本発明の態様は、そのいくつかの実施形態において、 医療装置のビューポート上の曇りを除去する−即ちぼやけおよび曇りを減少するかまたは防止する ―ことに関する。より詳しくは、本発明の態様は、そのいくつかの実施形態において、医療処置の間に医療装置のビューポート上の曇りの蓄積を防ぐ方法および装置に関する。
上記のように、医療装置が患者の体内で用いられる医療処置の間に医療装置のビューポートをきれいに保つための既存の技術がある。この種の技術は、患者の体から医療装置を取り外して、布で、またはリンスによってビューポートをきれいにすることによるか、あるいは患者の体内でビューポートをリンスする(そしておそらくガス流を使用してそれを乾燥させる)ことによる、ビューポートの能動的な清掃を含み、従って最善ではない。清掃のための医療処置の中断は、処置の時間を長くすることに結果としてなって、開業医の精神の動転から生じるか、または通常医学的に必要とされない作業ステップを実行することに因るさまざまな合併症が更に生じる場合がある。清掃を行うために医療装置を患者の体から引き抜くことは、さらにより悪く、このように、装置の取り出しおよび体への再導入は、更なる合併症の原因になりえる。
ビューポート上の蒸気の凝結によってぼやけが生じる可能性がある一つの理由は、凝結液体 ― 例えば、おそらく体液が混じった水 ― が、凝結して液滴を通過する光線を歪める液滴になり、それによってビューポートの光学品質を損ねるということである。換言すれば、各液滴はレンズとして機能して、それを通過する光線を焦点に集めるかまたは発散するかまたは一般に制御されない方向に歪めるかもしれない。ビューポート上の多数の液滴の全効果は、このように光学的に凸凹の表面を生成し、それによって、ビューポートを通過する(またはそこから反射する)光から鮮明な画像を得るのを妨げる。
従って、いくつかの実施形態の態様によれば、使用中にビューポートの曇りを防ぐ方法が提供される。いくつかの実施形態によれば、ビューポートは、内視鏡のような医療装置のビューポートでありえて、予防の処理は、医療処置で医療装置を使用する前に施すことができる。この方法は、ビューポートにごく近接している、ビューポートを収納する閉室でプラズマ発生電磁界を印加することを含む。ビューポートのプラズマ処置は、水によってビューポートを完全に濡らすことを達成するために親水性を増大させるように構成される。完全な濡れは、ビューポートの処理された表面の表面張力を水の表面張力を超えて、すなわち、0.072N/mを超えて増やすことにより達成される。好ましくは、ビューポート面の表面張力は、0.08N/mを超え、そして前述したようにプラズマ処理の後に限られた期間の間0.1N/mを超えるまで上げられる。ビューポートの処理された表面の表面張力が水の表面張力より大きいときに、水は表面の液滴に蓄積しなくて、むしろ表面を濡らして、実質的に0度の接触角を有する。このように、ビューポートの親水性表面の水分の凝結が、流体の薄くて均一な層に結果としてなるので、この方法は、曇ることによるぼやけを除去するかまたは少なくとも著しく減らし、それによってビューポートの光学品質を維持するかまたは少なくとも光学品質の低下を制限する。ビューポート上の流体厚みの変動はプラズマ処理によって、減少し、そしてそれによってビューポート上の凝結された流体を通る光の通過に関連した光学長さの変動は同様に減少する。
処理された表面の親水性に関するプラズマ処理の効果はしばしば一時的であり、その結果、処理された表面の親水性は、プラズマへの暴露が終わったあとに時間とともに減少する傾向がある。この方法は、このように、プラズマを印加したすぐ後にビューポート(またはビューポートが取り付けられる装置)を使用すること― 即ち、ビューポートを水分にさらすこと―を更に含む。「すぐ後に」は、24時間以内、好ましくは、6時間以内、そして更に好ましくは、プラズマをそれに印加した後の1時間以内にビューポートを用いることを意味する。
本願明細書の教示によれば、プラズマが、ビューポートの近くでプラズマ発生電界の均一性を確実にするために、それ故にプラズマ処理の品質を確実にするために、誘電体バリア放電(DBD)モードで発生するという点に留意される。本願明細書においてプラズマ処理の「品質」は、達成される親水性のレベル、および電界がその親水性を得るために起動する継続時間を意味する。換言すれば、高品質のプラズマ処理は、比較的短い期間(例えば、起動された電界の5分、または1分、または短くて10秒、または更に短くて5秒)内に(例えば、処理される表面上に水のそれを超える、即ち0.072N/Mを超える表面張力を得る)比較的高いレベルの親水性を達成する。
DBDモードのプラズマ発生は、例えば、界を印加するために使用する電極の1つを電気的に分離することによって遂行できる。この種の分離は、電極をプラズマが発生する領域のガスから分離する誘電層によって実現できるか、またはDBDモードは、例えば、プラズマ発生界が印加される2つの電極の間の照準線を遮断する誘電層によって遂行できる。例えば、いくつかの実施形態によれば、歯科医の鏡は、近い室に、例えば金属ハンドルの部分を備えた鏡を含む装置の遠位端を配置し、陰極を金属ハンドルに電気的に接続して、鏡周辺のガス状媒体から電気的に分離される陽極にRF高電圧を印加することによって、本願明細書の教示に従って処理できる。他の例示的実施形態によれば、ガラスまたはプラスチックのような誘電材料で作られてその周辺に金属部品を有しないビューポートは、プラズマ発生電界を印加するために用いる2つの露出した電極の間に配置されることによって、本願明細書の教示に従って処理することができて、その結果、ビューポート自体は、電極の間の照準線を遮断することによって誘電体バリアとして使われる。
本願明細書に記載するようにプラズマをDBDモードで発生することは、電極を互いから比較的短い距離に、そして処理される表面から短い距離に配置して、電界をビューポートの処理される表面の近傍において、比較的均一に保つと共に、比較的強い界を印加し、それによって高品質のプラズマ処理を処理される表面に施すことを可能にする(本願明細書で「比較的」は、DBDモードではなくてプラズマを発生することと比較して使われる)。
いくつかの実施形態の態様によれば、内視鏡検査用の内視鏡を準備するために装置が更に提供される。この装置は、そこに内視鏡の遠位端を受け入れるために必要な大きさにされる保護シュラウドを備え、遠位端は、ビューポートの周囲の画像を、それを通して収集することを可能にするように構成されるビューポートを備える。この装置は、電源に電気的に接続して保護シュラウドで囲われる内視鏡の遠位端をそこに受け入れるように構成されるスロットを有する、プラズマ発生界アプリケーターを更に備える。プラズマ発生界アプリケーターは、ビューポートに近位のプラズマ発生に適している電界をスロット内で印加するように構成される。保護シュラウドは、内視鏡の遠位端から、そしてプラズマ発生界アプリケーターから着脱可能である。
いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、保護シュラウドがスロットに挿入されるときにプラズマ発生界アプリケーターの対応するアプリケーター電気接点に電気的に接触するように構成される少なくとも一つの電極と少なくとも一つのシュラウド電気接点を備える。少なくとも一つの電極は、それによってプラズマ発生界アプリケーターから電力を受け取ると、保護シュラウド内でプラズマ発生界を印加するように構成される。
いくつかの実施形態の一態様によれば、そこに内視鏡の遠位端を受け入れるために必要な大きさにされる保護シュラウドを提供することを含む、内視鏡検査用の内視鏡を準備する方法が提供される。遠位端は、それを通してビューポートの周囲の画像を収集することを可能にするように構成されるビューポートを備える。この方法は、プラズマ発生界アプリケーターを提供することを更に含み、そこにおいて、保護シュラウドは、遠位端から、そしてプラズマ発生界アプリケーターから着脱可能である。プラズマ発生界アプリケーターは、電源に電気的に接続して、保護シュラウドで囲われる内視鏡の遠位端をそこに受け入れるように構成されるスロットを有する。プラズマ発生界アプリケーターは、プラズマ発生に適している電力を保護シュラウド内で印加するように構成される。この方法は、プラズマ発生界アプリケーターのスロットの中に保護シュラウドで囲われる内視鏡の遠位端を配置すること、および電源を起動させて保護シュラウド内でプラズマを発生させ、それによって遠位端のビューポートをプラズマ処理することを更に含む。いくつかの実施形態によれば、この方法は、保護シュラウドによって、遠位端に分散した流体によるプラズマ発生界アプリケーターの汚染を防止することを更に含む。
いくつかの実施形態の一態様によれば、内視鏡検査用の内視鏡を準備する方法が更に提供される。内視鏡はビューポートを備えた遠位端を備える。ビューポートは、誘電材料で作られて、内視鏡の遠位端で金属部分に最も近い。この方法は、内視鏡の遠位端を少なくとも陽極と陰極を有するプラズマ室(そこでは、陰極は金属部分と電気的に接触する)内に配置することを含む。陽極と陰極間の照準線は、誘電体バリアにより遮断されて、この方法は、陽極と陰極の間にプラズマ発生電磁界を印加し、それによってビューポートの周辺でDBDモードのプラズマを発生することを更に含む。いくつかの実施形態によれば、電気バリアは、ビューポートの周辺で陽極をガスから電気的に分離する。
いくつかの実施形態によれば、ビューポートは、腹腔鏡のビューポートのように透明である。いくつかの実施形態によれば、ビューポートは、歯科医の鏡のような鏡である。いくつかの実施形態によれば、ビューポートは、ガラスまたはクォーツまたはプラスチックでできている。
本発明は、水の表面張力より高い外面の表面張力を得るようにビューポートの外面を活性化するために、内視鏡のような医療機器のビューポートをプラズマ処理するために用いることが可能である装置を別に提供する。
本発明は、ビューポートを非常に親水性にするためにビューポートをプラズマ処理し、それによって使用中ビューポートの曇りに因るぼやけを防止することによって、医療処置用の、内視鏡のようなビューポートを有する医療機器を準備する方法を別に提供する。
本発明は、医療処置のすぐ前に、または医療処置の間でさえ、医療処置用の医療機器を準備する方法を別に提供する。本発明はまた、クリーンで無菌の環境で医療処置のすぐ前に、または医療処置の間でさえ、プラズマ処理を内視鏡のような医療機器に施すように構成される装置を提供する。
本発明の特定の実施形態は、上記の利点のいくつかまたは全てを含むか、あるいはいずれも含まないことがありえる。更なる利点は、本願明細書に含まれる図、説明、および請求項から当業者にとって容易に明らかでありえる。本発明の態様および実施形態は、以下の本願明細書および添付の請求の範囲に更に記載される。
他に規定されない限り、本願明細書に用いるすべての技術および科学用語は、本発明が関係する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含む、特許明細書が基準となる。本明細書に用いるように、前後関係がその他の場合を明確に記述しない限り、不定冠詞「a」および「an」は、「少なくとも一つ」または「一つ以上」を意味する。
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図を参照して本願明細書に説明される。説明は、図と共に、いくつかの実施形態がどのように実行できるかを当業者にとって明らかにする。図は例示する説明のためであり、そして本発明の基本的理解に必要であるより詳細に実施形態の構造的詳細を示すいかなる試みも実行されない。明確にするため、図に表されるいくつかの物体は正確な縮尺ではない。
本願明細書における教示の原則、使用、および実施態様は、添付の説明および図を参照してよりよく理解できる。本願明細書にある説明および図の閲覧に応じて、当業者は、過度の努力または実験なしで本願明細書における教示を実施することが可能である。図において、類似の参照符号は全体に類似の部品を指す。
図1Aは、医療処置に対する、内視鏡のような医療装置200を準備するための、いくつかの実施形態の態様による、装置100を図式的に表す。医療装置200は、図1Bにも図式的に表される、遠位端210を備える。遠位端210は、ビューポートの周囲の画像を収集することを可能にするように構成されるビューポート220を備える。ビューポート220は、いくつかの実施形態において、ガラスまたはクォーツ、あるいはパースペックスのようなプラスチックのような材料から成る、ウインドウまたはレンズのような透明なシートでありえて、それによって医療装置200の外側から光が、例えばカメラのような感光装置(ここに図示せず)によって医療装置200の内部に集められることを可能にする。いくつかの実施形態によれば、ビューポート220は、集光装置(ここに図示せず)または感光装置に向けて(そこを通って光を転送よりはむしろ)光を反射する、鏡でありえる。ビューポート220は、医療処置の間に水分にさらされることがありえる表面222を備える。従って、曇りに対して処理しない、例えば、防がない場合、表面222は、それによって曇りで覆われることがありえる。この種の曇りは、例えば、蒸気の凝結(しかしそれに限定されない)に因る表面222上の液滴の蓄積の結果である。
装置100は、医療装置200の遠位端210をそこに受け入れるために必要な大きさにされる保護シュラウド110を備える。装置100は、操作ユニット120および操作ユニット120に接続するプラズマアプリケーター130(本願明細書において、プラズマ発生電界アプリケーターとも称される)を更に備える。プラズマアプリケーター130は、医療装置200の遠位端210をそこに受け入れるように構成されるスロット132を備えるが、遠位端210は保護シュラウド110で囲まれる。換言すれば、使用のために、医療装置200の遠位端210は、保護シュラウド110に挿入されて、遠位端210がそこに囲まれる保護シュラウド110は、スロット132に挿入される。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド110はスロット132に挿入されて、それから遠位端210は保護シュラウド110に挿入されて、前進する。
いくつかの実施形態によれば、装置100は、開口部142を有する無菌性スクリーン140を更に備える。使用のために、保護シュラウド110は、本願明細書において以下に更に詳述されて、説明されているように、無菌性スクリーン140の開口部142を通してスロット132に挿入される。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド110は、重要でないか、使い捨てであるか、または交換可能な部品であり、単一の患者で実行される単一の医療処置の間に使用するように構成される。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、患者の体液にさらされることがありえる内視鏡と使用中および使用後に無菌に維持されるかまたは維持されないことがありえるプラズマアプリケーターの間の無菌性バリアとして機能する。いくつかの実施形態によれば、無菌性スクリーン140は、プラズマアプリケーター130を使用中および使用後に内視鏡に由来する体液がないように維持することを容易にする。いくつかの実施形態によれば、無菌性スクリーン140は、プラズマアプリケーター130に由来することがありえる汚染に対して内視鏡を無菌に維持することを容易にする。
いくつかの実施形態によれば、無菌性スクリーン140は、図1C、1D、および1Eに図式的に表されるように、無菌性スリーブ144に取り付けられて、無菌性スリーブは、無菌性スクリーンとスリーブの遠位端146の間に広がる。いくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブ144は、ソックスのように柔らかいことがありえる。使用前に、無菌性スリーブ144は、図1Cに図式的に表すように、折り畳むことができる。使用のために、無菌性スリーブ144は、プラズマアプリケーターをスリーブの遠位端146を通して無菌性スリーブに挿入することによってプラズマアプリケーター130またはその一部を取り囲み、包囲し、そしてカバーするために広げることができる。使用中、無菌性スリーブ144は、プラズマアプリケーター130を包囲してカバーするようにプラズマアプリケーター130周辺に配置することができて、その結果、保護シュラウド110の開口部142を通ってスロット132への挿入および/または内視鏡200の保護シュラウド110への挿入は、プラズマアプリケーター130を汚染することがありえない。いくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブは、実質的に堅くて、例えば管の形状を有して、保護シュラウドをそこに収納するように構成されることがありえる。いくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブ144は、プラズマアプリケーター130に一方を固着し、そしてデスクまたはテーブルまたは別の作業プラットフォームに他方を固着し、それによってプラズマアプリケーターを作業プラットフォームに取り付けて安定させて、保護シュラウド110(または内視鏡200)をプラズマアプリケーター130に出し入れするのを容易にするように構成される両面粘着性パッド(ここに図示せず)をその底部に備える。いくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブ144とともに無菌性スクリーン140は、保護シュラウド110に取り付けられて、その結果、保護シュラウド110のスロット132への挿入およびプラズマアプリケーター130を無菌性スリーブ144で封入することは、実質的に一緒に実行される。
プラズマアプリケーター130は、電源(ここに図示せず)に電気的に接続する。電源は操作ユニット120に任意に配置できる。保護シュラウド110で囲まれる遠位端210がスロット132内に配置されるとき、そして電源の起動に応じて、プラズマアプリケーター130は、スロット132内の保護シュラウド110内部でビューポート222に近位のプラズマ発生に適している電界を印加するように更に構成される。
いくつかの実施形態によれば、プラズマアプリケーター130は、ガスポンプと、そして加えて、または代わりにガスタンク(いずれもここで図示されない)と流動的に結合できる。ガスポンプおよびガスタンクは、以下に更に詳述されて説明されるように、プラズマ点火を促進するために、内視鏡の遠位端の周辺を、それぞれ、好適なガスによって制御可能に排気するか、または制御可能にフラッシュするように用いることができる。いくつかの実施形態によれば、好適なガスは、アルゴンまたは窒素でありえる。いくつかの実施形態によれば、排気の後のプラズマ点火に適しているガス圧力は、0.1Atm以下でありえる。いくつかの実施形態によれば、内視鏡の遠位端の周辺は、ポンプで汲み上げられ、排気されて、それから所望のガスによってフラッシュすることができる。いくつかの実施形態によれば、ガスポンプおよび/またはガスタンクは、場合によっては、操作ユニット120に任意に配置することがありえる。
操作ユニット120は、装置100のユーザが装置を操作して制御できるように構成される。操作ユニット120は、したがって、コマンドスイッチおよびコントローラ、例えば物理的または仮想スイッチ、ボタン、およびコントローラを備えることができる。制御ユニットは、装置、例えば表示LED、ディスプレイを操作するために必要なデータおよび情報をユーザに提供するためのインジケータと、あるいは、ユーザが装置を操作して命令できるように操作およびコマンドスクリーンをユーザに提供するための操作ソフトウェアとを更に備えることができる。
図2は、いくつかの実施形態の態様による保護シュラウド310の実施形態を断面図で図式的に表す。保護シュラウド310は、保護シュラウド310内に点線で図式的に表される、内視鏡380とともに使用するのに特に適している。内視鏡380は、ビューポート390の近位の遠位端382に遠位端382および電導表面― 例えば金属表面384 ― を備える。 ビューポート390は、本願明細書に記載されているようにプラズマ処理を受けることができる外面392を更に備える。
保護シュラウド310は、近位開口部314と円筒遠位端316の間に伸びる中空円筒体312を備える。保護シュラウド310は、3つのOリング320a、320b、および320cそれぞれを含む真空シール320を更に備える。真空シール320は、当技術分野で周知のように、わずかな力を使用して、例えば手によって内視鏡380を保護シュラウド310に挿入できるように、内視鏡380の外部寸法(例えば、外径)に適合するように構成される。従って、真空シール320は、内視鏡380が保護シュラウド310内に配置されるときに、保護シュラウド310の内部322と保護シュラウド310の外部324の間の圧力差(またはガス濃度の差)を保持するように構成される。真空シール320は、保護シュラウド310内で内視鏡380を機械的に安定させるのを支援することもできて、それによって内部322と外部324の間のガス洩れを防止するのを支援し、そしてまた、以下に更に説明するように、ビューポート390に近位のプラズマ発生を支援する。
保護シュラウド310は、中空円筒体312に配置される陰極330を更に備え、そして保護シュラウド310の外部324とその内部322の間に電気的フィードスルーを確立するように構成される。陰極330は可撓性であり、そして保護シュラウド310の内部322に、且つその外部に電気的に露出し、それによって陰極330と金属表面384の間に電気接点を形成すると共に、内視鏡380の保護シュラウド310への挿入を可能にする。保護シュラウド310は、シリンダー遠位端316に近接して配置される陽極340を更に備える。陽極340は、例えば内部322に面する円形の滑らかな表面342を有する金属ブロックとして成形できる。いくつかの実施形態によれば、表面342は湾曲できる。いくつかの実施形態(ここに図示せず)によれば、陽極340は、内部322の方へ向くとがった先端として成形できる。いくつかの実施形態によれば、陽極340はリングとして成形できる。陽極340は、誘電材料でできているディスク344に取り付けられて、その結果、ディスク344は、陽極340と陰極330および内視鏡の金属表面384(陰極と同じ電位にある)との間に誘電体バリアを形成する。換言すれば、ディスク344は、陽極340と陰極330および内視鏡の金属表面384との間の照準線を遮断し、それによって前記誘電体バリアを形成することによって、誘電体バリア放電(DBD)動作モードのプラズマ発生を確実にするように構成される。DBDモードにおいて、プラズマは、ビューポートの近くで利用できる空間を通じてより一様に発生できるが、陽極と陰極間のアーク放電または他のタイプの特定の細い電気的輸送軌道は阻止される。
誘電体バリアの厚みが、ビューポートの近くのプラズマ発生電界の均一性に、そしてそれ故にプラズマ処理の品質に強い影響を及ぼすことに留意されたい。本願明細書におけるプラズマ処理の「品質」は、達成される親水性のレベル、およびその親水性を得るために起動する電界の継続期間を意味する。換言すれば、高品質のプラズマ処理は、比較的高いレベルの親水性(例えば、処理される表面上に水のそれを超える、即ち0.072N/Mを超える表面張力を得ること)を比較的短い期間(例えば、起動電界の5分、または1分または10秒程の短時間または5秒程の短時間)内に達成する。誘電体バリアの厚みは、通常、プラズマ点火を促進するためにできるだけ小さくなければならないが、それは絶縁破壊およびアーク放電を防止するのに十分大きくなければならない。誘電材料、例えば本願明細書に記載されている実施形態のPETまたはポリカーボネートの典型的な厚みは、MHz範囲(例えば約2MHz)の周波数のRF電界に対して約0.3mm〜約3mmの範囲にありえる。
いくつかの実施形態によれば、陽極340は、以下に更に説明するように、陽極340と供給接触器の間の信頼性が高い電気接点を容易にするために、中空円筒体312と関連して柔軟に移動させるように構成される。いくつかの実施形態によれば、ディスク344は、中空円筒体312と関連してばね346によって支持できる。
動作において、プラズマ発生電力は、陽極340と陰極330の間に供給されて、従ってDBDモードのプラズマ発生電界は、陽極340と陰極330に接触している金属表面384との間に発生する。プラズマ発生電界は、陽極340と陰極330の間の空間で、そして特にビューポート390の周辺で外面392に隣接してプラズマを発生する。
図3Aは、保護シュラウド310a(保護シュラウド310aは、以下に詳述されるように、図2の保護シュラウド310とわずかに異なる)とともに使用するのに適したプラズマアプリケーター348の実施形態の一部を図式的に表す。プラズマアプリケーター348は、保護シュラウド310aをそこに受け入れるように構成されるスロット350を備える(そこにおいて、内視鏡380は保護シュラウド310aで囲まれる)。プラズマアプリケーター348は、保護シュラウド310aがスロット350内にあるときに、陰極330と接触するように構成される陰極接触器352を更に備える。陰極接触器352と電気的に結合した、電線のような導電体354は、電源(ここに図示せず)によって発生する電力を陰極接触器352に、そして陰極330に供給するために用いることができる。プラズマアプリケーター348は、保護シュラウド310aがスロット350内にあるときに、陽極340と接触するように構成される陽極接触器356を更に備える。陽極接触器356と電気的に結合した、電線のような導電体358は、電源によって発生する電力を陽極340に供給するために用いることができる。陽極接触器356は、保護シュラウド310aがスロットに挿入されるときに、陽極接触器356と陽極340の間の信頼性が高い電気接点を容易にするために、例えばばね360によって柔軟に支持できる。
ガスのプラズマを発生できる電界の特性が、関係する電極形状(例えば、電界の印加のために使用する電極の形状および構成、電極間の距離など)に加えて、ガス自体の特性に強く依存することがありえることに留意されたい。通常、ガスの圧力がより高いほど、電界は、ガスのプラズマに点火するためにより高くなければならない。また、いくつかのガスは他より低い電界で点火する。例えば、プラズマは、大気圧で、且つ電極間の1cmの距離にわたる約7KVの(1MHzと15MHz間の周波数の)RF電界を使用して、そしてガスが0.8KPaの圧力である場合、約200Vの電圧で、ヘリウムガスにおいて点火できる。類似の電極形状の場合は、類似の界周波数で、プラズマは、大気圧で約20KVの電圧で、そして0.8KPaで約800Vの電圧で、空気中で点火できる。
このように、いくつかの実施形態によれば、プラズマアプリケーター348は、電極330と340の間の空間で低圧の大気を発生させて、プラズマ点火を促進するために、ガスをガスタンク(ここに図示せず)からスロット350へ流れ出させるか、または空気をスロット350からポンプで汲み出すように構成される。このように、いくつかの実施形態によれば、プラズマアプリケーター348は、スロット350とともに、ヘリウムまたはアルゴンまたは窒素のような、そこでのプラズマ発生に適しているガスを含むガスタンク(ここに図示せず)と流動的に結合するホース364に連結している。ユーザによって操作可能な制御ユニット(ここに図示せず)により制御される弁366は、スロット350に入るガス流を予定して、調整するために用いることができる。動作中に、いくつかの実施形態によれば、内視鏡380をその中に有する保護シュラウド310aをスロット350に導入した後に、弁366は、ガス流がスロットに入ることができるように開くことができる。保護シュラウド310aは、中空円筒体312とディスク344の間の開口部368を通してガス流が入り込むことができて、ガスが保護シュラウド310aに流入してビューポート390の方へ流れることを可能にする。スロット350に流入するガスの過剰量は、保護シュラウド310aとプラズマアプリケーター348の間のスロット350の隙間を通って自由に流出できる(隙間は封止されていない)。ガス流の適切な期間(例えば、5秒または10秒または30秒または1分)の後に、電源は、ビューポート390の近くでプラズマ発生電界を発生するために、電力を陽極340および陰極330に供給するために起動できる。いくつかの実施形態によれば、ガスタンクは携帯型であって、単回使用に適することがありえる。
いくつかの実施形態によれば、ホース364は、プラズマ点火を促進するために、ガス(空気)を保護シュラウド310aから、特にビューポート390の近くの空間からポンプで汲み出すために用いることができる。空気は、ビューポート390の周辺から開口部368を通ってスロット350の方へ、そしてホース364に吸い込まれることができる。真空シール370は、シリンダー端316の近くの領域と保護シュラウド310aの開口部314の近くの領域の間の圧力差を保留することによってビューポート390の近くで真空を発生することを可能にする。いくつかの実施形態によれば、空気は、ホース364と流動的に結合した、真空ポンプ(ここに図示せず)によってホース364を通して汲み出すことができる。いくつかの実施形態によれば、ホース364は、例えば小型真空ポンプによって連続的に汲み出される汲出し容器(図示せず)に流動的に結合できる。流体結合はホース364を通して設けられて、ホースは容器と恒常的に流体連通し、それによって連続的にポンプ圧送されもする。弁366を開放することは、実施形態の特殊性に応じて、真空ポンプによって、またはポンプで汲み出される容器によって、スロット350および特にビューポート390の近くの空間からポンプで汲み出す結果になりえる。スロット350の、そして保護シュラウド310aの流動的に連結した部分の汲出し領域の容積は、いくつかの実施形態によれば、10ccより小さいことがありえて、例えば約1000cc(1リットル)の汲出し容器およびホースは、約5秒未満または約10秒未満内に例えば約0.1気圧と約0.01気圧の間の適切な真空レベルを確立するのに十分でありえる。それは、外面392を満足にプラズマ処理するために、約30秒間または約1分間ものプラズマ励起のために充分でありえる。
図3Bに詳細に示す、いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド310aは、保護シュラウド310aとプラズマアプリケーター348の間の無菌性バリアを維持するために、開口部368に置かれる無菌性フィルター372を更に備える。無菌性バリアを維持することによって、細菌性微生物は無菌性フィルター372を透過することができないことが意味されて、そこにおいて細菌性微生物は、菌類およびバクテリアを含む、あらゆる種類の原核細胞または真核生物細胞を含むことがありえる。無菌性フィルターは、いくつかの実施形態によれば、開口部368のシリンダー端316を覆って配置されて、その結果、プラズマアプリケーター348から保護シュラウド310aに流入するガスは、無菌の保護シュラウドに入り、そして/または保護シュラウド310aの内部322からプラズマアプリケーター348に流入するガスは、無菌のプラズマアプリケーターに入る。このように、無菌性フィルター372は、プラズマアプリケーターから(例えばスロット350の環境から)内視鏡380への汚染の転送を防止し、そして/または内視鏡380からプラズマアプリケーターへの汚染の転送を防止する。加えて、または代わりに、無菌性フィルターは、プラズマアプリケーターに、または例えばホース364に配置できる。
図3Cは、いくつかの例示的実施形態によるプラズマアプリケーター448および対応する保護シュラウド410を図式的に表す。プラズマアプリケーター448は、ホース364と流動的に結合したアプリケーター・ガス・ポート402を備えていることでプラズマアプリケーター348と異なり、そして保護シュラウド410は、アプリケーター・ガス・ポート402に流動的に連結するように構成されるシュラウド・ガス・ポート404を備える。保護シュラウドの内部322と保護シュラウド410の外部324の間の流体連結性 ― 例えばプラズマアプリケーターのスロット450の空間 ― は、真空シール408、例えばOリングによって妨げられる。このように、保護シュラウド410がプラズマアプリケーター448に挿入されるときに、シュラウド・ガス・ポート404はアプリケーター・ガス・ポート402に流体連結し、それによってホース364の保護シュラウドの内部322への流体連結性を確立する。従って、プラズマ点火促進ガス(例えばヘリウムまたはアルゴン)は、ホース364を通って保護シュラウドに直接入れられて、加えて、または代わりに、ガス、特に空気は保護シュラウドからホース364を通ってポンプで汲み出すことができる。スロット450と保護シュラウドの内部322間の流体連結性は、このように妨げられる。無菌性フィルター472は、保護シュラウド410の内部322とプラズマアプリケーター448の間の無菌性バリアを維持するために、シュラウド・ガス・ポート404内に配置される。図3Bの無菌性フィルター372に関して上述したように、プラズマアプリケーター448から保護シュラウド410の内部322に流入するガスは、無菌の保護シュラウドに入り、そして/または保護シュラウド410の内部322からプラズマアプリケーター448に流入するガスは、無菌のプラズマアプリケーターに入る。このように、無菌性フィルター472は、プラズマアプリケーターから(例えば、スロット450の周囲から)内視鏡380への汚染の転送を防止し、そして/または内視鏡380からプラズマアプリケーターへの汚染の転送を防止する。
保護シュラウド410は、(保護シュラウド310の陽極340の代わりに)遠位円筒端316の近くの中空円筒体312の外周上のリングとして成形されるリング陽極440を有することで保護シュラウド310と更に異なる。それゆえに、誘電材料で作られる中空円筒体312は、陽極440と陰極330および内視鏡の金属表面384との間の誘電体バリア444として機能し、その結果、プラズマは、保護シュラウド310に関して上記のようにDBD動作モードで保護シュラウド410において発生する。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド410は、中空円筒体412内にストッパー442を備える。ストッパー442は、内視鏡380の保護シュラウド410内への前進を制限するように構成されて、その結果、所定の望ましい隙間が、陽極440と内視鏡の金属表面384の間に確立されて、それによって周知の電界(電界は陰極および陽極と前記隙間の間に供給される電圧により決定される)でプラズマ発生を確実にする。ストッパー442は、陽極と陰極間の照準線上の誘電体バリアとして更に使用することができて、それによってプラズマをビューポート390に向けて集中させるのを支援する。
保護シュラウド410が、プラズマアプリケーター448のスロット450に挿入されるときに、プラズマアプリケーター448の陽極接触器456は、リング陽極440と接触する。陽極接触器456は、上記のようにプラズマ発生電界をリング陽極440に供給することを可能にするために、電源(ここに図示せず)に接続するように構成される導電体458に電気的に結合している。保護シュラウド410が上記のようにスロット450に挿入されるときに、保護シュラウド410の陰極330は、陰極接触器352と電気的に結合している点に留意される。従って、起動に応じて、適切に接続された電源は、ビューポート390の周辺でプラズマを発生するために、リング陽極440と内視鏡380の金属表面384の間にプラズマ発生電界を(DBDモードで)供給できる。
図4は、いくつかの実施形態の一態様による保護シュラウド510を図式的に表す。保護シュラウド510は、上記の実施形態にて説明したように内視鏡周辺で空間からポンプ汲み出さずに、またガスをその空間に流入させずに、促進されたプラズマ点火を可能にするように構成される。換言すれば、保護シュラウドは、ガスタンクにもガスポンプにも連結していないプラズマアプリケーターを用いて、本願明細書における教示に従ってプラズマ処理を内視鏡のビューポートに施すことを可能にする。従って、保護シュラウドは、ガスポート402のようなガスポートを有せず、そしてホース364のようなホースに連結していない。
保護シュラウド510は、開口部314と円筒端316の間に伸びる中空円筒体312を備える。保護シュラウド510は、中空円筒体312に出口がなくて、円筒端316の近くで封止されているという点で、保護シュラウド310と異なり、それによって円筒端316を通ってのガス分子の浸透または浸入を実質的に防止する。保護シュラウド510は、中空円筒体312内部の漏出シール530、および漏出シール530と円筒端316の間にある中空円筒体312の密封スクリーン518を有するという点で保護シュラウド310と更に異なる。密封スクリーン518は、ガス分子を通さないように構成されて、それによって密封スクリーン518と円筒端316の間に閉じられた、閉鎖空間520を画成する。保護シュラウド510内部の閉鎖空間520はこのように気密であり、即ち、保護シュラウド510の外部324から封止するように維持される。閉鎖空間520は、約1気圧のガス圧力で、プラズマ点火に適しているガス、例えばアルゴンを含み、その結果、せいぜい、密封スクリーンすべてにわたってほんの小さい気圧勾配しかない。
密封スクリーン518は壊れやすくて、それによって内視鏡380のような内視鏡の保護シュラウド510への挿入に応じて破損する(取り壊す)ように構成される。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド510は、閉鎖空間520外の密封スクリーン518の近くに中空円筒体312に柔軟に取り付けられる一つ以上の引き裂き針522を更に備える。引き裂き針522は、密封スクリーン518に向って柔軟にもたせかかり、そして保護シュラウドに挿入される物により押されるときに密封スクリーンを裂くように構成される。かくして、使用のために、内視鏡は、保護シュラウド510に挿入されて、引き裂き針522を密封スクリーン518の方へ押すことによって密封スクリーン518を取り壊すことに影響を及ぼすことができる。ビューポートが陰極330と陽極340の間にあるようになるまで、内視鏡は更に前進できる。挿入の間に、内視鏡が漏出シール530を通って最初に前進し、それから密封スクリーン518が破られて、それから内視鏡が適所に配置されるように更に前進する点に留意される。一旦密封スクリーン518が壊れると、空間520内のガスは、漏出シール530と内視鏡の間に形成されるシーリングによって開口部324の方へ自由に流れるのを防止される。内視鏡の保護シュラウド内への更なる前進の間に、ガスのための空間520の自由容積は減少し、それでも、閉鎖空間520の領域に蓄積される圧力は、漏出シール530を横切る圧力差の下のガス漏出により防止される。その結果、内視鏡380が保護シュラウド510に完全に挿入されるとき、閉鎖空間520および特にビューポートに近位の空間は、陽極340と陰極330の間に、ほぼ大気圧で、密封スクリーン518の引き裂きの前に空間520に含まれたガスを実質的に含み、それによってそこにおけるプラズマ点火を促進する。いくつかの実施形態によれば、密封スクリーン518は、マイラーまたは金属被覆マイラーまたはカプトンまたは金属化カプトンなどで作ることができる。
従って、本発明の態様によれば、内視鏡検査のために内視鏡(図1の200、図2、3A、および3Cの380)を準備するための装置(図1Aの100)が提供される。装置は、そこに内視鏡の遠位端(210、382)を受け入れるために必要な大きさにされる保護シュラウド(図1Aの110、図2および3Aの310、310a、図3Cの410、図4の510)を備える。遠位端は、そこを通してビューポートの周囲の画像を収集することを可能にするように構成されるビューポート(220、390)を備える。
装置は、電源と電気的に結合プラズマ発生界アプリケーター(130、348、448)を更に備える。プラズマ発生界アプリケーターは、そこに保護シュラウドで囲まれる内視鏡の遠位端を受け入れるように構成されるスロット(132、350、450)を有する。プラズマ発生界アプリケーターは、保護シュラウド内のプラズマ発生に適している電力を印加するように構成される。保護シュラウドは、内視鏡の遠位端から、そしてプラズマ発生界アプリケーターから着脱可能である。
いくつかの実施形態によれば、内視鏡のビューポートは透明でありえるか、または鏡でありえる。
いくつかの実施形態によれば、装置は、第1の端部にプラズマ発生界アプリケーターを無菌性スリーブに挿入することを可能にするように構成される第1の開口部、および第2の端部に内視鏡をプラズマ発生界アプリケーターに挿入することを可能にするように構成される第2の開口部(142)を有する、プラズマ発生界アプリケーターをカプセル化するように構成される、第1の端部(146)と第2の端部(140)の間に伸びる無菌性スリーブ(144)を更に備える。いくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブは柔らかく、そしていくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブは堅い。無菌性スリーブは、プラズマ発生界アプリケーターから分離される。いくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブは保護シュラウドに取り付けられ、そしていくつかの実施形態によれば、無菌性スリーブは保護シュラウドから分離される。
いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、少なくとも一つの電極(340、440)および電極に電気的に接続している第1のシュラウド電気接点(340、440)を備える。保護シュラウドがスロット(350、450)に挿入されるときに、第1のシュラウド電気接点は、プラズマ発生野アプリケーターの対応する第1のアプリケーター電気接点(356、456)と電気的に接触するように構成される。少なくとも一つの電極は、それによってプラズマ発生界アプリケーターから電力を受け取ると、保護シュラウド内部(322)でプラズマ発生界を印加するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、内視鏡の遠位端が保護シュラウド内に受け入れられるときに、内視鏡と接触するように構成される、第2のシュラウド電気接点(330)を更に備える。第2のシュラウド電気接点は、保護シュラウドがスロット(350、450)に挿入されるときに、第2のアプリケーター電気接点(352)と電気的に接触するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、内視鏡の遠位端を受け入れるように構成される開口部(314)と保護シュラウドの遠位端(316)の間に伸びる中空の実質的に堅い管(312、412)を備える。いくつかの実施形態によれば、中空管は中空円筒体(312、412)である。
いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、内視鏡(380)を囲むために必要な大きさにされる、それによって内視鏡が中空管内に受け入れられるときに、内視鏡と密封して接触するように構成される、中空管の内周部に沿って開口部と遠位端の間に配置されるシール(320、530)を更に備える。いくつかの実施形態によれば、シールはOリングを備える。
いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生界アプリケーター(348、448)は、ホース(364)に連結している。ホースは、スロット(350、450)に制御可能に流動的に連結している。いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生界アプリケーター(348、448)は、ホース(364)をスロット(350、450)に制御可能に流動的に連結する、制御弁(366)を備える。いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生界アプリケーター(348)は、ホースに流動的に連結されるアプリケーター・ガス・ポート(402)を備え、そして保護シュラウド(410)はシュラウド・ガス・ポート(404)を備える。シュラウド・ガス・ポートは、ホースを保護シュラウドの内部(322)と流動的に連結するためにアプリケーター・ガス・ポートと密封して連結するように構成される。シュラウド・ガス・ポートとアプリケーター・ガス・ポートとの密封された連結は、例えばシール408によって、保護シュラウドがスロットに挿入されるときに、(ホース364と流動的に結合する)保護シュラウドの内部(322)とスロット(450)の間の流体連通を防止する。
いくつかの実施形態によれば、保護シュラウド(510)は、内視鏡の遠位端が中空管に挿入されるときに、中空管(312)内部に内視鏡と密封して接触するように構成されるシール(530)を備える。保護シュラウド(510)は、中空管を横切って、それによって密封スクリーンと中空管の遠位端(316)の間に閉じた封止空間(520)を画成するように構成される密封スクリーン(518)を更に備える。いくつかの実施形態によれば、保護シュラウドは、シール(530)と密封スクリーン(518)の間で中空管内に配置される、内視鏡の中空管への挿入により密封スクリーンを引きはがすように構成されるテリア(522)を更に備える。
いくつかの実施形態の一態様によれば、内視鏡検査のための内視鏡を準備する方法が提供される。この方法は、そこに内視鏡の遠位端(210、382)を受け入れるために必要な大きさにされる保護シュラウド(110、310、310a、410、510)を提供することを含み、遠位端は、そこを通してビューポートの周囲の画像を収集することを可能にするように構成されるビューポート(220、390)を備える。この方法は、電源と電気的に結合したプラズマ発生界アプリケーター(130、348、448)を提供することを更に含む。プラズマ発生界アプリケーターは、保護シュラウドで囲まれる内視鏡の遠位端をそこに受け入れるように構成されるスロット(132、350、450)を有する。プラズマ発生界アプリケーターは、保護シュラウド内のプラズマ発生に適している電力を(例えば、電極330、340、および440によって)印加するように構成される。保護シュラウドは、プラズマ発生界アプリケーターから、そして内視鏡の遠位端から着脱可能である。この方法は、保護シュラウドで囲まれる内視鏡の遠位端をプラズマ発生界アプリケーターのスロットに配置すること、および電源を起動させて保護シュラウド内でプラズマを発生させて、それによって内視鏡の遠位端でビューポートをプラズマ処理することを更に含む。
いくつかの実施形態によれば、この方法は、保護シュラウドによって、遠位端に分散する流体によるプラズマ発生界アプリケーターの汚染を防止することを更に含む。いくつかの実施形態によれば、プラズマ発生界アプリケーターはホース(364)を備え、そしてこの方法は、(弁366を開閉することによって)保護シュラウドの内部(322)にガスを制御可能に流すことか、またはホースを通して保護シュラウドの内部からポンプで汲み出すことを更に含む。
いくつかの実施形態の一態様によれば、内視鏡検査のための内視鏡(380)を準備する方法が更に提供されて、内視鏡は、ビューポート(390)を備えた遠位端(382)を備える。ビューポートは誘電材料で作られて、内視鏡の遠位端で金属部分(384)に近位している。この方法は、内視鏡の遠位端を閉プラズマ室(例えば、保護シュラウド310、310a、410、または510、そこにおいて、内視鏡の挿入は保護シュラウドの内部322を封止し、それによって閉プラズマ室をそこに画成する)に配置することを含む。閉プラズマ室は、少なくとも陽極(340、440)および陰極(330)を有し、そこにおいて、陰極は金属部分と電気的に接触する。陽極と陰極間の照準線は、誘電体バリア(344、444)により遮断されて、この方法は、陽極と陰極の間にプラズマ発生電磁界を印加し、それによってビューポートの周辺(322)でDBDモードのプラズマを発生することを更に含む。いくつかの実施形態によれば、電気バリア(444)は、ビューポートの周辺(322)のガスから陽極(440)を電気的に分離する。この方法のいくつかの実施形態によれば、ビューポートは透明であるかまたは代わりに鏡である。この方法のいくつかの実施形態によれば、ビューポートは、ガラスまたはクォーツまたはプラスチックでできている。
明確にするために、別々の実施形態との関連で記載されている、本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組合せて提供されることもできると認められる。逆に、簡潔のために、単一の実施形態との関連で記載されている、本発明の特徴は、別々に、またはあらゆる適切な下位組合せで、または本発明のその他の記載された実施形態において、適切なものとして提供することもできる。実施形態との関連で記載されている特徴は、それなりに明確に特定されない限り、その実施形態の基本的特徴と考えるべきではない。
いくつかの実施形態による方法のステップが、特定のシーケンスで説明できるけれども、本発明の方法は、異なる順序で実行される記載されているステップの一部または全部を含むことができる。本発明の方法は、記載されているステップ全てまたは記載されているステップのごく少数を含むことができる。開示された方法における特定のステップは、それなりに明確に特定されない限り、その方法の不可欠なステップと考えるべきではない。
本発明がその特定の実施形態と関連して説明されるけれども、当業者にとって明らかである多数の変形例、変更態様、およびバリエーションが存在することがありえることは明白である。従って、本発明は、添付の請求の範囲に入るすべてのこの種の変形例、変更態様、およびバリエーションを包含する。本発明は、本願明細書に記載される構造の詳細ならびに部品および/または方法の配置へのその適用で必ずしも制限されるというわけではないことを理解すべきである。他の実施形態は実践することができて、ある実施形態は種々の方法で実施することができる。
本願明細書において使用される語法および用語は、記述目的のためであって、制限的であると考えるべきではない。本出願のいかなる参照文献の引用または識別も、この種の参照文献が本発明に対する従来技術として使われるという承認として解釈すべきではない。見出しは、本願明細書の理解を容易にするために本願明細書で使われており、必ずしも制限的であると解釈すべきではない。