JP6979841B2 - 板状建築物 - Google Patents

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Description

本発明は、階層構造の各階で複数の専有部分が桁行方向に並べられる板状建築物に関する。
従来から、柱梁架構を有する構造物において、構造設計の自由度を高めることを目的として、特許文献1、2に開示される構造物が提案されている。また、居住空間内に柱や梁が突出しない利点を備えつつ、戸境壁の長さを限定させないことを目的として、特許文献3に開示される集合住宅の架構構造が提案されている。
特許文献1に開示される構造物は、第1柱梁架構と、前記第1柱梁架構に隣接配置され、構面の延長面が前記第1柱梁架構の構面と交差するように配置された第2柱梁架構とを備え、前記第2柱梁架構の面外方向の力が前記第1柱梁架構の面内方向へ伝達されるように前記第1柱梁架構と前記第2柱梁架構とを床版だけで連結したことを特徴とする。
特許文献2に開示される構造物は、第1柱梁架構と、前記第1柱梁架構に隣接配置され、構面の延長面が前記第1柱梁架構の構面と交差するように配置された第2柱梁架構と、前記第1柱梁架構に設けられ、形鋼と該形鋼のウェブを覆うコンクリートとを有する梁とを備え、前記第2柱梁架構の面外方向の力が前記第1柱梁架構の面内方向へ伝達されるように前記第1柱梁架構と前記第2柱梁架構とをコンクリート製の床版で連結し、前記床版は、前記形鋼のウェブを覆うコンクリートと一体に形成されていることを特徴とする。
特許文献3に開示される集合住宅の架構構造は、各階に複数の住戸が並設されて成る集合住宅において、H形鋼を鉄骨とする鉄骨コンクリート構造材から成る柱及び梁にて構成した架構を、集合住宅の平面視長手方向両外周面に対峙した状態に立設し、前記対峙して配置される柱間に、住戸同士の戸境に沿って複数の間柱を立設するとともに、間柱間及び間柱と柱との間に小梁を連設し、各階の梁及び小梁にて形成される略水平面にスラブ床を形成し、小梁をスラブ床内に埋設することを特徴とする。
特開2012−144862号公報 特開2012−144863号公報 特開2006−37649号公報
建築物での構造耐力を十分に確保するためには、一般的に、建築物の梁間方向において専有部分の両側に桁行方向の鉄筋コンクリート梁を配置する必要がある。このため、専有部分からバルコニーに出入りするための開口部、又は通路から専有部分に出入りするための出入口等に、専有部分の両側の鉄筋コンクリート梁が配置されるものとなる。このとき、鉄筋コンクリート梁が配置された開口部又は出入口では、十分な開口高さを確保し難く、また、専有部分に梁型が形成されて居住性が低下するという問題点があった。
ここで、特許文献1に開示される構造物は、構造設計の自由度を高めるため、第1柱梁架構と複数の第2柱梁架構とを床版だけで連結するものであるが、全ての第2柱梁架構と第1柱梁架構とが梁部材で連結されてはいない。また、特許文献2に開示される構造物は、第1柱梁架構と第2柱梁架構とを連結する床版のコンクリートが、第1柱梁架構の梁として設けられた形鋼のウェブの全体を両側から覆うように一体に形成されている。
そして、特許文献3に開示される集合住宅の架構構造は、集合住宅の長手方向両外周面に対峙して配置される架構の柱間に、住戸同士の戸境に沿って複数の間柱を立設するものである。このとき、特許文献3に開示される集合住宅の架構構造は、複数の間柱間に連設される小梁と、架構の柱と間柱との間に連設される小梁とで、互いに同一の形状、寸法のものが用いられるだけでなく、これら小梁の全体がスラブ床内に埋設されるものとなる。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、専有部分とともに共用部分の有効空間を広くして付加価値を高めながら、1棟で供給できる専有部分の数量を著しく増大させた板状建築物を提供することにある。
第1発明に係る板状建築物は、階層構造の各階で複数の専有部分が桁行方向に並べられる板状建築物であって、建築物内部に設けられる内架構と、建築物外周部に沿って設けられる外架構とを備え、前記内架構は、梁間方向に延びる梁間大梁と、高さ方向に延びる複数の壁柱とを有し、前記梁間大梁が複数の前記壁柱に架設されて、前記外架構は、桁行方向に延びる桁行大梁と、高さ方向に延びる複数の外柱とを有し、前記桁行大梁が複数の前記外柱に架設されて、前記内架構及び前記外架構は、前記梁間大梁が前記壁柱と前記外柱との間に架設されることなく、建築物の荷重を負担させる構造材が前記梁間大梁又は前記壁柱と前記外柱とに架設されることで、前記内架構と前記外架構とが互いに連結され、前記構造材は、建築物の共用部分に設けられる床スラブと、前記床スラブの荷重を負担させる梁部材とを有し、前記床スラブが前記外架構の前記桁行大梁に接続されるとともに、前記梁部材が前記外架構の前記外柱に接合されることを特徴とする。
第2発明に係る板状建築物は、第1発明において、建築物内部に設けられる複数の前記内架構を備え、複数の前記内架構は、各々の前記梁間大梁が前記壁柱と前記外架構の前記外柱との間に架設されることなく、前記構造材が各々の前記梁間大梁又は前記壁柱と前記外架構の前記外柱とに架設されることで、全ての前記内架構が前記外架構と互いに連結されることを特徴とする。
発明に係る板状建築物は、第発明又は第2発明において、前記梁部材は、前記梁間大梁よりも小さい梁成とし、前記床スラブの荷重を負担させるとともに、建築物に作用する水平荷重を負担させるものであることを特徴とする。
発明に係る板状建築物は、第発明〜第3発明の何れかにおいて、前記床スラブは、スタッド、鉄筋又はコンクリートの少なくとも何れかを介して、前記外架構の前記桁行大梁に接続されることを特徴とする。
発明に係る板状建築物は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記内架構は、鉄骨梁、鉄筋コンクリート梁又は鉄骨鉄筋コンクリート梁の少なくとも何れかが前記梁間大梁として用いられて、鉄骨柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄骨鉄筋コンクリート柱の少なくとも何れかが前記壁柱として用いられることを特徴とする。
発明に係る板状建築物は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記外架構は、鉄骨梁、鉄筋コンクリート梁又は鉄骨鉄筋コンクリート梁の少なくとも何れかが前記桁行大梁として用いられて、鉄骨鉄筋コンクリート柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄骨柱の少なくとも何れかが前記外柱として用いられることを特徴とする。
発明に係る板状建築物は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記内架構は、前記梁間大梁が前記壁柱に剛接合又は半剛接合で接合されて、前記外架構は、前記桁行大梁が前記外柱に剛接合又は半剛接合で接合されることを特徴とする。
発明に係る板状建築物は、第1発明〜第発明の何れかにおいて、前記内架構及び前記外架構は、前記梁間大梁が前記壁柱と前記外柱とに架設されることなく、前記内架構と前記外架構とが互いに独立した構造形式として連結されることを特徴とする。
第1発明〜第発明によれば、内架構の梁間大梁が、壁柱と外柱とに架設されないため、通路又はバルコニーとなる共用部分に設けられないものとなって、共用部分の通路又はバルコニーが梁間大梁で塞がれることなく、また、通路又はバルコニーの足元に梁間大梁による段差を形成させないことが可能となる。
第1発明〜第発明によれば、外架構の桁行大梁が各階の下部に配置されることで、各階の上方から桁行大梁が垂れ壁のように設けられないものとなって、共用部分となる通路又はバルコニーの手摺壁等の壁体の内部に桁行大梁を設けることができるため、住戸等の利用者等の視界を遮ることなく、桁行大梁を複数の外柱に架設することが可能となる。
第1発明〜第発明によれば、下階の梁間大梁と上階の梁間大梁とが壁柱で互いに連結されて、板状建築物の梁間方向に作用する水平荷重を壁柱に負担させることで、板状建築物に要求される梁間方向の水平耐力を十分に確保することが可能となる。また、板状建築物の桁行方向に作用する水平荷重を外柱に負担させることで、板状建築物に要求される桁行方向の水平耐力を十分に確保することが可能となる。
第1発明〜第発明によれば、内架構の梁間大梁が共用部分となる通路又はバルコニーに設けられないため、各階の階高を高くしなくても、共用部分が梁間大梁で塞がれないとともに共用部分の足元に段差を形成させないものとなり、また、住戸等の利用者等の視界が遮られないものとしながら出入口及び開口部で十分な開口高さを確保して、同一の全体高さの範囲内で階層を増大させることで、1棟の板状建築物で供給することのできる専有部分の数量を著しく増大させることが可能となる。
第1発明〜第発明によれば、梁間大梁及び桁行大梁が専有部分に設けられないため、各々の専有部分に梁間大梁及び桁行大梁の梁型を形成させないものとなって、専有部分の室内空間が広く確保されて、各々の専有部分の機能性や美観性を向上させることで、マンション、ホテル又は病院等の板状建築物の付加価値を高めることが可能となる。
発明〜第発明によれば、共用部分となる通路又はバルコニーで、梁間大梁の設置を省略して、CT形鋼等の梁部材のみを設置することが可能となる。このとき、梁部材の梁成が梁間大梁の梁成よりも小さいため、共用部分となる通路又はバルコニーが梁部材で塞がれることなく、また、共用部分の足元に梁部材による段差を形成させないものとし、共用部分での円滑な通行を実現することが可能となる。
特に、第発明によれば、梁間大梁が壁柱と外柱とに架設されることなく、内架構と外架構とが互いに独立した構造形式として構造材で連結されて、梁間大梁及び壁柱で形成された内架構で梁間方向の水平耐力を確保し、桁行大梁及び外柱で形成された外架構で桁行方向の水平耐力を確保することで、共用部分となる通路又はバルコニーで、大梁の設置を省略することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の一部を示す斜視図である。 本発明を適用した板状建築物で共用部分として通路及びバルコニーが設けられた各階を示す平面図である。 本発明を適用した板状建築物で共用部分として通路のみが設けられた各階を示す平面図である。 本発明を適用した板状建築物で共用部分として通路及びバルコニーが設けられた各階を示す側面図である。 本発明を適用した板状建築物で共用部分として通路のみが設けられた各階を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物でバルコニー側の桁行大梁を示す側面図であり、(b)は、通路側の桁行大梁を示す側面図である。 (a)は、専有部分に隣接した外壁材の内部の桁行大梁を示す側面図、(b)は、その腰壁の内部で外柱に対して偏心させた桁行大梁を示す側面図、(c)は、その腰壁の内部で外柱に対して偏心させていない桁行大梁を示す側面図である。 本発明を適用した板状建築物の内架構及び外架構を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で梁間大梁の鉄骨梁を示す正面図であり、(b)は、桁行大梁の鉄骨梁を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で梁間大梁又は桁行大梁の鉄筋コンクリート梁を示す断面図であり、(b)は、その鉄骨鉄筋コンクリート梁を示す断面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で壁柱の鉄骨柱を示す平面図であり、(b)は、外柱の鉄骨鉄筋コンクリート柱を示す平面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で壁柱又は外柱の鉄筋コンクリート柱を示す断面図であり、(b)は、そのH形鋼がクロス状に配設された鉄骨鉄筋コンクリート柱を示す断面図である。 本発明を適用した板状建築物で互いに離間させた壁柱に梁間大梁が架設された内架構を示す側面図である。 本発明を適用した板状建築物で2本1組の壁柱に梁間大梁が架設された内架構を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で各階の上部に配置された梁間大梁を示す正面図であり、(b)は、各階の下部に配置された梁間大梁を示す正面図である。 本発明を適用した板状建築物で互いに離間させた外柱に桁行大梁が架設された外架構を示す正面図である。 本発明を適用した板状建築物で内架構の壁柱と外架構の外柱とに架設される構造材の梁部材を示す側面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で構造材となる梁部材を示す平面図であり、(b)は、その正面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で構造材となるRCスラブの床スラブを示す側面図であり、(b)は、そのG−G線断面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で構造材となる合成スラブの床スラブを示す側面図であり、(b)は、そのG−G線断面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物で構造材となるハーフPCaスラブの床スラブを示す側面図であり、(b)は、そのG−G線断面図である。 本発明を適用した板状建築物で桁行外周部に配置された一対の外架構と梁間外周部に配置された一対の外架構とが互いに連結された状態を示す平面図である。 本発明を適用した板状建築物の1階の一部分で鉄骨鉄筋コンクリート柱の壁柱に鉄骨鉄筋コンクリート梁の梁間大梁が架設された内架構を示す側面図である。
以下、本発明を適用した板状建築物1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した板状建築物1は、図1に示すように、マンション、アパート等の集合住宅のほか、ホテル等の宿泊施設、学校の校舎、病院施設又は介護老人保健施設等の階層構造の建築物を対象として、例えば、地上45m程度の全体高さとなる。
本発明を適用した板状建築物1は、図2に示すように、平面視の長手方向を桁行方向Xとするとともに、平面視の短手方向を梁間方向Yとして、住戸、客室、教室又は病室等となる複数の専有部分Pが、階層構造の各階で桁行方向Xに並べられて配置される。
本発明を適用した板状建築物1は、主に、桁行方向Xに延びる一対の桁行外周部62が、梁間方向Yの両側で互いに略平行に配置されて、梁間方向Yに延びる一対の梁間外周部63が、桁行方向Xの両側で互いに略平行に配置される。そして、本発明を適用した板状建築物1は、平面視を略長方形状等とした建築物外周部61が形成されるものとなる。
本発明を適用した板状建築物1は、平面視が略長方形状等の建築物外周部61に四方が取り囲まれて、建築物外周部61に取り囲まれた内側が建築物内部60となる。このとき、本発明を適用した板状建築物1は、階層構造の各階における複数の専有部分P及び共用部分Sが、建築物外周部61に取り囲まれて建築物内部60に配置されるものとなる。
本発明を適用した板状建築物1は、階層構造の各階において各々の専有部分Pに出入りするための通路Cが、梁間方向Yの片側で共用部分Sとして設けられる。また、本発明を適用した板状建築物1は、必要に応じて、階層構造の各階において各々の専有部分Pから出入りのできるバルコニーBが、梁間方向Yの片側で共用部分Sとして設けられる。
本発明を適用した板状建築物1は、例えば、通路C及びバルコニーBの両方が共用部分Sとして設けられる場合には、梁間方向Yの一方の片側で北側等に通路Cが配置されるとともに、梁間方向Yの他方の片側で南側等にバルコニーBが配置される。また、本発明を適用した板状建築物1は、図3に示すように、例えば、バルコニーBが共用部分Sとして設けられない場合には、梁間方向Yの一方の片側で北側等にのみ通路Cが配置される。
専有部分Pは、図4に示すように、各々の住戸等の入居者又は利用者等が専有する空間となる。専有部分Pは、梁間方向Yの一方の片側において、通路Cから出入りするために開口した玄関等の出入口Eが設けられる。また、専有部分Pは、バルコニーBが共用部分Sとして設けられる場合には、梁間方向Yの他方の片側において、バルコニーBに出入りするために開口した窓サッシ等の開口部Aが設けられる。
専有部分Pは、桁行方向Xに隣り合った専有部分Pと、梁間方向Yに延びる戸境壁Dで略全面が隔てられる。そして、戸境壁Dは、例えば、桁行方向Xに300mm程度の壁厚となる。戸境壁Dは、通路C及びバルコニーBの両方が共用部分Sとして設けられる場合に、通路C及びバルコニーBを除いた部分に設けられて、図5に示すように、バルコニーBが共用部分Sとして設けられない場合に、通路Cを除いた部分に設けられる。
共用部分Sは、常時から各々の専有部分Pの出入口Eまで往来することができるように、桁行方向Xに連続させて通路Cが設けられる。また、共用部分Sは、図4に示すように、通路C及びバルコニーBの両方が共用部分Sとして設けられる場合に、非常時等にのみ往来することができるように、桁行方向Xに連続させてバルコニーBが設けられる。
共用部分Sは、図6に示すように、主に、転落防止、目隠し等を目的として、床面から1m程度の高さ寸法とした手摺壁等の壁体65が、建築物外周部61に沿って設けられる。また、共用部分Sは、必要に応じて、図示しない窓サッシ、手摺り又は目隠しガラス等が、壁体65の上方に設けられる。なお、バルコニーBが共用部分Sとして設けられない場合には、図7に示すように、専有部分Pに梁間方向Yで隣接させた外壁材66、窓67又は腰壁68等を境界として、建築物内部60の専有部分Pが外部と隔てられる。
本発明を適用した板状建築物1は、図8に示すように、建築物外周部61で隔てられた内側に建築物内部60が形成されて、建築物内部60に設けられる1又は複数の内架構2と、建築物外周部61に沿って設けられる複数の外架構3とを備える。
内架構2は、梁間方向Yに延びる梁間大梁20と、高さ方向Zに延びる複数の壁柱21とを有し、梁間大梁20が複数の壁柱21に架設されて、戸境壁Dの内部等に配置される。内架構2は、主に、各階に複数の戸境壁Dが設けられる場合に、各々の戸境壁Dの内部に配置されることで、1棟の板状建築物1に複数の内架構2が設けられるものとなる。
外架構3は、桁行方向Xに延びる桁行大梁30と、高さ方向Zに延びる複数の外柱31とを有し、桁行大梁30が複数の外柱31に架設される。外架構3は、建築物外周部61における一対の桁行外周部62の各々に沿って配置されることで、1棟の板状建築物1の梁間方向Yの両側に一対となって複数の外架構3が設けられるものとなる。
内架構2は、特に、鉄骨梁、鉄筋コンクリート梁又は鉄骨鉄筋コンクリート梁の少なくとも何れかが梁間大梁20として用いられて、鉄骨柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄骨鉄筋コンクリート柱の少なくとも何れかが壁柱21として用いられる。また、外架構3は、特に、鉄骨梁、鉄筋コンクリート梁又は鉄骨鉄筋コンクリート梁の少なくとも何れかが桁行大梁30として用いられて、鉄骨鉄筋コンクリート柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄骨柱の少なくとも何れかが外柱31として用いられる。
梁間大梁20及び桁行大梁30は、図9に示すように、主に、断面略H形状のH形鋼7の鉄骨梁が用いられて、上フランジ71、下フランジ72及びウェブ73を有する。梁間大梁20のH形鋼7は、図9(a)に示すように、例えば、梁成hを500mm〜600mm程度、フランジ幅wを200mm程度、ウェブ板厚twを9mm程度、フランジ板厚tfを25mm程度とする。また、桁行大梁30のH形鋼7は、図9(b)に示すように、例えば、梁成hを1000mm程度、フランジ幅wを250mm程度、ウェブ板厚twを19mm程度、フランジ板厚tfを28mm程度とする。
梁間大梁20及び桁行大梁30は、鉄骨梁が用いられるほか、図10(a)に示すように、コンクリート内部に鉄筋が配設された鉄筋コンクリート梁が用いられてもよい。さらに、梁間大梁20及び桁行大梁30は、図10(b)に示すように、コンクリート内部に鉄筋及びH形鋼7が配設された鉄骨鉄筋コンクリート梁が用いられてもよい。
壁柱21は、図11(a)に示すように、主に、H形鋼7の鉄骨柱が用いられて、一対のフランジ70と、ウェブ73とを有する。壁柱21のH形鋼7は、例えば、部材成hを500mm〜900mm程度、フランジ幅wを200mm〜300mm程度、ウェブ板厚twを9mm〜19mm程度、フランジ板厚tfを25mm〜40mm程度とする。
外柱31は、図11(b)に示すように、主に、コンクリート内部に鉄筋及びH形鋼7が配設された鉄骨鉄筋コンクリート柱が用いられて、桁行方向Xを長辺として、梁間方向Yを短辺とした断面略矩形状等となる。コンクリート内部のH形鋼7は、例えば、部材成hを500mm〜900mm程度、フランジ幅wを200mm〜300mm程度、ウェブ板厚twを9mm〜19mm程度、フランジ板厚tfを25mm〜40mm程度とする。
壁柱21及び外柱31は、各々に鉄骨柱又は鉄骨鉄筋コンクリート柱が用いられるほか、図12(a)に示すように、コンクリート内部に鉄筋が配設された鉄筋コンクリート柱が用いられてもよい。また、壁柱21及び外柱31は、図11(b)に示すように、単一のH形鋼7が配設された鉄骨鉄筋コンクリート柱が用いられるほか、図12(b)に示すように、H形鋼7がクロス状に配設された鉄骨鉄筋コンクリート柱が用いられてもよい。
内架構2は、図13に示すように、梁間方向Yに離間させた複数の壁柱21に梁間大梁20が架設される。内架構2は、例えば、4本の壁柱21が互いに離間させて配置されて、壁柱21と壁柱21との間となる3箇所に梁間大梁20が架設される。なお、内架構2は、図14に示すように、2本の壁柱21がボルト接合又は溶接接合等させて用いられて、梁間方向Yに離間させた2本1組の壁柱21に梁間大梁20が架設されてもよい。
内架構2は、主に、梁間方向Yで専有部分Pの両側の出入口E又は開口部Aに近接して壁柱21が配置される。内架構2は、例えば、2階〜3階程度ごとに、下階Fdから上階Fuまで高さ方向Zに連続させて壁柱21が設けられて、下階Fdの壁柱21と上階Fuの壁柱21とが、高力ボルト等を使用した高力ボルト摩擦接合等で接合される。
内架構2は、図15に示すように、桁行方向Xの両側面に仕上材等が設置されることで、桁行方向Xに隣り合った専有部分Pを隔てる戸境壁Dの内部に、梁間大梁20及び壁柱21のフランジ幅全体が収まるように設けられる。内架構2は、梁間大梁20が壁柱21に架設されたラーメン構造等の構造形式となって、梁間大梁20及び壁柱21が専有部分Pの室内空間に突出することなく、梁型又は柱型を形成させずに設けられる。
内架構2は、図15(a)に示すように、戸境壁Dの内部で各階の上部に梁間大梁20が配置されて、梁間大梁20の上フランジ71の上面にコンクリート等の床スラブ41が載置される。内架構2は、これに限らず、図15(b)に示すように、戸境壁Dの内部で各階の下部に梁間大梁20が配置されて、梁間大梁20のウェブ73の側方で下フランジ72の上面にコンクリート等の床スラブ41が載置されてもよい。
外架構3は、図16に示すように、下階Fdから上階Fuまで高さ方向Zに連続させて外柱31が設けられるとともに、桁行方向Xに離間させた複数の外柱31に桁行大梁30が架設される。外架構3は、各階の下部に配置された桁行大梁30の両側面に仕上材等が設置されることで、図6に示す手摺壁等の壁体65の内部、又は図7に示す外壁材66若しくは腰壁68の内部に、桁行大梁30のフランジ幅全体が収まるように設けられる。
外架構3は、桁行大梁30が外柱31に架設されたラーメン構造等の構造形式となって、桁行大梁30及び外柱31が専有部分Pの室内空間に突出することなく、専有部分Pに梁型又は柱型を形成させずに設けられる。なお、外架構3は、通路C及びバルコニーBの両方が共用部分Sとして設けられる場合のほか、図7に示すバルコニーBが共用部分Sとして設けられない場合も、専有部分Pに梁型又は柱型を大きく形成させずに設けられる。
外架構3は、外壁材66、窓67又は腰壁68等の室内空間側の側面と外柱31の室内空間側の外周面とが段差なく略同一平面上に形成されることが好ましい。しかし、外架構3は、石膏ボード、仕上材及び耐火被覆等の資材の厚さの都合又は設計誤差等に起因して、腰壁68等の側面と外柱31の外周面とが室内空間側において厳密に同一平面上に形成されない場合も、専有部分Pに梁型又は柱型が形成されないものとする。
内架構2は、図13、図14に示すように、梁間大梁20の梁間方向Yの両端部が壁柱21の側面に高力ボルト摩擦接合又は溶接接合等されることで、梁間大梁20が壁柱21に剛接合又は半剛接合で接合される。また、外架構3は、図16に示すように、桁行大梁30の桁行方向Xの両端部が外柱31のH形鋼7の側面等に高力ボルト摩擦接合又は溶接接合等されることで、桁行大梁30が外柱31に剛接合又は半剛接合で接合される。
内架構2及び外架構3は、梁間大梁20又は桁行大梁30の両端部が壁柱21又は外柱31にピン接合で接合されてもよい。なお、半剛接合とは、壁柱21又は外柱31となる柱に対して、梁間大梁20又は桁行大梁30となる梁の回転移動をある程度拘束した接合形式をいい、柱と梁との間で伝達できる曲げ応力が、完全な剛接合と比較して小さいものをいう。また、ピン接合とは、柱に対する梁の回転移動を拘束しない接合形式をいい、柱と梁との間で伝達できる曲げ応力が、皆無又は極小であるものをいう。そして、半剛接合、ピン接合及び剛接合の定義は、欧州設計基準(Eurocode3 Part1−8)に準拠するものとする。
内架構2及び外架構3は、図17に示すように、梁間大梁20が壁柱21と外柱31とに架設されることなく、建築物の荷重を負担させる構造材4が梁間大梁20又は壁柱21と外柱31とに架設されることで、内架構2と外架構3とが互いに連結される。構造材4は、建築物の共用部分Sに設けられる床スラブ41と、床スラブ41の荷重を負担させるCT形鋼等の梁部材40とを有し、床スラブ41が外架構3の桁行大梁30に接続されるとともに、梁部材40が外架構3の外柱31に接合される。
梁部材40は、CT形鋼又は梁間大梁20と同様のH形鋼7が用いられるほか、例えば、山形鋼又は溝形鋼等が用いられる。このとき、梁部材40は、CT形鋼等の梁成h´を梁間大梁20の梁成hよりも小さいものとする。そして、梁部材40は、床スラブ41が上方に載置等されることで、床スラブ41の荷重を負担させるものとなる。
梁部材40は、図17、図18に示すように、壁柱21及び外柱31のH形鋼7の側面に設けられた添接板45が当接されて高力ボルトが締結されることで、梁間方向Yの両端部が壁柱21及び外柱31に高力ボルト摩擦接合される。また、梁部材40は、梁間方向Yの両端部が壁柱21及び外柱31に溶接接合されてもよい。そして、梁部材40は、梁間方向Yの両端部が壁柱21及び外柱31の各々に高力ボルト摩擦接合等で接合されることで、建築物に作用する水平荷重を負担させるものとなる。
床スラブ41は、図19に示すように、鉄筋コンクリート製のRCスラブが用いられるほか、図20に示すように、デッキプレート42とコンクリートとを併せた合成スラブが用いられてもよい。また、床スラブ41は、図21に示すように、プレキャストコンクリート43と現場打ちコンクリートとを併せたハーフPCaスラブ等が用いられてもよい。このとき、床スラブ41は、桁行大梁30となるH形鋼7のウェブ73全体を、床スラブ41のコンクリートで梁間方向Yの両側から覆うことのないように設けられる。
床スラブ41は、例えば、図19(a)に示すように、RCスラブが用いられる場合に、桁行大梁30の下フランジ72の上面に頭付きスタッド等のスタッド46が突設される。そして、床スラブ41は、図19(b)に示すように、コンクリート内部でフック状に形成された鉄筋がスタッド46に係止されることで、スタッド46、床スラブ41の鉄筋及びコンクリートを介して、外架構3の桁行大梁30に接続されるものとなる。
また、床スラブ41は、例えば、図20(a)に示すように、合成スラブが用いられる場合に、桁行大梁30の下フランジ72の上面に合成スラブのデッキプレート42が載置される。そして、床スラブ41は、図20(b)に示すように、下フランジ72の上面にデッキプレート42が焼抜き栓溶接47等で固定されることで、コンクリート及びデッキプレート42を介して、外架構3の桁行大梁30に接続されるものとなる。
さらに、床スラブ41は、例えば、図21(a)に示すように、ハーフPCaスラブが用いられる場合に、プレキャストコンクリート43の側面から湾曲状に突出させた鉄筋に、桁行方向Xに延びる鉄筋が挿通される。そして、床スラブ41は、図21(b)に示すように、桁行大梁30の下フランジ72の上面に突設されたスタッド46に、桁行方向Xに延びる鉄筋が係止されることで、スタッド46、床スラブ41の鉄筋及びコンクリートを介して、外架構3の桁行大梁30に接続されるものとなる。
床スラブ41は、図15に示すように、各階の上部又は下部に配置された梁間大梁20に載置されることで、内架構2の梁間大梁20に接続される。また、床スラブ41は、図19〜図21に示すように、スタッド46、鉄筋及びコンクリートの少なくとも何れかを介して、外架構3の桁行大梁30に接続される。
梁部材40と床スラブ41とを有する構造材4は、図17、図18に示すように、内架構2の梁間大梁20及び外架構3の桁行大梁30に床スラブ41が接続されることで、梁間大梁20と外柱31とに架設されるものとなる。また、梁部材40と床スラブ41とを有する構造材4は、梁部材40の両端部が壁柱21及び外柱31に高力ボルト摩擦接合等で接合されることで、壁柱21と外柱31とに架設されるものとなる。
本発明を適用した板状建築物1は、特に、図8に示すように、建築物内部60に複数の内架構2が設けられる。このとき、複数の内架構2は、各々の梁間大梁20が壁柱21と外架構3の外柱31とに架設されることなく、構造材4が各々の梁間大梁20又は壁柱21と外柱31とに架設されることで、全ての内架構2が外架構3と互いに連結される。
ここで、本発明を適用した板状建築物1は、図13、図14に示すように、内架構2の梁間大梁20が、壁柱21と外柱31とに架設されないため、通路C又はバルコニーBとなる共用部分Sに設けられないものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物1は、共用部分Sの通路C又はバルコニーBが梁間大梁20で塞がれることなく、また、通路C又はバルコニーBの足元に梁間大梁20による段差を形成させないことが可能となる。
また、本発明を適用した板状建築物1は、外架構3の桁行大梁30が各階の下部に配置されることで、各階の上方から桁行大梁30が垂れ壁のように設けられないものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物1は、共用部分Sとなる通路C又はバルコニーBの手摺壁等の壁体65の内部に桁行大梁30を設けることができるため、住戸等の利用者等の視界を遮ることなく、桁行大梁30を複数の外柱31に架設することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物1は、下階Fdの梁間大梁20と上階Fuの梁間大梁20とが壁柱21で互いに連結されて、板状建築物1の梁間方向Yに作用する水平荷重を壁柱21に負担させることができる。そして、本発明を適用した板状建築物1は、梁間方向Yに作用する水平荷重を内架構2に負担させることで、板状建築物1に要求される梁間方向Yの水平耐力を十分に確保することが可能となる。また、本発明を適用した板状建築物1は、桁行方向Xに作用する水平荷重を外架構3に負担させることで、板状建築物1に要求される桁行方向Xの水平耐力を十分に確保することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物1は、梁間大梁20が壁柱21と外柱31とに架設されることなく、内架構2と外架構3とが互いに独立した構造形式として構造材4で連結されるものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物1は、梁間大梁20及び壁柱21で形成された内架構2で専ら梁間方向Yの水平耐力を確保し、また、桁行大梁30及び外柱31で形成された外架構3で専ら桁行方向Xの水平耐力を確保することで、共用部分Sとなる通路C及びバルコニーBで、梁間大梁20の設置を省略することが可能となる。
また、本発明を適用した板状建築物1は、共用部分Sとなる通路C又はバルコニーBで、梁間大梁20の設置を省略して、図17に示すCT形鋼等の梁部材40のみを設置するものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物1は、梁部材40の梁成h´が梁間大梁20の梁成hよりも小さいため、共用部分Sとなる通路C又はバルコニーBが梁部材40で塞がれることなく、また、共用部分Sの足元に梁部材40による段差を形成させないものとして、共用部分Sでの円滑な通行を実現することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物1は、図4に示すように、通路C及びバルコニーBの両方が共用部分Sとして設けられる場合には、通路C及びバルコニーBの両方の共用部分Sにおいて、梁間大梁20の設置が省略されて、図17に示す梁部材40のみが設置される。また、本発明を適用した板状建築物1は、図5に示すように、通路Cのみが共用部分Sとして設けられる場合には、通路Cとなる共用部分Sにおいて、梁間大梁20の設置が省略されて、図17に示す梁部材40のみが設置される。なお、本発明を適用した板状建築物1は、1又は複数の内架構2の通路C側及びバルコニーB側の両方が梁部材40で外架構3に連結されるほか、各々の内架構2の通路C側及びバルコニーB側の片方のみが梁部材40で外架構3に連結されてもよい。
本発明を適用した板状建築物1は、内架構2の梁間大梁20が、通路C又はバルコニーBとなる共用部分Sに設けられないことで、各階の階高を高くしなくても、共用部分Sが梁間大梁20で塞がれないとともに、共用部分Sの足元に段差を形成させないものとなる。そして、本発明を適用した板状建築物1は、桁行大梁30で住戸等の利用者等の視界が遮られないものとしながら、通路Cから出入りするための出入口E、及びバルコニーBに出入りするための開口部Aで、十分な開口高さを確保することができる。
このとき、従来の建築物は、出入口E及び開口部Aで十分な開口高さを確保等するために、各階の階高を最低でも3m程度確保することが必要となっていたのに対して、本発明を適用した板状建築物1では、各階の階高を2.7m程度確保すれば十分となる。そして、例えば、45m程度の全体高さを有する建築物では、従来の建築物によると最大で15階建であったものが、本発明を適用した板状建築物1によると16階建程度のものとなる。このように、本発明を適用した板状建築物1は、各階の階高を高くしなくても、住戸等の利用者等の視界が遮られないものとしながら、出入口E及び開口部Aで十分な開口高さを確保して、同一の全体高さの範囲内で階層を増大させることで、1棟の板状建築物1で供給することのできる専有部分Pの数量を著しく増大させることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物1は、桁行方向Xに延びる桁行大梁30が、専有部分Pに設けられることなく、共用部分Sとなる通路C又はバルコニーBに設けられて、専有部分Pの室内空間に桁行大梁30の梁型を形成させないものとなる。また、本発明を適用した板状建築物1は、梁間方向Yに延びる梁間大梁20が、戸境壁Dの内部にフランジ幅全体が収まるように設けられて、専有部分Pの室内空間に梁間大梁20の梁型を形成させないものとなる。そして、本発明を適用した板状建築物1は、梁間大梁20及び桁行大梁30が専有部分Pに設けられないため、各々の専有部分Pに梁間大梁20及び桁行大梁30の梁型を形成させないものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物1は、専有部分Pの室内空間が広く確保されて、各々の専有部分Pの機能性や美観性を向上させることで、マンション、ホテル又は病院等の板状建築物1の付加価値を高めることが可能となる。
ここで、本発明を適用した板状建築物1は、必要に応じて、図22に示すように、桁行外周部62だけでなく梁間外周部63にも外架構3が設けられてもよい。また、本発明を適用した板状建築物1は、各階の床スラブ41が部分的に切り欠かれた状態とすることで、各階に通じる非常階段49が設けられてもよい。そして、本発明を適用した板状建築物1は、図23に示すように、例えば、1階の一部において鉄骨鉄筋コンクリート柱の壁柱21に鉄骨鉄筋コンクリート梁の梁間大梁20を架設した内架構2が設けられてもよい。
本発明を適用した板状建築物1は、図22に示すように、梁間外周部63にも外架構3が設けられて、桁行外周部62に沿って配置される一対の外架構3が、梁間外周部63に沿って配置される一対の外架構3で連結されるものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物1は、建築物外周部61の四方に配置された外架構3が互いに連結されることで、外架構3による梁間方向Y及び桁行方向Xの水平耐力を向上させることが可能となる。また、本発明を適用した板状建築物1は、板状建築物1の桁行方向Xの片側又は両側にもバルコニーBを設けることで、角部屋の専有部分Pに回りバルコニー等を採用し、マンション、ホテル又は病院等の板状建築物1の付加価値を高めることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物1は、各階の床スラブ41が切り欠かれて非常階段49が建築物内部60に設けられて、板状建築物1の外部に非常階段49を露出させないことで、マンション又はホテル等の板状建築物1の美観性を向上させることが可能となる。また、本発明を適用した板状建築物1は、図23に示すように、鉄骨鉄筋コンクリート柱及び鉄骨鉄筋コンクリート梁が内架構2の1階等の一部分に設けられて、当該部分で戸境壁Dが設けられないものとし、戸境壁Dが設けられない1階等の一部分で、いわば隣り合った専有部分Pを連続させた状態として広い空間を確保することで、隣り合った専有部分Pを連続させた空間を集会スペース又は共用玄関等として有効利用することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :板状建築物
2 :内架構
20 :梁間大梁
21 :壁柱
3 :外架構
30 :桁行大梁
31 :外柱
4 :構造材
40 :梁部材
41 :床スラブ
42 :デッキプレート
43 :プレキャストコンクリート
45 :添接板
46 :スタッド
47 :焼抜き栓溶接
49 :非常階段
60 :建築物内部
61 :建築物外周部
62 :桁行外周部
63 :梁間外周部
65 :壁体
66 :外壁材
67 :窓
68 :腰壁
7 :H形鋼
70 :フランジ
71 :上フランジ
72 :下フランジ
73 :ウェブ
P :専有部分
S :共用部分
D :戸境壁
B :バルコニー
A :開口部
C :通路
E :出入口
Fd :下階
Fu :上階
X :桁行方向
Y :梁間方向
Z :高さ方向

Claims (8)

  1. 階層構造の各階で複数の専有部分が桁行方向に並べられる板状建築物であって、
    建築物内部に設けられる内架構と、建築物外周部に沿って設けられる外架構とを備え、
    前記内架構は、梁間方向に延びる梁間大梁と、高さ方向に延びる複数の壁柱とを有し、前記梁間大梁が複数の前記壁柱に架設されて、
    前記外架構は、桁行方向に延びる桁行大梁と、高さ方向に延びる複数の外柱とを有し、
    前記桁行大梁が複数の前記外柱に架設されて、
    前記内架構及び前記外架構は、前記梁間大梁が前記壁柱と前記外柱との間に架設されることなく、建築物の荷重を負担させる構造材が前記梁間大梁又は前記壁柱と前記外柱とに架設されることで、前記内架構と前記外架構とが互いに連結され
    前記構造材は、建築物の共用部分に設けられる床スラブと、前記床スラブの荷重を負担させる梁部材とを有し、前記床スラブが前記外架構の前記桁行大梁に接続されるとともに、前記梁部材が前記外架構の前記外柱に接合されること
    を特徴とする板状建築物。
  2. 建築物内部に設けられる複数の前記内架構を備え、
    複数の前記内架構は、各々の前記梁間大梁が前記壁柱と前記外架構の前記外柱との間に架設されることなく、前記構造材が各々の前記梁間大梁又は前記壁柱と前記外架構の前記外柱とに架設されることで、全ての前記内架構が前記外架構と互いに連結されること
    を特徴とする請求項1記載の板状建築物。
  3. 前記梁部材は、前記梁間大梁よりも小さい梁成とし、前記床スラブの荷重を負担させるとともに、建築物に作用する水平荷重を負担させるものであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の板状建築物。
  4. 前記床スラブは、スタッド、鉄筋又はコンクリートの少なくとも何れかを介して、前記外架構の前記桁行大梁に接続されること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の板状建築物。
  5. 前記内架構は、鉄骨梁、鉄筋コンクリート梁又は鉄骨鉄筋コンクリート梁の少なくとも何れかが前記梁間大梁として用いられて、鉄骨柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄骨鉄筋コンクリート柱の少なくとも何れかが前記壁柱として用いられること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の板状建築物。
  6. 前記外架構は、鉄骨梁、鉄筋コンクリート梁又は鉄骨鉄筋コンクリート梁の少なくとも何れかが前記桁行大梁として用いられて、鉄骨鉄筋コンクリート柱、鉄筋コンクリート柱又は鉄骨柱の少なくとも何れかが前記外柱として用いられること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の板状建築物。
  7. 前記内架構は、前記梁間大梁が前記壁柱に剛接合又は半剛接合で接合されて、
    前記外架構は、前記桁行大梁が前記外柱に剛接合又は半剛接合で接合されること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の板状建築物。
  8. 前記内架構及び前記外架構は、前記梁間大梁が前記壁柱と前記外柱とに架設されることなく、前記内架構と前記外架構とが互いに独立した構造形式として連結されること
    を特徴とする請求項1〜の何れか1項記載の板状建築物
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