JP6617608B2 - 板状建築物の柱梁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、階層構造の各階で複数の専有部分が桁行方向に並べられる板状建築物の柱梁構造に関する。
従来から、柱や梁の居住空間への張り出しを抑制しつつ、住宅性能を落とさずに建設コストを低減させることを目的とした特許文献1に開示される板状住宅の架構構造が提案されている。また、溶接作業量を削減できて施工性を改善できるとともに、鉄筋コンクリート柱に対する鉄骨梁の取り付けの合理化を図ることを目的とした特許文献2に開示される鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との混合構造が提案されている。
特許文献1に開示された板状住宅の架構構造は、桁行方向に延在するように配置されてRC柱及び鉄筋コンクリート梁によりRCラーメン構造に構成された第1架構と、梁間方向に延在するように配置されてRC柱及び鉄骨梁により柱RC梁S構造に構成された第2架構とを備えて、水平荷重を負担する鉄骨ブレースが第2架構の壁の内部に配置される。
特許文献2に開示された鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との混合構造は、鉄筋コンクリート柱の構築箇所に、鉄筋コンクリート柱上で交差させた複数の鉄骨梁を仮支持するとともに、鉄筋コンクリート柱内部に埋め込まれる柱状仮設部材を設けて、柱状仮設部材上で交差させた鉄骨梁相互間に接続部材を配設して、接続部材と鉄骨梁とが高力ボルトで互いに接続される。
特開2012−207403号公報 特開2000−160686号公報
しかし、特許文献1に開示された板状住宅の架構構造は、板状住宅に所定の構造耐力を確保させるために、梁間方向で専有部分の両側に桁行方向の鉄筋コンクリート梁を配置する必要がある。このため、特許文献1に開示された板状住宅の架構構造は、専有部分からバルコニーに出入りするための開口部や、通路から専有部分に出入りするための玄関で、所定の開口高さを確保し難く、また、専有部分に梁型が設けられて居住性が低下するという問題点があった。
また、特許文献2に開示された鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との混合構造は、複数の鉄骨梁の梁継手部が鉄筋コンクリート柱の内部に設けられるものであるが、複数の鉄骨梁を段違いで交差させるものではない。このため、特許文献2に開示された鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁との混合構造は、開口部や玄関で所定の開口高さを確保して、また、所定の視界を確保するために、各階の階高を高くする必要が生じるという問題点があった。
さらに、従来のホテル等のバルコニーが設けられない建築物においては、バルコニーが設けられない梁間方向の一方の片側で、客室等の専有部分に鉄筋コンクリート梁又は鉄筋コンクリート柱が突出して梁型又は柱型が形成されている。このため、従来のホテル等のバルコニーが設けられない建築物においては、客室等の専有部分の室内空間が狭くなって、各々の専有部分の機能性や美観性が低下しているという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであって、その目的とするところは、専有部分の室内空間を広く確保して板状建築物の付加価値を高めるとともに、1棟の板状建築物で供給することのできる専有部分の数量を著しく増大させた板状建築物の柱梁構造を提供することにある。
第1発明に係る板状建築物の柱梁構造は、階層構造の各階で複数の専有部分が桁行方向に並べられる板状建築物の柱梁構造であって、梁間方向に延びる梁間鉄骨梁と、桁行方向に延びる桁行鉄骨梁と、高さ方向に延びるとともに前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁が接合される鉄筋コンクリート柱と、桁行方向に隣り合った専有部分を隔てる戸境壁に設けられるとともに高さ方向に延びる壁柱とを備え、前記桁行鉄骨梁は、板状建築物のバルコニーが設けられない梁間方向の片側で、板状建築物の専有部分に設けられることなく、板状建築物の専有部分の外側に隣接して設けられて、板状建築物の桁行方向に延びる桁行外周部に沿って配置され、前記梁間鉄骨梁は、板状建築物の高さ方向に隣り合った下階及び上階に設けられるとともに、下階の前記梁間鉄骨梁と上階の前記梁間鉄骨梁とが、前記壁柱で連結されることを特徴とする。
第2発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第1発明において、前記壁柱は、複数のH形鋼が用いられて、各々のH形鋼のフランジが互いに接合されるとともに、前記戸境壁の内部に各々のH形鋼が収まるように設けられることを特徴とする。
第3発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第1発明又は第2発明において、前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁は、板状建築物の高さ方向に隣り合った下階及び上階で、下階の上部に配置される前記梁間鉄骨梁の上方に、上階の下部に配置される前記桁行鉄骨梁が設けられることを特徴とする。
第4発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第3発明において、前記桁行鉄骨梁は、板状建築物のバルコニーが設けられない梁間方向の片側で外壁又は腰壁の内部に設けられるとともに、板状建築物の通路が設けられる梁間方向の片側で手摺壁の内部に設けられて、板状建築物の桁行方向に延びる一対の桁行外周部の各々に沿って配置されることを特徴とする。
第5発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第4発明において、前記桁行鉄骨梁は、板状建築物のバルコニーが設けられない梁間方向の片側で、板状建築物の専有部分で前記鉄筋コンクリート柱と略同一平面に配置された外壁又は腰壁の内部に設けられることを特徴とする。
第6発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第3発明〜第5発明の何れかにおいて、前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁は、各々にH形鋼が用いられて、前記鉄筋コンクリート柱に接合される柱梁接合部で、下階の上部に配置される前記梁間鉄骨梁の上フランジと、上階の下部に配置される前記桁行鉄骨梁の下フランジとが接合されることを特徴とする。
第7発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第1発明〜第6発明の何れかにおいて、前記桁行鉄骨梁は、複数の鉄骨梁を梁継手部で桁行方向に連結させることで設けられるものであり、前記鉄筋コンクリート柱の内部に前記梁継手部が設けられることを特徴とする。
第8発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第6発明又は第7発明において、前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁は、各々にH形鋼が用いられて、前記鉄筋コンクリート柱に接合される柱梁接合部で、下階の上部に配置される前記梁間鉄骨梁の上フランジと、上階の下部に配置される前記桁行鉄骨梁の下フランジとが、高力ボルト摩擦接合で接合されるとともに、前記桁行鉄骨梁は、複数の鉄骨梁を梁継手部で桁行方向に連結させることで設けられるものであり、前記鉄筋コンクリート柱の内部に設けられた前記梁継手部で、複数の鉄骨梁の上フランジ及びウェブの各々が、高力ボルト摩擦接合で接合されることを特徴とする。
第9発明に係る板状建築物の柱梁構造は、第1発明〜第8発明の何れかにおいて、前記鉄筋コンクリート柱は、複数の鉄筋を連結部で高さ方向に連結させることで、前記鉄筋コンクリート柱の内部に主筋が配設されるものであり、前記桁行鉄骨梁の側方に前記連結部が配置されることを特徴とする。
第1発明〜第9発明によれば、桁行方向に延びる桁行鉄骨梁が、板状建築物の専有部分に設けられることなく、専有部分の外側及び通路に設けられることで、専有部分の室内空間に桁行鉄骨梁の梁型を形成させないものとなり、専有部分の室内空間を広く確保して、各々の専有部分の機能性や美観性を向上させて、ホテル又は病院等の板状建築物の付加価値を高めることが可能となる。
また、下階の梁間鉄骨梁と上階の梁間鉄骨梁とが壁柱で互いに連結されることで、板状建築物の梁間方向に作用する水平荷重を壁柱に負担させて、鉄骨ブレースの設置を省略できるものとしながら、板状建築物に要求される梁間方向の水平耐力を十分に確保することが可能となる。
さらに、板状建築物の専有部分を隔てる戸境壁に壁柱が設けられて、板状建築物の桁行外周部の鉄筋コンクリート柱とともに板状建築物の梁間方向に作用する水平荷重を壁柱が負担するため、共有部分となる通路の部分で梁間鉄骨梁の梁成を小さくして、又は、梁間鉄骨梁の設置を省略することで、通路の天井から梁間鉄骨梁が突出しないものとなり、通路の円滑な通行を実現することが可能となる。
特に、第2発明によれば、板状建築物の専有部分を隔てる戸境壁の内部に壁柱のH形鋼の全体が収まるように設けられるため、板状建築物の戸境壁から専有部分に、壁柱が突出しないものとなるため、専有部分の室内空間を広く確保して、専有部分の機能性や美観性を向上させることが可能となる。
特に、第2発明によれば、壁柱として複数のH形鋼が用いられて、各々のH形鋼のフランジが互いに接合されることで、戸境壁の内部に収まる程度のフランジ幅が小さいH形鋼が用いられるにもかかわらず、H形鋼のフランジ及びウェブの局部座屈等を防止したものとなり、壁柱の座屈耐力を向上させることが可能となる。
特に、第3発明によれば、下階の上部に配置される梁間鉄骨梁の上方に、上階の下部に配置される桁行鉄骨梁が設けられることで、通路が梁間鉄骨梁で塞がれることなく、また、通路の足元に梁間鉄骨梁による段差を形成させないものとなる。そして、板状建築物の各階の階高を高くしなくても、住戸等の利用者等の視界が桁行鉄骨梁で遮られないものとしながら、通路からの入口で十分な開口高さを確保して、同一の全体高さで建築することのできる板状建築物の階層が増大することで、1棟の板状建築物で供給することのできる専有部分の数量を著しく増大させることが可能となる。
特に、第4発明によれば、バルコニーが設けられない梁間方向の一方の片側で、専有部分の外側に隣接して外壁又は腰壁の内部に桁行鉄骨梁が設けられることで、板状建築物の構造材となる桁行鉄骨梁を外壁又は腰壁としてそのまま利用することが可能となる。また、通路が設けられる梁間方向の他方の片側で、手摺壁の内部に桁行鉄骨梁が設けられることで、板状建築物の構造材となる桁行鉄骨梁を通路の手摺壁としてそのまま利用することが可能となる。
特に、第5発明によれば、バルコニーが設けられない梁間方向の一方の片側で、鉄筋コンクリート柱の外周面と外壁又は腰壁とが、専有部分の境界で互いに略同一平面に配置されることで、桁行鉄骨梁の梁型及び鉄筋コンクリート柱の柱型が専有部分の内側に形成されないものとなり、各々の専有部分の機能性や美観性を向上させて、ホテル又は病院等の板状建築物の付加価値を高めることが可能となる。
特に、第6発明によれば、下階の上部に配置される梁間鉄骨梁の上フランジと、上階の下部に配置される桁行鉄骨梁の下フランジとが、鉄筋コンクリート柱の内部で互いに段違いで接合されるため、地震時又は強風時に梁間鉄骨梁に作用する引抜力等を桁行鉄骨梁に略直角に伝達させて、梁間鉄骨梁と鉄筋コンクリート柱との接合状態を強固に保持させることが可能となる。
特に、第7発明によれば、複数の鉄骨梁を桁行方向に連結させるための梁継手部が鉄筋コンクリート柱の内部に設けられることで、梁継手部の添接板等が鉄筋コンクリート柱の外部に突出しないものとなり、桁行鉄骨梁の両面で石膏ボードや仕上材等の設置が容易となることで、手摺壁の内部での桁行鉄骨梁の収まりを向上させることが可能となる。
特に、第8発明によれば、桁行方向に連結される桁行鉄骨梁の上フランジ及びウェブの各々が、高力ボルト摩擦接合で接合されて、また、梁間鉄骨梁の上フランジと桁行鉄骨梁の下フランジとが、高力ボルト摩擦接合で接合されるため、添接板と高力ボルトとを使用して複数の鉄骨梁を容易に接合させて桁行鉄骨梁が設けられて、また、梁間鉄骨梁と桁行鉄骨梁とを容易に接合させることで、高力ボルト摩擦接合による強固な接合状態を容易に実現させることが可能となる。
特に、第9発明によれば、下階の上部に配置される梁間鉄骨梁の上フランジと、上階の下部に配置される桁行鉄骨梁の下フランジとが、互いに段違いで接合されることで形成される桁行鉄骨梁の側方の空間を利用して、重ね継手等を用いた連結部で複数の鉄筋を連結させることができるため、複数の鉄筋の連結作業を容易に実施することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造が用いられる板状建築物を示す斜視図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造が用いられる板状建築物を示す平面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造が用いられる板状建築物の各階を示す側面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造が用いられる板状建築物の各階を示す正面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造が用いられる板状建築物の専有部分及び共有部分を示す斜視図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造の梁間鉄骨梁を示す断面図であり、(b)は、桁行鉄骨梁を示す断面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で下階の梁間鉄骨梁と上階の梁間鉄骨梁とが鉄骨ブレースで互いに連結された状態を示す側面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で下階の梁間鉄骨梁と上階の梁間鉄骨梁とが壁柱で互いに連結された状態を示す側面図である。 (a)は、専有部分に隣接した外壁の内部の桁行鉄骨梁を示す拡大側面図であり、(b)は、腰壁の内部で偏心させた桁行鉄骨梁を示す拡大側面図であり、(c)は、腰壁の内部で偏心させていない桁行鉄骨梁を示す拡大側面図である。 (a)は、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で壁柱がH形鋼のフランジでボルト接合された状態を示す平面図であり、(b)は、その下階から上階まで連続させて設けられる壁柱を示す側面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で桁行鉄骨梁を偏心させた柱梁接合部を示す斜視図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で桁行鉄骨梁を偏心させていない柱梁接合部を示す斜視図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で梁間鉄骨梁と桁行鉄骨梁とが段違いにボルト接合された状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で梁間鉄骨梁と桁行鉄骨梁とが段違いに高力ボルト摩擦接合された状態を示す拡大正面図である。 本発明を適用した板状建築物の柱梁構造で複数の鉄筋の連結部が桁行鉄骨梁の側方に配置された状態を示す拡大正面図である。 (a)は、従来の柱梁構造が用いられた専有部分及び共有部分を示す平面図であり、(b)は、その側面図である。
以下、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図1に示すように、高層マンション等の集合住宅のほか、ホテル等の宿泊施設、学校の校舎、病院施設又は介護老人保健施設等の階層構造の建築物を対象として導入される。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、例えば、高さ方向Yで45m程度の全体高さを有する階層構造の建築物を対象として、特に、桁行方向Xを長手方向とするとともに、梁間方向Zを短手方向とする板状建築物8を構築するために用いられる。
板状建築物8は、図2に示すように、桁行方向Xで長手方向に延びる一対の桁行外周部81と、梁間方向Zで短手方向に延びる一対の梁間外周部82とに、板状建築物8の外周が取り囲まれることで、平面形状が略長方形状となるように構築される。
板状建築物8は、梁間方向Zの両側で桁行方向Xに延びる一対の桁行外周部81が互いに略平行に延びて設けられて、また、桁行方向Xの両側で梁間方向Zに延びる一対の梁間外周部82が互いに略平行に延びて設けられる。
板状建築物8は、住戸、客室、教室又は病室等となる複数の専有部分Pが、階層構造の各階で桁行方向Xに並べられて設けられるとともに、各々の専有部分Pに出入りするための通路Cが、階層構造の各階で桁行方向Xに連続させて共有部分Sとして設けられる。
専有部分Pは、各々の住戸等の入居者又は利用者等が専有する空間となる。専有部分Pは、桁行方向Xで互いに隣り合った専有部分Pと、梁間方向Zに延びる戸境壁Dで全面に亘って隔てられる。戸境壁Dは、例えば、300mm程度の壁厚で形成される。
専有部分Pは、特に、梁間方向Zの一方の片側では、バルコニーが設けられないものとして、専有部分Pに隣接して窓85又は外壁87等が設けられて、窓85又は外壁87等を境界Aとして外部から隔てられる。専有部分Pは、梁間方向Zの他方の片側では、共有部分Sとなる通路Cから専有部分Pに出入りするための玄関又は入口E等が設けられる。
通路Cは、図3、図4に示すように、転落防止又は目隠し等を目的として、桁行外周部81に沿って手摺壁80が設けられる。通路Cは、高さ方向Yで床面から1m程度の高さ寸法で手摺壁80が形成される。通路Cは、必要に応じて、図示しない窓サッシ、外壁材、手摺り又は目隠しガラス等が、手摺壁80の上方に取り付けられる。
専有部分P及び共有部分Sは、各々の専有部分Pと、各々の専有部分Pに隣接する通路Cとによって、各々の住戸、客室、教室又は病室等の単位要素Uが構成される。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図5に示すように、梁間方向Zに延びる梁間鉄骨梁2と、桁行方向Xに延びる桁行鉄骨梁3と、高さ方向Yに延びるとともに梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3が接合される鉄筋コンクリート柱4とを備える。
鉄筋コンクリート柱4は、鉄筋コンクリート製のものが用いられて、断面略矩形状等に形成される。鉄筋コンクリート柱4は、これに限らず、単一H形鋼又はクロスH形鋼等の鉄骨柱を内部に内蔵した鉄骨鉄筋コンクリート等が用いられてもよい。
鉄筋コンクリート柱4は、板状建築物8の梁間方向Zの両側で一対の桁行外周部81の各々に配置される。鉄筋コンクリート柱4は、住戸等の単位要素Uの梁間方向Zの両側で、梁間方向Zに対向して一対となって配置されて、また、住戸等の単位要素Uの桁行方向Xの両側で、桁行方向Xに対向して一対となって配置される。
鉄筋コンクリート柱4は、住戸等の単位要素Uの四隅に配置される。鉄筋コンクリート柱4は、特に、専有部分Pの境界Aの内側βに設けられることなく、専有部分Pの境界Aの外側α、及び、共有部分Sとなる通路Cに設けられる。鉄筋コンクリート柱4は、専有部分Pの室内空間に大きく突出することなく、柱型を形成させずに設けられる。
梁間鉄骨梁2は、図6(a)に示すように、断面略H形状に形成されたH形鋼の鉄骨梁が用いられて、上フランジ21と、下フランジ22と、ウェブ23とを有する。梁間鉄骨梁2は、例えば、梁成hを500mm〜600mm程度、フランジ幅wを200mm程度、ウェブ板厚twを9mm程度、フランジ板厚tfを25mm程度とする。
梁間鉄骨梁2は、図3に示すように、階層構造の各階の上部で、梁間方向Zに対向する一対の鉄筋コンクリート柱4に架設される。梁間鉄骨梁2は、必要に応じて、梁間鉄骨梁2と略同一の断面形状、断面寸法を有する鉄骨ブレース84が傾斜して設けられて、鉄骨ブレース84の上端及び下端が梁間鉄骨梁2に取り付けられる。
梁間鉄骨梁2は、鉄骨ブレース84とともに桁行方向Xの両面に仕上材等が設置されることで、図4に示すように、300mm程度の壁厚の戸境壁Dの内部に、フランジ幅全体が収まるように設けられる。梁間鉄骨梁2は、鉄筋コンクリート柱4に架設されることで所定の構造耐力を維持しながら、専有部分Pの室内空間に突出することなく、梁型を形成させずに設けられる。
桁行鉄骨梁3は、図6(b)に示すように、断面略H形状に形成されたH形鋼の鉄骨梁が用いられて、上フランジ31と、下フランジ32と、ウェブ33とを有する。桁行鉄骨梁3は、例えば、梁成hを1000mm程度、フランジ幅wを250mm程度、ウェブ板厚twを19mm程度、フランジ板厚tfを28mm程度とする。
桁行鉄骨梁3は、図4に示すように、階層構造の各階の下部で、桁行方向Xに対向する一対の鉄筋コンクリート柱4に架設される。桁行鉄骨梁3は、複数のH形鋼の鉄骨梁を梁継手部30で桁行方向Xに連結させることで設けられるものであり、鉄筋コンクリート柱4の内部に梁継手部30が設けられる。
桁行鉄骨梁3は、図7、図8に示すように、板状建築物8のバルコニーが設けられない梁間方向Zの一方の片側、及び、板状建築物8の通路Cが設けられる梁間方向Zの他方の片側で、桁行方向Xに延びる一対の桁行外周部81の各々に沿って配置される。
桁行鉄骨梁3は、板状建築物8のバルコニーが設けられない梁間方向Zの一方の片側で、専有部分Pの内側βに設けられることなく、専有部分Pの外側αに隣接して設けられる。また、桁行鉄骨梁3は、板状建築物8の通路Cが設けられる梁間方向Zの他方の片側で、共有部分Sとなる通路Cに設けられる。
桁行鉄骨梁3は、板状建築物8の通路Cが設けられる梁間方向Zの他方の片側で、梁間方向Zの両面に石膏ボードや仕上材等が設置されて、手摺壁80の内部にフランジ幅全体が収まるように設けられる。桁行鉄骨梁3は、必要に応じて、共有部分Sとなる通路Cに突出することなく、梁型を形成させずに設けられる。
桁行鉄骨梁3は、板状建築物8のバルコニーが設けられない梁間方向Zの一方の片側で、梁間方向Zの両面に石膏ボード、仕上材又は耐火被覆等が設置されて、図9に示すように、専有部分Pに隣接した外壁87又は腰壁86の内部にフランジ幅全体が収まるように設けられる。
桁行鉄骨梁3は、バルコニーが設けられない梁間方向Zの一方の片側で、図9(a)に示すように、専有部分Pと外部との境界Aが外壁87で隔てられる場合には、専有部分Pの外側αに隣接して外壁87の内部に設けられる。また、桁行鉄骨梁3は、図9(b)に示すように、専有部分Pと外部との境界Aが窓85で隔てられる場合には、専有部分Pの外側αに隣接して窓サッシの下方に設けられた腰壁86の内部に設けられる。
桁行鉄骨梁3は、例えば、鉄筋コンクリート柱4から偏心させて専有部分P側に寄せて配置されることで、特に、鉄筋コンクリート柱4の外周面4aと外壁87又は腰壁86とが、専有部分Pの境界Aで互いに略同一平面に配置される。
桁行鉄骨梁3は、図9(c)に示すように、鉄筋コンクリート柱4から偏心させることなく配置されてもよい。このとき、桁行鉄骨梁3は、鉄筋コンクリート柱4の外周面4aと外壁87又は腰壁86とが、専有部分Pの境界Aで互いに略同一平面に配置されるように、外壁87又は腰壁86となる石膏ボード、仕上材又は耐火被覆等が設置される。
桁行鉄骨梁3は、バルコニーが設けられない梁間方向Zの一方の片側の専有部分Pで、鉄筋コンクリート柱4と略同一平面に配置された外壁87又は腰壁86の内部に設けられることで、専有部分Pの内側βに突出することなく、梁型を形成させずに設けられる。
桁行鉄骨梁3は、図9(b)、図9(c)に示すように、窓85と腰壁86とで室内空間側の側面の位置を略一致させるほか、窓85と腰壁86とで室内空間側の側面の位置が異なってもよい。このとき、桁行鉄骨梁3は、例えば、腰壁86の室内空間側の側面を、窓85の室内空間側の側面よりも専有部分P側に配置することもできる。
なお、ここでは、窓85、腰壁86、外壁87、鉄筋コンクリート柱4及び戸境壁D等の室内空間側の側面で区切られた境界Aの内側βが、専有部分Pとなる。そして、窓85と腰壁86とで室内空間側の側面の位置が異なる場合であっても、例えば、窓85よりも専有部分P側に配置された腰壁86は梁型とはならず、腰壁86又は外壁87の室内空間側の側面と鉄筋コンクリート柱4の室内空間側の外周面4aとの位置が大きく異なる場合のみ、梁型又は柱型が形成されるものとなる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、腰壁86又は外壁87等の室内空間側の側面と鉄筋コンクリート柱4の室内空間側の外周面4aとの位置が段差なく一致していることが最も好ましいものの、石膏ボード、仕上材及び耐火被覆等の資材の厚さの都合又は設計誤差等に起因して、腰壁86又は外壁87等の室内空間側の側面と鉄筋コンクリート柱4の室内空間側の外周面4aとの位置が厳密に一致しない場合も、本発明では梁型又は柱型が形成されないものとする。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図8に示すように、さらに、高さ方向Yに延びる壁柱6を備えるものとされてもよい。このとき、梁間鉄骨梁2は、高さ方向Yに隣り合った下階Fd及び上階Fuに設けられるとともに、下階Fdの梁間鉄骨梁2と上階Fuの梁間鉄骨梁2とが、壁柱6で互いに連結されるものとなる。
壁柱6は、複数のH形鋼が接合された鉄骨柱が用いられるものであり、例えば、2箇のH形鋼を互いに接合させて用いられる。壁柱6は、互いに隣り合った専有部分Pを隔てる戸境壁Dの内部に設けられて、例えば、共有部分Sとなる通路Cから専有部分Pに出入りするための入口Eに沿った位置等に配置される。
壁柱6は、特に、図7に示す鉄骨ブレース84を設けることなく、2箇のH形鋼を互いに接合させて用いられる。ここで、壁柱6は、300mm程度の壁厚の戸境壁Dの内部に、各々のH形鋼のフランジ幅全体が収まるように設けられる。
壁柱6は、図10(a)に示すように、断面略H形状に形成されたH形鋼が用いられて、梁間方向Zで一対となるフランジ60と、一対のフランジ60に架設されるウェブ63とを有する。壁柱6は、例えば、各々のH形鋼の部材成hを500mm〜900mm程度、フランジ幅wを200mm〜300mm程度、ウェブ板厚twを9mm〜19mm程度、フランジ板厚tfを25mm〜40mm程度とする。
壁柱6は、梁間方向Zに隣り合った各々のH形鋼のフランジ60が互いに接合される。壁柱6は、隣り合った各々のH形鋼のフランジ60が互いに当接されるとともに、互いに当接されたフランジ60を貫通して設けられたボルト51にナット52を締結させることで、2箇のH形鋼がフランジ60で互いにボルト接合される。壁柱6は、これに限らず、2箇のH形鋼がフランジ60で互いに溶接接合等されてもよい。
壁柱6は、図10(b)に示すように、下階Fdから上階Fuまで連続させて、例えば、2〜3階程度の階層ごとに、下階FdのH形鋼の鉄骨柱と上階FuのH形鋼の鉄骨柱とが、高力ボルト摩擦接合等で接合される。壁柱6は、各々のフランジ60及びウェブ63の何れか一方又は両方で、片面又は両面に架設される添接板5と高力ボルト50とを使用して、下階Fdの鉄骨柱と上階Fuの鉄骨柱とが高力ボルト摩擦接合で接合される。
壁柱6は、梁間鉄骨梁2に接続される箇所で、H形鋼のフランジ60と略直交する方向に延びるスチフナ64が、一対のフランジ60及びウェブ63に跨って溶接等により接合されてもよい。壁柱6は、梁間鉄骨梁2に接続される箇所で、必要に応じて、梁間鉄骨梁2と略同一の断面略H形状に形成された接続部65が設けられて、梁間鉄骨梁2と接続部65とが、添接板5と高力ボルト50とを使用した高力ボルト摩擦接合で接合される。
壁柱6は、複数のH形鋼が用いられるだけでなく、部材成hを1000mm〜1800mm程度とした1箇のH形鋼が用いられてもよい。このとき、壁柱6は、部材成hを1000mm〜1800mm程度とした1箇のH形鋼で、H形鋼のウェブ63の局部座屈等を防止するために、一対のフランジ60及びウェブ63に跨ってスチフナ64等が溶接等により接合されることが望ましい。
板状建築物8は、図7、図8に示すように、階層構造の各階において、所定の階高Hを有するものであり、高さ方向Yに隣り合った下階Fdと上階Fuとが、コンクリート等の床スラブ83で区切られて階層状に設けられて、所定の全体高さを有するものとなる。
梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、特に、板状建築物8の高さ方向Yに隣り合った下階Fd及び上階Fuで、下階Fdの上部に配置される梁間鉄骨梁2の上方に、上階Fuの下部に配置される桁行鉄骨梁3が設けられる。
梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、下階Fdの専有部分Pの境界Aで、戸境壁Dの内部に梁間鉄骨梁2が収まるように設けられるとともに、上階Fuの専有部分Pの外側α及び通路Cで、外壁87等又は手摺壁80の内部に桁行鉄骨梁3が収まるように設けられる。
梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、図5に示すように、桁行方向Xに一対となった鉄筋コンクリート柱4、及び、梁間方向Zに一対となった鉄筋コンクリート柱4に、鉄骨梁の両端部が柱梁接合部40で接合される。なお、梁間鉄骨梁2は、図8に示す壁柱6が入口Eに沿った位置等に配置される場合に、通路Cでの梁間鉄骨梁2の設置を省略してもよく、鉄骨梁の片端部のみが鉄筋コンクリート柱4に柱梁接合部40で接合されてもよい。
梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、図11、図12に示すように、鉄筋コンクリート柱4に接合される柱梁接合部40で、下階Fdの上部に配置される梁間鉄骨梁2の上フランジ21と、上階Fuの下部に配置される桁行鉄骨梁3の下フランジ32とが、互いに接合される。
梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、図13に示すように、下階Fdの上部の梁間鉄骨梁2の上フランジ21の上面に、上階Fuの下部の桁行鉄骨梁3の下フランジ32の下面を当接させる。そして、梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、梁間鉄骨梁2の上フランジ21と桁行鉄骨梁3の下フランジ32とを貫通して設けられたボルト51にナット52を締結させることで、高さ方向Yで互いに段違いの状態でボルト接合される。
また、梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、図14に示すように、梁間鉄骨梁2の上フランジ21と桁行鉄骨梁3の下フランジ32とが、添接板5と高力ボルト50とを使用した高力ボルト摩擦接合で、互いに段違いの状態で接合されてもよい。さらに、梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、梁間鉄骨梁2の上フランジ21の上面と桁行鉄骨梁3の下フランジ32の下面とが溶接接合されることで、互いに段違いの状態で接合されてもよい。
梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、例えば、高力ボルト摩擦接合で接合される場合には、梁間鉄骨梁2の上フランジ21の両側方に一対の鋼板等の補助添接板5aが設けられて、桁行鉄骨梁3の下フランジ32の上面に鋼板等の添接板5bが設けられてもよい。このとき、梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3は、梁間鉄骨梁2の上フランジ21及び補助添接板5aと添接板5bとの間に、桁行鉄骨梁3の下フランジ32が挟み込まれた状態で、これらを貫通して設けられた高力ボルト50にナット52を締結させるものとなる。
桁行鉄骨梁3は、鉄筋コンクリート柱4の内部に設けられる梁継手部30で、桁行方向Xに連結される複数の鉄骨梁の上フランジ31及びウェブ33の各々が、上フランジ31の添接板5c及びウェブ33の添接板5dに挟み込まれる。このとき、桁行鉄骨梁3は、上フランジ31の片面又は両面に架設される添接板5cと、ウェブ33の片面又は両面に架設される添接板5dとで、これらを貫通して設けられた高力ボルト50にナット52を締結させることで、高力ボルト摩擦接合で接合される。
鉄筋コンクリート柱4は、図15に示すように、重ね継手等を用いた連結部42で複数の鉄筋41を高さ方向Yに連結させることで、鉄筋コンクリート柱4の内部で高さ方向Yに延びる主筋43が複数箇所に配設される。鉄筋コンクリート柱4は、特に、桁行鉄骨梁3の側方に連結部42が配置されて、例えば、1個の鉄筋コンクリート柱4に設けられる複数の柱梁接合部40のうち、一部の柱梁接合部40のみに連結部42が形成される。
鉄筋コンクリート柱4は、梁間鉄骨梁2の上フランジ21、下フランジ22及びウェブ23で形成される溝部が覆われる型枠の一部として、一対の鋼板等のフェイスベアリングプレート24が取り付けられてもよい。このとき、鉄筋コンクリート柱4は、梁間鉄骨梁2の溝部に沿って凹凸状に形成された型枠を別途に設けることを必要としないで、容易にコンクリートを打設して鉄筋コンクリート製の柱体を構築することができる。
ここで、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図7、図8に示すように、下階Fdの上部に梁間鉄骨梁2が配置される。このとき、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、共有部分Sの通路Cが梁間鉄骨梁2で塞がれることなく、また、通路Cの足元に梁間鉄骨梁2による段差を形成させないで、鉄筋コンクリート柱4まで梁間鉄骨梁2を延ばして設けることができる。
また、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、下階Fdの上部の梁間鉄骨梁2の上方に、上階Fuの下部の桁行鉄骨梁3が設けられる。このとき、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、各階の上方から桁行鉄骨梁3が垂れ壁のように設けられないものとなり、住戸等の利用者等の視界を遮ることなく、共有部分Sとなる通路Cの手摺壁80の内部に桁行鉄骨梁3を設けることができる。
これに対して、従来の柱梁構造9は、図16に示すように、梁間方向Zに延びる構造材として鉄骨梁を設けることなく、コンクリート製の耐力壁91が戸境壁Dに設けられる。このため、従来の柱梁構造9は、耐力壁91が鉄筋コンクリート柱90に接合される部位まで、通路Cを確保するための開口箇所を耐力壁91に形成することができず、専有部分Pの四隅に鉄筋コンクリート柱90を配置せざるを得ないものとなっていた。
また、従来の柱梁構造9は、桁行方向Xに延びる構造材として鉄骨梁を設けることなく、桁行方向Xに延びる構造材として鉄筋コンクリート梁92が各階の上部に設けられる。このため、従来の柱梁構造9は、専有部分Pの四隅に配置された鉄筋コンクリート柱90に、各階の上部に設けられた鉄筋コンクリート梁92が接合されることから、鉄筋コンクリート梁92が各階の上方から垂れ壁のように設けられていた。
従来の柱梁構造9は、専有部分Pの四隅に鉄筋コンクリート柱90が配置されることで、バルコニーBに出入りするための開口部や、通路Cから出入りするための玄関又は入口Eが、鉄筋コンクリート梁92で上方から部分的に塞がれる。このため、従来の柱梁構造9は、共有部分SとなるバルコニーBへの開口部や通路Cからの入口Eで所定の開口高さを確保するために、各階の階高Hを高くする必要が生じていた。
また、従来の柱梁構造9は、仮に、共有部分SとなるバルコニーBや通路Cに鉄筋コンクリート柱90が設けられる場合であっても、鉄筋コンクリート柱90に接合される鉄筋コンクリート梁92が各階の上方から垂れ壁のように設けられる。このため、従来の柱梁構造9は、鉄筋コンクリート梁92が住戸等の利用者等の視界を遮るものとなることから、利用者等の所定の視界を確保するために、各階の階高Hを高くする必要が生じていた。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図7、図8に示すように、桁行方向Xに延びる桁行鉄骨梁3が、専有部分Pに設けられることなく、専有部分Pの外側α及び通路Cに設けられて、専有部分Pの室内空間に桁行鉄骨梁3の梁型を形成させないものとなる。また、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、梁間方向Zに延びる梁間鉄骨梁2が、戸境壁Dの内部にフランジ幅全体が収まるように設けられて、専有部分Pの室内空間に梁間鉄骨梁2の梁型を形成させないものとなる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3が、専有部分Pに設けられないため、各々の専有部分Pに梁間鉄骨梁2及び桁行鉄骨梁3の梁型を形成させないものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、専有部分Pの室内空間を広く確保することで、各々の専有部分Pの機能性や美観性を向上させて、ホテル又は病院等の板状建築物8の付加価値を高めることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、下階Fdの上部に配置される梁間鉄骨梁2の上方に、上階Fuの下部に配置される桁行鉄骨梁3が設けられることで、各階の階高Hを高くしなくても、通路Cが梁間鉄骨梁2で塞がれることなく、また、通路Cの足元に梁間鉄骨梁2による段差を形成させないものとなる。そして、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、桁行鉄骨梁3で住戸等の利用者等の視界が遮られないものとしながら、通路Cからの入口Eで所定の開口高さを確保することができる。
これにより、従来の柱梁構造9では、バルコニーBや通路Cからの入口Eで所定の開口高さを確保等するために、各階の階高Hを最低でも3m程度確保することが必要となっていたのに対して、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1では、各階の階高Hを2.7m程度確保すれば十分なものとなる。このとき、例えば、45m程度の全体高さを有する板状建築物8においては、従来の柱梁構造9で最大でも15階建となっていたのに対して、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1で16階建程度とすることもできる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、板状建築物8の各階の階高Hを高くしなくても、住戸等の利用者等の視界が桁行鉄骨梁3で遮られないものとしながら、通路Cからの入口Eで十分な開口高さを確保して、同一の全体高さで建築することのできる板状建築物8の階層が増大することで、1棟の板状建築物8で供給することのできる専有部分Pの数量を著しく増大させることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、バルコニーが設けられない梁間方向Zの一方の片側で、図9に示すように、専有部分Pの外側αに隣接して外壁87又は腰壁86の内部に桁行鉄骨梁3が設けられる。そして、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、鉄筋コンクリート柱4の外周面4aと外壁87又は腰壁86とが、専有部分Pの境界Aで互いに略同一平面に配置されることで、桁行鉄骨梁3の梁型及び鉄筋コンクリート柱4の柱型が専有部分Pの内側βに形成されないものとなる。このとき、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、バルコニーが設けられない梁間方向Zの一方の片側で、各々の専有部分Pの機能性や美観性を向上させて、ホテル又は病院等の板状建築物8の付加価値を高めることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、必要に応じて、図8に示すように、下階Fdの梁間鉄骨梁2と上階Fuの梁間鉄骨梁2とが壁柱6で互いに連結されるため、板状建築物8の梁間方向Zに作用する水平荷重を壁柱6に負担させることができる。このとき、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、特に、壁柱6に梁間方向Zの水平荷重を負担させることで、図3に示す鉄骨ブレース84の設置を省略しながら、板状建築物8に要求される梁間方向Zの水平耐力を十分に確保することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、専有部分Pを隔てる戸境壁Dに壁柱6が設けられて、桁行外周部81に配置された鉄筋コンクリート柱4とともに、板状建築物8の梁間方向Zに作用する水平荷重を壁柱6が負担する。このとき、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、板状建築物8の水平耐力が壁柱6により向上するため、共有部分Sとなる通路Cの部分で、梁間鉄骨梁2の梁成hを小さくすることができる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、板状建築物8の水平耐力が壁柱6により向上するため、共有部分Sとなる通路Cの部分で、梁間鉄骨梁2の設置を省略することもできる。これにより、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、特に、共有部分Sとなる通路Cの部分で、梁間鉄骨梁2の梁成hを小さくして、又は、梁間鉄骨梁2の設置を省略することで、通路Cの天井から梁間鉄骨梁2が突出しないものとなり、通路Cの円滑な通行を実現することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、板状建築物8の専有部分Pを隔てる戸境壁Dの内部に、梁間鉄骨梁2及び壁柱6のH形鋼の全体が収まるように設けられる。これにより、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、板状建築物8の戸境壁Dから専有部分Pに、梁間鉄骨梁2及び壁柱6が突出しないものとなるため、専有部分Pの室内空間を広く確保して、専有部分Pの機能性や美観性を向上させることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図10に示すように、壁柱6として複数のH形鋼が用いられて、各々のH形鋼のフランジ60が互いに接合されることで、H形鋼のフランジ60及びウェブ63の局部座屈等を防止したものとなる。これにより、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、壁柱6として戸境壁Dの内部に収まる程度のフランジ幅wが小さいH形鋼が用いられるにもかかわらず、H形鋼のフランジ60及びウェブ63の局部座屈等を防止して、壁柱6の座屈耐力を向上させることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図11、図12に示すように、鉄筋コンクリート柱4に梁間鉄骨梁2が接合される柱梁接合部40で、梁間鉄骨梁2の上フランジ21と、桁行鉄骨梁3の下フランジ32とが、互いに段違いで接合される。これにより、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、鉄筋コンクリート柱4の内部で、地震時又は強風時に梁間鉄骨梁2に作用する引抜力等を桁行鉄骨梁3に略直角に伝達させて、梁間鉄骨梁2と鉄筋コンクリート柱4との接合状態を強固に保持させることが可能となる。
また、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図13に示すように、桁行鉄骨梁3となる複数の鉄骨梁を連結させるための梁継手部30が、鉄筋コンクリート柱4の内部に設けられる。これにより、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、梁継手部30の添接板5等が鉄筋コンクリート柱4の外部に突出しないものとなり、図7、図8に示すように、桁行鉄骨梁3の両面で石膏ボードや仕上材等の設置が容易となることで、手摺壁80の内部での桁行鉄骨梁3の収まりを向上させることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、通路Cが設けられる梁間方向Zの他方の片側で、桁行鉄骨梁3の両面に石膏ボードや仕上材等が設置されて、通路Cの手摺壁80の内部に、上階Fuの下部の桁行鉄骨梁3が収まるように設けられる。このとき、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、板状建築物8の構造材となる桁行鉄骨梁3を通路Cの手摺壁80としてそのまま利用することが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図14に示すように、鉄筋コンクリート柱4に梁間鉄骨梁2又は桁行鉄骨梁3が接合される柱梁接合部40で、桁行方向Xに連結される桁行鉄骨梁3の上フランジ31及びウェブ33の各々が高力ボルト摩擦接合で接合されて、また、梁間鉄骨梁2の上フランジ21と桁行鉄骨梁3の下フランジ32とが高力ボルト摩擦接合で接合される。これにより、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、添接板5と高力ボルト50とを使用して複数の鉄骨梁を容易に接合させて桁行鉄骨梁3が設けられて、また、梁間鉄骨梁2と桁行鉄骨梁3とを容易に接合させることで、高力ボルト摩擦接合による強固な接合状態を容易に実現させることが可能となる。
本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、図15に示すように、鉄筋コンクリート柱4に梁間鉄骨梁2又は桁行鉄骨梁3が接合される柱梁接合部40で、下階Fdの上部に配置される梁間鉄骨梁2の上フランジ21と、上階Fuの下部に配置される桁行鉄骨梁3の下フランジ32とが段違いで接合されて、複数の鉄筋41の連結部42が桁行鉄骨梁3の側方に配置される。これにより、本発明を適用した板状建築物の柱梁構造1は、互いに段違いで接合されることで形成される桁行鉄骨梁3の側方の空間を利用して、重ね継手等を用いた連結部42で複数の鉄筋41を連結させることができるため、複数の鉄筋41の連結作業を容易に実施することが可能となる。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
1 :板状建築物の柱梁構造
2 :梁間鉄骨梁
21 :梁間鉄骨梁の上フランジ
22 :梁間鉄骨梁の下フランジ
23 :梁間鉄骨梁のウェブ
24 :フェイスベアリングプレート
3 :桁行鉄骨梁
30 :梁継手部
31 :桁行鉄骨梁の上フランジ
32 :桁行鉄骨梁の下フランジ
33 :桁行鉄骨梁のウェブ
4 :鉄筋コンクリート柱
4a :外周面
40 :柱梁接合部
41 :鉄筋
42 :連結部
43 :主筋
5 :添接板
50 :高力ボルト
51 :ボルト
52 :ナット
6 :壁柱
60 :壁柱のフランジ
63 :壁柱のウェブ
64 :スチフナ
65 :壁柱の接続部
8 :板状建築物
80 :手摺壁
81 :桁行外周部
82 :梁間外周部
83 :床スラブ
84 :鉄骨ブレース
85 :窓
86 :腰壁
87 :外壁
A :境界
α :外側
β :内側
B :バルコニー
C :通路
D :戸境壁
E :入口
Fd :下階
Fu :上階
P :専有部分
S :共有部分
U :単位要素
X :桁行方向
Y :高さ方向
Z :梁間方向

Claims (9)

  1. 階層構造の各階で複数の専有部分が桁行方向に並べられる板状建築物の柱梁構造であって、
    梁間方向に延びる梁間鉄骨梁と、桁行方向に延びる桁行鉄骨梁と、高さ方向に延びるとともに前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁が接合される鉄筋コンクリート柱と、
    桁行方向に隣り合った専有部分を隔てる戸境壁に設けられるとともに高さ方向に延びる壁柱とを備え、
    前記桁行鉄骨梁は、板状建築物のバルコニーが設けられない梁間方向の片側で、板状建築物の専有部分に設けられることなく、板状建築物の専有部分の外側に隣接して設けられて、板状建築物の桁行方向に延びる桁行外周部に沿って配置され、
    前記梁間鉄骨梁は、板状建築物の高さ方向に隣り合った下階及び上階に設けられるとともに、下階の前記梁間鉄骨梁と上階の前記梁間鉄骨梁とが、前記壁柱で連結されること
    を特徴とする板状建築物の柱梁構造。
  2. 前記壁柱は、複数のH形鋼が用いられて、各々のH形鋼のフランジが互いに接合されるとともに、前記戸境壁の内部に各々のH形鋼が収まるように設けられること
    を特徴とする請求項1記載の板状建築物の柱梁構造。
  3. 前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁は、板状建築物の高さ方向に隣り合った下階及び上階で、下階の上部に配置される前記梁間鉄骨梁の上方に、上階の下部に配置される前記桁行鉄骨梁が設けられること
    を特徴とする請求項1又は2記載の板状建築物の柱梁構造。
  4. 前記桁行鉄骨梁は、板状建築物のバルコニーが設けられない梁間方向の片側で外壁又は腰壁の内部に設けられるとともに、板状建築物の通路が設けられる梁間方向の片側で手摺壁の内部に設けられて、板状建築物の桁行方向に延びる一対の桁行外周部の各々に沿って配置されること
    を特徴とする請求項3記載の板状建築物の柱梁構造。
  5. 前記桁行鉄骨梁は、板状建築物のバルコニーが設けられない梁間方向の片側で、板状建築物の専有部分で前記鉄筋コンクリート柱と略同一平面に配置された外壁又は腰壁の内部に設けられること
    を特徴とする請求項4記載の板状建築物の柱梁構造。
  6. 前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁は、各々にH形鋼が用いられて、前記鉄筋コンクリート柱に接合される柱梁接合部で、下階の上部に配置される前記梁間鉄骨梁の上フランジと、上階の下部に配置される前記桁行鉄骨梁の下フランジとが接合されること
    を特徴とする請求項3〜5の何れか1項記載の板状建築物の柱梁構造。
  7. 前記桁行鉄骨梁は、複数の鉄骨梁を梁継手部で桁行方向に連結させることで設けられるものであり、前記鉄筋コンクリート柱の内部に前記梁継手部が設けられること
    を特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の板状建築物の柱梁構造。
  8. 前記梁間鉄骨梁及び前記桁行鉄骨梁は、各々にH形鋼が用いられて、前記鉄筋コンクリート柱に接合される柱梁接合部で、下階の上部に配置される前記梁間鉄骨梁の上フランジと、上階の下部に配置される前記桁行鉄骨梁の下フランジとが、高力ボルト摩擦接合で接合されるとともに、
    前記桁行鉄骨梁は、複数の鉄骨梁を梁継手部で桁行方向に連結させることで設けられるものであり、前記鉄筋コンクリート柱の内部に設けられた前記梁継手部で、複数の鉄骨梁の上フランジ及びウェブの各々が、高力ボルト摩擦接合で接合されること
    を特徴とする請求項6又は7記載の板状建築物の柱梁構造。
  9. 前記鉄筋コンクリート柱は、複数の鉄筋を連結部で高さ方向に連結させることで、前記鉄筋コンクリート柱の内部に主筋が配設されるものであり、前記桁行鉄骨梁の側方に前記連結部が配置されること
    を特徴とする請求項1〜8の何れか1項記載の板状建築物の柱梁構造。
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