JP6970973B2 - ワイヤロープの撚り取り機 - Google Patents
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Description
一方、例えば、特許文献1には、ドラムに巻回した延線用ワイヤ(ワイヤロープ)束を延線用ドラム架台装置に装着し、ドラム架台装置をワイヤの供給側として繰り出す際、ドラム架台装置のドラムとガイドシーブ間で撚りの累積により発生したキンクを目視してキンクの方向及び数を把握し、キンクを相殺する方向及び数に対応する量だけドラム架台装置を回転駆動して延線作業(延線工事)をする架線方法が提案されている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、ワイヤロープの撚り取り作業を省力化し、ワイヤロープの修復、メンテナンスが可能で、再生後のワイヤロープの品質を高め、ワイヤロープの繰り返し使用を実現できる省力性、省資源性に優れたワイヤロープの撚り取り機を提供することを目的とする。
水平状態に配置され前記繰り出し用ドラムが保持されるターンテーブル、及び該ターンテーブルの回転方向を切り替え可能な回転駆動手段を有するワイヤロープ繰り出し部と、
水平回転軸を有し前記ワイヤロープ繰り出し部から繰り出される前記ワイヤロープが架け渡される滑車、及び該滑車を鉛直軸回りに転向自在に保持する滑車保持部を有する撚り検知部と、
前記撚り検知部を通過して撚りが取り除かれた前記ワイヤロープを前記巻き取り用ドラムに巻き取るワイヤロープ巻き取り部とを有する。
ここで、前記撚り検知部と前記ワイヤロープ巻き取り部との間に、円錐状ドラムを有し、該円錐状ドラムの大径側から小径側に向かって前記ワイヤロープが複数回、巻回されるテンション調整部を設けることもできる。
また、撚り検知部とワイヤロープ巻き取り部との間に、円錐状ドラムを有し、円錐状ドラムの大径側から小径側に向かってワイヤロープが複数回、巻回されるテンション調整部が設けられている場合、巻き取り用ドラムにワイヤロープを巻き取る際に、所定のテンション(張力)を与えると共に、円錐状ドラムに巻回されたワイヤロープを大径側から小径側に移動させてワイヤロープの重なりを防いで、ワイヤロープを確実かつスムーズに巻き取り、高品質に再生されたワイヤロープを提供することができる。ワイヤロープを繰り返し使用することが可能となることにより、省資源性に優れると共に、工事業者の費用負担も軽減することができる。
付着物除去部が、一対のブラシローラーと、一対のブラシローラーのいずれか一方又は両方を回転させるブラシ駆動部とを有し、ワイヤロープが、一対のブラシローラーの間を通過する場合、ブラシローラーの表面に強固に付着した汚れや錆等の付着物も効果的に除去することができる。
塗油部が、油を貯留する貯油部と、油を加熱する加熱手段とを有し、ワイヤロープが、貯油部に貯留された油の中を通過する場合、所定の温度に加熱された低粘度の油で、ワイヤロープの表面全体を斑なく確実にコーティングすることができ、従来のように油を滴下する場合と比べて、メンテナンス性に優れる。
ワイヤロープが挿通される案内部と、案内部をワイヤロープの挿通方向と直交する方向に往復移動させる案内部移動手段とを有するトラバーサーが、ワイヤロープ巻き取り部の上流側に設けられている場合、ワイヤロープを巻き取り用ドラムで整列巻き取りすることができ、ワイヤロープのダメージを低減して品質を保つことができる。
案内部が、ワイヤロープを下方から支持する2つの支持ローラーと、ワイヤロープを上方から支持ローラーに押し付ける2つの押さえローラーと、2つの支持ローラーを同期させて回転させるローラー駆動部と、支持ローラーと押さえローラーとの間を通過するワイヤロープを計尺するカウンターを有する場合、ワイヤロープの浮きや跳ね上がり等を防止して、案内部で確実に案内することができ、ワイヤロープを正確に計尺することができる。
以下、図1、図2を参照して、本発明の一実施の形態に係るワイヤロープの撚り取り機10について説明する。
図1、図2に示すように、ワイヤロープの撚り取り機10は、使用済みのワイヤロープ11が巻回された繰り出し用ドラム12からワイヤロープ11を繰り出し、撚り取りを行いながら巻き取り用ドラム13に巻き取るものである。なお、図1、図2では、右側がワイヤロープの撚り取り機10の上流側(前方)であり、左側がワイヤロープの撚り取り機10の下流側(後方)である。
撚り検知部27は、前後の支柱28と、支柱28の上端同士を連結する連結部29からなる門形の支持フレーム30を有している。連結部29の長さ方向中央には、水平回転軸31を有しワイヤロープ11が架け渡される滑車32を鉛直軸33回りに転向自在に保持する滑車保持部34が設けられている。また、前後の支柱28の下方には、それぞれワイヤロープ11を案内する案内ローラー35が設けられている。これにより、中継ローラー26で中継されたワイヤロープ11は上流側(前方)の案内ローラー35を通って滑車32に案内され、さらに下流側(後方)の案内ローラー35を通って後述する下流の付着物除去部36に案内される。
また、ブラシローラー37の外周が筐体38で覆われることにより、ワイヤロープ11から除去された付着物や破損したブラシ材料(金属線)が周囲に飛散することを防止できる。なお、筐体38の材質は適宜、選択することができるが、強化ガラスや透明な強化プラスチック等の透明な材質を用いることにより、内部を観察することができ、メンテナンス性に優れる。
なお、加熱手段41は適宜、選択することができるが、投げ込みヒーター等が好適に用いられる。加熱手段41は、油(グリス)を例えば100℃程度に加熱することにより、低粘度の液状に保つことができ、ワイヤロープ11の表面に斑なく効果的に油を塗布できる。
なお、制動部48は、円錐状ドラム46の回転に所定の負荷を与えることができればよく、その構造は適宜、選択することができる。例えば、フランジの外周面にバンド状の制動部を巻き付けてもよい。
以下、案内部51、及び案内部移動手段52の詳細について説明する。
まず、図1(A)、(B)、図2(A)、(B)に示すように、案内部51は、基台53上に設けられた案内部移動手段52により、ワイヤロープ11の挿通方向と直交する方向に往復移動(摺動)自在に保持されている。
そして、図2(A)、(B)に示すように、案内部51は、ワイヤロープ11を下方から支持する前後(上流側と下流側)2つの支持ローラー55、56と、ワイヤロープ11を上方から支持ローラー55、56に押し付ける前後(上流側と下流側)2つの押さえローラー57、58を有している。押さえローラー57、58が、付勢バネ59、60で下方に付勢されることにより、支持ローラー55、56と押さえローラー57、58との間で確実にワイヤロープ11を挟持することができる。また、支持ローラー55、56のローラー軸61、62には、それぞれスプロケット63、64が取付けられ、その間にはチェーン65が巻回されている。そして、一方のローラー軸62にローラー駆動部66が連結されることにより、2つの支持ローラー55、56を同期させて回転させることができる。ローラー駆動部66としては、サーボモーター等のモーターが好適に用いられる。なお、案内部51は、2つの支持ローラー55、56を同期させて回転させることができればよく、その構造は適宜、選択することができる。また、ローラー駆動部66には、支持ローラー56の回転回数をカウントするカウンター(回転計)が取付けられており、支持ローラー55、56と押さえローラー57、58との間を通過するワイヤロープ11を計尺することができる。このとき、支持ローラー55、56と押さえローラー57、58でワイヤロープ11の前後2箇所を挟むことにより、ワイヤロープ11の浮きや跳ね上がり等を防止し、ワイヤロープ11を案内部51で確実に案内しながら、正確に計尺することができる。
以上のように構成された案内部移動手段52によれば、送りモーター78でボール螺子75を正逆回転させることにより、雌螺子形成部73をボール螺子75に沿って往復移動させることができる。これに伴って支持板70がガイド部68、69に沿って摺動し、案内部51をワイヤロープ11の挿通方向と直交する方向に往復移動させることができる。
なお、案内部移動手段の構造は、これに限定されるものではなく、案内部51をワイヤロープ11の挿通方向と直交する方向に往復移動させることができればよい。例えば、ボール螺子と送りモーターを組合せる代わりにシリンダを使用してもよい。
ワイヤロープ巻き取り部80は、巻き取り用ドラム13を回転させる巻き取り駆動部81を有しており、巻き取り駆動部81の駆動軸82の回転が動力伝達部83を介して巻き取り用ドラム13のドラム軸84に伝達されることにより、巻き取り用ドラム13を回転させることができる。巻き取り駆動部81としては、サーボモーター等のモーターが好適に用いられる。また、動力伝達部83は駆動軸82からドラム軸84に動力が伝達できればよく、スプロケットとチェーンの組合せや、プーリーとVベルトの組合せ等が好適に用いられる。巻き取り用ドラム13を回転させる際に、前述のトラバーサー50の案内部51を往復移動させることにより、巻き取り用ドラム13に対してワイヤロープ11を整列巻き取りして、巻き乱れを防止することができる。
例えば、上記実施の形態では、トラバーサーの案内部において、ワイヤロープを上下から押さえローラーと支持ローラーで挟む構造としたが、ワイヤロープを左右両側から案内ローラーで挟む構造としてもよい。
なお、ワイヤロープのほつれ等が発生していて修復が必要な場合は、装置を止め、付着物除去部を通過する前、若しくは通過した後で、適宜、修復作業を行うことができる。
Claims (6)
- 使用済みのワイヤロープが巻回された繰り出し用ドラムから前記ワイヤロープを繰り出し、撚り取りを行いながら巻き取り用ドラムに巻き取るワイヤロープの撚り取り機であって、
水平状態に配置され前記繰り出し用ドラムが保持されるターンテーブル、及び該ターンテーブルの回転方向を切り替え可能な回転駆動手段を有するワイヤロープ繰り出し部と、
水平回転軸を有し前記ワイヤロープ繰り出し部から繰り出される前記ワイヤロープが架け渡される滑車、及び該滑車を鉛直軸回りに転向自在に保持する滑車保持部を有する撚り検知部と、
前記撚り検知部を通過して撚りが取り除かれた前記ワイヤロープを前記巻き取り用ドラムに巻き取るワイヤロープ巻き取り部とを有することを特徴とするワイヤロープの撚り取り機。 - 請求項1記載のワイヤロープの撚り取り機において、前記撚り検知部と前記ワイヤロープ巻き取り部との間に、前記ワイヤロープに付着した付着物を除去する付着物除去部と、前記ワイヤロープの表面に油を塗布する塗油部が設けられていることを特徴とするワイヤロープの撚り取り機。
- 請求項2記載のワイヤロープの撚り取り機において、前記付着物除去部は、一対のブラシローラーと、該一対のブラシローラーのいずれか一方又は両方を回転させるブラシ駆動部とを有し、前記ワイヤロープは、前記一対のブラシローラーの間を通過することを特徴とするワイヤロープの撚り取り機。
- 請求項2又は3記載のワイヤロープの撚り取り機において、前記塗油部は、前記油を貯留する貯油部と、前記油を加熱する加熱手段とを有し、前記ワイヤロープは、前記貯油部に貯留された前記油の中を通過することを特徴とするワイヤロープの撚り取り機。
- 請求項1〜4のいずれか1記載のワイヤロープの撚り取り機において、前記ワイヤロープが挿通される案内部と、該案内部を前記ワイヤロープの挿通方向と直交する方向に往復移動させる案内部移動手段とを有するトラバーサーが、前記ワイヤロープ巻き取り部の上流側に設けられていることを特徴とするワイヤロープの撚り取り機。
- 請求項5記載のワイヤロープの撚り取り機において、前記案内部は、前記ワイヤロープを下方から支持する2つの支持ローラーと、前記ワイヤロープを上方から前記支持ローラーに押し付ける2つの押さえローラーと、前記2つの支持ローラーを同期させて回転させるローラー駆動部と、前記支持ローラーと前記押さえローラーとの間を通過する前記ワイヤロープを計尺するカウンターとを有することを特徴とするワイヤロープの撚り取り機。
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