JP6976562B2 - 再生樹脂組成物、再生材、再生方法 - Google Patents

再生樹脂組成物、再生材、再生方法 Download PDF

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Description

本発明は、再生ポリビニルブチラールを利用した再生樹脂組成物、再生材、再生方法に関するものである。
従来、合わせガラスにあっては、中間膜の材料としてポリビニルアセタールであるポリビニルブチラールが使用されている(例えば、特許文献1,2)。そして、該合わせガラスにあっては、廃棄された合わせガラスからのガラスあるいは中間膜の再利用方法が提案されている(例えば、特許文献3,4)。また、合わせガラスの中間膜の他に、上記ポリビニルブチラールをバインダーとして使用したものが提案されている(例えば、特許文献5)。
また従来、熱可塑性樹脂からなるバインダーに種々のフィラーを添加することにより、該フィラーが有する特性に応じた種々の機能を付与してなるシート材が提供されている(例えば、特許文献6,7)。
特開2015−071532号公報 特開2015−166308号公報 特開2003−285042号公報 特開2015−166308号公報 特開2009−099253号公報 特開2003−160669号公報 特開2009−172586号公報
ところが、上記従来にあって、ポリビニルブチラールは、合わせガラスの廃材からの再利用方法については提案されているものの、一旦は製品とされて該製品から再生されたリサイクル材と、バージン材とでは、多くの場合、性状が異なるものになる。特に、合わせガラスの製造時に生じる中間膜の端材のような、バージン材からなる廃材の再利用については何等提案されていないという問題があった。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、再生ポリビニルブチラールを好適に利用することが可能な再生樹脂組成物、再生材、再生方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の再生樹脂組成物の発明は、廃棄物由来のポリビニルブチラールと、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤とを含有することを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の再生樹脂組成物の発明において、前記架橋剤は、無水マレイン酸由来のカルボン酸無水物基を有するランダムエチレン共重合体であることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の再生樹脂組成物の発明において、前記架橋剤は、芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のうち何れか一項に記載の再生樹脂組成物の発明において、更に、アルデヒド類に対する捕捉作用を発現するキャッチャー剤が添加されていることを要旨とする。
請求項5に記載の再生材の発明は、請求項1から請求項4のうち何れか一項に記載の再生樹脂組成物に、無機充填材が添加されて、更に所定形状に成形されてなることを要旨とする。
請求項6に記載の再生方法の発明は、廃棄物由来のポリビニルブチラールを溶融状態にする第1段階と、前記溶融状態のポリビニルブチラールに対して1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤を添加する第2段階とを備えることを要旨とする。
〔作用〕
本発明の再生樹脂組成物は、廃棄物由来のポリビニルブチラールと、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤とを含有している。該架橋剤は、ポリビニルブチラールの粘着性を適度に抑えることができ、これにより再生樹脂組成物として廃棄物由来のPVBが好適に利用可能になる。なお、カルボン酸無水物基を有する架橋剤がポリビニルブチラールの粘着性を抑えることができることについては、粘着性を発揮するポリビニルブチラールの水酸基を架橋点とし、該カルボン酸無水物基が架橋反応するためと考えられる(請求項1)。
また、前記架橋剤として、無水マレイン酸由来のカルボン酸無水物基を有するランダムエチレン共重合体か、あるいは芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物かを使用することにより、ポリビニルブチラールの粘着性を好適に抑えることができる(請求項2又は請求項3)。
また、本発明の再生樹脂組成物は、アルデヒド類に特有の臭気を生じやすいことから、アルデヒド類に対する捕捉作用を発現するキャッチャー剤を添加することにより、該臭気を抑えることができる(請求項4)。
本発明の再生材は、前記再生樹脂組成物に、無機充填材が添加されて、更に所定形状に成形されてなるものである。該再生材にあっては、前記再生樹脂組成物に前記無機充填材が添加されることにより、該無機充填材をフィラーとして、該再生樹脂組成物をバインダーとして機能させることができる。前記再生樹脂組成物は、前記架橋剤によって所定程度に抑えられているが、ポリビニルブチラールによる粘着性を好適に保持している。そして、該PVBによる粘着性を利用することにより、前記再生材は、柔軟性を損なうことなく、前記無機充填材(フィラー)の添加量を増すことができる(請求項5)。
本発明の再生方法では、第1段階で廃棄物由来のポリビニルブチラールを溶融状態にした後、第2段階で前記溶融状態のポリビニルブチラールに対し、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤を添加する。該再生方法によれば、溶融状態のポリビニルブチラールに前記架橋剤を添加することで、その後の成形工程等において、ポリビニルブチラールによる粘着性を適度に抑えることができ、成形装置等への強固な粘着等といった不具合の発生を抑制することができる(請求項6)。
〔効果〕
本発明の再生樹脂組成物、再生材及び再生方法によれば、廃棄物とされたポリビニルブチラールを有効に再利用することができる。
本発明を具体化した一実施形態について、以下に詳細に説明する。
本発明の再生樹脂組成物は、廃棄物由来のポリビニルブチラール(以下、「PVB」ともいう)と、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤を含有している。
上記PVBについて説明すると、通常、PVBは、ポリビニルアルコールをブタノールでアセタール化した熱可塑性樹脂であり、ブチラール基、アセチル基及び水酸基の3種の基によって成り立つ三元重合体である。該PVBは、柔軟で、低温でも硬くならず、ガラスや金属等によく密着するという利点を有しており、通常は接着剤や合わせガラスの中間膜に利用される。
上記廃棄物としては、例えばPVB製の中間膜を使用した合わせガラスの廃材などのような一旦は製品とされたもののスクラップ(以下、単に「スクラップ」とする)と、例えば合わせガラスの製造時に生じる中間膜の端材などのようなバージン材からなるものの廃材(以下、単に「廃材」とする)とが挙げられる。これらのうち、前記スクラップは、再生樹脂組成物として再生した際に、前記廃材に比べて性能が劣化、特に粘着性が劣化している場合が多い。このため、前記廃棄物には、PVBが有する性能を保持するという観点から廃材を使用することが好ましい。
上記廃棄物は、加熱等の手段で一旦は溶融状態にして、上記再生樹脂組成物に再利用される。但し、PVBは、強い粘着性を有するとともに、自己粘着によって塊状となる性質(ブロッキング性)を有している。そして、こうした強い粘着性やブロッキング性により、PVBは、装置へ粘着したり、自己粘着によって塊状になったりしてしまうので、上記再生樹脂組成物への再利用が難しい。そこで、上記廃棄物由来のPVBの上記再生樹脂組成物への好適な再利用を図るため、架橋剤が使用されている。
上記再生樹脂組成物において、上記架橋剤には、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−:化1に構造式を示す)を有するものが使用されている。該架橋剤は、分子内のカルボン酸無水物基が上記PVBの水酸基を架橋点にして架橋反応することにより、該PVBの粘着性やブロッキング性を抑えることができ、これによって上記廃棄物由来のPVBの再利用が可能になる。
上記架橋剤は、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有するものであれば、何れを使用してもよい。このような架橋剤としては、無水マレイン酸由来のカルボン酸無水物基を有するランダムエチレン共重合体か、又は、芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物が使用される。
Figure 0006976562
上記の無水マレイン酸由来のカルボン酸無水物基を有するランダムエチレン共重合体としては、オレフィン系樹脂を無水マレイン酸で変性した無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンや、エチレン・酢酸ビニル(EVA)樹脂を無水マレイン酸で変性した無水マレイン酸グラフト化EVAが例示される。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、ピロメリット酸無水物、エチレングリコールビス アンヒドロトリメリテート、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、グリセリンビス アンヒドロトリメリテート モノアセテートなどが挙げられる。
なお、上記架橋剤の分子内でカルボン酸無水物基は、環状又は鎖状の何れの形態であってもよいが、上記PVBの水酸基を架橋点とする架橋反応の反応性の観点から、環状となっているものが好ましい。
上記再生樹脂組成物は、上記PVBのアセチル基中や、上記架橋剤中のカルボン酸無水物基中にアルデヒド基を有していることから、高確率でアルデヒド類に特有の臭気を有している。そこで、上記再生樹脂組成物には、PVBと架橋剤の他に、更にアルデヒド類に対する捕捉作用を発現するキャッチャー剤を添加することが好ましい。
上記キャッチャー剤としては、ポリヒドラジド化合物を用いることが好ましい。該ポリヒドラジド化合物は、分子中に2個以上のヒドラジド基(−NH−NH)を有する化合物である。該ポリヒドラジド化合物は、前記ヒドラジド基と、アルデヒド類のアルデヒド基との間で脱水縮合反応することにより、該アルデヒド類を化学吸着することで、該アルデヒド類による臭気を抑えることができる。
上記ポリヒドラジド化合物の具体例としては、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、ヘキサデカンジヒドラジド、ナフトエジヒドラジド、ベンゼンジヒドラジド、ピリジンジヒドラジド、シクロヘキサンジヒドラジド、ピロメリット酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、トリニトロ酢酸トリヒドラジド、ニトリロ酢酸トリヒドラジド、シクロヘキサントリカルボン酸トリヒドラジド、エチレンジアミン四酢酸テトラヒドラジド、ナフトエ酸テトラヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジドなどが挙げられる。これらは、1種のみ、または2種以上を組み合せて使用してもよい。
上記ポリヒドラジド化合物のなかでも、単位質量当たりの反応するヒドラジド基の量が多く、アルデヒド類に対する高い捕捉作用が得られるという観点から、アジピン酸ジヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタン酸ジヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、トリニトロ酢酸トリヒドラジド、およびナフトエ酸テトラヒドラジドからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
本発明の再生材は、上記再生樹脂組成物に、無機充填材が添加されて、更に所定形状に成形されてなるものである。
上記無機充填材の種類は、特に限定されず、シート材に付与する機能に応じて所望のものが選択される。無機充填材の種類について例示すると、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、燐酸カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミナ、シリカ、コロイダルシリカ、雲母、珪藻土、ドロマイト、石膏、タルク、クレー、アスベスト、マイカ、ケイ酸カルシウム、ベントナイト、ホワイトカーボン、カーボンブラック、鉄粉、アルミニウム粉、ガラス粉、石粉、高炉スラグ、フライアッシュ、セメント、ジルコニア粉等が挙げられる。
上記再生材は、上記PVBによる強い粘着性を利用することにより、通常の再生材であれば無機充填材の添加量の最大値が70vol%であるのに対し、上記無機充填材の添加量を最大値で90vol%とすることができる。つまり、上記再生材における無機充填材の添加量は、好ましくは70vol%を越えて90vol%以下であり、より好ましくは75vol%以上で90vol%以下であり、更に好ましくは80vol%以上で90vol%以下である。
なお、上記添加量は、上記PVBと、使用する無機充填材とについて、それぞれの比重を用い、添加される重量から添加される体積へと換算し、その換算値から算出したものとする。
また、上記再生材には、上記無機充填材の他に、更にフィラーを添加してもよい。該フィラーについて例示すると、天然ゴムまたはその誘導体;スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、イソプレンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等の合成ゴム;ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、澱粉、澱粉誘導体、ニカワ、ゼラチン、血粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド等の水溶性高分子や天然ガム類;木粉、クルミ粉、ヤシガラ粉、小麦粉、米粉等の有機充填材が挙げられる。
更に他のフィラーについて例示すると、ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ブチリルステアレート、グリセリンモノステアレート等の脂肪酸のエステル類;脂肪酸アミド類;カルナバワックス等の天然ワックス類、合成ワックス類;パラフィン類、パラフィン油、シリコンオイル、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール、グリス等の離型剤;アゾジカーボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、P,P’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アゾビス−2,2’−(2−メチルグロピオニトリル)等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸アンモニウム等の無機発泡剤;シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、発泡ガラス、中空セラミックス等の中空粒体;発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレン、発泡ポリプロピレン等のプラスチック発泡体や発泡粒が挙げられる。
また他にもフィラーとして、顔料、染料、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶化促進剤、燐系化合物、窒素系化合物、硫黄系化合物、ホウ素系化合物、臭素系化合物、グアニジン系化合物、燐酸塩系化合物、燐酸エステル系化合物、アミノ系樹脂等の難燃剤、防炎剤、撥水剤、撥油剤、防虫剤、防腐剤、ワックス類、界面活性剤、滑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤;DBP、DOP、ジシクロヘキシルフタレートのようなフタル酸エステル系可塑剤やその他のトリクレジルホスフェート等の可塑剤等を添加してもよい。
本発明の再生方法は、スクラップや廃材から得られた廃棄物由来のPVBを溶融状態にする第1段階と、前記溶融状態のPVBに対し、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤を添加する第2段階とを備える。そして、該再生方法によって上記再生樹脂組成物が得られ、該再生樹脂組成物に上記無機充填材が添加されて、更に所定形状に成形されて、上記再生材が得られる。
上記再生樹脂組成物から成形する際の所定形状は、特に限定されないが、成形の容易さと上記再生材の使い勝手の良さの観点から、シート状とすることが好ましい。上記再生樹脂組成物をシート状に成形する手段としては、カレンダーロール、押出成形、射出成形等が挙げられるが、型を使用せず、厚みの変更等が簡易であり、無端状のシート材を得られることから、カレンダーロールが好適である。
上記再生材は、その用途が特に限定されるものではなく、種々の用途で利用が可能である。その用途としては、例えば、自動車における遮音材や防音材や断熱材や遮熱材や制振材、建材における遮音材やルーフィングパネルや外装パネルや内装パネルが挙げられる。つまり、上記再生材は、例えば高比重の無機充填材を用いることで遮音材としたり、鉛等の無機充填材を用いることで放射線に対する遮蔽材としたり、粒子が細かく環境負荷の少ない無機充填材を用いることで防草シートとしたり等のように、用途に応じた無機充填材を用いることで種々の用途に応用が可能である。
〔実施例1〕
廃棄物由来のPVBには、廃材として合わせガラスの製造時に生じる中間膜の端材を用い、架橋剤として1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンを用いた。
再生方法として、第1段階で上記廃材を加熱して溶融状態とした後、第2段階で上記架橋剤と、添加材(フィラー)としてステアリン酸とを添加し、溶融状態の再生樹脂組成物を得た。
次いで、成形機としてミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれ、好適に成形が為された。
〔実施例2〕
架橋剤として1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する無水マレイン酸グラフト化EVAを用いた他は、上記実施例1と同様にして、ミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれ、好適に成形が為された。
〔実施例3〕
架橋剤として1分子中に2つのカルボン酸無水物基を有するエチレングリコールビス アンヒドロトリメリテートを用いた他は、上記実施例1と同様にして、ミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれ、好適に成形が為された。
〔実施例4〕
架橋剤として1分子中に2つのカルボン酸無水物基を有するピロメリット酸無水物を用いた他は、上記実施例1と同様にして、ミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれ、好適に成形が為された。
〔比較例1〕
架橋剤として1分子中に1つのカルボン酸無水物基を有する無水トリメリット酸を用いた他は、上記実施例1と同様にして、ミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれず、成形不能であった。
〔比較例2〕
架橋剤として分子中にカルボン酸無水物基を有さず2つのエステル基(−CO−O−)を有するアジピン酸を用いた他は、上記実施例1と同様にして、ミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれず、成形不能であった。
〔比較例3〕
架橋剤として分子中にカルボン酸無水物基を有さずカルボキシ基(−COOH)を有するエチレンジアミン酸を用いた他は、上記実施例1と同様にして、ミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれず、成形不能であった。
〔比較例4〕
架橋剤として分子中にカルボン酸無水物基を有さず1つのヒドロキシ基(−OH)を有するフェノールを用いた他は、上記実施例1と同様にして、ミニロール装置を用い、再生樹脂組成物からシート状の再生材の成形を試みた。該試みの結果は、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれず、成形不能であった。
〔まとめ〕
実施例1〜4の結果から、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有する架橋剤を用いた場合、PVBの粘着力を抑えることができるから、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれ、成形が可能である。
一方、比較例1〜4の結果から、1分子中に1つのカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有する架橋剤、あるいはPVBの水酸基と反応可能な官能基(エステル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基)を有する架橋剤を用いても、PVBの粘着力を抑えることがでず、シート状の再生材がミニロール装置の圧延ロールから剥がれずに、成形が不可能である。
以上から、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基(−CO−O−CO−)を有する架橋剤を用いることで、PVBの粘着力を好適に抑えることができることが示された。
〔実施例5〕
実施例1,2で得た再生樹脂組成物に対し、無機充填材として硫酸バリウム及びカーボンを、体積比で表1に示す割合となるように添加し、実施例1と同様にして、シート状の再生材として実施例1から試料No.1〜No.3を、実施例2から試料No.4を得た。
Figure 0006976562
試料No.1〜No.4に関し、比重、シート化及びブロッキングついて評価を行った。その結果を表1に示す。
なお、シート化は、試料の圧延ロールへの粘着性を、粘着性が強く成形性が悪い1から粘着性が好適で成形性が良い5までの5段階で感応評価した。またブロッキングは、試料の圧延ロールからの剥がれ性を、剥がれに抵抗があり成形性が悪い1から抵抗なく剥がれ成形性が良い5までの5段階で感応評価した。
評価の結果、試料No.1〜No.4は、無機充填材の添加率が通常の最大値である70vol%を超えているにもかかわらず、シート状に成形することが出来た。
特に試料No.3,No.4は、無機充填材の添加率が80vol%を超えているものの、ブロッキングについては試料No.1やNo.2に比べて良い評価となった。また、試料No.4は、シート化およびブロッキングについて試料No.3に比べて良い評価となった。これにより、強い粘着性を有するPVBが、大量添加された無機充填材のバインダーとして好適に機能することにより、通常では製造が難しい高比重(2.9)の再生材を得ることができることが示された。
本発明では、ポリビニルブチラールの廃材の再利用を図ることができるので、産業上利用可能である。

Claims (5)

  1. 廃棄物由来のポリビニルブチラールと、1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤とを含有する再生樹脂組成物に、無機充填材が添加されて、更に所定形状に成形されてなる再生材であって、
    前記廃棄物由来のポリビニルブチラールは、合わせガラスの製造時に生じる中間膜の端材であり、
    前記架橋剤は、無水マレイン酸由来のカルボン酸無水物基を有するランダムエチレン共重合体である無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン又は無水マレイン酸グラフト化EVAであり、
    前記無機充填材の添加量は、70vol%を越えて90vol%以下であることを特徴とする再生材
  2. 前記無機充填材の添加量は、75vol%以上で90vol%以下である請求項1に記載の再生材。
  3. 更に、アルデヒド類に対する捕捉作用を発現するキャッチャー剤が添加されている請求項1又は2に記載の再生材
  4. 前記キャッチャー剤は、ポリヒドラジド化合物である請求項3に記載の再生材。
  5. 廃棄物由来のポリビニルブチラールを溶融状態にする第1段階と、前記溶融状態のポリビニルブチラールに対して1分子中に2つ以上のカルボン酸無水物基を有する架橋剤を添加する第2段階とで得られた再生樹脂組成物に無機充填材を添加する工程を備え、
    前記廃棄物由来のポリビニルブチラールには、合わせガラスの製造時に生じる中間膜の端材を用い、
    前記架橋剤には、無水マレイン酸由来のカルボン酸無水物基を有するランダムエチレン共重合体である無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィン又は無水マレイン酸グラフト化EVAを用い、
    前記無機充填材の添加量は、70vol%を越えて90vol%以下とすることを特徴とする再生方法。
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