JP6975299B2 - 高架橋及び騒音低減装置 - Google Patents
高架橋及び騒音低減装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6975299B2 JP6975299B2 JP2020151171A JP2020151171A JP6975299B2 JP 6975299 B2 JP6975299 B2 JP 6975299B2 JP 2020151171 A JP2020151171 A JP 2020151171A JP 2020151171 A JP2020151171 A JP 2020151171A JP 6975299 B2 JP6975299 B2 JP 6975299B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- noise
- viaduct
- wall portion
- entrance
- passage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Devices Affording Protection Of Roads Or Walls For Sound Insulation (AREA)
- Railway Tracks (AREA)
- Bridges Or Land Bridges (AREA)
Description
この発明は、床開口部を有する高架橋、及び騒音を低減する騒音低減装置に関する。
通常の高架橋区間においては、車両下部から発生する音を低減させる方法として防音壁が一般的に使われている。降雪地帯では、鉄道車両が走行する高架橋上の雪を排出するためにこの高架橋の床面に開口部を有する開床式高架橋が建設されている。このような従来の開床式高架橋104は、図25に示すように、車両102が走行する軌道101の両側にこの軌道101に沿って床開口部104dを備えており、この床開口部104dから降雪を下方に落とすとともに、軌道101上を走行する除雪車による排雪をこの床開口部104dから下方に落としている。しかし、従来の開床式高架橋104では、車両102が軌道101上を走行するときに発生する騒音が床開口部104dから床版104a下に放射するため、従来の防音壁103では沿線騒音に対する効果がない。このため、従来の高架橋の騒音低減装置は、高架橋の床開口部から外部に放射する騒音を低減する下側防音壁を備えている(例えば、非特許文献1参照)。このような従来の高架橋の騒音低減装置では、高架橋の床開口部から下方に向かって傾斜するように下側防音壁を設置して、床開口部から放射する騒音を低減するとともに、この床開口部から排出される雪を下方に誘導している。
近藤 正二、他1名、"開床式高架橋における雪害対策を考慮した下側防音壁に関する基礎研究"土木学会第59回年次学術講演会、平成16年9月、第297頁〜第298頁
従来の高架橋の騒音低減装置106では、図26に示すように、開床式高架橋104の床版104a下に垂れ下がるような下側防音壁110を備えている。このような従来の高架橋の騒音低減装置106では、下側防音壁110を反射性材料によって設置すると、音のエネルギーは減少することなく床版104a下のいずれかの空間に放射される。このため、従来の高架橋の騒音低減装置106では、下側防音壁110によって音の遮蔽をできる領域(図中左側の沿線)ができる一方で、下側防音壁110の壁面における反射音により沿線騒音が増大する領域(図中右側の沿線)ができる。また、従来の高架橋の騒音低減装置106では、長大な下側防音壁110のような構造物を床版104a下に取り付けている。このため、従来の高架橋の騒音低減装置106では、物体に風が当たるときにこの風によって物体に生じる荷重(風荷重)が長大な下側防音壁110にかかるとともに、高架橋下の見通しや風通しが悪くなる。
この発明の課題は、簡単な構造によって橋梁の床開口部から沿線に放射する騒音を低減することができる高架橋及び騒音低減装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2、図3、図9及び図14〜図16に示すように、床開口部(4d)を有する高架橋であって、軌道(1)側と沿線側との間に設置されて、音源からの騒音を減衰させる防音壁(3)と、前記床開口部から下空間(S)に向かって、前記音源からの騒音が通過する所定長さの騒音通過部(7;7A,7B)とを備える高架橋(4)である。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図2、図3、図9及び図14〜図16に示すように、床開口部(4d)を有する高架橋であって、軌道(1)側と沿線側との間に設置されて、音源からの騒音を減衰させる防音壁(3)と、前記床開口部から下空間(S)に向かって、前記音源からの騒音が通過する所定長さの騒音通過部(7;7A,7B)とを備える高架橋(4)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の高架橋において、図4〜図8及び図10〜図13に示すように、前記騒音通過部を通過する騒音をこの騒音通過部の内面で吸収する吸音部(8)を備えることを特徴とする高架橋である。
請求項3の発明は、図2、図3、図9及び図14〜図16に示すように、騒音を低減する騒音低減装置であって、軌道(1)を支持する高架橋(4)の軌道側と沿線側との間に設置されており、音源からの騒音を減衰させる防音壁(3)と、前記高架橋の床開口部(4d)からこの高架橋の下空間(S)に向かって、前記音源からの騒音が通過する所定長さの騒音通過部(7;7A,7B)とを備える騒音低減装置(6)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の騒音低減装置において、図4〜図8及び図10〜図13に示すように、前記騒音通過部を通過する騒音をこの騒音通過部の内面で吸収する吸音部(8)を備えることを特徴とする騒音低減装置である。
この発明によると、簡単な構造によって橋梁の床開口部から沿線に放射する騒音を低減することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1〜図3に示す軌道1は、車両2が走行する線路である。軌道1は、例えば、道床とまくらぎとが一体化したスラブ軌道である。軌道1は、図1及び図2に示すように、車両2の車輪2bを支持して案内する左右一対のレール1aと、図1〜図3に示すようにこれらのレール1aを支持する矩形平板状のプレキャストのコンクリート版からなる軌道スラブ(スラブ版)1bなどを備えている。軌道1は、図1及び図2に示すように、二本の本線で構成された複線であり、上り線1Aと下り線1Bとから構成されている。
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1〜図3に示す軌道1は、車両2が走行する線路である。軌道1は、例えば、道床とまくらぎとが一体化したスラブ軌道である。軌道1は、図1及び図2に示すように、車両2の車輪2bを支持して案内する左右一対のレール1aと、図1〜図3に示すようにこれらのレール1aを支持する矩形平板状のプレキャストのコンクリート版からなる軌道スラブ(スラブ版)1bなどを備えている。軌道1は、図1及び図2に示すように、二本の本線で構成された複線であり、上り線1Aと下り線1Bとから構成されている。
図1〜図3に示す車両2は、軌道1に沿って走行する移動体である。車両2は、電車、機関車、客車又は貨車などの鉄道車両であり、高架橋4上を走行する。図1〜図3に示す車両2は、例えば、高速で走行する新幹線(登録商標)又は在来線の鉄道車両である。車両2は、図1〜図3に示すように、乗客又は貨物を積載し輸送するための構造物である車体2aと、図2及び図3に示すようにこの車体2aを搭載してレール1a上を転動する台車の車輪2bなどを備えている。
図1〜図3に示す防音壁3は、音源から伝搬する音の強さを減衰させる固定構造物である。防音壁3は、音源(軌道1側)と受音点(沿線側)との間に設置されており、音源側の表面を吸音処理することより、この音源から伝搬する音の減衰効果を向上させている。図2に示す防音壁3は、例えば、断面が略I字状の直型防音壁である。防音壁3は、図1〜図3に示すように、軌道1に対して垂直な壁部3aなどを備えている。
図1〜図3に示す高架橋4は、軌道1を連続的に高架にするための固定構造物である。高架橋4は、川、谷、湖沼などの水圏又は道路、鉄道などの交通路を横切り、下方に空間を形成するように建設された橋梁である。図1〜図3に示す高架橋4は、例えば、コンクリートが主要材料であり、鉄筋コンクリート構造(RC構造)を主体とするラーメン高架橋などのコンクリート橋(コンクリート高架橋)である。高架橋4は、軌道1の下部に空間を確保するととともに、軌道1を支持する路盤(基盤)としても機能する。高架橋4は、例えば、都市部などで路面交通などと立体化を図るために、鉄道の一定区間を橋梁構造にした構造物であり、都市鉄道又は新幹線などで多用されている。高架橋4は、図1〜図3に示す床版(桁)4aと、図2及び図3に示す橋脚(柱(ピア))4bと、図2に示すフーチング4cと、図1〜図5に示す床開口部(開床部)4dと、溝蓋4eなどを備えている。図1〜図5に示す高架橋4は、例えば、降雪地帯における雪害対策が施されており、床版4a上の積雪を防止するための床開口部4dを有する開床式高架橋である。図2及び図3に示す地表面Gは、高架橋4の基礎を支える地盤の表面である。図2〜図5に示す下空間Sは、高架橋4の下方に形成される空間である。下空間Sは、地表面Gと床版下面4gとの間に形成されている。
図1〜図3に示す床版4aは、高架橋4の床を形成する部分である。床版4aは、図1及び図2に示すように、高架橋4上を通過する車両2を直接支持するための平面状の構造物であり、場所打ちコンクリートによって施工されて水平方向に配置されるPC桁などである。床版4aは、図1〜図5に示す軌道1の軌道スラブ1bを支持する床版上面(床版表面)4fと、図2〜図5に示す騒音低減装置6を支持する床版下面(床版裏面)4gなどを備えている。図2及び図3に示す橋脚4bは、この床版4aを支持する部分である。橋脚4bは、図3に示すように、床版4aの長さ方向に所定の間隔をあけて場所打ちコンクリートによって施工されており、鉛直方向に配置される鉄筋コンクリート柱などである。図2に示すフーチング4cは、橋脚4bから荷重を受ける部分である。フーチング4cは、場所打ちコンクリートによって施工された版状の構造物である。フーチング4cは、杭基礎5の杭頭部に連結されており橋脚4bからの荷重を杭基礎5に伝達する。
図1〜図5に示す床開口部4dは、床版4a上の積雪を防ぐために、この床版4a上に降る雪を排出するための排雪用の貫通孔である。床開口部4dは、図1及び図2に示すように、左右の防音壁3の内側に配置されており、高架橋4の縦梁と横梁との組み合わせ構造によって床版4aの一部を省略して形成される。床開口部4dは、上り線1A側の軌道1と下り線1A側の軌道1との間と、上り線1A側の軌道1と防音壁3との間と、下り線1B側の軌道1と防音壁3との間とに、それぞれ床版4aを貫通して形成されている。床開口部4dは、平面形状が略四角形に形成されており、軌道1に沿って床版4aの横梁間と同じ間隔をあけて連続して形成されている。床開口部4dは、高架橋4上に降る雪をこの床開口部4dを通じて自然に落下させる機能を有するとともに、軌道1上の積雪を排除する車両2のスノープラウ又は除雪車(ラッセル車)の除雪装置によって排除された積雪をこの床開口部4dから下方に落下させる機能とを有する。
図1〜図5に示す溝蓋4eは、床開口部4dを覆う部材である。溝蓋4eは、例えば、鉄又はステンレスなどの金属製の板状部材を溶接又は圧接することによって格子状に形成されており、図1、図2、図4及び図5に示すように格子状の隙間からなる複数の長方形状の排出孔を備えるグレーチングなどである。溝蓋4eは、図1及び図3に示すように、床開口部4dの長さ方向に沿って、この床開口部4dを塞ぐようにこの床開口部4dに着脱自在に複数並べて設置されている。
図2に示す杭基礎5は、高架橋4を支持するための基礎部分である。杭基礎5は、高架橋4の基礎を支える地盤にフーチング4cからの荷重を伝達する。杭基礎5は、例えば、掘削機械によって掘削された所定の深さの穴の中に、鉄筋かごを挿入しコンクリートを打ち込んで構築された場所打ちコンクリート杭である。
図2〜図6に示す騒音低減装置6は、高架橋4の床開口部4dから下方に放射する騒音を低減する装置である。騒音低減装置6は、高架橋4の床開口部4dから下方に放射する騒音を多数の空間内で多重反射させるとともにこの空間内で騒音を吸収して、音のエネルギーを低減させる。騒音低減装置6は、例えば、車両2が軌道1上を走行するときにこの車両2の下部から発生する車両下部騒音のうち、床開口部4dから下空間Sに放射する騒音を低減する。ここで、車両下部騒音とは、車両2の歯車装置のような車両機器から発生する車両機器音、車輪2bの転動によって発生する転動騒音、又は車両2の台車などから発生する空力騒音などである。騒音低減装置6は、図2〜図6に示す騒音通過部7と、図4〜図6に示す吸音部8などを備えている。
図2〜図6に示す騒音通過部7は、床開口部4dから下空間Sに向かって騒音が通過する所定長さの部分である。騒音通過部7は、床開口部4dから下空間Sに雪を排出する排雪用通路として機能するとともに、床開口部4dから下空間Sに騒音を導く風導用通路(ダクト)としても機能する。騒音通過部7は、外観が直方体の箱型部材であり、金属又は合成樹脂などの板材を組み立てた角型の直線状の筒状部材である。騒音通過部7は、図2〜図5に示すように、床版下面4gから防音壁を垂れ下げた構造であり、開床式高架橋を対象として騒音対策がされた垂れ下げ型防音壁である。騒音通過部7は、図3に示すように、床開口部4dに沿って連続して配置されている。騒音通過部7は、図2〜図6に示すように、騒音が通過する複数の通路7aと、通路7aに騒音が進入する進入口(上側開口部)7bと、通路7aから騒音が進出する進出口(下側開口部)7cと、通路7aを構成する垂直壁部7dなどを備えている。
騒音通過部7は、水平面で切断したときの断面形状が四角形であり、進入口7b側から進出口7c側に向かって開口面積が一定である。騒音通過部7は、図3、図5及び図6に示すように、この騒音通過部7の内部が複数の通路7aによって区画されており、床開口部4dから下空間Sに向かってこの複数の通路7aを騒音が通過する。騒音通過部7は、床開口部4dの長さ方向にこの騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区画されている。騒音通過部7は、図4及び図5に示すように、この騒音通過部7の進入口7bが床開口部4dと接続するように、この騒音通過部7の上端部が床版下面4gにボルトなどの固定部材によって固定されている。騒音通過部7は、進入口7bから進入した騒音を垂直壁部7dによって囲まれた下空間S内で多重反射させることによって騒音のエネルギーを減衰させ、多重反射後の騒音を進出口7cから放射させる。騒音通過部7は、図2及び図3に示すように、内部で騒音が多重反射し、風荷重の影響が少なく、沿線からの見通しや沿線の風通しが低下しないように、進出口7cと地表面Gとの間に間隔をあけて所定の長さで形成されている。
図4〜図6に示すように、吸音部8は、騒音通過部7を通過する騒音をこの騒音通過部7の内面で吸収する部分である。吸音部8は、騒音通過部7の垂直壁部7dの内側表面に接着剤などによって固定されている。吸音部8は、外観が四角形の板状部材であり、垂直壁部7dの内側表面の全面を被覆している。吸音部8は、吸音性に優れた高性能の吸音材である。吸音部8は、例えば、グラスウール、グラスファイバ又はロックウールなどの無機質繊維系、アルミニウム繊維、ステンレス繊維又は鉄系合金繊維などの金属繊維系、プラスチックフォーム、ウレタン、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレン、ポリウレタンフォーム、発泡ポリスチロール又は天然高分子多孔質体などの有機発泡系、又はこれらの任意の組み合わせからなる吸音材である。吸音部8は、吸音材の吸音率αであるときにN回騒音が入射する毎にN×10log(1−α)(dB)の低減効果を発揮する。
次に、この発明の第1実施形態に係る橋梁の騒音低減装置の作用を説明する。
図1〜図3に示すように、車両2が軌道1上を走行すると、車両2の下部から車両下部騒音が発生してこの車両下部騒音が高架橋4の床開口部4dから下空間Sに放射する。図2〜図5に示すように騒音通過部7の進入口7bが床開口部4dに接続されているとともに、騒音通過部7の内部が多数の通路7aによって区画されており、各通路7aの垂直壁部7dに吸音部8が設置されている。このため、騒音通過部7の進入口7bに床開口部4dから騒音が進入すると、この騒音通過部7の通路7a内で騒音が多重反射するとともに、この通路7a内の吸音部8によって騒音が吸収される。その結果、騒音通過部7の進出口7cから沿線に放射する騒音のエネルギーが低減して沿線騒音が低減される。
図1〜図3に示すように、車両2が軌道1上を走行すると、車両2の下部から車両下部騒音が発生してこの車両下部騒音が高架橋4の床開口部4dから下空間Sに放射する。図2〜図5に示すように騒音通過部7の進入口7bが床開口部4dに接続されているとともに、騒音通過部7の内部が多数の通路7aによって区画されており、各通路7aの垂直壁部7dに吸音部8が設置されている。このため、騒音通過部7の進入口7bに床開口部4dから騒音が進入すると、この騒音通過部7の通路7a内で騒音が多重反射するとともに、この通路7a内の吸音部8によって騒音が吸収される。その結果、騒音通過部7の進出口7cから沿線に放射する騒音のエネルギーが低減して沿線騒音が低減される。
この発明の第1実施形態に係る橋梁の騒音低減装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、床開口部4dから下空間Sに向かって所定長さの騒音通過部7を騒音が通過する。また、この実施形態では、騒音通過部7を通過する騒音をこの騒音通過部7の内面で吸音部8が吸収し、この騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区分されており、床開口部4dから下空間Sに向かってこの複数の通路7aを騒音が通過する。このため、高架橋4の床開口部4dから下方に放射する騒音を騒音通過部7の内部で多重反射させて減衰させることができるとともに、この騒音通過部7の内部を通過する騒音を吸音部8によって吸収することができる。その結果、図26に示すような下側防音壁110に比べて、騒音通過部7の内部で反射する騒音が沿線に放射して沿線騒音が増大するのを防ぐことができる。また、騒音通過部7の内部に吸音部8を設置することによって、この騒音通過部7を短くすることができる。その結果、騒音通過部7が長大な構造物になるのを防ぎ、この騒音通過部7に作用する風荷重が大きくなるのを防ぐことができる。
(1) この第1実施形態では、床開口部4dから下空間Sに向かって所定長さの騒音通過部7を騒音が通過する。また、この実施形態では、騒音通過部7を通過する騒音をこの騒音通過部7の内面で吸音部8が吸収し、この騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区分されており、床開口部4dから下空間Sに向かってこの複数の通路7aを騒音が通過する。このため、高架橋4の床開口部4dから下方に放射する騒音を騒音通過部7の内部で多重反射させて減衰させることができるとともに、この騒音通過部7の内部を通過する騒音を吸音部8によって吸収することができる。その結果、図26に示すような下側防音壁110に比べて、騒音通過部7の内部で反射する騒音が沿線に放射して沿線騒音が増大するのを防ぐことができる。また、騒音通過部7の内部に吸音部8を設置することによって、この騒音通過部7を短くすることができる。その結果、騒音通過部7が長大な構造物になるのを防ぎ、この騒音通過部7に作用する風荷重が大きくなるのを防ぐことができる。
(2) この第1実施形態では、床開口部4dの長さ方向に騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区分されている。このため、床開口部4dの下方に形成される下空間Sを多数の小空間に区画し、この小空間内で騒音を多重反射させるとともにこの小空間内の吸音部8によって騒音を吸収し、騒音のエネルギーを低減させることができる。また、騒音通過部7の内部を多数の通路7aに区画しているため、この通路7aの内部に吸音部8を取り付けて吸音面積を広くすることができる。その結果、下空間Sに放射する騒音を吸音部8によって吸収することができ、沿線の騒音低減効果を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下では、図1〜図6に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示す騒音低減装置6は、騒音通過部7と、吸音部8と、反射部9などを備えている。反射部9は、騒音通過部7を通過する騒音を吸音部8に向かって反射させる部分である。反射部9は、床開口部4dから下空間Sに雪を排出するときに、通路7a内でこの雪が詰まるのを防止するために、通路7a内に隙間を形成した状態で通路7a内の垂直壁部7dに固定されている。反射部9は、騒音通過部7の各通路7aを二つに分岐するように、進入口7b側に鋭角部を向けた逆V字状に形成されている。反射部9は、通路7aの進入口7b側から進出口7c側に向かってこの通路7aが徐々に狭くなるように、進入口7b側から進出口7c側に向かって斜め下方に傾斜する傾斜壁部である。反射部9は、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの反射部9の両縁部が固定されている。反射部9は、図7に示すように、この反射部9の上側表面に吸音部8が接着剤などによって固定されている。
以下では、図1〜図6に示す部分と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図7に示す騒音低減装置6は、騒音通過部7と、吸音部8と、反射部9などを備えている。反射部9は、騒音通過部7を通過する騒音を吸音部8に向かって反射させる部分である。反射部9は、床開口部4dから下空間Sに雪を排出するときに、通路7a内でこの雪が詰まるのを防止するために、通路7a内に隙間を形成した状態で通路7a内の垂直壁部7dに固定されている。反射部9は、騒音通過部7の各通路7aを二つに分岐するように、進入口7b側に鋭角部を向けた逆V字状に形成されている。反射部9は、通路7aの進入口7b側から進出口7c側に向かってこの通路7aが徐々に狭くなるように、進入口7b側から進出口7c側に向かって斜め下方に傾斜する傾斜壁部である。反射部9は、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの反射部9の両縁部が固定されている。反射部9は、図7に示すように、この反射部9の上側表面に吸音部8が接着剤などによって固定されている。
この発明の第2実施形態に係る橋梁の騒音低減装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、騒音通過部7を通過する騒音を吸音部8に向かって反射部9が反射させる。このため、騒音通過部7の内部で騒音を多重反射させてこの騒音のエネルギーを減衰させることができるとともに、吸音部8によってこの騒音を吸収させることができる。
この第2実施形態では、騒音通過部7を通過する騒音を吸音部8に向かって反射部9が反射させる。このため、騒音通過部7の内部で騒音を多重反射させてこの騒音のエネルギーを減衰させることができるとともに、吸音部8によってこの騒音を吸収させることができる。
(第3実施形態)
図8に示す反射部9は、騒音通過部7の進入口7b側から進出口7c側に向かって所定の間隔をあけて互い違いに設置されている。反射部9は、通路7aの中心に向けて斜め下方に傾斜する傾斜壁部である。反射部9は、騒音通過部7の垂直壁部7dとの間で騒音を多重反射させながらこの騒音のエネルギーを減衰させるとともに吸音部8にこの騒音を吸収させる。反射部9は、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの反射部9の両縁部が固定されている。反射部9は、図8に示すように、この反射部9の上側表面及び下側表面に吸音部8が接着剤などによって固定されている。この第3実施形態には、第2実施形態と同様の効果がある。
図8に示す反射部9は、騒音通過部7の進入口7b側から進出口7c側に向かって所定の間隔をあけて互い違いに設置されている。反射部9は、通路7aの中心に向けて斜め下方に傾斜する傾斜壁部である。反射部9は、騒音通過部7の垂直壁部7dとの間で騒音を多重反射させながらこの騒音のエネルギーを減衰させるとともに吸音部8にこの騒音を吸収させる。反射部9は、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの反射部9の両縁部が固定されている。反射部9は、図8に示すように、この反射部9の上側表面及び下側表面に吸音部8が接着剤などによって固定されている。この第3実施形態には、第2実施形態と同様の効果がある。
(第4実施形態)
図9に示す騒音低減装置6は、騒音通過部7と、吸音部8と、防音壁部10などを備えている。防音壁部10は、騒音通過部7を通過して下空間Sから高架橋4の側方に放射する騒音を遮音する部分である。防音壁部10は、騒音通過部7の進出口7cから高架橋4の側方に放射する騒音の強さを減衰させる。防音壁部10は、音源(騒音通過部7側)と受音点(沿線側)との間に設置されており、音源側の表面を吸音処理することより、この音源から伝搬する音の減衰効果を向上させている。防音壁部10は、高架橋4の床版下面4gの両縁部から下方に伸びる垂直な垂れ壁部である。防音壁部10は、床版下面4gの両縁部に固定されており、この床版下面4gの両縁部に沿って連続して配置されている。防音壁部10は、騒音通過部7よりも長く所定の長さに形成されており、この防音壁部10の下端部と地表面Gとの間に隙間を形成している。
図9に示す騒音低減装置6は、騒音通過部7と、吸音部8と、防音壁部10などを備えている。防音壁部10は、騒音通過部7を通過して下空間Sから高架橋4の側方に放射する騒音を遮音する部分である。防音壁部10は、騒音通過部7の進出口7cから高架橋4の側方に放射する騒音の強さを減衰させる。防音壁部10は、音源(騒音通過部7側)と受音点(沿線側)との間に設置されており、音源側の表面を吸音処理することより、この音源から伝搬する音の減衰効果を向上させている。防音壁部10は、高架橋4の床版下面4gの両縁部から下方に伸びる垂直な垂れ壁部である。防音壁部10は、床版下面4gの両縁部に固定されており、この床版下面4gの両縁部に沿って連続して配置されている。防音壁部10は、騒音通過部7よりも長く所定の長さに形成されており、この防音壁部10の下端部と地表面Gとの間に隙間を形成している。
この発明の第4実施形態に係る橋梁の騒音低減装置には、第1実施形態〜第3実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第4実施形態では、騒音通過部7を通過して下空間Sから高架橋4の側方に放射する騒音を防音壁部10が遮音する。このため、騒音通過部7の内部で吸収されずにこの騒音通過部7から下空間Sに放射する騒音が、この下空間Sから高架橋4の側方に放射するのを防音壁部10によって遮音することができる。例えば、騒音通過部7の進出口7cから放射する騒音を騒音通過部7と防音壁部10との間で二重回折させることができるとともに、これらの間に騒音を閉じ込めて遮音効果を高めることができる。その結果、騒音通過部7から放射する騒音によって沿線の騒音が大きくなるのを防ぐことができる。
この第4実施形態では、騒音通過部7を通過して下空間Sから高架橋4の側方に放射する騒音を防音壁部10が遮音する。このため、騒音通過部7の内部で吸収されずにこの騒音通過部7から下空間Sに放射する騒音が、この下空間Sから高架橋4の側方に放射するのを防音壁部10によって遮音することができる。例えば、騒音通過部7の進出口7cから放射する騒音を騒音通過部7と防音壁部10との間で二重回折させることができるとともに、これらの間に騒音を閉じ込めて遮音効果を高めることができる。その結果、騒音通過部7から放射する騒音によって沿線の騒音が大きくなるのを防ぐことができる。
(第5実施形態)
図10に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側が広く、この騒音が進出するこの複数の通路7aの進出口7c側が狭い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に狭くなるテーパ状(漏斗状)に形成されている。騒音通過部7は、傾斜壁部7eと垂直壁部7fなどを備えている。傾斜壁部7eは、複数の通路7aの進入口7b側からこの複数の通路7aの進出口7c側に向かって傾斜する部分である。傾斜壁部7eは、進入口7bから内側に向かって斜め下方に一定の傾斜角度で傾斜しており、この傾斜壁部7eの上端部が床開口部4dと接続している。傾斜壁部7eは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの傾斜壁部7eの両縁部が固定されている。傾斜壁部7eは、図10に示すように、床開口部4dから下空間Sに雪を排出するときに、通路7a内でこの雪が詰まるのを防止するために、通路7aが徐々に狭くなるように所定の角度が付与されている。垂直壁部7fは、進出口7cに向かって垂直に伸びる部分である。垂直壁部7fは、この垂直壁部7fの上端部が傾斜壁部7eの下端部に接続されている。垂直壁部7fは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの垂直壁部7fの両縁部が固定されている。吸音部8は、図10に示すように、垂直壁部7fの内側表面に接着剤などによって固定されている。
図10に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側が広く、この騒音が進出するこの複数の通路7aの進出口7c側が狭い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に狭くなるテーパ状(漏斗状)に形成されている。騒音通過部7は、傾斜壁部7eと垂直壁部7fなどを備えている。傾斜壁部7eは、複数の通路7aの進入口7b側からこの複数の通路7aの進出口7c側に向かって傾斜する部分である。傾斜壁部7eは、進入口7bから内側に向かって斜め下方に一定の傾斜角度で傾斜しており、この傾斜壁部7eの上端部が床開口部4dと接続している。傾斜壁部7eは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの傾斜壁部7eの両縁部が固定されている。傾斜壁部7eは、図10に示すように、床開口部4dから下空間Sに雪を排出するときに、通路7a内でこの雪が詰まるのを防止するために、通路7aが徐々に狭くなるように所定の角度が付与されている。垂直壁部7fは、進出口7cに向かって垂直に伸びる部分である。垂直壁部7fは、この垂直壁部7fの上端部が傾斜壁部7eの下端部に接続されている。垂直壁部7fは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの垂直壁部7fの両縁部が固定されている。吸音部8は、図10に示すように、垂直壁部7fの内側表面に接着剤などによって固定されている。
この発明の第5実施形態に係る橋梁の騒音低減装置には、第1実施形態〜第4実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第5実施形態では、騒音が進入する騒音通過部7の複数の通路7aの進入口7b側が広く、この騒音が進出するこの複数の通路7aの進出口7c側が狭い。このため、広い通路7aから狭い通路7aに騒音を通過させることによってこの狭い通路7a内で騒音を多重反射させて、騒音のエネルギーを減衰させることができる。
この第5実施形態では、騒音が進入する騒音通過部7の複数の通路7aの進入口7b側が広く、この騒音が進出するこの複数の通路7aの進出口7c側が狭い。このため、広い通路7aから狭い通路7aに騒音を通過させることによってこの狭い通路7a内で騒音を多重反射させて、騒音のエネルギーを減衰させることができる。
(第6実施形態)
図11に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側が狭く、この騒音が進出するこの複数の通路7aの進出口7c側が広い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に広くなる逆テーパ状(逆漏斗状)に形成されている。騒音通過部7は、傾斜壁部7gと垂直壁部7hなどを備えている。傾斜壁部7gは、複数の通路7aの進入口7b側からこの複数の通路7aの進出口7c側に向かって傾斜する部分である。傾斜壁部7gは、進入口7bから外側に向かって斜め下方に傾斜しており、この傾斜壁部7gの上端部が床開口部4dと接続している。傾斜壁部7gは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの傾斜壁部7gの両縁部が固定されている。垂直壁部7hは、進出口7cに向かって垂直に伸びる部分である。垂直壁部7hは、この垂直壁部7hの上端部が傾斜壁部7gの下端部に接続されている。垂直壁部7hは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの垂直壁部7hの両縁部が固定されている。吸音部8は、図11に示すように、傾斜壁部7g及び垂直壁部7hの内側表面に接着剤などによって固定されている。この第6実施形態には、第1実施形態〜第5実施形態の効果に加えて、傾斜壁部7gにも吸音部8が設置されているため、第5実施形態に比べて吸音部8の設置面積が広くなり、より一層吸音効果を向上させることができる。
図11に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側が狭く、この騒音が進出するこの複数の通路7aの進出口7c側が広い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に広くなる逆テーパ状(逆漏斗状)に形成されている。騒音通過部7は、傾斜壁部7gと垂直壁部7hなどを備えている。傾斜壁部7gは、複数の通路7aの進入口7b側からこの複数の通路7aの進出口7c側に向かって傾斜する部分である。傾斜壁部7gは、進入口7bから外側に向かって斜め下方に傾斜しており、この傾斜壁部7gの上端部が床開口部4dと接続している。傾斜壁部7gは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの傾斜壁部7gの両縁部が固定されている。垂直壁部7hは、進出口7cに向かって垂直に伸びる部分である。垂直壁部7hは、この垂直壁部7hの上端部が傾斜壁部7gの下端部に接続されている。垂直壁部7hは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの垂直壁部7hの両縁部が固定されている。吸音部8は、図11に示すように、傾斜壁部7g及び垂直壁部7hの内側表面に接着剤などによって固定されている。この第6実施形態には、第1実施形態〜第5実施形態の効果に加えて、傾斜壁部7gにも吸音部8が設置されているため、第5実施形態に比べて吸音部8の設置面積が広くなり、より一層吸音効果を向上させることができる。
(第7実施形態)
図12に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側及び進出口7c側が狭く、この複数の通路7aの進入口7b側と進出口7c側との間が広い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に広くなる逆テーパ状にこの騒音通過部7の上部が形成されており、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に狭くなるテーパ状にこの騒音通過部7の下部が形成されている。騒音通過部7は、傾斜壁部7e,7gと垂直壁部7f,7h,7iなどを備えている。傾斜壁部7e,7gは、複数の通路7aの進入口7b側からこの複数の通路7aの進出口7c側に向かって傾斜する部分である。傾斜壁部7e,7gは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの傾斜壁部7e,7gの両縁部が固定されている。傾斜壁部7eは、進入口7bから内側に向かって斜め下方に傾斜しており、傾斜壁部7gは進入口7bから外側に向かって斜め下方に傾斜している。傾斜壁部7eは、床開口部4dから下空間Sに雪を排出するときに、通路7a内でこの雪が詰まるのを防止するために、通路7aが徐々に狭くなるように所定の角度が付与されている。垂直壁部7f,7h,7iは、進出口7cに向かって垂直に伸びる部分である。垂直壁部7fは、この垂直壁部7fの上端部が傾斜壁部7eの下端部に接続されている。垂直壁部7hは、この垂直壁部7hの上端部が傾斜壁部7gの下端部に接続されており、この垂直壁部7hの下端部が傾斜壁部7eの上端部に接続されている。垂直壁部7iは、この垂直壁部7iの上端部が床開口部4dに接続されており、この垂直壁部7iの下端部が傾斜壁部7gの上端部に接続されている。垂直壁部7f,7h,7iは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこれらの垂直壁部7f,7h,7iの両縁部が固定されている。吸音部8は、図12に示すように、傾斜壁部7g及び垂直壁部7f,7h,7iの内側表面に吸音部8が接着剤などによって固定されている。この第7実施形態には、第1実施形態〜第7実施形態と同様の効果がある。
図12に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側及び進出口7c側が狭く、この複数の通路7aの進入口7b側と進出口7c側との間が広い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に広くなる逆テーパ状にこの騒音通過部7の上部が形成されており、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に狭くなるテーパ状にこの騒音通過部7の下部が形成されている。騒音通過部7は、傾斜壁部7e,7gと垂直壁部7f,7h,7iなどを備えている。傾斜壁部7e,7gは、複数の通路7aの進入口7b側からこの複数の通路7aの進出口7c側に向かって傾斜する部分である。傾斜壁部7e,7gは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこの傾斜壁部7e,7gの両縁部が固定されている。傾斜壁部7eは、進入口7bから内側に向かって斜め下方に傾斜しており、傾斜壁部7gは進入口7bから外側に向かって斜め下方に傾斜している。傾斜壁部7eは、床開口部4dから下空間Sに雪を排出するときに、通路7a内でこの雪が詰まるのを防止するために、通路7aが徐々に狭くなるように所定の角度が付与されている。垂直壁部7f,7h,7iは、進出口7cに向かって垂直に伸びる部分である。垂直壁部7fは、この垂直壁部7fの上端部が傾斜壁部7eの下端部に接続されている。垂直壁部7hは、この垂直壁部7hの上端部が傾斜壁部7gの下端部に接続されており、この垂直壁部7hの下端部が傾斜壁部7eの上端部に接続されている。垂直壁部7iは、この垂直壁部7iの上端部が床開口部4dに接続されており、この垂直壁部7iの下端部が傾斜壁部7gの上端部に接続されている。垂直壁部7f,7h,7iは、平坦な板状部材であり、図5に示す床開口部4dの長さ方向において対向する垂直壁部7dにこれらの垂直壁部7f,7h,7iの両縁部が固定されている。吸音部8は、図12に示すように、傾斜壁部7g及び垂直壁部7f,7h,7iの内側表面に吸音部8が接着剤などによって固定されている。この第7実施形態には、第1実施形態〜第7実施形態と同様の効果がある。
(第8実施形態)
図13に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側及び進出口7c側が広く、この複数の通路7aの進入口7b側と進出口7c側との間が狭い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に狭くなるテーパ状にこの騒音通過部7の上部が形成されており、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に広くなる逆テーパ状にこの騒音通過部7の下部が形成されている。垂直壁部7fは、この垂直壁部7fの上端部が傾斜壁部7eの下端部に接続されており、この垂直壁部7fの下端部が傾斜壁部7gの上端部に接続されている。垂直壁部7hは、この垂直壁部7hの上端部が傾斜壁部7gの下端部に接続されている。垂直壁部7iは、この垂直壁部7iの上端部が床開口部4dに接続されており、この垂直壁部7iの下端部が傾斜壁部7eの上端部に接続されている。吸音部8は、傾斜壁部7g及び垂直壁部7f,7hの内側表面に接着剤などによって固定されている。この第8実施形態には、第1実施形態〜第7実施形態と同様の効果がある。
図13に示す騒音通過部7は、騒音が浸入する複数の通路7aの進入口7b側及び進出口7c側が広く、この複数の通路7aの進入口7b側と進出口7c側との間が狭い。騒音通過部7は、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に狭くなるテーパ状にこの騒音通過部7の上部が形成されており、進入口7b側から進出口7c側に向かって徐々に広くなる逆テーパ状にこの騒音通過部7の下部が形成されている。垂直壁部7fは、この垂直壁部7fの上端部が傾斜壁部7eの下端部に接続されており、この垂直壁部7fの下端部が傾斜壁部7gの上端部に接続されている。垂直壁部7hは、この垂直壁部7hの上端部が傾斜壁部7gの下端部に接続されている。垂直壁部7iは、この垂直壁部7iの上端部が床開口部4dに接続されており、この垂直壁部7iの下端部が傾斜壁部7eの上端部に接続されている。吸音部8は、傾斜壁部7g及び垂直壁部7f,7hの内側表面に接着剤などによって固定されている。この第8実施形態には、第1実施形態〜第7実施形態と同様の効果がある。
(第9実施形態)
図14に示す騒音通過部7A,7Bは、床開口部4dから下空間Sに向かって騒音が通過する所定長さの部分である。騒音通過部7A,7Bは、図2〜図6及び図11に示す騒音通過部7と略同一の機能を有する。騒音通過部7Aは、図14に示すように、高架橋4の床版下面4gの両縁部寄りの床開口部4dの下方に配置されており、騒音通過部7Bは高架橋4の床版下面4gの中央部の床開口部4dの下方に配置されている。騒音通過部7Aは、図11に示す騒音通過部7に近似した構造であり、この騒音通過部7の外側の傾斜壁部7gを垂直壁部7hに置き換えた構造である。騒音通過部7Aは、内側の垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの外側側面に固定されており、内側の傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の外側傾斜面を利用している。騒音通過部7Bは、図11に示す騒音通過部7と略同一構造であり、垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの内側側面に固定されており、傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の内側傾斜面を利用している。この第9実施形態には、第1実施形態及び第6実施形態と同様の効果がある。
図14に示す騒音通過部7A,7Bは、床開口部4dから下空間Sに向かって騒音が通過する所定長さの部分である。騒音通過部7A,7Bは、図2〜図6及び図11に示す騒音通過部7と略同一の機能を有する。騒音通過部7Aは、図14に示すように、高架橋4の床版下面4gの両縁部寄りの床開口部4dの下方に配置されており、騒音通過部7Bは高架橋4の床版下面4gの中央部の床開口部4dの下方に配置されている。騒音通過部7Aは、図11に示す騒音通過部7に近似した構造であり、この騒音通過部7の外側の傾斜壁部7gを垂直壁部7hに置き換えた構造である。騒音通過部7Aは、内側の垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの外側側面に固定されており、内側の傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の外側傾斜面を利用している。騒音通過部7Bは、図11に示す騒音通過部7と略同一構造であり、垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの内側側面に固定されており、傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の内側傾斜面を利用している。この第9実施形態には、第1実施形態及び第6実施形態と同様の効果がある。
(第10実施形態)
図15に示す騒音通過部7Aは、図12に示す騒音通過部7に近似した構造であり、この騒音通過部7の外側の傾斜壁部7g,7eを垂直壁部7hに置き換えた構造である。騒音通過部7Aは、内側の垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの外側側面に固定されており、内側の傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の外側傾斜面を利用している。騒音通過部7Bは、図12に示す騒音通過部7と略同一構造であり、内側の垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの内側側面に固定されており、傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の内側傾斜面を利用している。この第10実施形態には、第1実施形態及び第7実施形態と同様の効果がある。
図15に示す騒音通過部7Aは、図12に示す騒音通過部7に近似した構造であり、この騒音通過部7の外側の傾斜壁部7g,7eを垂直壁部7hに置き換えた構造である。騒音通過部7Aは、内側の垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの外側側面に固定されており、内側の傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の外側傾斜面を利用している。騒音通過部7Bは、図12に示す騒音通過部7と略同一構造であり、内側の垂直壁部7hが橋脚4b間の隙間を塞ぐようにこの橋脚4bの内側側面に固定されており、傾斜壁部7gとして橋脚4bの上端部の内側傾斜面を利用している。この第10実施形態には、第1実施形態及び第7実施形態と同様の効果がある。
(第11実施形態)
図16に示す騒音通過部7Aは、図2〜図6に示す騒音通過部7と略同一構造である。騒音通過部7Bは、図10に示す騒音通過部7と略同一構造である。この第11実施形態には、第1実施形態及び第5実施形態と同様の効果がある。
図16に示す騒音通過部7Aは、図2〜図6に示す騒音通過部7と略同一構造である。騒音通過部7Bは、図10に示す騒音通過部7と略同一構造である。この第11実施形態には、第1実施形態及び第5実施形態と同様の効果がある。
(第12実施形態)
図17に示す騒音通過部7は、床開口部4dの長さ方向にこの騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区分されている。騒音通過部7は、区分壁部7jを備えている。区分壁部7jは、隣接する複数の通路7aに騒音通過部7の内部を区分する部分である。区分壁部7jは、床開口部4dの長さ方向に間隔をあけて騒音通過部7の内部を仕切る平坦な板状部材である。区分壁部7jは、互いに対向する一方の垂直壁部7dと他方の垂直壁部7dとにこの区分壁部7jの両縁部が固定されている。
図17に示す騒音通過部7は、床開口部4dの長さ方向にこの騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区分されている。騒音通過部7は、区分壁部7jを備えている。区分壁部7jは、隣接する複数の通路7aに騒音通過部7の内部を区分する部分である。区分壁部7jは、床開口部4dの長さ方向に間隔をあけて騒音通過部7の内部を仕切る平坦な板状部材である。区分壁部7jは、互いに対向する一方の垂直壁部7dと他方の垂直壁部7dとにこの区分壁部7jの両縁部が固定されている。
図17(A)に示す騒音通過部7は、進入口7b側から見たときに区分壁部7jによって各通路7aがジグザグに区分されており、進入口7b及び進出口7cの平面形状が三角形である。図17(B)に示す騒音通過部7は、進入口7b側から見たときに区分壁部7jによって各通路7aが斜めに区分されており、進入口7b及び進出口7cの平面形状がひし形又は平行四辺形である。
図17(C)に示す騒音通過部7は、進入口7b側から見たときに垂直壁部7dに対して直交する区分壁部7jによって各通路7aが区分されており、進入口7b及び進出口7cの平面形状が正方形又は長方形である。騒音通過部7は、進入口7b側の開口部の面積が広く、進出口7c側の開口部の面積が狭くなるように形成されている。騒音通過部7は、進出口7c側の開口部の長さは進入口7b側の開口部の長さよりも短く形成されており、進出口7c側の開口部の幅は進入口7b側の開口部の幅よりも狭く形成されている。騒音通過部7は、床開口部4dに上端部が接続される垂直壁部7dと、上端部が垂直壁部7dの下端部に接続される垂直壁部7fと、上端部が垂直壁部7dの下端部に接続され下端部が垂直壁部7fの上端部に接続される平板状の傾斜壁部7eとを備えている。
図17(D)に示す騒音通過部7は、進入口7b側から見たときに垂直壁部7dに対して直交する区分壁部7jによって各通路7aが区分されており、進入口7bの平面形状が正方形又は長方形であり、進出口7cの平面形状が円形又は楕円形である。騒音通過部7は、図17(D)に示す騒音通過部7の傾斜壁部7eとは異なり、垂直壁部7dと垂直壁部7fとを曲面板状の傾斜壁部7eによって滑らかに接続している。この第12実施形態には、第1実施形態〜第11実施形態と同様の効果がある。
(第13実施形態)
図18に示す騒音通過部7は、床開口部4dの幅方向にこの騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区分されている。騒音通過部7は、区分壁部7j,7kを備えている。騒音通過部7は、進入口7b側から見たときに、区分壁部7jによってこの騒音通過部7が長さ方向に区分されるとともに、区分壁部7kによってこの騒音通過部7が幅方向に区分されている。区分壁部7kは、隣接する複数の通路7aに騒音通過部7の内部を区分する部分である。
図18に示す騒音通過部7は、床開口部4dの幅方向にこの騒音通過部7の内部が複数の通路7aに区分されている。騒音通過部7は、区分壁部7j,7kを備えている。騒音通過部7は、進入口7b側から見たときに、区分壁部7jによってこの騒音通過部7が長さ方向に区分されるとともに、区分壁部7kによってこの騒音通過部7が幅方向に区分されている。区分壁部7kは、隣接する複数の通路7aに騒音通過部7の内部を区分する部分である。
図18(A)に示す騒音通過部7は、進入口7b及び進出口7cの平面形状が長方形である。騒音通過部7は、垂直壁部7dと区分壁部7jとに区分壁部7kの両縁部が固定されているとともに、隣接する区分壁部7jにこの区分壁部7kの両縁部が固定されている。騒音通過部7は、床開口部4dの幅方向に間隔をあけてこの騒音通過部7の内部を区分壁部7kが仕切るように、床開口部4dの長さ方向に沿って伸びる一対の垂直壁部7dと平行にこの区分壁部7kが配置されている。
図18(B)に示す騒音通過部7は、進入口7b側から見たときに、区分壁部7jによって各通路7aがジグザグに区分されているとともに、垂直壁部7d及び区分壁部7kに対して直交する区分壁部7jによって各通路7aが等間隔に区分されている。騒音通過部7は、垂直壁部7dと区分壁部7kとに区分壁部7jの両縁部が固定されている。騒音通過部7は、進入口7b及び進出口7cの平面形状が三角形及び四角形である。この第13実施形態には、第1実施形態〜第9実施形態と同様の効果がある。
次に、この発明の実施例について説明する。
図1〜図18に示す騒音低減装置6の騒音低減効果を確認するために模型実験を実施した。模型実験は、図19に示すように、軌道上の高さ10mmの音源位置に騒音を発生する線音源装置(リオン株式会社製 型番なし)を配置し、この線音源装置の直下の地表面から距離1000mm(実寸で25m)だけ離れた測定点の音圧レベルをマイクロホン(1/4インチコンデンサマイクロホン(リオン株式会社製 UC29)及びプリアンプ(リオン株式会社製 NH-5))によってそれぞれ測定した。模型実験は、図20〜図23に示す対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2について実施した。図20〜図23に示す模型高架橋は、実物の高架橋の縮尺1/25の模型である。模型高架橋は、全長4048mm、長さ方向の橋脚の間隔400mm(両端部のみ橋脚の間隔424mm)の塩化ビニル製であり、各部の寸法は図20(A)に示す通りである。図20〜図23に示す長さL1は、実物の軌道のレール面から実物の騒音通過部の進出口までの長さ(実寸)であり、長さL2は実物の騒音通過部の垂直壁部に相当する部分の長さ(実寸)である。図20〜図23に示す対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2は、水平面で切断したときの断面形状が四角形であり、長さ164mmのアルミニウム製の筒状の部材を長さ方向に4つ並べた騒音通過部である。図23に示す対策4-1,4-2は、長さ4000mmのアルミニウム製の板材である。対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2の各部の寸法は、図20〜図23に示す通りである。
図1〜図18に示す騒音低減装置6の騒音低減効果を確認するために模型実験を実施した。模型実験は、図19に示すように、軌道上の高さ10mmの音源位置に騒音を発生する線音源装置(リオン株式会社製 型番なし)を配置し、この線音源装置の直下の地表面から距離1000mm(実寸で25m)だけ離れた測定点の音圧レベルをマイクロホン(1/4インチコンデンサマイクロホン(リオン株式会社製 UC29)及びプリアンプ(リオン株式会社製 NH-5))によってそれぞれ測定した。模型実験は、図20〜図23に示す対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2について実施した。図20〜図23に示す模型高架橋は、実物の高架橋の縮尺1/25の模型である。模型高架橋は、全長4048mm、長さ方向の橋脚の間隔400mm(両端部のみ橋脚の間隔424mm)の塩化ビニル製であり、各部の寸法は図20(A)に示す通りである。図20〜図23に示す長さL1は、実物の軌道のレール面から実物の騒音通過部の進出口までの長さ(実寸)であり、長さL2は実物の騒音通過部の垂直壁部に相当する部分の長さ(実寸)である。図20〜図23に示す対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2は、水平面で切断したときの断面形状が四角形であり、長さ164mmのアルミニウム製の筒状の部材を長さ方向に4つ並べた騒音通過部である。図23に示す対策4-1,4-2は、長さ4000mmのアルミニウム製の板材である。対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2の各部の寸法は、図20〜図23に示す通りである。
図20に示す対策1-1及び対策1-2は、図14に示す第9実施形態に対応する構造である。図21に示す対策2-1及び対策2-2は、図15に示す第10実施形態に対応する構造である。図22に示す対策3-1及び対策3-2は、図16に示す第11実施形態に対応する構造である。図23に示す対策4-1及び対策4-2は、図26に示す従来技術に対応する構造である。図21(A)〜(D)に示す対策1-2〜4-2は、図20(A)〜図23(A)に示す対策1-1〜4-1の長さL1,L2を延長した構造であり、図23(B)に示す対策4-2は騒音通過部の進出口が地表面に達している。対策1-1〜4-2は、吸音材なしの構造と、吸音材を長さ方向のみに取り付けた構造と、吸音材を全面に取り付けた構造のそれぞれについて試験を実施した。吸音材は、3mm厚のフェルト(アンビック株式会社製 R25W1)を使用した。
図24に示す「開床現状」は、図25に示すような床開口部が存在する現状の開床式高架橋である。「閉床標準」は、図25に示す床開口部が存在しない標準的な閉床式高架橋である。「近接側」及び「遠隔側」は、図19に示す測定点に対する車両の位置である。「近接側」は、音源位置が近接側車両の直下である場合に測定点で測定した音圧レベル(dB)であり、「遠隔側」は音源位置が遠隔側車両の直下である場合に測定点で測定した音圧レベル(dB)である。図24に示す試験結果は、音源を軌道の中心線上に配置したときに、この音源から25m(高さ1.2m)の相当点にマイクロホンを配置して測定したO.A.値(800〜100kHz)である。ここで、O.A.値は、模型の場合では800〜100kHzであり、実寸(1/1縮尺)の場合では125〜4000Hzである。図24に示す数値は、各対策1-1〜4-1,1-2〜4-2の測定結果を閉床標準の測定結果から減算したときの差分の音圧レベル(dB)である。
図24に示すように、対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2のいずれについても、開床現状の試験結果に比べて音圧レベルが低く騒音低減効果が確認された。閉床現状の場合には、例えば、音源からの騒音を100%としたときに防音壁で60%ぐらい騒音を遮蔽しても残りの40%が沿線に放射されてしまうことが確認された。一方、対策1-2〜4-1及び対策1-2〜4-2の場合には、音源からの騒音100%の50%が床開口部から騒音通過部に向かうが、騒音通過部である程度吸収され、防音壁に向かう残りの50%の騒音が遮音されて20%程度まで低減されることが確認された。対策1-2〜4-2は、対策1-1〜4-1に比べて音圧レベルが低く、騒音通過部の長さを長くすることによって騒音低減効果を向上可能であることが確認された。対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2のいずれについても、吸音材を取り付けることによって音圧レベルが低下しており、「吸音材なし」の場合に比べて「吸音材あり」の場合にはより一層音圧レベルを低下可能であることが確認された。また、対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2は、吸音材を長手方向のみに取り付けた場合と吸音材を全面に取り付けた場合については、高架橋に床開口部が存在しない閉床標準よりも音圧レベルが低下しており、優れた騒音低減効果を発揮することが確認された。さらに、対策1-1〜4-1及び対策1-2〜4-2は、吸音材を長手方向のみに取り付けた場合に比べて、吸音材を全面に取り付けた場合のほうが、音圧レベルの低下が大きいことが確認された。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、高架橋4上を鉄道車両が走行する場合を例に挙げて説明したが、鉄道車両以外の自動車などの移動体が通過する高架橋についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、高架橋4がコンクリート高架橋である場合を例に挙げて説明したが、鋼材を主材料とする鉄桁橋などの鋼橋や、鋼桁と鉄筋コンクリート床版とを結合した合成桁橋などの高架橋についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、高架橋4が開床式高架橋である場合を例に挙げて説明したが、床面に開口部を有する開床式高架橋以外の構造物についても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、防音壁3が直型防音壁である場合を例に挙げて説明したが、壁部3aの上縁部を音源側(車両2側)に水平に屈曲させて断面が略L字状の逆L形防音壁である場合についても、この発明を適用することができる。
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、高架橋4上を鉄道車両が走行する場合を例に挙げて説明したが、鉄道車両以外の自動車などの移動体が通過する高架橋についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、高架橋4がコンクリート高架橋である場合を例に挙げて説明したが、鋼材を主材料とする鉄桁橋などの鋼橋や、鋼桁と鉄筋コンクリート床版とを結合した合成桁橋などの高架橋についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、高架橋4が開床式高架橋である場合を例に挙げて説明したが、床面に開口部を有する開床式高架橋以外の構造物についても、この発明を適用することができる。さらに、この実施形態では、防音壁3が直型防音壁である場合を例に挙げて説明したが、壁部3aの上縁部を音源側(車両2側)に水平に屈曲させて断面が略L字状の逆L形防音壁である場合についても、この発明を適用することができる。
(2) この実施形態では、左右の防音壁3の内側に床開口部4dを有する高架橋4を例に挙げて説明したが、このような構造の高架橋4に限定するものではない。例えば、除雪車によって投雪された雪が衝突する投雪板を左右の防音壁の外側に配置し、この防音壁と投雪板との間に床開口部を有する高架橋についてもこの発明を適用することができる。この場合には、防音壁と投雪板との間の床開口部に騒音低減装置6を配置することができる。また、この実施形態では、騒音通過部7の垂直壁部7d,7f,7h,7iの内側表面の全面を吸音部8によって被覆する場合を例に挙げて説明したが、これらの垂直壁部7d,7f,7h,7iの内側表面の一部を吸音部8によって被覆する場合についても、この発明を適用することができる。例えば、垂直壁部7d,7f,7h,7iのうち床開口部4dの長さ方向で対向する内側表面のみを吸音部8によって被覆したり、垂直壁部7d,7f,7h,7iのうち床開口部4dの幅方向で対向する内側表面のみを吸音部8によって被覆したりすることができる。同様に、この実施形態では、騒音通過部7の傾斜壁部7gの内側表面の全面を吸音部8によって被覆する場合を例に挙げて説明したが、この傾斜壁部7gの内側表面の一部を吸音部8によって被覆する場合についても、この発明を適用することができる。
(3) この実施形態では、高架橋4の床版下面4gと地表面Gとの間に下空間Sが形成される場合を例に挙げて説明したが、高架橋4の床版下面4gと水面との間に下空間Sが形成される場合についても、この発明を適用することができる。また、この実施形態では、騒音通過部7の通路7aの水平面で切断したときの断面形状が四角形、三角形、円形又は楕円形である場合を例に挙げて説明したが、断面形状がこれらの形状以外の任意の形状である場合についても、この発明を適用することができる。
(4) この第4実施形態では、防音壁部10が高架橋4から下方に伸びる垂直な垂れ壁部である場合を挙げて説明したが、防音壁部10の構造をこのような構造に限定するものではない。例えば、防音壁部10の下端部を高架橋4の内側に屈曲させることによって、二重回折による効果と音響エネルギーを音源側に閉じ込めて遮音効果を高める効果とを付与し、遮音効果を向上させることもできる。また、この第4実施形態では、第1実施形態の騒音通過部7と組み合わせた場合を例に挙げて説明したが、第2実施形態〜第13実施形態の騒音通過部7,7A,7Bと組み合わせた場合についても、この発明を適用することができる。さらに、この第13実施形態では、騒音通過部7の進入口7b及び進出口7cの平面形状が三角形及び四角形である場合を例に挙げて説明したが、進入口7b及び進出口7cの平面形状が三角形、四角形、平行四辺形、ひし形、円形又は楕円形などの任意の形状の組み合わせである場合についても、この発明を適用することができる。
1 軌道
2 車両
3 防音壁
4 高架橋(橋梁)
4d 床開口部
5 杭基礎
6 騒音低減装置
7,7A,7B 騒音通過部
7a 通路
7b 進入口
7c 進出口
7d 垂直壁部
7e,7g 傾斜壁部
7f,7h,7i 垂直壁部
7j,7k 区分壁部
8 吸音部
9 反射部
10 防音壁部
S 下空間
G 地表面
2 車両
3 防音壁
4 高架橋(橋梁)
4d 床開口部
5 杭基礎
6 騒音低減装置
7,7A,7B 騒音通過部
7a 通路
7b 進入口
7c 進出口
7d 垂直壁部
7e,7g 傾斜壁部
7f,7h,7i 垂直壁部
7j,7k 区分壁部
8 吸音部
9 反射部
10 防音壁部
S 下空間
G 地表面
Claims (4)
- 床開口部を有する高架橋であって、
軌道側と沿線側との間に設置されており、音源からの騒音を減衰させる防音壁と、
前記床開口部から下空間に向かって、前記音源からの騒音が通過する所定長さの騒音通過部と、
を備える高架橋。 - 請求項1に記載の高架橋において、
前記騒音通過部を通過する騒音をこの騒音通過部の内面で吸収する吸音部を備えること、
を特徴とする高架橋。 - 騒音を低減する騒音低減装置であって、
軌道を支持する高架橋の軌道側と沿線側との間に設置されており、音源からの騒音を減衰させる防音壁と、
前記高架橋の床開口部からこの高架橋の下空間に向かって、前記音源からの騒音が通過する所定長さの騒音通過部と、
を備える騒音低減装置。 - 請求項3に記載の騒音低減装置において、
前記騒音通過部を通過する騒音をこの騒音通過部の内面で吸収する吸音部を備えること、
を特徴とする騒音低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020151171A JP6975299B2 (ja) | 2018-07-18 | 2020-09-09 | 高架橋及び騒音低減装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018135341A JP6975104B2 (ja) | 2018-07-18 | 2018-07-18 | 橋梁の騒音低減装置 |
JP2020151171A JP6975299B2 (ja) | 2018-07-18 | 2020-09-09 | 高架橋及び騒音低減装置 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018135341A Division JP6975104B2 (ja) | 2018-07-18 | 2018-07-18 | 橋梁の騒音低減装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020204254A JP2020204254A (ja) | 2020-12-24 |
JP6975299B2 true JP6975299B2 (ja) | 2021-12-01 |
Family
ID=73837561
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020151171A Active JP6975299B2 (ja) | 2018-07-18 | 2020-09-09 | 高架橋及び騒音低減装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6975299B2 (ja) |
Family Cites Families (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5240405U (ja) * | 1975-09-16 | 1977-03-23 | ||
JPS5659219U (ja) * | 1979-10-15 | 1981-05-21 | ||
JPS6087321U (ja) * | 1983-11-21 | 1985-06-15 | トヨタ自動車株式会社 | サイレンサ |
JPS62288201A (ja) * | 1986-06-06 | 1987-12-15 | 株式会社日立製作所 | モノレ−ル軌道の騒音低減装置 |
JPS63286647A (ja) * | 1987-05-16 | 1988-11-24 | Ryoko:Kk | 空調用消音器 |
JPH0233811U (ja) * | 1988-08-25 | 1990-03-02 | ||
JP3028156B2 (ja) * | 1992-07-17 | 2000-04-04 | 東急建設株式会社 | 鉄道高架橋の施工方法 |
JPH09287114A (ja) * | 1996-04-23 | 1997-11-04 | Hitachi Plant Eng & Constr Co Ltd | 防音装置 |
JPH11280025A (ja) * | 1998-03-30 | 1999-10-12 | Railway Technical Res Inst | 排雪式橋りょう |
JP4347514B2 (ja) * | 2000-11-21 | 2009-10-21 | 日本鋳造株式会社 | 橋梁の防音装置 |
JP4641638B2 (ja) * | 2001-03-12 | 2011-03-02 | マグ・イゾベール株式会社 | 消音機能を有するエアダクト |
JP2009041891A (ja) * | 2007-08-10 | 2009-02-26 | Furukawa Sky Kk | 吸音ダクト |
JP2013238187A (ja) * | 2012-05-16 | 2013-11-28 | C I Kasei Co Ltd | 減音通気装置 |
JP2014181517A (ja) * | 2013-03-21 | 2014-09-29 | Railway Technical Research Institute | 高架橋の騒音低減装置 |
-
2020
- 2020-09-09 JP JP2020151171A patent/JP6975299B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020204254A (ja) | 2020-12-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2009133172A2 (de) | Niedrige lärmschutzwand an gleisen | |
US9909269B2 (en) | Diffractor for diffracting sound | |
KR102112387B1 (ko) | 하로형 철도 교량의 소음 및 진동 저감 장치 | |
CN108660956B (zh) | 组合式轨道交通声风屏障 | |
JP6975299B2 (ja) | 高架橋及び騒音低減装置 | |
KR200475822Y1 (ko) | 철도용 근접 방음벽 | |
JP6975104B2 (ja) | 橋梁の騒音低減装置 | |
JP2015501893A (ja) | 騒音防止装置 | |
WO2018024263A1 (en) | Municipal noise absorbing screen | |
JP4587660B2 (ja) | 鉄道車両用軌道 | |
KR101251957B1 (ko) | 방음벽용 소음 감쇠블럭체 및 이들로 구성되는 방음벽 | |
Massarsch | Mitigation of traffic-induced ground vibrations | |
DK2817456T3 (en) | Noise Reduction device | |
KR20170049507A (ko) | 유도식 운송 선로용 소음 방지 설비 및 상기 설비를 구비한 유도식 운송 선로 | |
JP2821900B2 (ja) | 音波制御装置を配置した輸送用高架構造物 | |
KR100972966B1 (ko) | 콘크리트 슬래브 궤도용 방음 구조물 | |
CZ280209B6 (cs) | Zvukově izolační stěna | |
JP4091836B2 (ja) | 鉄道用防音壁 | |
KR200319316Y1 (ko) | 콘크리트도상용 소음 차단장치 | |
JP4871709B2 (ja) | 防音ユニット取付構造 | |
KR200231042Y1 (ko) | 소음 감쇄를 위한 차음벽 | |
ES2684429B1 (es) | Zona de transición de una línea ferroviaria situada entre una vía en balasto y una vía en placa de hormigón | |
Bret et al. | Development of the Municipal Noise-Absorbing Screen and test section construction technology | |
KR200254104Y1 (ko) | 철도 교량하부 방음시설 | |
JP2003129426A (ja) | 移動音源用可視型防音壁 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201031 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211102 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211105 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6975299 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |