JP6972732B2 - 焼き色付与剤 - Google Patents
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Description
特許文献1には、焼成食品用艶出し剤に関する記載がある。
本発明者は、鋭意検討を行ったところ、還元糖と脱脂粉乳の粉体混合物を生生地にふりかけ、その後通常の焼成を行うことで、それまでガスバーナーやシュバンクバーナーでつけていたような良好な焼き色を付与することができることを見出し、本発明を完成させた。
(1)還元糖と脱脂粉乳が、還元糖:脱脂粉乳=1:99〜99:1で粉体状態で混合された、水分を28〜48質量%含有する生生地用の、焼き色付与剤、
(2)還元糖がキシロース、ブドウ糖から選ばれる1以上である、(1)記載の焼色付与材、
(3)生生地上に、(1)又は(2)記載の焼き色付与剤をふりかけ、焼成する、焼成生地への焼き色付与方法、
(4)生生地上に、(1)又は(2)記載の焼き色付与剤をふりかけ、焼成する、焼き色のついた焼成生地の製造方法、
(5)(3)記載の焼成生地への焼き色付与方法において、焼き色付与剤を生生地へふりかける際、生生地上に所定の形が型抜きされたシート材を配置し、その上から焼き色付与剤をふりかけることで、当該所定の形に焼き色付与剤がふりかけられるようにし、当該所定の形の焼き色が付与されるようにする、焼き色付与方法、
(6)(4)記載の焼成生地の製造方法において、焼き色付与剤を生生地へふりかける際、生生地上に所定の形が型抜きされたシート材を配置し、その上から焼き色付与剤をふりかけることで、当該所定の形に焼き色付与剤がふりかけられるようにし、当該所定の形の焼き色が付与されるようにする、焼成生地の製造方法、
に関するものである。
本発明に係る焼き色付与剤は、還元糖と脱脂粉乳が、還元糖:脱脂粉乳=1:99〜99:1で粉体状態で混合されたものである。ここで、還元糖と脱脂粉乳の比率は、より望ましくは還元糖:脱脂粉乳=20:80〜80:20であり、さらに望ましくは還元糖:脱脂粉乳=40:60〜60:40である。還元糖と脱脂粉乳を適当な比率で粉体混合することで、焼成生地に良好な焼き色を付与できる、焼き色付与剤を得ることができる。
なお、粉体状態とは、水分量で言えば7質量%以下の状態である。
なお、本発明に係る焼き色付与材においては、還元糖、脱脂粉乳、及び、必要により他の成分が、略均一に粉体として混合されている必要がある。
本発明において、より好ましく効果を発揮できるのは、スポンジである。スポンジケーキにおいて、本発明に係る焼き色付与材を用いることで、好ましい焼き色を付与することができる。
焼き色付与材を振りかけた後は、通常の条件で生生地を焼成することで、適度の焼き色を付与することができる。すなわち本発明は、適度の焼き色のついた焼成生地の製造法とも言えるものである。
型抜きする形は、実施者が適宜選択することができる。ここで、「所定の形が型抜きされたシート材」とは、端的には、所定の形を型抜きした紙であり、これを生生地の上に配置し、その上から焼き色付与材を降りかけることで、当該所定の形に焼き色付与材が付着し、その後焼成することで、当該所定の形の焼き色が、焼成生地上につくことになる。これにより、消費者の購買意欲を向上させる製品を作り上げることが可能となる。
以下に実施例を記載する。
表1の配合に従い、焼き色付与材サンプルを調製した。
調製は、配合に記載した粉体をビニール袋に入れ、よく混合することで均一化し行った。
・キシロースはエーザイフード・ケミカル株式会社製を使用した。
・脱脂粉乳はよつ葉乳業株式会社製を使用した。
・粉糖及びグラニュー糖は、成分はいずれもショ糖であった。
・各サンプルとも、水分は7質量%以下であった。
表2記載の配合にて、スポンジケーキの生生地を調製した。調製法は「○スポンジケーキ 生生地調製法」に従った。
得られたスポンジケーキの生生地を30×40cmの型に流し入れた後、検討1で調製したサンプルを、それぞれ生生地表面に6gふりかけた。
その後、上火180℃、下火170℃のオーブンで15分間焼成した。
得られたスポンジケーキの焼き色を、ガスバーナーで焼き色を付与した場合と比較して、パネラー5名の合議にて、以下の基準で評価した。
5点 バーナーで焼き色を付与した場合と同等の焼き色が付与されたもの。
4点 バーナーで焼き色を付与した場合より若干焼き色が相違するが、ほぼ同等と判断されるもの。
3点 バーナーで焼き色を付与した場合より若干焼き色が劣るが、許容範囲であるもの。
2点 バーナーで焼き色を付与した場合より、明確に焼き色が劣り、許容できないもの。
1点 バーナーで付した焼色とは、全く相違する焼色が付されてしまうもの。
3点以上を合格とした。結果を表3に示した。
1.全卵、卵黄、ハチミツ、グラニュー糖をミキサーにて混合した。
2.1へ薄力粉を添加し、軽く混合した。
3.2へ製菓用サラダ油、牛乳を添加し、比重が0.38となるまで混合した。
・実施例1記載の焼き色付与材を使用することで、ガスバーナーで焼き色を付与した場合と同様の焼き色が付与された。
なお、焼き色付与材サンプルを振りかけずに焼成した場合は、わずかな焼き色しかつかず、非常に劣るものであった。
・焼き色付与剤を生生地へふりかける際、生生地上に所定の形が型抜きされたシート材を配置し、その上から焼き色付与剤をふりかけることで、当該所定の形に焼き色付与剤がふりかけられるようにした後に焼成した場合は、当該所定の形に焼き色が付与されることは自明であった。
Claims (5)
- 還元糖がキシロース、ブドウ糖から選ばれる1以上であって、還元糖と脱脂粉乳が、還元糖:脱脂粉乳=30:70〜70:30で粉体状態で混合された、水分を28〜48質量%含有する生生地用の、焼き色付与剤。
- 生生地上に、請求項1記載の焼き色付与剤をふりかけ、焼成する、焼成生地への焼き色付与方法。
- 生生地上に、請求項1記載の焼き色付与剤をふりかけ、焼成する、焼き色のついた焼成生地の製造方法。
- 請求項2記載の焼成生地への焼き色付与方法において、焼き色付与剤を生生地へふりかける際、生生地上に所定の形が型抜きされたシート材を配置し、その上から焼き色付与剤をふりかけることで、当該所定の形に焼き色付与剤が振りかけられるようにし、当該所定の形の焼き色が付与されるようにする、焼き色付与方法。
- 請求項3記載の焼成生地の製造方法において、焼き色付与剤を生生地へふりかける際、生生地上に所定の形が型抜きされたシート材を配置し、その上から焼き色付与剤をふりかけることで、当該所定の形に焼き色付与剤がふりかけられるようにし、当該所定の形の焼き色が付与されるようにする、焼成生地の製造方法。
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