JP6975006B2 - ワークの製造方法 - Google Patents
ワークの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6975006B2 JP6975006B2 JP2017195363A JP2017195363A JP6975006B2 JP 6975006 B2 JP6975006 B2 JP 6975006B2 JP 2017195363 A JP2017195363 A JP 2017195363A JP 2017195363 A JP2017195363 A JP 2017195363A JP 6975006 B2 JP6975006 B2 JP 6975006B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- semiconductor wafer
- film
- curable resin
- resin film
- protective film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
- Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)
Description
まず、剥離フィルム94を取り除き、露出した硬化性樹脂層13を半導体ウエハのバンプ形成面に貼付することで、バックグラインドテープ1及び硬化性樹脂層13の積層構造を有する積層シートを半導体ウエハに貼り合わせる。
次いで、半導体ウエハのバンプ形成面とは反対側の面を研削する。
次いで、バックグラインドテープ1を硬化性樹脂層13から剥離して、バックグラインドテープ1のみを半導体ウエハから取り除く。ここまでの工程で、半導体ウエハ及び硬化性樹脂層13が積層された構造を有するワークが得られる。
次いで、第2保護膜形成用フィルムを硬化させて第2保護膜を形成し、さらに、第2保護膜にダイシングシートを貼付する。そして、半導体ウエハを硬化性樹脂層13ごとダイシングして個片化し、半導体チップを形成する。硬化性樹脂層13は、適切なタイミングで硬化させて第1保護膜を形成し、以降、第1保護膜及び第2保護膜を備えた半導体チップを用いて、半導体装置を作製する。
まず、従来の半導体ウエハ加工用シートは、通常、ロール状に巻き取られて冷蔵保管される。保管時に冷却が必要である理由は、硬化性樹脂層の柔軟性が比較的高いためであり、半導体ウエハ加工用シートをロールから繰り出して使用する際は、半導体ウエハ加工用シートの温度を常温に戻すことになる。一方、従来の半導体ウエハ加工用シートは、バックグラインドテープ及び硬化性樹脂層(硬化性樹脂フィルム)が積層された構造を有するために、比較的厚さが厚くなっている。このように、厚い半導体ウエハ加工用シートを、ロール状に巻き取って冷蔵保管した場合、剥離フィルムと硬化性樹脂層との間での層間剥離が、主としてシートの幅方向に延びて生じ易く(「トンネリング」ともいう)、さらにこの剥離箇所から周辺領域にも層間剥離が延びて出現し易い(「スジ」ともいう)。このような層間剥離が生じた半導体ウエハ加工用シートでは、ロールから繰り出した使用時において、硬化性樹脂層の表面が凹凸面となり、このような凹凸面を有するシートを用いると、その影響を受けて、半導体ウエハを上述のように研削したときに、研削面にも凹凸が生じてしまうことがある。
本発明のワークの製造方法は、前記工程(P2)と前記工程(P3)との間に、さらに、研削された前記半導体ウエハの前記第2面に、第2保護膜形成用フィルムを貼付する工程(P5)を有することが好ましい。
また、本発明は、半導体ウエハのバンプを有する第1面に、バックグラインドテープを貼付する手段と、前記第1面に前記バックグラインドテープが貼付された半導体ウエハの、前記第1面とは反対側の第2面を研削する手段と、前記第2面を研削された半導体ウエハの前記第1面から、前記バックグラインドテープを剥離する手段と、前記バックグラインドテープが剥離された半導体ウエハの前記第1面側に、硬化性樹脂フィルムを貼付する手段と、を備えた、ワークの製造装置を提供する。
本発明のワークの製造方法は、半導体ウエハのバンプを有する第1面に、バックグラインドテープを貼付する工程(P1)と、前記第1面に前記バックグラインドテープが貼付された半導体ウエハの、前記第1面とは反対側の第2面を研削する工程(P2)と、前記第2面を研削された半導体ウエハの前記第1面から、前記バックグラインドテープを剥離する工程(P3)と、前記バックグラインドテープが剥離された半導体ウエハの前記第1面側に、硬化性樹脂フィルムを貼付する工程(P4)と、を有する。
また、「半導体ウエハの研削」とは、特に断りのない限り、「半導体ウエハのバンプ形成面とは反対側の面の研削」を意味する。
また、「硬化性樹脂フィルム」は、これ以外の他の層と積層された状態にある場合には、「硬化性樹脂層」と称することがある。
なお、以下の説明で用いる図は、本発明の特徴を分かり易くするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等が実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明の前記製造方法で用いる半導体ウエハ加工用シートのうち、バックグラインドテープを備えたもの(半導体ウエハ加工用シート(S1))の一例を模式的に示す断面図である。
ここに示す半導体ウエハ加工用シート8は、バックグラインドテープ1上に剥離フィルム94を備えて、構成されている。そして、バックグラインドテープ1は、第1基材11上に第1粘着剤層12を備えて、構成されている。すなわち、半導体ウエハ加工用シート8は、第1基材11、第1粘着剤層12及び剥離フィルム94がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
剥離フィルム94も、公知のものであってもよい。
第1粘着剤層12は、シート状又はフィルム状であり、粘着剤を含有する。
なお、本明細書においては、第1基材及び第1粘着剤層の場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
ここで、「第1基材の厚さ」とは、第1基材全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1基材の厚さとは、第1基材を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
ここで、「第1粘着剤層の厚さ」とは、第1粘着剤層全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第1粘着剤層の厚さとは、第1粘着剤層を構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
例えば、第1粘着剤層12を形成するための組成物を第1基材11上に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、又は前記組成物を剥離フィルムの剥離処理面上に塗工し、必要に応じて乾燥させて、得られた塗工層を、第1基材11上に貼り合わせることで、第1基材11上に第1粘着剤層12を形成する。次いで、第1粘着剤層12の露出面(第1基材11を備えていない側の表面)を、剥離フィルム94の剥離処理面と貼り合わせることで、半導体ウエハ加工用シート8が得られる。
また、例えば、第1粘着剤層12を形成するための組成物を剥離フィルム94の剥離処理面上に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム94上に第1粘着剤層12を形成する。次いで、第1粘着剤層12の露出面(剥離フィルム94を備えていない側の表面)を、第1基材11と貼り合わせることでも、半導体ウエハ加工用シート8が得られる。
第1基材が樹脂を含有するものである場合には、前記樹脂を含有する樹脂組成物を成形することで、第1基材を製造できる。
図2は、本発明の前記製造方法で用いる半導体ウエハ加工用シートのうち、硬化性樹脂フィルムを備えたもの(半導体ウエハ加工用シート(S2))の一例を模式的に示す断面図である。
なお、図2以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
硬化性樹脂フィルム13及び剥離フィルム94は、いずれも公知のものであってもよい。
硬化性樹脂フィルム13は、熱硬化性樹脂フィルム(熱硬化性樹脂層)及びエネルギー線硬化性樹脂フィルム(エネルギー線硬化性樹脂層)のいずれであってもよい。
硬化性樹脂フィルム13は、その構成材料を含有する硬化性樹脂フィルム形成用組成物を用いて形成できる。
紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンHランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
ここで、「硬化性樹脂フィルムの厚さ」とは、硬化性樹脂フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる硬化性樹脂フィルムの厚さとは、硬化性樹脂フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
以下、熱硬化性樹脂フィルム及びエネルギー線硬化性樹脂フィルムについて、より具体的に説明する。
好ましい熱硬化性樹脂フィルムとしては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有するものが挙げられる。重合体成分(A)は、重合性化合物が重合反応して形成されたとみなせる成分である。また、熱硬化性成分(B)は、熱を反応のトリガーとして、硬化(重合)反応し得る成分である。なお、本発明において重合反応には、重縮合反応も含まれる。
熱硬化性樹脂フィルムは、その構成材料を含有する熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物を用いて形成できる。
熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物としては、例えば、重合体成分(A)及び熱硬化性成分(B)を含有する熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物(III−1)(本明細書においては、単に「組成物(III−1)」と略記することがある)等が挙げられる。
重合体成分(A)としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル、ウレタン系樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、ゴム系樹脂、フェノキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド等が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
熱硬化性成分(B)としては、例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂、熱硬化性ポリイミド、ポリウレタン、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂等が挙げられ、エポキシ系熱硬化性樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂(B1)としては、公知のものが挙げられ、例えば、多官能系エポキシ樹脂、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテル及びその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂等、2官能以上のエポキシ化合物が挙げられる。
熱硬化剤(B2)は、エポキシ樹脂(B1)に対する硬化剤として機能する。
熱硬化剤(B2)のうち、フェノール性水酸基を有するフェノール系硬化剤としては、例えば、多官能フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化剤(B2)のうち、アミノ基を有するアミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド(DICY)等が挙げられる。
組成物(III−1)及び熱硬化性樹脂フィルムにおいて、熱硬化性成分(B)の含有量(例えば、エポキシ樹脂(B1)及び熱硬化剤(B2)の総含有量)は、重合体成分(A)の含有量100質量部に対して、50〜1000質量部であることが好ましい。
好ましい硬化促進剤(C)としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の第3級アミン;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール類(1個以上の水素原子が水素原子以外の基で置換されたイミダゾール);トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン等の有機ホスフィン類(1個以上の水素原子が有機基で置換されたホスフィン);テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等が挙げられる。
好ましい無機充填材としては、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化ケイ素、窒化ホウ素等の粉末;これら無機充填材を球形化したビーズ;これら無機充填材の表面改質品;これら無機充填材の単結晶繊維;ガラス繊維等が挙げられる。
前記エネルギー線硬化性化合物としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
組成物(III−1)における光重合開始剤(H)としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール等のベンゾイン化合物;アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のアセトフェノン化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド化合物;ベンジルフェニルスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα−ケトール化合物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;チタノセン等のチタノセン化合物;チオキサントン等のチオキサントン化合物;パーオキサイド化合物;ジアセチル等のジケトン化合物;ベンジル;ジベンジル;ベンゾフェノン;2,4−ジエチルチオキサントン;1,2−ジフェニルメタン;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン;2−クロロアントラキノン等が挙げられる。
また、前記光重合開始剤としては、例えば、1−クロロアントラキノン等のキノン化合物;アミン等の光増感剤等を用いることもできる。
汎用添加剤(I)は、公知のものでよく、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。好ましい汎用添加剤(I)としては、例えば、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、着色剤(染料、顔料)、ゲッタリング剤等が挙げられる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
これらの中でも、前記溶媒は、組成物(III−1)中の含有成分をより均一に混合できる点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
前記エネルギー線硬化性樹脂フィルムは、エネルギー線硬化性成分(a)を含有する。
エネルギー線硬化性成分(a)は、未硬化であることが好ましく、粘着性を有することが好ましく、未硬化でかつ粘着性を有することがより好ましい。
エネルギー線硬化性樹脂フィルムは、その構成材料を含有するエネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物を用いて形成できる。
エネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物としては、例えば、前記エネルギー線硬化性成分(a)を含有するエネルギー線硬化性樹脂フィルム形成用組成物(IV−1)(本明細書においては、単に「組成物(IV−1)」と略記することがある)等が挙げられる。
エネルギー線硬化性成分(a)としては、例えば、エネルギー線硬化性基を有する、重量平均分子量が80000〜2000000の重合体(a1)、及びエネルギー線硬化性基を有する、分子量が100〜80000の化合物(a2)が挙げられる。前記重合体(a1)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
なお、本明細書において、重量平均分子量とは、特に断りのない限り、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により測定されるポリスチレン換算値である。
これらの中でも、前記官能基は、水酸基であることが好ましい。
前記重合体(b)は、その少なくとも一部が架橋剤によって架橋されたものであってもよいし、架橋されていないものであってもよい。
これらの中でも、前記重合体(b)は、アクリル系重合体(以下、「アクリル系重合体(b−1)」と略記することがある)であることが好ましい。
組成物(IV−1)における前記熱硬化性成分、光重合開始剤、充填材、カップリング剤、架橋剤、汎用添加剤及び溶媒の含有量は、目的に応じて適宜調節すればよく、特に限定されない。
前記硬化性樹脂フィルム形成用組成物は、これを構成するための各成分を配合することで得られる。
各成分の配合時における添加順序は特に限定されず、2種以上の成分を同時に添加してもよい。
溶媒を用いる場合には、溶媒を溶媒以外のいずれかの配合成分と混合してこの配合成分を予め希釈しておくことで用いてもよいし、溶媒以外のいずれかの配合成分を予め希釈しておくことなく、溶媒をこれら配合成分と混合することで用いてもよい。
配合時に各成分を混合する方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサーを用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
各成分の添加及び混合時の温度並びに時間は、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、適宜調節すればよいが、温度は15〜30℃であることが好ましい。
例えば、組成物(III−1)、組成物(IV−1)等の前記硬化性樹脂フィルム形成用組成物を、剥離フィルム94の剥離処理面上に塗工し、必要に応じて乾燥させて、得られた塗工層の露出面(剥離フィルム94を備えていない側の表面)を、さらに別の剥離フィルム94の剥離処理面と貼り合わせることで、半導体ウエハ加工用シート7が得られる。
また、前記硬化性樹脂フィルム形成用組成物等の各組成物は、その塗工後、例えば、その種類に応じて、70〜130℃で10秒〜5分の条件で、乾燥させることが好ましい。
本発明で用いる半導体ウエハは、第2面が剥き出しとなることがある。この剥き出しとなった半導体チップの第2面には、第2保護膜として、有機材料を含有する樹脂膜が形成され、第2保護膜付き半導体チップとして半導体装置に取り込まれることがある。第2保護膜は、ダイシング工程やパッケージングの後に、半導体チップにおいてクラックが発生するのを防止するために利用される。
ここに示す半導体ウエハ加工用シート6は、第2保護膜形成用複合シート2上に剥離フィルム94を備えて、構成されている。そして、第2保護膜形成用複合シート2は、第2支持シート21上に第2保護膜形成用フィルム22を備えて、構成されている。すなわち、半導体ウエハ加工用シート6は、支持シート21、第2保護膜形成用フィルム22を及び剥離フィルム94がこの順に、これらの厚さ方向において積層されて、構成されている。
剥離フィルム94も、公知のものであってもよい。
第2保護膜形成用フィルム22は、熱硬化性第2保護膜形成用フィルム及びエネルギー線硬化性第2保護膜形成用フィルムのいずれであってもよい。
第2保護膜形成用フィルム22は、その構成材料を含有する第2保護膜形成用組成物を用いて形成できる。
ダイシングシートである第2支持シート21としては、例えば、第2基材上に第2粘着剤層が設けられてなるものが挙げられ、この場合、第2保護膜形成用フィルム22は、第2支持シート21の第2粘着剤層側に設けられる。
前記粘着剤としては、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリカーボネート等の粘着性樹脂が挙げられ、アクリル系樹脂が好ましい。
第2粘着剤層は、その構成材料を含有する第2粘着剤組成物を用いて形成できる。
ここで、「第2支持シートの厚さ」とは、第2支持シート全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第2支持シートの厚さとは、第2支持シートを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
ここで、「第2保護膜形成用フィルムの厚さ」とは、第2保護膜形成用フィルム全体の厚さを意味し、例えば、複数層からなる第2保護膜形成用フィルムの厚さとは、第2保護膜形成用フィルムを構成するすべての層の合計の厚さを意味する。
例えば、前記第2保護膜形成用組成物を第2支持シート21上に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、又は前記組成物を剥離フィルムの剥離処理面上に塗工し、必要に応じて乾燥させて、得られた塗工層を、第2支持シート21上に貼り合わせることで、第2支持シート21上に第2保護膜形成用フィルムを形成する。次いで、第2保護膜形成用フィルムの露出面(第2支持シート21を備えていない側の表面)を、剥離フィルム94の剥離処理面と貼り合わせることで、半導体ウエハ加工用シート6が得られる。
また、例えば、前記第2保護膜形成用組成物を剥離フィルム94の剥離処理面上に塗工して、必要に応じて乾燥させることで、剥離フィルム94上に第2保護膜形成用フィルムを形成し、次いで、第2保護膜形成用フィルムの露出面(剥離フィルム94を備えていない側の表面)を、第2支持シート21と貼り合わせることでも、半導体ウエハ加工用シート6が得られる。
本発明の製造方法においては、まず、前記工程(P1)を行う。
工程(P1)においては、図4(a)に示すように、半導体ウエハ50’のバンプ51を有する第1面50aに、バックグラインドテープ1を貼付する。
ここに示す半導体ウエハ50’の第1面50aには、複数個のバンプ51が設けられている。バンプ51は、球の一部が平面によって切り取られた形状を有しており、その切り取られて露出した部位に相当する平面が、半導体ウエハ50’の第1面50aに接触している。
なお、ここまでで説明したバンプの形状は、本発明の使用対象である半導体ウエハが備える好ましいものの一例に過ぎず、本発明において、バンプの形状はこれらに限定されない。
本発明の製造方法においては、工程(P1)の後、前記工程(P2)を行う。
工程(P2)においては、図4(b)に示すように、第1面50aにバックグラインドテープ1が貼付された半導体ウエハ50’の、第1面50aとは反対側の第2面50b’を研削する。本明細書及び図面においては、研削前の半導体ウエハには符号50’を、研削後の半導体ウエハには符号50を、それぞれ付して、これら半導体ウエハを区別して示している。また、同様に、研削前の半導体ウエハの第2面には符号50b’を、研削後の半導体ウエハの第2面には符号50bを、それぞれ付して、これら第2面を区別して示している。
本発明の製造方法は、前記工程(P2)と後述する工程(P3)との間に、さらに、研削された前記半導体ウエハの前記第2面に、第2保護膜形成用フィルムを貼付する工程(P5)を有することが好ましい。
すなわち、本発明の製造方法においては、工程(P2)の後、後述する工程(P3)の前に、さらに、図4(c)に示すように、研削された半導体ウエハ50の第2面50bに、第2保護膜形成用フィルム22を貼付する工程(P5)を行うことが好ましい。
ここでは、第2保護膜形成用フィルム22を、第2支持シート21とともに、第2保護膜形成用複合シート2の状態で、半導体ウエハ50に貼付した場合について示している。
前記第2面50bへの第2保護膜形成用フィルム22の貼付は、公知の方法で行うことができる。
本発明の製造方法においては、工程(P2)の後、前記工程(P3)を行う。
前記工程(P5)を行う場合には、工程(P5)の後、前記工程(P3)を行えばよい。
工程(P3)においては、図4(d)に示すように、第2面50b’を研削された(研削後の第2面50bを有する)半導体ウエハ50の第1面50aから、バックグラインドテープ1を剥離する。
前記第1面50aからのバックグラインドテープ1の剥離は、公知の方法で行うことができる。
本発明の製造方法においては、工程(P3)の後、前記工程(P4)を行う。
工程(P4)においては、図4(e)に示すように、バックグラインドテープ1が剥離された半導体ウエハ50の第1面50a側に、硬化性樹脂フィルム13を貼付する。
前記第1面50a側への硬化性樹脂フィルム13の貼付は、公知の方法で行うことができる。
以上により、半導体ウエハ50及び硬化性樹脂フィルム13が積層された構造を有するワーク501が得られる。
そして、第1保護膜を形成してワークとする場合、上述のように硬化性樹脂フィルム13を加熱して半導体ウエハ50の第1面50aとバンプ51の表面51aとに密着させた後、そのまま引き続き硬化性樹脂フィルム13の加熱を継続するか、又はそのまま引き続き硬化性樹脂フィルム13にエネルギー線を照射して、第1保護膜13’を形成してもよい。
例えば、硬化性樹脂フィルム13が熱硬化性である場合、硬化時の加熱温度は、100〜200℃であることが好ましい。そして、硬化時の加熱時間は、0.5〜5時間であることが好ましい。
一方、硬化性樹脂フィルム13がエネルギー線硬化性である場合、硬化時のエネルギー線の照度は、180〜280mW/cm2であることが好ましい。そして、硬化時のエネルギー線の光量は、450〜1000mJ/cm2であることが好ましい。
そして、本発明の前記製造方法においては、工程(P4)で、半導体ウエハ50の第1面50a側に、硬化性樹脂フィルム13を加熱してその流動性を増大させながら貼付するか、又は流動性を増大させる加熱を行わずに硬化性樹脂フィルム13を貼付した後、硬化性樹脂フィルム13を加熱してその流動性を増大させることにより、硬化性樹脂フィルム13を半導体ウエハ50の第1面50aとバンプ51の表面51aとに密着させた後、そのまま引き続き硬化性樹脂フィルム13の加熱を継続するか、又はそのまま引き続き硬化性樹脂フィルム13にエネルギー線を照射して、硬化性樹脂フィルム13を硬化させて、第1保護膜13’を形成してもよい。
一方、第2保護膜形成用フィルム22がエネルギー線硬化性である場合、硬化時のエネルギー線の照度は、4〜280mW/cm2であることが好ましい。そして、硬化時のエネルギー線の光量は3〜1000mJ/cm2であることが好ましい。
本発明の前記製造方法でワークを得た後、以降、このワークを用いて、従来法と同様の方法で、半導体装置を製造できる。
例えば、上述の第1保護膜及び第2保護膜を備えた半導体ウエハを、ダイシングシートを貼付した状態とし、ダイシングして、半導体ウエハを第1保護膜及び第2保護膜ごと分割して半導体チップとすることができる。又は、例えば、硬化性樹脂フィルム及び第2保護膜形成用フィルムのいずれか一方又は両方を硬化させていない(第1保護膜及び第2保護膜のいずれか一方又は両方を形成していない)半導体ウエハを、ダイシングシートを貼付した状態とし、ダイシングして、半導体ウエハを分割して半導体チップとし、未硬化の上記のいずれかのフィルムを硬化させて、第1保護膜及び第2保護膜を備えた半導体チップとすることができる。
例えば、半導体ウエハのダイシングは、ブレードを用いる方法(すなわち、ブレードダイシング)、レーザー照射により行う方法(すなわち、レーザーダイシング)、研磨剤を含む水の吹き付けにより行う方法(すなわち、ウオーターダイシング)等の、半導体ウエハを切り込む方法で行うことができる。また、半導体ウエハのダイシングは、半導体ウエハの内部に設定された焦点に集束するように、レーザー光を照射して、半導体ウエハの内部に改質層を形成した後、半導体ウエハに対して力を加えることによって、前記改質層の形成部位において半導体ウエハを分割する方法でも、行うことができる。
・重合体成分
重合体成分(A)−1:アクリル酸ブチル(以下、「BA」と略記する)(55質量部)、アクリル酸メチル(以下、「MA」と略記する)(10質量部)、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」と略記する)(20質量部)及びアクリル酸−2−ヒドロキシエチル(以下、「HEA」と略記する)(15質量部)を共重合してなるアクリル系樹脂(重量平均分子量800000、ガラス転移温度−28℃)。
・エポキシ樹脂
エポキシ樹脂(B1)−1:液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱化学社製「YL983U」)
エポキシ樹脂(B1)−2:多官能芳香族型エポキシ樹脂(日本化薬社製「EPPN−502H」)
エポキシ樹脂(B1)−3:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON HP−7200」)
・熱硬化剤
熱硬化剤(B2)−1:ノボラック型フェノール樹脂(昭和電工社製「BRG−556」)
・硬化促進剤
硬化促進剤(C)−1:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製「キュアゾール2PHZ−PW」)
・充填材
充填材(D)−1:エポキシ基で修飾された球状シリカ(アドマテックス社製「アドマナノ YA050C−MKK」)
・半導体ウエハ加工用シート
(S1)−1:剥離フィルムを備えたバックグラインドテープ(リンテック社製「E−8510HR」、バックグラインドテープの厚さ510μm)
(S3)−1:第2保護膜形成用フィルム(厚さ20μm)の一方の表面に、第2支持シートとして重剥離タイプの剥離フィルム(厚さ38μm)を備え、他方の表面に軽剥離タイプの剥離フィルム(厚さ38μm)を備えたシート(リンテック社製「LC2850」)
[製造例1]
(熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物の製造)
重合体成分(A)−1、エポキシ樹脂(B1)−1、エポキシ樹脂(B1)−2、エポキシ樹脂(B1)−3、熱硬化剤(B2)−1、硬化促進剤(C)−1、及び充填材(D)−1を、これらの含有量の割合が表1に示す値となるようにメチルエチルケトンに溶解又は分散させて、23℃で撹拌することで、熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物として、固形分濃度が55質量%である組成物(III−1)を得た。なお、表1中の含有成分の欄の「−」との記載は、熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物がその成分を含有していないことを意味する。
ポリエチレンテレフタレート製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理された軽剥離タイプの剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の前記剥離処理面に、上記で得られた熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物を塗工し、100℃で2分間乾燥させることにより、厚さ40μmの熱硬化性樹脂フィルムを作製した。
次いで、得られた熱硬化性樹脂フィルムの露出面に、重剥離タイプの剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET3811」、厚さ38μm)の剥離処理面を貼り合わせて、軽剥離タイプの剥離フィルム、熱硬化性樹脂フィルム、及び重剥離タイプの剥離フィルムがこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる半導体ウエハ加工用シート(S2)−1を得た。
熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物のエポキシ樹脂(B1)−1、エポキシ樹脂(B1)−2、及びエポキシ樹脂(B1)−3の含有量を、表1に示すとおりとした点以外は、製造例1と同じ方法で、熱硬化性樹脂フィルム形成用組成物及び半導体ウエハ加工用シート(S2)−2を製造した。
[製造例3]
半導体ウエハ加工用シート(S1)−1から剥離フィルムを取り除いて、バックグラインドテープの露出面(粘着面)を生じさせた。また、製造例1で得られた半導体ウエハ加工用シート(S2)−1から軽剥離タイプの剥離フィルムを取り除いて、硬化性樹脂フィルム(硬化性樹脂層)の露出面を生じさせた。そして、これら露出面同士を貼り合わせることにより、バックグラインドテープ、熱硬化性樹脂フィルム及び剥離フィルム(重剥離タイプ)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる、比較用の半導体ウエハ加工用シート(SR)−1を得た。
半導体ウエハ加工用シート(S1)−1から剥離フィルムを取り除いて、バックグラインドテープの露出面(粘着面)を生じさせた。また、製造例2で得られた半導体ウエハ加工用シート(S2)−2から軽剥離タイプの剥離フィルムを取り除いて、硬化性樹脂フィルム(硬化性樹脂層)の露出面を生じさせた。そして、これら露出面同士を貼り合わせることにより、バックグラインドテープ、熱硬化性樹脂フィルム及び剥離フィルム(重剥離タイプ)がこの順に、これらの厚さ方向において積層されてなる、比較用の半導体ウエハ加工用シート(SR)−2を得た。
[実施例1]
半導体ウエハとして、縦10mm×横10mmのチップが多数整列している8インチシリコンウエハの第1面に、図4に示すものと同様の形状で、且つ高さが250μmであるバンプを500μmのピッチで多数有するソルダーバンプ付きウエハ(厚さ720μm)を用い、以下に示す工程を行った。
次いで、グラインダー(ディスコ社製「グラインダーDGP8760」)を用いて、半導体ウエハの厚さが250μmとなるまで、半導体ウエハの第2面を研削した(工程(P2))。
次いで、半導体ウエハ加工用シート(S3)−1から軽剥離タイプの剥離フィルムを取り除き、これにより生じた第2保護膜形成用フィルムの露出面を、第2面を研削された半導体ウエハの第2面に貼付した(工程(P5))。
次いで、第2保護膜形成用フィルムを貼付した半導体ウエハの第1面から、バックグラインドテープを剥離した(工程(P3))。
次いで、製造例1で得られた半導体ウエハ加工用シート(S2)−1から軽剥離タイプの剥離フィルムを取り除き、これにより生じた硬化性樹脂フィルムの露出面を、バックグラインドテープが剥離された半導体ウエハの第1面側に貼付した(工程(P4))。
以上により、ワークとして、半導体ウエハの研削された第2面に第2保護膜形成用フィルムを備え、第1面側に硬化性樹脂フィルムを備えた、フィルム付き半導体ウエハを得た。
(半導体ウエハ加工用シートのロール保管適性)
上述のように、冷蔵保管後、温度を常温に戻し、ロールから繰り出した直後の半導体ウエハ加工用シート(S1)−1、(S2)−1及び(S3)−1を目視観察した。そして、剥離フィルムとこれに隣接する層との間での層間剥離(トンネリング、スジ)の有無の観点から、下記基準に従って、半導体ウエハ加工用シートのロール保管適性を評価した。結果を表2に示す。
なお、表2中、評価結果が「×」である場合には、層間剥離があった半導体ウエハ加工用シートをカッコ付きで記載している。
○:保管したすべての半導体ウエハ加工用シートにおいて、層間剥離がない。
×:保管したいずれか一以上の半導体ウエハ加工用シートにおいて、層間剥離がある。
上述のフィルム付き半導体ウエハの製造中、工程(P2)の終了直後に、半導体ウエハの研削後の第2面を目視観察した。そして、この第2面のバンプに対応する部分におけるディンプル、クラックの発生の有無の観点から、下記基準に従って、半導体ウエハにおけるディンプル及びクラックの発生抑制適性を評価した。結果を表2に示す。
○:ディンプル及びクラックがない。
×:ディンプル又はクラックがある。
上述のフィルム付き半導体ウエハの製造中、工程(P2)の終了直後においては、半導体ウエハは硬化性樹脂フィルムを備えていないため、本項目は未評価とし、表2中の評価結果の欄には「−」と記載した。
[実施例2]
工程(P4)において、半導体ウエハ加工用シート(S2)−1に代えて半導体ウエハ加工用シート(S2)−2を用いた点以外は、実施例1の場合と同じ方法で、フィルム付き半導体ウエハを製造し、その製造適性を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1で用いたものと同じ半導体ウエハを用いて、以下に示す工程を行った。
すなわち、まず、半導体ウエハ加工用シート(SR)−1から剥離フィルムを取り除き、これにより生じた硬化性樹脂フィルム(硬化性樹脂層)の露出面を、半導体ウエハの第1面に貼付した。
次いで、グラインダー(ディスコ社製「グラインダーDGP8760」)を用いて、半導体ウエハの厚さが250μmとなるまで、半導体ウエハの第2面を研削した。
次いで、半導体ウエハの第1面側からバックグラインドテープのみを剥離し、前記第1面には硬化性樹脂フィルムを貼付したままとした。
次いで、前記第1面上の硬化性樹脂フィルムを加熱することで、このフィルムがバンプ形成面上で回路面と密着するとともに、バンプの表面、特に前記回路面近傍部位の表面を覆って、バンプを埋め込んだ状態とし、さらに、加熱によってこのフィルムを硬化させて、第1保護膜を形成した。
次いで、半導体ウエハ加工用シート(S3)−1から軽剥離タイプの剥離フィルムを取り除き、これにより生じた第2保護膜形成用フィルムの露出面を、第1保護膜を形成した後の半導体ウエハの第2面に貼付した。
以上により、ワークとして、半導体ウエハの研削された第2面に第2保護膜形成用フィルムを備え、第1面に第1保護膜を備えた、フィルム付き半導体ウエハを得た。
(半導体ウエハ加工用シートのロール保管適性)
上述のように、冷蔵保管後、温度を常温に戻し、ロールから繰り出した直後の半導体ウエハ加工用シート(SR)−1及び(S3)−1を目視観察した。そして、実施例1の場合と同じ方法で、これらシートのロール保管適性を評価した。結果を表2に示す。
上述のフィルム付き半導体ウエハの製造中、半導体ウエハの第2面の研削終了直後に、半導体ウエハの研削後の第2面を目視観察した。そして、実施例1の場合と同じ方法で、半導体ウエハにおけるディンプル及びクラックの発生抑制適性を評価した。結果を表2に示す。
上述のフィルム付き半導体ウエハの製造中、半導体ウエハの第2面の研削終了直後に、半導体ウエハの端部近傍部位を目視観察した。そして、この端部と位置が一致する部位における、硬化性樹脂フィルムのはみ出しの有無の観点から、下記基準に従って、硬化性樹脂フィルムのはみ出し抑制適性を評価した。結果を表2に示す。
○:硬化性樹脂フィルムのはみ出しがない。
×:硬化性樹脂フィルムのはみ出しがある。
[比較例2]
半導体ウエハ加工用シート(SR)−1に代えて半導体ウエハ加工用シート(SR)−2を用いた点以外は、比較例1の場合と同じ方法で、フィルム付き半導体ウエハを製造し、その製造適性を評価した。結果を表2に示す。
また、実施例1〜2においては、半導体ウエハ加工用シート(S1)を用い、半導体ウエハの第2面の研削時の使用に適したバックグラインドテープを、半導体ウエハの第1面に直接貼付して、前記第2面を研削しているため、ディンプル及びクラックの発生抑制適性も良好であった。
一方、実施例1〜2においては、半導体ウエハの第2面の研削時に、前記第1面には硬化性樹脂フィルムが存在しない。したがって、実施例1〜2の製造方法は、硬化性樹脂フィルムのはみ出しが生じ得ないものである。
また、比較例1においては、半導体ウエハ加工用シート(SR)の厚さが厚いため、このシートのロール保管適性が劣っていた。一方、比較例2においては、半導体ウエハ加工用シート(SR)の厚さが厚いものの、硬化性樹脂フィルムの柔軟性が高いために、硬化性樹脂フィルムと剥離フィルムとの間の層間剥離が抑制され、このシートのロール保管適性は良好であった。
ただし、比較例2においては、このように硬化性樹脂フィルムの柔軟性が高いために、硬化性樹脂フィルムのはみ出し抑制適性が劣っていた。これに対し、比較例1においては、硬化性樹脂フィルムの柔軟性が低いために、硬化性樹脂フィルムのはみ出し抑制適性が良好であった。
なお、比較例1〜2における半導体ウエハ加工用シート(S3)は、実施例1〜2における半導体ウエハ加工用シート(S3)と同じであり、実施例1〜2の場合と同様に、このシートのロール保管適性は良好であった。
Claims (5)
- 半導体ウエハのバンプを有する第1面に、バックグラインドテープを貼付する工程(P1)と、
前記第1面に前記バックグラインドテープが貼付された半導体ウエハの、前記第1面とは反対側の第2面を研削する工程(P2)と、
前記第2面を研削された半導体ウエハの前記第1面から、前記バックグラインドテープを剥離する工程(P3)と、
前記バックグラインドテープが剥離された半導体ウエハの前記第1面側に、硬化性樹脂フィルムを貼付する工程(P4)と、を有し、
前記硬化性樹脂フィルムが、前記第1面で硬化により第1保護膜を形成するためのものである、ワークの製造方法。 - 前記工程(P4)において、又は、前記工程(P4)後に、前記バンプの頂部を、前記硬化性樹脂フィルムを貫通させて露出させる、請求項1に記載のワークの製造方法。
- 前記工程(P2)と前記工程(P3)との間に、さらに、研削された前記半導体ウエハの前記第2面に、第2保護膜形成用フィルムを貼付する工程(P5)を有する、請求項1又は2に記載のワークの製造方法。
- 半導体ウエハのバンプを有する第1面に、バックグラインドテープを貼付する手段と、
前記第1面に前記バックグラインドテープが貼付された半導体ウエハの、前記第1面とは反対側の第2面を研削する手段と、
前記第2面を研削された半導体ウエハの前記第1面から、前記バックグラインドテープを剥離する手段と、
前記バックグラインドテープが剥離された半導体ウエハの前記第1面側に、硬化性樹脂フィルムを貼付する手段と、を備え、
前記硬化性樹脂フィルムが、前記第1面で硬化により第1保護膜を形成するためのものである、ワークの製造装置。 - 前記バンプの頂部を、前記半導体ウエハの前記第1面側に貼付後の前記硬化性樹脂フィルムを貫通させて露出させる手段を備えた、請求項4に記載のワークの製造装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016251753 | 2016-12-26 | ||
JP2016251753 | 2016-12-26 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018107425A JP2018107425A (ja) | 2018-07-05 |
JP6975006B2 true JP6975006B2 (ja) | 2021-12-01 |
Family
ID=62784697
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017195363A Active JP6975006B2 (ja) | 2016-12-26 | 2017-10-05 | ワークの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6975006B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210075965A (ko) | 2018-10-22 | 2021-06-23 | 린텍 가부시키가이샤 | 반도체 장치의 제조 방법 |
JP6803498B1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-12-23 | 三井化学東セロ株式会社 | 電子装置の製造方法 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4170839B2 (ja) * | 2003-07-11 | 2008-10-22 | 日東電工株式会社 | 積層シート |
JP5805359B2 (ja) * | 2008-01-09 | 2015-11-04 | 日立化成株式会社 | 半導体装置の製造方法 |
JP5361200B2 (ja) * | 2008-01-30 | 2013-12-04 | 株式会社東京精密 | バンプが形成されたウェーハを処理するウェーハ処理方法 |
JP2011159694A (ja) * | 2010-01-29 | 2011-08-18 | Hitachi Chem Co Ltd | 半導体装置の製造方法、それにより得られる半導体装置及びそれに用いるダイシングフィルム一体型チップ保護フィルム |
EP2671249A4 (en) * | 2011-02-01 | 2015-10-07 | Henkel IP & Holding GmbH | FILLING FILM APPLIED TO A PRE-CUTTING WAFER |
JP5976573B2 (ja) * | 2013-03-13 | 2016-08-23 | 日東電工株式会社 | 補強シート及び二次実装半導体装置の製造方法 |
JP6347657B2 (ja) * | 2014-04-22 | 2018-06-27 | デクセリアルズ株式会社 | 保護テープ、及びこれを用いた半導体装置の製造方法 |
-
2017
- 2017-10-05 JP JP2017195363A patent/JP6975006B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018107425A (ja) | 2018-07-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5137538B2 (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
WO2015064574A1 (ja) | 半導体接合用接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
WO2014021450A1 (ja) | フィルム状接着剤、半導体接合用接着シート、および半導体装置の製造方法 | |
TW201938725A (zh) | 保護膜形成用複合片及附有保護膜的半導體晶片的製造方法 | |
JP6250265B2 (ja) | 接着剤組成物、接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
TWI634185B (zh) | 保護膜形成用複合片、附保護膜之晶片、及附保護膜之晶片的製造方法 | |
JP6914698B2 (ja) | 樹脂膜形成用複合シート | |
JP6885966B2 (ja) | ダイシングダイボンディングシート、及び半導体チップの製造方法 | |
WO2021172410A1 (ja) | 熱硬化性樹脂フィルム、複合シート、及び第1保護膜付き半導体チップの製造方法 | |
TWI805704B (zh) | 保護膜形成用複合片及附有保護膜的半導體晶片的製造方法 | |
JP6464196B2 (ja) | 樹脂膜形成用シート、樹脂膜形成用複合シート、及びシリコンウエハの再生方法 | |
JP6438181B1 (ja) | 半導体装置及びその製造方法 | |
JP6975006B2 (ja) | ワークの製造方法 | |
JP6774301B2 (ja) | 熱硬化性樹脂フィルム及び第1保護膜形成用シート | |
JP2009127043A (ja) | 粘接着剤組成物、粘接着シートおよび半導体装置の製造方法 | |
TWI809132B (zh) | 半導體晶片的製造方法及半導體裝置的製造方法 | |
JP2020183044A (ja) | 保護膜形成用複合シート | |
JP2021040098A (ja) | 支持シート、保護膜形成用フィルム、保護膜形成用複合シート、及び保護膜付きワーク加工物の製造方法 | |
JPWO2019189173A1 (ja) | 半導体チップの製造方法 | |
TWI833912B (zh) | 熱硬化性樹脂膜以及第1保護膜形成用片 | |
TWI834820B (zh) | 熱硬化性樹脂膜以及第1保護膜形成用片 | |
WO2020195761A1 (ja) | 熱硬化性樹脂フィルム、第1保護膜形成用シート、キット、及び第1保護膜付きワーク加工物の製造方法 | |
JP7453208B2 (ja) | 第1保護膜付きワーク加工物の製造方法 | |
TW202348757A (zh) | 保護膜形成膜、保護膜形成用複合片、半導體裝置之製造方法、以及保護膜形成膜之使用 | |
JP2021155679A (ja) | フィルム状接着剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200713 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20210601 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210608 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210810 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211026 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211105 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6975006 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |