JP6980921B2 - プロペラファンおよび送風装置 - Google Patents

プロペラファンおよび送風装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6980921B2
JP6980921B2 JP2020535690A JP2020535690A JP6980921B2 JP 6980921 B2 JP6980921 B2 JP 6980921B2 JP 2020535690 A JP2020535690 A JP 2020535690A JP 2020535690 A JP2020535690 A JP 2020535690A JP 6980921 B2 JP6980921 B2 JP 6980921B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rib
wing
propeller fan
blade
edge portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020535690A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020031800A1 (ja
Inventor
ゆい 公文
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Publication of JPWO2020031800A1 publication Critical patent/JPWO2020031800A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6980921B2 publication Critical patent/JP6980921B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04DNON-POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04D29/00Details, component parts, or accessories
    • F04D29/26Rotors specially for elastic fluids
    • F04D29/32Rotors specially for elastic fluids for axial flow pumps
    • F04D29/38Blades

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

本発明は、扇風機やサーキュレータ等の送付装置に使用されるプロペラファン、およびそれを備えた送風装置に関する。
プロペラファンは、大風量を効率よく送風でき、従来から換気扇、扇風機、エアコン室外機および風冷装置などのファンとして多用されている。従来のプロペラファンは、主に半径方向外側に向かうにつれて、風速の大きい風を軸方向に送風する。
例えば扇風機に使用するプロペラファンは、第1の機能として、使用者にとってやさしいと感じられる風を送風すること、および第2の機能として、夏期にエアコンと併用運転される場合などのように、エアコンから出た冷たい風を撹拌して部屋中に届けるために、風の到達距離を延ばすことが求められている。
このうち、第1の機能については、近年、プロペラファンの羽根枚数を増やして風の圧力変動を少なくすることにより、機能の向上が図られている。また、第2の機能については、プロペラファンの下流側に固定翼を設けたり、ケーシングを追加したりすることにより、機能の向上が図られている。しかしながら、このようなケーシングや部品の追加は、送風装置のコストアップやサイズアップ、材料費アップ等のデメリットが多くなるため、採用し難い。
ここで、特許文献1に記載のファンでは、羽根やケ−シングの内面等に送風流体の流れ方向に沿って多数の筋状突起を設けている。これにより、負圧面での気流の乱れと負圧面での圧力変動を抑制している。羽根の負圧面からの発生音圧は羽根の負圧面の圧力変動に起因する。したがって、負圧面での気流の乱れの低減は発生音の低減につながる。
また、特許文献2に記載のプロペラファンでは、プロペラファンの前縁部にセレーションを形成し、突出するリブを上記セレーションの谷部から後縁部に向かって延びるように形成している。これにより、上記プロペラファンでは、負圧面上を流れる気流の向きを揃えることができ、負圧面上での主流の剥離を抑制できるようにしている。
日本国公開特許公報「特開平7−279893号公報」 日本国公開特許公報「特開2016−65536号公報」
従来のプロペラファンは、翼における半径方向の外側部分からの風量は多いものの、半径方向の内側部分からの風量は小さい。すなわち、半径方向の内側部分は、プロペラファンの風量増加に対する寄与度が小さくい。そこで、プロペラファンは、半径方向の内側部分からの風量を増加できるようにすれば、プロペラファン全体としての風量増加が可能である。これに対し、特許文献1および2の構成は、半径方向の内側部分からの風量増加には寄与しない。
したがって、本発明の一態様は、半径方向の内側部分からの風量を増加することができるプロペラファンおよび送風装置の提供を目的としている。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプロペラファンは、回転軸部と、前記回転軸部からそれぞれ外方へ向かって形成され、回転方向側の前縁部、回転方向側とは反対側の後縁部、および前記前縁部の先端部と前記後縁部の先端部と結び周方向に形成された周縁部を含む翼とを備えているプロペラファンであって、前記翼は、上流側である前記前縁部側から下流側である前記後縁部側へ延びる1以上の第1リブからなる第1リブ群を正圧面に有し、前記第1リブ群の前記翼の半径方向の中心位置は、前記翼の外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっており、前記翼は、前記前縁部方向とは反対方向へ舌片状に延出した尾状突出部を前記後縁部に有し、前記尾状突出部の表面には前記尾状突出部の延出方向へ延びる第3リブが形成されている。
本発明の一態様によれば、プロペラファンは、半径方向の内側部分からの風量を増加することができる。
本発明の実施形態のプロペラファンを備えた扇風機の一部分解側面図である。 図1に示したプロペラファンを正面側から見た場合の斜視図である。 図1に示したプロペラファンを背面側から見た場合の斜視図である。 図1に示したプロペラファンの正面図である。 図1に示したプロペラファンの背面図である。 図5におけるB−B断面図である。 図5におけるC−C断面図である。 図7の翼の断面部分の拡大図である。 図4に示した第1リブの形状を示す説明図である。 図5におけるD−D矢視断面図である。 図10に示した折れ曲がり部付近の断面部分の拡大図である。 図4に示した第2リブの形状を示す説明図である。 図13の(a)は、図4に示した翼が第1リブを有していない場合の翼面上の風速分布、および上記翼が第1リブを有していない場合の翼の後縁部付近の風速分布を示す説明図である。図13の(b)は、図4に示した翼が第1リブを有している場合の翼面上の風速分布、および上記翼が第1リブを有している場合の翼の後縁部付近の風速分布を示す説明図である。 図4に示した翼が折れ曲がり部を有していない場合の翼での風の流れを示す翼の図5におけるB−B断面図である。 図6の断面図に対応する図であり、翼が折れ曲がり部を有する場合の風の流れを示す翼の断面図である。 本発明の他の実施形態のプロペラファンの正面図である。 図16に示したプロペラファンが有する翼の正面図である。 本発明のさらに他の実施形態のプロペラファンの正面図である。 図18に示したプロペラファンが有する翼の正面図である。 本発明のさらに他の実施形態のプロペラファンの背面図である。 図20におけるE−E断面図である。 図21に示した翼の断面部分の拡大図である。 図22に示した翼が有する第1リブ対応溝の形状を示す説明図である。 図4に示した第1リブが非連続に形成されている場合の例を示す翼の正面図である。 図25の(a)は、測定対象となる第1のプロペラファンの翼、図25の(b)は第2のプロペラファンの翼、図25の(c)は第3のプロペラファンの翼、図25の(d)は第4のプロペラファンの翼、図25の(e)は第5のプロペラファンの翼を示す正面図である。図25の(f)は、図25の(a)の第1の翼(a)〜図25の(e)の第5の翼(e)のいずれか一つの翼を有する、測定対象となる7枚翼のプロペラファンの正面図である。 図25に示した各翼を有する各プロペラファンの下流側2cmの位置での風速の測定結果を示す表である。 図26および図28の結果から求めた各プロペラファンの風量および最大風速を示す表である。 図26の測定結果を表すグラフである。 JISでの風速の測定方法の説明書きを示す図である。 JISでの風量の算出方法の説明書きを示す図である。 図25に示した各翼を有する各プロペラファンの下流側90cmの位置での風速の測定結果を示す表である。 図31および図33の結果から求めた各プロペラファンの風量および最大風速を示す表である。 図31の測定結果を表すグラフである。
〔実施形態1〕
(扇風機1の構成)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて以下に説明する。図1は、本実施形態のプロペラファンを備えた扇風機の一部分解側面図である。
図1に示すように、扇風機(送風装置)1は、前ガード2、後ガード3、本体部4、スタンド5およびプロペラファン10Aを備えている。
本体部4は、スタンド5によって支持されており、内部に図示しない駆動モータが収容されている。本体部4の前面には、駆動モータの回転軸4aが露出して位置しており、この回転軸4aにプロペラファン10Aの回転軸部としてのボスハブ部11(図2等参照)がスクリューキャップ6を用いて固定される。
前ガード2および後ガード3は、本体部4に固定されたプロペラファン10Aを囲うように設けられる。詳細には、後ガード3は、プロペラファン10Aの背面側(負圧面側)を覆うように本体部4に固定されており、前ガード2は、プロペラファン10Aの正面側(正圧面側)を覆うように後ガード3に固定される。
スタンド5は、床面等に扇風機1を載置するために設けられたものであり、本体部4を支持している。また、スタンド5の所定位置には、扇風機1のオン/オフや運転状態の切換え等を行なうための図示しない操作部が設けられている。
なお、本体部4とスタンド5とは、扇風機1が首ふり機能を有することとなるように、本体部4が水平面内および垂直面内において揺動可能となるように連結されていることが好ましい。
また、スタンド5は、扇風機1が高さ調節機能を有することとなるように、鉛直方向に沿って伸縮自在に構成されていることが好ましい。
(プロペラファン10Aの概要)
図2は、プロペラファン10Aを正面側から見た場合の斜視図である。図3は、プロペラファン10Aを背面側から見た場合の斜視図である。図4は、プロペラファン10Aの正面図である。図5は、プロペラファン10Aの背面図である。
図2から図5に示すように、プロペラファン10Aは、上述したボスハブ部11、および複数の翼12Aを有する。ボスハブ部11は、プロペラファン10Aの回転軸部であり、有底略円筒状の形状を有する。複数の翼12Aは、それぞれ、滑らかに曲成された板状であり、ボスハブ部11の周方向に沿って並ぶように、ボスハブ部11の外周面から半径方向外側へ向けて突出した状態に形成されている。
本実施の形態において、プロペラファン10Aは、翼12Aを7枚有する7枚翼のものである。プロペラファン10Aは、例えばAS(acrylonitrile-styrene)樹脂等の合成樹脂により、ボスハブ部11と7枚の翼12Aとが一体的に成形された、例えば射出成形による樹脂成形品にて構成されている。プロペラファン10Aは、あるいは板金などでの成型も可能である。
プロペラファン10Aは、上述した駆動モータに駆動されて、ボスハブ部11の仮想の中心軸25を回転中心として図2に示す矢印A方向に回転する。プロペラファン10Aでは、複数の翼12Aの回転に伴い、プロペラファン10Aの背面側である吸込側からプロペラファン10Aの正面側である噴出側に向けて空気が流れることになり、扇風機1の前方に向けて送風が行なわれる。
プロペラファン10Aは、複数の翼12Aが、回転方向に沿って互いに離間するように等間隔に配置されており、複数の翼12Aのそれぞれが同一の形状を有している。したがって、いずれかの翼12Aを中心軸25を回転中心として回転させた場合には、その翼12Aの形状と別の翼12Aの形状とが合致することになる。
(翼12Aの構成)
次に、プロペラファン10Aの翼12Aの構成について詳細に説明する。複数(7枚)の翼12Aは同様の構成を有するので、ここでは、一つの翼12Aの構成について説明する。
図6は、図5におけるB−B断面図である。図7は、図5におけるC−C断面図である。図8は、図7の断面部分の拡大図である。図9は、翼12Aが有する第1リブ19Aの形状を示す説明図である。
プロペラファン10Aの翼12Aは、図2から図5に示したように、前縁部13、後縁部14、周縁部15および尾状突出部22を含み、半径方向の外側へ向かうにしたがって幅が広くなっている。プロペラファン10Aが回転することにより、翼12Aでは気流が前縁部13から後縁部14へ向かって流れる。したがって、以下では、前縁部13側を上流側とし、後縁部14側を下流側として説明する。
前縁部13は、翼12Aの回転方向の側に位置する端縁部であり、半径方向の中間部分が回転方向とは反対側へ後退するように凹状に湾曲している。後縁部14は、回転方向とは反対側に位置する端縁部であり、半径方向の中間部分が回転方向とは反対側へ後退するように凸状に湾曲している。周縁部15は、前縁部13の先端部と後縁部14の先端部とを結び周方向に形成された端縁部である。尾状突出部22は、後縁部14の半径方向の外側の位置において舌片状に延出した形状であり、後縁部14よりも後方へ突出している。
翼12Aは、軸方向において、前面側が凹状かつ背面側が凸状となるように湾曲している。したがって、翼12Aの前面は正圧面16であり背面は負圧面17である。
(折れ曲がり部18)
翼12Aは、図6に示すように、前縁部13付近に折れ曲がり部18を有する。折れ曲がり部18は、正圧面16側に凸となった折れ目18aおよび折れ目18aから前縁部13側の部分であり、前縁部13に沿って形成されている。なお、折れ曲がり部18は、前縁部13の全長と同等の長さに亘って形成されている構成に限定されず、前縁部13の全長よりも短い長さに形成されていてもよい。
(第1リブ19A)
翼12Aの正圧面16には、第1リブ19A、第2リブ20および第3リブ21が形成されている。第1リブ19Aは、ボスハブ部11の中心を中心としたほぼ円周上に形成され、折れ曲がり部18よりも下流側位置を始端とし、後縁部14に向かって延びている。本実施形態において、第1リブ19Aは2本形成されている。これら2本の第1リブ19Aにおける翼12Aの半径方向の中心位置(ここでは2本の第1リブ19Aの翼12Aの半径方向における中間位置)は、翼12Aの外周側端部(周縁部15)よりも内周側端部に近い位置となっている。すなわち、翼12Aは少なくとも1以上の第1リブ19Aからなる第1リブ19A群を有し、第1リブ19A群の翼12Aの半径方向の中心位置は、翼12Aの外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっている。この点は、以下の他の実施形態の第1リブの構成においても同様である。
第1リブ19Aのサイズは、図9に示すように、中心軸25の方向(以下、軸方向と称する)と垂直な方向の幅が0.6〜1.5mm、軸方向の高さが0.5〜1.5mmとなっている。なお、図8に示した二つの第1リブ19Aは、例えば幅1.0mm、高さ0.8となっている。
また、第1リブ19Aの高さは0.5〜4mmの範囲から適宜選択することが好ましい。この範囲の高さは、翼12Aの正圧面16の表面に形成される気流の境界層よりも高い高さである。この点は、第2リブ20および第3リブ21、並びに後述する第1リブ19A以外の他の第1リブ19においても同様である。
(第2リブ20)
図10は、図5におけるD−D矢視断面図である。図11は、図10に示した折れ曲がり部18付近の断面部分の拡大図である。図12は、翼12Aが有する第2リブ20の形状を示す説明図である。
第2リブ20は、図6に示すように、折れ曲がり部18における正圧面16側の面に前縁部13に沿って形成されている。具体的には、第2リブ20は、折れ曲がり部18の折れ目18aに形成され、折れ目18aとともに翼12Aの半径方向に延びている。
第2リブ20のサイズは、図12に示すように、軸方向と垂直な方向の幅が0.6〜2.0mm、軸方向の高さが0.5〜1.5mmとなっている。なお、図11に示した第2リブ20は、例えば幅2.0mm、高さ1.0となっている。また、第2リブ20は、例えば、頂部がRを有する(頂部が湾曲した)滑らかな凸形状であってもよい。
本実施形態において、第2リブ20は、折れ曲がり部18の折れ目18aに形成しているが、これに限定されず、前縁部13に沿って正圧面16側における折れ曲がり部18に形成されていればよい。
(第3リブ21)
第3リブ21は、尾状突出部22に形成され、下流側端部が上流側端部よりも翼12Aの半径方向の外側に位置している。なお、本実施形態において、第3リブ21は1本のみ形成した場合を示しているが複数本形成されていてもよい。
本実施形態において、第3リブ21のサイズは、軸方向と垂直な方向の幅が0.6〜1.5mm、軸方向の高さが0.5〜1.5mmとなっている。
(隆起部23)
翼12Aは、図4に示すように、正圧面16側への凸状湾曲部である隆起部23を有している。隆起部23では、翼12Aの正圧面側が凸となり負圧面側が凹となり、翼12Aの上流側位置から下流側位置に延在している。詳細には、隆起部23は、前縁部13側から後縁部14側へ稜線が延びた状態であり、緩やかに凸状に湾曲している(凸状湾曲部)。本実施形態において、隆起部23は、最外周側の第1リブ19Aよりも外周側に位置している。すなわち、全ての第1リブ19Aは、隆起部23よりも翼12Aの半径方向の内側に位置している。なお、第1リブ19A群と隆起部23との位置関係は、これに限定されず、第1リブ19A群の翼12Aの半径方向の中心位置が隆起部23よりも内周側に位置していればよい。
(プロペラファン10Aの動作および利点)
上記の構成において、プロペラファン10Aが回転すると、翼12Aの前縁部13から翼12Aの翼面上へ流入した風は、前縁部13から概ね円周方向に流れ、後縁部14から流出する。
(第1リブ19Aによる動作および利点)
翼12Aの翼面上の風の流れは、翼12Aの半径方向内側と外側、および前縁部13側と後縁部14側とでそれぞれ異なる。このような風の流れは、翼面上において交差すると騒音の原因となることがある。しかしながら、プロペラファン10Aの翼12Aでは、第1リブ19Aの周辺の後縁部14から放出される風は、まず正圧面16にて第1リブ19Aに沿って圧力の高い側から低い側へ回り込み、その後、さらに負圧面17側へ回り込むような、ほぼ一義的な流れとなる。
したがって、プロペラファン10Aでは、第1リブ19Aを有することにより、翼12Aの翼面上において風(気流)が交差することによって生じる騒音の発生を抑制することができる。
また、上記のように、正圧面16に例えば中心軸25を中心としたほぼ円周上に第1リブ19Aを形成し、第1リブ19Aによって翼面上において気流同士の衝突を防止できるようにした場合には、第1リブ19Aの形成位置における風速を速くすることができる。この場合、プロペラファン10Aでは、特に、第1リブ19A群の翼12Aの半径方向の中心位置は、翼12Aの外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっている。
したがって、翼12Aの半径方向外側の風速が速い風への影響を抑制しながら、すなわち半径方向外側の速い風速の風の風速が低下する事態を抑制しながら、半径方向内側の風の風速を上昇させることができる。これにより、翼12Aの半径方向外側と半径方向内側との風の風速差が縮小し、したがって、プロペラファン10Aが送り出す風の半径方向外側と半径方向内側との風速差が縮小し、扇風機1のユーザに対して優しい風を送り出すことができる。また、プロペラファン10Aの半径方向外側の風量の変化を抑制しながら、半径方向内側の風量を増加させ、風の到達距離を延長することができる。
また、プロペラファン10Aは、第1リブ19Aを有していることにより強度が高くなる。これにより、薄肉化が可能となり、軽量化および材料コストの削減が可能となっている。この点は、第2リブ20および第3リブ21を有していることによっても同様である。
なお、第1リブ19Aは、折れ曲がり部18の折れ目18aよりも上流側に設けると、翼12Aへの風の流入角度に影響することから、折れ目18aよりも下流側、すなわち翼12Aへの風の流入角度に影響しない箇所から設けるのが好ましい。このような構成により、第1リブ19Aは、翼面上での主流同士の衝突を抑制でき、気流を一層良好に整流可能となる。
(第1リブ19Aにより半径方向内側の風速が上昇することの詳細説明)
図13の(a)は、翼12Aが第1リブ19Aを有していない場合の翼面上の風速分布、および翼12Aが第1リブ19Aを有していない場合の翼12Aの後縁部14付近の風速分布を示す説明図である。図13の(b)は、翼12Aが第1リブ19Aを有している場合の翼面上の風速分布、および翼12Aが第1リブ19Aを有している場合の翼12Aの後縁部14付近の風速分布を示す説明図である。
図13の(a)に示すように、翼12Aが第1リブ19Aを有していない場合、翼12Aの翼面上での風速分布は、半径方向の外側と内側とで風速差(外側:速、内側:遅)が大きくなっている。したがって、翼12Aの下流側での風速分布は、半径方向の外側と内側とで、風速差が若干縮まっているものの、風速差の大きい状態が維持されている。
一方、図13の(b)に示すように、翼12Aが第1リブ19Aを有している場合、内側に風速が速い個所が存在する。したがって、翼12Aの翼面上での風速分布は、図13の(a)の場合と比較して、半径方向の内側の風速が速くなり、半径方向の外側と内側とで風速差が小さくなっている。これにより、翼12Aの下流側での風速分布は、半径方向の外側と内側とで風速差が小さくなり、半径方向の内側でも速い風速を維持できるようになっている。また、最速風速個所が存在するなど、翼12A全体として速い風速を維持することができる。
(折れ曲がり部18による動作および利点)
図14は、折れ曲がり部18が形成されていない場合の翼12Aでの風の流れを示す翼12Aの図5におけるB−B断面図である。図15は、図6の断面図に対応する図であり、折れ曲がり部18を有する場合の風の流れを示す翼12Aの断面図である。なお、図15では、折れ曲がり部18に注目するため、第1リブ19Aおよび第2リブ20を除去した状態を示している。
翼12Aでは、図14および図15に示すように、翼弦24と翼12Aの高さとが決まっている場合、すなわち翼12Aの占有可能な体積が決まっている場合、翼12Aが送り出す風量を増加させるには翼12Aの反りを大きくして翼12Aを高揚力にするのが常套手段である。しかしながら、翼12Aの反りを大きくし過ぎると、逆に効率の低下につながる。
そこで、翼12Aでは、図15に示すように、折れ曲がり部18を形成することにより流入角βを大きくし、折れ曲がり部18を有していない場合(図14の場合)と比較して、翼12Aの揚力を大きくできるようにしている。これにより、翼12Aの翼面上を流れる風の風速を速くすることができ、プロペラファン10Aは、送り出す風の風速を速くすること、すなわち送り出す風の風量を多くすることができる。
なお、折れ曲がり部18は、翼12Aの前縁部13のすぐ下流側、例えば前縁部13から後縁部14側へ10%以内の位置に存在するのが好ましい。すなわち、折れ曲がり部18の折れ目18aでは、図6に示すように、折れ目18aの負圧面17側の凹部において、境界層乱れを発生する可能性がある。そこで、折れ曲がり部18をなるべく前縁部13の近くに設ける。これにより、翼面上を流れる主流が折れ目18aの内部に入り込むことなく、境界層乱れの上を通過するようにでき、折れ曲がり部18によって生じる境界層乱れの範囲を安定的に固定することができる。
(第2リブ20による動作および利点)
翼12Aでは、上記のように、折れ曲がり部18を前縁部13寄りの位置に設けることにより、境界層乱れの範囲を安定的に固定しながら、流入角βを大きくすることができる。しかしながら、単純に折れ曲がり部18の傾斜角度を大きくし過ぎると、何らかのきっかけにて境界層乱れが増大する虞がある。そこで、翼12Aでは、さらに、折れ曲がり部18の正圧面16側に、折れ目18aに沿って第2リブ20を形成することにより、折れ曲がり部18の傾斜角度の増大を抑制しながら、流入角βを大きくできるようにしている。これにより、翼12Aの翼面上を流れる風の風速を速くすることができ、プロペラファン10Aは、送り出す風の風速を速くすること、すなわち送り出す風の風量を多くすることができる。
(折れ曲がり部18および第1リブ19Aを有することによる動作および利点)
翼12Aは、折れ曲がり部18を有すること、すなわち風速が速くなる断面形状を有することにより、翼12Aの翼面上を流れる風の風速を速くすることができる。また、翼12Aは、第1リブ19Aを有することにより、翼面上において風が交差することによって生じる騒音の発生を抑制し、かつ半径方向内側の風速を速くして、半径方向の外側と内側との風速差を縮小することができる。これにより、翼12Aを有するプロペラファン10Aは、騒音の発生を抑制しながら、半径方向の外側および内側において速い風速にて風を送出できるようになっている。
(尾状突出部22および第3リブ21による動作および利点)
翼12Aは、尾状突出部22を有することにより、尾状突出部22を有していない場合に成り行き的に下流側に押し流されていた風の流れを転向させて、半径方向外側により大きく拡散することができる。すなわち、尾状突出部22は、翼端渦を制御し、翼端渦を半径方向外側へ強力に放出することができ、これにより、風を半径方向外側へ拡散することができる。
また、尾状突出部22に形成されている第3リブ21は、下流側端部が上流側端部よりも翼12Aの半径方向の外側に位置する。したがって、尾状突出部22の翼面上を流れる風は、第3リブ21に沿うことにより、風速が速くなりかつ流れる方向が規定される。
これにより、プロペラファン10Aは、翼12Aが尾状突出部22および第3リブ21を有することにより、半径方向外側への送風の範囲が広くなり、かつ半径方向外側での風の初速が速くなり、風の到達距離を延ばすことができる。
(隆起部23による動作および利点)
翼12Aでは、正圧面16側へ凸状となる隆起部23を有していることにより、翼面の表層における隆起部23の近傍に、馬蹄渦および翼先端渦を保持させ、翼面の表層から馬蹄渦および翼先端渦が剥離してしまうことを抑制することができる。
また、隆起部23が存在する領域の近傍では、主流は、半径方向外側から半径方向内側へ向かう流れとなり、隆起部23の半径方向内側と半径方向外側とに分離される。この場合、隆起部23よりも半径方向内側の風速は、隆起部23よりも半径方向外側の風速と比較して遅くなる。このため、翼12Aの半径方向における吹出し風速分布は、半径方向内側部分の風速の遅さが顕著になる。そこで、翼12Aには、前述のように第1リブ19Aを設けることにより、後述のように翼12Aの半径方向内側と外側との風速差を緩和している。これにより、翼12A(プロペラファン10A)全体として風の到達距離を延長することができる。
(プロペラファン10Aの製造)
本実施形態において、プロペラファン10Aは樹脂成形品であり、この場合、プロペラファン10Aは、射出成形用の成形用金型を使用して形成することができる。プロペラファン10Aの材料には、前述したように例えばAS樹脂を使用することができ、また、ガラス繊維入りAS樹脂のような強度を増加させた合成樹脂を用いてもよい。
一般に、プロペラファンとして、材料に金属を用い、プレス加工による絞り成形により一体に形成するものがある。これらの成形は、厚い金属板では絞りが困難であり、質量も重くなるため、一般的には薄い金属板が用いられる。この場合、大きなプロペラファンでは、強度(剛性)を保つことが困難である。これに対して、翼部分より厚い金属板で形成したスパイダーと呼ばれる部品を用い、翼部分を回転軸に固定するものがあるが、質量が重くなり、ファンバランスも悪くなるという問題がある。また、一般的には、薄く、一定の厚みを有する金属板が用いられるため、翼の断面形状を翼型にすることができないという問題がある。
これに対し、本実施の形態の如く、プロペラファン10Aを樹脂にて成形することにより、これらの問題を一括して解決することができる。
なお、プロペラファン10Aが固定される上述した駆動モータに直流モータが使用される場合には、直流モータ特有のコッキング音対策としてさらなる騒音の低減を図るため、回転軸4aを挿し込むために設けられるボスハブ部11の軸孔に、円筒状のゴムボスをインサート成形してもよい。その場合、プロペラファン10Aの負圧面17側の表面を成形する金型に、インサート部品としてのゴムボスを射出成形に先立って設置することとしておけばよい。
また、本実施形態では、プロペラファン10Aを送風装置としての扇風機1に適用した場合について説明した。しかしながら、本実施形態のプロペラファン10Aの構成は、サーキュレータやその他の風を送る装置である送風装置に対しても同様に適用可能である。この点は、以下の他の実施形態のプロペラファン10Aについても同様である。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(翼12Bの構成)
図16は、本実施形態のプロペラファン10Aの正面図である。図17は、図16に示したプロペラファン10Aが有する翼12Bの正面図である。なお、図17および図16では、簡素化のために、折れ曲がり部18および第2リブ20の記載を省略している。
本実施形態のプロペラファン10Aは、前記翼12Aに代えて図17に示す翼12Bを有している。翼12Bは、翼12Aの第1リブ19Aに代えて、第1リブ19Bを有している。第1リブ19Bは、第1リブ19Aと同様、例えば2本形成されている。翼12Bは、第1リブ19Bの他、前記翼12Aが有していた折れ曲がり部18、第2リブ20、第3リブ21および隆起部23を有している。すなわち、翼12Bは、第1リブ19Bを除いて、翼12Aと同様の構成である。
前記第1リブ19Aは、折れ曲がり部18よりも下流側位置を始端とし、後縁部14に向かって延びており、ボスハブ部11の中心を中心としたほぼ円周上に形成されていた。一方、第1リブ19Bは、第1リブ19Aと同様、折れ曲がり部18よりも下流側位置を始端とし、後縁部14に向かって延びている。しかしながら、第1リブ19Bは、下流側端部(後縁部14側の端部)が上流側端部(前縁部13側の端部)よりも、翼12Bの半径方向の内側に位置している。
(第1リブ19Bによる動作および利点)
第1リブ19Bは、下流側端部が上流側端部よりも翼12Bの半径方向の内側に位置しているので、第1リブ19Aの場合よりも、翼12Bの半径方向外側に流れようとする主流を整流して押し出す効果が強く働き、半径方向内側の風(図17の特に丸で囲んだ領域)の速度をより速くすることができる。なお、第1リブ19Bによって、半径方向外側に流れようとする風を整流するとき、遠心力は半径方向外側において強くなるので、2本の第1リブ19Bのうち、半径方向外側の第1リブ19Bの高さや幅を相対的に大きくすると、整流効果をより高めることができる。
翼12Bが第1リブ19Bを有することによるその他の動作および利点は、翼12Aが第1リブ19Aを有することによる動作および利点と同様である。さらに、翼12Bが折れ曲がり部18、第2リブ20、第3リブ21および隆起部23を有していることによる各動作および各利点は、第1リブ19Aの場合と同様である。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(翼12Cの構成)
図18は、本実施形態のプロペラファン10Aの正面図である。図19は、図18に示したプロペラファン10Aが有する翼12Cの正面図である。なお、図18および図19では、簡素化のために、折れ曲がり部18および第2リブ20の記載を省略している。
翼12Cは、翼12Aの第1リブ19Aに代えて、図19に示す第1リブ19Cを有している。第1リブ19Cは、第1リブ19Aと同様、例えば2本形成されている。翼12Cは、第1リブ19Cの他、前記翼12Aが有していた折れ曲がり部18、第2リブ20、第3リブ21および隆起部23を有している。すなわち、翼12Cは、第1リブ19Cを除いて、翼12Aと同様の構成である。
前記第1リブ19Aは、折れ曲がり部18よりも下流側位置を始端とし、後縁部14に向かって延びており、ボスハブ部11の中心を中心としたほぼ円周上に形成されていた。一方、第1リブ19Cは、第1リブ19Aと同様、折れ曲がり部18よりも下流側位置を始端とし、後縁部14に向かって延びている。しかしながら、第1リブ19Cは、翼12Cの半径方向外側の第1リブ19Cと翼12Cの半径方向内側の第1リブ19Cとで方向が異なっている。
具体的には、半径方向外側の第1リブ19Cは、下流側端部(後縁部14側の端部)が上流側端部(前縁部13側の端部)よりも翼12Cの半径方向の内側に位置し、半径方向内側の第1リブ19Cは、下流側端部(後縁部14側の端部)が上流側端部(前縁部13側の端部)よりも翼12Cの半径方向の外側に位置している。
(第1リブ19Cによる動作および利点)
第1リブ19は、第1リブ19Aまたは第1リブ19Bのような構成に限定されず、第1リブ19Cのような構成であってもよい。翼12Cは、第1リブ19Cを有することにより、翼12Aが第1リブ19Aを有することによる動作および利点とほぼ同様の動作および利点を有する。また、翼12Cが折れ曲がり部18、第2リブ20、第3リブ21および隆起部23を有していることによる各動作および各利点は、第1リブ19Aの場合と同様である。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
(翼12Dの構成)
図20は、本実施形態のプロペラファン10Aの背面図である。図21は、図20におけるE−E断面図である。図22は、図21の断面部分の拡大図である。図23は、翼12Dが有する第1リブ対応溝31の形状を示す説明図である。
本実施形態のプロペラファン10Aは、前記翼12Aに代えて図20に示す翼12Dを有している。翼12Dは、負圧面17に、第1リブ対応溝(凹部)31、第2リブ対応溝(凹部)32および第3リブ対応溝(凹部)33を有している。第1リブ対応溝31は、図21および図22に示すように、正圧面16の第1リブ19Aの位置に対応する負圧面17の位置に形成されている。同様に、第2リブ対応溝32は、正圧面16の第2リブ20の位置に対応する負圧面17の位置に形成され、第3リブ対応溝33は、正圧面16の第3リブ21の位置に対応する負圧面17の位置に形成されている。第1リブ対応溝31、第2リブ対応溝32および第3リブ対応溝33は、それぞれ、第1リブ19A、第2リブ20および第3リブ21の形状に対応した形状を有している。
なお、翼12Dは、第1〜第3リブ対応溝31〜33を有している構成に限定されず、少なくとも第1リブ対応溝31を有していればよい。また、翼12Dは、第1リブ19Aに代えて、第1リブ19Bあるいは第1リブ19Cを有していてもよい。
第1リブ対応溝31のサイズは、図23に示すように、図9に示した第1リブ19Aと同様、中心軸25の方向(以下、軸方向と称する)と垂直な方向の幅が0.6〜1.5mm、軸方向の高さが0.5〜1.5mmとなっている。なお、図20に示した二つの第1リブ19Aおよび二つの第1リブ対応溝31は、例えば幅1.0mm、高さ0.8となっている。同様に、第2リブ対応溝32および第3リブ対応溝33についても、それぞれ、第2リブ20および第3リブ21と対応した形状となっている。
(翼12Dの利点)
翼12Dは、正圧面16の第1リブ19A、第2リブ20および第3リブ21の位置に対応する負圧面17の位置に第1リブ対応溝31、第2リブ対応溝32および第3リブ対応溝33を有しているので、第1リブ19A、第2リブ20および第3リブ21の形成位置の肉厚が増大することがない。これにより、翼12Dは、金型を使用した樹脂成形が容易であり、かつ使用する樹脂材料を削減することができる。
(第1〜第3リブの変形例)
図24は、図4に示した第1リブ19Aが非連続に形成されている場合の例を示す翼12Aの正面図である。以上の実施形態において、例えば第1リブ19Aは、必ずしも連続している必要はなく、図24に示すように、途切れて非連続に形成されていてもよい。この点は、他の第1リブ19B,19C、第2リブ20および第3リブ21についても同様である。
(各翼を有するプロペラファンの風速の測定結果)
次に、各翼を有するプロペラファンの風速の測定結果について説明する。ここでは、図25に示す第1の翼(a)〜第5の翼(e)の各翼を有する第1〜第5のプロペラファンについて測定した。なお、以下では簡略化のため、これらプロペラファンを単に、翼(a)プロペラファン、翼(b)プロペラファン、翼(c)プロペラファン、翼(d)プロペラファンおよび翼(e)プロペラファンと称する。
図25の(a)は第1の翼(a)、図25の(b)は第2の翼(b)、図25の(c)は第3の翼(c)、図25の(d)は第4の翼(d)、図25の(e)は第5の翼(e)を示す正面図である。図25の(f)は、図25の(a)の第1の翼(a)〜図25の(e)の第5の翼(e)のいずれか一つの翼を有する、測定対象となる7枚翼のプロペラファンの正面図である。
第1の翼(a)は、第1リブ19A〜19C、第2リブ20、第3リブ21および折れ曲がり部18を有していない翼である。第2の翼(b)は、折れ曲がり部18のみを有し、第1リブ19A〜19C、第2リブ20、第3リブ21およびを有していない翼である。第3の翼(c)は、2本の第1リブ19Bおよび1本の第3リブ21のみを有し、第2リブ20および折れ曲がり部18を有していない翼である。第4の翼(d)は、2本の第1リブ19Cおよび1本の第3リブ21のみを有し、第2リブ20および折れ曲がり部18を有していない翼である。第5の翼(e)は、2本の第1リブ19Bおよび1本の第3リブ21のみを有し、第2リブ20および折れ曲がり部18を有していない翼である。なお、第3の翼(c)および第5の翼(e)の第1リブ19B群(2本の第1リブ19B)、並びに第4の翼(d)の第1リブ19C群(2本の第1リブ19C)の翼の半径方向の中心位置は、翼の外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっている。
(測定結果1)
図26は、図25に示した各翼を有する各プロペラファンの下流側2cmの位置での風速の測定結果を示す表である。図27は、図26の結果から求めた各プロペラファンの風量および最大風速を示す表である。図28は、図26の測定結果を表すグラフである。
第1〜第5のプロペラファン(翼(a)プロペラファン〜翼(e)プロペラファン)について、プロペラファンの下流側2cmの位置にて、プロペラファンの中心からプロペラファンの軸方向と垂直な方向へ測定点を移動しながら、向って半径方向の右側(+側)および向かって半径方向の左側(−側)の風速を5cm間隔にて測定した。各位置での測定は1秒おきに1分間(60点)行い、測定結果はそれら60点の平均とした。これにより、図26および図28に示す測定結果を得た。
また、図26および図28の結果から、各プロペラファンの風量および最大風速について図27に示す結果を得た。風量は、JIS方式(JISC9601)に則り、リング状面積を掛けた総和で算出した。
なお、JISでは、風速の測定方法について図29のように規定され、風量の算出方法について図30のように規定されている。
(測定結果1についての考察)
翼(c)プロペラファンおよび翼(e)プロペラファンは、第1リブ19B群(2本の第1リブ19B)の翼の半径方向の中心位置が翼の外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっている。同様に、翼(d)プロペラファンは、第1リブ19C群(2本の第1リブ19C)の翼の半径方向の中心位置が翼の外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっている。図28の結果より、翼(c)プロペラファンおよび翼(e)プロペラファン、並びに翼(d)プロペラファンの半径方向の内周側部分の風速は、翼(a)プロペラファンの半径方向の内周側部分の風速よりも速くなっていることが分かる。
また、図27の結果より、翼(b)プロペラファンおよび翼(c)プロペラファンでは、翼(a)プロペラファンと比較して、風量および最大風速が増加していることが分かる。
さらに、翼(d)プロペラファンおよび翼(e)プロペラファンでは、前縁部13の折れ曲がり部18(翼(b))と、第1リブ19C(翼(c))または第1リブ19Bとの足し合わせの効果により、翼(a)プロペラファン、並びに翼(b)プロペラファンおよび翼(c)プロペラファンと比較して、風量および最大風速が大幅に増加していることが分かる。例えば、翼(c)プロペラファンと翼(e)プロペラファンとの違いは、折れ曲がり部18の有無のみである。しかしながら、翼(e)プロペラファンの翼(a)プロペラファンに対する風量の増加率は、翼(b)プロペラファンの風量増加率と翼(c)プロペラファンの風量増加率との単なる加算値(4.2%+2.0%=6.2%)ではなく、11.6%となり、大幅に増加している。これは、最大風速についても同様である。
(測定結果2)
図31は、図25に示した各翼を有する各プロペラファンの下流側90cmの位置での風速の測定結果を示す表である。図32は、図31の結果から求めた各プロペラファンの風量および最大風速を示す表である。図33は、図31の測定結果を表すグラフである。
第1〜第5のプロペラファン(翼(a)プロペラファン〜翼(e)プロペラファン)について、プロペラファンの下流側90cmの位置にて、プロペラファンの中心からプロペラファンの軸方向と垂直な方向へ測定点を移動しながら、向って半径方向の右側(+側)および向かって半径方向の左側(−側)の風速を5cm間隔にて測定した。各位置での測定は1秒おきに1分間(60点)行い、測定結果はそれら60点の平均とした。これにより、図31および図33に示す測定結果を得た。また、図31および図33の結果から、各プロペラファンの風量および最大風速について図32に示す結果を得た。
なお、図31において、距離(cm)は、プロペラファンの中心からプロペラファンの半径方向外側の計測点までの距離を示している。係数(K)は、上記リング状面積である。+Vn(1min)は、プロペラファンの中心から向って半径方向の右側(+側)の測定点の1分間または2分間の風速である。−Vn(1min)は、プロペラファンの中心から向って半径方向の左側(−側)の測定点の1分間または2分間の風速である。Qnは、各リング状部分(内側から順番のリング状部分)の風量である。
(測定結果2についての考察)
翼(c)プロペラファンおよび翼(e)プロペラファン、並びに翼(d)プロペラファンの半径方向の内周側部分の風速と、翼(b)プロペラファンおよび翼(c)プロペラファンの風量および最大風速と、翼(d)プロペラファンおよび翼(e)プロペラファンの風量および最大風速とについて、測定結果2についての考察の結果は、測定結果1についての考察の結果と同様となった。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るプロペラファンは、回転軸部と、前記回転軸部からそれぞれ外方へ向かって形成され、回転方向側の前縁部、回転方向側とは反対側の後縁部、および前記前縁部の先端部と前記後縁部の先端部と結び周方向に形成された周縁部を含む翼とを備えているプロペラファンであって、前記翼は、上流側である前記前縁部側から下流側である前記後縁部側へ延びる1以上の第1リブからなる第1リブ群を正圧面に有し、前記第1リブ群の前記翼の半径方向の中心位置は、前記翼の外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっている。
本発明の態様2に係るプロペラファンは、上記態様1において、前記第1リブは、下流側端部が上流側端部よりも前記翼の半径方向の内側に位置している構成としてもよい。
本発明の態様3に係るプロペラファンは、上記態様1または2において、前記翼は、前記前縁部に沿った少なくとも一部の領域に、前記前縁部から前記後縁部方向へ所定幅を有し、折れ目が正圧面側に凸となる折れ曲がり部を有し、前記第1リブは、前記折れ曲がり部よりも下流側の位置を始端として前記後縁部側へ延びている構成としてもよい。
本発明の態様4に係るプロペラファンは、上記態様3において、前記翼は、前記折れ曲がり部における正圧面側の面に、前記前縁部に沿って形成されている第2リブを有している構成としてもよい。
本発明の態様5に係るプロペラファンは、上記態様1から4のいずれか1態様において、前記翼は、前記前縁部方向とは反対方向へ舌片状に延出した尾状突出部を前記後縁部に有し、前記尾状突出部の表面には前記尾状突出部の延出方向へ延びる第3リブが形成されている構成としてもよい。
本発明の態様6に係るプロペラファンは、上記態様1から5のいずれか1態様において、前記翼は、正圧面側が凸となり負圧面側が凹となる凸状湾曲部である隆起部を有し、前記第1リブ群の前記中心位置は、前記隆起部よりも前記翼の半径方向の内周側に位置している構成としてもよい。
本発明の態様7に係るプロペラファンは、上記態様1から6のいずれか1態様において、前記翼は、正圧面の前記第1リブの位置に対応する負圧面の位置に、前記第1リブの形状に対応した形状の凹部を有している構成としてもよい。
本発明の態様8に係る送風装置は、上記態様1から7のいずれか1態様のプロペラファンを備えている。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 扇風機(送風装置)
10A プロペラファン
11 ボスハブ部
12A〜12D 翼
13 前縁部
14 後縁部
15 周縁部
16 正圧面
17 負圧面
18 折れ曲がり部
18a 折れ目
19A〜19C 第1リブ
20 第2リブ
21 第3リブ
22 尾状突出部
23 隆起部
24 翼弦
25 中心軸
31 第1リブ対応溝(凹部)
32 第2リブ対応溝(凹部)
33 第3リブ対応溝(凹部)

Claims (7)

  1. 回転軸部と、
    前記回転軸部からそれぞれ外方へ向かって形成され、回転方向側の前縁部、回転方向側とは反対側の後縁部、および前記前縁部の先端部
    と前記後縁部の先端部と結び周方向に形成された周縁部を含む翼とを備えているプロペラファンであって、
    前記翼は、上流側である前記前縁部側から下流側である前記後縁部側へ延びる1以上の第1リブからなる第1リブ群を正圧面に有し、前
    記第1リブ群の前記翼の半径方向の中心位置は、前記翼の外周側端部よりも内周側端部に近い位置となっており、
    前記翼は、前記前縁部方向とは反対方向へ舌片状に延出した尾状突出部を前記後縁部に有し、前記尾状突出部の表面には前記尾状突出部の延出方向へ延びる第3リブが形成されていることを特徴とするプロペラファン。
  2. 前記第1リブは、下流側端部が上流側端部よりも前記翼の半径方向の内側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のプロペラファン。
  3. 前記翼は、前記前縁部に沿った少なくとも一部の領域に、前記前縁部から前記後縁部方向へ所定幅を有し、折れ目が正圧面側に凸となる折れ曲がり部を有し、
    前記第1リブは、前記折れ曲がり部よりも下流側の位置を始端として前記後縁部側へ延びていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロペラファン。
  4. 前記翼は、前記折れ曲がり部における正圧面側の面に、前記前縁部に沿って形成されている第2リブを有していることを特徴とする請求項3に記載のプロペラファン。
  5. 前記翼は、正圧面側が凸となり負圧面側が凹となる凸状湾曲部である隆起部を有し、
    前記第1リブ群の前記中心位置は、前記隆起部よりも前記翼の半径方向の内周側に位置していることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のプロペラファン。
  6. 前記翼は、正圧面の前記第1リブの位置に対応する負圧面の位置に、前記第1リブの形状に対応した形状の凹部を有していることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のプロペラファン。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載のプロペラファンを備えていることを特徴とする送風装置。
JP2020535690A 2018-08-06 2019-07-31 プロペラファンおよび送風装置 Active JP6980921B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018147954 2018-08-06
JP2018147954 2018-08-06
PCT/JP2019/029973 WO2020031800A1 (ja) 2018-08-06 2019-07-31 プロペラファンおよび送風装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020031800A1 JPWO2020031800A1 (ja) 2021-08-02
JP6980921B2 true JP6980921B2 (ja) 2021-12-15

Family

ID=69414152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020535690A Active JP6980921B2 (ja) 2018-08-06 2019-07-31 プロペラファンおよび送風装置

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP6980921B2 (ja)
CN (1) CN112513471A (ja)
TW (1) TWI825141B (ja)
WO (1) WO2020031800A1 (ja)

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55137293U (ja) * 1979-03-20 1980-09-30
JPS55137297U (ja) * 1979-03-23 1980-09-30
JPS57202797U (ja) * 1981-06-18 1982-12-23
JPS6049292U (ja) * 1983-09-14 1985-04-06 カルソニックカンセイ株式会社 モ−タフアン
JP3337530B2 (ja) * 1993-09-10 2002-10-21 東芝キヤリア株式会社 軸流ファンのブレード
JP3203994B2 (ja) * 1994-10-31 2001-09-04 三菱電機株式会社 軸流送風機
JP4243105B2 (ja) * 2003-01-10 2009-03-25 パナソニックエコシステムズ株式会社 羽根車
JP2004317065A (ja) * 2003-04-18 2004-11-11 Hitachi Home & Life Solutions Inc 空気調和機
JP4689262B2 (ja) * 2004-12-21 2011-05-25 東芝キヤリア株式会社 軸流ファン、空気調和機の室外機
JP6303461B2 (ja) * 2013-12-06 2018-04-04 日本電産株式会社 インペラ、および、送風機
JP6141247B2 (ja) * 2014-10-03 2017-06-07 シャープ株式会社 プロペラファン、流体送り装置および成形用金型
JP6373414B2 (ja) * 2015-01-20 2018-08-15 シャープ株式会社 プロペラファン、流体送り装置および成形用金型
CN109477495B (zh) * 2016-07-27 2020-10-30 夏普株式会社 螺旋桨式风扇及流体输送装置

Also Published As

Publication number Publication date
TWI825141B (zh) 2023-12-11
CN112513471A (zh) 2021-03-16
JPWO2020031800A1 (ja) 2021-08-02
WO2020031800A1 (ja) 2020-02-13
TW202007870A (zh) 2020-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4798640B2 (ja) プロペラファン、成型用金型および流体送り装置
EP2730787B1 (en) Centrifugal fan and air conditioner using the same
JP2015034503A (ja) 軸流ファン、及び、その軸流ファンを有する空気調和機
JP6154990B2 (ja) 扇風機用プロペラファンおよびこれを備えた扇風機ならびに扇風機用プロペラファンの成形用金型
JP6493682B2 (ja) 遠心ファン
JP2010121615A (ja) 直列式軸流ファン
JP2006233886A (ja) プロペラファン
JP6604981B2 (ja) 軸流送風機の羽根車、及び軸流送風機
WO2018123519A1 (ja) プロペラファン
JP2019019762A (ja) 送風装置
JP5631353B2 (ja) プロペラファン、流体送り装置および成形用金型
CN102022349A (zh) 鼓风扇和使用该鼓风扇的鼓风机
JP6373414B2 (ja) プロペラファン、流体送り装置および成形用金型
JP2012107538A (ja) 軸流ファンまたは斜流ファンおよびこれを有する室外ユニットを搭載した空気調和機
JP6980921B2 (ja) プロペラファンおよび送風装置
JPWO2019035153A1 (ja) 羽根車、送風機、及び空気調和装置
JP2004011423A (ja) 送風部の気流制御構造
JP6951428B2 (ja) 遠心ファン、成型用金型および流体送り装置
JP2013160137A (ja) 扇風機
JP6414268B2 (ja) プロペラファン
JP2001032794A (ja) 遠心ファン
JP6048024B2 (ja) プロペラファン
KR20120023319A (ko) 공기조화기용 터보팬
JP2014025426A (ja) 送風装置
KR20040026882A (ko) 축류팬

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210727

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211019

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211117

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6980921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150