JP2023060396A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023060396A
JP2023060396A JP2021169979A JP2021169979A JP2023060396A JP 2023060396 A JP2023060396 A JP 2023060396A JP 2021169979 A JP2021169979 A JP 2021169979A JP 2021169979 A JP2021169979 A JP 2021169979A JP 2023060396 A JP2023060396 A JP 2023060396A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
exhaust gas
catalyst
thermal expansion
skin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021169979A
Other languages
English (en)
Inventor
豪 今村
Takeshi Imamura
大 垣花
Masaru Kakihana
宏昌 鈴木
Hiromasa Suzuki
智章 砂田
Tomoaki Sunada
義輝 矢澤
Yoshiteru Yazawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyota Motor Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2021169979A priority Critical patent/JP2023060396A/ja
Publication of JP2023060396A publication Critical patent/JP2023060396A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Landscapes

  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

【課題】高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒におけるセル部の破損の防止が図られた排ガス浄化装置を提供する。【解決手段】排ガス浄化装置は、内燃機関の排ガス流路に設けられる。そして、排ガス浄化装置1は、ハニカム触媒10を備える。ハニカム触媒10は、基材11と、基材11に担持された触媒とを有する。基材11は、ハニカム構造を有するセル部12と、セル部12の外周に設けられるスキン部13とを含む。セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。そして、セル部12の熱膨張係数は、スキン部13の熱膨張係数よりも小さく、50~800℃の温度域における両熱膨張係数の差が1.90ppm/℃以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、排ガス浄化装置に関する。
自動車等の内燃機関の排ガス浄化装置として、浄化作用を有する触媒を基材に担持させた触媒担持構造を有するものが広く使用されている。近年、排ガス規制の厳格化に伴って、排ガス浄化用の触媒の早期活性化が要求されているが、上記触媒担持構造においては触媒を担持する基材が浄化作用に実質的に関与しておらず、全体として熱容量が大きくなり触媒の早期活性化が阻害されている。さらに、触媒作用を高めるために触媒とともに助触媒を基材に担持させることも行われている。しかしながら、通常、助触媒及び触媒は500℃程度の比較的低温の状態で担持されるため、1000℃程度の高温の排気環境においては助触媒及び触媒が凝集して触媒の表面積が減少して浄化作用が低下することから助触媒及び触媒の担持量を予め多くしておく必要があり、コスト高である。また、排ガスと触媒との接触面積を大きくするために、基材は例えば複数のセルを有するハニカム状とすることができる。しかしながら、セル壁の表面に助触媒及び触媒が担持された状態であるため、セルの目詰まりにより圧損が上昇しやすく、浄化作用が低下しやすい。
かかる触媒担持構造の問題を解消すべく、特許文献1には、助触媒であるセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含むハニカム構造を有する基材に触媒を担持したハニカム触媒が排ガス流路に設けられる構成が開示されている。当該ハニカム触媒では、基材自身が助触媒を主原料として含むため、触媒作用に実質的に関与しない骨格を用いる必要がないとともに、従来のコージェライトなどに比べて軽量である。そのため、全体として熱容量を低減でき早期活性化を促すことができる。また、基材は助触媒を1100℃程度の高温で焼成した後、低温で触媒を当該基材に担持しているため、高温の排気環境においても助触媒の凝集が抑制されるとともに、これに伴って触媒の凝集も低減される。そのため、触媒の表面積の減少が抑制されて浄化作用の低下が防止される。また、助触媒及び触媒を担持させる場合に比べて、基材表面に助触媒を担持させる必要がないため、圧損の上昇が抑制されて浄化作用の低下が防止される。
特開2020-081953号公報
しかしながら、助触媒であるセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む基材は、熱膨張係数が比較的高い。これにより、高温の排ガスに接すると基材は膨張して、基材内部の応力が高くなりやすい。さらに、基材の外周部は排ガス流路を構成する配管により拘束されているため、基材が過度に膨張すると配管からの反力により基材内部における応力が一層高まり、基材内部のセル部が破損するおそれがある。そのため、セル部の破損を防止するために改善の余地がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒におけるセル部の破損の防止が図られた排ガス浄化装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、内燃機関の排ガス流路(100)に設けられる排ガス浄化装置(1)であって、
ハニカム構造を有するセル部(12)と該セル部の外周に設けられるスキン部(13)とを含む基材(11)と、上記基材に担持された触媒と、を有するハニカム触媒(10)を備え、
上記セル部は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含み、
上記セル部の熱膨張係数は、上記スキン部の熱膨張係数よりも小さく、50~800℃の温度域における両熱膨張係数の差が1.90ppm/℃以下である、排ガス浄化装置にある。
上記排ガス浄化装置においては、セル部は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。これにより、触媒作用に実質的に関与しない骨格を用いる必要がないため、熱容量を低減でき早期活性化を促すことができるとともに、触媒の表面積の減少が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。また、基材表面に助触媒を担持させる必要がないため、圧損の上昇が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。これらにより、高い排ガス浄化作用を奏することができる。そして、セル部の熱膨張係数はスキン部の熱膨張係数よりも小さく、50~800℃の温度域における両熱膨張係数の差が1.90ppm/℃以下となっている。これにより、高温の排ガスにより基材が昇温しても、スキン部がセル部を押す力とハニカム触媒を保持するケーシング側から基材に押し付けられる力の合計を、セル部がスキン部を押す力よりも小さくすることができるため、セル部とスキン部との間における応力集中が緩和されてセル部の破損が抑制される。
以上のごとく、上記態様によれば、高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒におけるセル部の破損の防止が図られた排ガス浄化装置を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、排ガス浄化装置の構成を示す概念断面図。 実施形態1における、ハニカム触媒の構成を示す概念図。 実施形態1における、熱膨張係数の温度依存性を示す図。 確認試験2の試験結果を示す図。 確認試験3の試験結果を示す図。 確認試験4の試験結果を示す図。
(実施形態1)
上記排ガス浄化装置の実施形態について、図1~図6を用いて説明する。
本実施形態の排ガス浄化装置1は、図1に示すように、内燃機関の排ガス流路100に設けられる。そして、排ガス浄化装置1は、ハニカム触媒10を備える。
ハニカム触媒10は、図2に示すように、基材11と、基材11に担持された触媒とを有する。基材11は、ハニカム構造を有するセル部12と、セル部12の外周に設けられるスキン部13とを含む。
セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。
セル部12の熱膨張係数は、スキン部13の熱膨張係数よりも小さく、50~800℃の温度域における両熱膨張係数の差が1.90ppm/℃以下である。
以下、本実施形態の排ガス浄化装置1について、詳述する。
図1に示すように、排ガス浄化装置1は金属製のケーシング30を有する。ケーシング30は筒状をなしており、ケーシング30内にハニカム触媒10が保持されている。ケーシング30の第1端部31は開口しており、排ガス流路100の上流側X1に接続されている。ケーシング30の第2端部32は開口しており、排ガス流路100の下流側X2に接続されている。これにより、排ガスF1が排ガス浄化装置1に流入し、浄化されて排ガスF2として排出される。ケーシング30とハニカム触媒10との間には、マット33が介在している。マット33は、ハニカム触媒10を周方向に覆うように設けられている。マット33は弾性を有する部材からなり、マット33を介してケーシング30によりハニカム触媒10が内側に押し付けられるようになっている。
図2に示すハニカム触媒10を構成する基材11はセル部12とスキン部13とを含む。セル部12はハニカム構造を有している。ハニカム構造とは、多孔質のセル壁12aにより、排ガスの流路となる複数のセル14が区画形成された構造である。本実施形態では、各セル14における排ガス流通方向Xの両端部は目封じされずに開放されており、各セル14は排ガス流通方向Xにおいて連通している。排ガス流通方向Xに直交する断面におけるセル14の形状は特に限定されず、図2に示すように四角形としたり、これに替えて六角形としたりすることができる。なお、図2に示すようにセル14の角部14aは湾曲させてもよい。
図2に示すセル部12はセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。セリア-ジルコニア固溶体は、助触媒として機能する。助触媒とは、自分単独では触媒作用をもたらせないが、所定の触媒における触媒反応を補助する作用をもたらすものをいう。例えば、セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主成分とする原料粒子と、該原料粒子同士を接合する無機バインダを含む材料とから構成することができる。また、セル部12は、貴金属を含んでいてもよい。当該貴金属としては、触媒作用をもたらす金、銀、銅、白金、パラジウム、ロジウムなどを採用することができる。無機バインダとしては、γ-アルミナ、θ-アルミナ、α-アルミナなどのアルミナや他の公知のものを採用することができる。中でも無機バインダとして、γ-アルミナを採用することが好ましい。γ-アルミナは立方晶系の結晶構造を有して比表面積が高いため、触媒作用の向上に寄与する。一方、無機バインダとしてγ-アルミナ、θ-アルミナ、α-アルミナのうちのいずれかまたは全てを共存させてもよい。これにより、セル部12の製造工程において、より高い焼成温度でセル部12を焼結させることができ、高温となる排ガス流通においてセル部12のハニカム構造を維持しやすくなる。本実施形態では、セル部12は主原料としてのセリア-ジルコニア固溶体と、無機バインダとしてのγ-アルミナとからなるACZ基材とした。
図2に示すスキン部13は、セル部12の外周に設けられており、基材11の外周壁を構成している。スキン部13は、セル部12よりも高い熱膨張係数を有する。そして、50~800℃の温度域におけるセル部12とスキン部13との熱膨張係数(CTE)の差は、1.90ppm/℃以下であり、好ましくは1.18ppm/℃以下である。スキン部13の主原料はセル部12と同一とすることができ、スキン部13の無機バインダはフォルステライト又はジルコニアとすることができる。また、スキン部13の無機バインダは窒化アルミニウムとしてもよい。
熱膨張係数は温度依存性を示すものであり、図3に示すように、主原料としてセリア-ジルコニア固溶体を用いるとともに無機バインダとしてγ-アルミナを用いたACZ基材の熱膨張係数P、主原料としてセリア-ジルコニア固溶体を用いて無機バインダとしてジルコニアを用いた基材の熱膨張係数Rは、互いに異なる温度依存性を示す。そして、無機バインダとしてジルコニアを用いた基材の熱膨張係数RはACZ基材の熱膨張係数Pよりも高くなっている。例えば、800℃におけるACZ基材の熱膨張係数Pは6.4ppm/℃であり、無機バインダとしてジルコニアを用いた基材の熱膨張係数Qは8.3ppm/℃であり、両者の差分は1.90ppm/℃となっている。
基材11の成形方法は限定されないが、例えば、セル部12の原材料を含む坏土を所定の金型を用いた押し出し成型によりハニカム形状とした後、スキン部13の原材料を含む坏土をセル部12の外周に塗り付けてから焼成することにより基材11を成形することができる。
基材11には、図示しない触媒が担持されている。本実施形態では、触媒としてPt、Pd、Rhを含む三元触媒を採用している。基材11に触媒とともにさらに助触媒を担持させてもよい。
ハニカム触媒10におけるセル部12のセル壁厚T1は、例えば1.5~12milとすることができ、好ましくは1.5~3.5milとすることができる。スキン部13の厚さT2は限定されないが、例えば0.2~0.6mm(7.87~23.62mil)とすることができる。また、セル部12のセル密度は、例えば200~1200cpsiとすることができ、好ましくは600~1200cpsiとすることができる。また、セル部12の気孔率は、例えば80%以下とすることができる。
図2に示すように、ハニカム触媒10の外形は円柱形をなしている。ハニカム触媒10は、高さ方向がガス流通方向Xに一致するように配されて、ハニカム触媒10のガス流通方向Xの両端面の中心を通る仮想線である第1の中心軸10aがガス流通方向Xと平行となっている。
(確認試験1)
次に、ハニカム触媒10におけるセル部12とスキン部13との熱膨張係数差と、熱ストレスとの関係についてのシミュレーション試験として、以下の確認試験1を行った。
確認試験1では、まず、すべての試験例及び比較例において、上述の実施形態1の排ガス浄化装置1において、ハニカム触媒10のセル部12をACZからなるものとし、セル部12のセル壁厚T1を3.5mil、スキン部13の厚さT2を0.4mm、セル密度を600cpsi、気孔率を60%とし、角部14aの曲率半径は0.01mmとした。また、ハニカム触媒10の外形は、直径103mm、長さ105mmとした。そのうえで、下記の表1に示すように、試験例1ではスキン部13の無機バインダをフォルステライトとし、試験例2ではスキン部13の無機バインダをジルコニアとし、比較例1ではスキン部13をセル部12と同じくACZからなるものとし、比較例2ではスキン部13の無機バインダを炭化ケイ素SiCとした。
確認試験1では、温度800℃均一に加熱したときのセル部12とスキン部13との間に生じるストレスσを算出する。当該ストレスσは、図2に示すように、熱膨張したスキン部13がセル部12を押す力Aと、熱膨張したセル部12がスキン部13を押す力Bと、スキン部13がマット33を介してケーシング30から受けるストレスである外周面圧Cとに基づいて、A+C-Bとして算出される。そして、A及びBは、ヤング率×熱膨張係数(CTE)×温度変化量により算出することができる。また、確認試験1では外周面圧Cは0.80MPaとしている。各値は下記の表1に示す通りである。なお、50~800℃の温度域におけるスキン部13の熱膨張係数CTEからセル部12の熱膨張係数CTEを差し引いた値を、表1に「CTE差」として示した。また、ヤング率は、測定装置(日本テクノプラス社製、型番JE2-RT)を用いて、日本産業規格JIS R 1602-1995の規定に基づく引張試験により取得した。また、熱膨張係数は、測定装置(アドバンス理工社製、型番DLY-9600ROBOT)を用いて、日本産業規格JIS Z2285の規定に基づく試験により取得した。
Figure 2023060396000002
表1に示すように、試験例1及び試験例2では、スキン部13のCTEはセル部12よりも大きいため、スキン部13はセル部12よりも高熱膨張となっており、50~800℃の温度域における両者のCTE差は1.90ppm/℃以下である。一方、比較例1では、セル部12とスキン部13は互いに同一材料からなるため、両者にCTE差はない。また、比較例2では、スキン部13はセル部12よりも低熱膨張となっている。
表1に示すように、試験例1及び試験例2のセル部12とスキン部13との間に生じるストレスσは、比較例1及び比較例2よりも小さいことが示された。これにより、スキン部13をセル部12よりも高熱膨張とするとともに50~800℃の温度域における両者のCTE差を1.90ppm/℃以下とすることで、セル部12とスキン部13との間に生じるストレスσを小さくでき、セル部12とスキン部13との間における応力集中が緩和されてセル部の破損が抑制される。ことが示された。
(確認試験2)
次に、図2に示すハニカム触媒10におけるセル部12のセル壁12aの厚さT1と熱ストレスとの関係について、以下の確認試験2を行った。なお、確認試験2における試験条件は、上記確認試験1と同様である。確認試験2では、上述の試験例1において、図4に示すように、セル部12のセル壁12aの厚さT1をそれぞれ変化させたときの熱ストレスσを確認試験1と同様に算出した。
図4に示すように、確認試験2の試験結果において、ハニカム触媒10のセル部12のセル壁厚T1が1.5~12milの範囲内において、熱ストレスが低く維持されており、ハニカム触媒10に割れが生じていないことが確認された。そして、セル壁厚T1が1.5mil未満の場合には、セル壁厚T1が過度に小さくなるため、セル部12の成形時に、成形用の金型に坏土が詰まりやすくなる。当該金型に坏土が詰まるとセル部12にセルの欠損が生じ、当該セルの欠損部において、熱ストレスによりハニカム触媒10に割れが生じやすくなると推察される。一方、セル壁厚T1が12milを超える場合には、セル壁厚T1が過度に厚くなるため、セル部12の成形時に、セル壁12aにおいて坏土の接合圧力が不足しやすくなる。坏土の接合圧力が不足すると熱ストレスによりハニカム触媒10に割れが生じやすくなると推察される。
(確認試験3)
次に、図2に示すハニカム触媒10におけるセル部12のセル密度と熱ストレスとの関係について、以下の確認試験3を行った。なお、確認試験3における試験条件は、上記確認試験1と同様である。確認試験3では、上述の試験例1において、図5に示すように、セル部12のセル密度をそれぞれ変化させたときの熱ストレスσを確認試験1と同様に算出した。
図5に示すように、確認試験3の試験結果において、ハニカム触媒10のセル密度が200~1200cpsiにおいて、熱ストレスが低く維持されており、ハニカム触媒10に割れが生じていないことが確認された。そして、セル密度が200cpsi未満の場合には、対向するセル壁12aの間隔が広くなるため、熱ストレスに起因してセル部12が変形しやすくなり、当該変形が生じるとハニカム触媒10に割れが生じるものと推察される。一方、セル密度が1200cpsiを超える場合は、セル部12の成形時において、型強度が不足して成形圧力を付与できず、セル壁12aにおいて接合圧力が不足しやすくなり、当該接合圧力が不足すると熱ストレスに起因してハニカム触媒10に割れが生じるものと推察される。
(確認試験4)
次に、図2に示すハニカム触媒10におけるセル部12の気孔率と熱ストレスとの関係について、以下の確認試験4を行った。なお、確認試験4における試験条件は、上記確認試験1と同様である。確認試験4では、上述の試験例1において、図6に示すように、セル部12の気孔率をそれぞれ変化させたときの熱ストレスσを確認試験1と同様に算出した。
図6に示すように、確認試験4の試験結果において、ハニカム触媒10の気孔率が80%以下において、熱ストレスが低く維持されており、ハニカム触媒10に割れが生じていないことが確認された。これは、セル部12において気孔は欠陥起点となる可能性があり、気孔率が80%を超える場合には、欠陥起点となりうる気孔が多数存在することとなるため、熱ストレスに起因してハニカム触媒10に割れが生じたものと推察される。また、気孔率が80%以下において、気孔率が小さくなるにつれて熱ストレスが低下することが確認された。これは、気孔率が小さくなるとセル部12の形成材料が緻密になるため、機械的強度が上昇してセル部12の歪みの発生が抑制されたものと推察される。
次に、本実施形態1の排ガス浄化装置1における作用効果について、詳述する。
本実施形態1の排ガス浄化装置1においては、セル部12は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含む。これにより、触媒作用に実質的に関与しない骨格を用いる必要がないため、熱容量を低減でき早期活性化を促すことができるとともに、触媒の表面積の減少が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。また、基材表面に助触媒を担持させる必要がないため、圧損の上昇が抑制されて浄化作用の低下を防止できる。これらにより、高い排ガス浄化作用を奏することができる。そして、セル部12の熱膨張係数はスキン部の熱膨張係数よりも小さく、50~800℃の温度域における両熱膨張係数の差が1.90ppm/℃以下となっている。これにより、高温の排ガスにより基材が昇温しても、スキン部13がセル部12を押す力Aとハニカム触媒10を保持するケーシング30側から基材11に押し付けられる力Cの合計を、セル部12がスキン部13を押す力Bよりも小さくすることができるため、セル部12とスキン部13との間における応力集中を緩和してセル部12の破損を抑制できる。
本実施形態1では、セル部12は無機バインダとしてアルミナを含み、スキン部13はセリア-ジルコニア固溶体を主原料として含むとともに無機バインダとしてフォルステイン又はジルコニアを含む。これにより、セル部12の熱膨張係数はスキン部の熱膨張係数よりも小さくかつ50~800℃の温度域における両熱膨張係数の差を1.90ppm/℃以下とすることを容易に実現でき、セル部12とスキン部13との間における応力集中を緩和してセル部12の破損を抑制できる。また、セル部12が無機バインダとしてアルミナを含むため、セル部12の製造工程において、より高い焼成温度でセル部12を焼結させることができ、その結果、高温となる排ガス流通においてセル部12のハニカム構造を維持しやすくなり、セル部12の破損を抑制できる。
本実施形態1では、セル部12の壁厚T1は、1.5~12milである。これにより、セル部12における熱ストレスを低く維持することができ、セル部12の破損を抑制できる。
本実施形態1では、セル部12におけるセル密度は、200~1200cpsiである。これにより、セル部12における熱ストレスを低く維持することができ、セル部12の破損を抑制できる。
本実施形態1では、セル部12における気孔率は、80%以下である。これにより、セル部12における熱ストレスを低く維持することができ、セル部12の破損を抑制できる。
以上のごとく、本実施形態1によれば、高い排ガス浄化作用を奏することができ、ハニカム触媒10におけるセル部12の破損の防止が図られた排ガス浄化装置1を提供することができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 排ガス浄化装置
10 ハニカム触媒
11 基材
12 セル部
12a セル壁
13 スキン部
14 セル
30 ケーシング
33 マット
100 排ガス流路

Claims (5)

  1. 内燃機関の排ガス流路(100)に設けられる排ガス浄化装置(1)であって、
    ハニカム構造を有するセル部(12)と該セル部の外周に設けられるスキン部(13)とを含む基材(11)と、上記基材に担持された触媒と、を有するハニカム触媒(10)を備え、
    上記セル部は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含み、
    上記セル部の熱膨張係数は、上記スキン部の熱膨張係数よりも小さく、50~800℃の温度域における互いの熱膨張係数の差が1.90ppm/℃以下である、排ガス浄化装置。
  2. 上記セル部は、無機バインダとしてアルミナを含み、
    上記スキン部は、セリア-ジルコニア固溶体を主原料として含むとともに無機バインダとしてフォルステイン又はジルコニアを含む、請求項1に記載の排ガス浄化装置。
  3. 上記セル部の壁厚は、1.5~12milである、請求項1又は2に記載の排ガス浄化装置。
  4. 上記セル部におけるセル密度は、200~1200cpsiである、請求項1~3のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
  5. 上記セル部における気孔率は、80%以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の排ガス浄化装置。
JP2021169979A 2021-10-18 2021-10-18 排ガス浄化装置 Pending JP2023060396A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021169979A JP2023060396A (ja) 2021-10-18 2021-10-18 排ガス浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021169979A JP2023060396A (ja) 2021-10-18 2021-10-18 排ガス浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023060396A true JP2023060396A (ja) 2023-04-28

Family

ID=86098093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021169979A Pending JP2023060396A (ja) 2021-10-18 2021-10-18 排ガス浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023060396A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6421915B1 (en) Hexagonal-cell honeycomb structure and method for fixation thereof
JP4511396B2 (ja) ハニカム構造体及びその製造方法
US7041359B2 (en) Honeycomb structure and assembly thereof
EP1726698B1 (en) Inorganic fiber aggregate, method for producing inorganic fiber aggregate, honeycomb structure and method for producing honeycomb structure
EP1382374B1 (en) Honeycomb structural body and assembly thereof
JP5185616B2 (ja) ハニカム構造体
EP1793914B1 (en) Catalyst for purifying exhaust gases
US7846865B2 (en) Catalyst for purifying exhaust gas
JP6715189B2 (ja) ハニカム構造体
KR100619128B1 (ko) 허니컴 구조체
JPWO2005005018A1 (ja) ハニカム構造体
JPS581630B2 (ja) 耐熱衝撃性セラミツクハニカム構造体
JP2003284923A (ja) ハニカム構造体及びその製造方法、並びにそれを使用した触媒体
JPH09262484A (ja) 高耐熱衝撃性セラミックハニカム触媒
JP6069072B2 (ja) ハニカム構造体、及び排ガス浄化装置
JP2023060396A (ja) 排ガス浄化装置
JP2023060397A (ja) 排ガス浄化装置
JP5831259B2 (ja) ハニカム構造体
JP2007117805A (ja) 排ガス中粒子状物質除去フィルタ担体およびフィルタ触媒体
JP2015009163A (ja) 排ガス浄化用触媒
JP2023060394A (ja) 排ガス浄化装置
JP2023060398A (ja) 排ガス浄化装置
JP2011043085A (ja) 触媒担体保持構造
JP2023060392A (ja) 排ガス浄化装置
JP7303284B1 (ja) ハニカム基材焼成用リングトレイ