JP6977594B2 - 金属板の打ち抜き加工方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、突起付きパンチとダイを用いて鋼板の外形を所定の形状に成形する際に、ダイ切刃部の曲率半径を所定の範囲とし、パンチ切刃から突起肩に引いた接線とパンチ移動方向と直角方向のなす角度が所定の角度になるようにした鋼板の打ち抜き方法が記載されている。
特許文献2には、突起付きパンチとダイを用いて鋼板の外形を所定の形状に成形する際に、パンチ移動方向の直角方向とパンチ切刃から突起に引いた接線とのなす角度が所定の角度であり、パンチ切刃から突起に引いた接線と突起の接点との距離が所定の範囲になるようにした鋼板打ち抜き方法が記載されている。
特許文献3は、外周面縁が切断刃となる底面と、外周縁から所定方向に平行な方向に伸びる外周面を有し、外周縁は平面視において凸状または凹状に湾曲する湾曲部を含み、底面は、平面部とこの平面部から所定方向に凹みかつ平面視において湾曲部を含むように設けられる切り欠き部を有するパンチと、ダイとを用いて金属板をせん断加工する方法が記載されている。
特許文献4は、予め、被加工材のせん断加工面にて伸びフランジ割れが生じやすい部位を特定し、せん断加工の際、特定した部位を含む領域に対向するパンチの刃先に、側面部と底面部で形成され、かつ、底面部のパンチ底面からの深さが被加工材の板厚の10〜70%である凹部を設け、凹部を有するパンチを用いてせん断加工を行うせん断加工方法が記載されている。
特許文献5には、フランジ加工時に割れの危険性があるせん断加工端部の所定位置を伸びフランジ割れ危険部として特定し、せん断加工後に剪断加工端部を伸びフランジ加工するために凹状の湾曲形状に形成されるように、かつ、伸びフランジ割れ危険部となる部位に所定の引張応力が加わるように、金属板にビードを付与し、そのまま金属板をせん断するせん断加工成形方法が記載されている。
特許文献2に記載された方法では、パンチに特定形状の突起を付けて鋼板に張力を与えた上でせん断を行うことにより、打ち抜き端面の加工硬化とバリ発生を抑制するものであるが、この方法では、同文献の図7に示されるように、パンチに付けた突起によって材料が大きく撓んだ状態でせん断が行われるため、鋼板に与えられる張力が十分ではなく、打ち抜き端面の加工硬化の抑制が不十分であった。
特許文献3に記載された方法では、平面部によって切断された部分に比べて、切り欠き部によって切断された部分において破断面の板厚方向の長さを大きくすることで、伸びフランジ割れを防止しているが、パンチに平面部と切り欠け部を設ける際の設計上の制約から、破断面の板厚方向の長さを十分に大きくできない場合がある。また、打ち抜き形状が変更された場合には、パンチに設ける平面部と切り欠き部の形状の再設計が必要になり、設計変更に膨大な時間を要する場合がある。
特許文献4に記載された方法では、伸びフランジ割れが生じやすい部位に対して、パンチの刃先に凹部を設けてせん断加工することにより、せん断加工時の塑性変形を小さくして伸びフランジ割れを防止するが、パンチに凹部を設ける際の設計上の制約から、せん断加工時の塑性変形を十分に小さくできない場合がある。また、打ち抜き形状が変更された場合には、パンチに設ける凹部の形状の再設計が必要になり、設計変更に膨大な時間を要する場合がある。
特許文献5に記載された方法では、金属板にビードを付与してせん断加工を行うことでビード形成時にせん断加工方向と直交する方向に引張応力を発生させて、伸びフランジ割れ危険部となる部位の歪みを小さくして当該部位の変形能を増加させるが、十分な効果を発揮させるためには、ビードの位置、サイズ、形状を最適化する必要があり、必ずしも十分な効果が得られない場合があった。
底面部及び側面部を有し、前記底面部と前記側面部とが接する角部がパンチ刃とされ、更に前記底面部に突起部が設けられてなるパンチと、
ダイと、を用意し、
前記基板部を拘束し、前記パンチの突起部を前記ブリッジ部に押し当てつつ、前記パンチ刃と前記ダイによって前記基板部から前記ブリッジ部をせん断加工により切り離す、金属板の打ち抜き加工方法。
[2] 前記ブリッジ部には、前記複数の枝部同士を結合する結合部が設けられており、前記結合部に前記パンチの突起部を押し当てつつ、前記ブリッジ部と前記基板部とをせん断する、[1]に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[3] 前記ブリッジ部の中央に前記結合部が設けられており、前記結合部に前記パンチの突起部を押し当てつつ、前記ブリッジ部を前記基板部からせん断加工により切り離す、[2]に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[4] 前記ブリッジ部に前記結合部が2つ以上設けられ、前記の各結合部に前記パンチの突起部を同時に押し当てつつ、前記ブリッジ部を前記基板部からせん断加工により切り離す、[2]に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[5] 前記複数の枝部に前記パンチの突起部を同時に押し当てつつ、前記ブリッジ部を前記基板部からせん断加工により切り離す、[1]に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[6] 前記ブリッジ部に、前記複数の枝部同士を結合する結合部が設けられている、[5]に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[7] 前記ブリッジ部の中央に、前記複数の枝部同士を結合する前記結合部が設けられている、[5]に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[8] 前記ブリッジ部に、前記複数の枝部同士を結合する前記結合部が2つ以上設けられている、[5]に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[9] 前記複数の枝部は、幅及び長さが同一である、[1]乃至[8]の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[10] 前記複数の枝部のうちの少なくとも1つの枝部の幅及び/または長さが、他の枝部の幅及び/または長さに対して異なっている、[1]乃至[8]の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[11] 前記枝部の数が3以上である、[1]乃至[10]の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[12] 前記ブランクの前記開口部が、前記ブリッジ部によって分割された分割開口部である、[1]乃至[11]の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[13] 前記ブリッジ部を除いた前記開口部の平面視形状が、円形、楕円形またはn角形(ただしnは3以上の自然数)である、[1]乃至[12]の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
[14] 前記ブランクを挟んで前記パンチと対向する位置に補助パッドを配置し、前記補助パッドには、前記突起部の押し当て箇所よりも前記基板部側で前記ブリッジ部に接する補助突起部が備えられ、前記突起部に押された前記ブリッジ部を前記補助突起部で支持しつつ、前記せん断を行う、[1]乃至[13]の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
これにより例えば、穴広げ加工において予め割れる位置が予測できる場合に、穴広げ加工のブランク材として本発明の金属板の打ち抜き加工方法によって得られた金属板を適用し、かつ、割れの予測位置に基板部のせん断箇所が位置させることで、穴広げ加工の成形不良を防止できる。
また、本発明の金属板の打ち抜き加工方法では、ブリッジ部が複数の枝部によって基板部に接続されているため、応力の集中箇所が複数になる。これにより、加工硬化が小さくなる箇所を複数箇所に形成することができる。これにより、開口部を囲む端部をその延長方向に伸ばす加工を施した場合に、端部の割れを複数箇所において効果的に抑制できる。
また、本発明の金属板の打ち抜き加工方法は、開口部の形状及びブリッジ部の形状に特に制限がないため、設計変更を容易に行うことができる。
また、本発明の金属板の打ち抜き加工方法では、ブリッジ部の中央に結合部を設けることで、複数の枝部に対してその長さに応じた応力を付与することができる。これにより、加工硬化の低減箇所を分散させることができ、開口部を囲む端部をその延長方向に伸ばす加工を施した場合に、端部の割れをより確実に抑制できる。
更に、本発明の金属板の打ち抜き加工方法では、ブリッジ部に結合部を2つ以上設け、各結合部にパンチの突起部を同時に押し当てつつ、ブリッジ部を基板部からせん断加工により切り離すことで、比較的大きな開口部を形成しようとする場合に、各枝部に対して加工硬化を低減させるための十分な応力を与えることができる。これにより、比較的大きな開口部に対して加工硬化の低減箇所を分散して形成させることができ、開口部を囲む端部をその延長方向に伸ばす加工を施した場合に、端部の割れをより確実に抑制できる。比較的大きな開口部として、例えば、アスペクト比が比較的大きな開口部を例示できる。
更にまた、本発明の金属板の打ち抜き加工方法では、複数の枝部にパンチの突起部を同時に押し当てつつ、ブリッジ部を基板部からせん断加工により切り離してもよい。この場合は、より基板部に近い位置でブリッジ部を押し込むことで枝部と基板部との接続部分により強い応力を付与させることができ、結合部に突起部を当てる場合に比べて、せん断箇所の加工硬化を更に小さくすることができる。
更に、本発明の金属板の打ち抜き加工方法では、複数の枝部のうちの少なくとも1つの幅または長さを、他の枝部に対して異なるようにすることで、各枝部と基板部との接続部分に加わる引張応力が異なる大きさにすることができる。これにより、開口部を囲む端部に、加工硬化の低減量が相互に異なる箇所を設けることができる。そして例えば、せん断加工後の金属板に対して、開口部を囲む端部を全体的に伸ばし、更に特定の一部をより大きく伸ばす加工を施す場合に、この大きく伸ばす箇所に加工硬化の低減量が大きい箇所を配置させることで、端部の割れを確実に抑制できる。
更にまた、本発明の金属板の打ち抜き加工方法では、枝部の数が3以上であり、せん断箇所が3箇所以上になるので、加工硬化が小さくなる箇所を3箇所以上に形成することができ、開口部を囲む端部をその延長方向に伸ばす加工を施した場合に、端部の3箇所以上において効果的に抑制できる。
更に、本発明の金属板の打ち抜き加工方法では、開口部の形状を円形、楕円形または4角形以上の多角形にすることができ、設計変更等を容易に行うことができる。
これらの場合、結合部にパンチの突起部を押し当てつつ、ブリッジ部を基板部からせん断加工により切り離せばよい。また、複数の枝部にパンチの突起部を同時に押し当てつつ、ブリッジ部を基板部からせん断加工により切り離してもよい。更には、複数の枝部と結合部とにパンチの突起部を同時に押し当てつつ、ブリッジ部を基板部からせん断加工により切り離してもよい。
また、複数の枝部は、幅及び長さが同一であってもよいし、複数の枝部のうちの少なくとも1つの枝部の幅及び/または長さが、他の枝部の幅及び/または長さに対して異なっていてもよい。
ブランクの開口部は、ブリッジ部によって分割された分割開口部である。
また、ブリッジ部を除いた開口部の平面視形状は、円形、楕円形またはn角形(ただしnは3以上の自然数)の何れでもよい。
更に、ブランクを挟んでパンチと対向する位置に補助パッドを配置して、せん断加工を行ってもよい。補助パッドは、パンチの突起部の押し当て箇所よりも基板部側でブリッジ部に接する補助突起部を備えることが好ましい。そして、突起部に押されたブリッジ部を補助突起部で支持しつつ、せん断加工を行うとよい。
図1〜図6を参照して、本発明の第1の実施形態である金属板の打ち抜き加工方法を説明する。図1(a)に示すように、本実施形態の金属板の打ち抜き加工方法は、基板部11及びブリッジ部12を有する金属板13からなるブランク1を用意し、ブリッジ部12と基板部11との接続箇所に引張応力を付与させながら、ブリッジ部12と基板部11を接続箇所においてせん断することにより、図1(b)に示すように、開口部2を有する金属板14を得る打ち抜き加工方法である。
パンチ3は、図3に示すように、円筒状のパンチ本体3aと、パンチ本体3aの一端側に設けられた突起部3bとを有している。パンチ本体3aは、底面部3c及び側面部3dを有しており、底面部3cに突起部3bが設けられている。パンチ本体3aの底面部3cの平面視形状は、ブランク1の分割開口部22及びブリッジ部12を合わせた形状とほぼ同じ形状とされている。また、底面部3cと側面部3dとが接する角部3eが、パンチ刃3fとされている。なお、パンチ本体3aの形状は円筒形に限定されるものではなく、突起部3bを有しており、かつ、ブリッジ部12と基板部11との接続箇所をせん断できるものであれば特に形状は問わない。
また、本実施形態の金属板の打ち抜き加工方法は、開口部22の形状及びブリッジ部11の形状に特に制限がないため、設計変更を容易に行うことができる。
また、ブリッジ部12の中央に結合部12cを設けることで、複数の枝部12bに対してその長さに応じた応力を付与することができる。これにより、加工硬化の低減箇所を分散させることができ、開口部2を囲む端部11aをその延長方向に伸ばす加工を施した場合に、端部11aの割れをより確実に抑制できる。
また、各枝部12bの幅及び長さが相互に同一にされているので、各枝部12bに均等に応力を付与することができる。
次に、第2の実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。図7及び図8に示す本実施形態では、打ち抜き加工時のブランク1の下側に、ブリッジ部12の塑性変形を防止するための補助パッド6を配置する。補助パッド6を用いること以外は、図1〜図6に示した第1実施形態の打ち抜き加工方法とほぼ同じであるので、図7及び図8に示す構成要素のうち、図1〜図6に示す構成要素と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
更に、補助パッド6を上昇させて、補助突起部6aの先端をブリッジ部12の下面に当接させる。補助突起部6aは、補助パッド6の上面部の周縁部6cに円環状に配置されているため、ブリッジ部12の基板部11寄りの位置に当接されるようになる。より詳細には、補助突起部6aは、ブリッジ部12の枝部12bに当接されるようになる。図8(d)には、補助突起部6aの位置を一点鎖線で示している。
図10を参照して、本発明の第3の実施形態を説明する。図10(a)は、本実施形態で用いるブランク1の平面模式図である。本実施形態では、ブリッジ部12の結合部12cではなく、ブリッジ部12の枝部12bにパンチの突起部を当接させてブリッジ部12を押し込むことで、基板部11と枝部12bとの接続箇所に引張応力を印加させつつ、せん断を行う。
ブランク1を用意したならば、第1の実施形態と同様に、ダイ4と拘束パッド4を用いて、ブランク1の基板部11を拘束する。次いで、拘束パッド4に設けた貫通穴4aにパンチを挿入して、パンチをブランク1のブリッジ部12に接近させる。本実施形態で使用するパンチは、図10(b)または図10(c)に示すものを例示できる。図10(b)に示すパンチ13の底面部3cには、同じ高さの4つの突起部13bが、底面部3cの外縁に沿って等間隔に設けられている。また、図10(c)に示すパンチ23の底面部3cには、その外縁に沿って、高さが一定な円環状の突起部23bが設けられている。
なお、本実施形態では、ブランク1のブリッジ部12をせん断する際に、第2の実施形態で説明したような補助パッド6、16を併用してもよい。補助パッド6、16を併用することで、せん断箇所の加工硬化をより小さくすることができる。
図11を参照して、本発明の第4の実施形態を説明する。図11(a)は、本実施形態で用いるブランクの平面模式図であり、図11(b)はせん断加工後の金属板の平面模式図である。本実施形態と、先に説明した第1の実施形態とを対比すると、基板部とブリッジ部とをせん断してブランクからブリッジ部を除去する方法が共通するが、ブリッジ部の形状が異なっている。そこで以下の説明では、本実施形態に用いるブランクについて主に説明する。なお、本実施形態のブランクをせん断加工する際には、第2実施形態のように、補助パッドを用いてもよい。
図11(a)に示す本実施形態のブランク101は、基板部11及びブリッジ部112を有する金属板113からなる。基板部11には開口部が設けられている。開口部には、3つの枝部112bを有するブリッジ部112が設けられ、各枝部112bによって開口部が3つに分割されている。ブリッジ部112によって分割された3つの分割開口部122は、平面視で円形が3等分された中心角120°の略扇形状であり、ブリッジ部112が除去されることによって一つの円形の開口部102になる。
また、結合部112cは、せん断加工後の開口部102の中心となる位置に配置されている。
一方、分割開口部122の形成が例えばレーザー加工によってなされた場合は、端部111aの第1加工面111bは加工硬化がほとんど生じず、また、第2加工面111cも加工硬化が小さくなる。
例えば、図12に示すブリッジ123のように、3つある枝部のうち、1つの枝部123aの幅を他の枝部123bよりも広くしてもよい。これにより、各枝部123a、123bと基板部11との接続部分に加わる引張応力が異なる大きさとなる。図12の場合、幅が広い枝部123aにおける引張応力は、幅が狭い他の2つの枝部123bにおける引張応力よりも若干小さくなる。これにより、開口部を囲む端部に、加工硬化の低減量が相互に異なる箇所を設けることができる。そして例えば、せん断加工後の金属板に対して、開口部を囲む端部を全体的に伸ばし、更に特定の一部をより大きく伸ばす加工を施す場合に、この大きく伸ばす箇所に加工硬化の低減量が大きい箇所を配置させることで、端部の割れを確実に抑制できるようになる。
図13を参照して、本発明の第5の実施形態を説明する。図13(a)は、本実施形態で用いるブランクの平面模式図であり、図13(b)はせん断加工後の金属板の平面模式図である。本実施形態と、先に説明した第1の実施形態とを対比すると、基板部とブリッジ部とをせん断してブランクからブリッジ部を除去する方法が共通するが、ブリッジ部及び開口部の形状が異なっている。そこで以下の説明では、本実施形態に用いるブランクについて主に説明する。なお、本実施形態のブランクをせん断加工する際には、第2実施形態のように、補助パッドを用いてもよい。
また、本実施形態では、開口部202の平面視形状を略楕円形状とするために、結合部212cから4方向に突出する枝部212bによってブリッジ部212を構成し、更に各枝部212bの長さを異なる長さとするため、各枝部212bと基板部11との接続箇所における引張応力が異なる大きさとなる。これにより、金属板214の開口部202を囲む端部11cにおいて、加工硬化の低下量が場所毎に異なる部分を設けることができるようになる。
図15を参照して、本発明の第6の実施形態を説明する。図15は、本実施形態で用いるブランクの平面模式図である。本実施形態と、先に説明した第5の実施形態とを対比すると、基板部とブリッジ部とをせん断してブランクからブリッジ部を除去する方法が共通するが、ブリッジ部の形状が異なっている。そこで以下の説明では、本実施形態に用いるブランクについて主に説明する。なお、本実施形態のブランクをせん断加工する際には、第2実施形態のように、補助パッドを用いてもよい。
また、結合部312cは、連結部312dによって連結されている。連結部312dは、楕円の長径を通る直線に沿うように配置されている。結合部312cを中心にみたとき、連結部312dの長手方向は、隣接する枝部312bの長手方向に対して直角に交わるようになっている。
また、本実施形態では、開口部の平面視形状を略楕円形状とするため、2つの結合部312cから3方向に突出する枝部312bによってブリッジ部312を構成し、更に各枝部312bの長さをほぼ同じ長さとするため、各枝部312bと基板部11との接続箇所における引張応力を同程度の大きさにすることができる。これにより、金属板の開口部を囲む端部において、加工硬化の低下量が同程度の箇所を複数箇所に渡って設けることができるようになる。また、結合部312cを2つ設けることで、比較的大きな開口部を形成する場合であっても、十分な大きさの引張応力を各枝部312bに印加させることができる。
以下、図17を参照して、本発明の第7の実施形態を説明する。図17(a)は、本実施形態で用いるブランクの平面模式図であり、図17(b)はせん断加工後の金属板の平面模式図である。本実施形態と、先に説明した第1の実施形態とを対比すると、基板部とブリッジ部とをせん断してブランクからブリッジ部を除去する方法が共通するが、ブリッジ部及び開口部の形状が異なっている。そこで以下の説明では、本実施形態に用いるブランクについて主に説明する。なお、本実施形態のブランクをせん断加工する際には、第2実施形態のように、補助パッドを用いてもよい。
また、結合部412cは、連結部412dによって連結されている。連結部412dは、開口部となる矩形の短辺の中点同士を結ぶ直線に沿うように配置されている。
また、分割開口部422が例えばレーザー加工によって形成された場合は、端部11aの第1加工面411bは加工硬化がほとんど生じず、また、第2加工面411cの加工硬化も小さくなる。
また、本実施形態では、結合部412cを2つ設けることで、比較的大きな開口部を形成する場合であっても、十分な大きさの引張応力を各枝部412bに印加させることができる。
Claims (14)
- 開口部を有する基板部、及び前記開口部内に位置して端部が前記基板部に接続された複数の枝部を有するブリッジ部を備えた金属板からなるブランクと、
底面部及び側面部を有し、前記底面部と前記側面部とが接する角部がパンチ刃とされ、更に前記底面部に突起部が設けられてなるパンチと、
ダイと、を用意し、
前記基板部を拘束し、前記パンチの突起部を前記ブリッジ部に押し当てつつ、前記パンチ刃と前記ダイによって前記基板部から前記ブリッジ部をせん断加工により切り離す、金属板の打ち抜き加工方法。 - 前記ブリッジ部には、前記複数の枝部同士を結合する結合部が設けられており、前記結合部に前記パンチの突起部を押し当てつつ、前記ブリッジ部と前記基板部とをせん断する、請求項1に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブリッジ部の中央に前記結合部が設けられており、前記結合部に前記パンチの突起部を押し当てつつ、前記ブリッジ部を前記基板部からせん断加工により切り離す、請求項2に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブリッジ部に前記結合部が2つ以上設けられ、前記の各結合部に前記パンチの突起部を同時に押し当てつつ、前記ブリッジ部を前記基板部からせん断加工により切り離す、請求項2に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記複数の枝部に前記パンチの突起部を同時に押し当てつつ、前記ブリッジ部を前記基板部からせん断加工により切り離す、請求項1に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブリッジ部に、前記複数の枝部同士を結合する結合部が設けられている、請求項5に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブリッジ部の中央に、前記複数の枝部同士を結合する結合部が設けられている、請求項5に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブリッジ部に、前記複数の枝部同士を結合する結合部が2つ以上設けられている、請求項5に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記複数の枝部は、幅及び長さが同一である、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記複数の枝部のうちの少なくとも1つの枝部の幅及び/または長さが、他の枝部の幅及び/または長さに対して異なっている、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記枝部の数が3以上である、請求項1乃至請求項10の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブランクの前記開口部が、前記ブリッジ部によって分割された分割開口部である、請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブリッジ部を除いた前記開口部の平面視形状が、円形、楕円形またはn角形(ただしnは3以上の自然数)である、請求項1乃至請求項12の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
- 前記ブランクを挟んで前記パンチと対向する位置に補助パッドを配置し、前記補助パッドには、前記突起部の押し当て箇所よりも前記基板部側で前記ブリッジ部に接する補助突起部が備えられ、前記突起部に押された前記ブリッジ部を前記補助突起部で支持しつつ、前記せん断を行う、請求項1乃至請求項13の何れか一項に記載の金属板の打ち抜き加工方法。
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