JP5831259B2 - ハニカム構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、軸心方向に沿って延びる複数のセルが形成され、該セルの壁面に金属触媒を含む触媒コート層が形成された円筒状のハニカム構造体に関するものである。
従来から、内燃機関や燃料電池用改質器等の触媒作用を利用する触媒用担体、排ガス中のスス等の微粒子(特にディーゼルエンジンの排気ガス中の微粒子物質(PM))の捕集フィルタ(DPF)等には、セラミックス製のハニカム構造体の表面に貴金属からなる金属触媒が担持されてなる触媒コート層が被覆された排ガス浄化用触媒が用いられている。
ここで、一般にセラミックス製のハニカム構造体は、押し出し成形により成形された筒状の多孔質体であり、隔壁によって区画された排ガス流路となる複数のセルが、軸心方向に沿って形成されている。
ハニカム構造体からなる排ガス浄化用触媒としては、エンジンの排出ガスを浄化する触媒コンバータにヒータを設けた電気加熱式触媒(EHC)が用いられることがある。電気加熱式触媒は、ハニカム構造体を挟持するように、一対の電極を配置した構造を採っている。電気加熱式触媒を使用する際には、一対の電極間に電流を通電することにより、ハニカム構造体自体を加熱し、触媒コート層の触媒の活性を早期に高めたり、PMを除去したりすることができる。
ここで、触媒の耐久試験時、または、触媒の実車搭載後の使用時には、ハニカム構造体の温度分布の変化により、ハニカム構造体に内部応力が発生することがある。このような内部応力が繰り返されることにより、ハニカム構造体自体にクラックが生じることがあった。そこで、温度分布の変化を均一化して内部応力の発生を抑制することを目的としたハニカム構造体が特許文献1、2に開示されている。
特許文献1に開示されているハニカム構造体は、アルミノシリケート繊維、SiCウィスカとセラミックス原料粉末を互いに焼結させて構成した繊維セラミックス多孔体でハニカム構造体を形成したものである。
特許文献1に開示されているハニカム構造体によれば、アルミノシリケート繊維に加えて熱伝導性に優れたSiCウィスカを複合したことにより、ハニカム構造体の基材自体の熱伝導性を高めてハニカム構造体の外周領域へ伝熱される熱量を多くすることができ、ハニカム構造体の温度分布の均一化を図ることができる。
また、特許文献2に開示されているハニカム構造体は、多孔質のセラミックスからなるハニカム基材の外周に形成された外周材層の外周面に、ハニカム基材よりも熱伝導率の小さいマット材を配設したものである。
また、特許文献2に開示されているハニカム構造体によれば、外周材層の外周面に配されるマット材をハニカム基材よりも熱伝導率の小さい材料で形成することにより、マット材を介した外部との熱交換を抑制することができ、マット材の内部における温度勾配、特にハニカム基材の外周領域における温度勾配を小さくすることができ、ハニカム構造体の温度分布を均一化してハニカム基材の応力分布を小さくすることができる。
特開平1−252588号公報 特開2009−85202号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているハニカム構造体では、ハニカム構造体の基材全体が均一な熱伝導率を有しているため、依然としてその中心部と外縁部で大きな温度差が発生しており、ハニカム構造体の内部応力を低減することができないといった課題がある。
また、特許文献2に開示されているハニカム構造体では、内部における温度勾配を小さくして耐熱衝撃性を向上させることができるものの、ハニカム基材よりも熱伝導率の小さい材料で形成されたマット材を外周材層の外周面に配設するだけであり、ハニカム構造体自体の構造および材質は従来どおりであるので、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくすることが抜本的にはできないといった課題がある。また、マット材を配置するので、本質的には、ハニカム基材部品点数が増加してハニカム構造体の製造コストが増加することになる。
本発明は上記する課題に鑑みてなされたものであり、部品点数を増加させることなく、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくしてハニカム構造体の内部応力を抑制することにより、熱衝撃によりハニカム構造体にクラックが発生することを防止することができるハニカム構造体を提供することを目的とする。
このような点を鑑みて、発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、クラックが発生しないためには、熱応力σ=EαΔT(E:縦弾性係数、α:線膨張係数、ΔT:温度変化)の関係から、材料の物性に依存するE(縦弾性係数)、α(線膨張係数)は、選定される材料によって設定されるため、ΔT(温度変化)を低減することが好ましいと考えた。そこで、発明者らは、金属触媒の熱容量と、セラミックスとの熱容量が異なる点を利用して、ハニカム構造体に形成された複数のセルの壁面に被覆される金属触媒(触媒コート層)の目付け量を調整することにより、ハニカム構造体の局所的な熱容量を変えることができると考えた。これにより、ハニカム構造体ΔT(温度変化)を低減し、ハニカム構造体の内部応力を抑制することができるとの新たな知見を得た。
本発明は発明者らの新たな知見に基づくものであり、本発明のうち、第1発明によるハニカム構造体は、軸心方向に沿って延びる複数のセルが形成され、該セルの壁面に金属触媒を含む触媒コート層が被覆されたセラミックス製のハニカム構造体であって、該ハニカム構造体は、前記軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量が、中心領域よりも外側の外周領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量よりも多くなっていることを特徴とする。
本発明によれば、中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量よりも、外周領域における1セルあたりの前記触媒コート層に含まれる金属触媒の量が多くなっていることから、ハニカム構造体の中心領域の熱容量が、外周領域の熱容量に比べて高くなるため、中心領域の方が外周領域の方に比べて暖まり難くなる。
すなわち、外周領域は、中心領域に比べて相対的に熱容量が低くなり、従来よりも暖まりやすい。この結果、ハニカム構造体の温度分布を略均一にすることができる。このようにして、部品点数を増加させることなく、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくすることができ、ハニカム構造体の内部応力の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、触媒コート層は、金属触媒を含有する金属酸化物のスラリーを層状に形成し、乾燥させ、焼成して製造されたものであってもよい。また、前記触媒コート層中の金属触媒(貴金属)としては、白金、ロジウム、パラジウムのうちの少なくともいずれか一種を適用することができる。また、前記金属触媒が担持されるマトリックス担体を形成する金属酸化物としては、ジルコニアとアルミナ、セリアとアルミナ、セリア−ジルコニアとアルミナ、の混合素材のうちのいずれか一種を適用することができる。
そして、外周領域における1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量と、中心領域における1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量は、外周領域または中心領域のセルに上述した金属触媒を含むスラリーが入り込まないように、その領域に相当するハニカム構造体の端面をマスキングし、所望のスラリーを塗布することにより、所望の1セルあたりの金属触媒を所望の量に塗り分けることができる。また、外周領域および中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量を、スラリーを塗る回数を変えることにより調整してもよい。
より好ましい態様としては、前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の〜10%の径方向幅を有している。本発明によれば、外周領域がハニカム構造体の断面の直径の〜10%の径方向幅を有しているので、ハニカム構造体に生じる内部応力を好適に低減することができる。
ここで、外周領域の径方向幅が3%未満の場合、または、外周領域の径方向幅が10%を超えた場合には、ハニカム構造体の径方向の熱伝導率分布が略均一となり、従来構造と同様にハニカム構造体に温度分布が発生してしまうことがある。
さらにより好ましい態様としては、外周領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量は、前記中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量の50%以下である。この態様によれば、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくしてハニカム構造体の内部応力を抑制することができる。ここで、外側の外周領域における1セルあたりの前記触媒コート層に含まれる金属触媒の量が、前記中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量の50%を超えた場合には、ハニカム構造体の径方向の熱伝導率分布が略均一となり、従来構造と同様にハニカム構造体に温度分布が発生してしまうことがある。
本発明のうち、第2発明によるハニカム構造体は、軸心方向に沿って延びる複数のセルが形成され、該セルの壁面に金属触媒を含む触媒コート層が被覆されたセラミックス製のハニカム構造体であって、該ハニカム構造体は、前記軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域に触媒コート層が被覆され、外側の外周領域に触媒コート層が被覆されていないことを特徴とする。
本発明によれば、中心領域に触媒コート層が被覆され、外側の外周領域に触媒コート層が被覆されていないように、触媒コート層を被覆するので、ハニカム構造体の中心領域の熱容量が、外周領域の熱容量に比べて高くなるため、中心領域の方が外周領域の方に比べて暖まり難くなる。
すなわち、第1発明と同様に、外周領域は、中心領域に比べて相対的に熱容量が低くなり、従来よりも暖まりやすい。この結果、ハニカム構造体の温度分布を略均一にすることができる。このようにして、部品点数を増加させることなく、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくすることができ、ハニカム構造体の内部応力の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、中心領域の触媒コート層は、上述したスラリーを層状に形成し、乾燥させ、焼成して製造されたものであってもよく、第1発明と同様の材質を適用することができる。中心領域における触媒コート層は、外周領域のセルに上述した金属触媒を含むスラリーが入り込まないように、外周領域に相当するハニカム構造体の端面をマスキングし、中心領域のセルの壁面にスラリーを塗ることにより、触媒コート層を被覆することができる。
また、第1発明と同様により好ましい態様としては、前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の〜10%の径方向幅を有している。この態様によれば、外周領域がハニカム構造体の断面の直径の〜10%の径方向幅を有しているので、ハニカム構造体に生じる内部応力を好適に低減することができる。
ここで、外周領域の径方向幅が3%未満の場合、または、外周領域の径方向幅が10%を超えた場合には、ハニカム構造体の径方向の熱伝導率分布が略均一となり、従来構造と同様にハニカム構造体に温度分布が発生してしまうことがある。
なお、上記するハニカム構造体は、たとえば隣接するセル同士の軸心方向で反対側の端部を封止して排気ガスを浄化するために用いることができる。特に、そのようなハニカム構造体は、内部の温度分布が不均一となりやすい通電加熱型のもの(電気加熱式触媒:EHC)に好適に適用することができる。
以上の説明から理解できるように、部品点数を増加させることなく、ハニカム構造体内部の温度勾配を小さくしてハニカム構造体の内部応力を抑制することにより、熱衝撃によりハニカム構造体にクラックが発生することを防止することができる。
本発明によるハニカム構造体を模式的に示した斜視図である。 図1で示すハニカム構造体のA−A矢視図である。 ハニカム構造体のモデルであり、(a)は全体図、(b)は拡大図である。 実施例1〜4および比較例1〜3のCAE解析による熱分布を用いて、基材内部の発生応力を解析した結果を示した図である。 ハニカム構造体の内部の温度の測定結果であり、(a)は、比較例2の温度測定結果を示した図であり、(b)は、実施例3の温度測定結果であり、(c)は、実施例1の温度測定結果を示した図である。 上述した実機での温度測定結果(図5参照)に基づいて、実施例1、3および比較例2に相当するハニカム構造体の応力解析(CAE解析)を行った結果を示した図である。 実施例1、3および比較例2に相当するハニカム構造体の圧力損失の結果を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明によるハニカム構造体10を模式的に示した斜視図であり、図2は、図1で示すハニカム構造体のA−A矢視図である。
図1で示すハニカム構造体10は、円筒状の外壁部5と、外壁部5内において隔壁1により区画された外壁部5の軸心L方向に延びる複数のセル2からなるハニカム構造部3と、を備えている。なお、電気加熱式触媒の場合には、円筒状の外壁部5には、一対の電極が、外壁部5を挟持するように配置されている(図示せず)。
ここで、ハニカム構造体10は、セラミックス製のハニカム構造体であり、たとえば、アルミナ、ジルコニア、コーディエライト、チタニア、炭化珪素、窒化珪素などのうちのいずれか一種を主成分とする多孔質のセラミックスから形成される。また、ハニカム構造体10の一部を構成するセル2の断面形状としては適宜の断面形状を適用することができ、図2で示すような正六角形のほか、たとえば正方形などの多角形状を適用することができる。また、外壁部5は円筒状のほか、たとえば多角柱状等であってもよい。
セル2を区画する隔壁1の壁面には、金属触媒を含む触媒コート層が積層して被覆されている。具体的には、ハニカム構造体10は、図2で示すハニカム構造体10の軸心L方向に垂直な断面において、その軸心Lに対応する中心領域Cにおける1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量が、中心領域Cの外側の外周領域Eの1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量よりも多くなっている。
なお、外周領域Eとは、ハニカム構造体10の軸心L方向に垂直な断面のうち径方向外側の領域であって、その断面直径φに対して外壁部5の外壁から中心に向かって径方向幅Wを有する領域である。
また、触媒コート層は、マトリックス担体を形成する金属酸化物、より具体的には、ジルコニアとアルミナ、セリアとアルミナ、セリア−ジルコニアとアルミナ、の混合素材のうちのいずれか一種に対して、白金、ロジウム、パラジウムのうちの少なくともいずれか一種の貴金属(金属触媒)が担持されたものである。
ここで、触媒コート層は、金属触媒を含有する金属酸化物のスラリーを層状に形成し、乾燥させ、焼成することにより得られ、これにより、金属触媒が均一に分散した触媒コート層を得ることが出来る。外周領域Eにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量に対して、中心領域Cにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量を多くするには、まず、外周領域Eに相当するセル2を塞ぐようにハニカム構造体10の端面をマスキングし、上述したスラリーに、ハニカム構造体10を浸漬し、中心領域Cに相当するセル2の隔壁の壁面に、スラリーが被覆される。この作業を必要に応じて繰り返す。
次に、外周領域Eに相当するセル2の端面のマスキングを剥がし、すべてのセル2の隔壁の壁面にスラリーを被覆する。これにより、外周領域Eの触媒コート層に対して、中心領域Cにおける触媒コート層の層厚みが厚くなり、外周領域Eにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量に対して、中心領域Cにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量を多くすることができる。
また、別の態様としては、外周領域Eに相当するセル2を塞ぐようにハニカム構造体10の端面をマスキングし、上述したスラリーに、ハニカム構造体10を浸漬し、中心領域Cに相当するセル2の隔壁1の壁面に、スラリーを被覆する。
次に、中心領域Cに相当するセル2を塞ぐようにハニカム構造体10の端面をマスキングし、外周領域Eで用いたものよりも、金属触媒の含有量が少ないスラリーを準備し、このスラリーに、ハニカム構造体10を浸漬し、外周領域Eに相当するセル2の隔壁1の壁面に、スラリーを被覆する。
これにより、外周領域Eの触媒コート層と、中心領域Cにおける触媒コート層との層厚みが略同じ厚みとし、かつ、外周領域Eにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量に対して、中心領域Cにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量を多くすることができる。
なお、本実施形態では、外周領域Eにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量に対して、中心領域Cにおける1セルあたりの触媒コート層の金属触媒の量を多くするように、中心領域Cおよび外周領域Eの双方のセル2の隔壁の壁面に、触媒コート層を設けたが、外周領域Eには、触媒コート層を設けなくてもよい。
そして、図2に示すように、外周領域Eの触媒コート層の有無にかかわらず、上述した外周領域Eは、ハニカム構造体10の断面の直径φの〜10%の径方向幅Wを有している。外周領域Eがハニカム構造体10の断面の直径の〜10%の径方向幅を有しているので、ハニカム構造体10に生じる内部応力を好適に低減することができる。外周領域Eの径方向幅が3%未満の場合、または、外周領域Eの径方向幅が10%を超えた場合には、ハニカム構造体10の径方向の熱伝導率分布が略均一となり、従来構造と同様にハニカム構造体10に温度分布が発生してしまうことがある。
このようにして、(1)中心領域Cにおける1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量よりも、外周領域Cの1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量が多くなっていること、または(2)外側の外周領域Eに触媒コート層を設けないことにより、ハニカム構造体10の中心領域Cの熱容量が、外周領域Eの熱容量に比べて大きくなるため、中心領域Cの方が外周領域Eに比べて暖まり難くなる。
すなわち、外周領域Eは、中心領域Cに比べて相対的に熱容量が低くなり、従来よりも暖まりやすい。この結果、ハニカム構造体10の温度分布を略均一にすることができる。このようにして、部品点数を増加させることなく、ハニカム構造体10内部の温度勾配を小さくすることができ、ハニカム構造体10の内部応力の発生を効果的に抑制することができる。
以下に本発明を実施例により説明する。
<CAE解析>
(実施例1)
図3(a),(b)に示すハニカム構造体のモデルを作成し、以下にCAE解析(熱解析)を行った。具体的には、ハニカム構造体は、図3(a),(b)に示すモデルを用いて解析をおこなった。ハニカム構造体は5.3mil/600cpsiである。なお、セル壁厚がmil(milli inch length,1/1000inch)であり、セル数がcpsi(cells per square inch,平方インチ当たりのセル数)である。軸心方向の長さ100mm、直径93mm、容量679.29ccである。
さらに、物性値等の条件としては、外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の少なくとも5%(ハニカム構造体の直径93mmに対して外壁から外側5mm)の径方向幅を有し、表1に示すような、軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量を100質量%としたときに、外周領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量が50質量%となるような物性値を付与した。
ハニカム構造体そのもの(基材)は、Si/SiCまたはFe−SiCの一般的な素材とし、触媒コート層は、表2に示すような成分とした。そして、ハニカム構造体に排ガスを想定した熱条件を付与し、解析を行った。なお、実施例1は、本願の第1発明に相当するものである。
Figure 0005831259
Figure 0005831259
(実施例2〜4)
実施例1と同様に、ハニカム構造体のモデルを作成し、以下にCAE解析を行った。具体的に、実施例1と相違する点は、表3に示すように、ハニカム構造体は、軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域に触媒コート層が被覆され、外側の外周領域に触媒コート層が被覆されていないような物性値を付与し、実施例1と同様にハニカム構造体に排ガスを想定した熱条件を付与し、解析を行った。
ここで、実施例2の外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の少なくとも3%(ハニカム構造体の直径93mmに対して外壁から外側3mm)の径方向幅とした。実施例3の外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の少なくとも5%(ハニカム構造体の直径93mmに対して外壁から外側5mm)の径方向幅とした。実施例4の外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の少なくとも10%(ハニカム構造体の直径93mmに対して外壁から外側10mm)の径方向幅とした。なお、実施例2〜4は、本願の第2発明に相当するものである。
Figure 0005831259
(比較例1)
実施例1と同様に、ハニカム構造体のモデルを作成し、以下にCAE解析を行った。具体的に、実施例1と相違する点は、表3に示すように、比較例1は、ハニカム構造体に触媒コート層を被覆していない(基材のみ:コートなし)点であり、比較例2は、ハニカム構造体に触媒コート層をすべて被覆していない(すべてコートなし)点であり、比較例3は、ハニカム構造体の外壁のみに触媒コート層を形成されていない(外壁のみコート)点であり、これらの条件を満たすように、表3に示す物性値を付与し、実施例1と同様にハニカム構造体に排ガスを想定した熱条件を付与し、解析を行った。
図4は、実施例1〜4および比較例1〜3のCAE解析による熱分布を用いて、基材内部の発生応力を解析した結果を示した図である。図4に示すように、実施例1〜4に比べて、比較例1〜4は、最大主応力が高かった。比較例1〜3のハニカム構造体は、中心と外壁における熱容量に差が付き難いため、中心と外壁の温度差が小さくならず最大主応力が高くなったものと考えられる。一方、実施例1(6)、実施例2(7)、実施例4(5)、実施例3(4)の順に、最大主応力が小さくなっているのは、触媒コート量一定で触媒を塗った触媒コート層が形成された中心領域と、外周領域との熱容量の差がこの順に小さくなるため、中心と外周の温度が小さくなり最大主応力が小さくなったと考えられる。
<温度測定試験>
次に、上述した条件で、実施例1、3および比較例2に相当するハニカム構造体を実機に搭載して、ハニカム構造体の内部の温度を測定した。なお、エンジンの負荷条件は、図5は、ハニカム構造体の内部の温度の測定結果であり、(a)は、比較例2の温度測定結果を示した図であり、(b)は、実施例3の温度測定結果である、(b)は、実施例1の温度測定結果を示した図である。
なお、A1は、ハニカム構造体は、軸心方向の長さ100mmにおける軸心方向中央(端面から50mmの位置)における断面の中心位置における温度であり、A2は、軸心方向中央における断面の外壁から中心側に5mmの位置における温度であり、A3は、軸心方向中央における断面の外壁の位置における温度であり、ハニカム構造体の内部に熱伝対を差し込んで測定した温度である。また、温度差は、温度差は外壁部の熱電対(A2の位置)と外壁から5mm位置(A3の位置)の熱電対の同じ時刻に測定された温度の差を示している。
図5(a)〜(b)に示すように、比較例2に比べて、実施例1および3のハニカム構造体のほうが、温度差が小さくなった。これは、上述したように、触媒コート層を塗り分けることによる、中心領域と外周領域との熱容量の差が起因していると考えられる。
<測定温度から応力解析>
図6は、上述した実機での温度測定結果(図5参照)に基づいて、実施例1、3および比較例2に相当するハニカム構造体の応力解析(CAE解析)を行った結果を示した図である。図6に示すように、実施例3の最大主応力が最も小さく、実施例1および3の最大主応力は、比較例2のものに比べて小さくなった。この傾向は、図4に示す解析結果と一致していることが確認できた。
<圧力損失の測定試験>
次に、上述した条件で、実施例1、3および比較例2に相当するハニカム構造体を実機に搭載して、ハニカム構造体の圧力損失を測定した。図7は、実施例1、3および比較例2に相当するハニカム構造体の圧力損失の結果を示した図である。
実施例3、1、比較例2の順に圧力損失は増えた。これは、実施例1および3のハニカム構造体は、外周領域に比べて、中央領域のコート量が多い(触媒コート層の膜厚が厚い)からであると考えられる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…隔壁、2…セル、3…ハニカム構造部、5…外壁部、10…ハニカム構造体、C…ハニカム構造体の中心領域、E…ハニカム構造体の外周領域、L…ハニカム構造体の軸心、W…外周領域の径方向の幅、φ…ハニカム構造体の直径

Claims (5)

  1. 軸心方向に沿って延びる複数のセルが形成され、前記セルの壁面に金属触媒を含む触媒コート層が被覆されたセラミックス製のハニカム構造体であって、
    前記ハニカム構造体は、通電加熱式触媒用のハニカム構造体であり、前記ハニカム構造体には、一対の電極が前記ハニカム構造体の円筒状の外壁部を挟持するように配置されており、
    前記ハニカム構造体は、前記軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量が、中心領域よりも外側の外周領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量よりも多くなっていることを特徴とするハニカム構造体。
  2. 前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の3〜10%の径方向幅を有していることを特徴とする請求項1に記載のハニカム構造体。
  3. 前記外周領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量は、前記中心領域における1セルあたりの触媒コート層に含まれる金属触媒の量の50%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のハニカム構造体。
  4. 軸心方向に沿って延びる複数のセルが形成され、前記セルの壁面に金属触媒を含む触媒コート層が被覆されたセラミックス製のハニカム構造体であって、
    前記ハニカム構造体は、通電加熱式触媒用のハニカム構造体であり、前記ハニカム構造体には、一対の電極が前記ハニカム構造体の円筒状の外壁部を挟持するように配置されており、
    前記ハニカム構造体は、前記軸心方向に垂直な断面において、その軸心に対応する中心領域に触媒コート層が被覆され、外側の外周領域に触媒コート層が被覆されていないことを特徴とするハニカム構造体。
  5. 前記外周領域は、前記ハニカム構造体の前記断面の直径の3〜10%の径方向幅を有している請求項4に記載のハニカム構造体。
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