JP6978449B2 - ウレタン樹脂組成物、建材の耐火補強方法、および建材の耐火補強構造 - Google Patents

ウレタン樹脂組成物、建材の耐火補強方法、および建材の耐火補強構造 Download PDF

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Description

本発明は、ウレタン樹脂組成物に関する。より詳細には、コーキングやスプレーとして
施工するのに適した発泡硬質ウレタン樹脂組成物、建材の耐火補強方法、および建材の耐
火補強構造に関する。
従来、建材、防火区画を画成する壁または床には、配線または配管等の挿通物を敷設す
るための貫通孔が設けられ、かかる防火区画貫通部では挿通物と貫通孔との間の空間に耐
火性を付与するために、かかる空間をガラスクロス等の不燃材で被覆したり、特許文献1
に示されているように、耐火充填材(パテ)で埋めたりしていた。
また、建材の区画貫通部に耐火充填材を充填するときには、特許文献1に示されている
ように、耐火充填材が壁や床の孔内で移動しないように耐火充填材支持金具が設置される
ことがあった。
特開2005-336704
しかしながら、耐火充填材(パテ)で区画貫通部等の建材の開口部を充填するには、作
業者によってムラがあると共に、パテが硬いため開口部に隙間なく密に埋めることは困難
である。大きな隙間があると、貫通孔に外気が入り、結露が生じることもある。
また、特許文献1に記載されたような耐火充填材支持金具では、金具の隙間も大きく、
耐火充填材を効率的に受け止められるとは限らず、挿通物と貫通孔との間の空間を、依然
として密に埋めることができない。
本発明の一つの目的は、建材の開口部をよりきめ細かく充填できるウレタン樹脂組成物
、かかるウレタン樹脂組成物を収容するコーキングガンまたはスプレー式容器、およびか
かるウレタン樹脂組成物を用いた建材の耐火補強方法ならびに建材の耐火補強構造を提供
することである。
本発明のさらなる目的は、建材の開口部からはみ出さずにより確実に充填できる建材の
耐火補強方法および建材の耐火補強構造を提供することである。
本発明は以下の通りである。
[1]ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、触媒、発泡剤、整泡剤および添加
剤を含み、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が芳香環を
有し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方にメチレン
基が2つ以上連結し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が、下記の
関係を満たし:
0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量)/(ポリイソシアネート化合物中の重合
可能な官能基の数)≦1000、および/または
0≦(ポリオール化合物の分子量)/(ポリオール化合物中の重合可能な官能基の数
)≦1000、
前記添加剤が、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤および金属
水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする、ウレタン樹脂
組成物。
[2]ポリイソシアネート化合物、ポリオール化合物、触媒、熱膨張性黒鉛、整泡剤およ
び添加剤を含み、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が芳香環を
有し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方にメチレン
基が2つ以上連結し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が、下記の
関係を満たし:
0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量)/(ポリイソシアネート化合物中の重合
可能な官能基の数)≦1000、および/または
0≦(ポリオール化合物の分子量)/(ポリオール化合物中の重合可能な官能基の数
)≦1000、
前記添加剤がリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤および金属水
酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする、ウレタン樹脂組
成物。
[3]ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が、モ
ノマー数の比で、
0≦(2官能以下の前記ポリイソシアネート化合物/3官能以上の前記ポリイソシ
アネート化合物)≦1、および/または
0≦(2官能以下の前記ポリオール化合物/3官能以上の前記ポリオール化合物)
≦1、
を満たし、
100≦(ポリオール化合物の分子量)≦10000であることを特徴とする項1
または2に記載のウレタン樹脂組成物。
[4]膨張倍率10倍以上、および残渣硬さ0.2kgf以上であることを特徴とする項
1〜3のいずれか一項に記載のウレタン樹脂組成物。
[5]建材の開口部に、コーキングガンまたはスプレー式容器を用いて項1〜4のいずれ
か一項に記載のウレタン樹脂組成物を充填することを特徴とする建材の耐火補強方法。
[6]前記ウレタン樹脂組成物を袋に入れて、前記建材の開口部に充填することを特徴と
する項5に記載の建材の耐火補強方法。
[7]開口部を有する建材と、
前記開口部に充填された項1〜4のいずれか一項に記載のウレタン樹脂組成物とを備え
た建材の耐火補強構造。
[8]前記ウレタン樹脂組成物が袋に入っていることを特徴とする項7に記載の建材の耐
火補強構造。
[9](A)ポリイソシアネートを含む第1液、
(B)ポリオールを含む第2液、
(C)触媒、
(D)発泡剤、
(E)整泡剤、および
(F)リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤、および金属水酸化物
から選ばれる少なくとも1つを含む添加剤
を有し、 ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が
芳香環を有し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方にメチレン
基が2つ以上連結し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が、下記の
関係を満たし:
0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量)/(ポリイソシアネート化合物中の重合
可能な官能基の数)≦1000、および/または
0≦(ポリオール化合物の分子量)/(ポリオール化合物中の重合可能な官能基の数
)≦1000、
である難燃性ポリウレタン発泡体を形成するための発泡システム。
[10](A)ポリイソシアネートを含む第1液、
(B)ポリオールを含む第2液、
(C)触媒、
(D)熱膨張性黒鉛、
(E)整泡剤、および
(F)リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤、および金属水酸化物
から選ばれる少なくとも1つを含む添加剤
を有し、 ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が
芳香環を有し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方にメチレン
基が2つ以上連結し、
ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が、下記の
関係を満たし:
0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量)/(ポリイソシアネート化合物中の重合
可能な官能基の数)≦1000、および/または
0≦(ポリオール化合物の分子量)/(ポリオール化合物中の重合可能な官能基の数
)≦1000、
である難燃性ポリウレタン発泡体を形成するための発泡システム。
[11] 前記(A)
〜(F)を収容したコーキングガンまたはスプレー式容器である項9または10に記載の
発泡システム。
本発明によれば、難燃性の発泡ポリウレタン樹脂組成物で建材の開口部を充填できるた
め、開口部を簡便かつ迅速に充填し、耐火性を向上させることが可能となる。また、コー
キングガンまたはスプレー式容器を用いて施工できるため、狭い隙間でも簡単に施工する
ことができる。さらに、ウレタン樹脂組成物を袋に入れることで、開口部からの漏れを防
止することができると共に、ウレタン樹脂組成物が空気に触れることによるウレタン樹脂
組成物の品質の劣化も抑制できる。
本発明の第1実施形態の区画貫通部の耐火構造を示す略斜視図。 ウレタン樹脂組成物の貫通孔における充填の様子を示す断面図。 コーキングガンの内部構造を示す略図。 スプレー式容器を用いた場合を示す斜視図。 別例の区画貫通部の耐火構造を示す断面図。 別例の区画貫通部の耐火構造を示す断面図。
本明細書において、「建築物」には、一戸建住宅、集合住宅、高層住宅、高層ビル、商
業施設、公共施設等の建材、客船、輸送船、連絡船等の船舶等の構造物が含まれるが、こ
れらに限定されない。
本発明において、「建材」は、建築物を作るために使われる任意の材料を指し、壁、床
、レンガ、屋根、板材などの構造体;窓(引き違い窓、開き窓、上げ下げ窓等を含む)、
障子、扉(すなわちドア)、戸、ふすま、及び欄間などの建具:配線、配管;などを含む
がこれらに限定されない。
本明細書において、建材の「開口部」とは、一つの建材に設けられている開口部だけで
なく、2つ以上の建材により区画形成される空間や、向かい合う2つ以上の建材の間の間
隙も含む。
本発明を区画貫通部の耐火構造に具体化した一実施形態について図1および2を参照し
ながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の防火区画体の区画貫通部の耐火構造を示す。防火区画
体であるコンクリート壁1には配線および/または配管用の、断面略円形の貫通孔2が設
けられており、貫通孔2には配管としての冷媒管5が挿通されている。コンクリート壁1
における貫通孔2を画成する内周面3と、冷媒管5の外周面6との間の空間7には、難燃
性のウレタン樹脂組成物8が充填され、区画貫通部に耐火性を付与する。ウレタン樹脂組
成物8の組成については後で詳細に説明する。この実施形態では、ウレタン樹脂組成物8
は発泡性であり、コーキングガン9に収容されたウレタン樹脂組成物8の成分を作業者が
コーキングガン9から吐出させると、ウレタン樹脂組成物8はすぐに発泡し、時間が経つ
と発泡した状態で空間7内で硬化する。なお、コーキングガン9の内部には、図3に示す
ように、少なくとも2つの容器が収容されており、ウレタン樹脂組成物8の主剤であるポ
リイソシアネート化合物と、硬化剤であるポリオール化合物は、硬化を防ぐために、2つ
の容器に別々に収容され、ここではポリイソシアネート化合物が第1容器23に、ポリオ
ール化合物は第2容器24に収容される。ウレタン樹脂組成物8に含有される触媒、任意
成分の発泡剤、熱膨張性黒鉛、整泡剤、添加剤、および任意の他の成分は、第1容器23
に収容されても、第2容器24に収容されてもよいし、他の第3容器(非図示)に収容さ
れてもよいが、一実施形態において、触媒、任意成分の発泡剤、熱膨張性黒鉛、整泡剤、
および添加剤はポリオール化合物と同じ第2容器24に収容される。第1容器23に収容
された第1液と、第2容器24に収容された第2液はコーキングガン9の先端25で混合
され、吐出される。
作業者がコーキングガン9からウレタン樹脂組成物8の成分を吐出し、空間7内のウレ
タン樹脂組成物8が充填されていない箇所を埋めていくと、図2に示されるように、貫通
孔2の空間7の大部分が発泡したウレタン樹脂組成物8により閉塞される。従って、例え
ばコンクリート壁1の左側の区画A(図1のコンクリート壁1の左側の区画)火災が発生
した場合、コンクリート壁1の左側の区画Aから右側の区画Bに、貫通孔2を通じて熱、
火炎、および/または煙が伝わることが防止され、火災による延焼が防止される。
上記の第1実施形態の効果を説明する。
発泡性の難燃性ウレタン樹脂組成物8をコーキングガン9から吐出させ、冷媒管5の外
周面6との間の空間7を簡便かつ迅速に充填でき、区画貫通部に簡便かつ迅速に耐火補強
構造を施すことができる。また、コーキングガン9を用いて施工できるため、狭い隙間で
も簡単に施工することができる。
本発明は上記の第1実施形態に限られず、以下のような種々の変形が可能である。
図4は、図1のコーキングガン9の代わりにスプレー式容器10を用いた例を示す。ス
プレー式容器10から難燃性のウレタン樹脂組成物8を吐出させると、ウレタン樹脂組成
物8はすぐに発泡し、時間が経つと発泡した状態で空間7内で硬化する。
この場合も、冷媒管5の外周面6との間の空間7を簡便かつ迅速に充填でき、区画貫通
部に簡便かつ迅速に耐火補強構造を施すことができる。また、スプレー式容器10を用い
て施工できるため、簡単に施工することができる。さらにスプレー式容器10の先端にノ
ズルを取り付けて、より狭い隙間にウレタン樹脂組成物8を充填できるようにしてもよい
図5は、別例の区画貫通部の耐火構造を示す断面図である。この例では、コーキング
ガン9から吐出させたウレタン樹脂組成物8が、変形可能な袋12に入れて、冷媒管5の
外周面6との間の空間7に配置される。袋12はポリオレフィンおよびPETなどの熱可
塑性樹脂、可燃性または不燃性の繊維、変形可能な薄手の金属シート等、及びこれらの複
合材料などから形成可能である。好ましくは袋12は密封性であり、ウレタン樹脂組成物
8を袋12の外に漏れないように密封すると共に、袋12内のウレタン樹脂組成物8の外
気および/または水への暴露が抑制される。
袋12がウレタン樹脂組成物8によりある程度充填されると袋12の端を手で折り曲げ
るか結ぶか、あるいはビニールタイまたはホッチキスなどの閉鎖手段により止めてもよい
。ウレタン樹脂組成物8を充填させたい空間7の寸法に合わせた寸法及び数の袋12にウ
レタン樹脂組成物8を入れて配置する。
上記の実施形態によれば、ウレタン樹脂組成物8を袋に入れることで、ウレタン樹脂組
成物8が充填している側とは反対側に空間7から漏れるのを防止することができる。また
、外気および/または水に触れることによるウレタン樹脂組成物8の品質の劣化も抑制で
き、耐久性が向上する。さらに、袋12を使用することで飛び散りもなく確実にウレタン
樹脂組成物8を充填でき、効率が上がる。袋12は変形可能であるため、埋めるべき空間
7の形状に適合させてウレタン樹脂組成物8を充填させることができる。また、充填に失
敗しても袋12ごと廃棄すれば良いため、従来の耐火充填材(パテ)とは異なり、施工後
に回収でき、やり直しが効く。
図6は、さらに別例の区画貫通部の耐火構造を示す断面図である。この例では、間に
空間4を有する中空壁11に設けられた貫通孔2にスリーブ20が挿入され、スリーブ2
0の中に配線としてのケーブル電源ケーブル13が挿通されている。スリーブ20は耐火
性材料から形成され、例えば金属製、特には鋼製であるか、不燃性繊維製、特にはガラス
クロス製であるか、または難燃性樹脂製であるが、これらに限定されない。
貫通孔2内には変形可能な袋15が配置され、袋15の先端部16はドーナツ型の底部
17を有し、底部17の中央には孔19が開いており、孔19を通ってケーブル電源ケー
ブル13が袋15を軸方向に貫通している。袋15の基端部18は断面ドーナツ型に開口
している。スリーブ20と、ケーブル電源ケーブル13の外周面14との間の空間21に
は、図1及び図5と同様にコーキングガン9により難燃性の発泡ウレタン樹脂組成物8が
充填される。そして、ウレタン樹脂組成物8がウレタン樹脂組成物8が空間21内に十分
充填され、硬化させると、ウレタン樹脂組成物8はケーブル電源ケーブル13の外周面1
4の周囲を覆ってスリーブ20の形状に適合して貫通孔2を閉塞し、区画貫通部に耐火性
を付与する。袋15の基端部18は手で折り曲げるか結ぶか、あるいはビニールタイまた
はホッチキスなどの閉鎖手段により止めてもよい。
この実施形態でも、ウレタン樹脂組成物8が変形可能な袋15に入れて施工されるた
め、ウレタン樹脂組成物8を袋15の外に漏れないように密封すると共に、袋15内のウ
レタン樹脂組成物8の外気および/または水への暴露が抑制される。さらに、袋15を使
用することで飛び散りもなく確実にウレタン樹脂組成物8を充填でき、効率が上がる。袋
15は変形可能であるため、埋めるべき空間21の形状に適合させてウレタン樹脂組成物
8を充填させることができる。
なお、図5,6の例でも、コーキングガン9の代わりにスプレー式容器10を用いて
もよい。
上記の例では配管として冷媒管5の例を示したが、給水管、排水管など任意の他の管で
あってもよい。また、配線としてケーブル電源ケーブル13の例を示したが、光ケーブル
、愛圧配線など任意の他の配線であってもよい。
上記の例では区画としてコンクリート壁1及び中空壁11の例を示したが、例えば、R
C壁、ALC壁、RW壁、レンガ等の他の建材であってもよい。
ここで図1〜5のウレタン樹脂組成物8を初め、本発明のウレタン樹脂組成物の詳細に
ついて説明する。
第1の態様によれば、本発明のウレタン樹脂組成物は、主剤としてのポリイソシアネー
ト化合物、硬化剤としてのポリオール化合物、触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含み
、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が芳香環を
有し、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方にメチ
レン基が2つ以上連結し、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少
なくとも一方が、下記の関係を満たし:0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量)/(
ポリイソシアネート化合物中の重合可能な官能基の数)≦1000、および/または0≦
(ポリオール化合物の分子量)/(ポリオール化合物中の重合可能な官能基の数)≦10
00、添加剤がリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤および金属水
酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする。
ここで、ポリイソシアネート化合物中の「重合可能な官能基」とは、イソシアネート基
のみならず、例えばアクリル基やビニル基を含む場合はこれらも含めて、重合可能な任意
の官能基を指す。同様に、ポリオール化合物中の「重合可能な官能基」とは、水酸基のみ
ならず、重合可能な任意の官能基を指す。
第1の態様のウレタン樹脂組成物は、難燃性かつ発泡性のウレタン樹脂組成物であり、
好ましくは硬化性ウレタン樹脂組成物である。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリ
イソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、
ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、
ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げら
れる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロへキシレンジイソシアネート、メ
チルシクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロへキシ
ルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロへキシルメタンジイソシアネート等が挙げ
られる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、エチレンジ
イソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。ウレタン
樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシ
アネートが好ましい。 好ましくはポリイソシアネートは芳香族ポリイソシアネートで
あり、メチレン基が2つ以上連結されており、0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量
)/(ポリイソシアネート化合物中の重合可能な官能基の数)≦1000を満たす。
ポリイソシアネートが芳香族ポリイソシアネートであると、耐熱性が増大する。また、
ポリイソシアネートのメチレン基が2つ以上連結されていると、柔軟性および地震等の外
力に対する耐久性が向上する。また、0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量)/(ポ
リイソシアネート化合物中の重合可能な官能基の数)≦1000を満たすと、作業性が良
好で、コーキングガン9及びスプレー式容器10で開口部に充填可能となる。
ポリオール化合物としては、例えばポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオ
ール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオー
ル、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えば、ポリプロピオラクトングリコール、ポリカ
プロラクトングリコール、ポリバレロラクトングリコールなどが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノ
ナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボ
ネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
芳香族ポリオールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノー
ルノボラック、クレゾールノボラック等が挙げられる。
脂環族ポリオールとしては、例えばシクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジ
オール、イソホロンジオール、ジシクロへキシルメタンジオール、ジメチルジシクロへキ
シルメタンジオール等が挙げられる。
脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブ
タンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合し
て得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトン
を開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合
物が挙げられる。
ここで多塩基酸としては、具体的には、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸等が挙げられる。また多価アルコールとして
は、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコ
ール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
またヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチ
レングリコールの反応生成物等が挙げられる。
ポリマーポリオールとしては、例えば、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族
ポリオール、ポリエステルポリオール等に対し、アクリロニトリル、スチレン、メチルア
クリレート、メタクリレート等のエチレン性不飽和化合物をグラフト重合させた重合体、
ポリブタジエンポリオール、多価アルコールの変性ポリオールまたは、これらの水素添加
物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素を2個以上有する低分子量活性水
素化合物等の少なくとも一種の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドの少なくとも1種を開環重合させて得られ
る重合体が挙げられる。
活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノール
A、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサ
ンジオ−ル等のジオール類、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、エ
チレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
本発明に使用するポリオールは、燃焼した際の総発熱量の低減効果が大きいことからポ
リエステルポリオール、またはポリエーテルポリオールを使用することが好ましい。
その中でも分子量200〜800のポリエステルポリオールを用いることがより好まし
く、分子量300〜500のポリエステルポリオールを用いることがさらに好ましい。
好ましくはポリオール化合物は芳香族ポリオールであり、メチレン基が2つ以上連結さ
れており、0≦(ポリオール化合物の分子量)/(ポリオール化合物中の重合可能な官能
基の数)≦1000を満たす。
本明細書において、n官能のポリオール化合物とは、ウレタン樹脂のポリオール成分を
構成するポリオール化合物を製造する際に用いるアルコールが平均でn官能のアルコール
であることを指す。
2官能アルコールとしては、例えばプロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキサ
ンジオール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。3官能アルコールとしては、
例えばグリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
本発明に使用するウレタン樹脂のイソシアネートインデックスの範囲は、250〜10
00の範囲であることが好ましく、250〜800の範囲であればより好ましく、300
〜700の範囲であればさらにより好ましい。イソシアネートインデックス(INDEX
)は、以下の方法にて算出される。
INDEX=イソシアネートの当量数÷(ポリオールの当量数+水の当量数)×100
ここで、イソシアネートの当量数=NCOの分子量÷NCO含有量(%)×100、
ポリオールの当量数=OHV×使用部数÷KOHの分子量、OHVはポリオールの水酸
基価(mg KOH/g)、
水の当量数=使用部数/水の分子量×水のOH基の数
である。なお上記式において、NCOの分子量は42、KOHの分子量は56100、水
の分子量は18、水のOH基の数は2とする。
触媒としては、例えば、トリエチルアミン、N−メチルモルホリンビス(2−ジメチル
アミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”, N”−ペンタメチルジエチレントリアミ
ン、N, N, N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルア
ミノエチル)エーテル、N−メチル, N’−ジメチルアミノエチルピペラジン、イミダゾ
ール環中の第2級アミン官能基をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等の窒素
原子含有触媒等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する触媒の添加量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、
0.6重量部〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.6重量部〜8部の範囲であ
ることがより好ましく、0.6重量部〜6重量部の範囲であることが更に好ましく、0.
6重量部〜3.0重量部の範囲であることが最も好ましい。
0.6重量部以上の場合はウレタン結合の形成が阻害される不具合が生じず、10重量
部以下の場合は適切な発泡速度を維持することができ、取扱いやすい。
好ましい触媒としては、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に
含まれるイソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進す
る三量化触媒を含む。
三量化触媒は、ポリウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物に含まれるイ
ソシアネート基を反応させて三量化させ、イソシアヌレート環の生成を促進する。
三量化触媒としては、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4−ビス(ジメ
チルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジアルキルアミノアルキル)ヘキサ
ヒドロ−S−トリアジン等の窒素含有芳香族化合物;酢酸カリウム、2−エチルヘキサン
酸カリウム、カルボン酸アルカリ金属塩;トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモ
ニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等の3級アンモニウム塩;テトラメチルアンモニ
ウム塩、テトラエチルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウム塩等の4級アンモニウ
ム塩等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する三量化触媒の添加量はウレタン樹脂100重量部に対し
て、0.6重量部〜10重量部の範囲であることが好ましく、0.6重量部〜8重量部の
範囲であることがより好ましく、0.6重量部〜6重量部の範囲であることが更に好まし
く、0.6重量部〜3.0重量部の範囲であることが最も好ましい。0.6重量部以上の
場合にイソシアネートの三量化が阻害される不具合が生じず、10重量部以下の場合は適
切な発泡速度を維持することができ、取り扱いやすい。
ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤は、ウレタン樹脂の発泡を促進する。発泡剤は、
ウレタン樹脂組成物が他に熱膨張性の成分を含まない難燃性または不燃性の発泡ポリウレ
タンの形態の場合、必須の構成成分としてウレタン樹脂組成物に含有される。ウレタン樹
脂組成物が熱膨張性ウレタンの場合、発泡剤は含有されてもされなくてもよい。
発泡剤の具体例としては、例えば、水;プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタ
ン等の低沸点の炭化水素;ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、
ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩
素化脂肪族炭化水素化合物;CHF3、CH22、CH3F等のフッ素化合物;トリクロル
モノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジクロロモノフルオロエタン、(
例えば、HCFC141b (1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22 (
クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))
等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物;HFC−245fa(1,1,1,3,3
−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオ
ロブタン)等のハイドロフルオロカーボン;ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物
、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴ
ンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
発泡剤の範囲は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜30重量部の範
囲であることが好ましい。発泡剤は、ウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部
〜18重量部の範囲であることがより好ましく、0.5重量部〜18重量部の範囲である
ことが更に好ましく、0.5重量部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
発泡剤の範囲が0.1重量部以上の場合は気泡の形成が促進され良好な発泡体が得られ
、30重量部以下の場合は、気化力が高くなり気泡が粗大になることを防ぐことができる
ウレタン樹脂組成物に使用する整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキ
ルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整
泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
化学反応により硬化するウレタン樹脂に対する整泡剤の使用量は、使用する化学反応に
より硬化するウレタン樹脂により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、ウレ
タン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10重量部の範囲であれば好ましい。
触媒、発泡剤および整泡剤はそれぞれ一種もしくは二種以上を使用することができる。
次に、本発明のウレタン樹脂組成物に使用される添加剤について説明する。
本発明によれば、添加剤は、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃
剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つとを含む。
本発明に使用するリン酸エステルは特に限定されないが、モノリン酸エステル、縮合
リン酸エステル等を使用することが好ましい。
モノリン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリメチルホスフェート、
トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホス
フェート、トリキシレ二ルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、
トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェート、キシレ二ルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)
ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフ
ェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキ
シエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェー
ト、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート
、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサ
イド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホス
ホン酸ジエチル、レジルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス
(ジフェニルホスフェート)、ホスファフェナンスレン、トリス(β−クロロプロピル)ホス
フェート等が挙げられる。
縮合リン酸エステルとしては、特に限定はないが、例えば、トリアルキルポリホスフェ
ート、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キ
シリル)ホスフェート(大八化学工業社製、商品名PX−200)、ハイドロキノンポリ(2
,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物等の縮合リン酸エステルを挙げら
れる。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェー
ト(商品名CR−733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR−
741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)、レゾルシノールポリフェニル
ホスフェート(ADEKA社製、商品名アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレ
ジルホスフエ−ト(商品名FP−600、FP−700)等を挙げることができる。
上記の中でも、硬化前の組成物中の粘度の低下させる効果と初期の発熱量を低減させる
効果が高いためモノリン酸エステルを使用することが好ましく、トリス(β−クロロプロ
ピル)ホスフェートを使用することがより好ましい。
リン酸エステルは一種もしくは二種以上を使用することができる。
リン酸エステルの添加量は、ウレタン樹脂100重量部に対して、2.5重量部〜50
重量部の範囲であることが好ましく、2.5重量部〜40重量部の範囲であることがより
好ましく、2.5重量部〜30重量部の範囲であることが更に好ましい。
リン酸エステルの範囲が2.5重量部以上の場合には自己消火性が保持され、50重量
部以下の場合にはウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
なお、添加剤として、リン酸エステルの代わりに又はリン酸エステルに加えて、リン酸
塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくと
も一つの添加剤が添加されてもよい。
前記リン酸塩含有難燃剤としては、例えば、前記各種リン酸と周期律表IA族〜IVB
族の金属、アンモニア、脂肪族アミン、芳香族アミンから選ばれる少なくとも一種の金属
または化合物との塩からなるリン酸塩を挙げることができる。
前記周期律表IA族〜IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バ
リウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
また前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエ
チルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
また前記芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン、アンモニウム等が挙
げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆
する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよく、メラミン、ペンタエリスリトール等の公
知の発泡助剤を加えても良い。
前記リン酸塩含有難燃剤の具体例としては、例えば、モノリン酸塩、ピロリン酸塩、ポ
リリン酸塩等が挙げられる。
前記モノリン酸塩としては特に限定されないが、例えば、リン酸アンモニウム、リン酸
二水素アンモニウム、リン酸水素ニアンモニウム等のアンモニウム塩;
リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウ
ム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩;
リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リ
ン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩;
リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リ
ン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩;
リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム
等のバリウム塩;
リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リ
ン酸マグネシウム等のマグネシウム塩;
リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カ
ルシウム等のカルシウム塩;
リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩;
第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、亜リン
酸アルミニウム、次亜リン酸アルミニウム等のアルミニウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、前記リン酸塩含有難燃剤の自己消火性が向上するため、モノリン酸塩
を使用することが好ましく、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、第
一リン酸アルミニウム、リン酸一ナトリウム、第三リン酸アルミニウムからなる群より選
ばれる少なくとも一つを使用することがより好ましく、リン酸二水素アンモニウムを用い
ることが更に好ましい。
前記リン酸塩含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用するリン酸塩含有難燃剤の含有量は、特に限定されないが、ウレタン樹脂
成100重量部に対して、100重量部に対して、1.5重量部〜50重量部の範囲であ
ることが好ましく、1.5重量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0
重量部〜15重量部の範囲であることが更に好ましく、2.0部〜10重量部の範囲であ
ることが最も好ましい。
前記リン酸塩含有難燃剤の範囲が1.5重量部以上の場合は、本発明に係るウレタン樹
脂組成物の自己消火性が保持され、また50重量部以下の場合には本発明に係るウレタン
樹脂組成物の粘度が過度に高くなることなく作業性の観点から好ましい範囲に保持される
また本発明に使用できるハロゲン含有難燃剤としては、例えば臭素含有難燃剤、フッ素
含有難燃剤、塩素含有難燃剤、およびヨウ素含有難燃剤等が挙げられる。
臭素含有難燃剤としては、分子構造中に臭素を含有する化合物であれば特に限定はない
が、例えば、芳香族臭素化化合物等を挙げることができる。
前記芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブ
ロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデ
カン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモ
ジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラ
ブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物、
臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、前記ポ
リカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート

臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ
化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキ
シ化合物等の臭素化エポキシ化合物;
ポリ(臭素化ベンジルアクリレート);
臭素化ポリフェニレンエーテル;
臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物;
臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素
化ポリスチレン; 架橋または非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)等のハロゲン化さ
れた臭素化合物ポリマー等が挙げられる。
燃焼初期の発熱量を制御する観点から、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモベンゼン等
が好ましく、ヘキサブロモベンゼンがより好ましい。
前記臭素含有難燃剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する臭素含有難燃剤の含有量に特に限定はないが、ウレタン樹脂成分10
0重量部に対して、1.5重量部〜50重量部の範囲であることが好ましく、1.5重量
部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲であ
ることが更に好ましく、2.0部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記臭素含有難燃剤の範囲が1.5重量部以上の場合は、自己消火性が保持され、また
50重量部以下の場合には本発明に係るウレタン樹脂組成物の粘度が過度に高くなること
なく作業性の観点から好ましい範囲に保持される。
また本発明に使用できる金属水酸化物としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化
マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化鉄、水酸化ニッケル、水酸化ジルコニウム、水
酸化亜鉛、水酸化チタン、水酸化銅、水酸化スズ、水酸化バナジウム等が挙げられる。
前記金属水酸化物は、一種もしくは二種以上を使用することができる。
本発明に使用する金属水酸化物の含有量は、特に限定されないが、ウレタン樹脂成分1
00重量部に対して、1.5重量部〜50重量部の範囲であることが好ましく、1.5重
量部〜20重量部の範囲であることがより好ましく、2.0重量部〜15重量部の範囲で
あることが更に好ましく、2.0部〜10重量部の範囲であることが最も好ましい。
前記金属水酸化物の範囲が1.5重量部以上の場合は、自己消火性が保持され、また5
0重量部以下の場合には本発明に係るウレタン樹脂組成物の粘度が過度に高くなることな
く作業性の観点から好ましい範囲に保持される。
添加剤は、赤リンをさらに含んでもよい。本発明に使用する赤リンに限定はなく、市販
品を適宜選択して使用することができる。
本発明に係るウレタン樹脂組成物に使用する赤リンの添加量は、ウレタン樹脂100重
量部に対して、通常3.5重量部〜30重量部の範囲であることが好ましく、3.5〜2
0重量部の範囲であることがより好ましく、6.0重量部〜18重量部の範囲であること
がより好ましい。
赤リンの範囲が3.5重量部以上の場合は、ウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持さ
れ、また20重量部以下の場合にはウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
好ましい一実施形態においてウレタン樹脂組成物の重量に対し赤リンが2〜18重量%
である。
本発明に使用する、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤および
金属水酸化物からなる群より選ばれる添加剤の添加量の合計はウレタン樹脂100重量部
に対して、添加剤の全量の範囲は6重量部〜70重量部の範囲であることが好ましく、6
重量部〜40重量部の範囲であることがより好ましく、6重量部〜30重量部の範囲であ
ることが更に好ましく、6重量部〜20重量部の範囲であることが最も好ましい。
添加剤の範囲が6重量部以上の場合にはウレタン樹脂組成物からなる成形体が火災の熱
により形成される緻密残渣が割れることを防止でき、70重量部以下の場合にはウレタン
樹脂組成物の発泡が阻害されない。
前記ウレタン樹脂組成物は、所望により、本発明の効果に悪影響を及ぼさない範囲で、
付加的成分を含むことができる。例えば、必要に応じて、各種溶媒若しくは分散媒、熱膨
張性黒鉛、ウレタン樹脂の骨材的役割を果たす無機充填材、難燃剤としてのリン化合物、
粘着付与剤、硬化促進剤、充填剤、チクソ性付与剤、着色剤、可塑剤(軟化剤)、安定剤
、酸化防止剤、紫外線吸収剤、各種添加剤を含むことができる。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに
、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、
例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄
、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バ
リウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシ
ウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー
、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、
セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ
素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、
各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジル
コン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ
酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの
無機充填剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50
μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため
、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が
悪くなる。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成
形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる
点から、粒径の大きいものが好ましい。粒径が100μmを超えると、成形体の表面性、
樹脂組成物の力学的物性が低下する。
無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライ
トH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸
カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8
μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物では、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、
前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を添加してもよい。リン化合物としては、特に
限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、
トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニル
ホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグ
ネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類;下記化学式(1)で表される化
合物等が挙げられる。これらのうち、防火性能の観点から、赤リン、ポリリン酸アンモニ
ウム類、及び、下記化学式(1)で表される化合物が好ましく、性能、安全性、コスト等
の点においてポリリン酸アンモニウム類がより好ましい。
Figure 0006978449
化学式(1)中、R1及びR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のア
ルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜1
6の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアル
コキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基
を表す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火し
ない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用
いられる。ポリリン酸アンモニウム類としては特に限定されず、例えば、ポリリン酸アン
モニウム、メラミン変性ポリリン酸アンモニウム等が挙げられるが、取り扱い性等の点か
らポリリン酸アンモニウムが好適に用いられる。市販品としては、例えば、クラリアント
社製「AP422」、「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR
CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、
メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホ
スホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、
2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオ
クチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチ
ルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホ
スフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メト
キシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価で
はあるが、高難燃性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いても、2種
以上を併用してもよい。
また、樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、さらにフェノール系、アミン系
、イオウ系等の酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤
、顔料等が添加されてもよい。また、一般的な難燃剤を添加してもよく、難燃剤による燃
焼抑制効果により防火性能を向上させることができる。
樹脂組成物において、無機充填剤の配合量は、樹脂成分100重量部に対して10〜4
00重量部が好ましい。配合量が10重量部以上であると、十分な防火性能が得られ、4
00重量部以下であると機械的強度が維持される。無機充填剤の配合量は、より好ましく
は40〜350重量部である。
樹脂組成物において、リン化合物を添加する場合、リン化合物の配合量は、樹脂成分1
00重量部に対して30〜300重量部である。配合量が30重量部以上であると、膨張
断熱層の強度を向上させる効果が十分であり、300重量部以下であると、機械的強度が
維持される。リン化合物の配合量は、より好ましくは40〜250重量部である。
第2の態様によれば、本発明のウレタン樹脂組成物は、主剤としてのポリイソシアネー
ト化合物、硬化剤としてのポリオール化合物、熱膨張性黒鉛、触媒、整泡剤および添加剤
を含み、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が芳
香環を有し、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方
にメチレン基が2つ以上連結し、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物のう
ちの少なくとも一方が、下記の関係を満たし:0≦(ポリイソシアネート化合物の分子量
)/(ポリイソシアネート化合物中の重合可能な官能基の数)≦1000、および/また
は 0≦(ポリオール化合物の分子量)/(ポリオール化合物中の重合可能な官能基の
数)≦1000、前記添加剤がリン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃
剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする。
第2の態様のウレタン樹脂組成物の成分のうち、第1の態様と同じ成分については説明
を省略する。
第1の態様と比較して、第2の態様では、発泡剤を必ずしも含まなくてもよいが、熱膨
張性黒鉛を必須成分として含む。
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト
、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過
塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強
酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたものであり、炭素の層状構造を
維持したままの結晶化合物の一種である。酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は、更にアン
モニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和した
ものを使用するのが好ましい。
前記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメ
チルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
前記アルカリ金属化合物および前記アルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウ
ム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、
硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
前記熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュの範囲のものが好ましい。
粒度が20メッシュ以上であると、分散性が向上するため樹脂成分等との混練が容易に
なる。また、粒度が200メッシュ以下であると、黒鉛の膨張度が大きいため十分な耐火
断熱層が得られ易くなる。
上記中和された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、UCAR CARBON社製
の「GRAFGUARD#160」、「GRAFGUARD#220」、東ソー社製の「
GREP−EG」等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛の含有量は特に限定されないが、通常ウレタン樹脂100重量部に対して
5〜500重量部、好ましくは15〜200重量部である。
第3の態様によれば、上記第1および第2の態様のウレタン樹脂組成物において、ポリ
イソシアネート化合物およびポリオール化合物のうちの少なくとも一方が、ポリマーを構
成しているモノマー数の比(モノマーのモル比)で、0≦(2官能以下の前記ポリイソシ
アネート化合物/3官能以上の前記ポリイソシアネート化合物)≦1、および/または0
≦(2官能以下の前記ポリオール化合物/3官能以上の前記ポリオール化合物)≦1、を
満たし、100≦(ポリオール化合物の分子量)≦10000である。かかる範囲にする
ことでウレタン樹脂組成物は、耐熱性、耐衝撃性、作業性、および/または速硬化性のう
ちの少なくとも一つを発現できる。
第3の態様によれば、上記第1〜第3の態様のウレタン樹脂組成物において、膨張倍率
10倍以上、および残渣硬さ0.2kgf以上である。膨張倍率10倍以上であると、ウ
レタン樹脂組成物は、火災の熱により十分に膨張する。残渣硬さ0.2kgf以上である
と、ウレタン樹脂組成物は、燃焼後も形状保持性を有する。このため、膨張倍率10倍以
上、および残渣硬さ0.2kgf以上であるウレタン樹脂組成物を用いると、火災の延焼
を有効に防止することができる。
1…建材としてのコンクリート壁、2…開口部としての貫通孔、8…ウレタン樹脂組成物
、9…コーキングガン、10…スプレー式容器、11…建材としての中空壁、12,15
…袋。

Claims (1)

  1. 建築物の耐火補強構造であって、前記耐火補強構造は、一方の端部から他方の端部まで建材を貫通する建材の開口部と、前記開口部に挿通された配線および/または配管と、前記配線および/または配管の周囲に、前記開口部の前記一方の端部から前記他方の端部にわたって、前記開口部と前記配線および/または配管との間の空間を閉塞するように充填された難燃性ウレタン樹脂組成物を発泡させた難燃性ポリウレタン発泡体(但し、熱膨張性黒鉛を含有するものと、エポキシ樹脂及び/又はシロキサンプレポリマーを含有するものを除く。)とを含み、
    前記難燃性ポリウレタン発泡体は赤リンと三量化触媒を含み、
    前記難燃性ポリウレタン発泡体が前記開口部の端部表面に露出している建築物の耐火補強構造。
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