JP2001235319A - シェーディング補正装置及びシェーディング補正方法及び表面検査装置 - Google Patents

シェーディング補正装置及びシェーディング補正方法及び表面検査装置

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JP2001235319A
JP2001235319A JP2000044411A JP2000044411A JP2001235319A JP 2001235319 A JP2001235319 A JP 2001235319A JP 2000044411 A JP2000044411 A JP 2000044411A JP 2000044411 A JP2000044411 A JP 2000044411A JP 2001235319 A JP2001235319 A JP 2001235319A
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Osamu Hirose
修 廣瀬
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 明部と暗部とが繰り返す明暗パターンを有す
る照明下において、画像の平均明度のみならず、明部の
明度分布、暗部の明度分布も均一化することのできるシ
ェーディング補正装置を提供すること。 【解決手段】 被検体の表面検査を行うために、被検体
の表面に対して明部と暗部とが繰り返す明暗パターンを
照明する照明手段と、明暗パターンが照明された被検体
を撮像する撮像手段と、撮像手段により得られた原画像
データに基づいて、照明手段の有するシェーディング成
分を除去するシェーディング補正手段とを備え、シェー
ディング補正手段は、明暗パターンを有する原画像デー
タから、平均明度曲線データと、明部の包絡線データ
と、暗部の包絡線データを求め、これら各データを用い
て、原画像データの平均明度分布と明部の明度分布と暗
部の明度分布とからシェーディング成分を除去するよう
に原画像データを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検体の表面検査
を行うために、前記被検体の表面に対して明部と暗部と
が繰り返す明暗パターンを照明する照明手段と、前記明
暗パターンが照明された前記被検体を撮像する撮像手段
とを備えたシェーディング補正装置及びこのシェーディ
ング補正装置によるシェーディング補正方法及びこのシ
ェーディング補正装置を備えた表面検査装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】偏光フィルム等の光学フィルム、板状製
品、生産財のボディ等の被検体の平面や曲面上に存在す
る微小な凹凸状の表面欠陥を検出するために、照明装置
により被検体を照明し、その画像をTVカメラ等の画像
入力手段により入力し、その画像を画像処理技術を用い
て解析することで表面欠陥の検出を行っている。
【0003】ところで、一般的に照明装置の明度は空間
的に一様ではなく、さまざまな明度分布(明るさのむ
ら)を有している。これをシェーディングと呼んでい
る。かかるシェーディングがあると、取り込んだ画像を
解析するに当たり障害となることが多いため、画像解析
を行う前の画像データの前処理としてシェーディング補
正がよく行われている。このシェーディング補正として
は、減算による方法や除算による方法が広く知られてい
る。
【0004】まず、図9により減算によるシェーディン
グ補正を説明する。図9(a)に示すように、背景成分
が均一ではないシェーディングを有する照明装置を用い
て被検体を照明して、中央に図示した鋭利な信号K(こ
れが表面欠陥に相当する。)のみを抽出したい場合に、
破線で示したしきい値L1で画像データを二値化してし
まうと、(b)に示すように目的の信号Mのみならず不
要な背景部分M1,M2をも表面欠陥として抽出してし
まう。
【0005】そこで、予め多数の信号の積算平均(例え
ば、二次元画像データの多数のライン信号の平均値)を
とるなどの方法により、(c)に示すような背景成分の
みを表すシェーディングデータを求める。そして、
(a)の信号から(c)の信号を減算することにより、
(d)に示すようなシェーディング成分が除去された背
景の均一な画像が得られる。そこで、破線で示したしき
い値L2により画像データを二値化することにより目的
とする信号のみを抽出することができる。
【0006】除算によるシェーディング補正は、上記補
正において減算の代わりに除算を用いる方法である。こ
れを図10により説明する。一般的に、同一の被検体を
撮影した場合に、照明の明るい部分で撮影するのと、暗
い部分で撮影するのとでは、信号の大きさが異なる。図
10(a)に示すように、同一レベルの表面欠陥であっ
ても、明るい部分の信号K1の大きさと暗い部分の信号
K2の大きさとを比較すると、暗い部分での信号K2の
方が小さくなることが多い。
【0007】この場合、減算によるシェーディング補正
を行うと、(b)に示すように本来同一レベルとなるべ
き信号K1,K2であっても、シェーディング補正後の
信号K1,K2のレベルは場所によって異なる結果とな
り好ましくない。そこで、シェーディングデータを減算
するのではなく、例えば次式による除算による補正が行
われている。 P’=(P/S)×F ここで、P’:シェーディング補正後の画像明度 P :原画像の明度 S :各画素に対応するシェーディング値 F :オフセット値(定数) これにより、目的信号には、それが存在する場所の背景
レベルに応じたファクター(暗い場所では大きい値、明
るい場所では小さい値)が乗じられることになり、その
結果、(c)に示すように場所によらず、ほぼ均一レベ
ルにて目的信号を抽出することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、表面欠陥を
確実に検出するための照明装置として、図2に示すよう
な明部と暗部とが繰り返す明暗パターンを有するものを
利用することがあり、本願出願人は、かかる照明装置を
用いた表面検査装置と表面検査方法について既に出願し
ている(特願平11−192267)。かかるパターン
照明により被検体を撮像した場合の画像信号は図11
(a)のようになるのが理想的である。つまり、パター
ン照明により表面欠陥の検出を行う場合には、画像全体
の平均明度、明部の明度、暗部の明度が均一であること
が重要である。
【0009】しかしながら、実際には照明装置のシェー
ディングにより、照明の暗い部分ほど明暗のコントラス
トが低下するために、実際に得られる信号は(b)に示
すようになる。したがって、(b)に破線で示すような
シェーディングデータSを求めて図9又は図10で説明
してきたようなシェーディング補正を行う必要がある。
【0010】ところが、パターン照明を用いた場合の被
検体の画像に対して従来技術で述べたのと同じようなシ
ェーディング補正を行おうとすると次のような問題が発
生する。
【0011】まず第1に、既に述べたように、シェーデ
ィングデータは多数の信号の積算平均により求めていた
から、画像中に存在する不規則なノイズ成分は除去さ
れ、比較的静的なシェーディング成分のみを抽出するこ
とができる。しかし、パターン照明に対して上記方法で
シェーディング補正を行うと、シェーディングデータ自
身に明暗パターン信号も含まれるために、明暗パターン
自体がシェーディングとして除去されてしまい、目的と
している画像解析を行うことができなくなる。
【0012】第2に、積算平均以外の何らかの方法で、
図11(b)の破線で示すようなシェーディングデータ
Sが得られたとしても、このシェーディングデータSを
基にして従来の減算による補正を行うと(c)に示すよ
うな画像となる。この(c)に示されるように、各部の
平均明度は均一に補正されるが、明部や暗部のレベルま
で均一に補正することはできない。除算による補正の場
合も、各部における除算値が一意に定まらず、逆にシェ
ーディングデータの値の低い領域の方が誇張されやすく
なる。
【0013】表面欠陥の検出の他に表面形状の評価な
ど、表面状態の検出を行う場合も同様の問題が発生す
る。
【0014】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あり、その課題は、明部と暗部とが繰り返す明暗パター
ンを有する照明下において、画像の平均明度のみなら
ず、明部の明度分布、暗部の明度分布も均一化すること
のできるシェーディング補正装置とシェーディング補正
方法とこのシェーディング補正装置を備えた表面検査装
置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明に係るシェーディング補正装置は、被検体の表面
検査を行うために、前記被検体の表面に対して明部と暗
部とが繰り返す明暗パターンを照明する照明手段と、前
記明暗パターンが照明された前記被検体を撮像する撮像
手段と、前記撮像手段により得られた原画像データに基
づいて、前記照明手段の有するシェーディング成分を除
去するシェーディング補正手段とを備えたシェーディン
グ補正装置であって、前記シェーディング補正手段は、
前記明暗パターンを有する原画像データから、平均明度
曲線データと、明部の包絡線データと、暗部の包絡線デ
ータを求め、これら各データを用いて、前記原画像デー
タの平均明度分布と明部の明度分布と暗部の明度分布と
からシェーディング成分を除去するように前記原画像デ
ータを補正することを特徴とするものである。
【0016】この構成によると、原画像データから平均
明度曲線データと、明部の包絡線データと、暗部の包絡
線データとを求める。平均明度曲線データは、図11
(b)に示されるシェーディングデータSに相当するも
のである。明部の包絡線データは、明部の明度分布を表
しており、暗部の包絡線データは、暗部の明度分布を表
している。つまり、これらの各データにはシェーディン
グ成分が含まれている。したがって、これらのデータを
用いて適切な演算処理を行うことにより、シェーディン
グ成分を除去することが可能である。その結果、画像の
平均明度のみならず、明部の明度分布、暗部の明度分布
も均一化することのできるシェーディング補正装置を提
供することができた。
【0017】本発明の好適な実施形態として、xを前記
原画像データを構成する各画素の位置、前記原画像デー
タをP(x)、前記平均明度曲線データをS(x)、明
部の包絡線データをA(x)、暗部の包絡線データをB
(x)、A(x)−S(x)の最大値をAmax 、S
(x)−B(x)の最大値をBmax 、S(x)の最大値
をSmax 、前記シェーディング補正手段により補正され
た原画像データをP’(x)で表したとき、P(x)≧
S(x)の場合は、 P’(x)=Smax +[P(x)−S(x)]×Amax
/[A(x)−S(x)] P(x)<S(x)の場合は、 P’(x)=Smax +[P(x)−S(x)]×Bmax
/[S(x)−B(x)] により前記原画像データを補正するものがあげられる。
【0018】これらの関係を図4に示す。xは横軸にお
ける画素の位置を示している。縦軸は画素の明度(濃
度)を示している。ある位置xにおける原画像データの
明度をP(x)としたときに、P(x)が平均明度曲線
データS(x)よりも大きい場合は、A(x)−S
(x)で表される値を基に上記式で示される除算補正を
行う。これにより、明部の明度分布が均一になるように
補正することができる。また、P(x)がS(x)より
も小さい場合には、S(x)−B(x)で表される値を
基に上記式で示される除算補正を行う。これにより、暗
部の明度分布が均一になるように補正することができ
る。以上のように、簡単な演算処理を施すことにより、
シェーディング補正を行うことができた。
【0019】本発明の別の好適な実施形態として、前記
シェーディング補正手段は、前記原画像データを構成す
る多数のラインごとに、前記平均明度曲線データと、前
記明部の包絡線データと、前記暗部の包絡線データを求
めるものがあげられる。
【0020】つまり、二次元の原画像データは、多数の
一次元のラインデータで構成されているが、ラインごと
に各データを求めるのである。シェーディングが二次元
的にも変化する要素があれば、各ラインごとにデータを
求めて各ラインごとに補正をすることができ、確実にシ
ェーディング補正をすることができる。
【0021】本発明の更に別の好適な実施形態として、
前記シェーディング補正手段は、所定の時間間隔ごと
に、前記平均明度曲線データと、前記明部の包絡線デー
タと、前記暗部の包絡線データを求めるものがあげられ
る。
【0022】シェーディングが時間的に変化する要素が
あれば、所定の時間間隔ごとに各データを演算しなおす
ことにより、より精度のよいシェーディング補正を行う
ことができる。
【0023】上記課題を解決するため本発明に係るシェ
ーディング方法は、被検体の表面検査を行うために、前
記被検体の表面に対して明部と暗部とが繰り返す明暗パ
ターンを照明手段により照明し、前記明暗パターンが照
明された前記被検体を撮像手段により撮像し、前記撮像
手段により得られた原画像データに基づいて、前記照明
手段の有するシェーディング成分を除去するシェーディ
ング補正方法であって、前記明暗パターンを有する原画
像データから、平均明度曲線データと、明部の包絡線デ
ータと、暗部の包絡線データを求め、これら各データを
用いて、前記原画像データの平均明度分布と明部の明度
分布と暗部の明度分布とからシェーディング成分を除去
するように前記原画像データを補正することを特徴とす
るものである。
【0024】この構成によると、原画像データから平均
明度曲線データと、明部の包絡線データと、暗部の包絡
線データとを求める。これらの各データにはシェーディ
ング成分が含まれている。したがって、これらのデータ
を用いて適切な演算処理を行うことにより、シェーディ
ング成分を除去することが可能である。その結果、画像
の平均明度のみならず、明部の明度分布、暗部の明度分
布も均一化することのできるシェーディング補正装置を
提供することができた。
【0025】上記課題を解決するため本発明に係る表面
検査装置は、前記特徴構成を有するシェーディング補正
装置と、前記シェーディング補正手段により補正された
原画像データに基づいて前記被検体の表面検査を行う画
像解析手段とを備え、前記画像解析手段は、前記補正さ
れた原画像データ中の明暗パターンのゆがみと明部と暗
部の明るさの度合いを解析することにより、前記被検体
の表面状態を検出することを特徴とするものである。
【0026】この構成による表面検査装置の作用・効果
は次の通りである。 (イ)照明手段により所定の明暗パターン(例えば、微
細チェッカーパターン)を被検体に対して照明する。 (ロ)撮像手段により、所定の明暗パターンが照明(投
影)された被検体を撮像する。 (ハ)撮像手段により取り込まれた画像(原画像)を画
像解析手段により解析し、原画像のゆがみと明部と暗部
の明るさの変化の度合いを解析する。 (ニ)解析結果に基づいて被検体の表面欠陥等の表面状
態を検出する。
【0027】原理を図3により説明する。所定の明暗パ
ターンを撮像すると、暗部の明るさレベル(明度)と明
部の明るさレベルには所定のレベル差があり、表面欠陥
がない場合には、図3(a)に示すように暗部と明部と
の境界において急激なレベル変化が見られる。一方、表
面欠陥が存在すると、暗部と明部との境界において、図
3(b)に示すようにレベル変化の度合いが緩やかにな
る(中間調となる。)。したがって、この明部から暗部
又は暗部から明部への明るさ変化の度合いを解析するこ
とにより、表面欠陥を検出することができる。
【0028】また、被検体に許容され得る曲面(凹凸分
布)が存在する場合、撮像される所定の明暗パターンの
形状は、曲面の形状に応じて歪んだ状態で撮像される
が、明部から暗部又は暗部から明部への明るさ変化の度
合いとして検出される可能性は極めて少なく、あるいは
全くなくなり、表面欠陥として誤検出されることはなく
確実性が高まる。
【0029】さらに、照明手段に有するシェーディング
は補正されているから、明部と暗部の明度分布が均一に
補正されている。したがって、中間調を検出するための
第1しきい値や第2しきい値(図3参照)の設定もレベ
ル的に余裕をもって行うことができる。その結果、表面
欠陥を確実に検出することのできる表面検査装置を提供
することができた。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明によるシェーディング
補正装置を備えた表面検査装置の構成を示す模式図であ
る。
【0031】図1において、この表面検査装置は、被検
体1に対して所定の明暗パターンの照明を行う照明装置
2(照明手段に相当する。)と、明暗パターンが照明さ
れた被検体を撮像する撮像手段3(TVカメラ、デジタ
ルカメラ、CCDラインセンサー等)、撮像手段3によ
り取り込まれた画像を画像処理技術により解析する画像
解析装置4とを備えている。画像解析装置4は、撮像手
段3により取り込まれた原画像データを記憶するフレー
ムメモリ5と、原画像データに含まれるシェーディング
を補正するシェーディング補正手段6と、シェーディン
グ補正された画像データに基づいて被検体1の表面欠陥
を検出する画像解析手段7とを備えている。
【0032】照明装置2の明暗パターンの具体例が図2
に示される。図2(a)は微細チェッカーパターンであ
り正方形の明部2aと暗部2bとが交互に繰り返して配
置されている。また、図2(b)は微細ストライプパタ
ーンであり、明部2aと暗部2bとが交互に繰り返して
配置されている。パターンの配列ピッチは、検出すべき
表面欠陥の大きさ等を考慮して設定される。
【0033】表面欠陥を検出する原理は図3により既に
説明したが、表面欠陥が存在すると明部2aと暗部2b
との境界に明るさのレベルが緩やかになることを検出す
るものであるから、明部2aと暗部2bとができるだけ
数多く存在するほうが好ましい。そのためには、暗部2
bと明部2aとの寸法比を1:1に設定するのが合理的
である。また、撮像手段3のCCDの画素数との関係か
ら、明部2aと暗部2bとをあまり細かくしすぎると分
解能が低下するので、本実施形態では1辺がCCDの1
0画素程度の大きさになるように設定している。
【0034】また、撮像手段3の焦点(ピント)は、被
検体1ではなく、照明装置2の明暗パターンに合焦する
ように調整されている。図1(a)にも示されるよう
に、撮像手段3は斜め方向から被検体1を撮影している
ため、被検体1に焦点を合わせようとしても、被検体1
の下端と上端とでは撮像手段3からの距離が異なるた
め、被検体1の全体に焦点を合わせることはできない。
また、本発明では正常部分での明暗変化が大きいことが
望ましいが、そのためには照明装置2の明暗パターンに
焦点を合わせるのが自然である。被検体1に焦点を合わ
せると照明装置2の明暗パターンがぼけた像として観測
されるため充分な検出精度を得ることができない。照明
装置2の明暗パターンと撮像手段3は被検体1を介して
等価的に向かいあった位置関係であり、画面全体に焦点
を合わせることができ、明暗変化の急峻性を損なうこと
なく画像を取得することができる。なお、照明装置2の
光源としては、蛍光灯、LED等適宜のものを使用すれ
ばよい。
【0035】<シェーディング補正>次に、シェーディ
ング補正について説明する。撮像手段3により撮影され
た原画像データはA/D変換されてフレームメモリ5に
記憶される。この原画像データから明暗パターン成分を
含まないシェーディングデータを得るため、シェーディ
ング補正手段6においては次のいずれかの処理を原画像
データに対して行う。すなわち、 (1)原画像データの明暗パターンのもつ空間周波数成
分を遮断するローパスフィルタを通過させる。 (2)原画像データの波形を明暗パターンの持つ次数よ
りも低く、かつ、照明むら(シェーディング)を表すの
に十分な次数の多項式で近似する。 (3)明暗パターンのピッチよりも十分に大きな幅で移
動平均処理を行う。移動平均処理とは、各画素につい
て、その画素の近傍の一定範囲(m行×n列)で平均を
とる処理である。移動平均を行うと、平均を取る範囲
(m行×n列)より狭い範囲での変動、つまり周波数の
高い成分を除去して平滑化された画像データを得ること
ができる。たとえば、明部2aと暗部2bの一対の幅が
17画素程度であるとすれば、1行×100列と言った
広範囲の移動平均を行うことで明暗パターンが除去され
て、シェーディングを含む背景の明度分布だけを残すこ
とができる。
【0036】以上の(1)(2)(3)以外にも、シェ
ーディングのもつ空間周波数と明暗パターンの持つ空間
周波数の違いを利用した信号抽出処理であれば同様の効
果が得られる。以上のようにして得られた平均明度曲線
データ(シェーディングデータ)の波形をS(x)とす
る(図4参照)。xは、画像中の画素の位置を示す変数
であり、具体的には画素の番号を表す。図中縦軸は画素
の明度(又は濃度:8ビットの濃淡データ)を示してい
る。また、図4においてP(x)は原画像データを表す
関数である。画像データは、一般的には二次元画像デー
タとして得られるが、本発明によるシェーディング補正
は、各ラインごとに処理を完結することができるので、
以後は一次元の画像データとして説明する。
【0037】また、本発明によるシェーディング補正に
おいては、明部2aおよび暗部2bのそれぞれの明度分
布が重要であるため、関数P(x)の一周期ごとに明部
2aの極大値および暗部2bの極小値を抽出する。そし
て、これら抽出された極大値と極小値を多項式近似や各
種補間法(スプライン補間、線形補間等)などの公知の
手法を用いて曲線フィッティングし、明部2aの明度分
布、暗部2bの明度分布の包絡線となる曲線を夫々求め
る。明部2aの包絡線データを関数A(x)で、暗部2
bの包絡線データを関数B(x)で表す。
【0038】図4において、関数S(x)の最大値をS
max とし、A(x)−S(x)の最大値をAmax とし、
S(x)−B(x)の最大値をBmax とする。
【0039】原画像データP(x)に対してシェーディ
ング補正を行った結果のデータを関数P’(x)で表す
と、P’(x)は次のようにして求められる。
【0040】P(x)≧S(x)の場合は、 P’(x)=Smax +[P(x)−S(x)]×Amax
/[A(x)−S(x)] P(x)<S(x)の場合は、 P’(x)=Smax +[P(x)−S(x)]×Bmax
/[S(x)−B(x)] つまり、ある位置xにおける原画像データの明度をP
(x)としたときに、P(x)が平均明度曲線データS
(x)よりも大きい場合は、A(x)−S(x)で表さ
れる値を基に上記式で示される除算補正を行う。これに
より、明部の明度分布が均一になるように補正すること
ができる。また、P(x)がS(x)よりも小さい場合
には、S(x)−B(x)で表される値を基に上記式で
示される除算補正を行う。これにより、暗部の明度分布
が均一になるように補正することができる。
【0041】図5と図6によりシミュレーション画像を
用いた場合の各種補正結果を示す。図5(a)におい
て、原画像データの波形をP(x)で、平均明度曲線デ
ータをS(x)で示す。グラフの横軸(x)は、画素の
位置を示し、縦軸は画素の明度(濃度)を示す。(a)
において、原画像データは、右側にいくほど平均明度が
下がるとともに、振幅も小さくなっている。
【0042】(b)は従来技術における減算シェーディ
ング補正を行った結果を示す。平均明度分布は補正され
ているが、明部の明度分布と暗部の明度分布はシェーデ
ィングの影響が残ったままである。(c)は、従来技術
における除算シェーディング補正を行った結果を示す。
平均明度分布は補正されているが、画像の両端部が補正
により誇張されている(振幅が大きくなっている。)こ
とが分かる。
【0043】図6(d)は、原画像データP(x)、平
均明度曲線データS(x)、明部の包絡線データA
(x)、暗部の包絡線データB(x)を夫々示してい
る。(e)は、図4により説明した、シェーディング補
正を行った結果の波形を示す。平均明度分布のみなら
ず、明部及び暗部の明度分布も均一になるように補正さ
れているのが分かる。
【0044】図7と図8により、実際に明暗パターンを
被検体1となるフィルムに投影してこれをTVカメラに
より撮影した画像データを用いた場合の各種補正結果を
示す。図7(a)において、原画像データの波形をP
(x)で、平均明度曲線データをS(x)で示す。
【0045】(b)は従来技術における減算シェーディ
ング補正を行った結果を示す。平均明度分布は補正され
ているが、明部の明度分布と暗部の明度分布はシェーデ
ィングの影響が残ったままである。(c)は、従来技術
における除算シェーディング補正を行った結果を示す。
平均明度分布は補正されているが、やはり明部及び暗部
の明度分布にはシェーディングの影響が残っている。
【0046】図8(d)は、原画像データP(x)、平
均明度曲線データS(x)、明部の包絡線データA
(x)、暗部の包絡線データB(x)を夫々示してい
る。(e)は、図4により説明した、シェーディング補
正を行った結果の波形を示す。平均明度分布のみなら
ず、明部及び暗部の明度分布も均一になるように補正さ
れているのが分かる。
【0047】<表面欠陥の検出>以上のようにしてシェ
ーディング補正された画像データは画像解析手段7に送
られて表面欠陥の検出が行われる。表面欠陥の検出原理
については既に簡単に説明したが、具体的にもう少し詳
しく説明する。
【0048】表面欠陥がない場合には、図3に示すよう
に、明部2aは第2しきい値よりも明るいデータとして
得られ、暗部2bは第1しきい値よりも暗いデータとし
て得られる。表面欠陥が存在すると、明部2aと暗部2
bの境界が緩やかになるため中間調のグレーの部分が現
れる。そこで、画像データに対してSobel変換と呼
ばれる二次元勾配ベクトルを求める処理を行う。この処
理を行った後の画像は、原画像データの各画素の勾配値
を表す。
【0049】一方、補正された原画像データの第1しき
い値よりも暗い部分と第2しきい値よりも明るい部分に
該当する画素を「0」レベルに変換する。これは、表面
欠陥の部分は中間調のグレーになるので、これを「1」
レベルの信号として抽出しようとするものである。さら
に、Sobel変換した画素のうち、勾配の大きい部分
を「0」レベルに変換する。勾配が大きいということ
は、明部2aから暗部2bへの変化が急激であることか
ら表面欠陥が存在しないことを意味するからである。
【0050】以上のようにして「0」と「1」レベルの
信号に二値化された画像データに対して、公知の収縮処
理を行いノイズ成分を除去する。最終的に得られた画像
データにおいて「1」レベルの信号が残っておれば表面
欠陥がありと判定される。
【0051】本発明によるシェーディング補正方法は、
本実施形態で説明した表面欠陥の検出だけでなく、その
他の表面状態の検出等に広く応用できるものである。例
えば、取り込んだ画像データを二値化して明暗パターン
を抽出し、そのパターンを解析することにより被検体の
表面形状の評価を行う場合にも応用できる。
【0052】
【発明の効果】以上のように、明暗パターンを有する照
明装置を用いた場合に、画像の平均明度のみならず、明
部の明度分布、暗部の明度分布も均一化することのでき
るシェーディング補正装置を提供することができた。ま
た、シェーディング成分を除去することができるので、
表面検査装置における表面状態の検査も精度がよくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面検査装置の構成を示す模式図
【図2】照明装置の明暗パターンを示す図
【図3】表面欠陥検出の原理を説明する図
【図4】シェーディング補正を行う場合の演算式を説明
するための図
【図5】シミュレーション画像を用いた場合の補正結果
を示す図(1)
【図6】シミュレーション画像を用いた場合の補正結果
を示す図(2)
【図7】実際にフィルムを撮影した場合の画像を用いた
場合の補正結果を示す図(1)
【図8】実際にフィルムを撮影した場合の画像を用いた
場合の補正結果を示す図(2)
【図9】従来技術にかかる減算によるシェーディング補
正を説明する図
【図10】従来技術にかかる除算によるシェーディング
補正を説明する図
【図11】明暗パターンを有する照明を用いた場合に、
従来技術により減算によるシェーディング補正を行った
結果を示す図
【符号の説明】
1 被検体 2 照明装置 2a 明部 2b 暗部 3 撮像手段 4 画像解析装置 6 シェーディング補正手段
フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA49 EE04 FF04 GG03 GG07 HH07 JJ02 JJ03 JJ25 JJ26 QQ03 QQ15 QQ24 QQ26 QQ29 QQ33 UU01 UU02 UU05 5B047 AA11 DA04 5C021 PA56 PA58 PA66 PA67 PA76 RA06 RA08 XA67 YC06 ZA00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の表面検査を行うために、前記被
    検体の表面に対して明部と暗部とが繰り返す明暗パター
    ンを照明する照明手段と、 前記明暗パターンが照明された前記被検体を撮像する撮
    像手段と、 前記撮像手段により得られた原画像データに基づいて、
    前記照明手段の有するシェーディング成分を除去するシ
    ェーディング補正手段とを備えたシェーディング補正装
    置であって、 前記シェーディング補正手段は、前記明暗パターンを有
    する原画像データから、平均明度曲線データと、明部の
    包絡線データと、暗部の包絡線データを求め、これら各
    データを用いて、前記原画像データの平均明度分布と明
    部の明度分布と暗部の明度分布とからシェーディング成
    分を除去するように前記原画像データを補正することを
    特徴とするシェーディング補正装置。
  2. 【請求項2】 被検体の表面検査を行うために、前記被
    検体の表面に対して明部と暗部とが繰り返す明暗パター
    ンを照明手段により照明し、 前記明暗パターンが照明された前記被検体を撮像手段に
    より撮像し、 前記撮像手段により得られた原画像データに基づいて、
    前記照明手段の有するシェーディング成分を除去するシ
    ェーディング補正方法であって、 前記明暗パターンを有する原画像データから、平均明度
    曲線データと、明部の包絡線データと、暗部の包絡線デ
    ータを求め、これら各データを用いて、前記原画像デー
    タの平均明度分布と明部の明度分布と暗部の明度分布と
    からシェーディング成分を除去するように前記原画像デ
    ータを補正することを特徴とするシェーディング補正方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のシェーディング補正装
    置と、 前記シェーディング補正手段により補正された原画像デ
    ータに基づいて前記被検体の表面検査を行う画像解析手
    段とを備え、 前記画像解析手段は、前記補正された原画像データ中の
    明暗パターンのゆがみと明部と暗部の明るさの度合いを
    解析することにより、前記被検体の表面状態を検出する
    ことを特徴とする表面検査装置。
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