JPH10262553A - 加熱処理脱脂粉乳及びその製造法 - Google Patents
加熱処理脱脂粉乳及びその製造法Info
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- JPH10262553A JPH10262553A JP9174897A JP9174897A JPH10262553A JP H10262553 A JPH10262553 A JP H10262553A JP 9174897 A JP9174897 A JP 9174897A JP 9174897 A JP9174897 A JP 9174897A JP H10262553 A JPH10262553 A JP H10262553A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 風味及び着色効果に優れる加熱処理脱脂粉乳
並びにその製造法を提供する。 【解決手段】 噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、ホ
エイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計
によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及
びb値が13〜22の範囲に加熱処理することにより、
a)ホエイタンパク指数1.0以下、並びにb)色彩色
差計によるL値85〜95、a値−2.5〜2.5、及
びb値13〜22の理化学的性質を有することを特徴と
する加熱処理脱脂粉乳を製造する。
並びにその製造法を提供する。 【解決手段】 噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、ホ
エイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計
によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及
びb値が13〜22の範囲に加熱処理することにより、
a)ホエイタンパク指数1.0以下、並びにb)色彩色
差計によるL値85〜95、a値−2.5〜2.5、及
びb値13〜22の理化学的性質を有することを特徴と
する加熱処理脱脂粉乳を製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、噴霧乾燥により得られ
た脱脂粉乳を出発原料として、これを加熱処理した加熱
処理脱脂粉乳及びその製造法に関するものであり、加熱
処理脱脂粉乳は、特有の風味を有し、新しい食品素材と
して特にベーカリー製品、チョコレート等の菓子製品に
使用可能である。
た脱脂粉乳を出発原料として、これを加熱処理した加熱
処理脱脂粉乳及びその製造法に関するものであり、加熱
処理脱脂粉乳は、特有の風味を有し、新しい食品素材と
して特にベーカリー製品、チョコレート等の菓子製品に
使用可能である。
【0002】
【従来の技術】ベーカリー製品の原料として脱脂粉乳及
び脱脂乳が使用されている。主に脱脂粉乳が、保存性に
優れていることから使用されている。脱脂粉乳は、従来
技術文献1(山内他編、「ミルク総合事典」、第278
ページ、第289〜291ページ、第294ページ、株
式会社朝倉書店、1992年1月20日)に記載される
とおり、原料乳をクリームと脱脂乳に分離し、この脱脂
乳を殺菌、濃縮、乾燥(一般的には噴霧乾燥)処理する
ことにより製造される。また、従来技術文献1には、ベ
ーカリー製品、チョコレート等の菓子製品には、殺菌工
程において、溶液状態の脱脂乳を加熱処理することによ
り製造されるホエイタンパク指数(WPNI)が1.5
以下であるhigh heat タイプの脱脂粉乳が適しているこ
とが述べられている。
び脱脂乳が使用されている。主に脱脂粉乳が、保存性に
優れていることから使用されている。脱脂粉乳は、従来
技術文献1(山内他編、「ミルク総合事典」、第278
ページ、第289〜291ページ、第294ページ、株
式会社朝倉書店、1992年1月20日)に記載される
とおり、原料乳をクリームと脱脂乳に分離し、この脱脂
乳を殺菌、濃縮、乾燥(一般的には噴霧乾燥)処理する
ことにより製造される。また、従来技術文献1には、ベ
ーカリー製品、チョコレート等の菓子製品には、殺菌工
程において、溶液状態の脱脂乳を加熱処理することによ
り製造されるホエイタンパク指数(WPNI)が1.5
以下であるhigh heat タイプの脱脂粉乳が適しているこ
とが述べられている。
【0003】しかしながら、これらの従来技術には、次
に記載するとおりの不都合があった。
に記載するとおりの不都合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のhigh heat タイ
プを含む脱脂粉乳は、風味が貧弱であり、ベーカリー製
品、菓子製品に利用する場合にその着色効果が少ないと
いう問題点があった。
プを含む脱脂粉乳は、風味が貧弱であり、ベーカリー製
品、菓子製品に利用する場合にその着色効果が少ないと
いう問題点があった。
【0005】本発明者らは、前記従来技術に鑑みて、噴
霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、粉末状態で、所定の
加熱条件において処理することにより風味を増強し、着
色効果も優れる加熱処理脱脂粉乳が得られることを見い
出した。
霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、粉末状態で、所定の
加熱条件において処理することにより風味を増強し、着
色効果も優れる加熱処理脱脂粉乳が得られることを見い
出した。
【0006】本発明の目的は、従来の欠点を解消した風
味及び着色効果に優れる加熱処理脱脂粉乳、並びに標記
加熱処理脱脂粉乳を製造することのできる新しい方法を
提供するものである。
味及び着色効果に優れる加熱処理脱脂粉乳、並びに標記
加熱処理脱脂粉乳を製造することのできる新しい方法を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明の第一の発明は、次のa)〜b)の理化学的性質; a)ホエイタンパク指数が1.0以下であること、 b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.
5〜2.5、及びb値が13〜22であること、 を有することを特徴とする加熱処理脱脂粉乳である。
明の第一の発明は、次のa)〜b)の理化学的性質; a)ホエイタンパク指数が1.0以下であること、 b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.
5〜2.5、及びb値が13〜22であること、 を有することを特徴とする加熱処理脱脂粉乳である。
【0008】前記課題を解決する本発明の第二の発明
は、噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、ホエイタンパ
ク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL値
が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が1
3〜22の範囲に加熱処理することを特徴とする加熱処
理脱脂粉乳の製造法である。
は、噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、ホエイタンパ
ク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL値
が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が1
3〜22の範囲に加熱処理することを特徴とする加熱処
理脱脂粉乳の製造法である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳述する
が、本発明の理解を容易にするために、最初に本発明の
第二の発明から説明する。
が、本発明の理解を容易にするために、最初に本発明の
第二の発明から説明する。
【0010】本発明の加熱処理脱脂粉乳の製造法に使用
する出発原料は、市販品であってもよく、全乳を脱脂
し、濃縮した脱脂乳を噴霧乾燥機により乾燥粉末化する
ことにより得られた脱脂粉乳である。
する出発原料は、市販品であってもよく、全乳を脱脂
し、濃縮した脱脂乳を噴霧乾燥機により乾燥粉末化する
ことにより得られた脱脂粉乳である。
【0011】得られた粉末状の脱脂粉乳を、円筒式乾燥
機、流動乾燥機、オーブン等の乾燥機、加熱機を使用
し、80〜150℃で15〜300分間、望ましくは9
4〜120℃で30〜180分間、加熱し、ホエイタン
パク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL
値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が
13〜22の範囲の加熱処理脱脂粉乳を得る。
機、流動乾燥機、オーブン等の乾燥機、加熱機を使用
し、80〜150℃で15〜300分間、望ましくは9
4〜120℃で30〜180分間、加熱し、ホエイタン
パク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計によるL
値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及びb値が
13〜22の範囲の加熱処理脱脂粉乳を得る。
【0012】以上の製造法により得られた加熱処理脱脂
粉乳は、後記する実施例からも明らかなとおり、次の
a)〜b)の理化学的性質を有している。 a)ホエイタンパク指数が1.0以下である。 b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.
5〜2.5、及びb値が13〜22である。
粉乳は、後記する実施例からも明らかなとおり、次の
a)〜b)の理化学的性質を有している。 a)ホエイタンパク指数が1.0以下である。 b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.
5〜2.5、及びb値が13〜22である。
【0013】前記a)〜b)に示したとおり、本発明の
加熱処理脱脂粉乳は、乾燥条件下、ホエイタンパク指数
が1.0以下であり、色彩色差計によるL値が85〜9
5、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22の
範囲に加熱処理されているので、従来の脱脂粉乳に比較
して、風味及び着色効果において優れており、ベーカリ
ー製品等の原料として、良好な性質を併せもっている。
加熱処理脱脂粉乳は、乾燥条件下、ホエイタンパク指数
が1.0以下であり、色彩色差計によるL値が85〜9
5、a値が−2.5〜2.5、及びb値が13〜22の
範囲に加熱処理されているので、従来の脱脂粉乳に比較
して、風味及び着色効果において優れており、ベーカリ
ー製品等の原料として、良好な性質を併せもっている。
【0014】本発明の加熱処理脱脂粉乳は、通常の脱脂
粉乳、脱脂乳等と同様にベーカリー製品、チョコレート
等の菓子製品等の食品に使用することができる。
粉乳、脱脂乳等と同様にベーカリー製品、チョコレート
等の菓子製品等の食品に使用することができる。
【0015】本発明において、ホエイタンパク指数(W
PNI)は、牛乳蛋白質の加熱程度を示す指数であり、
具体的な測定方法は後記する。また、色彩色差計による
L値は、明度を示し、a及びb値は、それぞれ赤色及び
黄色の程度を示すことから、その着色度を表すととも
に、L値及びb値が小さくかつa値が大きいほど焼き色
がよくなることを示し、脱脂粉乳の加熱度及びその脱脂
粉乳を使用したベーカリー製品の焼き色をモニターする
指標であり、具体的な測定方法は後記する。
PNI)は、牛乳蛋白質の加熱程度を示す指数であり、
具体的な測定方法は後記する。また、色彩色差計による
L値は、明度を示し、a及びb値は、それぞれ赤色及び
黄色の程度を示すことから、その着色度を表すととも
に、L値及びb値が小さくかつa値が大きいほど焼き色
がよくなることを示し、脱脂粉乳の加熱度及びその脱脂
粉乳を使用したベーカリー製品の焼き色をモニターする
指標であり、具体的な測定方法は後記する。
【0016】次に試験例を示して本発明を詳記するが、
本発明においては、次の試験方法を採用した。
本発明においては、次の試験方法を採用した。
【0017】(1)ホエイタンパク指数(WPNI)の
測定法 ホエイタンパク指数は、ハーランド及びアッシュワース
(Harland and Ashworth)の方法[日本薬学会編、「乳
製品試験法・注解」、第1版、第31〜32ページ、金
原出版株式会社、昭和59年3月20日]により測定し
た。
測定法 ホエイタンパク指数は、ハーランド及びアッシュワース
(Harland and Ashworth)の方法[日本薬学会編、「乳
製品試験法・注解」、第1版、第31〜32ページ、金
原出版株式会社、昭和59年3月20日]により測定し
た。
【0018】(2)着色度試験方法 試料の着色度を色彩色差計(ミノルタカメラ社製)を使
用して、装置添付の取り扱い説明書に従って、L、a及
びb値を測定した。
用して、装置添付の取り扱い説明書に従って、L、a及
びb値を測定した。
【0019】(3)風味試験方法 試料を蒸留水に溶解し、10%濃度の水溶液とした試料
溶液100mlを使用して、20歳から40歳までの男
女各20人のパネルにより官能的に試験し、風味良好
(0点)、風味やや良(1点)、風味やや不良(2
点)、風味不良(3点)の4段階に評価し、評価点の平
均値から、0.5点未満を良、0.5点以上1.5点未
満をやや良、1.5点以上2.5点未満をやや不良、及
び2.5点以上3.0点未満を不良と判定した。
溶液100mlを使用して、20歳から40歳までの男
女各20人のパネルにより官能的に試験し、風味良好
(0点)、風味やや良(1点)、風味やや不良(2
点)、風味不良(3点)の4段階に評価し、評価点の平
均値から、0.5点未満を良、0.5点以上1.5点未
満をやや良、1.5点以上2.5点未満をやや不良、及
び2.5点以上3.0点未満を不良と判定した。
【0020】(4)ベーカリー製品の焼き色試験方法 試料を蒸留水に溶解し、10%濃度の水溶液とした試料
溶液70ml、市販の薄力粉150g、無塩バター40
g、ベーキングパウダー小さじ7gを材料として使用し
て、プレーンスコーンの作成法(有元葉子著、「マイラ
イフシリーズNo.315・特集版 イースト発酵なし
のお手軽パン」、第7ページ、株式会社グラフ社、19
94年)に基づいて、オーブンで200℃で13分間焼
き上げ、プレーンスコーンを作成した。次いで、前記着
色度試験方法と同様の方法により、このプレーンスコー
ンの焼き色を色彩色差計(ミノルタカメラ社製)を使用
して、装置添付の取り扱い説明書に従って、L、a及び
b値を測定した。
溶液70ml、市販の薄力粉150g、無塩バター40
g、ベーキングパウダー小さじ7gを材料として使用し
て、プレーンスコーンの作成法(有元葉子著、「マイラ
イフシリーズNo.315・特集版 イースト発酵なし
のお手軽パン」、第7ページ、株式会社グラフ社、19
94年)に基づいて、オーブンで200℃で13分間焼
き上げ、プレーンスコーンを作成した。次いで、前記着
色度試験方法と同様の方法により、このプレーンスコー
ンの焼き色を色彩色差計(ミノルタカメラ社製)を使用
して、装置添付の取り扱い説明書に従って、L、a及び
b値を測定した。
【0021】試験例1 この試験は、従来の噴霧乾燥により得られたlow heatタ
イプの脱脂粉乳及びhigh heat タイプの脱脂粉乳と比較
して本発明の加熱処理脱脂粉乳が優れていることを示す
ために行った。
イプの脱脂粉乳及びhigh heat タイプの脱脂粉乳と比較
して本発明の加熱処理脱脂粉乳が優れていることを示す
ために行った。
【0022】(1)被検試料の調製 次に示す3種類の試料を調製した。 試料1:市販の噴霧乾燥により得られたlow heatタイプ
の脱脂粉乳(ホエイタンパク指数7.0、乳糖50%。
森永乳業社製) 試料2:市販の噴霧乾燥により得られたhigh heat タイ
プの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数1.3、乳糖50
%。森永乳業社製) 試料3:本発明の実施例1と同一の方法により調製され
た加熱処理脱脂粉乳
の脱脂粉乳(ホエイタンパク指数7.0、乳糖50%。
森永乳業社製) 試料2:市販の噴霧乾燥により得られたhigh heat タイ
プの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数1.3、乳糖50
%。森永乳業社製) 試料3:本発明の実施例1と同一の方法により調製され
た加熱処理脱脂粉乳
【0023】(2)試験方法 各試料のホエイタンパク指数(WPNI)、着色度、風
味、及び各試料を使用したベーカリー製品の焼き色を、
いずれも前記の試験方法により測定して試験した。
味、及び各試料を使用したベーカリー製品の焼き色を、
いずれも前記の試験方法により測定して試験した。
【0024】(3)試験結果 この試験の結果は、表1に示すとおりである。表1から
明らかなとおり、本発明の加熱処理脱脂粉乳(試料3)
は、従来のlow heatタイプ及びhigh heat タイプの脱脂
粉乳(試料1及び試料2)に比較して、風味及びベーカ
リー製品の焼き色の全てにおいて優れていることが確認
された。
明らかなとおり、本発明の加熱処理脱脂粉乳(試料3)
は、従来のlow heatタイプ及びhigh heat タイプの脱脂
粉乳(試料1及び試料2)に比較して、風味及びベーカ
リー製品の焼き色の全てにおいて優れていることが確認
された。
【0025】なお、原料(脱脂粉乳)の種類を変更して
試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0026】
【表1】
【0027】試験例2 この試験は、加熱処理脱脂粉乳の風味及びこれを使用し
たベーカリー製品の焼き色を指標として、加熱処理脱脂
粉乳の適正な加熱処理条件(ホエイタンパク指数、着色
度)を調べるために行った。
たベーカリー製品の焼き色を指標として、加熱処理脱脂
粉乳の適正な加熱処理条件(ホエイタンパク指数、着色
度)を調べるために行った。
【0028】(1)被検試料の調製 表2に示すとおり、加熱処理時間を変更したことを除
き、実施例1と同様の方法により脱脂粉乳を加熱処理す
ることにより、7種類の加熱処理脱脂粉乳試料を調製し
た。
き、実施例1と同様の方法により脱脂粉乳を加熱処理す
ることにより、7種類の加熱処理脱脂粉乳試料を調製し
た。
【0029】(2)試験方法 各試料のホエイタンパク指数(WPNI)、着色度、風
味、及び各試料を使用したベーカリー製品の焼き色を、
いずれも前記の試験方法により測定して試験した。
味、及び各試料を使用したベーカリー製品の焼き色を、
いずれも前記の試験方法により測定して試験した。
【0030】(3)試験結果 この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から
明らかなとおり、風味及びベーカリー製品の着色効果の
全てにおいて優れている加熱処理脱脂粉乳を製造するた
めには、噴霧乾燥により得られた粉末状の脱脂粉乳を、
ホエイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差
計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、
及びb値が13〜22の範囲に加熱処理することが必要
であることが判明した。
明らかなとおり、風味及びベーカリー製品の着色効果の
全てにおいて優れている加熱処理脱脂粉乳を製造するた
めには、噴霧乾燥により得られた粉末状の脱脂粉乳を、
ホエイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差
計によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、
及びb値が13〜22の範囲に加熱処理することが必要
であることが判明した。
【0031】また、原料(脱脂粉乳)の種類を変更して
試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
試験したが、ほぼ同様の結果が得られた。
【0032】
【表2】
【0033】次に実施例を示して本発明を更に詳記する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0034】
実施例1 噴霧乾燥法により製造された市販の粉末状のlow heatタ
イプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数7.0、乳糖50
%。森永乳業社製)5kgを、円筒式乾燥機を使用し、
100℃で120分間加熱処理し、加熱処理脱脂粉乳約
4kgを得た。
イプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数7.0、乳糖50
%。森永乳業社製)5kgを、円筒式乾燥機を使用し、
100℃で120分間加熱処理し、加熱処理脱脂粉乳約
4kgを得た。
【0035】得られた加熱処理脱脂粉乳は、ホエイタン
パク指数が0.2であり、色彩色差計によるL値が8
7、a値が1.0、及びb値が20であり、風味及び着
色効果に優れていた。
パク指数が0.2であり、色彩色差計によるL値が8
7、a値が1.0、及びb値が20であり、風味及び着
色効果に優れていた。
【0036】実施例2 市販の脱脂乳(乳糖5%。森永乳業社製)71.1kg
を、マイクロフィルトレーション(日本ミリポア社製)
により瀘過除菌して芽胞菌を除去した後、得られた溶液
を、脱脂粉乳製造の常法に従って、真空濃縮装置を用い
て固形分率40%まで、濃縮後、噴霧乾燥し、粉末状の
脱脂粉乳約6kgを得た。
を、マイクロフィルトレーション(日本ミリポア社製)
により瀘過除菌して芽胞菌を除去した後、得られた溶液
を、脱脂粉乳製造の常法に従って、真空濃縮装置を用い
て固形分率40%まで、濃縮後、噴霧乾燥し、粉末状の
脱脂粉乳約6kgを得た。
【0037】得られた粉末状の脱脂粉乳5kgを、流動
乾燥機を使用し、94℃で120分間加熱処理し、加熱
処理脱脂粉乳約4kgを得た。
乾燥機を使用し、94℃で120分間加熱処理し、加熱
処理脱脂粉乳約4kgを得た。
【0038】得られた加熱処理脱脂粉乳は、ホエイタン
パク指数が0.5であり、色彩色差計によるL値が9
0、a値が0、及びb値が19であり、風味及び着色効
果に優れていた。
パク指数が0.5であり、色彩色差計によるL値が9
0、a値が0、及びb値が19であり、風味及び着色効
果に優れていた。
【0039】実施例3 噴霧乾燥法により製造された市販の粉末状のhigh heat
タイプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数1.3、乳糖5
0%。森永乳業社製)500gを、オーブンを使用し、
適宜攪拌しながら、150℃で15分間加熱処理し、加
熱処理脱脂粉乳約400gを得た。
タイプの脱脂粉乳(ホエイタンパク指数1.3、乳糖5
0%。森永乳業社製)500gを、オーブンを使用し、
適宜攪拌しながら、150℃で15分間加熱処理し、加
熱処理脱脂粉乳約400gを得た。
【0040】得られた加熱処理脱脂粉乳は、ホエイタン
パク指数が0.1であり、色彩色差計によるL値が9
4、a値が−1.2、及びb値が20であり、風味及び
着色効果に優れていた。
パク指数が0.1であり、色彩色差計によるL値が9
4、a値が−1.2、及びb値が20であり、風味及び
着色効果に優れていた。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の加熱処理
脱脂粉乳及びその製造法により奏せられる効果は次のと
おりである。 1)加熱処理脱脂粉乳は、風味及び着色効果に優れると
いう良好な性質を併せもつことから、ベーカリー製品等
の原料として好適に使用することができる。 2)加熱処理脱脂粉乳は、吸湿性が低下していることか
ら、流動性が良好な食品素材として有用なものである。
脱脂粉乳及びその製造法により奏せられる効果は次のと
おりである。 1)加熱処理脱脂粉乳は、風味及び着色効果に優れると
いう良好な性質を併せもつことから、ベーカリー製品等
の原料として好適に使用することができる。 2)加熱処理脱脂粉乳は、吸湿性が低下していることか
ら、流動性が良好な食品素材として有用なものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 次のa)〜b)の理化学的性質; a)ホエイタンパク指数が1.0以下であること、 b)色彩色差計によるL値が85〜95、a値が−2.
5〜2.5、及びb値が13〜22であること、 を有することを特徴とする加熱処理脱脂粉乳。 - 【請求項2】 噴霧乾燥により得られた脱脂粉乳を、ホ
エイタンパク指数が1.0以下であり、かつ色彩色差計
によるL値が85〜95、a値が−2.5〜2.5、及
びb値が13〜22の範囲に加熱処理することを特徴と
する加熱処理脱脂粉乳の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9174897A JPH10262553A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 加熱処理脱脂粉乳及びその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9174897A JPH10262553A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 加熱処理脱脂粉乳及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10262553A true JPH10262553A (ja) | 1998-10-06 |
Family
ID=14035162
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9174897A Pending JPH10262553A (ja) | 1997-03-26 | 1997-03-26 | 加熱処理脱脂粉乳及びその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10262553A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007006885A (ja) * | 2005-06-03 | 2007-01-18 | Snow Brand Milk Prod Co Ltd | 脱脂粉乳 |
WO2008050473A1 (en) | 2006-10-18 | 2008-05-02 | Meiji Dairies Corporation | Food with depression |
WO2012077560A1 (ja) | 2010-12-06 | 2012-06-14 | 株式会社 明治 | 包装された固形物及びその製造方法 |
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