JP6973764B1 - コイル挿入機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレード隙間に引っ掛けられるコイル束を、軸方向に沿って中央から両側に区画させるコイル束分離手段を有するインサータ方式のコイル挿入機において、従来よりも小型の電動機であっても、高いコイル占積率とした集中巻電動機を製造することができると共に、コイル束分離手段をなす薄板部に変形又は亀裂が発生しにくい耐久性の高いコイル挿入機を提供すること【解決手段】インサータ方式のコイル挿入機において、一つのスロットに挿入させる隣り合ったコイル束を、夫々左右に分離しながらスロット内に案内させるコイル束分離手段を、軸心から薄板部を放射状に備えさせた一塊とさせた。そして、その薄板部の下方端面に、その両面を挟むように、コイル束をスロットに押し込むコイル束押込手段をなすコイルの押込片を固定させた。【選択図】図1

Description

本発明は、巻き回されたコイル束をステータコアのスロットに挿入するコイル挿入機に関する。詳細には、内径方向側に環状に配列された複数の磁極ティースの各々の周りにコイル束を巻くように、一つのスロット内に隣り合うコイル束をインサータ方式により同時に挿入させる集中巻電動機のコイル挿入機に関する。
ステータコアの内径方向側に突出した磁極ティース毎に、コイル線を巻線させる集中巻電動機の製造方法は、ニードルの先端からコイル線を導出させて磁極ティースに繰り返し巻き付ける直巻方式と、予め巻回されたコイル束をコイル挿入機により押し込むようにして、一回のコイル挿入工程で磁極ティースに巻き付けるインサータ方式がある。
直巻方式においては、ニードルの先端を隣り合う磁極ティースがなすスロットに挿し込み、磁極ティースの周りでニードルを周回させると共にステータコアの径方向に進退させてコイル線を巻回させている。磁極ティースにコイル線を整然と巻線させることができ、コイル線の整列精度が高い電動機を製造することができるが、スロットの中にニードルの移動空間をあけておく必要があった。
一方、インサータ方式においては、スロットの中にニードルを周回・進退させなくてもよいため、小型の電動機であってもコイル占積率を高くさせやすいという利点がある。近年においては、小型化、高効率化、低振動、低騒音というニーズに対応するため、電動機の製造方法は、コイル占積率を向上させることができるインサータ方式が増加している。
特許文献1には、本願の出願人によるインサータ方式のコイル挿入機の技術が開示されている。このコイル挿入機によれば、環状に配列されたブレード軸体がなす隙間に、複相のコイル束を並べて引っ掛けておき、コイル束を押し込むストリッパを延伸させることにより、全てのコイル束を同時にスロットに挿入させ、高いコイル占積率となる絶縁不良のない集中巻電動機が製造可能であった。
この技術によれば、隣り合って引っ掛けられたコイル束を、ストリッパの外歯の先方に延びているコイル束分離手段がなす薄板部により区分させている。コイル束を薄板部により区分させたまま、ブレード隙間からスロットの内方の開口隙間を通して、ストリッパの外歯により押し込んでスロットに挿入させている。これにより、小型の電動機であっても、複雑な工程によることなく、短い作業時間で、コイル占積率が高い集中巻電動機の製造が可能であった。
この技術においては、ストリッパの先方に接するように、0.5mmの厚さの薄板部を備えたコイル束分離手段を乗せてこれらを固定させていた。コイル束分離手段をなす薄板部の下端外方の形状は、コイル束を滑らかに押し込むように、外方をゆるやかに下方に傾斜させたストリッパの外歯の天面の形状に適合させるため、先端が下方に尖った形状とされていた。
薄板部の両側には夫々コイル束が接している(理解を容易にするため、一か所のコイル束のみを図示している)。そのため、隣り合うスロットにコイル束が滑らかに押し込まれている限り、薄板部にかかるコイル束の挿入時の押圧力は一方に偏りにくく、薄板部の下端外方がストリッパに固着されていなくても、下端外方の先端に変形又は亀裂が発生することはなかった。しかし、コイル占積率を更に高くさせた小型の電動機に適用させるため、薄板部の厚さを約0.2mmよりも薄い厚さとさせたところ、コイル挿入時に薄板部にかかる左右からの押圧力が僅かに偏っただけでも、ストリッパに近い、鋭角な形状をなす薄板部の下端外方の先端に、変形又は亀裂が発生することがあるという新たな課題が発生した(図6白抜き矢印参照)。
特許文献1:国際公開2015−162701号公報
そこで、本願は、従来よりも小型の電動機であっても、高いコイル占積率とした集中巻電動機を製造することができると共に、コイル束を分離する薄板部に変形又は亀裂が発生しにくい耐久性の高いコイル挿入機を提供することを課題とした。
本発明の第1の発明は、内径側に所望の幅の開口隙間を有するスロットが環状に配列されたステータコアの各々の磁極ティースの周りにコイル束を挿入させる集中巻電動機のコイル挿入機において、隣り合うコイル束を引っ掛けるように、ステータコアの内径側に接して環状に配列された複数のブレード軸体と、隣り合うブレード軸体がなすブレード隙間を軸方向に沿って中央から両側に区画させるコイル束分離手段と、前記ブレード隙間を通して前記開口隙間から前記スロットに前記コイル束を押し込むコイル束押込手段とを含み、前記コイル束分離手段が、その中央基部から前記開口隙間の中央に向けて放射状に外方に突出した薄板部を備え、前記薄板部の幅が、前記開口隙間の幅より薄く、前記コイル束押込手段が、コイルの押込片を備え、前記押込片が、その押込片基部が前記中央基部の外面下方に接すると共に、その両側の下方側面部が隣り合った前記薄板部に沿って放射状に突出され、前記薄板部の長さが、前記コイル束を引っかける状態では、前記薄板部の先方が前記ブレード軸体の先端と揃う長さとされると共に、前記コイル束が前記スロットに押し込まれた状態では、前記押込片の天部を前記ブレード軸体の先端から突出させる長さとされ、前記押込片基部が、前記中央基部に固着手段により固着されると共に、前記押込片の天部が、外方に斜めに切り下がった状態とされ、前記薄板部の下方をその両側の前記下方側面部が挟んだままで、各々の前記下方側面部が前記隣り合うコイル束を前記薄板部の両側から一つの前記スロットに挿入させ、前記薄板部の下端が変形されないことを特徴としている。
第1の発明においては、コイル束を分離させる複数の薄板部を軸心から放射状に配設させた一塊のコイル束分離手段に、薄板部の両側を挟むように、薄板部の下方の側面に、コイル束をスロットに押し込むコイルの押込片を固定させている。薄板部の下方の部分は、両側から押込片により挟まれた状態とされ、薄板部の下端外方に変形等が発生しない状態とされている。
スロットにコイル束の押し込みを完了させる、押込片に近い薄板部の部分は、側方からの押圧力により影響を受けやすい。しかし、薄板部のその部分が両側から押込片に挟まれているため、従来のように尖った形状の部分がなく、押込片に近い薄板部の部分が変形等しない。また、コイルの押込片を薄板部の側面に固定させるように製造すればよいため、薄板部とストリッパとを一体成型させるよりも製造が容易である。
また、コイルの押込片の天部が、外方に斜めに切り下がった状態とされている。これによりコイル束を、その外方に位置するブレード隙間を通して開口隙間からスロットの中に押し込む際に、押込片の天部が軸心側に押し付けられ、押込片基部がコイル束分離手段の中央基部から離間せず、コイル線が押込片基部と中央基部との間に挟まることなく、滑らかに押し込まれる。
薄板部の長さが、ブレード軸体にコイル束を引っかける状態では、薄板部の先方とブレード軸体の先端と揃っているため、ブレード軸体にコイル束を引っ掛けやすい。ここで揃っているとは、薄板部の先方とブレード軸体の先端の位置が、略同じ位置にあることを意味し、どちらが先方に伸びていてもよい。また薄板部の長さが、コイル束がスロットに押し込まれた状態では、薄板部の外面下方に備えさせた押込片の天部をブレード軸体の先端から突出させる長さとされているため、スロット内に確実にコイル束を挿入させる。
本発明の第1の発明によれば、小型の電動機にコイル束を挿入する場合であっても、コイル束分離手段をなす薄板部が変形等せず耐久性が高く、コイル束を引っかけやすく、コイル線が滑らかに押し込まれ、高いコイル占積率とすることができるという従来にない有利な効果を奏する。
本発明の第2の発明は、第1の発明のコイル挿入機において、押込片基部支持板を備え、押込片基部支持板が、円盤形状をなし、前記ブレード軸体の内径側において前記中央基部の底部に軸心を一致させて固定されると共に、前記押込片基部支持板の径が前記押込片基部から外方に突出されない長さとされ、全ての前記押込片基部を均等に支えていることを特徴としている。
第2の発明では、一塊をなすコイル束分離手段の底部に、コイル束押込手段をなす押込片基部を支える押込片基部支持板が固定されている。固定は螺合手段等機械的に固定させる固定手段によると好適であるが限定されない。また、押込片基部支持板がブレード軸体の内径側において固定されているため、押込片をブレード軸体の上方まで押し上げることができる。
押込片基部の幅が狭いため、中央基部に押込片基部を太いボルトにより固着できない場合であっても、押込片基部支持板が、押込片を下方から支えているため、コイル束の挿入に伴ってコイル束分離手段が下方にずれることがない。これにより内径の小さなステータコアに適用させるように、細い直径のコイル束分離手段とする場合でも、コイル束押込手段が外れない耐久性の高いコイル挿入機とすることができる。
本発明の第3の発明は、第1又は第2の発明のコイル挿入機において、前記固着手段が、樹脂系接着剤であることを特徴としている。第3の発明によれば、押込片基部の幅が狭く、機械的な螺子穴加工ができない場合でも、溶接によらず樹脂系接着剤により固着させるため、コイル束分離手段を熱により変形させないように、コイル束押込手段を固着することができる。樹脂系接着剤はエポキシ樹脂が好適であるが限定されず、金属同士を接着可能であればよい。
本発明の第4の発明は、第1又は第2の発明のコイル挿入機において、前記固着手段が、前記ブレード軸体の軸方向に沿って複数段に配列された螺合手段であることを特徴としている。第4の発明では、押込片基部を中央基部に固着させる固着手段を、複数段に配列された螺合手段としている。なお、樹脂系接着剤により仮固着させた状態で、螺合手段により固着させてもよいことは勿論のことである。機械的に複数段で固定しているため、コイル押込の際に大きな力が押込片の天部にかかっても、コイル束押込手段がコイル束分離手段から脱落することがなく耐久性が高い。
・本発明の第1の発明によれば、小型の電動機にコイル束を挿入する場合であっても、コイル束分離手段をなす薄板部が変形等せず耐久性が高く、コイル束を引っかけやすく、コイル線が滑らかに押し込まれ、高いコイル占積率とすることができるという従来にない有利な効果を奏する。
・本発明の第2の発明によれば、内径の小さなステータコアに適用させるように、細い直径のコイル束分離手段とする場合でも、コイル束押込手段が外れない耐久性の高いコイル挿入機とすることができる。
・本発明の第3の発明によれば、コイル束分離手段を熱により変形させないように、コイル束押込手段を固着することができる。
・本発明の第4の発明によれば、機械的に複数段で固定しているため、コイル押込の際に大きな力が押込片の天部にかかっても、コイル束押込手段がコイル束分離手段から脱落することがなく耐久性が高い。
コイル束分離手段とコイル束押込手段との説明図(実施例1)。 コイル挿入機の斜視図(実施例1)。 コイル束と共に相間絶縁紙が挿入されている状態を示す斜視図(実施例1)。 コイル挿入機とステータコアとの平面図(実施例1)。 相間絶縁紙の整形工程と、コイル束と相間絶縁紙との挿入工程の説明図(実施例1)。 従来のコイル束分離手段とストリッパの説明図(従来例)。
インサータ方式のコイル挿入機において、一つのスロットに挿入させる隣り合ったコイル束を、夫々左右に分離しながらスロット内に案内させるコイル束分離手段を、軸心から薄板部を放射状に備えさせた一塊とさせた。そして、その薄板部の下方端面に、その両面を挟むように、コイル束をスロットに押し込むコイル束押込手段をなすコイルの押込片を固定させた。これにより、薄板部の厚さを薄くしても、薄板部の下方端部に変形又は亀裂が発生しなくなり、コイル挿入機の耐久性を高くできた。
実施例1においては、コイル束分離手段の側面下方にコイル束押込手段としての押込片を固着させたコイル挿入機1を、図1から図6を参照して説明する。図1(A)図は、コイル挿入機をなすコイル束分離手段10とコイル束押込手段20を斜視図で示し、図1(B)図は、これらを平面図で示している。図1(A)図においては、理解を容易にするため、コイル束と固着させる前の押込片とを、一か所ずつ示している。同様に、ステータコア100を一点鎖線で示し、一か所のスロット103を破線で示している。
図2は、コイル挿入機1をなすブレード軸体30にコイル束700を引っ掛けた状態の斜視図を示し、図3はコイル挿入機1がコイル束700を挿入している状態の斜視図を示している。図4はコイル挿入機1と、コイル挿入機のブレード軸体の先端で保持されているステータコア100の平面図を示している。図4においては、理解を容易にするためコイル束分離手段10とブレード軸体30とステータコア100について斜線を付して示している。図5は、コイル挿入機1と相間絶縁紙の整形機2の説明図を示している。図6は、本願発明との比較例として従来装置におけるストリッパ500とコイル束分離手段600の斜視図を示している。
本実施例においては、9個の磁極ティース101が等間隔で環状に配列されているステータコア100に、コイル束700を挿入させるコイル挿入機1に適用させる例を説明する(図2参照)。コイル挿入機1は、コイル束分離手段10と、コイル束押込手段20と、ブレード軸体30と、相間絶縁紙ガイド軸体40とを含んでいる(図1,図2参照)。
コイル挿入機1は、9本のブレード軸体30が環状に配列され、ブレード軸体には予め巻線されたコイル束700が引掛けられ、隣り合うブレード軸体がなすブレード隙間31から、コイル束が外に引き出されている(図2参照)。相間絶縁紙ガイド軸体40は、ブレード隙間31に相間絶縁紙ガイド孔41が面するように環状に配列されている(図2,図4参照)。
環状に配列されたブレード軸体30の内面に沿って、コイル束分離手段10とコイル束押込手段20とが(図1参照)、ステータコア100の中央空間を下方から上方に向けて摺動され、ブレード軸体30に引掛けられたコイル束700が、ステータコア100の開口隙間102(図1(A)図,図4参照)からスロット103内に押し込まれる。また、コイル束700の挿入に伴って、相間絶縁紙ガイド軸体40に案内された相間絶縁紙800が隣り合うコイル束の間に挿入される(図3参照)。
相間絶縁紙とは、一つのスロットの中で隣り合っているコイル束を電気的に絶縁させる部材であり、電気絶縁性を有する板体が折り曲げられて形成されている。ここでは、長尺の樹脂シート体を略T字形状に整形させている。より詳細には、樹脂シート体が中央から二つ折りにされると共に、両端部が磁極ティースのフランジ部104(図4参照)に沿うように折り曲げられて内径側折曲げ部801が形成され略T字形状とされている。相間絶縁紙の二つ折りにされた部分802において、前記内径側折曲げ部801に繋がる端部とは反対の端部に、両側方に突出するように折り曲げられた外径側折曲げ部803を備えさせると、相関絶縁紙が撓みにくく、より好適である。
ブレード軸体30は、ブレード軸体本体32と、相間絶縁紙800が傾かないように前記内径側折曲げ部801を支えるガイド部材33とからなり、ブレード軸体本体32の外面の下部にガイド部材33が付設されている(図2参照)。ブレード軸体本体32は、内方側が湾曲された略半円形状の断面形状をなす軸体とされている。隣り合うブレード軸体30,30がなすブレード隙間31の幅は(図2参照)、ステータコア100の開口隙間102と略同一とされている(図1(A)図,図4参照)。
相間絶縁紙ガイド軸体40には、前記相間絶縁紙800の二つ折りにされた部分802を挟んで案内するように、内方側から中央部に亘って貫通孔が形成されている。この貫通孔は、相間絶縁紙を案内する相間絶縁紙ガイド孔41とされている(図2,図4参照)。相間絶縁紙ガイド孔41の中央部には、相間絶縁紙プッシャー軸体42を摺動させる、略矩形をなしたプッシャー軸体通過孔43が形成されている(図4,図5参照)。また相間絶縁紙ガイド軸体40は、軸方向の先端部が山型に形成されると共に内方側も先が狭まった形状に形成され、コイル挿入の際にコイル束700と干渉しない形状とされている(図2参照)。
コイル束分離手段10は、その中央基部11から各々のスロットの開口隙間102(図1(A)図,図4参照)に向けて、放射状に等間隔で外方に突出された9個の薄板部12を備えている。薄板部12の外端部は、隣り合うブレード軸体30がなす各々のブレード隙間31に挿入され(図2参照)、ブレード隙間31に引っ掛けられるコイル束700を軸方向に沿って、ブレード隙間31の中央から両側に区画させる。隣り合う薄板部12の間の中央基部11は、ゆるやかに湾曲され(図1参照)、中央基部11と薄板部12とブレード軸体30との間に、コイル束700の湾曲されたコイルエンド部を引っ掛ける引っ掛け隙間34をなす(図2参照)。
ブレード隙間31よりも内方側のコイル束は、引っ掛け隙間34の上方の開口部から挿入され、薄板部12に沿って、区画されたブレード隙間35に滑り込ませるように引っ掛けられる(図2参照)。ブレード隙間31よりも外方側のコイル束700は、隣り合う相間絶縁紙ガイド軸体40,40の内側となるように引っ掛けられている。
各々の薄板部12の厚さは限定されず、ステータコアの大きさ、開口隙間の幅に応じた厚さとされればよい。例えば、薄板部の厚さを約0.2mmと薄くさせると、開口隙間の幅が短い小型の電動機の製造に適用でき好適である。コイル束をなすコイル線の線径は、薄板部により中央から区画されたブレード隙間に、積み重ねられる太さであればよく限定されない(図2参照)。
薄板部12がブレード軸体30に沿って延びる長さは、コイル束700を引っ掛ける状態においては、薄板部12の先方がブレード軸体の先端30と揃う長さとされている(図2参照)。各々の中央基部11の下方側には、ブレード軸体30(図2参照)の軸方向に沿って三段に配列された螺合手段をなす雌ネジ穴13が備えられる(図1(A)図参照)。
コイル押込手段20は、コイル束分離手段の前記中央基部11の外面下方に固着手段により固着されるコイルの9か所の押込片21,21・・・からなる。各々の押込片21は、一つの薄板部12を2か所の押込片21,21で両側から挟むように、中央基部11の外面下方に接した押込片基部22から隣り合った薄板部12,12に沿って放射状に突出され、薄板部の外端部まで延びている。押込片21の内側面23は、隣り合う薄板部12,12の間に隙間なく接する形状とされ(図1(B)図参照)、外側面24はブレード軸体30(図2参照)の内面とブレード隙間31とに沿って摺動される形状とされている。
コイル束700は、外方に斜めに切り下がった形状とされた押込片の天部25に乗った状態でブレード軸体に沿って押し上げられ、ステータコアのスロットに押込まれる(図1(A)図,図3参照)。そのため、押込片の天部25よりも上方の部分、すなわち薄板部の中間部14だけがコイル束700に接しているにすぎず、コイル束を挿入させるときに、薄板部を側方に変形等させる力(図1(A)図白抜き矢印参照)がコイル束700から伝達されても、変形等されにくい薄板部の中間部14に力が加わるにすぎない。
薄板部12の押込片に近い部分15には(図1(A)図参照)、コイル線701が順に上方からステータコアのスロットに挿入され、コイル線の挿入が完了する際に、側方からの押圧力が作用しやすい。しかし、薄板部12の押込片に近い部分15は、2か所の押込片21,21の外端部26,26で挟まれた位置16に近接されているため、側方に撓みにくく、薄板部12が歪むように変形等されることもない。
薄板部12,12・・・と押込片21,21・・・とがなす水平外縁形状は、従来のストリッパ500(図6参照)の水平外縁形状と同一形状をなしている(図1(B)図参照)。これにより、従来のコイル挿入機のストリッパを、本発明のコイル束分離手段10とコイル束押込手段20とに交換することによっても、耐久性の高いコイル挿入機とすることができる。
押込片の天部25は、外方に斜めに切り下がった形状とされている。押込片の天部25に乗ったコイル束700をステータコア100のスロットの中に押し込む際に、押込片の天部25がコイル束分離手段10の軸心側に向けて斜め下方に押し付けられる。これにより、押込片基部22がコイル束分離手段の中央基部11から離間されず、線径の小さいコイル線からなるコイル束を挿入させる場合であっても、コイル線701が中央基部11と押込片基部22との間に挟まることがない。
下方に押込片21を添着させた薄板部12の長さが、コイル束700をステータコア100のスロットに押し込んだ状態において、押込片の天部25をブレード軸体30の先端から突出させる長さとされている(図5(C)図参照)。押込片21の長さは、ステータコア100の積層厚さよりも長く、押し込んだコイル束700の一部が開口隙間102からステータコア100の内方空間側に戻らないように、コイル束を押し込んだスロット103を塞ぐ長さとされている(図1(A)図参照)。押込片基部22には、前記螺合手段をなすネジ軸体17を挿通させる段孔27が三段に配列されている。段孔27をなす窪部28の深さは、ネジ軸体17の頭部を押込片の外面側24に突出させない深さとされる。
押込片基部支持板50は略円盤形状をなす板体とされる(図1(A)図参照)。押込片基部支持板50は、ブレード軸体の内径側においてコイル束分離手段の中央基部11の底部に、コイル束分離手段10と押込片基部支持板50の軸芯を一致させて複数のネジ軸体51,51により螺着固定されている。押込片基部支持板50の径は、押込片基部支持板とブレード軸体の内面とが接触されないように押込片基部22から外方に突出されない長さとされる(図1(B)図参照)。
押込片基部支持板50が各々の押込片基部22を均等に支えていることにより、小型の電動機用のコイル挿入機のように、細径のネジ軸体17により押圧片21を固定させている場合であっても、ネジ軸体17が折れにくく押圧片21がコイル束分離手段10から脱落されにくい。これにより、押圧片21の大きさが小さくなる小型の電動機用のコイル挿入機であっても、コイル束押込手段20の耐久性を高くすることができる。
次に、コイル挿入機1と相間絶縁紙の整形機2の機構について、図5を参照して簡単に説明する。図5(A)図はコイル挿入機1と相間絶縁紙の整形機2とを備えるターンテーブル3の平面図を示している。図5(B)図と図5(C)図は、図5(A)図のA−A位置断面図を示している(コイル挿入機については図4のA−A位置断面図に相当)。図5(B)図は、コイル束をブレード軸体に引っ掛けた状態を示し、図5(C)図はコイル束をステータコアのスロットに押込んだ状態を示している。
相間絶縁紙の整形機2は、長尺の樹脂シート体を略U字形状に仮整形させる格納器60と、仮整形された樹脂シート体を略T字形状に絞り整形させる絞り器70と、相間絶縁紙格納部を有するウェッジマガジン80とを備えている(図5参照)。格納器60は、一方の側面が開放されると共に上下に貫通された雌型61と、雌型に樹脂シート体810を押込む雄型62とからなっている(図5(B)図参照)。ウェッジマガジン80は、中央に貫通部81を有し、周縁部に9つの相間絶縁紙格納部82が等間隔で環状に配されると共に、ウェッジマガジンの周方向に回転可能とされている(図5(A)図矢印A参照)。雌型61と、絞り器70と、一つの相間絶縁紙格納部82とが連通されるように、水平位置が揃えられている。
樹脂シート体810は、予め折り癖がつけられており、雄型62により雌型61に押込まれることにより、両端部が外方に折り曲げられると共に中央部が二つ折りにされた略U字形状に仮整形される(図5(B)図矢印B参照)。次に、雌型61の下方からプッシャー軸体71を延伸させ、仮整形された樹脂シート体を格納器60から絞り器70に押込む(図5(B)図矢印C参照)。樹脂シート体は絞り器を通って相間絶縁紙格納部82に至るまでに、前記の略T字形状に整形される。
一つの相間絶縁紙格納部82に相間絶縁紙800が格納されると、ウェッジマガジン80が周方向に回転される(図5(A)図矢印A参照)。これが繰り返されて、全ての相間絶縁紙格納部82に相間絶縁紙が格納されると、ターンテーブル3全体が中心軸周りに回転されて、ウェッジマガジン80がコイル挿入機1の下方に位置される(図5(A)図矢印D参照)。
次に、コイル束分離手段10及びコイル束押圧手段20を押し上げる延伸軸90と、相間絶縁紙プッシャー軸体42とが一体に延伸される(図5(B)図矢印E参照)。コイル束700がブレード軸30の先端を乗り越える位置まで押し上げられると、全てのコイル束700が同時にステータコア100の開口隙間102からスロット103に押込まれる(図3,図5(C)図参照)。
押込片21の外端部がコイル線を押し込んだ後、開口隙間102からコイル線が外に漏出しないように、開口隙間102を押込片21の側部で塞ぎながら、押込片の天部25をブレード軸体30の先端から突出させるまで、延伸軸90を延伸させる。コイル束700の挿入に追従されて、コイル束を区画させるように、各々のスロットの中に相間絶縁紙800が挿入される(図3参照)。相関絶縁紙の二つ折りにされた部分802が隣り合うコイル束を電気的に絶縁させ、内径側折曲げ部801がコイル線をスロットから漏出させないように開口隙間を閉鎖させる(図3,図5(C)図参照)。
コイル挿入機1により、コイル束を挿入させた直後には、コイル束700のコイルエンド部がステータコア100の端面から上下方向に伸びた状態となっている(図示を省略している)。これをステータコアの軸方向の両側から加力して、上下のコイルエンド部を押し潰すように端部処理して、長さの小さな電動機の筐体に格納できるようにする。
(その他)
・本実施例においては、押込片を固着させる固着手段を、ブレード軸方向に沿って複数段に配列された螺合手段とさせる例を説明したが、押込片を樹脂系接着剤だけで薄板部に固着させてもよく、機械的な固着手段と接着剤とが併用されてもよい。押込片基部支持板を備えさせた方が耐久性を高く好適であるが、押込片基部支持板を備えなくてもよいことは勿論のことである。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…コイル挿入機、2…整形機、3…ターンテーブル、
10…コイル束分離手段、20…コイル束押込手段、30…ブレード軸体、
40…相関絶縁紙ガイド軸体、
11…中央基部、12…薄板部、13…雌ネジ穴、14…薄板部の中間部、
15…押込片に近い部分、16…挟まれた位置、17…ネジ軸、
21…押込片、22…押込片基部、23…内側面、24…外側面、
25…天部、26…外端部、27…段孔、28…窪部、
31…ブレード隙間、32…ブレード軸体本体、33…ガイド部材、
34…引っ掛け隙間、35…区画されたブレード隙間、
41…相関絶縁紙ガイド孔、42…相関絶縁紙プッシャー軸体、
43…相関絶縁紙プッシャー軸体通過孔、
50…押込片基部支持板、51…ネジ軸体、
60…格納器、61…雌型、62…雄型、
70…絞り器、71…プッシャー軸体、
80…ウェッジマガジン、81…貫通部、82…相関絶縁紙格納部、
90…延伸軸、
100…ステータコア、101…磁極ティース、102…開口隙間、
103…スロット、104…フランジ部、
500…ストリッパ、501…外歯の天面、
600…コイル束分離手段、601…薄板部、602…下端外方、603…先端、
700…コイル束、701…コイル線、
800…相関絶縁紙、801…内径側折曲げ部、
802…二つ折りにされた部分、803…外径側折曲げ部、
810…樹脂シート体

Claims (4)

  1. 内径側に所望の幅の開口隙間を有するスロットが環状に配列されたステータコアの各々の磁極ティースの周りにコイル束を挿入させる集中巻電動機のコイル挿入機において、
    隣り合うコイル束を引っ掛けるように、ステータコアの内径側に接して環状に配列された複数のブレード軸体と、隣り合うブレード軸体がなすブレード隙間を軸方向に沿って中央から両側に区画させるコイル束分離手段と、前記ブレード隙間を通して前記開口隙間から前記スロットに前記コイル束を押し込むコイル束押込手段とを含み、
    前記コイル束分離手段が、その中央基部から前記開口隙間の中央に向けて放射状に外方に突出した薄板部を備え、
    前記薄板部の幅が、前記開口隙間の幅より薄く、
    前記コイル束押込手段が、コイルの押込片を備え、
    前記押込片が、その押込片基部が前記中央基部の外面下方に接すると共に、その両側の下方側面部が隣り合った前記薄板部に沿って放射状に突出され、
    前記薄板部の長さが、前記コイル束を引っかける状態では、前記薄板部の先方が前記ブレード軸体の先端と揃う長さとされると共に、前記コイル束が前記スロットに押し込まれた状態では、前記押込片の天部を前記ブレード軸体の先端から突出させる長さとされ、
    前記押込片基部が、前記中央基部に固着手段により固着されると共に、前記押込片の天部が、外方に斜めに切り下がった状態とされ、
    前記薄板部の下方をその両側の前記下方側面部が挟んだままで、各々の前記下方側面部が前記隣り合うコイル束を前記薄板部の両側から一つの前記スロットに挿入させ、前記薄板部の下端が変形されない、
    ことを特徴とするコイル挿入機。
  2. 押込片基部支持板を備え、
    押込片基部支持板が、円盤形状をなし、前記ブレード軸体の内径側において前記中央基部の底部に軸心を一致させて固定されると共に、前記押込片基部支持板の径が前記押込片基部から外方に突出されない長さとされ、全ての前記押込片基部を均等に支えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のコイル挿入機。
  3. 前記固着手段が、樹脂系接着剤である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコイル挿入機。
  4. 前記固着手段が、前記ブレード軸体の軸方向に沿って複数段に配列された螺合手段である、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコイル挿入機。
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