JP6970881B2 - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、特定構造の(メタ)アクリル基含有化合物を含んでなる硬化性樹脂組成物に関し、特に硬化物の圧縮永久歪み(CS)特性が良好であり、かつ優れた耐透湿性を有するものであるため、電気・電子機器、輸送機器部材、その他各種産業部材の封止材料としての利用に有用な硬化性樹脂組成物に関するものである。
従来より部材間の貼合封止の手段として、硬化性樹脂組成物を用いた現場形成ガスケットが知られている。該現場形成ガスケットは、貼り合わせる部材間に硬化性樹脂組成物を塗布し、然る後適切な方法によりこれを硬化させてなる施工方法(Formed In Place Gasket、FIPGともいう)と、貼り合わせる部材の一方のみに硬化性樹脂組成物を塗布し、適切な方法によりこれを硬化させ、然る後他方の部材を重畳してなる施工方法(Cured In Place Gasket、CIPGともいう)等がある。
これら現場形成ガスケットの硬化には、加熱により硬化する硬化性樹脂組成物を用いた硬化方法や、複数の材料を混合することで硬化する硬化性樹脂組成物を用いた硬化方法等が知られている。前者の硬化方法の場合は、被塗布部材に対して熱による負荷が加わることになり、後者の硬化方法の場合は、材料を適切な混合条件で混合する手間、および混合後の可使時間の制限などの弊害がそれぞれ存在する。
このような負担を低減できるものとして、活性エネルギー線照射により硬化する硬化性樹脂組成物を用いた硬化方法や、空気中の湿気と反応して硬化する硬化性樹脂組成物を用いた硬化方法が用いられてきている。これらのうち、ラインタクトや設備投資等の生産性の観点から、活性エネルギー線硬化型の硬化性樹脂組物が好適に利用されている。このような活性エネルギー線硬化型の硬化性樹脂組物材料は、現場形成ガスケットの用途として例えばハードディスクドライブ(HDD)装置のトップカバー等(以下、筐体ともいう)の貼合、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの画像表示装置のパネルの貼合、各種センサー、半導体素子などの電子部品の封止等に用いる材料として多用されている。特にHDDの封止のように、精密部品をCIPGで適用するような用途においては、湿分の透過を遮断するための高い耐透湿性能と、各部材を貼合せた際の経時でのへたりを低減するための優れた圧縮永久歪み特性等が求められている。
上記の様な要求に応えるため、例えば引用文献1では、反応性樹脂としてヒドロシリル反応系のポリイソブチレン化合物を含有する組成物中に、耐透湿性向上成分として表面を疎水処理した無機充填材を含ませた、光通信部品用のシール剤組成物が提案されている。しかしながら、硬化性樹脂組成物中に耐透湿性を改良できるだけの量の無機充填材を添加した場合、組成物自体の柔軟性が失われてしまい、さらに厚膜硬化性も損なわれてしまうため、現場形成ガスケットのような圧縮反発性が求められる貼合封止用途には好適に用いることが困難であった。
耐透湿性を向上させる異なるアプローチとして、メタアクリル官能性の水添ポリブタジエンを反応性樹脂成分とした組成物中に、非反応性成分であるポリイソブチレンエラストマー等をさらに添加する、という手法が引用文献2に提案されている。しかしながら当該手法で用いられる組成物では、加熱、圧縮した際に生じる歪み、変位が大きなものとなってしまい、さらに組成物自体の反応速度が低下してしまうものであるため、やはり現場形成ガスケットのような用途には不適であった。
他方で引用文献3には、主鎖骨格が3本に分岐したそれぞれの末端にメタクリル基を1つずつ有するポリイソブチレン等のテレケリックポリイソブチレンを反応性樹脂とした、フィルム形成等に用いる組成物が提案されている。しかしながら当該手法においても、反応性樹脂の硬化物の架橋度は十分でないため、現場形成ガスケットのような貼合封止用途に用いる場合には、適切な圧縮永久歪み特性を発現することができず、また耐透湿性能に関しても満足いくものではなかった。
特開2004−020878号公報 特開2006−008819号公報 特開平2−88614号公報
斯様に、現場形成ガスケットのような貼合わせ封止に用いる硬化性樹脂組成物には、優れた圧縮永久歪み特性と耐透湿性能を両立できる材料が求められてきた。
発明者らは上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の構成の硬化性樹脂組成物を用いることでこれを達成できることを見いだした。すなわち、次の(a)、(b)を必須として含んでなる、硬化性樹脂組成物である。
(a)二つ以上の(メタ)アクリル性官能基が結合した末端を一つ以上有した、分岐があってもよい鎖状のオリゴマーであって、主鎖骨格中にポリブタジエン構造または水添ポリブタジエン構造を有する化合物
(b)ラジカル重合開始剤
また本発明は、以下の実施態様も含む。
第2の実施態様は、前記(a)が分子中にウレタン結合を有するものである、前記の硬化性樹脂組成物である。
第3の実施態様は、前記(a)が、二つ以上の(メタ)アクリル性官能基が結合した末端を二つ有するものである、前記の硬化性樹脂組成物である。
第4の実施態様は、前記(a)が、質量平均分子量が10,000〜50,000の範囲にある化合物を少なくとも含むものである、前記の硬化性樹脂組成物である。
第5の実施態様は、前記(a)100質量部に対し、(c)脂環構造を有する炭化水素化合物を構成成分として含む重合体を1〜140質量部含むものである、前記の硬化性樹脂組成物である。
第6の実施態様は、前記(c)がテルペン樹脂、水添テルペン樹脂、脂環構造を含む石油樹脂、脂環構造を含む水添石油樹脂から選ばれる1種以上である、前記の硬化性樹脂組成物である。
第7の実施態様は、前記(a)100質量部に対し、さらに(d)(メタ)アクリルモノマーを5〜100質量部含むものである、前記の硬化性樹脂組成物である。
第8の実施態様は、前記硬化性樹脂組成物が電子部品の貼合封止に用いるものである、前記の硬化性樹脂組成物である。
第9の実施態様は、前記電子部品がハードディスクの筐体である、前記の硬化性樹脂組成物である。
本発明の硬化性樹脂組成物を用いることにより、その硬化物は現場形成ガスケットのような貼合封止用途に求められる特性である、圧縮永久歪み特性と耐透湿性能を両立することができる。またエネルギー線透過の障害となる充填材を多量に含ませる必要も無く、エネルギー線照射により硬化させる場合においても良好な厚膜硬化性を有するものであるため、電子部品の貼合封止用途、特にハードディスク装置(HDD)の筐体封止に好適な封止材料として用いることができる。
以下より本発明の実施態様について、詳説する。
本発明の硬化性樹脂組成物で用いる(a)二つ以上の(メタ)アクリル性官能基が結合した末端を一つ以上有した、分岐があってもよい鎖状のオリゴマーであって、主鎖骨格中にポリブタジエン構造または水添ポリブタジエン構造を有し、当該組成物中において主にバインダーとして作用する成分である。ここで前記「二つ以上の(メタ)アクリル性官能基が結合した末端を一つ以上有した、分岐があってもよい鎖状のオリゴマー」とは、直鎖状、分岐鎖を有する直鎖状、あるいは樹状のような、環状でなく鎖状分子の少なくとも一つの末端に、(メタ)アクリル性官能基(アクリロイル基、またはメタクリロイル基)が二つ以上結合しているオリゴマーを指す。一つの末端に(メタ)アクリル性官能基が二つ以上結合いていれば特段の制約はなく、三つを超えた(メタ)アクリル性官能基が結合していても構わないが、原料の入手容易性や製造の容易性から、一つの末端に二つの(メタ)アクリル性官能基が結合したものが好ましい。また当該化合物は、他の一つの末端にも(メタ)アクリル性官能基が二つ以上結合している構造であるものが、硬化物の特性に対する影響から特に好ましい。なお当該オリゴマーは、側鎖が分岐していてもよく、当該分岐鎖の末端や、各鎖構造の中間に、ペンダント状に(メタ)アクリロイル性官能基を有していても良いが、少なくとも一つの末端に二つ以上(メタ)アクリロイル性官能基を有していることが必要である。
また本発明において前記(a)は、主鎖骨格中にポリブタジエン構造または水添ポリブタジエン構造を有するものである。ここで前記ポリブタジエンまたは水添ポリブタジエンとは、1,2−結合、1,4−結合いずれの態様での重合構造をとっていてもよく、またブタジエンの二重結合が部分的に水素添加された変性体であってもよい。本発明では好ましくは、封止材料として用いたときのガス遮断性、湿分遮断性、耐候性等の観点から、水添ポリブタジエン構造を有するものが望ましく、より好適には1,2−結合が優位の水添ポリブタジエン構造を有するものが特に望ましい。またその質量平均分子量として、10,000〜50,000の範囲にあることが好ましく、より好適には12,000〜47,000、さらに好適には15,000〜45,000の範囲にあるものを含むものである。当該範囲の下限値以上であることにより、本発明の硬化性樹脂組成物は適度な硬化物の封止特性を発現することができ、当該範囲の上限値以下であることにより、本発明の硬化性樹脂組成物は未硬化時の作業性と硬化物の弾性的特性を適度な範囲で兼ね備えることができる。
また本発明において前記(a)は、分子中にウレタン結合を有するものであることが好ましい。当該ウレタン結合は、前記(a)の原料となるポリブタジエンまたは水添ポリブタジエン鎖を有する化合物の二つの末端に、(メタ)アクリル性官能基を導入する際の連結基として適用することができる。例えば前記原料が、ポリブタジエンまたは水添ポリブタジエン鎖の少なくとも二つの末端にそれぞれヒドロキシル基を有する化合物である場合、これに対して分子中にイソシアネート基を二つ有するジイソシアネート化合物を、前記ヒドロキシル基含有化合物の分子数nモルに対し分子数としてn+1モル以上の組成比で反応させることにより、前記ヒドロキシル基部位間がウレタン結合で連結された末端イソシアネート基含有のポリブタジエンまたは水添ポリブタジエン化合物が中間体として生成される。なおここで、前記ジイソシアネート化合物の分子数nの値を大きくしていくことにより、前記ウレタン結合により連結される数が増大し、従って前記中間体の分子量を調整することができる。当該中間体にさらに、分子中に一つのヒドロキシル基と二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を有する化合物を、前記中間体末端のイソシアネート基の数と同数の分子数となるよう反応させることにより、分子鎖の二つの末端に、(メタ)アクリル性官能基をそれぞれ2つずつ、合計四つ有した、主骨格にポリブタジエン構造または水添ポリブタジエン構造を有するオリゴマーを合成することができる。ここで、反応後に残存した過剰の前記分子中に一つのヒドロキシル基と一つまたは二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を有する化合物は、精製して系から除去してもよく、そのまま反応性希釈剤として系に残存させても構わない。
ここで前記ジイソシアネート化合物の例としては、トルエンジイソシアネート(TDI)やヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等の従来公知の化合物を選択することができるが、本発明で好適には、分子中に芳香族構造を有さず、かつ炭素数1〜3の炭化水素基からなる分岐構造を有するジイソシアネート化合物が特に望ましい。市販品としての入手容易性の観点より、IPDI、TMDIが特に好適であり、これらは単独で用いても両者を混合して用いても良い。
前記分子中に一つのヒドロキシル基と二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を有する化合物の例としては、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート等の公知の化合物を選択することができる。なお前記(a)の合成方法は上記に限定されるものではなく、例えば前記ポリブタジエンまたは水添ポリブタジエン鎖を有する化合物の両末端がそれぞれイソシアネート基であるものを出発原料に用いてもよく、その場合前記分子中にイソシアネート基を二つ有するジイソシアネート化合物に替えて分子中にヒドロキシル基を二つ有するジオール化合物に置き換えることができ、さらに前記分子中に一つのヒドロキシル基と二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を有する化合物に替えて、分子中に一つのイソシアネート基と二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を有する化合物、例えば1,1−ビスアクリロイルオキシメチルエチルイソシアネート(市販品として、昭和電工株式会社製品、カレンズBEI)等に置き換え、これらの反応により得られるオリゴマーを用いることもできる。また別の例としては、末端がヒドロキシル基のポリブタジエンまたは水添ポリブタジエン化合物を出発原料に用い、カルボキシル基と二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を有する化合物をエステル化反応により連結し、分子鎖の両末端にそれぞれ二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を導入してなるオリゴマーを用いることもでき、その他上記の各原料から選ばれる組合せを用いて得られるオリゴマーを用いることも妨げない。
本発明の硬化性樹脂組成物で用いる(b)ラジカル重合開始剤は、前記(a)を硬化させるための成分である。当該ラジカル重合開始剤としては、活性エネルギー線照射または加熱等の刺激によりラジカル種を発生して、前記(a)にラジカル重合反応をさせることができる化合物であれば適宜公知の物質を選択することができ、水素引き抜き型ラジカル重合開始剤や開裂型ラジカル重合開始剤を用いることができる。水素引き抜き型ラジカル重合開始剤の例としては、1−メチルナフタレン、2−メチルナフタレン、1−フルオロナフタレン、1−クロロナフタレン、2−クロロナフタレン、1−ブロモナフタレン、2−ブロモナフタレン、1−ヨードナフタレン、2−ヨードナフタレン、1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、1,4−ジシアノナフタレン等のナフタレン誘導体、アントラセン、1,2−ベンズアントラセン、9,10−ジクロロアントラセン、9,10−ジブロモアントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−シアノアントラセン、9,10−ジシアノアントラセン、2,6,9,10−テトラシアノアントラセン等のアントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール、9−メチルカルバゾール、9−フェニルカルバゾール、9−プロペ−2−イニル−9H−カルバゾール、9−プロピル−9H−カルバゾール、9−ビニルカルバゾール、9H−カルバゾール−9−エタノール、9−メチル−3−ニトロ−9H−カルバゾール、9−メチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−オクタノイルカルバゾール、9−カルバゾールメタノール、9−カルバゾールプロピオン酸、9−カルバゾールプロピオニトリル、9−エチル−3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、9−エチル−3−ニトロカルバゾール、9−エチルカルバゾール、9−イソプロピルカルバゾール、9−(エトキシカルボニルメチル)カルバゾール、9−(モルホリノメチル)カルバゾール、9−アセチルカルバゾール、9−アリルカルバゾール、9−ベンジル−9H−カルバゾール、9−カルバゾール酢酸、9−(2−ニトロフェニル)カルバゾール、9−(4−メトキシフェニル)カルバゾール、9−(1−エトキシ−2−メチル−プロピル)−9H−カルバゾール、3−ニトロカルバゾール、4−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジニトロ−9H−カルバゾール、3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール、2−ヒドロキシカルバゾール、3,6−ジアセチル−9−エチルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメトキシ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチルエステル、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、芳香族カルボニル化合物、[4−(4−メチルフェニルチオ)フェニル]−フェニルメタノン、キサントン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、4−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン誘導体やクマリン誘導体が挙げられる。
開裂型ラジカル重合開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−ドデシルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、1−(4−イソプロピルベンゾイル)−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−ベンゾイル−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、1−[4−(アクリロイルオキシエトキシ)−ベンゾイル]−1−ヒドロキシ−1−メチルエタン、ジフェニルケトン、フェニル−1−ヒドロキシ−シクロヘキシルケトン、ベンジルジメチルケタール、ビス(シクロペンタジエニル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−ピリル−フェニル)チタン、(6 −イソプロピルベンゼン)−(5 −シクロペンタジエニル)−鉄(II)ヘキサフルオロホスフェート、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシ−ベンゾイル)−(2,4,4−トリメチル−ペンチル)−ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジペントキシフェニルホスフィンオキシドまたはビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル−ホスフィンオキシド、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン等を挙げることができる。これら水素引き抜き型または開裂型ラジカル重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また複数種を組み合わせて用いても良い。さらに好適には、ラインタクトや基材への影響等の観点から、光ラジカル重合開始剤を含むことが特に望ましい。光ラジカル重合開始剤としては、熱付加環境下での着色性等の観点から、本発明においては2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー(市販品としてEsacure KIP150、Lamberti社製品)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(市販品としてSpeedCure TPO、Lambson社製品)、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド(市販品としてIrgacure819、BASF社製品)が特に好適であるが、これらに限定することを意図するものではない。
本発明における(b)成分の組成量は特に限定するものではないが、前記(a)100質量部に対して0.05〜10質量部、より好適には0.1〜5質量部の範囲にあることが望ましい。当該範囲にあることにより、本発明の硬化性樹脂組成物は適度な硬化性と貯蔵安定性を併せ持つことができる。
本発明では前記(a)、(b)に加え、(c)脂環構造を有する炭化水素化合物を構成成分として含む重合体を含ませることもできる。当該化合物は、本発明の硬化性樹脂組成物の基材への密着性を向上させると共に、硬化物を封止材料として用いたときのガス遮断性、特に耐透湿性能を向上させる役を果たす成分である。前記(c)としては脂環構造を有する炭化水素化合物を構成成分として含む重合体であれば特段構造を制限するものではないが、好適にはテルペン樹脂、水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、水添テルペンフェノール樹脂、脂環構造を含む石油樹脂、脂環構造を含む水添石油樹脂から選ばれる1種以上が好ましい。本発明の硬化性樹脂組成物においては、硬化物の物理特性への観点から、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、脂環構造を含む石油樹脂、脂環構造を含む水添石油樹脂から選ばれる1種以上が特に好ましい。
前記(c)の市販品としては、例えばテルペン樹脂ではヤスハラケミカル株式会社製品のYSレジンPX1250、同PX1150、同PX1000、同PX800、同PX1150N、同PX300N等が、水添テルペン樹脂ではヤスハラケミカル株式会社製品のクリアロンP−85、同P−105、同P−125、同P−135、同P−150等が、脂環構造を含む石油樹脂または水添石油樹脂では荒川化学工業株式会社製品のアルコンP−90、同P−100、同P−115、同P−125、同P−140、同M−90、同M−100、同M−115、同M−135等、および東ソー株式会社製品のペトコールLX、同LX−HS、同100、同120、同120HS、同130、同140、同140HM、同150等が知られており、これらから適宜目的に合わせて選択することができ、複数種を組み合わせて用いても構わない。
当該(c)の組成量としては、前記(a)100質量部に対して1〜140質量部、より好適には5〜100質量部、さらに好適には10〜80質量部であることが望ましい。当該範囲にあることにより、本発明の硬化性樹脂組成物は効果的に耐透湿性を発現することができる。
本発明ではさらに、(d)(メタ)アクリルモノマーを含ませることもできる。当該(メタ)アクリルモノマーとは、分子中に(メタ)アクリル性官能基を有する、前記(a)以外の、分子量が概ね1000以下程度である比較的低分子量の化合物を指す。ここで当該(メタ)アクリルモノマーは、本発明の硬化性樹脂組成物の未硬化時における流動特性や反応性、硬化物における各種の物理特性等を調整するために用いられる成分である。
当該(d)(メタ)アクリルモノマーとしては従来公知の物質を用いることができ、単官能(メタ)アクリレートとして例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、トルイル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エピクロロヒドリン(以下ECHと略記)変性ブチル(メタ)アクリレート、ECH変性フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド(以下EOと略記)変性フタル酸(メタ)アクリレート、EO変性コハク酸(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノ(メタ)アクリレート、EO変性リン酸(メタ)アクリレート等が、多官能(メタ)アクリレートとして例えば、1、3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレ−ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイドサイド(以下POと略記)変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ECH変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、EO変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルイソシアヌレート等の2官能(メタ)アクリル基含有化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ECH変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリル基含有化合物を挙げることができ、これらは1種類のみを用いても複数種類を組み合わせて用いても良い。
本発明において前記(d)は、硬化性樹脂組成物の未硬化時における流動特性(ハンドリング性)、臭気および貯蔵時の安定性、また硬化時の反応性や硬化物のゴム物性等の観点から、(メタ)アクリロイル基を除く分子内の炭素数合計が15以下の、脂肪族または脂環族炭化水素型単官能(メタ)アクリルモノマーを含ませることが好ましい。さらに本発明では、前記(メタ)アクリルモノマーとして好適には(メタ)アクリロイル基を除く分子内の炭素数合計が3以上かつ13以下の脂肪族炭化水素型単官能(メタ)アクリルモノマ−が望ましく、具体的にはn−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレートが望ましい。
本発明における前記(d)の組成量は、前記(a)100質量部に対し5〜100質量部の範囲で含むことが望ましく、好適には10〜75質量部、より好適には15〜60質量部であることが望ましい。当該範囲にあることにより、本発明の硬化性樹脂組成物は未硬化状態における適度なハンドリング特性と、硬化物に対する適度なゴム物性をそれぞれ機能することができる。
さらに本発明の硬化性樹脂組成物においては、その作用を妨げない範囲において必要な特性を付与するための成分を任意に添加しても良い。例えば、前記(d)以外の反応性または非反応性希釈剤、前記(a)以外の反応性または非反応性オリゴマー、老化防止剤、増粘剤、界面活性剤、接着性向上剤、難燃剤、光増感剤、補強剤、安定剤、顔料などが好適に用いることができる。特に、ヒュームドシリカ等のレオロジー調整剤を添加することにより、本発明の硬化性樹脂組成物に適切な揺変性と粘弾特性、また塗布時の形状保持性を付与することができる。
前記ヒュームドシリカの例としては、粒子表面が無処理の親水性ヒュームドシリカ、脂肪酸等で表面処理された疎水性ヒュームドシリカのいずれを用いてもよい。これらヒュームドシリカの市販品としては例えば、日本アエロジル株式会社製品のAerosil R974、同R972、同R972V、同R972CF、同R805、同R812、同R812S、同R816、同R8200、同RY200、同RX200、同RY200S、同#130、同#200、同#300、同R202等や、東ソー・シリカ株式会社製品のNipsil SSシリーズ、株式会社トクヤマ製品のRheorosil MT−10、同MT−30、同QS−102、同QS−103、キャボットコーポレーション製品のCabosil TS−720、同MS−5、同MS−7等が知られており、これらから適宜目的に合わせて選択することができ、複数種を組み合わせて用いても構わない。本発明において当該ヒュームドシリカの平均比表面積に特段の制限はないが、特に好ましい平均比表面積としては30〜500m−1、より好適には50〜450m−1、さらに好適には100〜400m−1の範囲に有るものである。また本発明の硬化性樹脂組成物中における当該ヒュームドシリカの好適な組成量は、前記(a)100質量部に対して1〜100質量部、より好適には5〜75質量部、さらに好適には10〜50質量部の範囲である。当該組成量の範囲にあることで、本発明の硬化性樹脂組成物は、塗布工程においてビードの形状を安定に保つことができ、現場形成ガスケットとしての施工に特に好適に用いることができるようになる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[硬化性樹脂組成物]
本実施例にて評価を行った硬化性樹脂組成物(以下、「組成例」、「比較組成例」ともいう)は、以下の原料を用いて調製した。
・(a)およびその比較成分の製造
主鎖骨格中に水添ポリブタジエン構造を有する化合物として、両末端がヒドロキシル基でキャップされた、数平均分子量(Mn)が約3,000の液状水添ポリブタジエン(商品名「NISSO−PB GI−3000」、日本曹達株式会社製品、プレポリマー1)を用意した。これを加熱撹拌し、これに対しジイソシアネート化合物としてトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI、東京化成工業株式会社製品)を、前記プレポリマー1の質量1モルに対し2モルとなる質量で投入し、さらにチタン系触媒を触媒量添加して70℃で二時間以上撹拌を行い、NCO測定にて反応完結を確認することにより、末端イソシアネート変性のウレタン結合含有水添ポリブタジエン(プレポリマー2−1)を得た。ここに、分子中に一つのヒドロキシル基と二つ以上の(メタ)アクリル性官能基を有する化合物としてさらに、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート(商品名「701A」、新中村化学工業株式会社製品)を前記TMDIと等モル量となる質量加えてさらに加温下撹拌を続けることで、直鎖分子の両末端にそれぞれアクリル基とメタクリル基を有する、すなわち(メタ)アクリル性官能基を二つずつ有する、質量平均分子量(Mw)が22,000の水添ポリブタジエンオリゴマー(a−1)を得た。ここで、前記水添ポリブタジエンオリゴマー(a−1)の合成条件において、プレポリマー1の質量が2モル、TMDIの質量が3モル、701Aの質量が2モルとなる比率に変更して上記同様の工程で反応を行うことにより、直鎖分子の両末端にそれぞれアクリル基とメタクリル基を有する、Mwが40,000の水添ポリブタジエンオリゴマー(a−2)を得た。一方(a)の比較成分として、前記水添ポリブタジエンオリゴマー(a−1)の合成条件において、プレポリマー1の質量が1モル、TMDIに替えヘキサメチレンジイソシアネート(HDI、東ソー株式会社製品)の質量が2モル、701Aに替え4−ヒドロキシブチルアクリレート(商品名「4HBA」日本化成株式会社製品)の質量が2モルとなる比率に変更して上記同様の工程で反応を行うことにより、直鎖分子の両末端にアクリル基を一つずつ有する、Mwが27,000の水添ポリブタジエンオリゴマー(a’−1)を得た。さらに前記水添ポリブタジエンオリゴマー(a’−1)の合成条件において、プレポリマー1の質量が2モル、HDIの質量が3モル、4HBAの質量が2モルとなる比率に変更して上記同様の工程で反応を行うことにより、直鎖分子の両末端にアクリル基を一つずつ有する、Mw33,000水添ポリブタジエンオリゴマー(a’−2)を得た。
・硬化性樹脂組成物の原料
(b)ラジカル重合開始剤
(b−1)Esacure KIP−150:2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、Lamberti社製品
(c)脂環構造を有する炭化水素化合物を構成成分として含む重合体
(c−1)YSレジンPX−1250:テルペン樹脂、軟化点約125℃、ヤスハラケミカル株式会社製品
(c−2)アルコンP−140:水素化石油樹脂、軟化点約140℃、荒川化学工業株式会社製品
(c−3)クリアロンP−105:水添テルペン樹脂、軟化点約105℃、ヤスハラケミカル株式会社製品
(d)(メタ)アクリルモノマー
INAA:イソノニルアクリレート、大阪有機化学工業株式会社製品
その他の原料
アエロジル#300:親水性ヒュームドシリカ、比表面積が約300m−1、EVONIK社製品
[硬化性樹脂組成物の調製方法]
実施例および比較例での評価に用いた組成物は、以下の手順により調製した。
前記(a)、(b)の各原料および(c)、(d)を含む組成にあっては該(c)、(d)の各原料を回転撹拌装置に投入し、70℃に加温下で撹拌溶解させた。これを自然放冷にて常温に戻し、ここにその他の原料成分であるアエロジル#300を投入し、プラネタリミキサーにて常温下で1時間撹拌を行った後、3本ロールに通して混合液が均等に溶解、分散していることを確認し、評価に用いる硬化性樹脂組成物を得た。なお各工程は遮光下にて実施した。またそれぞれの原料は、表1に記載の各組成の質量比でそれぞれ調製を行った。
[評価方法]
前記方法にて調製した各組成の硬化性樹脂組成物は、以下の条件下でそれぞれ試験片を作成して特性の評価に供した。それぞれの評価結果は表1中に記載した。
・耐透湿性評価
硬化性樹脂組成物を硬化後の膜厚が200μmとなるよう透明PETフィルム上に均一に塗布し、紫外線を照射した。紫外線の照射には、ウシオ電機製の高圧水銀灯型式UVL−4001−Nを搭載したコンベア式紫外線照射装置を用い、一回の照射での積算光量が3000mJ/cmとなる様にコンベア速度を調整した。上記PETフィルムは当該コンベア装置を一回通過した後、天地を裏返して上記と同条件で再度コンベア式紫外線硬化装置を通過させた。然る後、当該硬化性樹脂組成物をPETフィルムから剥がし、これを耐透湿性評価用のフィルム状試験片とした。耐透湿性測定装置は、イリノイ社製の水蒸気透過度計、型式Lyssy L80−5000を用い、前記試験片にて40℃×90%RHのチャンバと40℃×10±1%RHのチャンバの間に仕切りを作った。40℃×10%RH内の湿度が9.9%から10.1%まで上昇する時間を標準サンプルと比較することにより自動的に水蒸気透過度が測定され、当該値を以て耐透湿性の評価を行った。評価条件の詳細は、JIS−K−7129−Aに準拠しており、単位はg/m・24hとして記録した。封止用途、特にハードディスク装置の筐体封止用途として好適な耐透湿性の指標としては、当該測定値が30g/m・24h未満にあることである。
・圧縮永久歪み(CS)評価
直径約13mm、厚さ約6mmで天地とも透明な筒型容器に2cmの高さまで硬化性樹脂組成物液を注ぎ、前記耐透湿性評価の試験片作成時と同条件でコンベア式紫外線照射装置を通過させた。然る後、硬化性樹脂組成物を容器から取り出し、圧縮永久歪み評価用の試験片とした。当該試験片を用い、これをJIS−K−6262にて規定される治具とスペーサを用いて45%の圧縮率で圧縮を行った状態で、60℃のオーブン中に静置した。72時間経過後にオーブンから取り出し、常温環境に30分間静置して自然放冷した後治具を取り外し、さらに24時間経過後に各試験片の厚さを測定し、これと加熱圧縮前の試験片の厚さ測定値との相関を以下式に当てはめることで、圧縮永久歪みの評価を行った。
圧縮永久歪み[%]=(試験前の膜厚測定値−24時間経過後の膜厚測定値)/(試験前の膜厚測定値−スペーサの厚み)×100
封止用途、特にハードディスク装置の筐体封止用途において好適な圧縮永久歪み特性の指標としては、当該測定値が20%未満にあることである。
Figure 0006970881
表1から分かるように、本発明では(a)硬化性樹脂として分子鎖の二つの末端に合わせて四つの(メタ)アクリル性官能基を有する、水添ポリブタジエンオリゴマーを含んだ組成物を用いることにより、優れた耐透湿性と圧縮永久歪み特性を併せ持つことができる。さらに本発明では、実施例1とその他の実施例を比較すれば分かるように、(c)脂環構造を有する炭化水素化合物を構成成分として含む重合体を含ませることにより、より優れた耐透湿性を発現することが確認できる。一方で比較例1,2から明らかなように、(a)として分子鎖の二つの末端にそれぞれ一つずつしか(メタ)アクリル性官能基を有さない、水添ポリブタジエンオリゴマーを含んだ組成物では、水添ポリブタジエン骨格に由来する耐透湿性は発現するものの、圧縮永久歪みが大きくなりすぎ、これら特性を両立することができないことが確認できる。なお参考例1として(d)(メタ)アクリルモノマーを含有しない組成物にて評価することを試みたが、組成物の粘度が大きくなりすぎ、評価用の試験片を作成することができなかった。参考例2として(c)脂環構造を有する炭化水素化合物を構成成分として含む重合体の組成量を(a)100質量部に対して150質量部とした組成物にて評価することを試みたが、該(c)が系中に十分に溶解せず、均一な組成物とすることができず、評価を行うことができなかった。
以上の結果より、本発明の硬化性樹脂組成物は特に優れた耐透湿性と圧縮永久歪み特性を兼ね備えたものであり、接着剤や封止材料、ポッティング剤、コーティング剤等の塗布適用する用途に良好に利用でき、特にハードディスク装置の筐体封止のような電子部品の貼合封止に好適に利用することができる。

Claims (9)

  1. 次の(a)、(b)、(d)およびヒュームドシリカを必須として含んでなり、(a)の質量平均分子量が10,000〜50,000であるハードディスク装置の筐体の貼合封止に用いる現場形成ガスケット用硬化性樹脂組成物。
    (a)二つ以上の(メタ)アクリル性官能基が結合した末端を一つ以上有した、分岐があってもよい鎖状のオリゴマーであって、主鎖骨格中にポリブタジエン構造または水添ポリブタジエン構造を有する化合物
    (b)ラジカル重合開始剤
    (d)単官能(メタ)アクリルモノマー
  2. 前記請求項1に記載の前記(a)が、分子中にウレタン結合を有するものである、前記の硬化性樹脂組成物。
  3. 前記請求項1または2に記載の前記(a)が、二つ以上の(メタ)アクリル性官能基が結合した末端を二つ有するものである、前記の硬化性樹脂組成物。
  4. 前記(d)が(メタ)アクリロイル基を除く分子内の炭素数合計が15以下の、脂肪族または脂環族炭化水素型単官能(メタ)アクリルモノマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物が、前記(a)100質量部に対してさらに、(c)脂環構造を有する炭化水素化合物を構成成分として含む重合体を1〜140質量部含むものである、前記の硬化性樹脂組成物。
  6. 前記請求項5に記載の前記(c)が、テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、脂環構造を含む石油樹脂、脂環構造を含む水添石油樹脂から選ばれる1種以上である、前記の硬化性樹脂組成物。
  7. 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物が、前記(a)100質量部に対して、(d)を5〜100質量部含むものである、前記の硬化性樹脂組成物。
  8. 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物が、前記(a)100質量部に対して、ヒュームドシリカを1〜100質量部含むものである、前記の硬化性樹脂組成物。
  9. 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物が、平均比表面積30〜500m −1 のヒュームドシリカを含むものである、前記の硬化性樹脂組成物。
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