JP6975359B1 - 触媒担持用基材及び触媒担体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、巻き芯部に延出する、孔が形成された梁状平坦部を有する触媒担持用基材であって、簡素な方法で梁状平坦部の疲労破壊を抑制する触媒担持用基材及びこれに触媒を担持した触媒担体を提供することを目的とする。【解決手段】 金属箔からなる平箔及び波箔を巻き回すことにより形成されたハニカム体と、前記ハニカム体の外周面を囲む位置に配置される外筒と、を有する触媒担持用基材であって、前記平箔と波箔には複数の孔が形成されており、前記ハニカム体の巻き芯部には、前記平箔又は前記波箔の端部である梁状平坦部が延出しており、前記複数の孔のうち一部は、前記梁状平坦部に形成されており、前記巻き芯部の内径は3mm以下であることを特徴とする触媒担持用基材。【選択図】 図1

Description

本発明は、触媒担持用基材及びこれに触媒を担持した触媒担体に関する。
車両から排気される排ガスの浄化用触媒担体として、耐熱合金によって構成された外筒の中にハニカム体を嵌入してなる触媒担体が広く知られている。ハニカム体には、主として積層タイプのハニカム体と捲回タイプのハニカム体とがある。積層タイプのハニカム体は、金属箔からなる平箔と、金属箔をコルゲート加工した波箔とを交互に積層することにより構成されている。捲回タイプのハニカム体は、平箔及び波箔を重ねた状態で渦巻状に巻き回すことにより構成されている。
捲回タイプの触媒担体には、製造工程の特性上、中心部に筒状の空洞(以下、巻き芯部ともいう)が形成される(例えば、特許文献1参照)。巻き芯部は、平箔及び波箔から構成される個々の流路(以下、浄化流路ともいう)と比較して開口面積が大きいため、未浄化の排ガスが巻き芯部から抜けやすい。巻き芯部から抜ける未浄化の排ガスが増加すると、浄化流路を通過する排ガスが減少するため、触媒担体の排ガス浄化性能を十分に発現させることができない。
そこで、巻き芯部からのガス抜けを防止する技術が提案されている。特許文献2には、巻き芯部の直径が3〜5mm(実施例は5mm)のメタル触媒担体において、巻き芯部に挿入物(金属製プラグ)を配置することによって、巻き芯部からのガスの抜けを抑制する技術が開示されている。
特許文献3には、中間にスリットを形成して2つの割片を有する巻軸に、金属製平箔の先端部分を通して挟み、この巻軸を1/4回転以上回転して平箔を巻回した後、波箔を平箔と巻軸との間に、或いは平箔と巻軸周りに巻回した平箔の間に挟み込みながら巻き込む初期巻き込みを行い、さらに引き続いて平箔と波箔を積層しながら渦巻状に巻回し、円筒状のハニカム体を形成してから前記巻軸を除去することを特徴とするメタル担体におけるハニカム体の製造方法が開示されている。また、特許文献3の図2には、平箔の端部(以下、「梁状平坦部」ともいう)を巻き芯部に延出させた工程図が開示されている。
特許文献4には、波状の金属箔と平板状の金属箔の始端部同士を重ねて多重に巻回したハニカム体を備える金属触媒担体において、ハニカム体の巻芯部に、波箔及び平箔の両金属箔の始端部間を拡開してなる規制部を配置することにより、巻芯部における排気の流通を規制する技術が開示されている。特許文献4の図4には、巻芯部に延出した屈曲形状の金属箔が開示されている。
一方で、触媒として使用される貴金属価格の高騰に伴い、貴金属の使用量を削減した触媒担体が提案されている。例えば特許文献5、特許文献6には、ハニカム体を構成する箔に、厚み方向に貫通する孔を開けることで、貴金属の使用量を削減したハニカム体が開示されている。箔に孔が形成された触媒担体は、熱容量が小さくなるため、ハニカム体の昇温速度を上昇させて、触媒を早期に活性化することができる。特許文献6の図1に開示されている触媒担体は、特許文献3に開示されている製造方法で製造できる。
特開昭62−250950号公報 特開2006−281118号公報 特開平8−173820号公報 特開2010−201413号公報 特表2005−535454号公報 WO2019/031080A1
特許文献2に開示されたメタル担体では、巻き芯部におけるガス抜けを防止するためにプラグを配設する工程が必要となるため、製造工程が煩雑になり、製造コストの増大を招く。特許文献4に開示されたメタル担体についても、排気規制部を形成するための楔状治具が必要になるため、製造工程が煩雑になる。
特許文献3では、平箔の梁状平坦部を巻き芯部に延出させることにより、梁状平坦部を延出させない構成と比較して、巻き芯部の水力直径を6割程度まで減少させることができる。この構成によれば、巻き芯部における排ガスの抜けが抑制され、製造工程を簡素化することができる。ここで、特許文献3には、巻き芯部の開口径が記載されていないが、一般的には3〜5mm程度であることから(例えば、特許文献2参照)、同程度の開口径であると思われる。
特許文献3に開示されている製造方法を採用して、箔に孔が形成されたハニカム体(例えば特許文献5、6)を連続的に製造する場合、予め孔開け加工されてコイル状に巻かれた平箔を使用し、一つのハニカム体が完成した後に、該平箔を切断してから、次のハニカム体を製造することが好ましい。すなわち、梁状平坦部に対応する平箔の部分にも、必然的に孔が形成されることになる。
本発明者等は、この梁状平坦部に孔が形成されたハニカム体(巻き芯部の開口径が3〜5mm程度)を、排ガス浄化用の触媒コンバータとして使用したときに、梁状平坦部に開けられた孔を起点として亀裂が発生し、巻き芯部に延出した平箔の梁状平坦部が早期に疲労破壊する課題を発見した。梁状平坦部が疲労破壊すると、当然のことながら、巻き芯部の開口の水力直径が拡径するため、浄化性能が低下する。
(本発明の開発経緯)
上述した本発明の開発経緯について、より詳細に説明する。
まず、本発明者らは、巻き芯部に延出した梁状平坦部を有し、該巻き芯部の内径が3mm〜5mmである、従来の触媒担持用基材(上述の特許文献3に相当)について、その構造耐久性を評価すべく、エンジンベンチによる加熱冷却サイクル試験を実施した。加熱冷却サイクルのパターンとして、触媒担持用基材に流入させるガスの入側温度を「900℃と100℃以下の温度との間」で温度変化させる温度パターンを選択した。その結果、梁状平坦部の疲労破壊が抑制され、十分な構造耐久性が得られた(後述の「実施例」欄における参考例参照)。
しかしながら、上述の「背景技術」の欄にて述べた通り、ハニカム体を構成する箔に孔が形成された触媒担持用基材も従来提案されている。そこで、本発明者らは、特許文献3に開示されている製造方法を採用して、箔に孔が形成された触媒担持用基材(巻き芯部の内径が3mm〜5mmであり、梁状平坦部にも孔が形成されている構成)を製造し、この触媒担持用基材に対して、上述と同様の加熱冷却サイクル試験を実施した。その結果、「発明が解決しようとする課題」の欄で述べた通り、梁状平坦部に開けられた孔を起点として亀裂が伝搬し、梁状平坦部が早期に疲労破壊して、十分な構造耐久性が得られなかった。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を行い、梁状平坦部に孔が形成されていても、巻き芯部の内径(すなわち、梁状平坦部の長さ)を3mm以下に設定することによって、梁状平坦部が早期に疲労破壊することを抑制できることを見出した。
本発明は、(1)金属箔からなる平箔及び波箔を巻き回すことにより形成されたハニカム体と、前記ハニカム体の外周面を囲む位置に配置される外筒と、を有する触媒担持用基材であって、前記平箔と前記波箔には複数の孔が形成されており、前記ハニカム体の巻き芯部には、前記平箔又は前記波箔の端部である梁状平坦部が延出しており、前記複数の孔のうち一部は、前記梁状平坦部に形成されており、前記巻き芯部の内径は3mm以下であることを特徴とする。
(2)巻き芯部の内径が2.5mm以下であることを特徴とする上記(1)に記載の触媒担持用基材。
(3)巻き芯部の内径が2mm以下であることを特徴とする上記(1)に記載の触媒担持用基材。
(4)前記金属箔の箔厚が70μm以下であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のうちいずれか一つに記載の触媒担持用基材。
(5)金属箔からなる平箔及び波箔を巻き回すことにより形成されるとともに、触媒が担持されたハニカム体と、前記ハニカム体の外周面を囲む位置に配置される外筒と、を有する触媒担体であって、前記平箔と波箔には複数の孔が形成されており、前記ハニカム体の巻き芯部には、前記平箔又は前記波箔の端部である梁状平坦部が延出しており、前記複数の孔のうち一部は、前記梁状平坦部に形成されており、前記巻き芯部の内径は3mm以下であることを特徴とする触媒担体。
(6)該触媒担体は、単気筒エンジンの排ガス浄化用であることを特徴とする上記(5)に記載の触媒担体。
本発明によれば、巻き芯部に延出する、孔が形成された梁状平坦部の長さを3mm以下とする(すなわち、巻き芯部の内径を3mm以下とする)ことにより、梁状平坦部の疲労破壊を起こりにくくすることができる。これにより、梁状平坦部の早期欠落による巻き芯部の拡径が抑制され、浄化性能が低下することを抑制できる。
本実施形態の触媒担体を軸方向から視た平面図である。 平箔2の展開図である。 図2における破線で囲まれた領域Aの拡大図である。 巻き軸の斜視図である。 触媒担持用基材の製造工程(ただし、初期工程のみ)を示す工程図である。 図5(a)に対応した触媒担持用基材(変形例)の一部における工程図である。 ハニカム体の概略透視図である。
図1は本発明の一実施形態である触媒担体を軸方向から視た平面図である。軸方向は、触媒担体に流入する排ガスの導通方向と一致する。
図1を参照して、触媒担体1は、ハニカム体4及び外筒5を含む。ハニカム体4は、平箔2及び波箔3を重ねて巻き回した捲回体として構成されている。平箔2及び波箔3を巻き回す方法については、後述する。
ハニカム体4の中心には、軸方向に沿って筒状に延びる巻き芯部6が形成されている。巻き芯部6には、平箔2の端部(後述)を延出させた梁状平坦部2aが形成されている。梁状平坦部2aは、巻き芯部6を径方向に横断するように、軸方向の一端部から他端部までの全体に亘って配設されている。梁状平坦部2aを巻き芯部6に配設することにより、巻き芯部6の開口に流入する排ガスの流量が低下して、ハニカム体4の排ガス浄化流路(言い換えると、ハニカム体4のセル)を流れる排ガスの流量が増加するため、触媒担体1の浄化性能を高めることができる。
図2は、平箔2の展開図である。図2のX軸方向は、ハニカム体4における排ガス導通方向(すなわち、ハニカム体4の軸方向)に相当する。同図のY軸方向は、X軸と垂直に交わる方向であって、平箔2の長尺方向に相当する。図2を参照して、後述する巻き回し方法に従って平箔2及び波箔3を巻き回すことによって、二点鎖線で挟まれた平箔2のY軸方向端部Sが、梁状平坦部2aとして巻き芯部6に延出する。
ハニカム体4の熱容量を低減するために、ハニカム体4の平箔2及び波箔3に孔開け加工が施されて、厚み方向に貫通する孔8が複数形成される。以下、平箔2に形成された孔8について説明するが、波箔3にも同様の孔8が形成されているものとする。孔8は、平箔2のうち、排ガス導通方向のガス入側端部Tを除いた領域に、X軸方向に沿って千鳥状に形成することができる。したがって、梁状平坦部2aに対応する平箔2のY軸方向端部Sにも、孔8が形成される。ここで、「千鳥状」とは、Y軸方向に隣接する孔8の中間位置を通ってX軸方向に延びる仮想線上に次列の孔8が配置され、この配置関係がY軸方向に連続することを意味する。なお、孔8の配置は、X軸方向に沿った千鳥状配置に限定されるものではなく、例えば、X軸方向及びY軸方向に沿って孔8を直線状に配列したマトリックス状配置であってもよい。
本実施形態においては、孔8は円形に形成されている。孔8の直径は、0.5mm以上6mm以下であることが好ましい。孔8の直径が0.5mm未満である場合、孔8が触媒によって閉塞されるおそれがある。一方、孔8の直径が6mm超である場合、浄化性能が低下するおそれがある。そのため、孔8の直径は、0.5mm以上6mm以下であることが好ましい。なお、孔8の形状は、円形以外(例えば四角形状や楕円形状)であってもよいが、孔開け加工の加工性を考慮すると円形が好ましい。
梁状平坦部2aにおける孔8の開口率は、20%以上60%以下であることが好ましい。開口率を20%未満とすると、触媒担体1の熱容量を十分に低減することができない。一方、開口率を60%超とすると、ハニカム体4自体の強度が低下する恐れがある。そのため、梁状平坦部2aにおける孔8の開口率は、20%以上60%以下であることが好ましい。ここで、開口率について、図3を参照して説明する。図3は、図2における破線で囲まれた領域Aの拡大図である。図3を参照して、互いに隣接する三つの孔8の重心(本実施形態では、孔8の中心C)を頂点とする三角形を描くとともに、当該三角形の面積を全体面積、当該三角形と孔8とが重なる部分の面積を孔面積と定義する。このとき、開口率は、「全体面積に対する孔面積の比」として算出される。孔8が円形以外の形状であっても同様に、孔8の重心を用いて開口率を定義することができる。また、孔8の配置が、図2に示すX軸方向に沿った千鳥状配置でない場合(例えば上述のマトリックス状配置)であっても、上記定義に即して開口率を算出することができる。なお、梁状平坦部2aにおける孔8は、平箔2に孔8を開ける過程で必然的に形成されることから、梁状平坦部2aにおける孔8の開口率は、平箔2における孔8の開口率と略一致する。
ここで、梁状平坦部2aの早期疲労破壊を抑制するためには、「梁状平坦部2aに対応する平箔部分(Y軸方向端部S)への孔開け加工を避ける」という手段も考えられる。しかしながら、この場合、Y軸方向端部Sを除いた箔部分に孔開け加工を施した平箔を、ハニカム体一つにつき1本準備しなければならず、ハニカム体を連続的に製造できないため、製造が煩雑になる。この点に鑑み、本発明は、ハニカム体を連続的に製造する際の煩雑さを回避しつつ、梁状平坦部が早期に疲労破壊することを抑制することができる触媒担持用基材及びこれに触媒を担持した触媒担体を提供するものである。
金属箔の箔厚は、好ましくは20μm以上100μm以下であり、より好ましくは20μm以上70μm以下であり、さらに好ましくは、20μm以上50μm以下である。このように箔厚の薄い金属箔を用いることにより、排ガス浄化時にハニカム体4の昇温速度を上昇させて、触媒を活性化したり、触媒担体1を軽量化することができる。ただし、金属箔の箔厚を過度に薄くすると、当然のことながら強度が低下し、「発明が解決しようとする課題」の欄で取り上げた疲労破壊が起こりやすくなる。
金属箔の板幅は、好ましくは10mm以上500mm以下である。金属箔のサイズは、触媒担体1の用途に応じて適宜変更することができる。波箔3は、金属箔を例えばコルゲート加工することによって製造することができる。
平箔2及び波箔3には、耐熱合金からなる金属箔を用いることができる。金属箔に用いられる耐熱合金には、Cr:20質量%、Al:5質量%、残部がFe及び不可避的不純物からなるフェライト系ステンレス(言い換えると、Fe−20Cr−5Al合金)を用いることができる。また、このフェライト系ステンレスを耐熱性の高いNi基ろう材で接合したものを用いることもできる。ただし、本発明に適用可能な耐熱合金は前述のフェライト系ステンレスに限るものではなく、合金組成にAlを含む耐熱性の各種ステンレス鋼を広く用いることができる。すなわち、通常、ハニカム体4に用いられる金属箔は、Crを15−25質量%、Alを2−8質量%含有しており、上記以外にFe−18Cr−3Al合金や、Fe−20Cr−8Al合金なども耐熱合金として用いることができる。
触媒は、ハニカム体4の金属箔表面に所定のウォッシュコート液を塗布して、それを乾燥、焼成することによって、金属箔に担持させることができる。ウォッシュコート液には、例えば、γアルミナ粉末、ランタン酸化物、ジルコニウム酸化物、セリウム酸化物を硝酸パラジウムの水溶液内で撹拌したスラリー状の液体を用いることができる。
外筒5には例えばSUS436LやSUS430のようなCrが13〜20質量%程度含有されているフェライト系ステンレスを用いることができる。外筒5の肉厚は、好ましくは0.5mm以上3mm以下である。ハニカム体4のセル密度は、好ましくは1平方センチメートルあたり15.5セルから93セル(1平方インチあたり100セルから600セル)である。
巻き芯部6の径(直径)は、3mm以下であり、好ましくは2.5mm以下であり、より好ましくは2mm以下である。巻き芯部6を小径に設計することにより、梁状平坦部2aの長さ(巻き芯部6の径方向における長さ)を3mm以下に制限することができる。梁状平坦部2aの長さを3mm以下に制限することにより、梁状平坦部2aが排気ガスの脈動によって振動しにくくなるため、梁状平坦部2aが早期に疲労破壊することを抑制できる。
梁状平坦部2aには、巻き芯部6の形状(径)を維持する梁としての役割がある。したがって、梁状平坦部2aが破壊されると巻き芯部6が拡径して、巻き芯部6の開口に流入する排ガスが増加するため、触媒担体1の浄化性能が低下してしまう。本実施形態の構成によれば、梁状平坦部2aが早期に疲労破壊することを抑制できるため、巻き芯部6が拡径することによる浄化性能の低下を長期に亘って抑制することができる。なお、巻き芯部6の径(直径)の下限値は、特に限定されないが、好ましくは1mmである。
本実施形態の触媒担体1は、単気筒エンジン用の触媒コンバータとして好適に用いることができる。4ストロークエンジンの場合、吸気→圧縮→燃焼→排気のサイクル工程において、排ガスが排気管に流出する工程は排気工程のみである。多気筒エンジンでは各気筒の排気工程のタイミングが気筒ごとにずれており、脈動は緩和される。これに対して、単気筒エンジンの場合には、排気のタイミングは4工程のうち1回のみであるため、排ガスの脈動が相対的に大きくなる。以上の理由から、本実施形態の触媒担体1は、単気筒エンジンの排ガス浄化用途により好適に用いることができる。ただし、多気筒エンジンであっても、脈動は起こるため、本実施形態の触媒担体1は多気筒エンジンにも適用することができる。
次に、図4及び図5を参照しながら、触媒担持用基材の製造方法について説明する。図4は、平箔2及び波箔3を巻き回すときに使用する巻軸10の斜視図である。図5は、触媒担持用基材の製造工程(ただし、初期工程のみ)を示す工程図である。巻軸10は、丸棒形状(軸方向視において円形)に形成されており、巻軸10の長手方向における一端部には、他端側に向かって延びる長尺のスリット10aが形成されている。
最初に平箔2の長尺方向における端部を巻軸10のスリット10aに滑り込ませて、平箔2を巻軸10の径方向から挟持する(図5(a)参照)。なお、平箔2を固定するために、平箔2の先端を巻軸10から若干突出させることが望ましい。このスリット10aに挟持された平箔2の部分(図2におけるY軸方向端部S)が、ハニカム体4の巻き芯部6に延出する梁状平坦部2aになる。平箔2に対して適度な張力を付与しながら、巻軸10をその長手方向軸周りに1回転させることにより、平箔2を巻軸10に約1周分だけ巻き付ける(図5(b)参照)。ただし、巻軸10を1回転超回転させることにより、平箔2を1周超巻き付けてもよい。次に、巻軸10と平箔2の間に波箔3を滑り込ませる(図5(c)参照)。巻軸10を長手方向軸周りに更に回転させ、ハニカム体4が所定の径に達したところで、巻軸10による巻き取り動作を停止して、巻軸10をハニカム体4から抜く。
図5(d)は、図5(c)に図示する状態から巻軸10を約45度回転させた状態を示している。本実施形態では、巻軸10の径を約3mm以下に設定することにより、巻き芯部6の径を、3mm以下に調整している。
ハニカム体4を外筒5に内挿して、ろう材などで接合したり、加締めたりして、互いに固着することにより触媒担持用基材が得られる。その後、ハニカム体4に触媒を担持させることにより、触媒担体1が得られる。触媒については、上述したので、説明を繰り返さない。
(変形例)
上述の実施形態では、平箔2の端部(Y軸方向端部S)を梁状平坦部としたが、本発明はこれに限るものではなく、波箔3の端部を梁状平坦部としてもよい。図6は、図5に示す工程図の(a)に対応している。同図を参照して、波箔3の端部には、凹凸がない平坦部が形成されており、この部分を梁状平坦部3aとすることができる。巻軸10のスリット10aに波箔3の梁状平坦部3aを挟持させて、平箔2とともに巻き取ることにより、巻き芯部6に波箔3の梁状平坦部3aが延出した触媒担体を製造することができる。製造工程の詳細は、上述の実施形態とほぼ同様であるから、説明を省略する。
(実施例)
実施例を示して、本発明について詳細に説明する。
<実施例1−5,比較例1−3>
まず、厚さ50μm、幅100mmのフェライト系ステンレス箔(Fe−20Cr−5Al合金)からなる2枚の平板に、所定の径を有する円形の孔(上述の実施形態における孔8に相当)を所定の開口率で形成した。このとき、ガス入側端部(上述の実施形態におけるガス入側端部Tに相当)を避けた位置に孔を形成した。なお、開口率の定義については上述したため、説明を省略する。本実施例では、孔径を0.5mm、開口率を40%とし、孔は千鳥状に配置した。
次に、図5に示す工程図にしたがって、一方の平板(上述の実施形態における平箔2に相当)と、他方の平板を波状に加工して形成した波板(上述の実施形態における波箔3に相当)と、を巻き回すことにより、ハニカム体を製造した。したがって、製造されたハニカム体の梁状平坦部にも孔が形成されている構成となった。巻軸の径(「巻き芯部の内径」、「梁状平坦部の長さ」と言い換えることができる)を6mm、5mm、4mm、3mm、2.5mm、2mm、1.5mm、1mmのいずれかに設定した。外径80mm,厚さ1.5mm,長さ100mmの外筒を用意して、この外筒に対してハニカム体を内挿することにより、触媒担体の母材となる触媒担持用基材を製造した。外筒には、フェライト系のステンレス鋼(SUS436L)を使用した。ハニカム体のセル密度は1平方センチあたり62セル(1平方インチあたり400セル)とした。またハニカム体を構成する平箔と波箔は互いにろう付けにより接合した。また、ハニカム体と外筒もろう付けにより接合した。
それぞれの試料を10個ずつ用意し、エンジンベンチによる加熱冷却サイクル試験を実施することにより、構造耐久性を評価した。試験装置に触媒担持用基材をセットして、梁状平坦部が破損するかどうかを調べた。
試験装置と触媒担持用基材はコーンを介して接続した。接続方法には、溶接を使用した。エンジンには排気量:400ccの単気筒ガソリンエンジンを使用した。
触媒担持用基材に流入させるガスの入側温度を900℃と100℃以下の温度との間で温度変化させる温度パターンを、冷熱サイクルのパターンとして選択した。すなわち、エンジン停止状態からエンジンを5分間回転させることにより、およそ30秒で入ガス温度を900℃に到達させる昇温ステップ、到達後の温度(900℃)を保定する保定ステップ及びエンジンを停止し、5分間室温の空気を送ることで、およそ60秒間で100℃まで冷却し、その後室温の空気を流し続ける冷却ステップからなる冷熱サイクルを1サイクルとした。
この冷熱サイクルを1000サイクル繰り返した後、触媒担持用基材を観察して、巻き芯部に配設された梁状平坦部の破損状況を確認した。図7(b)に示すように梁状平坦部2aが軸方向全体に亘って欠損した場合には「全長欠損」と評価し、図7(a)に示すように梁状平坦部2aの一端側(ガス入側)のみが部分的に欠損した場合には「一部欠損」と評価した。表1はその評価結果である。なお、表中の「ガス入側端部」は、ハニカム体のガス入側の縁を始点とした軸方向長さで表す。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例1〜3)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例1)。巻き芯径を2.5mm、2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例2〜5)。
以上の試験結果から、梁状平坦部に孔径0.5mmの孔が形成されていても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例6−10,比較例4−6>
実施例1−5,比較例1−3の触媒担持用基材に対して、孔径を1mmに変えて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表2はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例4〜6)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例6)。巻き芯径を2.5mm、2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例7〜10)。
以上の試験結果から、梁状平坦部に孔径1mmの孔が形成されていても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例11−15,比較例7−9>
実施例1−5,比較例1−3の触媒担持用基材に対して、孔径を2mmに変えて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表3はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例7〜9)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例11)。巻き芯径を2.5mm、2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例12〜15)。
以上の試験結果から、梁状平坦部に孔径2mmの孔が形成されていても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例16−20,比較例10−12>
実施例1−5,比較例1−3の触媒担持用基材に対して、孔径を3mmに変えて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表4はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例10〜12)。一方、巻き芯径を3mm、2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例16〜17)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例18〜20)。
以上の試験結果から、梁状平坦部に孔径3mmの孔が形成されていても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例21−25,比較例13−15>
実施例1−5,比較例1−3の触媒担持用基材に対して、孔径を4mmに変えて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表5はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例13〜15)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か20%確認されただけであった(実施例21)。巻き芯径を2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例22)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例23〜25)。
以上の試験結果から、梁状平坦部に孔径4mmの孔が形成されていても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例26−30,比較例16−18>
実施例1−5,比較例1−3の触媒担持用基材に対して、孔径を6mmに変えて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表6はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例16〜18)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か30%確認されただけであった(実施例26)。巻き芯径を2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か20%確認されただけであった(実施例27)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例28〜30)。
以上の試験結果から、梁状平坦部に孔径6mmの孔が形成されていても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例31−35,比較例19−21>
実施例16−20、比較例10−12の触媒担持用基材に対し、ハニカム体を構成する平箔と波箔の孔の開口率を20%に変えて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表7はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例19〜21)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例31)。巻き芯径を2.5mm、2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例32〜35)。
以上の試験結果から、ハニカム体を構成する平箔と波箔の孔の開口率を20%にしても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例36−40,比較例22−24>
実施例16−20、比較例10−12の触媒担持用基材に対し、ハニカム体を構成する平箔と波箔の孔の開口率を60%に変えて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表8はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例22〜24)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か30%確認されただけであった(実施例36)。巻き芯径を2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か20%確認されただけであった(実施例37)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例38〜40)。
以上の試験結果から、ハニカム体を構成する平箔と波箔の孔の開口率を60%にしても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例41−45、比較例25−27>
実施例16−20、比較例10−12の触媒担持用基材に対して、ハニカム体と外筒の長さを40mmに短縮して、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表9はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例25〜27)。一方、巻き芯径を3mm、2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例41、42)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例43〜45)。
以上の試験結果から、ハニカム体と外筒の長さを40mmに短縮しても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例46−55、比較例28−33>
実施例16−20、比較例10−12の触媒担持用基材に対して、ハニカム体の径を40mm、117mmに変化させて、構造耐久性を評価した。評価方法については説明を繰り返さない。表10及び11はその評価結果である。
Figure 0006975359
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例28〜33)。一方、巻き芯径を3mm、2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、僅か10%の試料で「一部欠損」が確認されたに過ぎなかった(実施例46〜47、51〜52)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例48〜50、53〜55)。
以上の試験結果から、ハニカム体の径を変えても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例56−60、比較例34−36>
実施例16−20、比較例10−12の触媒担持用基材に対し、ハニカム体のセル密度を1平方センチあたり46.5セル(1平方インチあたり300セル)に変化させて、構造耐久性を評価した。評価方法については、説明を繰り返さない。表12はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例34〜36)。一方、巻き芯径を3mm、2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例56〜57)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例58〜60)。
以上の試験結果から、ハニカム体のセル密度を変えても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<実施例61−65、比較例37−39>
実施例16−20、比較例10−12の触媒担持用基材に対し、ハニカム体を構成する箔厚を30μmに変化させて、構造耐久性を評価した。評価方法については、説明を繰り返さない。表13はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を4mm、5mm、6mmにした場合には、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例37〜39)。一方、巻き芯径を3mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か20%確認されただけであった(実施例61)。巻き芯径を2.5mmにした場合には、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料が僅か10%確認されただけであった(実施例62)。巻き芯径を2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例63〜65)。
以上の試験結果から、ハニカム体の箔厚を30μmに変えても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損防止効果が大きく向上することがわかった。
<実施例66−70、比較例40−42>
実施例16−20、比較例10−12の触媒担持用基材に対し、ハニカム体を構成する箔厚を70μmに変化させて、構造耐久性を評価した。評価方法については、説明を繰り返さない。表14はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径を6mmにした場合は、全ての試料で「全長欠損」が確認された(比較例40)。巻き芯径を5mmにした場合には、90%の試料で「全長欠損」が確認され、「一部欠損」した試料が10%確認された(比較例41)。巻き芯径を4mmにした場合には、80%の試料で「全長欠損」が確認され、「一部欠損」した試料が20%確認された(比較例42)。一方、巻き芯径を3mm、2.5mm、2mm、1.5mm、1mmにした場合には、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(実施例66〜70)。
以上の試験結果から、ハニカム体の箔厚を70μmに変えても、巻き芯径を3mm以下に設定することにより、梁状平坦部の欠損抑制効果が大きく向上することがわかった。
<参考例1〜8>
参考例1〜8では、孔が形成されていない平箔及び波箔を使用して、実施例1−5,比較例1−3と同様の工程で触媒担持用基材を製造し、構造耐久性を評価した。すなわち、参考例1〜8のハニカム体が有する梁状平坦部には、孔が形成されていない。平箔及び波箔における孔の有無以外の条件は、実施例1−5,比較例1−3の触媒担持用基材と同様とした。評価方法については、説明を繰り返さない。表15はその評価結果である。
Figure 0006975359
巻き芯径が4mm、5mm、6mmの場合、「全長欠損」した試料はなく、「一部欠損」した試料がわずか10%確認されただけであった(参考例1〜3)。一方、巻き芯径を3mm、2.5mm、2mm、1.5mm、1mmにした場合、「全長欠損」は勿論のこと「一部欠損」すら確認されなかった(参考例4〜8)。
以上説明したように、本発明によれば、孔開け加工された梁状平坦部の長さを3mm以下とするように、巻き芯部6の径を小径に形成することにより、梁状平坦部が振動しにくくなり、早期疲労破壊を抑制できる。
1 メタル担体 2 平箔 2a、3a 梁状平坦部 3 波箔
4 ハニカム体 5 外筒 6 巻き芯部 8 孔 10 巻軸

Claims (6)

  1. 金属箔からなる平箔及び波箔を巻き回すことにより形成されたハニカム体と、
    前記ハニカム体の外周面を囲む位置に配置される外筒と、
    を有する触媒担持用基材であって、
    前記平箔と前記波箔には複数の孔が形成されており、
    前記ハニカム体の巻き芯部には、前記平箔又は前記波箔の端部である梁状平坦部が延出しており、
    前記複数の孔のうち一部は、前記梁状平坦部に形成されており、
    前記巻き芯部の内径は3mm以下であることを特徴とする触媒担持用基材。
  2. 前記巻き芯部の内径が2.5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒担持用基材。
  3. 前記巻き芯部の内径が2mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒担持用基材。
  4. 前記金属箔の箔厚が70μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の触媒担持用基材。
  5. 金属箔からなる平箔及び波箔を巻き回すことにより形成されるとともに、触媒が担持されたハニカム体と、
    前記ハニカム体の外周面を囲む位置に配置される外筒と、
    を有する触媒担体であって、
    前記平箔と波箔には複数の孔が形成されており、
    前記ハニカム体の巻き芯部には、前記平箔又は前記波箔の端部である梁状平坦部が延出しており、
    前記複数の孔のうち一部は、前記梁状平坦部に形成されており、
    前記巻き芯部の内径は3mm以下であることを特徴とする触媒担体。
  6. 該触媒担体は、単気筒エンジンの排ガス浄化用であることを特徴とする請求項5に記載の触媒担体。
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