JP5361200B2 - バンプが形成されたウェーハを処理するウェーハ処理方法 - Google Patents

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本発明は、複数のバンプが表面に形成されたウェーハを処理するウェーハ処理方法に関する。
半導体製造分野においてはウェーハが年々大型化する傾向にあり、また、実装密度を高めるためにウェーハの薄膜化が進んでいる。ウェーハを薄膜化するためには、半導体ウェーハの裏面を研削するバックグラインド(裏面研削)が行われている。バックグラインド時には、ウェーハ表面に形成されたチップを保護するために表面保護フィルムがウェーハ表面に貼付けられる。
バックグラインドが終了すると、ダイシングフィルム貼付装置においてダイシングフィルムがウェーハの裏面に貼付けられ、それにより、ウェーハがマウントフレームと一体化される。次いで、ウェーハ表面に貼付けられた表面保護フィルムが剥離され、その後、ウェーハは賽の目状にダイシングされる。ダイシングにより形成されたチップはピックアップされてリードフレームにマウントされる。
ところで、図7は、従来技術における裏面研削前のウェーハの断面図である。図7に示されるように、ウェーハ表面のチップC上には、電気接点としてのバンプBが形成されている。これらチップCおよびバンプBが形成されているので、ウェーハ20の表面21は平坦でない。図7から分かるように、ウェーハ20の表面21に表面保護フィルム11を貼付けると、ウェーハ20の中央領域は外周領域よりも隆起した状態になる。すなわち、表面保護フィルム11に段差が形成されるようになる。
次いで図8に示されるように、ウェーハ20の裏面22を研削するためにウェーハ20を反転させてテーブル51に載置する。テーブル51上には、ウェーハ20の外形よりもわずかながら小さい吸引部52が設けられている。表面保護フィルム11は中央領域において隆起しているので、外周領域においては表面保護フィルム11は吸引部52に接触しない。従って、図示されるように外周領域においては表面保護フィルム11と吸引部52との間に環状の隙間が形成されるようになる。
このような状態でウェーハ20の裏面22を研削すると、ウェーハ20の中央領域に応力が集中して中央領域に位置するバンプBおよび/またはウェーハ20自体が破損する恐れがある。また、ウェーハ20の外周領域が吸引部52により吸着されていないので、裏面研削時にウェーハのエッジが欠ける可能性もある。さらに、裏面研削時には、研削屑が環状の隙間を通じて吸引部52に吸引され、それにより、吸引部52が目詰まりすることも考えられる。
このような問題を解決するために、特許文献1においては、ウェーハの外周領域に貼着する外周貼着部を備えたカップ状の保護部材によってウェーハの表面を被覆することが開示されている。このような保護部材を用いた場合には、裏面研削時における応力はウェーハ全体にほぼ均等に分布するようになり、ウェーハの破損などの前述した問題を回避することが可能である。
特開2005−109433号公報
しかしながら、特許文献1に記載される保護部材は特定の寸法のバンプにのみ対応した専用品であるため、保護部材自体が高価であり、従って、半導体チップの価格が上昇することになる。この保護部材は裏面研削時にのみ使用され、最終的には廃棄されるので、保護部材に掛かる費用を可能な限り抑えることが望まれる。
さらに、保護部材が専用品であるために、バンプの高さをわずかながら変更しただけであっても、保護部材がバンプを適切に保護できなくなる事態になる。そのような場合に保護部材をそのまま使用すると、ウェーハおよび/またはバンプの破損、ウェーハのエッジの欠け、および吸引部の目詰まりの問題が再び生じる可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ウェーハとテーブルとの間に隙間を生じさせることなしに、バンプの寸法変更に容易に対応できる安価なウェーハ処理方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために1番目の発明によれば、表面に複数のバンプが形成されているウェーハを処理する処理方法において、前記ウェーハの表面と前記バンプの頂部との間の距離に等しい厚さの第一フィルムを前記ウェーハの前記表面に貼付け、前記ウェーハの表面において前記バンプが形成されているバンプ領域に沿って前記第一フィルムを切断し、前記バンプ領域に対応する前記第一フィルムの一部分を剥離し、前記ウェーハの前記表面に第二フィルムを貼付け、前記第二フィルムが貼付けられた後で前記ウェーハの前記表面をテーブルに保持し、前記ウェーハの裏面を研削する、ウェーハ処理方法が提供される。
すなわち1番目の発明においては、バンプ領域周りにリング状に残った第一フィルムが台部として機能するので、第二フィルムが貼付けられた後においてはウェーハの表面全体を平坦にできる。このため、ウェーハをテーブルに保持させるときには、ウェーハとテーブルとの間に隙間は形成されない。また、バンプの高さに基づいて、第一フィルムを既存のフィルムから選択することにより、バンプの寸法変更に容易に対応でき、また、専用品を準備する必要性を排除できる。さらに、第二フィルムが貼付けられた後におけるウェーハの表面全体をほぼ完全に平坦にできる。さらに、裏面研削時には、ウェーハ全体をテーブルに吸引させられる。従って、ウェーハおよび/またはバンプの破損、ウェーハのエッジの欠け、および吸引部の目詰まりを解消することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同様の部材には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1は本発明に基づくウェーハ処理方法を実施するウェーハ処理装置の略図である。図1に示されるウェーハ処理装置30には、バンプBを備えた複数のチップCが表面21に形成されたシリコン製ウェーハ20が供給されるものとする(後述する図2(b)を参照されたい)。図1から分かるように、ウェーハ処理装置30は、フィルム貼付部署31と、ウェーハ20の裏面22を研削する裏面研削部署32とを主に含んでいる。
フィルム貼付部署31は、ウェーハ20の表面21に第一フィルム11を貼付ける第一フィルム貼付ユニット33と、第一フィルム11をバンプBの領域に沿って切断する切断ユニット34と、バンプBの領域に位置する第一フィルム11をウェーハ20から剥離する剥離ユニット35と、ウェーハ20に第二フィルム12を貼付ける第二フィルム貼付ユニット36とを含んでいる。なお、第一フィルム貼付ユニット33が第二フィルム貼付ユニット36を兼ねるようにしてもよい。
図2(a)から図5(a)ならびに図2(b)から図5(b)はそれぞれウェーハの頂面図および断面図である。簡潔にする目的で、図2(a)から図5(a)においては、バンプBの図示を省略している。これら図面から分かるように、複数のチップCはウェーハ20の表面21における中央領域25にのみ形成されており、これらチップのそれぞれにはバンプBが形成されている。そして、これらチップCおよびバンプBはウェーハ20の外周領域26には形成されていない。従って、以下、本願明細書においては、中央領域25をバンプ領域25と呼ぶこととする。
以下、図2(a)から図5(b)を参照して、本発明のウェーハ処理装置30におけるウェーハ20の処理について説明する。はじめに、第一フィルム貼付ユニット33を使用して、図2(a)に示されるようにウェーハ20の表面21全体に第一フィルム11、例えば樹脂製フィルムを貼付ける。第一フィルム11の厚さは、ウェーハ20の表面21からバンプBの頂部までの距離に概ね等しい。図2(b)に示される実施形態においては、第一フィルム11の厚さは、チップCおよびバンプBの合計の厚さに概ね等しくなっている。
そのような第一フィルム11は、チップCおよびバンプBの厚さに応じて既存のフィルムから単に選択すれば足りる。また、第一フィルム11が比較的薄い場合には、複数枚の第一フィルム11を貼付け、それにより、チップCおよびバンプBの厚さに対応させるようにしてもよい。あるいは、厚さの異なる複数種類のフィルムを第一フィルム11として貼付けるようにしてもよい。このような場合には、バンプBの頂部に一致するように、貼付後の第一フィルム11の厚さを容易に調節することができる。なお、図面には示さないものの、実際には第一フィルム11はバンプB間においてわずかながら凹んでいることに留意されたい。
図2(b)から分かるように、第一フィルム11を貼付けると、ウェーハ20のバンプ領域25は外周領域26に対して第一フィルム11の厚さ分だけ隆起するようになる。そして、外周領域26における第一フィルム11の高さはバンプBの頂部に概ね一致する。
次いで、図3(b)に示されるように切断ユニット34のレーザ部34aを起動して、バンプ領域25と外周領域26との間において第一フィルム11を切断する。これにより、図3(a)に示されるようにバンプ領域25の外形に沿って溝部29が形成されるようになる。その結果、第一フィルム11は、バンプ領域25における第一フィルム中央部分11bと、外周領域26における第一フィルム外周部分11aとに分割される。第一フィルム外周部分11aの厚さは第一フィルム11の厚さに等しいので、第一フィルム外周部分11aの表面はバンプBの頂部と概ね同一平面になる。
次いで、剥離ユニット35から剥離テープ15を繰出して、第一フィルム中央部分11bに貼付ける。そして、図4(b)に示されるように剥離テープ15を巻上げることにより、第一フィルム中央部分11bをウェーハ20の表面21から剥離する。これにより、ウェーハ20の表面21上には、外周領域26に対応する第一フィルム外周部分11aのみが残存するようになる(図4(a)を参照されたい)。
その後、図5(a)および図5(b)に示されるように、第二フィルム貼付ユニット36を用いてウェーハ20の表面21全体に第二フィルム12、例えば樹脂製フィルムを貼付ける。第一フィルム11の場合とは異なり、第二フィルム12の厚さはチップCおよびバンプBの厚さに依存しない。このため、チップCを保護可能な既存のあらゆるフィルムを第二フィルム12として使用できる。あるいは、第一フィルム11を第二フィルム12として使用してもよい。なお、第一フィルム貼付ユニット33を用いて第二フィルム12を貼付けるようにしてもよい。
ウェーハ20の外周領域26においては、第二フィルム12は、第一フィルム外周部分11a上に貼付けられる。従って、第一フィルム外周部分11aは、第二フィルム12を貼付けるときの台部としての役目を果たしうる。それゆえ、本発明においては、第二フィルム12をウェーハ20の表面21に対して平行に貼付けることが可能となる(図5(b)を参照されたい。)。すなわち、本発明においては、第二フィルム12の表面全体は平坦になり、第二フィルム12には段差は形成されない。
その後、ウェーハ20はフィルム貼付部署31から裏面研削部署32に搬送される(図1を参照されたい)。図6は裏面研削部署32においてテーブル51に配置されたウェーハの断面図である。図6に示されるように、テーブル51の上面には吸引部52が埋込まれている。吸引部52は図示しない真空源に接続されており、その外径はウェーハ20の直径よりもわずかながら小さい。
裏面研削部署32においては、ウェーハ20はその裏面22が上方を向くようにテーブル51上に配置されて吸引される。前述したように第二フィルム12の表面が平坦であるので、図6に示されるように、第二フィルム12全体が吸引部52に吸引されるようになる。すなわち、本発明においては、ウェーハ20の外周領域26と吸引部52との間に環状の隙間は形成されない。
次いで、裏面研削部署32の研削砥石32aを用いてウェーハ20の裏面22を研削する。本発明においてはウェーハ20の第二フィルム12全体が吸引部52に吸引されているので、ウェーハ20のバンプ領域25に応力が集中することはなく、バンプB等および/またはウェーハ20が破損するのを防止できる。さらに、本発明においては、ウェーハ20の第二フィルム12と吸引部52とが隙間なく密着しているので、裏面研削時にウェーハ20のエッジが欠けることはなく、また裏面研削により生じた研削屑により吸引部52が目詰まりすることもない。
このようなことは、第一フィルム外周部分11aと、この第一フィルム外周部分11aに貼付けられた第二フィルム12とにより達成される。そして、これら第一フィルム外周部分11aおよび第二フィルム12は、バンプBの高さなどに基づいて既存のフィルムから単に選択すればよい。つまり、本発明においては、専用品を準備する必要が無いので、半導体チップの製造費用を抑えることが可能である。
さらに、バンプBの寸法が異なるウェーハ20を処理する場合には、バンプBの寸法に応じた新たな第一フィルム11を選択すれば足りる。従って、本発明においては、設計変更によりバンプBの寸法が変化する場合であっても、その変更に容易に対応することが可能である。
本発明に基づくウェーハ処理方法を実施するウェーハ処理装置の略図である。 (a)ウェーハの第一の頂面図である。(b)ウェーハの第一の断面図である。 (a)ウェーハの第二の頂面図である。(b)ウェーハの第二の断面図である。 (a)ウェーハの第三の頂面図である。(b)ウェーハの第三の断面図である。 (a)ウェーハの第四の頂面図である。(b)ウェーハの第四の断面図である。 テーブルに配置されたウェーハの断面図である。 従来技術におけるウェーハの断面図である。 従来技術においてテーブルに配置されたウェーハの断面図である。
符号の説明
11 第一フィルム
11a 第一フィルム外周部分
11b 第一フィルム中央部分
12 第二フィルム
15 剥離テープ
20 ウェーハ
21 表面
22 裏面
25 中央領域(バンプ領域)
26 外周領域
29 溝部
30 ウェーハ処理装置
31 フィルム貼付部署
32 裏面研削部署
32a 研削砥石
33 第一フィルム貼付ユニット
34 切断ユニット
34a レーザ部
35 剥離ユニット
36 第二フィルム貼付ユニット
51 テーブル
52 吸引部
B バンプ
C チップ

Claims (1)

  1. 表面に複数のバンプが形成されているウェーハを処理する処理方法において、
    前記ウェーハの表面と前記バンプの頂部との間の距離に等しい厚さの第一フィルムを前記ウェーハの前記表面に貼付け、
    前記ウェーハの表面において前記バンプが形成されているバンプ領域に沿って前記第一フィルムを切断し、
    前記バンプ領域に対応する前記第一フィルムの一部分を剥離し、
    前記ウェーハの前記表面に第二フィルムを貼付け、
    前記第二フィルムが貼付けられた後で前記ウェーハの前記表面をテーブルに保持し、
    前記ウェーハの裏面を研削する、ウェーハ処理方法。
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