JP6975574B2 - セラミックヒータ、グロープラグ、セラミックヒータの製造方法、及びグロープラグの製造方法 - Google Patents

セラミックヒータ、グロープラグ、セラミックヒータの製造方法、及びグロープラグの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、セラミックヒータ、グロープラグ、セラミックヒータの製造方法、及びグロープラグの製造方法に関するものである。
基体内に抵抗体を埋設してなるセラミックヒータを製造するための一つの方法として、基体と抵抗体とを射出接合する方法が提案されている。例えば、特許文献1において第2の実施形態として開示される方法では、抵抗体(通電部用成形体11)を予め成形しておき(特許文献1:図2(a))、このように成形された抵抗体(通電部用成形体11)を、第1の金型部材25に形成された窪み内に保持しておく(特許文献1:図2(b))。そして、この抵抗体(通電部用成形体11)と第2の金型部材27の内面との間に設けられたキャビティ29に対し、充填口23aを通じて基体用混合物を充填するように第一回目の射出を行う(特許文献1:図2(b))。そして、第一回目の射出で得られた成形体を再度金型内に配置して第二回目の射出を行い(特許文献1:図2(c))、絶縁材料からなる基体内に抵抗体(通電部用成形体11)が埋設してなるセラミックヒータ(導体内蔵セラミックス)を得る。
国際公開WO2009/057596
しかし、特許文献1で開示されるような抵抗体の後端側の外形形状では、特許文献1の図2(b)のように第一回目の射出を行って基体材料を充填する際に、基体材料が充填される方向において、射出された基体材料から抵抗体(通電部用成形体11)が受ける押圧力が大きくなり、第1の金型部材25内の正規の保持位置からずれやすくなるという問題があった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、基体内の正規の位置に抵抗体がより高精度に配置され得るセラミックヒータ、グロープラグ、セラミックヒータの製造方法、及びグロープラグの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明の一つの解決手段であるセラミックヒータは、
絶縁性セラミックからなり、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる基体と、
導電性セラミックからなり、前記基体に埋設される抵抗体であり、前記基体の後端側に配置されて前記軸線方向に沿って延びる一対の導電部と、前記一対の導電部の先端側に接続するとともに、前記導電部からの通電によって発熱する発熱部と、を有する抵抗体と、を備えるセラミックヒータであって、
前記軸線方向と直交する方向のうち、前記一対の導電部が並ぶ方向に沿う方向を横方向とし、前記横方向と直交する方向を上下方向としたとき、
前記一対の導電部を前記横方向からみたときに、
前記一対の導電部の少なくともいずれか一方の導電部の後端側には、前記上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす先細り部が形成され、
前記先細り部は、前記後端の前記外形形状が頂点形状又は前記軸線方向と交差する方向に沿った線形状をなすように構成され、前記後端よりも前記上下方向一方側に位置する第1外縁の前記外形形状の前記軸線方向に対する第1傾斜角度が、前記後端よりも前記上下方向他方側に位置する第2外縁の前記外形形状の前記軸線方向に対する第2傾斜角度よりも小さい。
上記セラミックヒータは、一対の導電部の少なくともいずれか一方の導電部の後端側に先細り部が形成されている。この先細り部は、横方向にみたときに上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす。導電部の後端側がこのような先細り形状となっていれば、セラミックヒータを製造する際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場合(例えば、金型内に抵抗体を設置した状態で抵抗体の後端側から基体材料が射出され、基体材料から射出による圧力を受けるような場合など)において抵抗体に対する軸線方向の力が緩和されやすくなり、抵抗体が基体内の正規位置からずれにくくなる。
しかも、先細り部は、横方向にみたとき、後端よりも上下方向一方側に位置する第1外縁の外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第1傾斜角度)が、後端よりも上下方向他方側に位置する第2外縁の外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第2傾斜角度)よりも小さい。このように第1外縁の外形形状の傾斜角度(第1傾斜角度)を小さくすれば、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力が加わりやすい位置に傾斜角度が小さい外縁側を配置するような設定、即ち、押圧力を逃がしやすい設定が可能となる。よって、このような押圧力の影響をより抑えやすくなり、押圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより防ぎやすくなる。
他方、第2外縁の外形形状の傾斜角度(第2傾斜角度)を大きくすれば、セラミックヒータを製造する際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、例えば、金型内に抵抗体をより高精度に配置することができ、抵抗体が基体内の正規位置からずれにくくなる。
上記セラミックヒータにおいて、一対の導電部を上下方向からみたときに、先細り部は、横方向の幅が後端に向かうにつれて小さくなる外形形状を成していてもよい。
このように、先細り部の形状が、横方向にみたときに上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる形状に加え、上下方向にみたときに横方向の幅が後端に向かうにつれて小さくなる形状となっていれば、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力の影響をより一層抑制しやすくなり、押圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより一層防ぎやすくなる。
上記セラミックヒータは、一対の導電部のいずれにおいても先細り部を形成することができる。
このように両導電部の後端側に先細り部がそれぞれ形成されていれば、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力の影響が更に抑制されやすくなる。
一対の導電部は、それぞれの後端が軸線方向においてずれていてもよい。
このように一対の導電部の両後端が軸線方向においてずれていれば、先細り部によって押圧力を緩和する上述の効果に加え、後方側からの押圧力が一対の導電部の両後端に同時に作用しにくくなる。例えば、金型内に抵抗体を設置した状態で抵抗体の後端側から基体材料が射出され、流動性を有する基体材料から圧力を受けるような場合に、両後端に作用するタイミングに時間差が生じやすくなり、抵抗体に対して同時期に強い力が加わることが緩和されやすくなる。
一対の導電部は、いずれの後端も基体の内部に埋設されている構成であってもよい。
このように、いずれの導電部の後端も基体の内部に埋設されている(つまり、導電部の後端が基体の外側に露出しない)構成とすれば、導電部の保護効果が高まり、導電部が基体の外部に露出することに起因する不具合を防ぐことができる。
本発明の一つの解決手段であるグロープラグは、セラミックヒータと前記セラミックヒータを保持する金具とを備えるグロープラグであって、前記セラミックヒータが上記いずれかのセラミックヒータを含む。
このグロープラグにおいても、上述したセラミックヒータを含むので、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力が加わりやすい位置に傾斜角度が小さい外縁側を配置するような設定、即ち、押圧力を逃がしやすい設定が可能となる。よって、このような押圧力の影響をより抑えやすくなり、押圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより防ぎやすくなる。
本発明の一つの解決手段であるセラミックヒータの製造方法は、
絶縁性セラミックからなり、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる基体と、
導電性セラミックからなり、前記基体に埋設される抵抗体であり、前記基体の後端側に配置されて前記軸線方向に沿って延びる一対の導電部と、前記一対の導電部の先端側に接続するとともに、前記導電部からの通電によって発熱する発熱部と、を有する抵抗体と、を備えるセラミックヒータの製造方法であって、
焼成後に前記導電性セラミックとなる第1材料を用いて、焼成後に前記抵抗体となる抵抗体中間体を第1方向に延びた形態で作製する作製工程と、
前記抵抗体中間体を第1金型の内部に配置した状態で、焼成後に前記絶縁性セラミックとなる第2材料を前記第1金型において前記抵抗体中間体の前記第1方向後端側から先端側に向かう方向へ射出して焼成後に前記基体の一部となる第1基体中間体を成形し、前記第1基体中間体の内部に前記抵抗体中間体の一部が埋め込まれた中間体である第1ヒータ中間体を形成する第1射出成形工程と、
前記第1ヒータ中間体を第2金型の内部に配置した状態で、前記第2材料を前記第2金型内において前記抵抗体中間体の前記第1方向後端側から先端側に向かう方向へ射出して焼成後に前記基体の一部となる第2基体中間体を成形し、前記第1基体中間体及び前記第2基体中間体の内部に前記抵抗体中間体が埋め込まれた中間体である第2ヒータ中間体を形成する第2射出成形工程と、
前記第2ヒータ中間体を焼成する焼成工程と、
を含み、
前記作製工程は、
作成される前記抵抗体中間体において、前記第1方向と直交する方向のうち、前記一対の導電部の中間体である一対の導電部中間体が並ぶ方向に沿う方向を横方向とし、前記横方向と直交する方向を上下方向としたとき、
前記一対の導電部中間体を前記横方向からみたときに、
前記一対の導電部中間体の少なくともいずれか一方の中間体の後端側に、前記上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす先細り部中間体を形成すると共に、
前記後端の前記外形形状が頂点形状又は前記第1方向と交差する方向に沿った線形状をなし、前記後端よりも前記上下方向一方側に位置する第1外縁の前記外形形状の前記第1方向に対する第1傾斜角度が、前記後端よりも前記上下方向他方側に位置する第2外縁の前記外形形状の前記第1方向に対する第2傾斜角度よりも小さくなるように前記先細り部中間体を形成し、
前記第1射出成形工程は、
前記抵抗体中間体を保持する凹部が形成された前記第1金型の前記凹部内に前記先細り部中間体の前記第2外縁側を配置し、前記第1金型の内壁部と前記先細り部中間体の前記第1外縁側との間に前記第2材料の収容空間を構成した状態で、前記第2材料を射出する。
上記製造方法では、一対の導電部となるべき一対の導電部中間体の少なくともいずれか一方の中間体の後端側に、横方向にみたときに上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす先細り部中間体を形成する。このように少なくとも一方の中間体の後端側が先細り形状となっていれば、第1射出成形工程において第2材料を射出する際に、抵抗体となるべき抵抗体中間体が、射出された第2材料から第1方向の力(先端側に向かう方向の力)を受けにくくなり、第1射出成形工程において正規位置からずれにくくなる。
しかも、第1射出成形工程で射出する際には、第1金型の凹部内に先細り部中間体の第2外縁側(第1方向(抵抗体中間体が延びる方向)に対する外縁の外形形状の傾きが大きい側)を配置し、第1金型の内壁部と先細り部中間体の第1外縁側(第1方向に対する外縁の外形形状の傾きが小さい側)との間に第2材料の収容空間を構成した状態で、抵抗体中間体の後端側から先端側に向かうように第2材料を射出する。このようにすれば、第1射出成形工程で第2材料を射出する際に、先細り部の後端側で第2材料から第1方向(抵抗体中間体が延びる方向)の強い圧力を受けにくくなり、凹部に密着する方向の力が生じやすくなる。よって、射出時に第2材料の圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより防ぎやすくなる。
本発明の一つの解決手段であるグロープラグの製造方法は、
上記製造方法によってセラミックヒータを製造するセラミックヒータ製造工程と、
前記セラミックヒータ製造工程で製造された前記セラミックヒータに対し、当該セラミックヒータを保持する金具を組み付ける工程と、
を含む。
このグロープラグの製造方法も、上述したセラミックヒータの製造方法を含むので、第1射出成形工程で第2材料を射出する際に、先細り部の後端側で第2材料から第1方向(抵抗体中間体が延びる方向)の強い圧力を受けにくくなり、凹部に密着する方向の力が生じやすくなる。よって、射出時に第2材料の圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより防ぎやすくなる。
本発明によれば、基体内の正規の位置に抵抗体がより高精度に配置され得るセラミックヒータ又はグロープラグを実現することができる。
第1実施形態のグロープラグの一例を示す断面概略図である。 図1で示すグロープラグのうち、セラミックヒータ付近の構成を拡大して示す拡大断面図である。 第1実施形態の第1態様のセラミックヒータを示す断面図である。 第1態様のセラミックヒータの発熱抵抗体を示す側面図である。 第1態様のセラミックヒータの発熱抵抗体を平面視した構成の一部を拡大して示す拡大図である。 (A)は、第1態様のセラミックヒータの第1導電部を側面視した構成の一部を拡大して示す拡大図であり、(B)は、第2導電部を側面視した構成の一部を拡大して示す拡大図である。 第1実施形態のグロープラグの製造方法の流れを例示するフローチャートである。 図7のフローチャートのサブルーチンである。 図7で示す製造方法の流れにおける第1射出成形工程を説明する図である。 第1射出成形工程における材料射出時の金型内の様子を説明する説明図である。 第1射出成形工程における材料充填後の金型内の様子を説明する説明図である。 図7で示す製造方法の流れにおける第2射出成形工程を説明する図である。 第2射出成形工程における材料射出時の金型内の様子を説明する説明図である。 第2射出成形工程における材料充填後の金型内の様子を説明する説明図である。 第1実施形態の第2態様のセラミックヒータを示す断面図である。 第2態様のセラミックヒータの発熱抵抗体を示す側面図である。 第2態様のセラミックヒータの発熱抵抗体を平面視した構成の一部を拡大して示す拡大図である。 (A)は、第2態様のセラミックヒータの第1導電部を側面視した構成の一部を拡大して示す拡大図であり、(B)は、第2導電部を側面視した構成の一部を拡大して示す拡大図である。 第1実施形態の第3態様のセラミックヒータを示す断面図である。 第3態様のセラミックヒータの発熱抵抗体を平面視した構成の一部を拡大して示す拡大図である。 第1実施形態の第4態様のセラミックヒータを示す断面図である。 第4態様のセラミックヒータの発熱抵抗体を平面視した構成の一部を拡大して示す拡大図である。
A.第1実施形態
A1.グロープラグの構成
図1は、第1実施形態のグロープラグの一例を示す概略図である。図2は、図1で示すグロープラグ1のうちのセラミックヒータ40を含む部分を示す拡大断面図である。図1、図2において図示されたラインCLは、グロープラグ1及びセラミックヒータ40の中心軸を示している。図1、図2において図示された断面は、中心軸CLを含む断面である。
以下、中心軸CLのことを「軸線CL」とも呼び、中心軸CLと平行な方向を「軸線方向」とも呼ぶ。中心軸CLを中心とする円の径方向を、単に「径方向」とも呼び、中心軸CLを中心とする円の円周方向を「周方向」とも呼ぶ。中心軸CLと平行な方向のうち、図1における下方向を第1方向D1と呼ぶ。第1方向D1は、後述する端子部材80からセラミックヒータ40に向かう方向である。図中の第2方向D2と第3方向D3とは、互いに垂直な方向であり、いずれも、第1方向D1と垂直な方向である。以下、第1方向D1を、先端方向D1とも呼び、第1方向D1の反対方向を、後端方向D1rとも呼ぶ。また、図1における先端方向D1側をグロープラグ1の先端側と呼び、図1における後端方向D1r側をグロープラグ1の後端側と呼ぶ。
図1のように、グロープラグ1は、主体金具20と、中軸30と、セラミックヒータ40と、Oリング50と、絶縁部材60と、金属外筒70(以下、単に「外筒70」とも呼ぶ)と、端子部材80と、接続部材90と、を含む。
主体金具20は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔20Aを有する筒状の部材である。主体金具20は、後端方向D1r側の端部に形成された工具係合部28と、工具係合部28よりも先端方向D1側に設けられた雄ネジ部22と、を含む。工具係合部28は、グロープラグ1の脱着時に、図示しない工具と係合する部分である。雄ネジ部22は、図示しない内燃機関の取付孔に形成された雌ネジに螺合するためのネジ山を含んでいる。主体金具20は、導電性材料(例えば、炭素鋼等の金属)で形成されている。
主体金具20の貫通孔20Aには、中軸30が収容されている。中軸30は、丸棒状の部材である。中軸30は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。中軸30の後端方向D1r側の端部である後端部39は、主体金具20の後端方向D1r側の開口部20Bから後端方向D1rに向かって突出している。
開口部20Bの近傍において、中軸30の外面と、主体金具20の貫通孔20Aの内面と、の間には、Oリング50が設けられている。Oリング50は、弾性材料(例えば、ゴム)で形成されている。主体金具20の開口部20Bには、リング状の絶縁部材60が装着されている。絶縁部材60は、筒状部62と、筒状部62の後端方向D1r側に設けられたフランジ部68と、を含む。筒状部62は、中軸30の外面と、主体金具20の開口部20Bを形成する部分の内面と、の間に挟まれている。絶縁部材60は、例えば、樹脂によって形成されている。主体金具20は、これらOリング50及び絶縁部材60を介して、中軸30を支持している。
絶縁部材60の後端方向D1r側には、端子部材80が配置されている。端子部材80は、キャップ状の部材であり、導電性材料(例えば、ニッケル等の金属)で形成されている。端子部材80と主体金具20との間には、絶縁部材60のフランジ部68が挟まれている。端子部材80には、中軸30の後端部39が挿入されている。端子部材80が加締められることによって、端子部材80が後端部39に固定されている。このような構造により、端子部材80と中軸30とが電気的に接続されている。
主体金具20の先端方向D1側の開口部20Cには、外筒70が固定されている。外筒70は、例えば、圧入や溶接などによって開口部20Cに固定されている。外筒70は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔70Aを有する筒状の部材である。外筒70は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。
外筒70の貫通孔70Aには、通電によって発熱するセラミックヒータ40が挿入されている。セラミックヒータ40は、中心軸CLに沿って延びるように配置された棒状の部材である。外筒70は、セラミックヒータ40の先端部41が露出した状態で、セラミックヒータ40の中央部分の外周面を、保持している。セラミックヒータ40の後端部49は、主体金具20の貫通孔20Aに収容されている。
セラミックヒータ40の後端部49には、接続部材90が固定されている。接続部材90は、中心軸CLに沿って延びる貫通孔を有する円筒状の部材であり、導電性材料(例えば、ステンレス鋼)で形成されている。接続部材90の先端方向D1側には、セラミックヒータ40の後端部49が圧入されている。接続部材90の後端方向D1r側には、中軸30の先端方向D1側の端部である先端部31が圧入されている。このような構造により、中軸30と接続部材90とが電気的に接続されている。
A2.セラミックヒータ40の構成
次に、図2、図3などを参照し、セラミックヒータ40について説明する。図2、図3では、第1態様のセラミックヒータ40の詳細を説明する。図2は、図1で示すグロープラグ1のうちの、金属外筒70、接続部材90、セラミックヒータ40などの、より詳細な断面図を示すものである。図3は、セラミックヒータ40の断面図である。図3において図示された断面は、セラミックヒータ40を発熱抵抗体120に沿うように切断した断面であり、中心軸CLを含む断面である。
図3のように、セラミックヒータ40は、軸状の基体110と、基体110の内部に埋設された略U字状の発熱抵抗体120(以下、単に「抵抗体120」と呼ぶ)とを含む。セラミックヒータ40は、材料を焼成することによって、形成される。
基体110は、絶縁性セラミック材料で形成されている。本実施形態では、基体110を形成するセラミック材料は、窒化珪素(Si)から主に成る。他の実施形態としては、基体110を構成する窒化珪素(Si)のうち、珪素(Si)の少なくとも一部がアルミニウム(Al)で置換され、窒素(N)の少なくとも一部が酸素(O)で置換されてもよい。
基体110は、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる丸棒状の形態をなし、抵抗体120の大部分を被覆する構成をなす。基体110の先端部(すなわち、セラミックヒータ40の先端部41)は、先端側に向かって徐々に細くなっている。
抵抗体120は、導電性セラミック材料で形成されている。抵抗体120を形成する導電性セラミック材料は、通電発熱できる導電性物質であればよく、本実施形態では、炭化タングステン(WC)と窒化珪素との混合物が用いられる。他の実施形態としては、二珪化モリブデン(MoSi)と窒化珪素との混合物等が用いられてもよい。
図2のように、抵抗体120は、2本のリード部として構成される第1導電部121、第2導電部122と、第1導電部121及び第2導電部122に接続された発熱部123と、電極取出部124、125と、を含んでいる。第1導電部121、第2導電部122は、基体110の後端110A側から先端110B側に向かって延びる一対の導電部である。第1導電部121、第2導電部122の各々は、セラミックヒータ40の後端部49から先端部41の近傍まで軸線CLと平行に延びている。第1導電部121と第2導電部122は、中心軸CLを挟んでおおよそ対称な位置に配置されている。本構成では、第1導電部121から第2導電部122へ向かう方向が、第3方向D3である。
発熱部123は、導電性セラミックからなり、セラミックヒータ40の先端部41付近において基体110に埋設される部分である。発熱部123は、第1導電部121の先端方向D1側の端部と第2導電部122の先端方向D1側の端部とを接続する構成をなす。発熱部123は、第1導電部121から先端側に延びる第1抵抗部123Aと、第2導電部122から先端側に延びる第2抵抗部123Bと、第1抵抗部123A及び第2抵抗部123Bの先端側を連結する連結部123Cと、を備える。発熱部123の形状は、折り返し形状であり、具体的にはセラミックヒータ40の先端部41の湾曲した外面形状に合わせて湾曲する略U字状となっている。
発熱部123は、一対の導電部である第1導電部121及び第2導電部122と同一の導電性セラミック材料によって構成されている。発熱部123の断面積は、第1導電部121及び第2導電部122のそれぞれの断面積よりも小さい。具体的には、発熱部123のいずれの位置においても、断面積が、第1導電部121及び第2導電部122のそれぞれにおけるいずれの位置の断面積よりも小さくなっている。従って、発熱部123の単位長さ当たりの電気抵抗は、第1導電部121及び第2導電部122の単位長さ当たりの電気抵抗よりも大きい。ゆえに、抵抗体120の通電時には、発熱部123の温度が、第1導電部121及び第2導電部122の温度と比べて急速に上昇する。なお、抵抗体120における「断面積」とは、導通経路の方向(電流が流れる方向)に対して垂直な断面の面積である。
第1導電部121の後端方向D1r側の部分には、第1電極取出部124が接続されている。第1電極取出部124は、径方向に沿って延びる部材であり、内側の端部は第1導電部121に接続され、外側の端部は、セラミックヒータ40の外面に露出する。第1電極取出部124の露出部分は、外筒70の内周面に接触している。このような構造により、外筒70と第1導電部121とが電気的に接続された状態となる。
第2導電部122の後端方向D1r側の部分には、第2電極取出部125が接続されている。第2電極取出部125は、径方向に沿って延びる部材であり、第1電極取出部124よりも、後端方向D1r側に配置されている。第2電極取出部125の内側の端部は、第2導電部122に接続され、外側の端部は、セラミックヒータ40の外面に露出する。第2電極取出部125の露出部分は、接続部材90の内周面に接触している。このような構造により、接続部材90と第2導電部122とが電気的に接続された状態となる。
次に、セラミックヒータ40の後端付近の構造を詳述する。なお、本明細書では、軸線方向と直交する方向のうち、第1導電部121及び第2導電部122(一対の導電部)が並ぶ方向に沿う方向を横方向とし、この横方向と直交する方向を上下方向とする(図5、図6等参照)。
図3で示すセラミックヒータ40は、第1導電部121の後端側に先細り部131が形成され、第2導電部122の後端側に先細り部132が形成されている。つまり、第1導電部121及び第2導電部122(一対の導電部)のいずれにおいても、先細り部が形成され、後端付近が先細り形状をなしている。図4、図5のように、第1導電部121及び第2導電部122(一対の導電部)のそれぞれの後端は、軸線方向においてずれており、いずれの後端も基体110の内部に完全に埋設され基体110の外側に露出しない構成となっている。なお、図4は、抵抗体120を横方向にみた側面図であり、横方向にみたときの基体110の位置を二点鎖線にて仮想的に示している。図5は、抵抗体120を上下方向にみた構成を部分的に示す図であり、上下方向にみたときの基体110の位置を二点鎖線にて仮想的に示している。
図6(A)は、第1導電部121の先細り部131付近を横方向にみたときの図であり、図6(B)は、第2導電部122の先細り部132付近を横方向にみたときの図である。抵抗体120を横方向にみたとき、先細り部131,132のいずれも、上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす。なお、図6(A)の先細り部131と図6(B)の先細り部132は、同様の形状をなしており、配置位置のみが異なっている。
図6(A)のように、先細り部131は、第1導電部121の後端付近に形成されており、図6(A)のように第1導電部121を横方向にみたとき、後端P1付近が先鋭な形状をなし、後端P1の外形形状が頂点形状をなすように構成されている。この先細り部131は、図6(A)のように横方向にみたとき、後端P1よりも上下方向一方側に位置する第1外縁131Aの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第1傾斜角度)θ11が、後端P1よりも上下方向他方側に位置する第2外縁131Bの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第2傾斜角度)θ21よりも小さくなっている。θ11及びθ21は、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度である。即ち、0°<θ11<θ21<90°である。
また、先細り部131は、図5のように上下方向にみたときでも、横方向の幅が後端P1に向かうにつれて小さくなる。先細り部131は、図5のように上下方向にみたときでも、後端P1付近が先鋭な形状をなし、後端P1の外形形状が頂点形状をなすように構成されている。先細り部131を上下方向にみたとき、後端P1よりも横方向一方側に位置する第3外縁131Cの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ31、及び後端P1よりも横方向他方側に位置する第4外縁131Dの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ41は、いずれも、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度となっている。傾斜角度θ31と傾斜角度θ41は、同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、図5において、直線L1は、後端P1(頂点)を通り、軸線CLと平行な仮想線である。直線L2は、後端P2(頂点)を通り、軸線CLと平行な仮想線である。
先細り部132は、第2導電部122の後端付近に形成されており、図6(B)のように第2導電部122を横方向にみたとき、後端P2付近が先鋭な形状をなし、後端P2の外形形状が頂点形状をなすように構成されている。この先細り部132は、図6(B)のように横方向にみたとき、後端P2よりも上下方向一方側に位置する第1外縁132Aの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第1傾斜角度)θ12が、後端P2よりも上下方向他方側に位置する第2外縁132Bの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第2傾斜角度)θ22より小さくなっている。θ12及びθ22は、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度である。即ち、0°<θ12<θ22<90°である。この先細り部132は、図5のように上下方向にみたときでも、横方向の幅が後端P2に向かうにつれて小さくなる。先細り部132は、図5のように上下方向にみたときでも、後端P2付近が先鋭な形状をなし、後端P2の外形形状が頂点形状をなすように構成されている。先細り部132を上下方向にみたとき、後端P2よりも横方向一方側に位置する第3外縁132Cの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ32、及び後端P2よりも横方向他方側に位置する第4外縁132Dの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ42は、いずれも、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度となっている。傾斜角度θ32と傾斜角度θ42は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
A3.セラミックヒータの製造
次に、グロープラグ1及びセラミックヒータ40の製造方法について説明する。図7は、グロープラグ1の製造方法の流れを示すフローチャートである 。図8は、図7のフローチャートのサブルーチンであり、セラミックヒータ40の製造方法の流れを示すフローチャートである。
図7に示すように、ステップS1において、セラミックヒータ40を製造する。具体的には、図8に示すように、まず、ステップS11において、材料Aを作製する。なお、材料Aは、第1材料の一例に相当する抵抗体120の成形材料であって、焼成後に抵抗体120を構成する導電性セラミックとなる材料である。
具体的には、材料Aは、セラミックを主成分とする材料であり、例えば、以下のようにして作製される。まず、窒化珪素とタングステンカーバイトと焼結助剤と水とを混合することによって、スラリーを生成する。そして、スプレードライによって、生成したスラリーを粉末にする。次いで、この粉末とバインダ等をニーダー(混練機)を用いて混練し、その後、これをペレット化することで、材料Aを得ることができる。なお、添加するバインダは、特に限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレン等 のバインダの他、ワックス、可塑剤、及び、分散剤等を、1種又は2種以上混合して用いることができる。また、焼結助剤は、例えば、希土類元素の他、アルミナやモリブデンの酸化物(MoO)、タングステンの酸化物(WO)等を含んでもよい。
次に、図8に示すように、ステップS12において、混合材料190(材料B)を作製する。なお、混合材料190(材料B)は、第2材料の一例に相当する基体110の成形材料であって、焼成後に基体110を構成する絶縁性セラミックとなる材料である。
具体的には、混合材料190は、セラミックを主成分とする材料であり、例えば、以下のようにして作製される。まず、窒化珪素と焼結助剤と水とを混合することによって、スラリーを生成する。そして、スプレードライによって、生成したスラリーを粉末にする。次いで、この粉末とバインダ等とをニーダー(混練機)を用いて混練し、その後、これをペレット化することによって混合材料190を得ることができる。なお、添加するバインダ及び焼結助剤は、上述した材料Aと同様である。
なお、本実施形態のグロープラグ1及びセラミックヒータ40の製造方法においては、ステップS11において材料Aを作製した後、ステップS12において材料B(混合材料190)を作製しているが、作製する順序はこれに限定されるものではない。例えば、材料Bを作製した後、材料Aを作製するようにしても良い。あるいは、材料Aと材料Bを同時に作製するようにしても良い。
次に、図8に示すように、ステップS13において、抵抗体中間体120Z(図9参照)を作製する。ここで、抵抗体中間体120Zとは、焼成後に抵抗体120となるものであり、後述する脱脂(ステップS16)、本焼成(ステップS17)、及び研磨(ステップS18)を経て抵抗体120となる部材である。この抵抗体中間体120Zは、焼成後に第1導電部121及び第2導電部122となる導電部中間体121Z,122Z、及び、焼成後に発熱部123となる発熱部中間体123Zを含む。抵抗体中間体120Zは、例えば、材料Aを射出成形するなどして作製することができる。なお、射出成形に代えて、プレス成形、シート積層成形、または、鋳込み成形等の成形方法を用いるようにしても良い。
次に、射出成形により、抵抗体中間体120Zの周囲に、焼成後に基体110となる基体中間体110Zを成形することで第2ヒータ中間体40Z(図14)を形成する。図14で示す第2ヒータ中間体40Zは、セラミックヒータ40の焼成前の中間体であり、基体中間体110Zの内部に抵抗体中間体120Zが埋設されてなるものである。本実施形態では、以下に説明するように、第1射出成形工程と第2射出成形工程とを行うことで、第2ヒータ中間体40Zを形成する。
まず、図8に示すように、ステップS14において、第1射出成形工程を行う。なお、図9〜図11は、第1射出成形工程を説明する図である。図9は、抵抗体中間体120Zと下金型154と上金型152との分解斜視図である。図10は、下金型154と上金型152を組み合わせた第1金型150(金型A)の内部に、抵抗体中間体120Zを配置した状態で、混合材料190(材料B)を第1金型150の内部に射出している様子を示す断面図であり、第1金型150を軸線方向DXに沿って切断した断面図である。図11は、第1射出成形工程を終了した時点の様子を示す断面図であり、図9のF−Fの位置で第1金型150を軸線方向DXに直交する方向に切断した断面図である。
このステップS14(第1射出成形工程)では、抵抗体中間体120Zを第1金型150の内部に配置した状態で、ステップS12で作製した混合材料190(加熱により軟化させた混合材料190)を第1金型150の内部に射出する。そして、基体中間体110Zの一部である第1基体中間体112Zであって、抵抗体中間体120Zを軸線方向DXに直交する方向に切断した断面において抵抗体中間体120Zの外周の一部(具体的には半分)を覆う態様で軸線方向DXに延びる形態の第1基体中間体112Zを成形する。これにより、第1基体中間体112Zの内部に抵抗体中間体120Zの一部(具体的には半分)が埋設された、第2ヒータ中間体40Zの一部である第1ヒータ中間体40Xを形成する。
具体的には、まず、抵抗体中間体120Zを、下金型154に形成されているキャビティ154A(図9参照)内に配置する。次に、抵抗体中間体120Zの上半分を覆うように、下金型154の上部に上金型152を配置する(図10参照)。なお、抵抗体中間体120Zは、抵抗体120とほぼ相似形の外観形状を有する。すなわち、抵抗体中間体120Zは、第1導電部121に対応する導電部中間体121Zと、第2導電部122に対応する導電部中間体122Zと、発熱部123に対応する発熱部中間体123Zと、2つの電極取出部124,125に対応する2つの電極部中間体124Z,125Zとを備えている。導電部中間体121Zにおいて、先細り部中間体131Zは、先細り部131に対応する部分であり、導電部中間体122Zにおいて、先細り部中間体132Zは、先細り部132に対応する部分である。
2つの導電部中間体121Z,122Zは、後述する脱脂(ステップS16)、本焼成(ステップS17)、及び研磨(ステップS18)の工程を経て、一対の導電部(第1導電部121、第2導電部122)となる。同様に、発熱部中間体123Z及び2つの電極部中間体124Z,125Zは、それぞれ、後述する脱脂(ステップS16)、本焼成(ステップS17)、及び研磨(ステップS18)の工程を経て、発熱部123及び2つの電極取出部124,125になる。また、2つの先細り部中間体131Z,132Zは、それぞれ、後述する脱脂(ステップS16)、本焼成(ステップS17)、及び研磨(ステップS18)の工程を経て、2つの先細り部131,132になる。
先細り部中間体131Z,132Zは、横方向(ここでは、抵抗体中間体120Zの延びる方向(第1方向)と直交する方向であり、導電部中間体121Z,122Zが並ぶ方向)にみたときに上下方向(上記第1方向及び横方向と直交する方向)の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる形状をなす。先細り部中間体131Z,132Zはいずれも、横方向にみたとき、後端の外形形状が頂点形状をなし、後端よりも上下方向一方側に位置する第1外縁の外形形状の第1方向に対する第1傾斜角度が、後端よりも上下方向他方側に位置する第2外縁の外形形状の第1方向に対する第2傾斜角度よりも小さくなる。例えば、図10で示す先細り部中間体131Zは、第1外縁131Xの外形形状の第1方向に対する第1傾斜角度θ11が、第2外縁131Yの外形形状の第1方向に対する第2傾斜角度θ21よりも小さくなる(図6(A)も参照)。
下金型154に形成されているキャビティ154Aは、抵抗体中間体120Zの下半分が収容可能な形状に形成されている。下金型154には、図9に示すように、上述のキャビティ154Aに加えて、キャビティ154Aの内側に形成された第1平面部Sf10、キャビティ154Aに連なりキャビティ154Aの外側に位置する第2平面部Sf13および第3平面部Sf23が形成されている。
上金型152は、下金型154との合わせ面側が開口した中空の直方体状の外観形状を有する。上金型152には、略半円筒状のキャビティ152A(図10参照)が形成されている。上金型152のうち軸線方向DXの後端側XKに位置する後端部152Cには、外部から混合材料190を上金型152の内部に充填(射出)するための射出孔152Bが設けられている(図10参照)。
この上金型152は、下金型154の第2平面部Sf13及び第3平面部Sf23に接するようにして配置される(図10参照)。下金型154と上金型152とを組み合わせて第1金型150(金型A)を形成することにより、上金型152と下金型154との間には、上金型152のキャビティ152Aを構成する略円筒状の内周面と、下金型154の3つの平面部Sf10,Sf13,Sf23と、抵抗体中間体120Zの上方半分の外周表面とで囲まれたキャビティ152Aが形成される。
上述のように抵抗体中間体120Z、下金型154、および上金型152を配置した後、図10に示すように、ステップS12で作製した混合材料190(加熱により軟化させた混合材料190)を、第1金型150の内部(キャビティ152A内)に射出する。具体的には、上金型152の後端部152Cに形成されている射出孔152Bを通じて、軸線方向DXの後端側XKから先端側XSに向かう方向に、混合材料190を射出する。なお、本実施形態の第1射出成形工程では、100〜250℃の範囲内の温度(例えば、150℃)にした混合材料190を射出するようにしている。この第1射出成形工程では、図10のように、抵抗体中間体120Zを保持するキャビティ154A(凹部)が形成された第1金型150のキャビティ154A内(凹部内)に先細り部中間体131Zの第2外縁131Y側及び先細り部中間体132Zの第2外縁132Y(図13参照)側を配置し、第1金型150の内壁部と先細り部中間体131Z,132Zの各第1外縁131X,132X側(図13も参照)との間に第2材料の収容空間を構成した状態で、第2材料を射出する。
このような第1射出成形工程によって、混合材料190を第1金型150の内部(キャビティ152A内)に充填することで、第1基体中間体112Zの内部に抵抗体中間体120Zの一部(具体的には半分)が埋設された構成を有する第1ヒータ中間体40Xを形成することができる。本実施形態では、第1ヒータ中間体40Xは、軸線方向DXの全体にわたって、抵抗体中間体120Zの上半分が第1基体中間体112Zの内部に埋設された形態となる(図11参照)。
次に、図12〜図14に示すように、ステップS15において、第2射出成形工程を行う。なお、図12〜図14は、第2射出成形工程を説明する図である。図12は、ステップS14(第1射出成形工程)で作製した第1ヒータ中間体40Xと、下金型164と、上金型162との分解斜視図である。図13は、下金型164と上金型162とを組み合わせた第2金型160(金型B)の内部に、第1ヒータ中間体40Xを配置した状態で、混合材料190(材料B)を第2金型160の内部に射出している様子を示す断面図であり、第2金型160を軸線方向DXに沿って切断した断面図である。図14は、第2射出成形工程を終了した時点の様子を示す断面図であり、図12のG−Gの位置で第2金型160を軸線方向DXに直交する方向に切断した断面図である。
このステップS15(第2射出成形工程)では、ステップS14(第1射出成形工程)で作製した第1ヒータ中間体40Xを第2金型160の内部に配置した状態で、材料B(加熱により軟化させた混合材料190)を第2金型160の内部に射出する。そして、基体中間体110Zのうち第1基体中間体112Zを除いた部位である第2基体中間体114Zを成形する。これにより、第1基体中間体112Zと第2基体中間体114Zとによって基体中間体110Zを形成しつつ、基体中間体110Zの内部に抵抗体中間体120Zが埋設された構成を有する第2ヒータ中間体40Z(図14参照)を形成する。
具体的には、まず、ステップS14(第1射出成形工程)で作製した第1ヒータ中間体40Xを上下反転させ、下金型164に形成されているキャビティ164A内に配置する(図8参照)。キャビティ164Aは、略円筒状の内周面を有する。キャビティ164Aの内周面の一部は、第1ヒータ中間体40X(第1基体中間体112Z)の外周面と略同一の形状を有する。したがって、キャビティ164Aに収容された第1ヒータ中間体40Xの下方の外周面(円筒状の部分)は、キャビティ164Aの内周面と接触する。次に、第1ヒータ中間体40Xの上方(上半分)を覆うように上金型162を配置する。
上金型162は、下金型164との合わせ面側が開口した中空の直方体状の外観形状を 有する。上金型162には、略半円筒状の内周面を有するキャビティ162Aが形成されている(図9参照)。上金型162のうち軸線方向DXの後端側XKに位置する後端部162Cには、外部から混合材料190(材料B)を上金型162の内部に充填(射出)するための射出孔162Bが設けられている(図13参照)。
本実施形態では、下金型164のキャビティ164Aに第1ヒータ中間体40Xの下半分を収容した状態で、下金型164のうちキャビティ164Aに連なる上端面(平面部)と上金型162のうちキャビティ162Aに連なる下端面(平面部)とが互いに接するように、下金型164と上金型162とを組み合わせて、第2金型160(金型B)を形成する。これにより、下金型164と上金型162とが組み合わされた第2金型160(金型B)が形成される。
上述のように第1ヒータ中間体40X、下金型164、および上金型162を配置した後、図9に示すように、ステップS12で作製した混合材料190(加熱により軟化させた混合材料190)を、第2金型160の内部(略密閉空間内)に射出する。具体的には、上金型162の後端部162Cに形成されている射出孔162Bを通じて、軸線方向DXの後端側XKから先端側XSに向かう方向に、混合材料190を射出する。なお、本実施形態の第2射出成形工程でも、第1射出成形工程と同様に、100〜250℃の範囲内の温度(例えば、150℃)にした混合材料190を射出するようにしている。このような第2射出成形工程によって、混合材料190を第2金型160の内部(略密閉空間MS2内)に充填することで、第2基体中間体114Zを成形すると共に、第1基体中間体112Zと第2基体中間体114Zとが接着した基体中間体110Zが形成されて、基体中間体110Zの内部に抵抗体中間体120Zが埋設された構成を有する第2ヒータ中間体40Zを形成することができる(図14参照)。
次に、図8に示すように、ステップS16に進み、上述のように作製された第2ヒータ中間体40Zの脱脂(仮焼成)を行う。第2ヒータ中間体40Zには、バインダが含まれているので、加熱(仮焼成)することにより、このバインダが取り除かれる。脱脂(仮焼成)の方法としては、例えば、第2ヒータ中間体40Zを、窒素雰囲気中にて2時間、600℃で加熱する方法が挙げられる。
その後、ステップS17に進み、本焼成を行う。この本焼成では、先の仮焼成よりも高温で加熱が行なわれる。具体的には、例えば、窒素雰囲気中にて高1800℃程度の温度に至るまで加熱する。これにより、第2ヒータ中間体40Zが焼成されたヒータ焼成体(図示なし)が形成される。次いで、ステップS18に進み、ヒータ焼成体(図示なし)に対し、研磨加工を行って、ヒータ焼成体の形状を整える。これにより、図3で示すセラミックヒータ40が完成する。
次いで、図7に示すように、ステップS2において、グロープラグ1の各構成部品(主体金具2、中軸3、絶縁部材5、ピン端子8、外筒7、セラミックヒータ40、電極リング18など)を組み付ける。これにより、グロープラグ1(図1参照)が完成する。
A4.変形例
(第2態様)
次に、図15〜図18を参照し、第1態様のセラミックヒータ40の一部を変形した第2態様のセラミックヒータ240について説明する。なお、図1等で示す第1態様のグロープラグ1は、セラミックヒータ40に代えて第2態様のセラミックヒータ240を用いることができる。セラミックヒータ40に代えて第2態様のセラミックヒータ240を用いたグロープラグが第2態様のグロープラグである。
第2態様のセラミックヒータ240及び第2態様のグロープラグは、抵抗体の後端付近の構成のみが第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1のそれぞれと異なり、抵抗体の後端付近以外は、第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1のそれぞれと同一の構成をなす。なお、図15〜図18では、第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1と同様の部分については、これらの各部分と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図15で示す第2態様のセラミックヒータ240も第1態様のセラミックヒータ40と類似する特徴を有する。なお、この例でも、軸線方向と直交する方向のうち、第1導電部221及び第2導電部222(一対の導電部)が並ぶ方向を横方向とし、この横方向と直交する方向を上下方向とする(図17、図18等参照)。図15〜図18で示す第1導電部221及び第2導電部222は、後端付近以外は第1態様の第1導電部121及び第2導電部122(図3〜図6参照)のそれぞれと同一の構成をなす。
図15で示すセラミックヒータ240は、第1導電部221の後端側に先細り部231が形成され、第2導電部222の後端側に先細り部232が形成され、第1導電部221及び第2導電部222(一対の導電部)のいずれにおいても、後端付近が先細り形状をなしている。図15、図16のように、第1導電部221及び第2導電部222(一対の導電部)のそれぞれの後端は、軸線方向においてずれており、いずれの後端も基体110の内部に完全に埋設され基体110の外側に露出しない構成となっている。なお、図16は、抵抗体220を横方向にみた側面図であり、横方向にみたときの基体110の位置を二点鎖線にて仮想的に示している。図17は、抵抗体220を上下方向にみた構成を部分的に示す図であり、上下方向にみたときの基体110の位置を二点鎖線にて仮想的に示している。
図18(A)は、第1導電部221の先細り部231付近を横方向にみたときの図であり、図18(B)は、第2導電部222の先細り部232付近を横方向にみたときの図である。抵抗体220を横方向にみたとき、先細り部231,232のいずれも、上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす。なお、図18(A)の先細り部132と図18(B)の先細り部232は、同様の形状をなしており、配置位置のみが異なっている。
図18(A)のように、先細り部231は、第1導電部221の後端付近に形成されており、先細り部231の後端231Eは、端面が軸線方向と直交する平面方向に沿った平坦面となっている。図18(A)のように先細り部231を横方向にみたとき、後端231Eが線形状をなすように構成され、後端231Eよりも上下方向一方側に位置する第1外縁231Aの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第1傾斜角度)θ13が、後端231Eよりも上下方向他方側に位置する第2外縁231Bの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第2傾斜角度)θ23よりも小さくなっている。θ13及びθ23は、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度である。即ち、0°<θ13<θ23<90°である。
先細り部231は、図17のように上下方向にみたときでも、横方向の幅が後端231Eに向かうにつれて小さくなり、後端231Eの外形形状が直線形状をなすように構成され、後端231Eよりも横方向一方側に位置する第3外縁231Cの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ33、及び後端231Eよりも横方向他方側に位置する第4外縁231Dの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ43は、いずれも、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度となっている。傾斜角度θ33と傾斜角度θ43は、同一であってもよく、異なっていてもよい。なお、図17において、直線L1は、後端231Eを通り、軸線CLと平行な仮想線である。直線L2は、後端232Eを通り、軸線CLと平行な仮想線である。
図18(B)のように、先細り部232は、第2導電部222の後端付近に形成されており、先細り部232の後端232Eは、端面が軸線方向と直交する平面方向に沿った平坦面となっている。図18(B)のように先細り部232を横方向にみたとき、後端232Eの外形形状が線形状をなすように構成され、後端232Eよりも上下方向一方側に位置する第1外縁232Aの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第1傾斜角度)θ14が、後端232Eよりも上下方向他方側に位置する第2外縁232Bの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第2傾斜角度)θ24より小さくなっている。θ14及びθ24は、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度である。即ち、0°<θ14<θ24<90°である。この先細り部232は、図17のように上下方向にみたとき、横方向の幅が後端232Eに向かうにつれて小さくなり、後端232Eの外形形状が直線形状をなし、後端232Eよりも横方向一方側に位置する第3外縁232Cの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ34、及び後端232Eよりも横方向他方側に位置する第4外縁232Dの外形形状の軸線方向に対する傾斜角度θ44は、いずれも、0°よりも大きく、90°よりも小さい角度となっている。傾斜角度θ34と傾斜角度θ44は、同一であってもよく、異なっていてもよい。
(第3態様)
次に、図19、図20を参照し、第1態様のセラミックヒータ40の一部を変形した第3態様のセラミックヒータ340について説明する。なお、図1等で示す第1態様のグロープラグ1は、セラミックヒータ40に代えて第3態様のセラミックヒータ340を用いることができる。セラミックヒータ40に代えて第3態様のセラミックヒータ340を用いたグロープラグが第3態様のグロープラグである。
第3態様のセラミックヒータ340及び第3態様のグロープラグは、抵抗体の後端付近の構成のみが第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1のそれぞれと異なり、抵抗体の後端付近以外は、第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1のそれぞれと同一の構成をなす。なお、図19、図20では、第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1と同様の部分については、これらの各部分と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図19で示す第3態様のセラミックヒータ340も第1態様のセラミックヒータ40と類似する特徴を有する。なお、この例でも、軸線方向と直交する方向のうち、第1導電部321及び第2導電部322(一対の導電部)が並ぶ方向を横方向とし、この横方向と直交する方向を上下方向とする。図19、図20で示す第1導電部321及び第2導電部322は、後端付近以外は第1導電部121及び第2導電部122(図3〜図6参照)のそれぞれと同一の構成をなす。
図19で示すセラミックヒータ340は、第1導電部321の後端側に先細り部131が形成され、第2導電部322の後端側に先細り部132が形成されている。先細り部131の形状は、図3〜図6で示す先細り部131と同一であり、先細り部132の形状は、図3〜図6で示す先細り部132と同一である。図19、図20の例では、先細り部131の後端と先細り部132の後端が軸線方向において同じ位置に揃っている。なお、図20は、抵抗体320を上下方向にみた構成を部分的に示す図であり、上下方向にみたときの基体110の位置を二点鎖線にて仮想的に示している。
(第4態様)
次に、図21、図22を参照し、第1態様のセラミックヒータ40の一部を変形した第4態様のセラミックヒータ440について説明する。なお、図1等で示す第1態様のグロープラグ1は、セラミックヒータ40に代えて第4態様のセラミックヒータ440を用いることができる。セラミックヒータ40に代えて第4態様のセラミックヒータ440を用いたグロープラグが第4態様のグロープラグである。
第4態様のセラミックヒータ440及び第4態様のグロープラグは、抵抗体の後端付近の構成のみが第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1のそれぞれと異なり、抵抗体の後端付近以外は、第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1のそれぞれと同一の構成をなす。なお、図21、図22では、第1態様のセラミックヒータ40及びグロープラグ1と同様の部分については、これらの各部分と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図21で示す第4態様のセラミックヒータ440も第1態様のセラミックヒータ40と類似する特徴を有する。なお、この例でも、軸線方向と直交する方向のうち、第1導電部421及び第2導電部422(一対の導電部)が並ぶ方向を横方向とし、この横方向と直交する方向を上下方向とする。図21、図22で示す第1導電部421及び第2導電部422は、後端付近以外は第1態様の第1導電部121及び第2導電部122(図3〜図6参照)のそれぞれと同一の構成をなす。
図21で示すセラミックヒータ440は、第1導電部421の後端側に先細り部231が形成され、第2導電部422の後端側に先細り部232が形成されている。先細り部231の形状は、図15〜図18で示す第2態様の先細り部231と同一であり、先細り部232の形状は、図15〜図18で示す第2態様の先細り部232と同一である。図21、図22の例では、先細り部231の後端と先細り部432の後端とが軸線方向において同じ位置に揃っている。なお、図22は、抵抗体420を上下方向にみた構成を部分的に示す図であり、上下方向にみたときの基体110の位置を二点鎖線にて仮想的に示している。
A5.効果
いずれの態様のセラミックヒータも、一対の導電部の少なくともいずれか一方の導電部の後端側に先細り部が形成されている。この先細り部は、横方向にみたときに上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす。導電部の後端側がこのような先細り形状となっていれば、セラミックヒータを製造する際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場合(例えば、金型内に抵抗体を設置した状態で抵抗体の後端側から基体材料が射出され、基体材料から射出による圧力を受けるような場合など)において抵抗体に対する軸線方向の力が緩和されやすくなり、抵抗体が基体内の正規位置からずれにくくなる。
しかも、先細り部は、横方向にみたとき、後端よりも上下方向一方側に位置する第1外縁の外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第1傾斜角度)が、後端よりも上下方向他方側に位置する第2外縁の外形形状の軸線方向に対する傾斜角度(第2傾斜角度)よりも小さい。このように第1外縁の外形形状の傾斜角度を小さくすれば、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力が加わりやすい位置に傾斜角度が小さい外縁側を配置するような設定、即ち、押圧力を逃がしやすい設定が可能となる。よって、このような押圧力の影響をより抑えやすくなり、押圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより防ぎやすくなる。
他方、第2外縁の外形形状の傾斜角度を大きくすれば、セラミックヒータを製造する際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、例えば、金型内に抵抗体をより高精度に配置することができ、抵抗体が基体内の正規位置からずれにくくなる。
また、いずれの態様でも、先細り部は、上下方向にみたときに、横方向の幅が後端に向かうにつれて小さくなっている。このように、先細り部の形状が、横方向にみたときに上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる形状に加え、上下方向にみたときに横方向の幅が後端に向かうにつれて小さくなる形状となっていれば、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力の影響をより一層抑制しやすくなり、押圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより一層防ぎやすくなる。
また、いずれの態様のセラミックヒータも、一対の導電部のいずれにおいても先細り部が形成されている。このように両導電部の後端側に先細り部がそれぞれ形成されていれば、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力の影響が更に抑制されやすくなる。
第1態様、第2態様のセラミックヒータは、一対の導電部のそれぞれの後端が、軸線方向においてずれている。このように一対の導電部の両後端が軸線方向においてずれていれば、先細り部によって押圧力を緩和する上述の効果に加え、後方側からの押圧力が一対の導電部の両後端に同時に作用しにくくなる。例えば、金型内に抵抗体を設置した状態で抵抗体の後端側から基体材料が射出され、流動性を有する基体材料から圧力を受けるような場合に、両後端に作用するタイミングに時間差が生じやすくなり、抵抗体に対して同時期に強い力が加わることが緩和されやすくなる。
また、いずれの態様のセラミックヒータも、一対の導電部は、いずれの後端も基体の内部に埋設されている。このように、いずれの導電部の後端も基体の内部に埋設されている(つまり、導電部の後端が基体の外側に露出しない)構成とすれば、導電部の保護効果が高まり、導電部が基体の外部に露出することに起因する不具合を防ぐことができる。
本発明の一つの解決手段であるグロープラグは、セラミックヒータとセラミックヒータを保持する金具とを備えるグロープラグであって、セラミックヒータが上記いずれかのセラミックヒータを含む。
このグロープラグにおいても、上述したセラミックヒータを含むので、セラミックヒータの製造の際に抵抗体の後端側から押圧力が加わるような場面で、押圧力が加わりやすい位置に傾斜角度が小さい外縁側を配置するような設定、即ち、押圧力を逃がしやすい設定が可能となる。よって、このような押圧力の影響をより抑えやすくなり、押圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより防ぎやすくなる。
また、上述した製造方法では、一対の導電部となるべき一対の導電部中間体121Z,122Zの後端側に、横方向にみたときに上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす先細り部中間体131Z,132Zを形成する。このように中間体の後端側が先細り形状となっていれば、第1射出成形工程において第2材料を射出する際に、抵抗体となるべき抵抗体中間体120Zが、射出された第2材料から第1方向の力(先端側に向かう方向の力)を受けにくくなり、第1射出成形工程において正規位置からずれにくくなる。しかも、第1射出成形工程で射出する際には、第1金型150の凹部内に先細り部中間体131Z,132Zの第2外縁側(導電部中間体121Z,122Zを横方向からみたときに第1方向(抵抗体中間体120Zが延びる方向)に対する外縁の外形形状の傾きが大きい側)を配置し、第1金型150の内壁部と先細り部中間体131Z,132Zの第1外縁側(導電部中間体121Z,122Zを横方向からみたときに第1方向に対する外縁の外形形状の傾きが小さい側)との間に第2材料の収容空間を構成した状態で、抵抗体中間体120Zの後端側から先端側に向かうように第2材料を射出する。このようにすれば、第1射出成形工程で第2材料を射出する際に、先細り部中間体131Z,132Zの後端側で第2材料から第1方向(抵抗体中間体120Zが延びる方向)の強い圧力を受けにくくなり、凹部に密着する方向の力が生じやすくなる。よって、射出時に第2材料の圧力によって抵抗体が位置ずれすることに起因する不具合をより防ぎやすくなる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態の各態様に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
第1実施形態の各態様の説明では、発熱部123と、リード部として機能する一対の導電部(第1導電部及び第2導電部)とを同一の1種類の材料によって一体的に構成した発熱抵抗体を例示した。しかし、この例に限定されず、発熱部123と一対の導電部(第1導電部及び第2導電部)とを、電気抵抗率の異なる別々の導電性セラミック材料によってそれぞれ構成してもよい。
第1実施形態のいずれの態様でも、或いはこれらの態様を変更したいずれの構成においても、一対の導電部のうちの一方の導電部の後端側のみに先細り部が形成されていてもよい。
第1実施形態のいずれの態様でも、或いはこれらの態様を変更したいずれの構成においても、いずれの先細り部においても、横方向にみたときに後端の外形形状が先鋭な頂点形状をなし、上下方向に見たときに後端の外形形状が軸線方向と交差する方向に沿った線形状をなすように構成されていてもよい。つまり、後端の外縁(後端縁)が横方向に若干長い構成であってもよい。或いは、いずれの先細り部においても、上下方向にみたときに後端の外形形状が先鋭な頂点形状をなし、横方向に見たときに後端の外形形状が軸線方向と交差する方向に沿った線形状をなすように構成されていてもよい。つまり、後端の外縁(後端縁)が上下方向に若干長い構成であってもよい。
第1実施形態では、いずれの先細り部においても、横方向からみたときの上下方向一方側の第1外縁及び上下方向他方側の第2外縁の外形形状が直線状に構成されていたが、いずれか一方又は両方の外形形状が曲線状であってもよく、直線と曲線とが混在した形状であってもよい。また、いずれの先細り部も、横方向にみたときの上下方向一方側の外縁の後端と上下方向他方側の後端とが軸線方向にずれていてもよい。
第1態様のセラミックヒータを製造する製造方法では、図9等で示すような抵抗体中間体120Zを形成したが、第2〜第4態様のセラミックヒータを製造する場合、抵抗体中間体120Zに代えて、各態様の形状をなす抵抗体中間体を形成すればよい。いずれの場合でも、横方向にみたとき、後端の外形形状が頂点形状又は第1方向(抵抗体中間体の延びる方向)と交差する方向に沿った線形状をなし、後端よりも上下方向一方側に位置する第1外縁の外形形状の第1方向に対する第1傾斜角度が、後端よりも上下方向他方側に位置する第2外縁の外形形状の第1方向に対する第2傾斜角度よりも小さくなるように先細り部中間体を形成すればよい。そして、第1射出成形工程は、いずれの場合でも、抵抗体中間体を保持する凹部が形成された第1金型の凹部内に先細り部中間体の第2外縁側を配置し、第1金型の内壁部と先細り部中間体の第1外縁側との間に第2材料の収容空間を構成した状態で、第2材料を射出するようにすればよい。この点以外は、第1態様のセラミックヒータを製造する製造方法と同様に行うことができる。
1…グロープラグ
20…主体金具(金具)
40,240,340,440…セラミックヒータ
40X…第1ヒータ中間体
40Z…第2ヒータ中間体
70…金属外筒(金具)
110…基体
112Z…第1基体中間体
114Z…第2基体中間体
120…発熱抵抗体(抵抗体)
120Z…抵抗体中間体
121,221,321,421…第1導電部(導電部)
121Z,122Z…導電部中間体
122,222,322,422…第2導電部(導電部)
123…発熱部
131,132,231,232…先細り部
131Z,132Z…先細り部中間体
150…第1金型
154A…キャビティ(凹部)
160…第2金型
CL…軸線

Claims (8)

  1. 絶縁性セラミックからなり、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる基体と、
    導電性セラミックからなり、前記基体に埋設される抵抗体であり、前記基体の後端側に配置されて前記軸線方向に沿って延びる一対の導電部と、前記一対の導電部の先端側に接続するとともに、前記導電部からの通電によって発熱する発熱部と、を有する抵抗体と、を備えるセラミックヒータであって、
    前記軸線方向と直交する方向のうち、前記一対の導電部が並ぶ方向に沿う方向を横方向とし、前記横方向と直交する方向を上下方向としたとき、
    前記一対の導電部を前記横方向からみたときに、
    前記一対の導電部の少なくともいずれか一方の導電部の後端側には、前記上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす先細り部が形成され、
    前記先細り部は、前記後端の前記外形形状が頂点形状又は前記軸線方向と交差する方向に沿った線形状をなすように構成され、前記後端よりも前記上下方向一方側に位置する第1外縁の前記外形形状の前記軸線方向に対する第1傾斜角度が、前記後端よりも前記上下方向他方側に位置する第2外縁の前記外形形状の前記軸線方向に対する第2傾斜角度よりも小さい
    セラミックヒータ。
  2. 前記一対の導電部を前記上下方向からみたときに、前記先細り部は、前記横方向の幅が前記後端に向かうにつれて小さくなる前記外形形状を成す
    請求項1に記載のセラミックヒータ。
  3. 前記一対の導電部のいずれにおいても、前記先細り部が形成されている
    請求項1又は2に記載のセラミックヒータ。
  4. 前記一対の導電部は、それぞれの後端が前記軸線方向においてずれている
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のセラミックヒータ。
  5. 前記一対の導電部は、いずれの後端も前記基体の内部に埋設されている
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のセラミックヒータ。
  6. セラミックヒータと、前記セラミックヒータを保持する金具と、を備えるグロープラグであって、
    前記セラミックヒータは、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のセラミックヒータを含むグロープラグ。
  7. 絶縁性セラミックからなり、後端側から先端側へ軸線方向に沿って延びる基体と、
    導電性セラミックからなり、前記基体に埋設される抵抗体であり、前記基体の後端側に配置されて前記軸線方向に沿って延びる一対の導電部と、前記一対の導電部の先端側に接続するとともに、前記導電部からの通電によって発熱する発熱部と、を有する抵抗体と、を備えるセラミックヒータの製造方法であって、
    焼成後に前記導電性セラミックとなる第1材料を用いて、焼成後に前記抵抗体となる抵抗体中間体を第1方向に延びた形態で作製する作製工程と、
    前記抵抗体中間体を第1金型の内部に配置した状態で、焼成後に前記絶縁性セラミックとなる第2材料を前記第1金型において前記抵抗体中間体の前記第1方向後端側から先端側に向かう方向へ射出して焼成後に前記基体の一部となる第1基体中間体を成形し、前記第1基体中間体の内部に前記抵抗体中間体の一部が埋め込まれた中間体である第1ヒータ中間体を形成する第1射出成形工程と、
    前記第1ヒータ中間体を第2金型の内部に配置した状態で、前記第2材料を前記第2金型内において前記抵抗体中間体の前記第1方向後端側から先端側に向かう方向へ射出して焼成後に前記基体の一部となる第2基体中間体を成形し、前記第1基体中間体及び前記第2基体中間体の内部に前記抵抗体中間体が埋め込まれた中間体である第2ヒータ中間体を形成する第2射出成形工程と、
    前記第2ヒータ中間体を焼成する焼成工程と、
    を含み、
    前記作製工程は、
    作成される前記抵抗体中間体において、前記第1方向と直交する方向のうち、前記一対の導電部の中間体である一対の導電部中間体が並ぶ方向に沿う方向を横方向とし、前記横方向と直交する方向を上下方向としたとき、
    前記一対の導電部中間体を前記横方向からみたときに、
    前記一対の導電部中間体の少なくともいずれか一方の中間体の後端側に、前記上下方向の厚さが後端に向かうにつれて小さくなる外形形状をなす先細り部中間体を形成すると共に、
    前記後端の前記外形形状が頂点形状又は前記第1方向と交差する方向に沿った線形状をなし、前記後端よりも前記上下方向一方側に位置する第1外縁の前記外形形状の前記第1方向に対する第1傾斜角度が、前記後端よりも前記上下方向他方側に位置する第2外縁の前記外形形状の前記第1方向に対する第2傾斜角度よりも小さくなるように前記先細り部中間体を形成し、
    前記第1射出成形工程は、
    前記抵抗体中間体を保持する凹部が形成された前記第1金型の前記凹部内に前記先細り部中間体の前記第2外縁側を配置し、前記第1金型の内壁部と前記先細り部中間体の前記第1外縁側との間に前記第2材料の収容空間を構成した状態で、前記第2材料を射出する
    セラミックヒータの製造方法。
  8. 請求項7に記載の製造方法によってセラミックヒータを製造するセラミックヒータ製造工程と、
    前記セラミックヒータ製造工程で製造された前記セラミックヒータに対し、当該セラミックヒータを保持する金具を組み付ける工程と、
    を含むグロープラグの製造方法。
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