JP2002226712A - 木粉入り熱可塑性樹脂成形体 - Google Patents

木粉入り熱可塑性樹脂成形体

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JP2002226712A
JP2002226712A JP2001028002A JP2001028002A JP2002226712A JP 2002226712 A JP2002226712 A JP 2002226712A JP 2001028002 A JP2001028002 A JP 2001028002A JP 2001028002 A JP2001028002 A JP 2001028002A JP 2002226712 A JP2002226712 A JP 2002226712A
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thermoplastic resin
wood powder
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resin molded
sheet
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Takeo Kitayama
威夫 北山
Shiro Katagiri
史朗 片桐
Shigeyoshi Matsubara
重義 松原
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木粉濃度が高い場合でも、表面に肌荒れやひび
割れなどがなく、他の基材との接着性にも優れる木粉入
り熱可塑性樹脂成形体を開発する。 【解決手段】木粉入り熱可塑性樹脂成形体を、木粉およ
びバインダーを含む熱可塑性樹脂組成物から形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木粉入り熱可塑性
樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、木粉を含有する熱可塑性樹脂
成形体は家具、建材、自動車内装部材等に用いられてい
る。
【0003】このような木粉入り熱可塑性樹脂成形体に
おける熱可塑性樹脂としてはポリエチレンやポリプロピ
レンなどの熱可塑性樹脂が多く使用されるが、かかる熱
可塑性樹脂は一般に無極性であるのに対して木粉は水酸
基などの極性基を有するため、木粉と熱可塑性樹脂粒子
との親和性が低く、得られた成形体の外観不良が著しい
という問題があった。
【0004】このようなことから、木粉と熱可塑性樹脂
との親和性を向上させるために、変性ポリオレフィンや
エポキシ基含有塩化ビニル樹脂などの相溶化剤を木粉と
熱可塑性樹脂に配合し、これを成形せしめてなる成形体
も知られている(特公平1−13733号公報、特開2
000−127280号公報)が、このような相溶化剤
を含有した成形体も、外観不良は十分には解消されず、
特に木粉濃度が50重量%を超えるような高濃度になる
と肌荒れなどの外観不良や、他の基材との接着不良が生
じる等の問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者らは、木粉濃度が高い場合でも、その表面に肌
荒れやひび割れなどもなく外観良好で、他の基材との接
着性にも優れた木粉入り熱可塑性樹脂成形体を開発すべ
く検討の結果、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、木粉
およびバインダーを含む熱可塑性樹脂組成物から形成さ
れてなることを特徴とする木粉入り熱可塑性樹脂成形体
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明について説明する。
本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体は、木粉およびバ
インダーを含む熱可塑性樹脂組成物を通常の成形法によ
り成形してなる成形体である。
【0008】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体に適
用される木粉としては、木材を微粒に粉砕したものや鋸
屑など従来よりよく知られている木粉が適用され、特に
限定されるものではないが、廃木材を利用した木粉の使
用が経済的に有利である。木粉の材質も特に制限されな
いが、得られた木粉入り熱可塑性樹脂成形体に機械的強
度を付与するためには、ヒノキ、ツガなどの針葉樹が好
ましい。かかる木粉は、その粒子径が大きくなりすぎる
と木粉と熱可塑性樹脂との親和性が低下してくるため、
木粉を構成する粒子群の少なくとも80%はその最大粒
径が2mm以下であることが好ましい。
【0009】基材となる熱可塑性樹脂としては、ポリプ
ロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン、アクリ
ロニトリル−スチレン−ブタジエンブロック共重合体、
ポリスチレン、ナイロンなどのポリアミド、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル樹
脂、EPM(エチレン−プロピレン共重合体)、EPD
M(エチレン−プロピレン−ジエン共重合体)などの熱
可塑性エラストマーなどが挙げられ、これらはそれぞれ
の単独あるいはこれらの混合物として、あるいはこれら
を用いたポリマーアロイとして使用されるが、これらの
うちでもポリエチレンやポリエチレンなどのポリオレフ
ィンが好ましく使用され、とりわけ耐熱性の良好なポリ
プロピレンが好ましく使用される。
【0010】また、バインダーは木粉と熱可塑性樹脂を
固着させるための固着剤としての機能を有し、かかる機
能を有するものであれば特に制限されることなく使用で
きるが、とりわけポリビニルアルコール、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ソー
ダ、ポリアクリルアミドなどの水溶性高水素結合樹脂が
好んで使用され、なかでも耐熱性に優れたポリビニルア
ルコールが好適に使用される。
【0011】木粉と熱可塑性樹脂との配合比は成形体と
しての使用目的に応じて適宜決定され、特に制限される
ものではないが、通常、その重量比で木粉/熱可塑性樹
脂=10/90〜80/20の範囲であり、木粉の配合
量が多くなるほど経済性に優れることを考慮すると、好
ましくは50/50〜80/20の範囲であり、より好
ましくは50/50〜70/30の範囲である。
【0012】また、バインダーの配合量は、木粉の種類
や形状、粒子の大きさ、木粉と熱可塑性樹脂との配合割
合、熱可塑性樹脂の種類、および原料熱可塑性樹脂の形
状や粒子の大きさなどの諸条件によって適宜決定され、
特に限定されないが、その量が少なすぎると成形前の原
料熱可塑性樹脂組成物において均一な組成物が得られに
くく、得られた成形体の外観が不良になったり強度が低
下する傾向にあり、また、多すぎても所定の効果を得る
には過剰量の使用となって不経済となるため、通常は、
木粉と熱可塑性樹脂の合計量に対して、2〜50重量%
の範囲である。
【0013】また、本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形
体中には、上記した成分の他に、成形体の機械的、熱的
性質の向上や、木粉と熱可塑性樹脂との親和性のより一
層の向上などのために、無機フィラー、変性ポリオレフ
ィンなどが適宜配合されていてもよい。
【0014】このような目的で使用される無機フィラー
としては、タルク、マイカ(雲母)、炭酸カルシウムな
どが例示され、変性ポリオレフィンとしては無水マレイ
ン酸、アクリル酸、メタクリル酸、あるいはこれらのエ
ステルなどと、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブ
テン、ポリメチルペンテンなどとの共重合体が挙げられ
る。尚、このような変性ポリオレフィンに代えて、場合
によっては無水マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸
などを単独で配合することもある。
【0015】その他、一般に使用される各種安定剤、顔
料、帯電防止剤などが適宜配合されていてもよく、その
他それぞれの使用目的に応じて各種改良剤、たとえば成
形性改良剤、表面特性改良剤、電磁特性改良剤、生物特
性改良剤などが適宜配合されていてもよい。
【0016】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体は、
熱可塑性樹脂に木粉、バインダーおよび必要に応じて配
合される所望の配合剤を適宜配合してなる木粉入り熱可
塑性樹脂組成物を成形することにより製造することがで
きる。
【0017】上記木粉入り熱可塑性樹脂組成物の製造に
おいて、使用する熱可塑性樹脂は通常粒状であり、その
形状は球形、ペレット状、さいころ状など任意である
が、熱可塑性樹脂を構成する粒子群れの少なくとも80
重量%はその最大粒径が2mm以下であることが好まし
い。
【0018】バインダーは通常は溶液として使用される
が、その場合の溶媒は当該バインダーを溶解させるもの
であれば特に制限なく使用され、例えば、へキサンやヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素類、トルエンやキシレンな
どの芳香族炭化水素類、メチルアルコールなどのアルコ
ール類、エチルエーテルやジオキサンなどのエ−テル
類、アセトンなどのケトン類、酢酸エチルなどのエステ
ル類などの通常使用される各種有機溶媒や水が挙げられ
る。
【0019】溶媒は、使用するバインダーに応じて適宜
選択され、それぞれの溶媒の単独使用であってもよい
し、2種以上の溶媒を混合して使用してもよい。2種以
上の溶媒を混合して使用する場合には、これらの溶媒が
相互に溶解した均一溶液として使用されることが好まし
いが、バインダーがいずれかの溶媒ないしは全ての溶媒
に溶解し、溶液状である限りにおいて、非均一な混合液
として使用してもよい。
【0020】このような溶媒のうち、安全性や取扱い性
のうえで水単独あるいは水と親水性溶媒との混合液を使
用し、バインダー溶液を水溶液または水と親水性溶媒と
の混合溶液として使用するのが好ましく、特にバインダ
ーが水溶性高水素結合樹脂である場合にはこのような水
系溶液として使用するのが好ましい。
【0021】バインダー溶液の使用量は木粉の種類や形
状、粒子の大きさ、木粉と熱可塑性樹脂粒子との配合割
合、熱可塑性樹脂粒子の形状、粒子の大きさなどの諸条
件によって適宜決定され、特に制限されるものではない
が、その量が少なすぎると均一な組成物が得られにく
く、また多すぎても所定の効果を得るには過剰量の使用
となって無駄となるなどの傾向があるため、通常は木粉
と熱可塑性樹脂粒子の合計量に対して10〜100重量
%の範囲である。
【0022】バインダー溶液のバインダー濃度について
も、上記したような諸条件によって適宜決定され、また
バインダー溶液の使用量によっても変わるが、通常は5
0重量%以下、好ましくは50〜20重量%の範囲であ
る。
【0023】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体は、
上記したような木粉、熱可塑性樹脂粒子およびバインダ
ー溶液からなる木粉入り熱可塑性樹脂組成物より形成さ
れるが、該木粉入り熱可塑性樹脂組成物は前記各成分を
一般的な方法で混合、攪拌することにより容易に製造す
ることができる。上記木粉入り熱可塑性樹脂組成物の製
造において、これらを攪拌してもその混合物はバインダ
ー溶液によりウエット状態にあり、また木粉と熱可塑性
樹脂粒子がバインダー溶液で相互に結合されているた
め、木粉の飛散が生ぜず、単にこれらを攪拌するのみで
木粉と熱可塑性樹脂粒子が均一に分散した木粉入り熱可
塑性樹脂組成物が得られる。しかも、かかる組成物は溶
融混練時のような高温を与えることなく、常温でも調製
できるため、木粉の焼けによる異臭の発生もない。
【0024】しかし、混合時の木粉の飛散をより確実に
防止するという点で、熱可塑性樹脂粒子およびバインダ
ー溶液を予め混合して、熱可塑性樹脂粒子表面にバイン
ダー溶液を付着させ、このバインダー溶液の付着した熱
可塑性樹脂粒子と木粉とを混合する方法が好ましく、更
には、この混合に際して、木粉中に上記のバインダー溶
液の付着した熱可塑性樹脂粒子を添加、混合する方法が
より好ましい。
【0025】かかる混合操作において使用する混合機と
しては、ゲレーションタイプミキサー、ブレンドタイプ
ミキサー、パワコンミキサーなどのスーパーミキサーや
リボンブレンダーなどの通常使用される各種混合機が使
用できるが、リボンブレンダーが流体に円周方向の運動
を与えて混合するのに対し、スーパーミキサーは高速で
回転する羽根で渦巻状の運動を与え、上下方向および円
周方向の運動を一挙に行なうために極めて短時間に混合
することができるため、スーパーミキサーによる混合が
好ましい。
【0026】また、バインダー溶液の付着した熱可塑性
樹脂粒子と木粉の混合にあたっては、木粉が大きく飛散
しないように、混合初期は低回転数で行なうことが好ま
しい。
【0027】かくして得られる木粉入り熱可塑性樹脂組
成物は、このままあるいは溶媒を除去したのち、木粉入
り熱可塑性樹脂成形体の原料として使用される。溶媒を
除去する場合には、必ずしも完全に除去する必要はな
く、残存溶媒量は当該組成物を成形原料として使用する
際の条件等に応じて適宜決定されるが、通常は5重量%
以下、好ましくは3重量%程度以下である。
【0028】溶媒を除去する場合、その除去方法は任意
の方法が採用され、常圧であっても減圧下に行なっても
よいが、バインダー溶液における溶媒として有機溶媒を
使用した場合には、安全面、あるいは環境面から溶媒を
回収し得る装置で行なうのがよい。乾燥温度は、原料の
熱可塑性樹脂や使用した溶媒の種類、その他の乾燥条件
などによっても異なるが、少なくとも熱可塑性樹脂の軟
化点以下に設定する必要があり、通常は60〜110℃
である。
【0029】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体は、
上記の木粉入り熱可塑性樹脂組成物を成形原料として、
通常の熱可塑性樹脂の成形方法において一般的に用いら
れている押出し成形、射出成形、ブロー成形などの成形
法によって、フィルム、シート、板材、角材その他所望
の製品形状となるように容易に成形することができ、特
にフィルム状、シート状の成形体とすることにより幅広
く用いることができる。
【0030】かくして製造された本発明の木粉入り熱可
塑性樹脂成形体は、それ単独で自動車内装部品、住宅建
材、電気部品、土木部品、包装材など幅広い分野に利用
することができるが、本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成
形体を基材とする場合には、断熱性や耐衝撃性を付加し
たり、クッション感を持たせたりするために、樹脂フィ
ルム、樹脂シート、紙材、織布、不織布などを積層させ
てもよく、特に断熱性や耐衝撃性が要求される場合には
熱可塑性樹脂シートをその表面に積層して使用される。
【0031】また、他の熱可塑性樹脂成形体などを基材
とし、これにフィルム状あるいはシート状の本発明の木
粉入り熱可塑性樹脂成形体を積層してなる積層体も、本
発明の積層体の木質感を有効に利用するために、好んで
使用される。熱可塑性樹脂成形体などの他の基材に本発
明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体を積層させる場合、そ
の積層構造はそれぞれの用途、目的によって任意である
が、例えば図1に示すような、他の熱可塑性樹脂成形体
(2)の片面、両面、表面の一部あるいはその全面に、
フィルム状やシート状の本発明の木粉入り熱可塑性樹脂
成形体(1)を積層してなる積層体や、図2に示すよう
な、他の熱可塑性樹脂成形体(2)と本発明の木粉入り
熱可塑性樹脂成形体(1)を交互に積層してなる多層積
層体などが挙げられるが、本発明の木粉入り熱可塑性樹
脂成形体は木質感に優れるという特徴を活かすために、
最外層にフィルム状あるいはシート状の本発明の木粉入
り熱可塑性樹脂成形体を積層させることが好ましい。場
合によってはこれらの積層体や本発明の木粉入り熱可塑
性樹脂成形体の一部ないしは全表面に耐候性や耐衝撃性
の向上、あるいは意匠性の向上のために最外層として他
の熱可塑性樹脂フィルムもしくはシートたとえば透明性
のアクリル系樹脂シート(3)、ポリカーボネート樹脂
シートなどを積層させてもよい。(図3)
【0032】上記の他の熱可塑性樹脂成形体(2)を構
成する熱可塑性樹脂としては前記の本発明において適用
される熱可塑性樹脂として例示した熱可塑性樹脂を使用
することができるが、これらのうちでもポリエチレンや
ポリプロピレンが好ましく使用され、とりわけ、耐熱性
の良好なポリプロピレンが好ましく使用される。
【0033】また、このような積層体において、上記の
他の熱可塑性樹脂成形体(2)は発泡していても非発泡
であってもよいが、積層体全体の軽量化を図るために
は、発泡した熱可塑性樹脂成形体であることが好まし
い。この場合、発泡倍率は任意であるが、一般には1.
1〜20倍、好ましくは1.1〜10倍である。
【0034】かかる目的で使用される発泡した熱可塑性
樹脂成形体は従来より公知の方法で製造され、例えば、
化学発泡剤、例えば重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニ
ウム、炭酸アンモニウムなどの無機系発泡剤、N、N’
−ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ
化合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニ
トリルなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、トルエンスルホニルヒドラジド、ジフェニルスルホ
ン−3、9’−ジスルホニルヒドラジド類、p−トルエ
ンスルホニルセミカルバジドなどを用いたり炭酸ガス、
窒素ガスなどを用いて発泡させる方法で製造される。
【0035】その他、他の熱可塑性樹脂成形体(2)に
は機械的、熱的性質の改良のためのフィラ−が配合され
ていてもよく、また発泡した熱可塑性樹脂成形体の場合
に発泡剤の代用として木粉が使用されていてもよい。木
粉を発泡剤として使用する場合には、木粉中に含まれる
水分が成形時などの熱により水蒸気として放出されるこ
とを利用したもので、木粉としては含水率が10〜40
重量%程度の湿潤状態のものを使用することが好まし
い。
【0036】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体
(1)と他の熱可塑性樹脂成形体(2)の積層方法とし
ては、任意の方法が採用され、例えば予めそれぞれ別個
に成形した本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体と他の
熱可塑性樹脂成形体を接着剤等を用いて、あるいは熱融
着により接着して一体化してもよいし、押出し成形、射
出成形あるいはプレス成形などの方法により、本発明の
木粉入り熱可塑性樹脂成形体(1)形成すると同時に他
の熱可塑性樹脂成形体(2)を形成せしめ、同時に一体
化して製造することができるが、生産性などの点で後者
の方法が好ましい。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明が実施例に限定されるものでないことはいうまでも
ない。
【0038】実施例1 ポリビニルアルコール水溶液(ポリビニルアルコール濃
度:6.3重量%)36重量部および粒状ポリプロピレ
ン(住友化学社製、HS200XG4、粒径:800〜
1000μm)24重量部を混合し、粒状ポリプロピレ
ン表面にポリビニルアルコール水溶液を付着させた。ス
ーパーミキサーに木粉(三木産業社製、Lignoce
l HB120,粒径:40〜120μm)40重量部
を投入した後、先に得た表面にポリビニルアルコール水
溶液を付着させた粒状ポリプロピレンを投入し、回転数
300rpmで回転させながら5分間攪拌して、木粉と
粒状ポリプロピレンが略均一に分散した木粉入りポリプ
ロピレン組成物を得、これを105℃で5時間乾燥させ
た。
【0039】得られた水分含量が1重量%の乾燥状態の
木粉入りポリプロピレン組成物を、常法に従って一軸押
出機で押出して、厚さ2mmの木粉入りポリプロピレン
シートを得た。得られたシート表面には肌荒れやひび割
れもなく、外観は極めて良好であった。
【0040】一方、ペレット状のポリプロピレン(住友
化学社製、W101)70重量部、ペレット状のポリエ
チレン(住友化学社製、G201)30重量部および発
泡剤(三共化成社製、セルマイク)0.35重量部を混
合し、常法に従って一軸押出機で押出して、厚さ5mm
の発泡シート(発泡倍率5倍)を得た。この発泡シート
と、先に得た厚さ2mmの木粉入りポリプロピレンシー
トを接着剤で貼り合わせて積層シートを得た。得られた
積層シートにおいて、木粉入りポリプロピレンシートの
表面の肌が非常に滑らかなために、発泡シートとの接着
性は良好であった。
【0041】比較例1 粒状ポリプロピレン(住友化学社製、HS200XG
4、粒径:800〜1000μm)24重量部と木粉
(三木産業社製、Lignocel HB120,粒
径:40〜120μm)40重量部の混合物に相溶化剤
として変性ポリオレフィン(三洋化成社製、CA60)
5重量部を添加し、実施例1と同様にして攪拌して木粉
入りポリプロピレン組成物を得、これを常法に従って一
軸押出機で押出して、厚さ2mmの木粉入りポリプロピ
レンシートを得た。得られたシート表面には肌荒れやひ
び割れなどが多く見られた。また、この木粉入りポリプ
ロピレンシートに、実施例1で得た発泡シートを接着剤
で貼り合わせて積層シートを得たが、木粉入りポリプロ
ピレンシート表面の凹凸のために接着性が悪く、木粉入
りポリプロピレンシートと発泡シートの剥がれが見られ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂成形体
は、高濃度の木粉が充填されていてもその表面に肌あれ
やひび割れなどの外観不良がなく、他の基材との接着性
にも優れるため、家具、建材などのほか自動車内装部
品、床材、吸音材など幅広い用途に利用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂積層体におい
て、4種の積層例をその概略断面図で示したものであ
る。
【図2】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂積層体の例をそ
の概略断面図で示したものである。
【図3】本発明の木粉入り熱可塑性樹脂積層体の例をそ
の概略断面図で示したものである。
【記号の説明】
1:木粉入り熱可塑性樹脂シート 2:他の熱可塑性樹脂成形体 3:アクリル形樹脂シート
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 97/02 C08L 97/02 (72)発明者 松原 重義 大阪府高槻市塚原二丁目10番1号 住友化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AA15 AA20 AA22 AA24 AA29 AA31 AA43 AA50 AA54 AA73 AA77 AH03 AH11 BA01 BB06 BC01 4F100 AK01B AK04 AK07 AK21B AP00B AR00B AT00A BA02 BA07 CA01 CB00 DE01B EH17 GB07 GB33 GB81 JB16B JK14 JL11 JL11B YY00B 4J002 AH001 BB002 BB022 BB122 BB152 BC022 BD032 BE023 BE043 BG002 BG013 BG133 BJ003 BN152 CF002 CG002 CL002 FD010 FD343 GL00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木粉およびバインダーを含む熱可塑性樹脂
    組成物から形成されてなることを特徴とする木粉入り熱
    可塑性樹脂成形体。
  2. 【請求項2】バインダーが水溶性高水素結合樹脂である
    請求項1記載の木粉入り熱可塑性樹脂成形体。
  3. 【請求項3】水溶性高水素結合樹脂がポリビニルアルコ
    ールである請求項2記載の木粉入り熱可塑性樹脂成形
    体。
  4. 【請求項4】木粉と熱可塑性樹脂との割合が、重量比で
    木粉/熱可塑性樹脂=50/50〜80/20である請
    求項1記載の木粉入り熱可塑性樹脂成形体。
  5. 【請求項5】バインダー含量が固形分として熱可塑性樹
    脂100重量部当たり2〜50重量部である請求項1記
    載の木粉入り熱可塑性樹脂成形体。
  6. 【請求項6】成形体がシート状もしくはフィルム状であ
    る請求項1記載の木粉入り熱可塑性樹脂成形体。
  7. 【請求項7】シート状もしくはフィルム状の請求項1記
    載の木粉入り熱可塑性樹脂成形体を少なくとも一層有す
    る木粉入り熱可塑性樹脂積層成形体。
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