装置5の画像処理部52と第1の判定部54と第2の判定部55と電圧調整部56と第3の判定部57とともに、コンピュータの演算部に構成され、プログラムに基づいて動作する。
以上、本実施形態によれば、各検査装置1において、検査装置1ごとに設定された補正係数を用いて第1の濃淡値、第2の濃淡値および第3の濃淡値を補正することによって、検査装置1,1・・・間の検査ばらつきを低減することができる。
1 検査装置
2 撮像部
3 減光フィルタ
4 マスタ部
5 処理装置
52 画像処理部
53 記憶部
54 第1の判定部
55 第2の判定部
56 電圧調整部
57 第3の判定部
8 補正部
A 検査対象物
B ランプユニット
B1 高輝度キセノン光源
C 本体部
C1 電圧制御部
S 検査システム

Claims (12)

  1. 光を発するランプユニットと当該ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させる本体部とで構成される検査対象物に対して、前記ランプユニットの発光特性を検査する発光機器の検査装置であって、
    前記ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させるマスタ部と、
    前記ランプユニットの発光面を一括して撮像するエリアセンサである撮像部と、
    前記撮像部で撮像された撮像画像を2値化処理して2値化画像を作成し当該2値化画像を用いて発光領域を抽出する画像処理部と、
    前記ランプユニットが前記マスタ部に装着された場合に前記撮像画像において前記発光領域の外郭部で囲まれた領域内の予め設定された単位領域の受光量に対応する第1の濃淡値と、前記発光領域の面積値とを用いて、前記マスタ部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記ランプユニットの良否を判定する第1の判定部と、
    前記第1の判定部で不良品ではないと判定された前記ランプユニットが前記本体部に装着された場合に前記撮像部で撮像された前記撮像画像において前記単位領域の受光量に対応する第2の濃淡値の最大値と、前記第1の濃淡値の最大値とを用いて、前記本体部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記本体部の良否を判定する第2の判定部とを備える
    ことを特徴とする発光機器の検査装置。
  2. 前記本体部から前記ランプユニットに印加される印加電圧の大きさを調整する電圧調整部を備え、
    前記本体部は、前記電圧調整部の指示によって前記ランプユニットに印加する印加電圧の大きさを制御する電圧制御部を有し、
    前記第2の判定部は、前記第1の濃淡値の最大値に対する前記第2の濃淡値の最大値の相対値から、前記印加電圧を調整するための電圧調整値を求め、当該電圧調整値が前記電圧調整部の調整範囲外である場合、前記本体部が不良品であると判定する
    ことを特徴とする請求項1記載の発光機器の検査装置。
  3. 前記電圧調整部は、前記電圧調整値が前記調整範囲内である場合、前記印加電圧を変更するように前記電圧制御部に指示することを特徴とする請求項2記載の発光機器の検査装置。
  4. 前記電圧調整部からの指示に応じて前記電圧制御部で前記印加電圧が変更された場合に前記撮像部で撮像された前記撮像画像において前記単位領域ごとの第3の濃淡値の最大値を用いて、前記本体部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記検査対象物の良否を判定する第3の判定部を備えることを特徴とする請求項3記載の発光機器の検査装置。
  5. 前記第1の判定部は、前記発光領域の全領域が撮像領域内に含まれているか否かを判定し、前記発光領域の全領域が前記撮像領域内に含まれているときに、前記単位領域ごとの第1の濃淡値と前記発光領域の面積値とを用いて、前記マスタ部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記ランプユニットの良否を判定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発光機器の検査装置。
  6. 前記第1の判定部は、前記発光領域の外郭部のすべてが前記撮像領域内に含まれている場合、前記発光領域の全領域が前記撮像領域内に含まれていると判定することを特徴とする請求項5記載の発光機器の検査装置。
  7. 前記第1の判定部は、前記発光領域の重心が予め設定された領域内に含まれている場合、前記発光領域の全領域が前記撮像領域内に含まれていると判定することを特徴とする請求項5記載の発光機器の検査装置。
  8. 前記撮像部に入射される光量を減少させる減光フィルタを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の発光機器の検査装置。
  9. 前記撮像部は、露光時間が前記ランプユニットの発光時間以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の発光機器の検査装置。
  10. 高輝度キセノン光源であるランプユニットと当該ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させる本体部とで構成される検査対象物に対して、前記ランプユニットの発光特性を検査する発光機器の検査装置であって、
    前記ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させるマスタ部と、
    前記本体部から前記ランプユニットに印加される印加電圧の大きさを調整する電圧調整部と、
    前記ランプユニットの発光面を一括して撮像するエリアセンサである撮像部と、
    前記撮像部で撮像された撮像画像を2値化処理して2値化画像を作成し当該2値化画像を用いて発光領域を抽出する画像処理部とを備えるとともに、
    予め設定された第1の基準濃淡範囲と、予め設定された基準面積範囲とを記憶する記憶部と、
    前記ランプユニットが前記マスタ部に装着された場合に前記画像処理部で抽出された前記発光領域の全領域が前記撮像画像内に含まれているか否かを判定し、前記発光領域の全領域が前記撮像画像内に含まれているときに、前記撮像画像において前記発光領域の外郭部で囲まれた領域内において予め設定された単位領域ごとの第1の濃淡値と、前記発光領域の面積値とを算出し、前記第1の濃淡値が前記第1の基準濃淡範囲内であるとともに前記発光領域の面積値が前記基準面積範囲内である場合に、前記ランプユニットが不良品ではないと判定する第1の判定部と、
    前記第1の判定部で不良品ではないと判定された前記ランプユニットが前記本体部に装着された場合に前記撮像部で撮像された前記撮像画像において前記単位領域ごとの第2の濃淡値を算出し、前記第1の濃淡値の最大値に対する前記第2の濃淡値の最大値の相対値から、前記印加電圧を調整するための電圧調整値を求め、当該電圧調整値が前記電圧調整部の調整範囲内である場合、前記本体部が不良品ではないと判定する第2の判定部と
    を備えることを特徴とする発光機器の検査装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の発光機器の検査装置を複数備え、
    各発光機器の検査装置は、他の発光機器の検査装置との前記撮像画像の濃淡ばらつきを補正するために予め設定された補正係数を用いて前記第1の濃淡値および前記第2の濃淡値を補正し、補正後の第1の濃淡値を新たな第1の濃淡値とし、補正後の第2の濃淡値を新たな第2の濃淡値とする補正部を備える
    ことを特徴とする発光機器の検査システム。
  12. 光を発するランプユニットと当該ランプユニットが装着され当該ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させる本体部とで構成される検査対象物に対して、撮像機能を有する撮像部と、画像処理機能を有するコンピュータとを用いて、前記ランプユニットの発光特性を検査する発光機器の検査方法であって、
    前記ランプユニットに電圧印加して当該ランプユニットを発光させるマスタ部に装着された当該ランプユニットの発光面を前記撮像部が撮像する第1のステップと、
    前記第1のステップで撮像された第1の撮像画像を2値化処理して2値化画像を作成し当該2値化画像を用いて第1の発光領域を抽出する第2のステップと、
    前記第1の撮像画像において前記第1の発光領域の外郭部で囲まれた領域内の予め設定された単位領域ごとの第1の濃淡値と前記第1の発光領域の面積値とを用いて、前記マスタ部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記ランプユニットの良否を判定する第3のステップと、
    前記第3のステップで不良品ではないと判定され前記本体部に装着された前記ランプユニットの発光面を前記撮像部が撮像する第4のステップと、
    前記第4のステップで撮像された第2の撮像画像において前記単位領域ごとの第2の濃淡値の最大値と、前記第1の濃淡値の最大値とを用いて、前記本体部装着時の前記ランプユニットの発光特性を検査し、前記本体部の良否を判定する第5のステップと
    を有することを特徴とする発光機器の検査方法。
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