JP7363462B2 - 材料評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、材料評価方法に関し、さらに詳しくは、観察像に基づいて、材料組織の均一性を評価するための方法に関する。
金属材料等において、材料組織の状態を判定することが、所望の材料特性を確保する観点から、重要である。材料組織の状態を判定するために、電子顕微鏡等を用いて、材料組織の観察が行われる。
得られた観察像を、材料組織の状態に対応づける方法として、結晶粒度を見積もる方法が挙げられる。結晶粒度は、材料の特性に大きな影響を与えうる。結晶粒度の見積もり方法は、例えば、JIS G 0551に規定されており、粒度を定量的に評価することができる。また、結晶粒径の空間分布の均一性の程度についても、定量的に評価する方法が、提案されている。例えば、非特許文献1では、サイズの異なる結晶粒の位置の偏りを定量的に評価する方法として、対象組織全体の重心からの、各結晶粒断面の面積分の重みをつけた重心のずれの量を、均一性の尺度とする方法が、提案されている。
さらに、材料組織において、結晶粒の異方性や成分組成、生成相等、結晶粒径以外の要素においても、不均一な空間分布が発生する場合があり、それら各種の要素における不均一性まで含めて、材料組織を評価する方法として、標準試料の観察像との比較が用いられる場合がある。例えば、ISO 20160等の規格において、標準試料に対する観察像が提示されている。規格に提示された各等級に対応する観察像と、実際の対象試料に対して得られた観察像とを対照し、組織の均一性、粒度等の各種要素を比較することで、どの等級の観察像に類似しているかに基づいて、その対象試料の等級を決定することができる。
高山善匡ら、「結晶粒組織の均一性の定量的評価方法」公益社団法人日本金属学会刊行、日本金属学会誌 第60巻 第1号 44-49頁、1996年
材料組織の観察像を解析するに際し、JIS G 0551に定められるような粒度評価の方法や、非特許文献1に記載されるような評価方法を用いれば、結晶粒径や、その空間分布の均一性の程度に関する情報を、定量的に得ることができる。しかし、それらの方法では、結晶粒径の空間分布における均一性の程度は評価することができても、結晶粒径以外の要素における分布の均一性の程度を評価することは、難しい。例えば、金属材料等において、複数の相が、混在して生成する場合がある。このように、複数の相が生成する可能性がある場合に、結晶粒の粒径が同程度であれば、各結晶粒を構成する相の分布が、空間的に均一であるのか、不均一であるのか、また相の分布における均一性がどの程度であるのかを、上記の方法で判別することは、難しい。
一方、規格に提示された標準試料と、実際の対象試料とで、観察像を比較することで、材料組織の等級を判定する場合には、人間がそれぞれの観察像を目視して、組織の均一性の程度等を含めて、観察像に現れた特徴を比較することで、判定を行うことになる。この方法によれば、結晶粒の粒径以外の要素に不均一性が生じている場合にも、その不均一性が観察像に現れるものであれば、検出することができる。しかし、人間が画像の目視によって判定を行うため、観察者によって、評価結果にばらつきが大きくなってしまう。また、不均一性の程度を、数値として定量的に求めることは、難しい。
もし、観察像において、結晶粒の粒径以外の要素に関しても、目視による評価を経ることなく、材料組織の均一性の程度を評価することができれば、材料評価の信頼性を高められる可能性がある。また、機械的特性等、材料が有する特性の中には、材料組織の均一性と密接な関係を有するものがあるが、そのような特性に関して、観察像から推定することができれば、材料特性を簡便に評価できる可能性がある。
本発明が解決しようとする課題は、画像の目視評価によることなく、材料組織の観察像を、材料組織の均一性の程度や材料特性と対応付けることができる材料評価方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明にかかる材料評価方法は、材料組織に対して得られたグレースケールの観察像、または前記観察像に対して不均一構造を強調する画像処理を行った処理像を、対象画像として準備する画像準備工程と、前記対象画像において、画素ごとの強度のばらつきの程度を見積もる統計処理工程と、を実行し、さらに、評価工程として、前記統計処理工程において見積もられた前記ばらつきの程度が小さいほど、前記評価対象材の組織の均一性が高いと判定する均一性判定工程と、前記統計処理工程において見積もられた前記ばらつきの程度に基づいて、前記評価対象材の特性を推定する特性推定工程と、の少なくとも一方を実行するものである。
ここで、前記画像準備工程においては、前記観察像における各画素の強度を二値化して、二値化像を得る二値化工程と、前記二値化像に対して、各画素の強度を平滑化する平滑化工程と、を実行して、前記処理像を得るとよい。この場合に、前記平滑化工程は、前記二値化像に対して、移動平均または移動和を求めることによって実行されるとよい。
前記統計処理工程においては、前記対象画像に対して、所定の強度が得られている画素の数を、前記強度の関数として整理して、強度分布関数を得る強度整理工程と、前記強度分布関数の分布幅が大きいほど、前記ばらつきの程度が大きいと見積もる、ばらつき評価工程と、を実行するとよい。この場合に、前記ばらつき評価工程において、前記強度分布関数の変動係数が小さいほど、または尖度が大きいほど、前記強度分布関数の分布幅が小さいとみなすとよい。
前記観察像は、電子顕微鏡によって取得されるとよい。また、前記評価対象材として、金属材料を適用し、前記評価工程として、前記特性推定工程を実行し、前記ばらつきの程度を、評価対象材の破壊靱性に対応付けることができる。前記評価対象材として、複数の相が混在して生成しうる金属材料を適用するとよい。
上記発明にかかる材料評価方法においては、統計処理工程で、対象画像における画素ごとの強度のばらつきの程度を見積もる。対象画像中に、結晶粒を構成する相の違い等により、異なる強度を与える領域が、不均一に混在していれば、画素ごとの強度のばらつきが大きくなるはずである。よって、均一性判定工程において、強度のばらつきの程度が小さいほど、組織の均一性が高いと判定することができ、画像の目視評価に頼らなくても、組織の均一性の程度を、評価することができる。あるいは、特性推定工程において、強度のばらつきの程度を、評価対象材の特性に対応付けることができる。
ここで、画像準備工程において、観察像における各画素の強度を二値化して、二値化像を得る二値化工程と、二値化像に対して、各画素の強度を平滑化する平滑化工程と、を実行して、処理像を得る場合には、処理像をもとに、後の統計処理工程において、統計処理データを好適に生成することができる。
この場合に、平滑化工程が、二値化像に対して、移動平均または移動和を求めることによって実行される形態によれば、特に簡素な演算によって、平滑化を行い、不均一構造が強調された処理像を得ることができる。
統計処理工程において、対象画像に対して、所定の強度が得られている画素の数を、強度の関数として整理して、強度分布関数を得る強度整理工程と、強度分布関数の分布幅が大きいほど、ばらつきの程度が大きいと見積もる、ばらつき評価工程と、を実行する場合には、対象画像における強度のばらつきの程度を、強度分布関数の幅として定量的に見積もり、材料組織の均一性の程度や材料特性に、対応づけることができる。
この場合に、ばらつき評価工程において、強度分布関数の変動係数が小さいほど、または尖度が大きいほど、強度分布関数の分布幅が小さいとみなす形態によれば、対象画像における強度のばらつきの程度の違いを、変動係数や尖度の差として、敏感に検出することができる。
観察像が、電子顕微鏡によって取得される場合には、結晶粒や結晶粒集合体程度のスケールにおける材料組織の均一性の程度を、好適に評価することができる。また、材料組織における成分組成の差や、生成相の差は、電子顕微鏡像において、強度(明暗)の差として現れやすいため、成分組成や生成相の空間分布を、敏感に検出することができる。
評価対象材として、複数の相が混在して生成しうる金属材料を適用する場合には、それら複数の相の分布状態に応じて、電子顕微鏡等による観察像において、強度の異なる複数の領域が観察される場合が多く、画像中の強度のばらつきに基づいて、それらの相の分布の均一性の評価を、好適に行うことができる。
本発明の一実施形態にかかる材料評価方法の各工程について説明する図である。(a)は観察像、(b)は二値化工程を経て得られた二値化像、(c)は平滑化工程を経て得られた処理像、(d)は強度整理工程によって得られた強度分布関数を示している。(a)~(c)中の数値を記載したマトリクスは、各画像中の一部の領域について、画素ごとの強度値の例を示している。 二値化像と、強度分布関数との対応関係を説明する図であり、(a)は均一性の高い組織の場合、(b)は均一性の低い組織の場合を示している。 様々な状態の材料組織に対して、観察像、処理像、強度分布関数を示す図であり、尖度も合わせて示している。 強度分布関数の変動係数と破壊靱性の関係を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態にかかる材料評価方法について説明する。本実施形態にかかる材料評価方法は、評価対象材の材料組織に対して得られた観察像を解析し、材料組織の均一性の程度の判定や、材料組織の均一性との間に相関を有する特性の推定を行うものである。
本評価方法においてにおいて評価の対象となる評価対象材の具体的な種類は、特に限定されるものではない。評価対象材は、金属および非金属のいずれであってもよく、それらを共に含むものであってもよい。
[材料組織の均一性]
材料評価の方法について説明する前に、本実施形態にかかる材料評価方法で、評価の対象となる材料組織の均一性について、説明する。
材料組織の均一性とは、評価対象材において、材料組織の状態が、空間的に均一に分布しているか否か、またどの程度均一に分布しているかを指す。均一性が高いとは、評価対象材において、問題にしている領域の全体を、同じ材料組織、あるいは状態の差が小さい材料組織が占めていることを指す。また、状態の異なる材料組織が混在している場合であっても、それら状態の異なる材料組織が、空間的に偏りなく、あるいは小さな偏りで分布している形態も、均一性が高い状態に相当する。状態の異なる複数の材料組織が、それぞれ微細な領域を占めて、相互に混在している場合も、均一性が高い状態であるとみなすことができる。一方、均一性が低い、つまり不均一性が高いとは、状態の異なる材料組織が、空間的に偏って分布している場合を指す。ある状態をとる材料組織が、空間の一部の領域を占めており、別の状態をとる材料組織が、他の領域を占めているという場合が、これに相当する。
ここで、材料組織の均一性の程度を規定する「材料組織の状態」とは、材料組織が有する各種の特性であり、結晶粒の粒径や異方性等、材料組織の外形に関するパラメータと、結晶粒の成分組成や生成相等、材料組織の化学状態に関するパラメータを例示することができる。これらの特性のいずれか少なくとも1つの空間分布によって、評価対象材の均一性が規定される。本実施形態にかかる評価方法においては、特に、結晶粒の粒径や異方性、形状等、結晶粒の外形に関するパラメータよりも、成分組成や生成相など、化学状態に関するパラメータの分布における均一性の程度を、効果的に評価することができる。例えば、2つの相を結晶粒として生成しうる金属材料の場合に、それら2つの相の空間分布における均一性の程度を、評価することができる。
本実施形態にかかる材料評価方法においては、材料組織の観察像に基づいて、評価対象材の均一性の程度を評価するため、不均一構造の起源となる特性において相互に差を有する領域が、観察像中で、異なる強度(明度、階調)を与える必要がある。例えば、2つの相を形成しうる金属材料において、内部における結晶粒の分布状態が異なっている結晶粒集合体が、観察像中で、相互に異なる強度を与えるものであるとよい。ここで、結晶粒集合体とは、複数の結晶粒が集合した領域を指し、結晶粒の分布状態が異なる結晶粒集合体としては、1つの相をとる結晶粒が集合した領域、別の1つの相をとる結晶粒が集合した領域、2種の結晶粒が均一性高く混在した領域を例示することができる。以下の説明では、チタン基合金に対して実際に得られた走査電子顕微鏡(SEM)像を用いて説明を行っているが、それらの観察像において、強度の差(明暗差)を伴って観察される領域は、上記のように、結晶粒の分布状態が異なる結晶粒集合体であり、1つ1つの結晶粒に対応するものではない。
[材料評価方法]
本実施形態にかかる材料評価方法においては、画像準備工程、統計処理工程、評価工程をこの順に実施する。
画像準備工程においては、評価に用いるための対象画像を準備する。統計処理工程においては、準備した対象画像に対して、画素ごとの強度のばらつきの程度を見積もる。評価工程においては、見積もられた強度のばらつきの程度を、評価対象材における組織の均一性の程度、および/または評価対象材の特性に対応付ける。以下、各工程について、順に説明する。
(1)画像準備工程
まず、画像準備工程において、評価対象材の評価に用いる対象画像を準備する。そのために、画像準備工程においては、観察像取得工程を実行する。さらに、画像処理工程を、適宜実行する。
(1-1)観察像取得工程
画像準備工程においては、まず、観察像取得工程を実行する。観察像取得工程では、評価対象材の材料組織に対して、観察像を取得する。観察像の取得は、写真撮影、顕微鏡観察等、どのような方法で行っても構わない。顕微鏡観察としては、金属顕微鏡等の光学顕微鏡、SEM等の電子顕微鏡、原子間力顕微鏡等のプローブ顕微鏡等を用いることができる。材料組織の均一性として、結晶粒や結晶粒集合体の化学状態における均一性を評価する場合には、結晶粒や結晶粒集合体程度の大きさの組織を観察するのに適しており、また、結晶粒や結晶粒集合体における化学状態の差を画像強度の差として検出しやすいという点で、SEM等の電子顕微鏡を用いることが好適である。観察像の取得は、評価対象材のどのような部位に対して行ってもよく、表面、断面等を、観察箇所として例示することができる。酸化等の表面変成の影響を避ける観点からは、断面に対して観察像の取得を行うとよい。
観察像取得工程において得られた観察像は、そのまま対象画像として、以降の評価に用いることができる。しかし、得られた観察像に対して、次に説明する画像処理工程を実行し、得られた処理像を、対象画像として、評価に用いることが好ましい。
(1-2)画像処理工程
画像処理工程においては、観察像取得工程で得られた観察像に対して、以降の各工程の精度や簡便性を高めるための画像処理を施す。
行う画像処理の種類は、観察像の特性や、評価すべき均一性の形態等に応じて、適宜定めればよいが、観察像中に存在する不均一構造を強調できるような、画像処理を行うことが好ましい。ここで、不均一構造とは、画像中で、周囲の領域と明るさ(強度)の異なる領域が、空間的に不均一に分布している構造を指す。そのような不均一構造を強調する画像処理として、二値化工程と平滑化工程を含む処理を例示することができる。なお、それらの工程を実施する前に、必要に応じて、観察像に対して、ノイズの除去や、全体的な明度の補正等、観察条件等に由来して生じた、本質的でない画像上の要素を、除去・補正する処理を行っておいてもよい。
(1-2-1)二値化工程
二値化工程においては、閾値を設定して、観察像中の各画素の強度に対して、二値化を行い、二値化像を得る。
図1(a)に、観察像取得工程で得られた観察像を示している。これに対して、二値化を行った二値化像が、図1(b)である。
(1-2-2)平滑化工程
次に、平滑化工程を実行し、二値化工程で得られた二値化像に対して、各画素の強度を平滑化し、処理像を得る。
平滑化工程においては、二値化像における各画素の強度分布をならし、各画素間の強度の差を小さくする。平滑化工程においては、二次元画像の平滑化法として公知の手法を用いればよく、具体的な演算方法は限定されるものではない。簡素な演算によって平滑化を行える手法として、移動平均または移動和を求める方法を例示することができる。これらの方法においては、所定の大きさで設定した格子内で、各画素の強度値の平均または和をとる操作を、縦方向および横方向に所定の間隔で格子を移動させながら行う。
図1(c)に、図1(b)の二値化像に対して移動平均を求めた処理像を示す。画像とともに示したマトリクスにおいては、3×3の9画素を含む格子を設定し、格子内の9画素の強度を平均化して、格子内で最も左上の画素に収容している。格子を移動させる間隔は、縦横ともに1画素としている。図に示した実際の画像では、25×25の625画素を含む格子を設定し、1画素間隔で移動させている。
二値化像が、強度1の明点と強度0の暗点とに二値化されたものである場合に、二値化像において、強度が1の明るい点がある程度の面積にわたって集合している領域、およびその近傍においては、平滑化工程を経て処理像の各画素に収容される値も、強度が1またはそれに近い高値となる。一方、二値化像において、強度が0の暗い点がある程度の面積にわたって集合している領域、およびその近傍においては、平滑化工程を経て処理像の各画素に収容される値も、強度が0またはそれに近い低い値となる。二値化像内で、暗い領域の中に明るい領域がごく小さい面積で存在している場合や、明るい領域の中に暗い領域がごく小さい面積で存在している場合、また、明るい領域と暗い領域が、それぞれ小面積で混在している場合には、平滑化工程を経て、各画素の強度が周囲の強度と平均化されることにより、中間的な強度の画素の集合が得られることになる。このように、観察像に対して、二値化工程および平滑化工程を実行することで、観察像において、ある程度の面積にわたって、空間的に不均一に、明るい点が集合している領域や、暗い点が集合している領域が、処理像において、それぞれ明るい領域および暗い領域として、周囲の領域に対して、高いコントラストで表示されるようになる。
実際の画像を見ても、図1(c)の処理像は、図1(a)の観察像よりも、高い明暗のコントラストを示しており、画像中に存在する不均一構造が強調されている。例えば、図1(a)の観察像では、右下近傍に、明るく観察される領域が存在するが、周囲の領域との差が、明確には分かりにくい。これに対し、二値化と平滑化を経た図1(c)の処理像においては、画像のやや右下側の領域に、画像全体の1/6程度あるいはそれ以上の面積を占めて、明るい島状の領域が、明瞭に認識できる状態で、形成されている。
平滑化工程において、移動平均または移動和を求める際に用いる格子のサイズは、処理像において、問題とするサイズの不均一構造を強調する効果が十分に得られるように、適宜設定すればよい。小さく設定しすぎると、微細な明暗の分布を十分に平均化できないことにより、ある程度の面積にわたって生じている不均一構造を強調する効果が、十分に得られない。逆に、大きく設定しすぎても、ある程度の面積にわたって明るい箇所や暗い箇所が集合した領域まで、周囲の領域と平均化されてしまい、不均一構造を強調する効果が低くなる。例えば、格子内に複数の結晶粒が含まれるようにすることが好ましく、さらには、微細な明暗の分布を含む領域ではあるが、均一組織であるとみなすべきである領域の面積よりも大きくなるように、格子を設定することが好ましい。かつ、不均一構造に対応づけられる明るい領域あるいは暗い領域の面積よりも小さくなるように、格子を設定することが好ましい。
以上のように、画像処理工程を実行することで、観察像中に存在する不均一構造を強調することができる。得られた処理像を、対象画像として、次の統計処理工程に用いることで、観察像をそのまま対象画像として用いる場合と比べて、処理の精度を高めることができる。
(2)統計処理工程
統計処理工程においては、画像準備工程で準備した対象画像に対して、強度分布を解析するための統計処理を行う。
統計処理としては、対象画像において、画素ごとの強度のばらつきの程度を見積もる。つまり、対象画像において、各画素の強度の値が、どの程度広い強度範囲にわたって分布しているかを評価する。各画素の強度が、狭い範囲の強度値に集中して分布している場合には、強度のばらつきが小さいと評価され、各画素の強度が、広い範囲の強度値に分散している場合には、強度のばらつきが大きいと評価される。画素ごとの強度のばらつきを見積もる具体的な方法は、特に限定されるものではないが、ばらつきの程度を定量的に見積もることができる簡便な方法として、強度分布関数を利用する方法を挙げることができる。この方法は、次に説明するように、強度整理工程と、ばらつき評価工程によって、実行することができる。
(2-1)強度整理工程
強度整理工程においては、対象画像において、所定の強度が得られている画素の数を、強度の関数として整理して、強度分布関数を得る。つまり、図1(d)に示すように、強度を横軸にとった場合に、対象画像中で所定の強度値を示している画素の数を数え、その数を縦軸にとったものが、強度分布関数となる。強度分布関数は、対象画像中で、各強度がどのような頻度で出現しているのかを示すものとなる。多くの場合、強度分布関数は、図1(d)のように、頂点の両側にある程度の幅をもって広がった山状の分布をとる。
(2-2)ばらつき評価工程
次に、得られた強度分布関数に対して、強度のばらつきの程度を評価する。つまり、強度分布関数が、どの程度の強度範囲にわたって分布しているかを、評価する。強度のばらつきの幅を定量的に示すものであれば、ばらつきの指標として、どのようなパラメータを用いてもよい。ばらつきの指標となるパラメータとして、標準偏差、半値全幅、変動係数、尖度等を例示することができる。標準偏差や半値全幅、また変動係数が小さいほど、強度分布関数の幅が狭く、強度のばらつきが小さいとみなすことができる。一方、尖度が大きいほど、強度分布が鋭いピークをなしており、強度のばらつきが小さいとみなすことができる。これらのパラメータのうち、強度分布関数の具体的なピーク形状やピーク強度によらず、分布幅の違いを敏感に反映しやすいパラメータとして、変動係数または尖度を用いることが、特に好ましい。
尖度(k)は、以下の式(1)によって求めることができる。また、変動係数(c)は、以下の式(2)によって求めることができる。
Figure 0007363462000001
ここで、nは画素数、xは画素iにおける強度である。また、μは強度xの平均、σは標準偏差であり、それぞれ以下のように表される。
Figure 0007363462000002
強度分布関数が正規分布をとる場合には、尖度は0となり、強度分布関数の分布幅が小さいほど、値が大きくなる。また、変動係数は、標準偏差(σ)を算術平均(μ)で割ったものであり、相対的なばらつきを表す。
(3)評価工程
次に、評価工程において、統計処理工程で見積もられた対象画像における強度のばらつきの程度を、評価対象材の組織の均一性や特性に対応付ける。評価工程としては、次に説明する均一性判定工程および特性推定工程の少なくとも一方を実行することができる。
(3-1)均一性判定工程
均一性判定工程においては、統計処理工程で見積もられた対象画像における強度のばらつきの程度を、評価対象材の組織の均一性の程度に対応付ける。
図2に、組織の均一性の程度が異なる2種の試料について、二値化後のSEM観察像を示すとともに、統計処理工程で得られる強度分布関数を模式的に示す。(a)が均一性の高い組織、(b)が均一性の低い組織に対応している。
図2(a)の均一性が高い組織においては、二値化像中に、明るい領域と暗い領域が存在しているが、それらはいずれも、微小な領域として形成されており、相互に均一性高く分散し、混在している。つまり、画像中に2つの四角形で示すように、各位置に設定した格子において、強度の平均値に、大きな違いは生じない。その結果、平滑化処理を経て得られる処理像において、各画素の強度が、狭い範囲に集中することになり、強度のばらつきが小さくなる。つまり、強度分布関数が幅の狭いピークを形成し、小さな変動係数、また大きな尖度を与える。
これに対し、図2(b)の均一性の低い組織においては、二値化像中に、明るい領域と暗い領域が、それぞれ、ある程度の面積にわたって、形成されている。つまり、画像中に2つの四角形で示すように、各位置に設定した格子において、強度の平均値をとると、左下側の四角形のように、高強度になる領域と、右上側の四角形のように、低強度になる領域が、画像中の位置に応じて、生じることになる。その結果、平滑化処理を経て得られる処理像において、各画素の強度が、広い強度範囲に分布し、強度のばらつきが大きくなる。つまり、強度分布関数が幅の広い平坦なピークを形成し、変動係数が大きくなる。尖度は小さくなる。
このように、検査対象材の組織の均一性の程度は、対象画像における画素ごとの強度のばらつきの大きさと、よく対応しており、強度のばらつきが小さいほど、検査対象材の組織の均一性が高いと判定することができる。特に、強度分布関数における強度のばらつきの程度を、変動係数や尖度などの定量的なパラメータ値として見積もっている場合には、そのパラメータ値によって、検査対象材の組織の均一性の程度を、定量的に表現することができる。例えば、変動係数が小さいほど、また尖度の値が大きいほど、組織の均一性が高いと判定することができ、変動係数や尖度の値の大きさによって、組織の均一性の高さを表現することができる。変動係数や尖度の値を比較することで、異なる検査対象材の間で、組織の均一性の程度を比較することもできる。規格等によって材料組織の等級が定められている場合にも、各等級に対応する標準試料の観察像に対して、変動係数や尖度などによって、画素ごとの強度のばらつきを評価しておけば、評価対象材とそれら標準試料とで、組織の均一性の程度を比較し、その比較結果に基づいて、評価対象材に等級を当てはめることができる。
(3-2)特性推定工程
上記均一性評価工程で、評価対象材の組織の均一性を判定するのに加えて、あるいはその代わりに、特性推定工程によって、統計処理工程で見積もられた対象画像における強度のばらつきの程度から、評価対象材の特性を推定することができる。
金属材料等の評価対象材の特性には、材料組織の均一性との間に、高い相関性を示すものがある。例えば、金属材料の引張強度や弾性率、破壊靱性等の機械的特性は、材料組織の均一性の程度との間に、高い相関を有する。このような材料組織の均一性と、材料特性との間の関係性に基づいて、対象画像における強度のばらつきの程度を、評価対象材の特性に対応づけることができる。例えば、事前の試験として、組織の均一性の程度が異なる複数の試料を準備しておき、対象画像における強度のばらつきがどの程度であれば、ある材料特性について、どのような値が得られるのかという関係性を把握しておくことで、その後に評価を行う評価対象材に対して、対象画像における強度のばらつきの程度に基づいて、その材料特性の値を推定することが可能となる。
例えば、多くの金属種において、材料組織中に、微細な結晶粒が均一性高く形成されているほど、高い破壊靱性が得られる。この場合に、対象画像における強度のばらつきが小さいほど、つまり強度分布関数の変動係数が小さいほど、また尖度が大きいほど、評価対象材が高い破壊靱性を有すると推定することができる。さらに、事前の試験により、変動係数や尖度値等、強度のばらつきの程度を示すパラメータと、破壊靱性との関係性について、情報を得ておくことにより、その後評価する評価対象材について、対象画像における強度のばらつきの程度に基づいて、破壊靱性を、定量的に推定することができる。
このように、評価対象材に対して得られた観察像をもとにして、画像準備工程および統計処理工程を経て見積もった、画像中の強度のばらつきの程度を、評価工程において、材料組織の均一性の程度や、評価対象材の特性に、対応付けることができる。材料組織において不均一構造を与える要素が、結晶粒や結晶粒集合体のサイズや異方性、形状等、外形に関するパラメータに差異を生じるようなものでなくても、成分組成や生成相をはじめとする化学状態に関するパラメータ等、他の要素によって、観察像中に観察強度(明暗)の差異を与えるものであれば、材料組織の均一性の程度の評価や、材料組織の均一性と相関を有する材料特性の推定を、精度よく、また簡便に行うことができる。評価工程は、画像の目視評価を伴うものではないため、観察者による評価のばらつきや主観を排して、高い再現性と定量性をもって、評価を行うことができる。また、観察像の目視では、明確に認識することができない不均一構造が存在する場合や、複数の観察像の間で、均一性の程度に、目視では明確に認識することができない程度の差しか存在しない場合等にも、適切な画像処理と統計処理を経ることで、それらを、敏感に、また定量的に認識できる可能性がある。
例えば、金属材を多数製造する場合に、製造条件の不可避的なゆらぎ等に起因して、材料組織の状態や、得られる特性を、完全には制御しきれない場合がある。このような場合に、各製品個体、または代表として抽出した一部の製品個体に対して、観察像を取得し、本実施形態にかかる材料評価方法によって、材料組織の均一性の評価や、特性の推定を行えばよい。そして、規格に定められた等級への分類等、製品の品質の判定を行えばよい。あるいは、材料組織の均一性の程度や特性値が、要求される所定水準に達していない製品に対して、排除や加工のやり直し等の措置を講じればよい。
以下に本発明の実施例を示す。なお、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。ここでは、チタン基合金を試料として用い、上記実施形態にかかる材料評価方法の妥当性を検証した。
[1]材料組織の均一性と画像強度分布の関係
まず、材料組織の均一性と、対象画像における画素ごとの強度分布が、どのような関係を示すかについて、確認した。
(試験方法)
試験においては、チタン基よりなる複数相を有する合金を試料として用いた。この際、合金材を鋳造し、試料ごとに異なる鍛錬比にて鍛造を行い、材料組織の状態が異なる複数の試料を作製した。
各試料に対して、断面を切り出し、SEMによる観察を行って、組織の状態を観察した。さらに、得られた観察像に対して、上記で本発明の実施形態にかかる材料評価方法として説明したのと同様の方法で、二値化工程と平滑化工程を含む画像準備工程、強度整理工程とばらつき評価工程を含む統計処理工程を実施した。ばらつき評価工程においては、強度分布関数の尖度を求めた。
(結果)
図3に、各試料について、SEM像(観察像)と、二値化および移動平均による平滑化とを施した処理像と、強度分布関数を示す。また、強度分布関数より見積もった尖度の値を表示する。
まず、図3(a)の試料については、観察像の全域において、明るい点や暗い点が集中した領域は観察されておらず、均一性の高い組織が得られていると言える。処理像でも、局所的な明暗の偏りは、ほぼ見られない。それに対応して、強度分布関数の分布幅が小さくなっており、尖度としても、5以上の大きな値が得られている。図3(b)の試料については、観察像において、ドット状の暗い領域が、多数見られるが、それらの領域は、微小なものであるうえ、観察像全体に、均一性高く分布している。よって、この試料においても、図3(a)の場合よりは劣るものの、均一性の高い組織が得られていると言える。処理像においても、極端な明暗の分布は形成されていない。それに対応して、強度分布関数の分布幅が狭くなっており、尖度としても、図3(a)の場合よりは小さいが、4以上の大きな値が得られている。
一方、図3(c)の試料については、観察像において、画像中の上辺や、左右両辺の近傍に、粗い筋状に、明るくなった領域が見られる。図3(d)の試料についても、観察像の左上や右下の領域に、大きな面積を占めて、明るく観察される連続領域が形成されている。右下の領域の近傍には、明るい筋状の構造も見られる。このように、図3(c),(d)の観察像は、均一性の低い材料組織を示している。観察像中の明暗の分布に対応して、図3(c),(d)の処理像では、明るい領域と暗い領域が、それぞれ画像中に偏在して生じている。尖度についても、3以下の小さな値となっている。
以上のとおり、図1(a),(b)の試料のように、材料組織の均一性が高い場合には、処理像における強度のばらつきが小さくなり、大きな尖度が得られる。一方、図1(c),(d)の試料のように、材料組織の均一性が低い場合には、処理像における強度のばらつきが大きくなり、尖度が小さくなる。このことから、材料組織の均一性と、処理像における強度のばらつきとの間には、高い相関性が見られることが分かる。尖度が大きく、処理像における強度のばらつきが小さいほど、材料組織の均一性が高いと判定することができる。
図1(e)の試料の観察像は、微小なドット状の暗い点が、画像全体に分散しており、一見すると、図1(b)の観察像によく似ている。しかし、図1(e)の観察像を注意深く見ると、暗いドット状の点が分散した構造に重畳して、粗い筋状の構造が存在する。また、像中の右上部分や左辺近傍の領域が、他の領域に比べて、明るくなっている。このように、図1(e)の観察像は、一見すると、高い均一性を示しているように見えるものの、詳細に観察すると、不均一な構造が見られる。この不均一な構造に起因して、処理像においては、明暗の分布が見られる。また、強度分布関数は、分布幅が広くなり、尖度としても、図1(b)の場合よりかなり小さく、むしろ図1(c)や(d)の場合に近い値が得られている。つまり、観察像を一見しただけでは、均一性の低さを認識することは難しいが、強度分布関数および尖度の値によって、均一性の低さを、敏感に、また定量的に認識することができる。
[2]画像強度分布と材料特性の関係
次に、対象画像における画素ごとの強度分布が、材料特性とどのような関係を示すかについて、確認した。ここでは、材料特性として、破壊靱性について評価を行った。
(試験方法)
上記試験[1]と同様に、複数相を有するチタン基合金に対して、試料ごとに異なる鍛錬比を採用し、材料組織の状態が異なる複数の試料を作製した。そして、ばらつき評価工程において、強度分布関数の変動係数を求めた。
さらに、各試料について、破壊靱性値を測定した。測定は、ASTM E399に準拠して行った。つまり、き裂欠陥を形成した試験片を用いて、引張試験を行った。そして、破壊が起こった時の破壊荷重と欠陥寸法より、破壊靱性値を決定した。
(結果)
図4に、各試料について、強度分布関数の変動係数と破壊靱性値との関係を示す。
図4によると、データ点にばらつきはあるものの、強度分布関数に対する画像処理結果(変動係数)と破壊靱性値の間には、高い相関性があることが分かる。つまり、変動係数が小さくなるほど、破壊靱性値が大きくなっている。データは、図中に点線で示すように、指数関数に近似することができる。
上記試験[1]で示されたとおり、強度分布関数の尖度が大きいほど、つまり変動係数が小さいほど、材料組織の均一性が高くなる。つまり、図4で見られる変動係数が小さくなるほど破壊靱性値が大きくなるという関係性は、材料組織の均一性の増大による破壊靱性の向上に、対応づけることができる。この種のチタン基合金においては、材料組織の均一性が高くなるほど、破壊靱性が高くなることが、知られている。図4のように、強度分布関数の変動係数や尖度と破壊靱性値との対応関係を事前に調査しておけば、以降に評価される試料において、材料組織の均一性の程度を顕わに判定しなくても、事前試験で得られた近似関数に当てはめる等して、強度分布関数の変動係数や尖度の値から、直接、破壊靱性値を推定することができる。
以上のように、本発明における評価対象材として金属材料を適用して、評価工程として特性推定工程を実行し、強度分布関数におけるばらつきの程度を、評価対象材の破壊靭性に対応付ける場合には、特性推定工程において、観察像における強度のばらつきから、直接、材料の破壊靱性を推定することができる。金属材料の破壊靱性は、材料組織の均一性との間に相関性を有し、多くの場合には、組織の均一性が高いほど、破壊靭性が高くなる。本発明にかかる評価方法を用いれば、例えば、所定の水準以上の破壊靭性を有する金属材料の弁別を、高精度に、また簡便に行うことが可能となる。
金属材料等において、複数の相が混在して生成する場合があり、そのような場合には、金属組織の均一性の評価、および破壊靭性等、組織の均一性との間に相関性を有する特性の評価が、特に重要となる。複数の相が混在して生成する金属材料の具体例として、チタン基合金において、α相とβ相の微結晶が混在して生成する場合が挙げられる。チタン基合金は、熱処理時や鍛造時の条件によって、形成される相の状態が変化しやすいため、所望の材料特性を得るために、材料組織の状態を評価することが重要であり、チタン基合金よりなるα+β型合金において、α相の結晶粒とβ相の結晶粒が安定に共存していることを確認することが、重要となる。複数の相が混在して生成する金属材料の別の例としては、鉄基合金において、フェライト相とパーライト相が混在して生成する場合を挙げることができる。この場合にも同様に、本発明にかかる評価方法を好適に適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明した。本発明は、これらの実施形態に特に限定されることなく、種々の改変を行うことが可能である。

Claims (8)

  1. 評価対象材の材料組織に対して得られたグレースケールの観察像、または前記観察像に対して不均一構造を強調する画像処理を行った処理像を、対象画像として準備する画像準備工程と、
    前記対象画像において、画素ごとの強度のばらつきの程度を見積もる統計処理工程と、を実行し、
    さらに、評価工程として、前記統計処理工程において見積もられた前記ばらつきの程度が小さいほど、前記評価対象材の組織の均一性が高いと判定する均一性判定工程と、前記統計処理工程において見積もられた前記ばらつきの程度に基づいて、前記評価対象材の特性を推定する特性推定工程と、の少なくとも一方を実行する、材料評価方法。
  2. 前記画像準備工程においては、
    前記観察像における各画素の強度を二値化して、二値化像を得る二値化工程と、
    前記二値化像に対して、各画素の強度を平滑化する平滑化工程と、を実行して、前記処理像を得る、請求項1に記載の材料評価方法。
  3. 前記平滑化工程は、前記二値化像に対して、移動平均または移動和を求めることによって実行される、請求項2に記載の材料評価方法。
  4. 前記統計処理工程においては、
    前記対象画像に対して、所定の強度が得られている画素の数を、前記強度の関数として整理して、強度分布関数を得る強度整理工程と、
    前記強度分布関数の分布幅が大きいほど、前記ばらつきの程度が大きいと見積もる、ばらつき評価工程と、を実行する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の材料評価方法。
  5. 前記ばらつき評価工程において、前記強度分布関数の変動係数が小さいほど、または尖度が大きいほど、前記強度分布関数の分布幅が小さいとみなす、請求項4に記載の材料評価方法。
  6. 前記観察像は、電子顕微鏡によって取得される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の材料評価方法。
  7. 前記評価対象材として、金属材料を適用し、
    前記評価工程として、前記特性推定工程を実行し、前記ばらつきの程度を、前記評価対象材の破壊靱性に対応付ける、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の材料評価方法。
  8. 前記評価対象材として、複数の相が混在して生成しうる金属材料を適用する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の材料評価方法。
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