JP2023060397A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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義輝 矢澤
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Abstract

【課題】高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒におけるセル部の破損の防止が図られた排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】排ガス浄化装置1は、内燃機関の排ガス流路100に設けられる。そして、排ガス浄化装置1は、ハニカム触媒10を備える。ハニカム触媒10は、基材11と、基材11に担持された触媒とを有する。基材11は、排ガス流れ方向Xに貫通する複数のセル14を有するハニカム構造をなすセル部12と、セル部12の外周に設けられるスキン部13とを含む。セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。複数のセル14のうち最外周に位置する最外周セル141におけるスキン部13に隣り合う角部141aの曲率半径をRとし、複数のセル14のうち最外周セル141よりも内側に位置する内側セル142の角部142aの曲率半径の平均値を平均rとしたとき、R/平均r>1の関係を満たす。【選択図】図2

Description

本発明は、排ガス浄化装置に関する。
自動車等の内燃機関の排ガス浄化装置として、浄化作用を有する触媒を基材に担持させた触媒担持構造を有するものが広く使用されている。近年、排ガス規制の厳格化に伴って、排ガス浄化用の触媒の早期活性化が要求されているが、上記触媒担持構造においては触媒を担持する基材が浄化作用に実質的に関与しておらず、全体として熱容量が大きくなり触媒の早期活性化が阻害されている。さらに、触媒作用を高めるために触媒とともに助触媒を基材に担持させることも行われている。しかしながら、通常、助触媒及び触媒は500℃程度の比較的低温の状態で担持されるため、1000℃程度の高温の排気環境においては助触媒及び触媒が凝集して触媒の表面積が減少して浄化作用が低下することから助触媒及び触媒の担持量を予め多くしておく必要があり、コスト高である。また、排ガスと触媒との接触面積を大きくするために、基材は例えば複数のセルを有するハニカム状とすることができる。しかしながら、セル壁の表面に助触媒及び触媒が担持された状態であるため、セルの目詰まりにより圧損が上昇しやすく、浄化作用が低下しやすい。
かかる触媒担持構造の問題を解消すべく、特許文献1には、助触媒であるセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含むハニカム構造を有する基材に触媒を担持したハニカム触媒が排ガス流路に設けられる構成が開示されている。当該ハニカム触媒では、基材自身が助触媒を主原料として含むため、触媒作用に実質的に関与しない骨格を用いる必要がないとともに、従来のコージェライトなどに比べて軽量である。そのため、全体として熱容量を低減でき早期活性化を促すことができる。また、基材は助触媒を1100℃程度の高温で焼成した後、低温で触媒を当該基材に担持しているため、高温の排気環境においても助触媒の凝集が抑制されるとともに、これに伴って触媒の凝集も低減される。そのため、触媒の表面積の減少が抑制されて浄化作用の低下が防止される。また、助触媒及び触媒を担持させる場合に比べて、基材表面に助触媒を担持させる必要がないため、圧損の上昇が抑制されて浄化作用の低下が防止される。
特開2020-081953号公報
しかしながら、助触媒であるセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む基材は、熱膨張係数が比較的高い。これにより、高温の排ガスに接すると基材は膨張して、基材内部の応力が高くなりやすい。さらに、基材の外周部は排ガス流路を構成する配管により拘束されている。そのため、基材が過度に膨張すると、配管からの反力により基材の外周部と隣り合う最外周に位置するセルの角部における応力が一層高まり、当該角部に割れが生じてセル部が破損するおそれがある。そのため、セル部の破損を防止するために改善の余地がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒におけるセル部の破損の防止が図られた排ガス浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、内燃機関の排ガス流路(100)に設けられる排ガス浄化装置(1)であって、
排ガス流れ方向に貫通する複数のセル(14)を有するハニカム構造をなすセル部(12)と、該セル部の外周に設けられるスキン部(13)とを有する基材(11)と、該基材に担持された触媒と、を有するハニカム触媒(10)を備え、
上記セル部は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含み、
上記複数のセルのうち最外周に位置する最外周セルにおける上記スキン部に隣り合う角部の曲率半径をRとし、上記複数のセルのうち上記最外周セルよりも内側に位置する内側セルの角部の曲率半径の平均値を平均rとしたとき、R/平均r>1の関係を満たす、排ガス浄化装置にある。
上記排ガス浄化装置においては、セル部は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。これにより、触媒作用に実質的に関与しない骨格を用いる必要がないため、熱容量を低減でき早期活性化を促すことができるとともに、触媒の表面積の減少が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。また、基材表面に助触媒を担持させる必要がないため、圧損の上昇が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。これらにより、高い排ガス浄化作用を奏することができる。そして、最外周に位置する最外周セルにおけるスキン部に隣り合う角部の曲率半径Rと、最外周セルよりも内側に位置する内側セルの角部の曲率半径の平均値である平均rは、R/平均r>1の関係を満たす。これにより、最外周セルにおけるスキン部に隣り合う角部における応力集中係数を低減させることができるため、高温の排ガスにより基材が昇温して膨張することによりケーシング側から基材に押し付けられる力が増しても、最外周セルの上記角部における応力集中が緩和されてセル部の破損の防止が図られる。
以上のごとく、上記態様によれば、高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒におけるセル部の破損の防止が図られた排ガス浄化装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、排ガス浄化装置の構成を示す概念断面図。 実施形態1における、ハニカム触媒の構成を示す概念図。 図1における、III-III線位置におけるハニカム触媒の概念断面図。 図4における、IV-IV線位置におけるハニカム触媒の概念断面図。 確認試験1の試験結果を示す図。 確認試験1における応力発生状態を示す図。 確認試験2の試験結果を示す図。 確認試験3の試験結果を示す図。 確認試験4の試験結果を示す図。
(実施形態1)
上記排ガス浄化装置の実施形態について、図1~図6を用いて説明する。
本実施形態の排ガス浄化装置1は、図1に示すように、内燃機関の排ガス流路100に設けられる。そして、排ガス浄化装置1は、ハニカム触媒10を備える。
ハニカム触媒10は、図2に示すように、基材11と、基材11に担持された触媒とを有する。基材11は、排ガス流れ方向Xに貫通する複数のセル14を有するハニカム構造をなすセル部12と、セル部12の外周に設けられるスキン部13とを含む。
セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。
複数のセル14のうち最外周に位置する最外周セル141におけるスキン部13に隣り合う角部141aの曲率半径をRとし、複数のセル14のうち最外周セル141よりも内側に位置する内側セル142の角部142aの曲率半径の平均値を平均rとしたとき、R/平均r>1の関係を満たす。
以下、本実施形態の排ガス浄化装置1について、詳述する。
図1に示すように、排ガス浄化装置1は金属製のケーシング30を有する。ケーシング30は筒状をなしており、ケーシング30内にハニカム触媒10が保持されている。ケーシング30の第1端部31は開口しており、排ガス流路100の上流側X1に接続されている。ケーシング30の第2端部32は開口しており、排ガス流路100の下流側X2に接続されている。これにより、排ガスF1が排ガス浄化装置1に流入し、浄化されて排ガスF2として排出される。ケーシング30とハニカム触媒10との間には、マット33が介在している。マット33は、ハニカム触媒10を周方向に覆うように設けられている。マット33は弾性を有する部材からなり、マット33を介してケーシング30によりハニカム触媒10が内側に押し付けられるようになっている。
図2に示すように、ハニカム触媒10の外形は円柱形をなしている。ハニカム触媒10は、高さ方向がガス流通方向Xに一致するように配されて、ハニカム触媒10のガス流通方向Xの両端面の中心を通る仮想線である中心軸10aがガス流通方向Xと平行となっている。
図2に示すように、ハニカム触媒10を構成する基材11はセル部12とスキン部13とを含む。セル部12はハニカム構造を有している。ハニカム構造とは、多孔質のセル壁12aにより、排ガスの流路となる複数のセル14が区画形成された構造である。各セル14における排ガス流通方向Xの両端部は目封じされずに開放されており、各セル14は排ガス流通方向Xにおいて連通している。排ガス流通方向Xに直交する断面におけるセル14の形状は特に限定されず、図2に示すように略四角形としたり、これに替えて略六角形としたりすることができる。
図2に示すように、複数のセル14は、最外周に位置する最外周セル141と、最外周セル141よりも内側に位置する内側セル142とを含む。そして、最外周セル141は、スキン部13に隣り合う角部141aと、当該角部141a以外のスキン部13に隣り合わない角部141bとを備える。一方、内側セル142はスキン部13に隣り合う角部を有しておらず、内側セル142におけるすべての角部142aはいずれもスキン部13と隣り合っていない。なお、本明細書において、「スキン部13に隣り合う角部141a」とは、セル14の貫通方向Xに直交する断面において、当該断面の中心位置Cとセル14の角部においてR形状を有する部分とを通るとともに当該角部よりも外周側においてセル14の空間部に交差せずにスキン部13と交差する仮想直線を少なくとも一つ描くことができる角部を指す。また、「最外周に位置する最外周セル141」とは、「スキン部13に隣り合う角部141a」を少なくとも一つ有するセルを指す。
図2に示すように、セル14の貫通方向Xに直交する断面において、最外周セル141の角部141aの曲率半径をRとし、内側セル142の角部142aの曲率半径をrとし、角部142aの曲率半径rの平均値を平均rとしたとき、Rと平均rは、R/平均r>1の関係式(1)を満たす。そして、Rと平均rは、1<R/平均r≦20を満たすことが好ましい。本実施形態1では、平均rは、図3に示すセル14の貫通方向Xに直交する断面において、スキン部13の外径Dの1/2である直径dを有し、スキン部13の外径の中心Cと同一の中心Oを有する仮想円Pの内側に位置する内側セル142から無作為に選んだセルにおける角部142aの曲率半径rの10点平均値として算出する。
図2に示すセル部12はセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。セリア-ジルコニア固溶体は、助触媒として機能する。助触媒とは、自分単独では触媒作用をもたらせないが、所定の触媒における触媒反応を補助する作用をもたらすものをいう。例えば、セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主成分とする原料粒子と、該原料粒子同士を接合する無機バインダを含む材料とから構成することができる。また、セル部12は、貴金属を含んでいてもよい。当該貴金属としては、触媒作用をもたらす金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウムなどを採用することができる。無機バインダとしては、γ-アルミナ、θ-アルミナ、α-アルミナなどのアルミナや他の公知のものを採用することができる。中でも無機バインダとして、γ-アルミナを採用することが好ましい。γ-アルミナは立方晶系の結晶構造を有して比表面積が高いため、触媒作用の向上に寄与する。一方、無機バインダとしてγ-アルミナ、θ-アルミナ、α-アルミナのうちのいずれかまたは全てを共存させてもよい。これにより、セル部12の製造工程において、より高い焼成温度でセル部12を焼結させることができ、高温となる排ガス流通においてセル部12のハニカム構造を維持しやすくなる。本実施形態では、セル部12は主原料としてのセリア-ジルコニア固溶体と、無機バインダとしてのγ-アルミナとからなるACZ基材とした。図2に示すスキン部13は、セル部12の外周に設けられており、基材11の外周壁を構成している。スキン部13の主原料及び無機バインダはセル部12と同一とすることができる。
基材11には、図示しない触媒が担持されている。本実施形態では、触媒としてPt、Pd、Rhを含む三元触媒を採用している。基材11に触媒とともにさらに助触媒を担持させてもよい。触媒は最外周セル141と内側セル142とにおいて異なる領域に担持させることができる。本実施形態1では、図4に示すように、最外周セル141においては、排ガス流れ方向Xにおけるハニカム触媒10の上流側端面15からの長さLRまでの領域141cに触媒が担持されており、領域141cよりも下流側X2には触媒が担持されていない。一方、内側セル142においては、排ガス流れ方向Xにおける触媒が担持された領域の長さLrは限定されず、上流側端面15から下流側端面16まで基材11の全長以下とすることができる。本実施形態1では、内側セル142において排ガス流れ方向Xにおける上流側端面15から下流側端面16まで長さLrに亘る領域に触媒が担持されている。そして、LRとLrはLR/Lr<1の関係を満たしており、LR/Lr<0.1を満たすことが好ましく、LR/Lr<0.01を満たすことがより好ましい。さらに、LR=0、すなわち、最外周セル141に触媒を担持させないことが最も好ましい。
図2に示すセル部12のセル壁厚T1は、例えば1.5~12milとすることができ、好ましくは1.5~3.5milとすることができる。スキン部13の厚さT2は限定されないが、例えば0.2~0.6mm(7.87~23.62mil)とすることができる。また、セル部12のセル密度は、例えば200~1200cpsiとすることができ、好ましくは600~1200cpsiとすることができる。また、セル部12の気孔率は、例えば80%以下とすることができる。
なお、本実施形態1では、ハニカム触媒10は単体で設けられることとしたが、これに限らず、ハニカム触媒10の下流側X2に一又は複数のハニカム触媒を設けてもよい。
(確認試験1)
次に、ハニカム触媒10におけるR/平均rと熱ストレスとの関係についてのシミュレーション試験として、以下の確認試験1を行った。
確認試験1では、まず、すべての試験例及び比較例において、上述の実施形態1の排ガス浄化装置1において、ハニカム触媒10の基材11をACZからなるものとし、セル部12のセル壁厚T1を3.5mil、スキン部13の厚さT2を0.4mm、セル密度を600cpsi、気孔率を60%とした。また、ハニカム触媒10の外形は、直径103mm、長さ105mmとした。そして、LR/Lrが0.01、0.05、0.1、1のそれぞれの場合について、R、平均rを下記の表1に示すようにそれぞれ変更したものを試験例及び比較例とした。
確認試験1では、図1に示す排ガスF1の温度を300℃とし、排ガスF1を排ガス浄化装置1に流入させたときのセル部12とスキン部13との間に生じるストレスσを算出する。当該ストレスσは、図2に示すように、熱膨張したスキン部13がセル部12を押す力Aと、熱膨張したセル部12がスキン部13を押す力Bと、スキン部13がマット33を介してケーシング30から受けるストレスである外周面圧Cとに基づいて、A+C-Bとして算出される。そして、A及びBは、ヤング率×熱膨張係数(CTE)×温度変化量により算出することができる。また、確認試験1では外周面圧Cは0.80MPaとしている。そして、確認試験1の結果を図5に示した。また、試験例2及び試験例5における応力発生状態を図6(a)及び図6(b)に示した。
Figure 2023060397000002
表1及び図5に示すように、LR/Lr=1の場合において、R/平均r=0であり最外周セル141の角部がすべて湾曲していない比較例1では、最も熱ストレスが高かった。また、R/平均r=0.5の比較例2とR/平均r=1.0の比較例3では、比較例1より熱ストレスは低下してはいたが依然として高い数値であった。一方、R/平均r=4.5~25.0の試験例1~5においては、比較例1~3に比べて、熱ストレスは十分低い値であった。
一方、試験例1~5において、R/平均rが20を超えると、熱ストレスの低減効果は頭打ちになっていた。例えば、図6(a)に示すように、試験例2では、角部141aでの熱ストレスが生じる領域が過度に集中せずに広い範囲に亘っていることが見て取れる。しかしながら、図6(b)に示す試験例5では、角部141aでの熱ストレスが生じる領域は過度に集中せずに広い範囲に亘ってはいるが、図6(a)に示す試験例2の場合と概ね変わらない状態であった。これは、R/平均rが20を超えることにより、最外周セル141の角部141aの曲率半径Rが大きくなりすぎて、金型を用いてセル部12を形成する際に、スキン部13と隣り合う最外周セル141においてセル部12を形成材料である坏土が流れにくくなり、成形不良が生じたため、その結果、基材11において最外周セル141を形成するセル壁12aの強度が大きく低下して基材11の破損が生じやすくなったものと推察される。したがって、1<R/平均r≦20を満たすことが好ましい。
さらに、LR/Lrが0.01、0.05、0.1、1のそれぞれの場合を比較すると、LR/Lrは小さい方が熱ストレスが低減されていた。これは、最外周セル141は熱ストレスが生じやすい部分であって、当該最外周セル141に触媒が広い範囲に担持されると触媒反応による反応熱が最外周セル141の熱ストレスが増大しやすくなったものと推察される。したがって、LR/Lr<1が好ましいことが確認された。
(確認試験2)
次に、図2に示すハニカム触媒10におけるセル部12のセル壁12aの厚さT1と熱ストレスとの関係について、以下の確認試験2を行った。なお、確認試験2における試験条件は、上記確認試験1と同様である。確認試験2では、上述の試験例1において、図7に示すように、セル部12のセル壁12aの厚さT1をそれぞれ変化させたときの熱ストレスσを確認試験1と同様に算出した。
図7に示すように、確認試験2の試験結果において、ハニカム触媒10のセル部12のセル壁厚T1が1.5~12milの範囲内において、熱ストレスが低く維持されており、ハニカム触媒10に割れが生じていないことが確認された。そして、セル壁厚T1が1.5mil未満の場合には、セル壁厚T1が過度に小さくなるため、セル部12の成形時に、成形用の金型に坏土が詰まりやすくなる。当該金型に坏土が詰まるとセル部12にセルの欠損が生じ、当該セルの欠損部において、熱ストレスによりハニカム触媒10に割れが生じやすくなると推察される。一方、セル壁厚T1が12milを超える場合には、セル壁厚T1が過度に厚くなるため、セル部12の成形時に、セル壁12aにおいて坏土の接合圧力が不足しやすくなる。坏土の接合圧力が不足すると熱ストレスによりハニカム触媒10に割れが生じやすくなると推察される。
(確認試験3)
次に、図2に示すハニカム触媒10におけるセル部12のセル密度と熱ストレスとの関係について、以下の確認試験3を行った。なお、確認試験3における試験条件は、上記確認試験1と同様である。確認試験3では、上述の試験例1において、図8に示すように、セル部12のセル密度をそれぞれ変化させたときの熱ストレスσを確認試験1と同様に算出した。
図8に示すように、確認試験3の試験結果において、ハニカム触媒10のセル密度が200~1200cpsiにおいて、熱ストレスが低く維持されており、ハニカム触媒10に割れが生じていないことが確認された。そして、セル密度が200cpsi未満の場合には、対向するセル壁12aの間隔が広くなるため、熱ストレスに起因してセル部12が変形しやすくなり、当該変形が生じるとハニカム触媒10に割れが生じるものと推察される。一方、セル密度が1200cpsiを超える場合は、セル部12の成形時において、型強度が不足して成形圧力を付与できず、セル壁12aにおいて接合圧力が不足しやすくなり、当該接合圧力が不足すると熱ストレスに起因してハニカム触媒10に割れが生じるものと推察される。
(確認試験4)
次に、図2に示すハニカム触媒10におけるセル部12の気孔率と熱ストレスとの関係について、以下の確認試験4を行った。なお、確認試験4における試験条件は、上記確認試験1と同様である。確認試験4では、上述の試験例1において、図9に示すように、セル部12の気孔率をそれぞれ変化させたときの熱ストレスσを確認試験1と同様に算出した。
図9に示すように、確認試験4の試験結果において、ハニカム触媒10の気孔率が80%以下において、熱ストレスが低く維持されており、ハニカム触媒10に割れが生じていないことが確認された。これは、セル部12において気孔は欠陥起点となる可能性があり、気孔率が80%を超える場合には、欠陥起点となりうる気孔が多数存在することとなるため、熱ストレスに起因してハニカム触媒10に割れが生じたものと推察される。また、気孔率が80%以下において、気孔率が小さくなるにつれて熱ストレスが低下することが確認された。これは、気孔率が小さくなるとセル部12の形成材料が緻密になるため、機械的強度が上昇してセル部12の歪みの発生が抑制されたものと推察される。
次に、本実施形態1の排ガス浄化装置1における作用効果について、詳述する。
本実施形態1の排ガス浄化装置1においては、セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。これにより、触媒作用に実質的に関与しない骨格を用いる必要がないため、熱容量を低減でき早期活性化を促すことができるとともに、触媒の表面積の減少が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。また、基材表面に助触媒を担持させる必要がないため、圧損の上昇が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。これらにより、高い排ガス浄化作用を奏することができる。そして、最外周に位置する最外周セル141におけるスキン部13に隣り合う角部141aの曲率半径Rと、最外周セル141よりも内側に位置する内側セル142の角部142aの曲率半径の平均値である平均rは、R/平均r>1の関係を満たす。これにより、最外周セル141におけるスキン部13に隣り合う角部141aにおける応力集中係数を低減させることができるため、高温の排ガスにより基材11が昇温して膨張することによりケーシング30側から基材11に押し付けられる力が増しても、最外周セル141の角部141aにおける応力集中が緩和されてセル部12の破損の防止が図られる。
本実施形態1では、Rと平均rは、1<R/平均r≦20の関係を満たす。これにより、最外周セル141におけるスキン部13に隣り合う角部141aにおける熱ストレスを低減でき、応力集中を一増緩和できる。さらに、最外周セル141においてセル壁12aの成形不良を抑制してセル壁12aの強度が維持されるため、基材11の破損の抑制が図られる。
また、本実施形態1では、最外周セル141において触媒が担持された領域LRの排ガス流れ方向Xにおけるハニカム触媒10の上流側端面15からの長さをLRとし、内側セル142において触媒が担持された領域Lrの排ガス流れ方向Xにおけるハニカム触媒10の上流側端面15からの長さをLrとしたとき、LR/Lr<1の関係を満たす。これにより、最外周セル141における触媒反応による反応熱の発生を低減して最外周セル141における熱ストレスの増大を抑制し、角部141aにおける応力集中の緩和を促すことができる。
本実施形態1では、セル部12の壁厚T1は、1.5~12milである。これにより、セル部12における熱ストレスを低く維持することができ、角部141aにおける応力集中を緩和してセル部12の破損を抑制できる。
本実施形態1では、セル部12におけるセル密度は、200~1200cpsiである。これにより、セル部12における熱ストレスを低く維持することができ、角部141aにおける応力集中を緩和してセル部12の破損を抑制できる。
本実施形態1では、セル部12における気孔率は、80%以下である。これにより、セル部12における熱ストレスを低く維持することができ、角部141aにおける応力集中を緩和してセル部12の破損を抑制できる。
以上のごとく、本実施形態1によれば、高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒10におけるセル部12の破損の防止が図られた排ガス浄化装置1を提供することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 排ガス浄化装置
10 ハニカム触媒
11 基材
12 セル部
12a セル壁
13 スキン部
14 セル
141 最外周セル
142 内側セル
141a、141b、142a 角部
30 ケーシング
33 マット
100 排ガス流路

Claims (6)

  1. 内燃機関の排ガス流路(100)に設けられる排ガス浄化装置(1)であって、
    排ガス流れ方向に貫通する複数のセル(14)を有するハニカム構造をなすセル部(12)と、該セル部の外周に設けられるスキン部(13)とを有する基材(11)と、該基材に担持された触媒と、を有するハニカム触媒(10)を備え、
    上記セル部は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含み、
    上記複数のセルのうち最外周に位置する最外周セル(141)における上記スキン部に隣り合う角部(141a)の曲率半径をRとし、上記複数のセルのうち上記最外周セルよりも内側に位置する内側セル(142)の角部(142a)の曲率半径の平均値を平均rとしたとき、R/平均r>1の関係を満たす、排ガス浄化装置。
  2. 上記Rと上記平均rは、1<R/平均r≦20の関係を満たす、請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 上記最外周セルにおいて触媒が担持された領域の排ガス流れ方向における上記ハニカム触媒の上流側端面(15)からの長さをLRとし、上記内側セルにおいて触媒が担持された領域の排ガス流れ方向における上記ハニカム触媒の上流側端面からの長さをLrとしたとき、LR/Lr<1の関係を満たす、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 上記セル部の壁厚は、1.5~12milである、請求項1~3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  5. 上記セル部におけるセル密度は、200~1200cpsiである、請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  6. 上記セル部における気孔率は、80%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
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