JP2023060394A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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Hiromasa Suzuki
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智章 砂田
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Abstract

【課題】被水による基材の割れを防止するとともに、高い強度を有する排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】排ガス浄化装置1は、内燃機関の排ガス流路100に設けられる。そして、排ガス浄化装置1は、ハニカム触媒10を備える。ハニカム触媒10は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む基材11に、触媒が担持されてなる。そして、ハニカム触媒は、互いに気孔率の異なる第1領域15と第2領域16とを含む。第1領域15は、排ガス流れ方向Xにおいて、第2領域16よりも上流側X1に位置し、第1領域15における基材11の気孔率は、第2領域16における基材11の気孔率よりも低い。【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化装置に関する。
自動車等の内燃機関の排ガス浄化装置として、浄化作用を有する触媒を基材に担持させた触媒担持構造を有するものが広く使用されている。近年、排ガス規制の厳格化に伴って、排ガス浄化用の触媒の早期活性化が要求されているが、上記触媒担持構造においては触媒を担持する基材が浄化作用に実質的に関与しておらず、全体として熱容量が大きくなり触媒の早期活性化が阻害されている。さらに、触媒作用を高めるために触媒とともに助触媒を基材に担持させることも行われている。しかしながら、通常、助触媒及び触媒は500℃程度の比較的低温の状態で担持されるため、1000℃程度の高温の排気環境においては助触媒及び触媒が凝集して触媒の表面積が減少して浄化作用が低下することから助触媒及び触媒の担持量を予め多くしておく必要があり、コスト高である。また、排ガスと触媒との接触面積を大きくするために、基材は例えば複数のセルを有するハニカム状とすることができる。しかしながら、セル壁の表面に助触媒及び触媒が担持された状態であるため、セルの目詰まりにより圧損が上昇しやすく、浄化作用が低下しやすい。
かかる触媒担持構造の問題を解消すべく、特許文献1には、助触媒であるセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含むハニカム構造を有する基材に触媒を担持したハニカム触媒が排ガス流路に設けられる構成が開示されている。当該ハニカム触媒では、基材自身が助触媒を主原料として含むため、触媒作用に実質的に関与しない骨格を用いる必要がないとともに、従来のコージェライトなどに比べて軽量である。そのため、全体として熱容量を低減でき早期活性化を促すことができる。また、基材は助触媒を1100℃程度の高温で焼成した後、低温で触媒を当該基材に担持しているため、高温の排気環境においても助触媒の凝集が抑制されるとともに、これに伴って触媒の凝集も低減される。そのため、触媒の表面積の減少が抑制されて浄化作用の低下が防止される。また、助触媒及び触媒を担持させる場合に比べて、基材表面に助触媒を担持させる必要がないため、圧損の上昇が抑制されて浄化作用の低下が防止される。
特開2017-006827号公報
しかしながら、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含むハニカム構造を有する基材は多孔質からなる。そのため、排ガス流路内を流通する排ガスに含まれる水蒸気が液化して基材が被水すると、水の一部は基材の細孔から吸収されて基材に浸入することとなる。そして、基材は浸水した部分が膨張するため、内部応力が高まって基材に割れが生じるおそれがある。そして、当該浸水は基材における気孔率が高いほど顕著となるとともに、気孔率が高いほど欠陥起点が発生しやすく基材の強度も低下することとなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、被水による基材の割れを防止するとともに、高い強度を有する排ガス浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、内燃機関の排ガス流路(100)に設けられる排ガス浄化装置(1)であって、
ハニカム構造を有するとともにセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む基材(11)に、触媒が担持されてなるハニカム触媒(10)を備え、
上記ハニカム触媒は、互いに気孔率の異なる第1領域(15)と第2領域(16)とを含み、
上記第1領域は、排ガス流れ方向において、上記第2領域よりも上流側に位置し、
上記第1領域における基材の気孔率は、上記第2領域における基材の気孔率よりも低い、排ガス浄化装置にある。
上記排ガス浄化装置において、排ガスに含まれる水蒸気が液化した水は排ガスとともに、排ガス流路の上流側からハニカム触媒に到達するため、ハニカム触媒は上流側が被水しやすい。そして、上述のようにハニカム触媒は上流側に位置する第1領域と下流側に位置する第2領域とを備え、被水しやすい上流側の第1領域における基材の気孔率が第2領域における基材の気孔率よりも低くなっている。これにより、ハニカム触媒が被水しても、基材の細孔から水が吸収されて基材の内部に水が浸入することが抑制される。その結果、基材の被水による基材の割れが抑制される。さらに、上流側の第1領域において欠陥起点の発生が抑制されて基材の強度も高くなるため、ハニカム触媒全体として強度の向上が図られる。
以上のごとく、上記態様によれば、被水による基材の割れを防止するとともに、高い強度を有する排ガス浄化装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、排ガス浄化装置の構成を示す概念断面図。 実施形態1における、ハニカム触媒の構成を示す概念図。 実施形態1における、(a)第1領域の断面拡大図、(b)第2領域の断面拡大図。 実施形態1における、細孔径と細孔容積との関係を示す図。 実施形態1における、細孔径と累積の細孔容積との関係を示す図。 確認試験1における、試験結果を示す図。 確認試験2の試験結果を示す図。 実施形態2における、排ガス浄化装置の構成を示す概念断面図。 確認試験3の試験結果を示す図。 確認試験4の試験結果を示す図。 確認試験5の試験結果を示す図。
(実施形態1)
上記排ガス浄化装置の実施形態について、図1~図6を用いて説明する。
本実施形態の排ガス浄化装置1は、図1に示すように、内燃機関の排ガス流路100に設けられる。そして、排ガス浄化装置1は、ハニカム触媒10を備える。
ハニカム触媒10は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む基材11に、触媒が担持されてなる。
そして、ハニカム触媒10は、互いに気孔率の異なる第1領域15と第2領域16とを含む。
第1領域15は、排ガス流れ方向Xにおいて、第2領域16よりも上流側X1に位置し、
第1領域15における基材11の気孔率は、第2領域16における基材11の気孔率よりも低い。
以下、本実施形態の排ガス浄化装置1について、詳述する。
図1に示すように、排ガス浄化装置1は金属製のケーシング30を有する。ケーシング30は筒状をなしており、ケーシング30内にハニカム触媒10が保持されている。ケーシング30の第1端部31は開口しており、排ガス流路100の上流側X1に接続されている。ケーシング30の第2端部32は開口しており、排ガス流路100の下流側X2に接続されている。これにより、排ガスF1が排ガス浄化装置1に流入し、浄化されて排ガスF2として排出される。ケーシング30とハニカム触媒10との間には、マット33が介在している。マット33は、ハニカム触媒10を周方向に覆うように設けられている。マット33は弾性を有する部材からなり、マット33を介してケーシング30によりハニカム触媒10が内側に押し付けられるようになっている。
図2に示すハニカム触媒10を構成する基材11はセル部12とスキン部13とを含む。セル部12はハニカム構造を有している。ハニカム構造とは、多孔質のセル壁12aにより、排ガスの流路となる複数のセル14が区画形成された構造である。本実施形態では、各セル14における排ガス流れ方向Xの両端部は目封じされずに開放されており、各セル14は排ガス流れ方向Xにおいて連通している。排ガス流れ方向Xに直交する断面におけるセル14の形状は特に限定されず、図2に示すように四角形としたり、これに替えて六角形としたりすることができる。スキン部13は、セル部12の外周に設けられており、基材11の外周壁を構成している。
図2に示す基材11はセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。セリア-ジルコニア固溶体は、助触媒として機能する。助触媒とは、自分単独では触媒作用をもたらせないが、所定の触媒における触媒反応を補助する作用をもたらすものをいう。例えば、セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主成分とする原料粒子と、該原料粒子同士を接合する無機バインダを含む材料とから構成することができる。また、基材11は、貴金属を含んでいてもよい。当該貴金属としては、触媒作用をもたらす金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウムなどを採用することができる。無機バインダとしては、γ-アルミナ、θ-アルミナ、α-アルミナなどのアルミナや他の公知のものを採用することができる。中でも無機バインダとして、γ-アルミナを採用することが好ましい。γ-アルミナは立方晶系の結晶構造を有して比表面積が高いため、触媒作用の向上に寄与する。一方、無機バインダとしてγ-アルミナ、θ-アルミナ、α-アルミナのうちのいずれかまたは全てを共存させてもよい。これにより、基材11の製造工程において、より高い焼成温度でセル部12を焼結させることができ、高温となる排ガス流路100においてセル部12のハニカム構造を維持しやすくなる。なお、基材11においてセル部12とスキン部13とは同一の組成であってよいし、異なる組成であってもよい。本実施形態では、基材11を構成するセル部12及びスキン部13は、主原料としてのセリア-ジルコニア固溶体と、無機バインダとしてのアルミナとからなるACZ基材とした。
基材11の成形方法は限定されないが、例えば、セル部12の原材料を含む坏土を所定の金型を用いた押し出し成型によりハニカム形状とした後、スキン部13の原材料を含む坏土をセル部12の外周に塗り付けてから焼成することにより基材11を成形することができる。
図2に示す基材11におけるセル壁12aの厚さTは、例えば1.5~12milとすることができ、好ましくは1.5~3.5milとすることができる。また、セル部12のセル密度は、例えば200~1200cpsiとすることができ、好ましくは600~1200cpsiとすることができる。
図2に示すように、ハニカム触媒10の外形は円柱形をなしている。ハニカム触媒10は、高さ方向が排ガス流れ方向Xに一致するように配されて、ハニカム触媒10の排ガス流れ方向Xの両端面の中心を通る仮想線である第1の中心軸10aが排ガス流れ方向Xと平行となっている。
図1及び図2に示すように、ハニカム触媒10は、第1領域15と第2領域16とを含む。第1領域15は第2領域16よりも上流側X1に位置している。第1領域15における基材11の気孔率は、第2領域16における基材11の気孔率よりも低い。例えば、第1領域15における基材11の気孔率は30%以上50%以下とすることができ、第2領域16における基材11の気孔率は50%より大きく60%以下とすることができる。なお、図示しないがハニカム触媒10における基材11は、第2領域16の下流側X2に、気孔率が第2領域16と同等か第2領域16よりも低い第3領域を備えていてもよい。
基材11の気孔率を調整する方法は限定されないが、第1領域15及び第2領域16において基材11に含まれる無機バインダの組成を異なるようにすることにより、第1領域15と第2領域16とにおいて気孔率が異なるように調整することが例示できる。例えば、基材11において、無機バインダの組成は限定されないが、上流側X1の第1領域15は下流側X2の第2領域よりも、無機バインダとしての多くのα-アルミナが存在するようにして気孔率を調整することができる。具体的には、まず、無機バインダとしてγ-アルミナを含む基材11を気孔率が50~60%となるように作成する。その後、基材11において上流側X1に位置する上流側端面15aをバーナ等で加熱する。これにより、基材11の上流側X1の所定の範囲に含まれる無機バインダとしてのγ-アルミナの相転移を促してα-アルミナの存在量を増すことにより、基材11において上流側X1に位置する第1領域15の気孔率を30%以上50%以下とし、下流側X2に位置する第2領域16の気孔率を50%より大きく60%以下とすることができる。このように成形することで、基材11の上流側端面15aを気孔率の低い第1領域15に含むことができる。本実施形態では、基材11において、排ガス流れ方向Xにおいて、上流側端面15aから40mmまでが第1領域15としており、第1領域15よりも下流側X2がすべて第2領域16としている。なお、基材11の気孔率を調整する方法は、第1領域15と第2領域16の無機バインダの組成を変えることに替えて、第1領域15の基材11を公知の材料でコートすることにより、第1領域15の基材11の気孔率を低下させることで調整することができる。
図1に示す第1領域15における排ガス流れ方向Xの長さL1と、第2領域16における排ガス流れ方向Xの長さL2は限定されないが、L1とL2とを合わせた基材11の全長L1+L2は、例えば、80~120mmとすることができる。
基材11における排ガス流れ方向の長さL1+L2と気孔率との関係について、以下の検証を行った。長さL1+L2が10~40mmの基材11において、気孔率32.8%の低気孔率である場合と気孔率が60%の高気孔率である場合とについて、被水による割れの発生の有無について確認したところ、低気孔率の場合は割れは生じないが、高気孔率の場合は割れが生じた。一方、基材11の長さL1+L2が50mm以上では、いずれの場合も割れは生じなかった。これにより、基材11の長さL1+L2は少なくとも40mm以上であることが好ましい。
本実施形態では、基材11における第1領域15の気孔率を32.8%ととし、第2領域16の気孔率を60%ととした。そして、本実施形態における基材11の第1領域15のSEM断面を図3(a)に示し、第2領域16のSEM断面図を図3(b)に示した。図3(b)に示す第2領域16のSEM断面図では細孔16bが散見されて緻密さに欠けるのに対して、図3(a)に示す第1領域15のSEM断面図では断面がより緻密になっていることが見て取れる。
また、本実施形態の基材11の第1領域15及び第2領域16における細孔径と細孔容積との関係を図4に示し、細孔径と累積の細孔容積との関係を図5に示した。図4及び図5から、第2領域16では、細孔径が比較的小さい値における細孔容積が大きくなっていることから、細孔径が比較的小さい細孔が多数存在することが見て取れる。一方、これに対して第1領域15では、細孔径が比較的小さい細孔は少なく比較的細孔径の大きい値ものが増えているが、累積の細孔容積は減少していることが見て取れる。これらから、第2領域16は細孔から多くの水が浸入しやすい状態であり、第1領域15は第2領域16に比べて細孔から水が浸入しにくい状態であることが推察される。
基材11には、図示しない触媒が担持されている。本実施形態では、触媒としてPt、Pd、Rhを含む三元触媒を採用している。基材11に触媒とともにさらに助触媒を担持させてもよい。
(確認試験1)
確認試験1として、基材11における第1領域15及び第2領域16のそれぞれのX線回析スペクトルを取得し、結晶構造解析を行った。解析は、X線回析装置(リガク社製、製品名SmartLab)を用いた。取得したそれぞれのX線回析スペクトルを図6に示した。
図6に示すように、第1領域15のX線回析スペクトルは、第2領域16のX線回析スペクトルよりもピークがブロード化していることから、第1領域15の結晶性が低下していることが示された。α-アルミナの結晶構造は三方晶系であって、立方晶系の結晶構造を有するγ-アルミナに比べて、ピークにおけるX線回析スペクトルの検出強度が低く検出される。したがって、第1領域15は、第2領域16に比べて、α-アルミナが多く存在するものと推察された。
(確認試験2)
次に確認試験2として、基材11における第1領域15及び第2領域16のそれぞれの強度を比較するための強度試験を行った。基材11の試験片は3個用意し、それぞれ、厚さ3mm、幅7mm、長さ40mmとし、セル壁12aの厚さTは68μm(2.677mil)、セルピッチは0.7mmであった。試験条件は、JIS
R 1601:2008(ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法)に準じて、4点曲げとし、上支点間距離を10mm、下支点間距離を30mmとした。それぞれの試験結果を図7に示した。
図7に示すように、第1領域15の平均強度は第2領域16の平均強度に比べて十分高い値を示すことが確認された。これにより、第1領域15は第2領域16に比べて、欠損が生じにくいと推察される。
次に、本実施形態1の排ガス浄化装置1における作用効果について、詳述する。
本実施形態1の排ガス浄化装置1では、排ガスに含まれる水蒸気が液化した水は排ガスとともに、排ガス流路100の上流側X1からハニカム触媒10に到達するため、ハニカム触媒10は上流側X1が被水しやすい。そして、上述のようにハニカム触媒10は上流側X1に位置する第1領域15と下流側X2に位置する第2領域16とを備え、被水しやすい上流側X1の第1領域15における基材11の気孔率が第2領域16における基材11の気孔率よりも低くなっている。これにより、ハニカム触媒10が被水しても、基材11の細孔から水が吸収されて基材11の内部に水が浸入することが抑制される。その結果、基材11の被水による基材11の割れが抑制される。さらに、上流側X1の第1領域15において欠陥起点の発生が抑制されて基材11の強度も高くなるため、ハニカム触媒10全体として強度の向上が図られる。
本実施形態1では、基材11は、無機バインダとして少なくともα-アルミナを含み、第1領域15には第2領域16よりも多くのα-アルミナが存在している。これにより、第1領域15の気孔率を第2領域16の気孔率よりも容易に低くすることができる。
本実施形態1では、第1領域15は、ハニカム触媒10の上流側端面15aを含む。これにより、最も被水しやすい上流側端面15aを気孔率の低い第1領域15に含むようにすることで、基材11への水の侵入を一層抑制することができる。
以上のごとく、上記態様によれば、被水による基材11の割れを防止するとともに、高い強度を有する排ガス浄化装置1を提供することができる。
(実施形態2)
上記実施形態1の排ガス浄化装置1では、ハニカム触媒10が単一の基材11を有するものとしたが、これに限らず、ハニカム触媒10が複数の基材を備える構成としてもよい。図8に示す実施形態2の排ガス浄化装置1では、ハニカム触媒10は基材11として、第1基材111と第2基材112とを備える。そして、第1基材111がハニカム触媒10における第1領域15の基材を構成し、第2基材112がハニカム触媒10における第2領域16の基材を構成している。本実施形態2において、上述の実施形態1と同等の部材には、同一の符号を付してその説明を省略する。
上述の実施形態1では、基材11の上流側X1を加熱して気孔率を低下させて第1領域15を形成し、加熱されていない下流側X2を第2領域16とした。これに替えて、本実施形態2では、予め気孔率を30~50%の範囲内に調整した基材を用意してこれをL1の長さ分切り出したものを第1基材111とした。また、予め気孔率を50%より大きく60%以下の範囲内に調整した基材を用意してこれをL2の長さ分切り出したものを第2基材112とした。気孔率の調整は公知の方法により行うことができる。
本実施形態2では、図2に示すように、ハニカム触媒10において第1領域15と第2領域16との間に空間部17が設けられている。排ガス流れ方向Xにおける空間部17の長さは適宜設定することができる。
本実施形態2においても実施形態1と同等の作用効果を奏する。
(確認試験3)
次に、図8に示すハニカム触媒10におけるセル壁12aの厚さTについて、以下の確認試験3を行った。
確認試験3では、まず、試験例1として、実施形態2の排ガス浄化装置1において、第1基材111及び第2基材112をACZ基材からなるものとした。そして、試験例1において第1基材111及び第2基材112におけるセル密度を600cpsiとし、セル壁の厚さを1.0~15milの範囲内で変更した。
また、試験例2として、実施形態2の排ガス浄化装置1において、上流側X1に位置する第1領域15の構成は試験例1と同様としたうえで、下流側X2に位置する第2領域16における第2基材112がコージェライトからなるものを採用し、第2基材112に助触媒及び触媒を担持させた。そして、試験例2において第1基材111におけるセル密度を600cpsiとし、セル壁の厚さを1.0~15milの範囲内で変更した。また、試験例2において第2の基材21におけるセル壁12aの厚さTは2.5milとし、セル密度は600cpsiとした。
確認試験3における試験条件は、2.0Lガソリン過給直噴車両において、排ガス浄化装置をターボチャージャの後段に搭載し、シャシダイナモによる試験として欧州規制運転モードであるWLTCモードで走行させ、-7℃のコールドスタートによるBag-1フェーズにおけるHC浄化率を取得するものとした。HC浄化率は、図8に示す排ガス浄化装置1に流入する排ガスF1におけるHC(炭化水素)の濃度に対する、排ガス浄化装置1から排出された排ガスF2におけるHCの濃度の低下率である。なお、前処理として、試験例1、2において、所定温度の排ガスで50時間の耐久処理を行った。そして、確認試験3の試験結果を図9に示した。
図9に示すように、確認試験3の試験結果において、試験例1、2のいずれも、ハニカム触媒10のセル壁12aの厚さTが1.5~12milの範囲内において、HC浄化率が高い状態に維持されることが確認された。また、セル壁12aの厚さTが2.5~5.0milの範囲内において、HC浄化率が一層高い状態に維持されることが確認された。なお、試験例1、2はいずれも同等のHC浄化率を示していた。そして、セル壁12aの厚さTが1.5mil未満では、助触媒を主原料として含むセル壁12aが薄くなり助触媒が少なくなるため触媒作用が低下したものと推察される。また、セル壁12aの厚さTが12milを超える場合には、ハニカム触媒10の質量が大きくなるため早期活性化が阻害されたものと推察される。
(確認試験4)
次に、ハニカム触媒10のセル密度について、以下の確認試験4を行った。なお、確認試験4における試験条件は、上記確認試験3と同様である。確認試験4では、試験例3として、上記確認試験3における試験例1と同様の構成において第1領域15及び第2領域16におけるセル壁12aの厚さTを3.5milとするとともに、第1領域15及び第2領域16のセル密度を変更したものを用意した。また、試験例4として、上記確認試験3における試験例2と同様の構成において第1領域15におけるセル壁12aの厚さTを3.5milとし、第2領域16におけるセル壁12aの厚さTを2.5milとするとともに、第1領域15のセル密度を変更したものを用意した。そして、試験結果を図10に示した。
図10に示すように、確認試験4の試験結果において、試験例3、4のいずれにおいても、セル密度が200~1200cpsiにおいて、HC浄化率が高い状態に維持されることが確認された。そして、セル密度が200cpsi未満の場合は、触媒が不足して触媒作用が十分に得られないものと推察される。一方、セル密度が1200cpsiを超える場合は、ハニカム触媒10の質量が大きくなるため早期活性化が阻害されたものと推察される。また、試験例3は、試験例4に比べて、HC浄化率が若干高いことが確認された。これは、第2領域16における第2基材112が助触媒を主原料として含むACZ基材であることにより軽量化が図られたため、第2領域16の早期活性化が図られたものと推察される。
(確認試験5)
次に、ハニカム触媒10の第1領域15の長さについて、以下の確認試験5を行った。なお、確認試験5における試験条件は、上記確認試験3と同様である。確認試験5では、試験例5として、上記確認試験3における試験例1と同様の構成において第1領域15及び第2領域16におけるセル壁12aの厚さTを3.5milとし、セル密度を600cpsiするとともに、第1領域15の長さL1を変更したものを用意した。また、試験例6として、上記確認試験3における試験例2と同様の構成において第1領域15におけるセル壁12aの厚さTを3.5milとし、第2領域16におけるセル壁12aの厚さTを2.5milとするとともに、第1領域15及び第2領域16における600cpsiとし、第1領域15の長さL1を変更したものを用意した。なお、試験例5、6において、ハニカム触媒10の全体の長さL1+L2が100mmとなるように、第1領域15の長さL1を変更するのに合わせて第2領域16も適宜変更している。そして、確認試験5の試験結果を図11に示した。
図10に示すように、確認試験5の試験結果において、試験例5、6のいずれにおいても、第1領域15の長さL1が40mm以下において、HC浄化率が高い状態に維持されることが確認された。そして、第1領域15の長さL1が40mmを超える場合は、ハニカム触媒10において、低気孔率としたことに基づいて細孔容積及び比表面積が低下して触媒担持量が減少した第1領域15の占める割合が多くなる。そのため、全体として触媒量が減少してHC浄化率が低下したと推察される。
なお、上述の確認試験3~5は実施形態2の排ガス浄化装置1について行ったものであるが、実施形態1の排ガス浄化装置1についても同等の結果が得られる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 排ガス浄化装置
10 ハニカム触媒
11 基材
111 第1基材
112 第2基材
12 セル部
12a セル壁
13 スキン部
14 セル
15 第1領域
16 第2領域
30 ケーシング
33 マット
100 排ガス流路

Claims (7)

  1. 内燃機関の排ガス流路(100)に設けられる排ガス浄化装置(1)であって、
    ハニカム構造を有するとともにセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む基材(11)に、触媒が担持されてなるハニカム触媒(10)を備え、
    上記ハニカム触媒は、互いに気孔率の異なる第1領域(15)と第2領域(16)とを含み、
    上記第1領域は、排ガス流れ方向において、上記第2領域よりも上流側に位置し、
    上記第1領域における基材の気孔率は、上記第2領域における基材の気孔率よりも低い、排ガス浄化装置。
  2. 上記基材は、無機バインダとして少なくともα-アルミナを含み、上記第1領域には上記第2領域よりも多くのα-アルミナが存在している、請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 上記第1領域は、上記ハニカム触媒の上流側端面(15a)を含む、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 上記第1領域は、排ガス流れ方向において、上記ハニカム触媒の上流側端面から少なくとも40mmの位置にわたって形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  5. 上記第1領域における上記基材の気孔率は30%以上50%以下であり、上記第2領域における上記基材の気孔率は50%より大きく60%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  6. 上記ハニカム触媒における壁厚は、1.5~12milである、請求項1~5のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  7. 上記ハニカム触媒におけるセル密度は、200~1200cpsiである、請求項1~6のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
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