従来のサーマルヘッドのガイド部材として、主走査方向の中央部において、上向きに突出したものが知られていた。これにより、記録媒体は、主走査方向の中央部において、ガイド部材と強く接触することにより、記録媒体のシワの発生を抑えることができた。
しかしながら、従来のサーマルヘッドでは、記録媒体とガイド部材との接触面積が大きくなっており、記録媒体が、ガイド部材に貼り付いてしまい、ガイド部材から剥離しにくい問題があった。
また、従来のサーマルヘッドでは、記録媒体が、主走査方向の中央部において、ガイド部材と強く接触しており、ガイド部材の主走査方向の中央部から両端部にかけても、記録媒体とガイド部材とが強く接触することとなり、未だ記録媒体にシワが生じやすかった。
本開示のサーマルヘッドは、このような記録媒体の貼り付きを低減させ、記録媒体をガイド部材から円滑に剥離することができる。また、本開示のサーマルヘッドは、記録媒体とガイド部材とが強く接触した場合においても、記録媒体に生じた張力を第1凹部によって緩和することができ、記録媒体のシワの発生を抑えることができる。以下、本開示のサーマルヘッドおよびそれを用いたサーマルプリンタについて、詳細に説明する。
<第1の実施形態>
以下、サーマルヘッドX1について図1〜5を参照して説明する。図1は、サーマルヘッドX1の概略構成を示している。図2では、保護層25、被覆部材29、被覆層27、フレキシブル配線基板5(以下、FPC5と称する)、およびコネクタ31を省略して一点鎖線で示している。また、図2では、ガイド部材16、螺子28を省略している。図4(a),(b)では、ヘッド基体3を構成する各部材および螺子28を省略している。なお、図1〜5において、記録媒体の搬送方向をS、搬送方向Sに交差する主走査方向をD1として示している。また、サーマルヘッドX1は、搬送方向Sと副走査方向とが一致するようにサーマルプリンタZ1に搭載されている。
サーマルヘッドX1は、放熱板1と、ヘッド基体3と、FPC5と、接着部材14と、ガイド部材16と、コネクタ31とを備えている。放熱板1は、ヘッド基体3の熱を放熱するために設けられている。ヘッド基体3は、外部から電圧が印加されることにより発熱部9を発熱させて記録媒体P(図5参照)に印画を行う機能を有する。接着部材14は、ヘッド基体3と放熱板1とを接着している。FPC5は、ヘッド基体3に電気的に接続されている。ガイド部材16は、ヘッド基体3の一部と、FPC5とを覆うように設けられている。コネクタ31は、ヘッド基体3を外部に電気的に接続する。
放熱板1は、直方体形状である。放熱板1は、例えば、銅、鉄またはアルミニウム等の金属材料で形成されており、ヘッド基体3の発熱部9で発生した熱のうち、印画に寄与しない熱を放熱する機能を有している。
放熱板1は、第1突出部1aと、螺子孔1bとを有している。第1突出部1aは、放熱板1のうち、副走査方向においてヘッド基体3から突出している。言い換えると、第1突出部1aは、搬送方向Sの上流側にてヘッド基体3から突出している。螺子孔1bは、ガイド部材16と放熱板1とを接合する接合部(後述する螺子28)が収容される。
接着部材14は、放熱板1上に配置されており、ヘッド基体3と放熱板1とを接合している。接着部材14としては、両面テープ、あるいは樹脂性の接着剤を例示することがで
きる。
ヘッド基体3は、主走査方向D1に長く形成されており、平面視して、長方形状であり、基板7上にサーマルヘッドX1を構成する各部材が設けられている。ヘッド基体3は、外部より供給された電気信号に従い、記録媒体Pに印画行う機能を有する。
図1〜3を用いて、ヘッド基体3を構成する各部材について説明する。
ヘッド基体3は、基板7と、蓄熱層13と、電気抵抗層15と、共通電極17と、個別電極19と、接続電極21と、接続端子2と、導電部材23と、駆動IC11と、被覆部材29と、保護層25と、被覆層27とを有している。なお、これらの部材は、必ずしもすべて備えていなくてもよい。また、ヘッド基体3は、これら以外の部材を備えていてもよい。
基板7は、放熱板1上に配置されており、平面視して、矩形状である。基板7は、第1面7fと、第2面7gと、側面7eとを有している。第1面7fは、第1長辺7aと、第2長辺7bと、第1短辺7cと、第2短辺7dとを有している。第2面7gは、第1面7fと反対側に位置している。側面7eは、第1面7fと第2面7gとの間に位置しており、コネクタ31側に設けられている。第1面7f上にヘッド基体3を構成する各部材が設けられている。第2面7gは、放熱板1側に設けられており、接着部材14を介して放熱板1に接合されている。基板7は、例えば、アルミナセラミックス等の電気絶縁性材料あるいは単結晶シリコン等の半導体材料等によって形成されている。
基板7の第1面7f上に蓄熱層13が設けられている。蓄熱層13は、下地部13aと、隆起部13bとを有している。下地部13aは、第1面7fの第1長辺7a側に設けられている。隆起部13bは、下地部13aから基板7の上方へ向けて突出して隆起している。言い換えれば、隆起部13bは、基板7から遠ざかる方向に突出して隆起している。蓄熱層13は、主走査方向に沿って延びている。蓄熱層13の断面が略半田円形状であることにより、発熱部9上に形成された保護層25が、印画する記録媒体Pに良好に接触する。蓄熱層13は、基板7からの高さが15〜90μmである。
蓄熱層13は、熱伝導性の低いガラスで形成されており、発熱部9で発生する熱の一部を一時的に蓄積する。そのため、発熱部9の温度を上昇させるのに要する時間を短くすることができ、サーマルヘッドX1の熱応答特性を高めることができる。蓄熱層13は、例えば、ガラス粉末に適当な有機溶剤を混合して得た所定のガラスペーストを従来周知のスクリーン印刷等によって基板7の第1面7fに塗布し、これを焼成することで形成される。
電気抵抗層15は、蓄熱層13の上面に設けられている。電気抵抗層15上には、共通電極17、個別電極19、および接続電極21が設けられている。共通電極17と個別電極19との間に電気抵抗層15が露出した露出領域を有する。電気抵抗層15の露出領域は、図2に示すように、蓄熱層13の隆起部13b上に列状に配置されており、各露出領域が発熱部9を構成している。なお、共通電極17と個別電極19との間にのみ電気抵抗層15を設けて発熱部9を構成してもよい。
複数の発熱部9は、説明の便宜上、図2では簡略化して記載しているが、例えば、100dpi〜2400dpi(dot per inch)等の密度で配置される。電気抵抗層15は、例えば、TaN系、TaSiO系、TaSiNO系、TiSiO系、TiSiCO系またはNbSiO系等の電気抵抗の比較的高い材料によって形成されている。そのため、発熱部9に電圧が印加されたときに、ジュール発熱によって発熱部9が発熱する。
共通電極17は、主配線部17a,17dと、副配線部17bと、リード部17cとを備えている。共通電極17は、複数の発熱部9と、コネクタ31とを電気的に接続している。主配線部17aは、基板7の第1長辺7aに沿って延びている。副配線部17bは、基板7の第1短辺7cおよび第2短辺7dのそれぞれに沿って延びている。リード部17cは、主配線部17aから各発熱部9に向かって個別に延びている。主配線部17dは、基板7の第2長辺7bに沿って延びている。
複数の個別電極19は、発熱部9と駆動IC11との間を電気的に接続している。また、複数の発熱部9は、複数の群に分かれており、各群の発熱部9と各群に対応して設けられた駆動IC11とが、個別電極19によって電気的に接続されている。
複数の接続電極21は、駆動IC11とコネクタ31との間を電気的に接続している。各駆動IC11に接続された複数の接続電極21は、異なる機能を有する複数の配線で構成されている。
これらの共通電極17、個別電極19、および接続電極21は、導電性を有する材料で形成されており、例えば、アルミニウム、金、銀および銅のうちのいずれか一種の金属またはこれらの合金によって形成されている。
接続端子2は、共通電極17および接続電極21をFPC5に接続するために、第1面7fの第2長辺7b側に設けられている。接続端子2は、後述するFPC5の外部端子に対応して設けられており、それぞれコネクタ31の対応するコネクタピン8と接続されている。なお、接続端子2は、共通電極17および接続電極21と別個に設けてもよいし、共通電極17および接続電極21と一体的に設けてもよい。
接続端子2上には、導電部材23が設けられている。導電部材23は、接続端子2とFPC5の外部端子との間に配置されている。導電部材23としては、例えば、はんだ、あるいはACP(Anisotropic Conductive Paste)等を例示することができる。なお、導電部材23と接続端子2との間にNi、Au、あるいはPdによるめっき層(不図示)を設けてもよい。なお、導電部材23は必ずしも設けなくてもよい。
上記のヘッド基体3を構成する各種電極は、例えば、各々を構成するAl、Au、あるいはNi等の金属の材料層を蓄熱層13上に、例えばスパッタリング法等の薄膜成形技術によって順次積層した後、積層体を従来周知のフォトエッチング等を用いて所定のパターンに加工することにより形成される。なお、ヘッド基体3を構成する各種電極は、同じ工程によって同時に形成することができる。
駆動IC11は、図2に示すように、複数の発熱部9の各群に対応して配置されているとともに、個別電極19と接続電極21とに接続されている。駆動IC11は、各発熱部9の通電状態を制御する機能を有している。駆動IC11としては、内部に複数のスイッチング素子を有するスイッチングICを用いることができる。
駆動IC11は、個別電極19および接続電極21に接続された状態で、エポキシ樹脂、あるいはシリコーン樹脂等の樹脂からなる被覆部材29によって封止されている。
保護層25は、発熱部9、共通電極17および個別電極19の一部を被覆しており、被覆した領域を、大気中に含まれている水分等の付着による腐食、あるいは印画する記録媒体との接触による摩耗から保護するためのものである。
保護層25は、導電性を有する無機材料により形成されており、例えば、TiN、TiCN、SiC、SiON、SiN、TaNあるいはTaSiOにより形成することができる。保護層25の厚みは、例えば、2〜15μmとすることができる。保護層25を設けることにより、保護層25と記録媒体Pとの接触により生じた静電気を除電することができる。保護層25は、例えば、スパッタリング法、あるいはイオンプレーティング法により形成することができる。
基板7上には、共通電極17、個別電極19および接続電極21を部分的に被覆する被覆層27が設けられている。被覆層27は、被覆した領域を、大気との接触による酸化、あるいは大気中に含まれている水分等の付着による腐食から保護するためのものである。被覆層27は、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、あるいはシリコーン系樹脂等の樹脂材料により形成することができる。
FPC5は、ヘッド基体3に電気的に接続されており、ヘッド基体3に対して搬送方向Sの上流側に位置している。FPC5は、一部がヘッド基体3上に設けられており、搬送方向Sの上流側において、ヘッド基体3から突出した第3突出部5eを有している。
FPC5は、ベース基板5aと、配線導体5bと、カバー基板5cと、貫通孔5dを有している。ベース基板5aは、平面視して矩形状であり、FPC5の外形と同形状である。配線導体5bは、ベース基板5a上に設けられており、エッチングによりパターニングされている。配線導体5bは、端部に外部端子を有しており、端子2に電気的に接続される。カバー基板5cは、配線導体5bを覆うようにベース基板5a上に設けられている。貫通孔5dは、FPC5を貫通するように設けられており、ベース基板5aおよびカバー基板5cを貫通している。貫通孔5dには、後述する螺子28が挿通される。
コネクタ31は、FPC5の配線導体5bと電気的に接続されている。コネクタ31は、複数のコネクタピン8と、ハウジング10とを有している。複数のコネクタピン8は、FPC5の配線導体5bと電気的に接続されている。ハウジング10は、複数のコネクタピン8を収容している。
次に、図4,5を用いてガイド部材16について説明する。
図4(a)に示すように、ガイド部材16は、ヘッド基体3上における、発熱部9に対して搬送方向Sの上流側に配置されている。ガイド部材16は、主走査方向D1における中央部が、ヘッド基体3の主走査方向D1における中央部と略一致するように配置されている。ガイド部材16は、主走査方向D1に長く形成されており、平面視して、矩形状である。すなわち、ガイド部材16は、主走査方向D1の長さが、副走査方向の長さよりも長い。ガイド部材16は、FPC5上に設けられおり、FPC5を覆うように設けられている。そのため、FPC5は、記録媒体Pに接触しにくい。
ガイド部材16は、一端16aと、他端16bと、第2突出部16cと、螺子止め部16dとを有している。一端16aは、主走査方向D1における一方の端部に位置している。他端16bは、主走査方向D1における他方の端部に位置している。第2突出部16cは、平面視において、ヘッド基体3から副走査方向に突出している。言い換えると、平面紳士おいて、ヘッド基体3から搬送方向Sの上流側に突出している。ガイド部材16は、FPC5の略全域を覆っている。
螺子止め部16dは、第2突出部16cのうち、ガイド部材16の主走査方向D1における中央部よりも一端16a側と、他端16b側にそれぞれ設けられている。言い換えると、螺子止め部16bは、ガイド部材16の主走査方向D1における中央部および一端1
6aの間と、ガイド部材16の主走査方向D1における中央部および他端16bの間にそれぞれ設けられている。
螺子止め部16dは、ガイド部材16を貫通した貫通孔と、貫通孔の周囲に位置する段差部とを有している。段差部は、周囲と比較して高さが一段低くなった部分であり、平面視して貫通孔を取り囲むように設けられている。図5(b)に示すように、螺子28は、貫通孔を介して放熱板1の螺子孔1bに挿通され、一部がガイド部材16の段差部上に位置することとなる。
ガイド部材16は、放熱板1の螺子孔1bに、螺子28により固定されている。より詳細には、螺子孔1b、貫通孔5d、および螺子止め部16dが平面視で重なるように、放熱板1、FPC5、およびガイド部材16が配置されており、螺子孔1bと、貫通孔5dと、螺子止め部16dとを挿通するように螺子28が挿入されている。
図5に示すように、ガイド部材16は、第1凸部18と、第1凹部20と、第2凸部22と、第2凹部24と、第3凸部26とを有している。
第1凸部18は、主走査方向D1における中央部に位置しており、上側に向けて突出している。第2凸部22は、一端16aに位置しており、上側に向けて突出している。第3凸部26は、他端16bに位置しており、上側に向けて突出している。
第1凹部20は、ガイド部材16の主走査方向D1における中央部と、一端16aとの間に位置しており、第1凸部18および一端16aよりも高さが低い。第2凹部24は、ガイド部材16の主走査方向D1における中央部と、他端16bとの間に位置しており、第1凸部18および他端16bよりも高さが低い。なお、高さとは、ガイド部材16の最下面からの高さである。
ガイド部材16が、第1凸部18を有することにより、記録媒体Pは、主走査方向D1の中央部において、ガイド部材16と強く接触することとなり、記録媒体Pにシワが生じにくくなっている。しかしながら、第1凹部20を有さない場合には、記録媒体Pと、ガイド部材16との接触面積が大きくなってしまい、記録媒体Pが、ガイド部材16に貼り付いてしまい、ガイド部材16から剥離しにくくなる場合がある。
これに対して、サーマルヘッドX1のガイド部材16は、第1凸部18と第1凹部20とを有しており、第1凹部20が、中央部と一端16aとの間に位置している。そのため、記録媒体Pと第1凹部20との間に、図5(a)に示すように空間が生じることとなる。それにより、記録媒体Pとガイド部材16との接触面積を小さくすることができ、記録媒体Pがガイド部材に貼り付きにくくなる。その結果、記録媒体Pをガイド部材16から円滑に剥離することができる。
このように、本実施形態のサーマルヘッドX1は、ヘッド基体3と、ガイド部材16とを備えている。ヘッド基体3は、基板7、および基板7上に位置する発熱部9を有する。ガイド部材16は、ヘッド基体3上における、発熱部9に対して記録媒体Pの搬送方向Sの上流側に位置している。また、ガイド部材16は、搬送方向Sに交差する主走査方向D1に長い。そして、ガイド部材16は、第1凸部18と、第1凹部20とを有している。第1凸部18は、主走査方向D1の中央部に位置し、上側に向けて突出している。第1凹部20は、第1凸部18および主走査方向D1における一端16aよりも高さが低い。そして、第1凹部20は、中央部と一端16aとの間に位置して構成されている。この構成が本実施形態のサーマルヘッドX1の基本構成である。この基本構成以外の構成は必須ではなく、適宜変更が可能である。本実施形態のサーマルヘッドX1は、この基本構成を有
しているので、記録媒体Pにシワが生じる可能性を低減できるとともに、記録媒体Pをガイド部材16から円滑に剥離させることができる。
また、本実施形態のサーマルプリンタZ1では、記録媒体Pが、第1凸部18に接触し、かつ第1凹部20に接触せずに搬送されていてもよい。このような構成を有するときには、第1凸部18により記録媒体Pのシワを伸ばしつつ、第1凹部20により生じた空隙によって、記録媒体Pをガイド部材16から円滑に剥離させることができる。
つまり、記録媒体Pは、第1凸部18によって支持されながら、搬送方向Sに向けてガイド部材16上を搬送されている。その際に、記録媒体Pは、第1凸部18に押圧されることにより、記録媒体Pに張力が生じることとなりシワが生じにくい。そして、記録媒体Pは、第1凹部20と接触せずに搬送されており、ガイド部材16に貼り付きにくい構成となっている。そのため、記録媒体Pのシワを伸ばしつつ、記録媒体Pをガイド部材16から円滑に剥離させることができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1では、ガイド部材16が、一端16aに、上側に向けて突出した第2凸部22を有していてもよい。このような構成を有するときには、記録媒体Pは、第1凸部18と第2凸部22とに接触することとなり、複数点でガイド部材16に支持されることとなる。その結果、第1凸部18に生じる記録媒体Pからの押圧力を小さくすることができ、記録媒体Pが第1凸部18にさらに貼り付きにくくなる。その結果、記録媒体Pをさらに円滑に剥離させることができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1では、ガイド部材16が、第1凸部18および他端16bとの間に、第1凸部18および他端16bよりも高さの低い第2凹部24を有していてもよい。このような構成を有するときには、記録媒体Pと第2凹部24との間に、図5(a)に示すように空間が生じることとなる。それにより、記録媒体Pとガイド部材16との接触面積をさらに小さくすることができ、記録媒体Pがガイド部材にさらに貼り付きにくくなる。その結果、記録媒体Pをガイド部材16からさらに円滑に剥離させることができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1では、ガイド部材16が、他端16bに、上側に向けて突出した第3凸部26を有していてもよい。このような構成を有するときには、記録媒体Pは、第1凸部18と第3凸部26とに接触することとなり、複数点でガイド部材16に支持されることとなる。その結果、第1凸部18に作用する記録媒体Pからの押圧力を小さくすることができ、記録媒体Pが第1凸部18にさらに貼り付きにくくなる。その結果、記録媒体Pをさらに円滑に剥離させることができる。
なお、ガイド部材16が、一端16aに、上側に向けて突出した第2凸部22を有しており、他端16bに、上側に向けて突出した第3凸部26を有していてもよい。この場合、記録媒体Pは、第1凸部18と、第2凸部22と、第3凸部26とに接触することとなり、複数点でガイド部材16に支持されることとなる。その結果、第1凸部18に作用する記録媒体Pからの押圧力をさらに小さくすることができ、記録媒体Pが第1凸部18にさらに貼り付きにくくすることができる。
また、本実施形態のサーマルプリンタZ1では、記録媒体Pが、第1凸部18、第2凸部22、および第3凸部26に接触し、かつ第1凹部20および第2凹部24に接触せずに搬送されていてもよい。このような構成を有することにより、第1凸部18、第2凸部22および第3凸部26により記録媒体Pのシワを伸ばしつつ、第1凹部20および第2凹部24により生じた空隙によって、記録媒体Pをガイド部材16から円滑に剥離させることができる。
その結果、記録媒体Pは、第1凸部18、第2凸部22および第3凸部26によって支持されながら、搬送方向Sに向けてガイド部材16上を搬送され、記録媒体Pに張力が生じることとなりシワが生じにくくなっている。そして、記録媒体Pは、第1凹部20および第2凹部24と接触されずに搬送されており、ガイド部材16に貼り付きにくい構成となっている。そのため、記録媒体Pのシワを伸ばしつつ、記録媒体Pをガイド部材16から円滑に剥離させることができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX1では、ヘッド基体3の下方に位置する放熱板1と、ガイド部材16と放熱板1とを接合する接合部(螺子28)と、を備え、放熱板1は第1突出部1aを有しており、ガイド部材16は、第2突出部16cを有しており、接合部28は、第1突出部1aおよび第2突出部16cを接合しており、接合部(螺子28)は、第1凹部20の下方に位置していてもよい。
このような構成を有するときには、螺子28が、記録媒体Pと接触しにくい領域に位置する構成となる。その結果、記録媒体Pが螺子28と接触して、記録媒体Pにキズが生じる可能性を低減することができる。
なお、本実施形態においては、接合部として螺子28を用いた例を示したがこれに限定されるものではない。例えば、接合部として熱硬化性の樹脂を用いて、放熱板1とガイド部材16とを接合してもよい。その場合においても、熱硬化性の樹脂が、記録媒体Pと接触しにくい領域に位置する構成となり、同等の効果を奏することができる。
図6を用いて、記録媒体Pとは異なる記録媒体P´を用いた場合について説明する。
記録媒体P´は、記録媒体Pに比べてコシの弱いものである。すなわち、記録媒体P´は、記録媒体Pよりも曲げ剛性が低い。記録媒体P´を搬送させると、記録媒体P´は、ガイド部材16に沿うように変形し、搬送されることとなる。そのため、記録媒体P´は、第1凸部18、第2凸部22および第3凸部26に接触しながら搬送されるとともに、第1凹部20および第2凹部24に接触しながら搬送されることとなる。
ここで、ガイド部材16が、第1凸部18を有することにより、記録媒体P´は、主走査方向D1の中央部において、ガイド部材16と強く接触することとなり、記録媒体P´にシワが生じにくくなっている。しかしながら、第1凹部20を有さない場合には、ガイド部材16の主走査方向の中央部から両端部にかけても、記録媒体P´とガイド部材16とが強く接触することとなり、記録媒体P´にシワが生じやすい。
これに対して、サーマルプリンタZ1では、サーマルヘッドX1のガイド部材16は、第1凸部18と第1凹部20とを有しており、第1凹部20が、中央部と一端16aとの間に位置しており、記録媒体P´が、第1凸部18に接触し、かつ第1凹部20に接触するように搬送される。
そのため、第1凸部18により記録媒体P´に生じた張力は、第1凹部20によって逃がされることとなる。その結果、記録媒体P´は、第1凸部18の周辺では高い張力によってシワを第1凹部20に向けて伸ばすことができ、第1凹部20の周辺では張力を逃がすことにより、記録媒体P´と第1凹部20との接触圧を小さくすることができる。それゆえ、記録媒体P´は、第1凹部20から剥離しやすい構成となり、記録媒体P´のシワをのばしつつ、ガイド部材16から剥離しやすくすることができる。
また、本実施形態のサーマルプリンタZ1では、記録媒体P´が、第1凸部18、第2
凸部22、第3凸部26、第1凹部20および第2凹部24に接触するように搬送されていてもよい。このような構成を有するときには、第1凸部18および第2凸部22により記録媒体P´に生じた張力は、第1凹部20によって逃がされることとなるとともに、第1凸部18および第3凸部26により記録媒体P´に生じた張力は、第2凹部24によって逃がされることとなる。
その結果、記録媒体P´は、第1凸部18、第2凸部22および第3凸部の周辺では高い張力によってシワを第1凹部20および第2凹部24に向けて伸ばすことができ、第1凹部20および第2凹部24の周辺では張力を逃がすことによって、記録媒体P´と第1凹部20および第2凹部24との接触圧を小さくすることができる。それゆえ、記録媒体P´は、第1凹部20および第2凹部24から剥離しやすい構成となり、記録媒体P´のシワをのばしつつ、ガイド部材16から剥離しやすくすることができる。
また、図6(b)に示すように、本実施形態のサーマルプリンタZ1では、サーマルヘッドX1の接合部(螺子28)は、第1凹部20の下方に位置しており、記録媒体P´が、第1凸部18および第1凹部20に接触し、かつ接合部(螺子28)に接触しないように搬送されていてもよい。
このような構成を有するときには、記録媒体P´が第1凸部18および第1凹部20に接触することにより、記録媒体P´のシワを伸ばしつつ搬送されるとともに、螺子28が、記録媒体P´と接触されないことから、記録媒体P´が螺子28と接触して、記録媒体P´にキズが生じる可能性を低減することができる。
次に、サーマルヘッドX1を有するサーマルプリンタZ1について、図7を参照しつつ説明する。
本実施形態のサーマルプリンタZ1は、上述のサーマルヘッドX1と、搬送機構40と、プラテンローラ50と、電源装置60と、制御装置70とを備えている。サーマルヘッドX1は、サーマルプリンタZ1の筐体(不図示)に設けられた取付部材80の取付面80aに取り付けられている。なお、サーマルヘッドX1は、搬送方向Sに直交する方向である主走査方向に沿うようにして、取付部材80に取り付けられている。
搬送機構40は、駆動部(不図示)と、搬送ローラ43,45,47,49とを有している。搬送機構40は、感熱紙、インクが転写される受像紙等の記録媒体Pを、サーマルヘッドX1の複数の発熱部9上に位置する保護層25上を通過するように図7の矢印S方向に搬送するためのものである。駆動部は、搬送ローラ43,45,47,49を駆動させる機能を有しており、例えば、モータを用いることができる。搬送ローラ43,45,47,49は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱状の軸体43a,45a,47a,49aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材43b,45b,47b,49bにより被覆して構成することができる。
なお、印画される媒体として、インクが転写される受像紙等を用いる場合は、受像紙とサーマルヘッドX1の発熱部9との間に、インクフィルム(不図示)を搬送する。この場合、記録媒体Pは、受像紙とインクフィルムとを意味し、サーマルヘッドX1に接触するのは、インクフィルムとなる。
プラテンローラ50は、記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に位置する保護層25上に押圧する機能を有する。プラテンローラ50は、主走査方向に沿って延びるように配置され、記録媒体Pを発熱部9上に押圧した状態で回転可能となるように両端部が支持固定されている。プラテンローラ50は、例えば、ステンレス等の金属からなる円柱
状の軸体50aを、ブタジエンゴム等からなる弾性部材50bにより被覆して構成することができる。
電源装置60は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を発熱させるための電流および駆動IC11を動作させるための電流を供給する機能を有している。制御装置70は、上記のようにサーマルヘッドX1の発熱部9を選択的に発熱させるために、駆動IC11の動作を制御する制御信号を駆動IC11に供給する機能を有している。
サーマルプリンタZ1は、図7(b)に示すように、ガイド部材16が、ヘッド基体3上における発熱部9に対して、搬送方向Sの上流側に位置している。そのため、記録媒体Pは、ガイド部材16により、被覆部材29上を被覆部材29から離間して通過することとなる。その結果、記録媒体Pが被覆部材29に接触する可能性を低減することができ、記録媒体Pにキズが生じにくくなる。
そして、サーマルプリンタZ1は、プラテンローラ50によって記録媒体PをサーマルヘッドX1の発熱部9上に押圧しつつ、発熱部9上を通過するように記録媒体Pを搬送機構40によって搬送する。そして、サーマルプリンタZ1は、電源装置60および制御装置70によって発熱部9を選択的に発熱させることにより、記録媒体Pに所定の印画を行う。なお、印画される媒体として受像紙等を用いる場合には、受像紙とともに搬送されるインクフィルム(不図示)のインクを受像紙に熱転写することによって、記録媒体Pへの印画を行う。
<第2の実施形態>
図8を用いて、第2の実施形態に係るサーマルヘッドX2について説明する。なお、図8(a)は、サーマルヘッドX2のうち、第2凸部222の近傍を拡大して示している。また、図8(b)は、サーマルヘッドX2のうち、第1凸部218の近傍を拡大して示している。また、図8(c)は、サーマルヘッドX2のうち、第3凸部226の近傍を拡大して示している。
サーマルヘッドX2のガイド部材216の構成は、サーマルヘッドX1のガイド部材16と異なっている。なお、第1の実施形態に係るサーマルヘッドX1と同一の部材については同一の符号を付している。
ガイド部材216は、第1凸部218と、第2凸部222と、第3凸部226とを有している。第1凸部218は、図示していないが、ガイド部材216の主走査方向D1(図5参照)の中央部に位置している。
図8(b)に示すように、第1凸部218は、上側に向けて突出しており、基板7から第1凸部218の頂部218bまでの高さがH1となっている。そして、第1凸部218は、発熱部9(図4(a)参照)に向かうにつれて、言い換えると、搬送方向Sの上流から下流へ向かうにつれて、基板7からの高さが高くなる第1傾斜部218aを有している。なお、「基板7から」とは、図8に示すように、基板7におけるガイド部材116側の上面からということであり、以下の記載おいても同様である。また、第1凸部218の頂部218aとは、第1凸部218において基板7からの高さが最も高い部分である。
図8(a)に示すように、第2凸部222は、ガイド部材216の一端216aに位置している。第2凸部222は、上側に向けて突出しており、基板7から第2凸部222の頂部222bまでの高さがH2となっている。そして、第2凸部222は、発熱部9に向かうにつれて、言い換えると、搬送方向Sの上流から下流へ向かうにつれて、基板7からの高さが高くなる第2傾斜部222bを有している。
図8(c)に示すように、第3凸部226は、ガイド部材216の他端216bに位置している。第3凸部226は、上側に向けて突出しており、基板7から第3凸部226の頂部226aまでの高さがH3となっている。そして、第3凸部226は、発熱部9に向かうにつれて、言い換えると、搬送方向Sの上流から下流へ向かうにつれて、基板7からの高さが高くなる第3傾斜部226aを有している。
そして、第1傾斜部218aの勾配が、第2傾斜部222aおよび第3傾斜部226aの勾配よりも大きくなっている。
本実施形態に係るサーマルヘッドX2においては、基板7から第1凸部218までの高さが、発熱部9に向かうにつれて高くなる第1傾斜部218aを有している。このような構成を有することにより、記録媒体Pと第1凸部218との接触状態が、記録媒体Pが搬送されるにつれて変化していくこととなる。
すなわち、記録媒体Pは、搬送されるにつれて、第1凸部218により上側に持ちあげられていくこととなり、ガイド部材216の第1凸部218以外の部分から剥離されていく。その結果、記録媒体Pが、ガイド部材216に貼り付きにくくなり、記録媒体Pをガイド部材216から円滑に剥離することができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX2では、基板7から第2凸部222までの高さが、発熱部9に向かうにつれて高くなる第2傾斜部222aを有していてもよい。この場合においても、記録媒体Pは、搬送されるにつれて、第2凸部222により上側に持ちあげられることとなり、記録媒体Pをガイド部材216からさらに円滑に剥離することができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX2では、基板7から第3凸部226までの高さが、発熱部9に向かうにつれて高くなる第3傾斜部226aを有していてもよい。この場合においても、記録媒体Pは、搬送されるにつれて、第3凸部226により上側に持ちあげられることとなり、記録媒体Pをガイド部材216からさらに円滑に剥離することができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX2では、基板7から第1凸部218の頂部218bまでの高さH1が、基板7から第2凸部222の頂部222bまでの高さH2および基板7から第3凸部226の頂部226bまでの高さH3よりも高くなっていてもよい。このような構成を有することにより、第1凸部218が、第2凸部222および第3凸部226よりも記録媒体Pと強く接触することとなる。その結果、記録媒体PのシワがサーマルヘッドX2の中央部にて生じにくくなる。それゆえ、印画不良が生じる可能性を低減することができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX2では、第1凸部218が第1傾斜部218aを有しており、第2凸部222が第2傾斜部222aを有しており、第3凸部226が第3傾斜部226aを有しており、第1傾斜部218aの勾配が、第2傾斜部222aおよび第3傾斜部226aの勾配よりも大きくしてもよい。
このような構成を有することにより、記録媒体Pが搬送されるにつれて、第1凸部218が、第2凸部222および第3凸部226よりも記録媒体Pと強く接触することとなる。それにより、記録媒体PのシワがサーマルヘッドX2の中央部にてさらに生じにくくなる。
また、第1凸部218と記録媒体Pとの接触状態、第2凸部222と記録媒体Pとの接触状態、および第3凸部226と記録媒体Pとの接触状態を、記録媒体Pが搬送されるにつれて変化させることができる。その結果、記録媒体Pがさらにガイド部材216に貼り付きにくくすることができる。
なお、第1凸部218の基板7からの高さは、例えば、主走査方向D1に沿って、接触式あるいは非接触式の、高さ計測機器あるいは表面粗さ測定器を用いて測定することができる。なお、第2凸部222の基板7からの高さおよび第3凸部226の基板7からの高さについても同様である。
また、第1傾斜部218a、第2傾斜部222aおよび第3傾斜部226aの勾配は、例えば、搬送方向Sの上流側から下流側へ向けて、接触式あるいは非接触式の、高さ計測機器あるいは表面粗さ測定器を用いて高さの変化量を測定し、高さの変化量を搬送方向Sの下流側への移動距離で除算することにより、確認することができる。
<第3の実施形態>
図9を用いて、第3の実施形態に係るサーマルヘッドX3について説明する。なお、図9(a),(b)では、第1凹部320の底部(主走査方向D1において基板7からの高さが最小である部分)を繋いだ軌跡と、第2凹部324の底部を繋いだ軌跡と、を一点鎖線にて模式的に示している。
サーマルヘッドX3はガイド部材316を有している。ガイド部材316は、第1凸部318と、第1凹部320と、第2凸部322と、第2凹部324と、第3凸部326とを有している。第1凸部318と、第2凸部322と、第3凸部326とは、サーマルヘッドX1と構成が同じであるため、説明を省略する。
第1凹部320は、図9(a),(b)で示すように、第1凹部320が、副走査方向(搬送方向S)に対して傾斜する方向に延びている。すなわち、第1凹部320の底部を繋いだ軌跡が、搬送方向Sに対して傾斜している。より詳細には、螺子止め部316dよりも搬送方向Sにおける下流側に位置する第1凹部320は、搬送方向Sに延びているが、螺子止め部316dよりも搬送方向Sにおける上流側に位置する第1凹部320は、搬送方向Sに傾斜する方向に延びている。言い換えると、螺子止め部316dよりも搬送方向Sにおける上流側に位置する第1凹部320は、搬送方向Sの下流側へ向かうにつれて、主走査方向D1の中央部から一端316a側へシフトする方向に向けて延びている。
第2凹部324は、図9(a),(b)で示すように、第2凹部324が、副走査方向(搬送方向S)に対して傾斜する方向に延びている。すなわち、第2凹部324の底部を繋いだ軌跡が、搬送方向Sに対して傾斜している。より詳細には、螺子止め部316dよりも搬送方向Sにおける下流側に位置する第2凹部324は、搬送方向Sに延びているが、螺子止め部316dよりも搬送方向Sにおける上流側に位置する第2凹部324は、搬送方向Sに傾斜する方向に延びている。より詳細には、螺子止め部316dよりも搬送方向Sにおける上流側に位置する第2凹部324は、搬送方向Sの下流側へ向かうにつれて、主走査方向D1の中央部から他端316b側へシフトする方向に向けて延びている。
本実施形態に係るサーマルヘッドX3においては、第1凹部320が、副走査方向(搬送方向S)に傾斜する方向に延びている。このような構成を有することにより、記録媒体Pは、搬送されるにつれて、ガイド部材316との接触状態が変化することとなる。その結果、記録媒体Pがガイド部材316に貼り付きにくくすることができ、記録媒体Pをガイド部材316から円滑に剥離することができる。なお、第2凹部324も第1凹部320と同じ構成を有するようにすることにより、記録媒体Pのガイド部材316からの剥離
をさらに円滑にすることができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX3では、ガイド部材316における搬送方向の上流側において、第1凹部320が、搬送方向Sに傾斜する方向に延びていてもよい。このような構成を有することにより、記録媒体Pが、ガイド部材316と接触し始める、搬送方向の上流側において、記録媒体Pのガイド部材316への貼り付きを低減することができる。なお、第2凹部324も第1凹部320と同じ構成を有するようにすることにより、記録媒体Pのガイド部材316からの剥離を更に良くすることができる。
また、本実施形態のサーマルヘッドX3では、第1凹部320が、搬送方向Sの上流側から下流側に向かうにつれて主走査方向D1の中央部から一端316aに向かう方向に傾斜していてもよい。このような構成を有することにより、一端316aを通過する記録媒体Pにシワが生じにくくすることができる。なお、第2凹部324が、搬送方向Sの上流側から下流側に向かうにつれて主走査方向D1の中央部から他端316bに向かう方向に傾斜するようにすることにより、記録媒体Pのガイド部材316からの剥離を更に良くすることができる。
なお、第1凹部320の底部とは、第1凹部320の基板7からの高さを主走査方向D1に沿って測定したときの高さが最も低い部分であり、この測定を、搬送方向Sに移動しながら複数回行うことにより、第1凹部320の延びる方向を確認することができる。
以上、複数の実施形態を用いて説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、第1の実施形態であるサーマルヘッドX1を用いたサーマルプリンタZ1を示したが、これに限定されるものではなく、サーマルヘッドX2,X3をサーマルプリンタZ1に用いてもよい。また、複数の実施形態であるサーマルヘッドX1〜X3を組み合わせてもよい。
また、サーマルヘッドX1では、蓄熱層13に隆起部13bが形成され、隆起部13b上に電気抵抗層15が形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、蓄熱層13に隆起部13bを形成せず、電気抵抗層15の発熱部9を、蓄熱層13の下地部13a上に配置してもよい。また、蓄熱層13を基板7の上面の全域にわたって設けてもよい。
さらにまた、電気抵抗層15を薄膜形成することにより、発熱部9の薄い薄膜ヘッドを例示して示したが、これに限定されるものではない。例えば、各種電極をパターニングした後に、電気抵抗層15を厚膜形成することにより、発熱部9の厚い厚膜ヘッドでもよい。さらに、発熱部9を基板の端面に形成する端面ヘッドに本技術を用いてもよい。