以下、本発明の実施の態様について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることが可能である。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されない。
なお、図面等において示す各構成の、位置、大きさ、範囲などは、理解の簡単のため、実際の位置、大きさ、範囲などを表していない場合がある。このため、開示する発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、範囲などに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2等として付される序数詞は便宜上用いており、工程順又は積層順を示さない場合がある。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等において、図面を用いて発明の構成を説明するにあたり、同じものを指す符号は異なる図面間でも共通して用いる。
また、本明細書等において、「膜」という用語と、「層」という用語とは、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子について、図1乃至図3を用いて以下説明する。
<発光素子の構成例>
図1は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。図1に示す発光素子150は、電極101と、EL層100と、電極102と、を有する。また、電極101は、導電層101aと、導電層101a上に接する導電層101bと、を有する。
また、図1に示すEL層100は、導電層101bと接する領域に正孔注入層111を有する。さらにEL層100は、正孔輸送層112と、発光層130と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する構成としてもよい。
なお、本実施の形態における発光素子では、電極101を陽極、電極102を陰極として、説明を行うが、発光素子の構成としては、その限りではない。つまり、電極101を陰極とし、電極102を陽極とし、当該電極間の各層の積層は、順番を逆としても良い。すなわち、陽極側から、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層130と、電子輸送層118と、電子注入層119と、が積層する順番にすれば良い。
また、一対の電極間のEL層には、その機能に応じて、各層が形成されれば良く、これに限らない。すなわち、一対の電極間のEL層は、正孔または電子の注入障壁を低減する、正孔または電子の輸送性を向上する、正孔または電子の輸送性を阻害する、または電極による消光現象を抑制する、ことができる等の機能を有する層を有する構成としても良い。
電極101を構成する導電層101aは、光を反射する機能を有する。導電層101aに、反射率の良好な金属、例えばアルミニウム(Al)または銀(Ag)を有する材料を用いることで、導電層101aの反射率を高めることが可能となり、発光素子150の発光効率を高めることができる。なお、Alは材料コストが安く、パターン形成が容易であるため、発光素子の製造コストを安価にすることができ好ましい。また、Agは特に高い反射率を有するため、発光素子の発光効率を高めることができ好ましい。
また、電極101を陽極として用いる場合、電極101のうちEL層100が接する領域は、仕事関数が高いことが好ましい。そうすることで、電極101からEL層100への正孔注入性を高めることができる。しかしながら、反射率が高く、仕事関数が高く、発光素子の電極に適した安定な材料を選択することは困難である。なぜならば、上記のAlやAgは、大気中で容易に表面酸化が生じ、表面に金属酸化膜を形成してしまう。該金属酸化膜の抵抗率が高い場合、電極101の抵抗率も高くなるため、電極101からEL層100への正孔注入性が低下し、発光素子150の駆動電圧が上昇する原因となる。そのため、電極101としては、導電層101aの上に接して導電層101bを有する構造が好ましい。また、導電層101bには仕事関数が高い材料を用いると好ましい。
導電層101a上に接する導電層101bは、光を透過する機能を有することが好ましく、高い透過率を有することが好ましい。導電層101bが可視光を透過する機能を有することで、電極101の反射率を高くすることができるため、発光素子150の発光効率を高めることができる。
また、導電層101bは、酸化物で形成されることが好ましく、特にインジウム(In)を有する酸化物を有することが好ましい。導電層101bがInを有することで、導電層101bの導電性を高めることが可能となり発光素子150の駆動電圧を低減することができる。また、導電層101bの光の透過率を高めることが可能となるため発光素子150の発光効率を高めることができる。また、Inを有する酸化物は、仕事関数が高いため、導電層101bからEL層100への正孔注入性を高めることができ、発光素子150の駆動電圧を低減することができる。
導電層101bは、導電性を有しており、導電層101bの抵抗率は、1×105Ω・cm以下が好ましく、1×104Ω・cm以下であるとさらに好ましい。導電層101bが導電性を有することで、電極101からEL層100への電子または正孔の注入性を高めることができ、発光素子150の駆動電圧を低減することができる。
電極101からEL層100への正孔注入性を高めるため、正孔注入層111は有機アクセプタ材料を有すると好ましい。有機アクセプタ材料は、LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital、最低空軌道ともいう)準位が低い有機材料である。有機アクセプタ材料は、有機アクセプタ材料のLUMO準位に近いエネルギーにHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital、最高被占軌道ともいう)準位を有する材料から電荷分離により電子と正孔を発生させることができる。したがって、発光素子150においては、有機アクセプタ材料を有する正孔注入層111と、正孔輸送層112との間で電荷分離が発生し、正孔注入層111に電子が、正孔輸送層112に正孔が発生する。電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるよう電極101と電極102との間に電圧を印加したとき、電荷分離によって発生した電子は有機アクセプタ材料により電極101へ輸送され、正孔は正孔輸送層112が有する材料により発光層130へ輸送される。このとき、正孔輸送層112は、正孔輸送性材料を有すると好ましい。また、これと同時に電極102から注入された電子が、電子注入層119及び電子輸送層118が有する材料により発光層130へ輸送される。その後、発光層130中で正孔と電子が再結合することで、発光層130中に励起子が生成し、励起子の励起エネルギーに基づいて発光層130中の発光材料が発光する。
ここで、発光素子150が有する電極101、正孔注入層111、及び正孔輸送層112のエネルギー準位の相関の例を図2に示す。図2において、101aは導電層101aが有する金属を表し、101bは導電層101bが有する酸化物を表し、111は正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料を表し、112は正孔輸送層112が有する正孔輸送性材料を表し、Efはフェルミ準位を表し、Ecは伝導帯下端のエネルギー準位を表し、Evは価電子帯上端のエネルギー準位を表す、表記及び符号である。
有機アクセプタ材料のLUMO準位と、正孔輸送層112が有する正孔輸送性材料のHOMO準位とで差が大きいと、正孔注入層111による正孔輸送層112からの電子の引き抜きが困難となる。換言すると、正孔注入層111から正孔輸送層112への正孔の注入が困難となる。そのため、有機アクセプタ材料のLUMO準位と、正孔輸送層112が有する正孔輸送性材料のHOMO準位の差は小さいことが好ましく、具体的には好ましくは0eV以上1.0eV以下、より好ましくは0eV以上0.5eV以下、さらに好ましくは0eV以上0.3eV以下である。このとき、有機アクセプタ材料のLUMO準位と、該正孔輸送性材料のHOMO準位との差は、有機アクセプタ材料のLUMO準位と該正孔輸送性材料のLUMO準位との差より小さいと好ましい。
また、電極101とEL層100とが接する領域において、導電層101bが有する酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位の絶対値と、正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料のLUMO準位の絶対値と、の差が大きいと、正孔注入層111から導電層101bへの電子の注入が困難となる。そのため、導電層101bが有する酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位の絶対値と、正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料のLUMO準位の絶対値と、の差は小さいことが好ましく、具体的には好ましくは0eV以上1.0eV以下、より好ましくは0eV以上0.5eV以下、さらに好ましくは0eV以上0.3eV以下である。あるいは、導電層101bが有する酸化物のフェルミ準位の絶対値と、正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料のLUMO準位の絶対値と、の差は小さいことが好ましく、具体的には好ましくは0eV以上1.0eV以下、より好ましくは0eV以上0.5eV以下、さらに好ましくは0eV以上0.3eV以下である。なお、導電層101bが有する酸化物が縮退状態であるとき、伝導帯下端のエネルギー準位とフェルミ準位とは同程度となる。
なお、正孔注入層111から電極101へ効率よく電子が注入するためには、正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料のLUMO準位は、導電層101bが有する酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位またはフェルミ準位より高いことが好ましい。
また、導電層101a上に接して導電層101bを形成する際、導電層101bが有する酸化物に酸素欠損を形成し、該酸素欠損に水素を結合させることで、導電層101bの抵抗を低減させることができる。このとき、導電層101aのフェルミ準位と導電層101bのフェルミ準位との差が小さくなるため、オーミック接触となる。そのため、導電層101aと導電層101bとの間で電子の授受が円滑に行われる。
なお、電極101を構成する導電層101aと、導電層101bと、が接する構成となると、導電層101aに用いる材料と、導電層101bに用いる材料(この場合はIn)と、の間にイオン化傾向に差が生じる場合がある。
イオン化傾向の大きさは、標準電極電位の値を指標とすることができる。例えば、Alの標準電極電位は−1.68Vであり、Inの標準電極電位は−0.34Vであるため、AlはInよりイオン化傾向が大きい。そのため、導電層101aにAlを有する材料を用い、導電層101bにInを有する酸化物を用いた場合、Alを有する材料とInを有する酸化物との間のイオン化傾向の差が生じるため、当該材料間で電子の授受が生じ、電食が発生する。また、Inと酸素の結合力よりAlと酸素の結合力の方が強いため、Alを有する材料とInを有する酸化物との間で酸素の授受が生じ、電食が発生する場合や、Alを有する材料とInを有する酸化物との界面に、Alの酸化物が形成される場合がある。Alの酸化物は導電性が低いため、電極101の導電性が低下し、発光素子150の駆動電圧が上昇する一因となる。また、電食が生じると、該電極の応力に変化が生じるため、膜剥がれが生じる場合がある。
そこで、本発明の一態様において、導電層101bが有する酸化物は、Inと、Inより酸素との結合エネルギーが大きい元素と、を有する。または、導電層101bが有する酸化物は、Inと、Inよりイオン化傾向が大きい元素と、を有する。または、導電層101bが有する酸化物は、Inと、Inより標準電極電位が小さい元素と、を有する。すなわち、導電層101bが有する酸化物は、Inと、スタビライザーM(Mは、Al、シリコン(Si)、チタン(Ti)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ハフニウム(Hf)の一以上)と、を有する。なお、当該酸化物がInを有することで、導電層101bの導電性を高めることが可能となる。また、導電層101bの光の透過率を高めることが可能となる。また、導電層101bの仕事関数を高めることが可能となるため、EL層100への正孔注入性またはEL層100からの電子注入性を高め、発光素子150の駆動電圧を低減することが可能となる。
上記のような構成とすることで、導電層101b中でのスタビライザーMと酸素との結合力がより強固になり、導電層101bと導電層101aとの間の酸素の授受を防ぐことができる。そのため、電極101における電食の発生を防ぐことができ、発光素子150の駆動電圧を低減することができる。
ここで、In及びスタビライザーMに用いることができる元素の一例の標準電極電位を表1に示す。また、Inと酸素との結合エネルギー、及びスタビライザーMに用いることができる元素の一例であるGaと酸素との結合エネルギーの計算値を表2に示す。
表1に示す標準電極電位は、「化学便覧基礎編II改訂4版、丸善株式会社」から引用した。表1に示すような、Inより標準電極電位が小さい元素をスタビライザーMとして第1の酸化物が有することで、導電層101bとAlを有する導電層101aとの間の標準電極電位の差が縮小するため、導電層101bと導電層101aとの間で酸化還元反応が生じにくくなる。すなわち、Alを有する導電層101aと、導電層101bとの間の電子の授受または酸素の授受を防ぐことができる。
表2に示す金属元素と酸素との結合エネルギーの計算には、第一原理計算ソフトウェアであるVASP(The Vienna Ab initio simulation package)を用いた。図3(A)(B)は、計算に用いた結晶モデルである。また、内殻電子の効果はProjector Augmented Wave(PAW)法にて計算した。汎関数には、GGA/PBE(Generalized−Gradient−Approximation/Perdew−Burke−Ernzerhof)を用いた。計算条件を表3に示す。
また、酸素との結合エネルギー(Ebinding(M−O))は数式(1)より算出した。なお、数式(1)のMは、InまたはGaを表し、nはモデルサイズに依存する原子数であり、今回の計算ではn=16とした。また、Eatom(M)及びEatom(O)は、各原子の全エネルギー、Etot(M2nO3n)はM2O3結晶モデルの全エネルギーである。図3(B)のように、In2O3結晶では、Inは6配位のみ、Oは4配位のみであり、In−Oの結合の強さは一定とみなすことができる。一方、図3(A)のように、β−Ga2O3結晶には、3配位と4配位のO、及び4配位と6配位のGaがあるため、それらGa−Oの結合エネルギーは一律ではないが、ここでは計算を単純にするため、Ga−Oの結合エネルギーはその平均値として算出した。
計算の結果、表2のように、Ga−O結合エネルギーの方がIn−O結合エネルギーよりも大きい。したがって、Gaの方が酸素との結合が強いと言える。
なお、In−Ga−Zn酸化物のような、複数の金属元素を含む酸化物では、酸素が単一の金属元素のみと結合する場合より、酸素が2種類あるいは3種類の金属元素と結合する場合が多い。そのため次に、In:Ga:Zn=1:1:1(原子数比)結晶モデルに対して、金属元素と酸素(M−O)間の結合エネルギーの算出を行った。モデル内の原子数は84原子とし、計算は表3に示した条件を用いた。結合エネルギー(EB,M−O)は、数式(2)より算出した。数式(2)では、結合エネルギー(EB,M−O)は、M−O間の距離(dM−O)に依存する。数式(2)のa0,M、a1,M、a2,Mは、数式(3)のSが最少になるよう、フィッティングを行うことで算出した。なお、数式(4)のIGZO:VOは、In−Ga−Zn酸化物中に酸素欠損(VO)が存在するIn−Ga−Zn酸化物モデルを表し、そのモデルにおけるVO生成エネルギーをE(VO)で表している。
Ga−O及びIn−Oの平均的な距離である0.195nm、0.220nmにおける結合エネルギーは、それぞれ2.33eV、1.80eVと算出された。したがって、In−Ga−Zn酸化物のような複数の金属元素を含む酸化物においても、Ga−Oの結合エネルギーの方がIn−Oの結合エネルギーより大きく、Gaの方が酸素との結合が強いと言える。
以上のように、Inより標準電極電位が小さい元素、またはInよりイオン化傾向の大きい元素を、スタビライザーMとして導電層101bに用いる、あるいは酸素との結合エネルギーがInより強い元素をスタビライザーMとして導電層101bに用いることで、Inを有する導電層101bと、Alを有する導電層101aと、の間の電子の授受または酸素の授受を抑制することができる。すなわち、導電層101bに、Inと、スタビライザーM(Mは、Al、Si、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、及びHfの一以上)と、を有する酸化物を用いることで、電極101における電食の発生を防ぐことができ、発光素子150の駆動電圧を低減することができる。
なお、Agの標準電極電位は、0.80Vであるため、AgはInよりイオン化傾向が小さい。したがって、導電層101aにAgを有する材料を用いる場合、導電層101bから導電層101aへの酸素の授受が生じにくいため、好ましい。しかしながら、この場合においても、導電層101bに、Inと、スタビライザーM(Mは、Al、Si、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、及びHfの一以上)と、を有する酸化物を用いることで、導電層101b内の酸素の結合力がより強固になるため、より安定な電極101を作製することができるため好ましい。
電極102は、光を透過する機能を有する。電極102に、In、Ag、及びマグネシウム(Mg)を少なくとも一つ有する材料を用いることで、電極102の透過率を高めることが可能となり、発光素子150の発光効率を高めることができる。
また、電極102が、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する場合、マイクロキャビティ効果により、発光素子150の発光効率を高めることができる。そのためにも、電極102に、In、Ag、及びMgを少なくとも一つ有する材料を用いることは好適である。
また、電極101が、光を反射する機能と、光を透過する機能とを有する構成としてもよい。その場合、電極101が有する導電層101aを、光が透過する程度の膜厚とすることが好ましい。また、電極101が、光を反射する機能と、光を透過する機能とを有するとき、電極102は、光を反射する機能を有すると好ましく、反射率が高いAgを有すると特に好ましい。
また、光を取り出す電極上に、カラーフィルタを設けることで、発光素子150の色純度を向上させることができる。そのため、発光素子150を有する表示装置の色純度を高めることができる。
なお、発光層130は、複数の層が積層された構成としても良い。例えば、第1の発光層と、第2の発光層と、に異なる発光色を呈する機能を有する発光材料をそれぞれ用いることで、発光素子150から複数の色を有する発光を得ることができる。また、発光層130が呈する発光により、白色となるよう発光材料を選択すると良い。
また、発光層130は、3層以上が積層された構成としても良く、発光材料を有さない層が含まれていても良い。
<発光素子の構成要素>
次に、図1に示す発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪一対の電極≫
電極101は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。
電極101を構成する導電層101aは、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、Al、またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、Ti、Nd、ニッケル(Ni)、及びLaの一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられる。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、Ag、またはAgを含む合金等を用いても良く、Agを含む合金としては、AgとN(Nは、Y、Nd、Mg、Al、Ti、Ga、Zn、In、タングステン(W)、マンガン(Mn)、Sn、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられる。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金等が挙げられる。なお、電極101から光を取り出す場合、導電層101aは、光を透過する程度(好ましくは、5nm以上30nm以下程度)の膜厚の上記導電性材料に例示した金属薄膜で形成されることが好ましく、光を反射する機能と、光を透過する機能とを有することが好ましい。
また、電極101において、導電層101bは、Inと、スタビライザーM(Mは、Al、Si、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、及びHfの一以上)と、を有する酸化物で形成されることが好ましい。そうすることで、導電層101bと導電層101aとの間の電子の授受または酸素の授受を抑制することができる。そのため、電極101における電食の発生を防ぐことができ、発光素子の駆動電圧を低減することができる。
なお、他のスタビライザーMとして、ランタノイドである、プラセオジム(Pr)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)等のいずれか一種または複数種を有していても良い。
また、導電層101bは、Inと、スタビライザーM以外の金属元素が入っていても良い。特に亜鉛(Zn)または亜鉛酸化物を有する材料は、均一な膜を形成することができるため、好ましい。すなわち、導電層101bは、Inと、スタビライザーMと、Znと、を有する酸化物を用いることが好ましい。
導電層101bを構成する酸化物として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Si−Zn系酸化物、In−Ti−Zn系酸化物、In−Ti−Y系酸化物、In−Zr−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物、を用いることができる。
導電層101bがIn−Ga−Zn系酸化物を有する場合、In−Ga−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=1:3:2、In:Ga:Zn=1:3:3、In:Ga:Zn=1:3:4、In:Ga:Zn=1:3:5、In:Ga:Zn=1:3:6、In:Ga:Zn=1:3:7、In:Ga:Zn=1:3:8、In:Ga:Zn=1:3:9、In:Ga:Zn=1:3:10、In:Ga:Zn=1:4:4、In:Ga:Zn=1:4:5、In:Ga:Zn=1:5:5、In:Ga:Zn=1:6:4、In:Ga:Zn=1:6:5、In:Ga:Zn=1:6:6、In:Ga:Zn=1:6:7、In:Ga:Zn=1:6:8、In:Ga:Zn=1:6:9、In:Ga:Zn=1:6:10、In:Ga:Zn=1:9:4、In:Ga:Zn=1:1:4、In:Ga:Zn=5:5:6、In:Ga:Zn=3:1:2、In:Ga:Zn=2:1:3、あるいはIn:Ga:Zn=4:2:4.1の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いると好ましい。なお、上記スパッタリングターゲットを用いて成膜された導電層101bに含まれる金属元素の原子数比はそれぞれ、誤差として上記スパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス20%の変動を含む。
また、スタビライザーMは酸素との結合力が強い金属元素であるため、スタビライザーMの含有比は多いことが好ましい。導電層101bがIn−M−Zn酸化物を有する場合、Zn及び酸素を除いてのIn及びMの原子数比率は、好ましくはInが75atomic%未満、Mが25atomic%より大きく、より好ましくはInが66atomic%未満、Mが34atomic%より大きい。そうすることで、導電層101bと導電層101aとの間の電子の授受または酸素の授受を抑制することができる。
さらに、導電層101bがIn−M−Zn酸化物を有する場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、Mの含有量がIn以上であると好ましい。このとき、Mの含有量がInの5倍以上であると導電性が低下するため、Mの含有量はInの好ましくは1倍以上5倍未満、より好ましくは1倍以上3倍以下である。あるいは、スパッタリングターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると、x≦yであって、z/yは1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=1:3:2、In:M:Zn=1:3:4、In:M:Zn=1:3:6、In:M:Zn=1:3:8等がある。
また、導電層101bの導電性を高めるため、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、Inの含有量がM以上であり、Znの含有量はM以上であってもよい。あるいは、スパッタリングターゲットにおいて、金属元素の原子数比をIn:M:Zn=x:y:zとすると、x/yは1/3以上6以下、さらには1以上6以下であって、z/yは1/3以上6以下、さらには1以上6以下であることが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比の代表例としては、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:4.1等がある。In、スタビライザーM、及びZnを有する酸化物では、主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含有率を高くすることにより、s軌道が重なる領域がより大きくなるため、Inの含有率が高い酸化物はInの含有率が低い酸化物と比較して導電性が高くなる。
酸化物半導体等において、伝導帯下端のエネルギー準位と価電子帯上端のエネルギー準位との差がバンドギャップであり、真空準位と伝導帯下端のエネルギー準位との差が電子親和力である。エネルギーギャップは、例えば分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定できる。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー準位との差は、例えば、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定できる。したがって、電子親和力は、真空準位と価電子帯上端のエネルギー準位との差からバンドギャップを引くことで算出することができる。
なお、原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.2eV、電子親和力は約4.7eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.4eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.3eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.9eV、電子親和力は約4.3eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:8のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.4eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:6:10のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約2.8eV、電子親和力は約5.0eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=3:1:4のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約2.8eV、電子親和力は約4.6eVである。また、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.0eV、電子親和力は約4.4eVである。このように、酸化物の元素比において、スタビライザーMがIn以上の原子数比であることで、酸化物のエネルギーギャップが大きくなり、酸化物の電子親和力が小さくなる場合がある。すなわち、酸化物が有するInとスタビライザーMとの原子数比を変化させることで酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位を変化させることができる。
導電層101bの成膜方法は、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
電極101を構成する導電層101bは、各発光層からの光のうち所望の波長の光を共振させ、その所望の波長の光を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することもできる。
また、導電層101b上に透明導電層を形成してもよい。透明導電層としては、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどを用いることができる。特に、電極101を陽極として用いる場合、透明導電層としては、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。また、透明導電層としては、スパッタリング法、蒸着法、印刷法または塗布法等を用いて形成することができる。
なお、本明細書等において、透明導電層は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する層であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体層に加えて、酸化物半導体層、または有機物を含む有機導電体層を含む。有機物を含む有機導電体層としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を含む層、有機化合物と電子受容体(アクセプタ)とを混合してなる複合材料を含む層等が挙げられる。また、透明導電層の抵抗率としては、好ましくは1×105Ω・cm以下、さらに好ましくは1×104Ω・cm以下である。
なお、発光素子の他に、電界効果トランジスタ(FET)を形成する場合、該トランジスタのチャネル領域に用いる酸化物半導体層と、電極101を構成する導電層101bと、で同じ元素を有することが好適である。すなわち、トランジスタのチャネル領域に用いる酸化物半導体層には、Inと、スタビライザーM(Mは、Al、Si、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、及びHfの一以上)と、を有することが好ましい。また、該酸化物半導体層と導電層101bとで、同じ材料を用いることが特に好ましい。酸化物半導体層と導電層101bとで共通の材料を用いることで、成膜する材料の種類を増やすことがないため、製造コストを低減することができる。その場合、酸化物半導体層と導電層101bとで、成膜プロセスを変えれば良い。すなわち、成膜する際の成膜室内の圧力、成膜ガス(例えば、酸素、アルゴン、または酸素を含む混合ガス)、成膜エネルギー、成膜時の温度、ターゲットと基板との間の距離、または成膜後の温度や表面処理、等を変えて、酸化物半導体層と導電層101bの性質を異なる性質とすることで、互いに異なる機能を有する層とすることができる。なお、本明細書等において、半導体または半導体層と表記した場合であっても、例えば、導電性が十分に高い場合は、導電体または導電層としての特性を有する場合がある。また、半導体と導電体、または半導体層と導電層とは、それぞれ境界が曖昧であり、厳密に区別できない場合がある。したがって、本明細書等に記載の半導体は導電体に、半導体層は導電層に、それぞれ言い換えることが可能な場合がある。
酸化物半導体は、膜中の酸素欠損及び/又は膜中の水素、水等の不純物濃度によって、抵抗を制御することができる半導体材料である。そのため、酸化物半導体層及び導電層101bへ酸素欠損及び/又は不純物濃度が増加する処理、または酸素欠損及び/又は不純物濃度が低減する処理を選択することによって、同じ材料を用いて形成された酸化物半導体層及び導電層101bの有する抵抗率を制御することができる。
具体的には、画素電極の一部として機能する導電層101bにプラズマ処理を行い、導電層101bの膜中の酸素欠損を増加させる、及び/又は導電層101bの膜中の水素、水等の不純物を増加させることによって、伝導帯近傍にドナー準位が形成されるため、キャリア密度が高く、低抵抗な酸化物層とすることができる。また、導電層101bに水素を含む絶縁膜または導電層を接して形成し、該水素を含む絶縁膜または導電層から導電層101bに水素を拡散させることによって、キャリア密度が高く、低抵抗な酸化物層とすることができる。
一方、トランジスタのチャネル領域に用いる酸化物半導体層は、上記プラズマ処理に曝されないように、絶縁膜を設けることが好ましい。また、該絶縁膜を設けることによって、導電層101bと接して形成する水素を含む絶縁膜と接しない構成とする。酸化物半導体層に設ける絶縁膜としては、酸素を放出することが可能な絶縁膜とすることで、酸化物半導体層に酸素を供給することができる。酸素が供給された酸化物半導体層は、膜中又は界面の酸素欠損が補填され高抵抗な酸化物半導体となる。なお、酸素を放出することが可能な絶縁膜としては、例えば、酸化シリコン膜、又は酸化窒化シリコン膜を用いることができる。
また、導電層101bに行うプラズマ処理としては、代表的には、希ガス(He、Ne、Ar、Kr、Xe)、水素、及び窒素の中から選ばれた一種を含むガスを用いたプラズマ処理が挙げられる。より具体的には、Ar雰囲気下でのプラズマ処理、Arと水素の混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、アンモニア雰囲気下でのプラズマ処理、Arとアンモニアの混合ガス雰囲気下でのプラズマ処理、または窒素雰囲気下でのプラズマ処理などが挙げられる。
上記プラズマ処理によって、導電層101bは、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。当該酸素欠損は、キャリアを発生する要因になり得る場合がある。また、導電層101bの近傍、より具体的には、導電層101bの下側または上側に接する絶縁膜または導電層から、水素が供給されると、上記酸素欠損と水素が結合し、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、プラズマ処理によって酸素欠損が増加された導電層101bは、酸化物半導体層よりもキャリア密度の高い酸化物層となる。
また、導電層101bと接する水素を含む層、換言すると水素を放出することが可能な層を用いることで、導電層101bに水素を供給することができる。水素を放出することが可能な層としては、膜中の含有水素濃度が1×1022atoms/cm3以上、もしくは5×1022atoms/cm3以上であると好ましい。このような層を導電層101bに接して形成することで、導電層101bに効果的に水素を含有させることができる。このように、上述したプラズマ処理と合わせて、導電層101bに接する層の構成を変えることによって、導電層101bの抵抗を任意に調整することができる。
一方、酸素欠損が補填され、水素濃度が低減された酸化物半導体層は、高純度真性化、又は実質的に高純度真性化された酸化物半導体層といえる。ここで、実質的に真性とは、酸化物半導体のキャリア密度が、8×1011/cm3未満であること、好ましくは1×1011/cm3未満であること、さらに好ましくは1×1010/cm3未満1×10−9/cm3以上であることを指す。高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体は、キャリア発生源が少ないため、キャリア密度を低くすることができる。また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体層は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度を低減することができる。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である酸化物半導体層は、オフ電流が著しく小さく、チャネル幅Wが1×106μmでチャネル長Lが10μmの素子であっても、ソース電極とドレイン電極間の電圧(ドレイン電圧)が1Vから10Vの範囲において、オフ電流が、半導体パラメータアナライザの測定限界以下、すなわち1×10−13A以下という特性を得ることができる。したがって、酸化物半導体層にチャネル領域が形成されるトランジスタは、電気特性の変動が小さく、信頼性の高いトランジスタとなる。
導電層101bに含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になると共に、酸素が脱離した格子(または酸素が脱離した部分)に酸素欠損を形成する。当該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合することで、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、水素が含まれている導電層101bは、酸化物半導体層よりもキャリア密度の高い酸化物層である。
すなわち、電極101の一部として機能する導電層101bは、トランジスタのチャネル領域を有する酸化物半導体層よりも水素濃度及び/又は酸素欠損量が多く、低抵抗化された酸化物層である。
トランジスタのチャネル領域が形成される酸化物半導体層は水素ができる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体層において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、5×1019atoms/cm3以下、好ましくは1×1019atoms/cm3以下、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3以下、より好ましくは5×1017atoms/cm3以下、さらに好ましくは1×1016atoms/cm3以下とする。
また、トランジスタのチャネル領域に用いる酸化物半導体層を形成後、熱処理を行うことが好ましい。熱処理は、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上400℃以下、より好ましくは320℃以上370℃以下の温度で、不活性ガス雰囲気、酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気、又は減圧雰囲気で行えばよい。また、熱処理の雰囲気は、不活性ガス雰囲気で熱処理を行った後に、脱離した酸素を補うために酸化性ガスを10ppm以上含む雰囲気で行ってもよい。ここでの加熱処理によって、酸化物半導体層から水素や水などの不純物を除去することができる。なお、当該熱処理は、酸化物半導体層を島状に加工する前に行ってもよい。
なお、酸化物半導体をチャネルとするトランジスタに安定した電気特性を付与するためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減し、酸化物半導体を真性または実質的に真性にすることが有効である。
酸化物半導体層の厚さは、3nm以上200nm以下、好ましくは3nm以上100nm以下、さらに好ましくは3nm以上50nm以下とする。
なお、酸化物半導体層の元素比において、スタビライザーMがIn以上の原子数比であることで、以下の効果を有する場合がある。(1)酸化物半導体層のエネルギーギャップを大きくする。(2)酸化物半導体層の電子親和力を小さくする。(3)外部からの不純物を遮蔽する。(4)絶縁性が高くなる。また、スタビライザーMは酸素との結合力が強い金属元素であるため、スタビライザーMをIn以上の原子数比で有することで、酸素欠損が生じにくくなる。
なお、酸化物半導体層としては、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性及び電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、酸化物半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
電極102は、各発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。なお、電極101が光を反射する機能を有する場合、電極102は光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。また、電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10−2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。また、電極101が光を透過する機能を有する場合、電極102は光を反射する機能を有する導電性材料により形成されることが好ましい。
電極102としては、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。例えば、ITO、ITSO、酸化インジウム−酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム−錫酸化物、インジウム−チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどを用いることができる。また、光を透過する程度の膜厚(好ましくは、5nm以上30nm以下程度)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、AgまたはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。特に、電極102が陰極としての機能を有する場合には、In、Ag、及びMgの中から選ばれる少なくとも一つを有する材料が好ましい。また、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を用いることが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、Ag−Mg、Al−Li)、ユーロピウム、イッテルビウム等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。また、電極102としては、スパッタリング法、蒸着法、印刷法または塗布法等を用いて形成することができる。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、陽極からEL層100へ正孔を注入する層である。正孔注入層111は、有機アクセプタ材料を有すると好ましい。
有機アクセプタ材料としては特に限定はないが、電子吸引性を有する有機材料であると好ましい。例えば、ハロゲン基、シアノ基等の電子吸引性の置換基を有する化合物が好ましい。具体的には例えば、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)、3,6−ジフルオロ−2,5,7,7,8,8−ヘキサシアノキノジメタン、クロラニル等が挙げられる。また、カルボニル基を有する化合物が挙げられ、例えばペリレンテトラカルボニル骨格を有する化合物等が挙げられる。また、π電子不足型複素芳香族骨格を有する化合物が好ましく、中でも含窒素複素芳香族骨格を有する化合物が好ましく、複数の窒素を有する複素芳香族骨格を有する化合物がより好ましい。具体的には、例えばピラジン骨格、及びアザトリフェニレン骨格が好ましく、窒素を4つ以上有するテトラアザトリフェニレン等がより好ましく、窒素を6つ有するヘキサアザトリフェニレンがさらに好ましい。具体的には例えば、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル(PPDN)、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(HAT−CN)等が挙げられる。中でもHAT−CNは、アクセプタ性が高く、膜質が安定であるため好ましい。これらの有機アクセプタ材料から、導電層101bが有する酸化物および正孔輸送層112が有する正孔輸送性材料とのエネルギー準位の相関が本発明の一態様の構成となるよう選択すればよい。なお、これらの有機アクセプタ材料は、比較的低温で成膜できることから大量生産に好適である。
また、正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料のLUMO準位と、陽極が有する酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位と、の差は小さいことが好ましく、具体的には好ましくは0eV以上1.0eV以下、より好ましくは0eV以上0.5eV以下、さらに好ましくは0eV以上0.3eV以下である。正孔注入層111が電極101、より厳密に言えば導電層101bと接する領域を有し、導電層101bにIn−Ga−Zn酸化物を用いる場合、既に述べたようにIn−Ga−Zn酸化物の伝導帯下端のエネルギー準位と真空準位との差すなわち電子親和力は4.3eVから4.7eV程度となる。そのため、正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料のLUMO準位としては、好ましくは−5.7eV以上−3.3eV以下、より好ましくは−5.2eV以上−3.8eV以下、さらに好ましくは−5.0eV以上−4.0eV以下であればよい。例えば、HAT−CNのLUMO準位は−4.41eVであり本発明の一態様に好適な有機アクセプタ材料である。
なお、化合物のLUMO準位およびHOMO準位は、例えばサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定される化合物の電気化学特性(還元電位および酸化電位)から導出することができる。
また、正孔注入層111は他のアクセプタ材料を有してもよい。当該アクセプタ材料と有機アクセプタ材料とを混合または積層して正孔注入層111に用いることができる。該アクセプタ材料としては、遷移金属酸化物を挙げることができる。また、元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物は電子受容性が高いため好ましい。中でも特に、モリブデン酸化物は大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため特に好ましい。なお、正孔注入層111は、該アクセプタ材料を単独または他の材料と混合して形成してもよい。例えば、アクセプタ材料と正孔輸送性材料とを含む複合材料を用いることができる。アクセプタ材料と正孔輸送性材料とを含むことで、アクセプタ材料により正孔輸送性材料から電子が引き抜かれて正孔輸送性材料に正孔が発生し、正孔輸送層112を介して発光層130に正孔が注入される。
正孔注入層111に用いる正孔輸送性材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)などの芳香族アミン化合物、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等が挙げられる。その他、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)等のカルバゾール誘導体、等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。
さらに、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を用いることもできる。
この他、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(略称:CuPc)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(略称:PEDOT/PSS)等の高分子等を用いることができる。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送性材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111から注入された正孔を発光層130へ輸送する機能を有する。
このとき、正孔注入層111が有する有機アクセプタ材料のLUMO準位と、発光層130が有する材料のHOMO準位との、間のHOMO準位を有する正孔輸送性材料を、正孔輸送層112に用いることが好ましい。また、正孔輸送層112は、単層だけでなく、二層以上積層してもよい。この場合、正孔注入層111側から発光層130へとHOMO準位が順に低くなるよう正孔輸送性材料を積層することが好ましい。正孔輸送層112を二層以上積層する場合、正孔を円滑に輸送するためには用いる各正孔輸送性材料のHOMO準位の差としては、好ましくは0eV以上0.5eV以下、より好ましくは0eV以上0.3eV以下、より好ましくは0eV以上0.2eV以下である。
正孔輸送性を有する材料としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。また、以上で述べた正孔輸送性材料の他、様々な物質の中から正孔輸送性材料を用いても良い。
さらに、正孔輸送性の高い物質として、例えば、3−[4−(1−ナフチル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPN)、3−[4−(9−フェナントリル)−フェニル]−9−フェニル−9H−カルバゾール(略称:PCPPn)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4、4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4−フェニルジフェニル−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)アミン(略称:PCA1BP)、3,3’−ビス(9−フェニル−9H−カルバゾール)(略称:PCCP)、N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−(4−フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、1,3,5−トリ(ジベンゾチオフェン−4−イル)−ベンゼン(略称:DBT3P−II)、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−[3−(トリフェニレン−2−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp−II)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン骨格を有する化合物、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等が挙げられる。その他、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)等のカルバゾール化合物やアミン化合物、ジベンゾチオフェン化合物、ジベンゾフラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。ここに挙げた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。
なお、これら正孔輸送層として用いることが出来る化合物を、正孔注入層として用いても良い。
≪発光層≫
発光層130は、紫色、青色、青緑色、緑色、黄緑色、黄色、橙色、または赤色の少なくとも一つの発光を呈する機能を有する発光材料を有する。また、発光層130は、発光材料に加えて、ホスト材料として電子輸送性材料または正孔輸送性材料の一方または双方を含んで構成される。
また、発光材料としては、一重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質や三重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質を用いることができる。なお、上記発光性物質としては、以下のようなものが挙げられる。
一重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質としては、蛍光を発する物質(蛍光性化合物)が挙げられる。蛍光性化合物としては、特に限定はないが、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などが好ましく、例えば以下の物質を用いることができる。
具体的には、5,6−ビス[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6−ビス[4’−(10−フェニル−9−アントリル)ビフェニル−4−イル]−2,2’−ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ビス[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−N,N’−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−ピレン−1,6−ジアミン(略称:1,6tBu−FLPAPrn)、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−3,8−ジシクロヘキシルピレン−1,6−ジアミン(略称:ch−1,6FLPAPrn)、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(6,N−ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−8−アミン](略称:1,6BnfAPrn−03)、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8−ジ−tert−ブチル−5,11−ビス(4−tert−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20−テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3−cd:1’,2’,3’−lm]ペリレン、などが挙げられる。
また、三重項励起エネルギーを発光に変換できる発光性物質としては、例えば、燐光を発する物質(燐光性化合物)が挙げられる。燐光性化合物としては、イリジウム、ロジウム、または白金系の有機金属錯体、あるいは金属錯体が挙げられる。また、ポルフィリン配位子を有する白金錯体や有機イリジウム錯体が挙げられ、中でも有機イリジウム錯体、例えばイリジウム系オルトメタル錯体が好ましい。オルトメタル化する配位子としては4H−トリアゾール配位子、1H−トリアゾール配位子、イミダゾール配位子、ピリジン配位子、ピリミジン配位子、ピラジン配位子、あるいはイソキノリン配位子などが挙げられる。このとき、燐光性化合物は三重項MLCT(Metal to Ligand Charge Transfer)遷移の吸収帯を有する。
青色または緑色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス{2−[5−(2−メチルフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェニル)−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イル−κN2]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(mpptz−dmp)3)、トリス(5−メチル−3,4−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz)3)、トリス[4−(3−ビフェニル)−5−イソプロピル−3−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrptz−3b)3)、トリス[3−(5−ビフェニル)−5−イソプロピル−4−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(iPr5btz)3)、のような4H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス[3−メチル−1−(2−メチルフェニル)−5−フェニル−1H−1,2,4−トリアゾラト]イリジウム(III)(略称:Ir(Mptz1−mp)3)、トリス(1−メチル−5−フェニル−3−プロピル−1H−1,2,4−トリアゾラト)イリジウム(III)(略称:Ir(Prptz1−Me)3)のような1H−トリアゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、fac−トリス[1−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−2−フェニル−1H−イミダゾール]イリジウム(III)(略称:Ir(iPrpmi)3)、トリス[3−(2,6−ジメチルフェニル)−7−メチルイミダゾ[1,2−f]フェナントリジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(dmpimpt−Me)3)のようなイミダゾール骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))のような電子吸引基を有するフェニルピリジン誘導体を配位子とする有機金属イリジウム錯体が挙げられる。上述した中でも、4H−トリアゾール骨格、1H−トリアゾール骨格およびイミダゾール骨格のような含窒素五員複素環骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、高い三重項励起エネルギーを有し、信頼性や発光効率にも優れるため、特に好ましい。
また、緑色または黄色に発光ピークを有する物質としては、例えば、トリス(4−メチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)3)、トリス(4−t−ブチル−6−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)3)、(アセチルアセトナト)ビス(6−メチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(6−tert−ブチル−4−フェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tBuppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[4−(2−ノルボルニル)−6−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(nbppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[5−メチル−6−(2−メチルフェニル)−4−フェニルピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(mpmppm)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス{4,6−ジメチル−2−[6−(2,6−ジメチルフェニル)−4−ピリミジニル−κN3]フェニル−κC}イリジウム(III)(略称:Ir(dmppm−dmp)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(4,6−ジフェニルピリミジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dppm)2(acac))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(3,5−ジメチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−Me)2(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(5−イソプロピル−3−メチル−2−フェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(mppr−iPr)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)2(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)2(acac))、トリス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(bzq)3)、トリス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(pq)3)、ビス(2−フェニルキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(pq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)2(acac))、ビス{2−[4’−(パーフルオロフェニル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)2(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)2(acac))など有機金属イリジウム錯体の他、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。
また、黄色または赤色に発光ピークを有する物質としては、例えば、(ジイソブチリルメタナト)ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト]イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dibm))、ビス[4,6−ビス(3−メチルフェニル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(5mdppm)2(dpm))、ビス[4,6−ジ(ナフタレン−1−イル)ピリミジナト](ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(d1npm)2(dpm))のようなピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(acac))、ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)2(dpm))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)2(acac))のようなピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体や、トリス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)(略称:Ir(piq)3)、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)2(acac))のようなピリジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体の他、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)のような白金錯体や、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)3(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)3(Phen))のような希土類金属錯体が挙げられる。上述した中でも、ピリミジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、信頼性や発光効率にも際だって優れるため、特に好ましい。また、ピラジン骨格を有する有機金属イリジウム錯体は、色度の良い赤色発光が得られる。
なお、三重項励起エネルギーを発光に変換できる材料としては、燐光性化合物の他に、熱活性化遅延蛍光(Thermally activated delayed fluorescence:TADF)材料が挙げられる。したがって、燐光性化合物と記載した部分に関しては、熱活性化遅延蛍光性化合物と読み替えても構わない。熱活性化遅延蛍光性化合物は、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との差が小さく、逆項間交差によって三重項励起エネルギーを一重項励起エネルギーへ変換する機能を有する材料である。そのため、わずかな熱エネルギーによって三重項励起状態を一重項励起状態にアップコンバート(逆項間交差)が可能で、一重項励起状態からの発光(蛍光)を効率よく呈することができる。熱活性化遅延蛍光が効率良く得られる条件としては、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位との差が、好ましくは0eVより大きく0.3eV以下、より好ましくは0eVより大きく0.2eV以下、さらに好ましくは0eVより大きく0.1eV以下であることが挙げられる。
熱活性化遅延蛍光性化合物が、一種類の材料から構成される場合、例えば以下の材料を用いることができる。
まず、フラーレンやその誘導体、プロフラビン等のアクリジン誘導体、エオシン等が挙げられる。また、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)、スズ(Sn)、白金(Pt)、インジウム(In)、もしくはパラジウム(Pd)等を含む金属含有ポルフィリンが挙げられる。該金属含有ポルフィリンとしては、例えば、プロトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Proto IX))、メソポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Meso IX))、ヘマトポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Hemato IX))、コプロポルフィリンテトラメチルエステル−フッ化スズ錯体(SnF2(Copro III−4Me))、オクタエチルポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(OEP))、エチオポルフィリン−フッ化スズ錯体(SnF2(Etio I))、オクタエチルポルフィリン−塩化白金錯体(PtCl2OEP)等が挙げられる。
また、一種の材料から構成される熱活性化遅延蛍光性化合物としては、π電子過剰型複素芳香族骨格及びπ電子不足型複素芳香族骨格を有する複素環化合物も用いることができる。具体的には、2−(ビフェニル−4−イル)−4,6−ビス(12−フェニルインドロ[2,3−a]カルバゾール−11−イル)−1,3,5−トリアジン(略称:PIC−TRZ)、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)、2−[4−(10H−フェノキサジン−10−イル)フェニル]−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PXZ−TRZ)、3−[4−(5−フェニル−5,10−ジヒドロフェナジン−10−イル)フェニル]−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾール(略称:PPZ−3TPT)、3−(9,9−ジメチル−9H−アクリジン−10−イル)−9H−キサンテン−9−オン(略称:ACRXTN)、ビス[4−(9,9−ジメチル−9,10−ジヒドロアクリジン)フェニル]スルホン(略称:DMAC−DPS)、10−フェニル−10H,10’H−スピロ[アクリジン−9,9’−アントラセン]−10’−オン(略称:ACRSA)等が挙げられる。該複素環化合物は、π電子過剰型複素芳香族骨格及びπ電子不足型複素芳香族骨格を有するため、電子輸送性及び正孔輸送性が高く、好ましい。中でも、π電子不足型複素芳香族骨格のうち、ジアジン骨格(ピリミジン骨格、ピラジン骨格、ピリダジン骨格)、またはトリアジン骨格は、安定で信頼性が良好なため、好ましい。また、π電子過剰型複素芳香族骨格の中でも、アクリジン骨格、フェノキサジン骨格、フェノチアジン骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、及びピロール骨格は、安定で信頼性が良好なため、当該骨格の中から選ばれるいずれか一つまたは複数を有することが、好ましい。なお、ピロール骨格としては、インドール骨格、カルバゾール骨格、及び9−フェニル−3,3’−ビ−9H−カルバゾール骨格、が特に好ましい。なお、π電子過剰型複素芳香族骨格とπ電子不足型複素芳香族骨格とが直接結合した物質は、π電子過剰型複素芳香族骨格のドナー性とπ電子不足型複素芳香族骨格のアクセプタ性が共に強く、一重項励起エネルギー準位と三重項励起エネルギー準位の差が小さくなるため、特に好ましい。
また、熱活性化遅延蛍光を示す材料は、単独で逆項間交差により三重項励起状態から一重項励起状態を生成できる材料であっても良いし、励起錯体(エキサイプレックス、またはExciplexともいう)を形成する複数の材料から構成されても良い。
また、発光層130に用いるホスト材料としては、正孔輸送性材料および電子輸送性材料を用いることができる。
また、発光層のホスト材料として用いることが可能な材料としては、特に限定はないが、例えば、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10−ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:CzA1PA)、4−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、YGAPA、PCAPA、N,9−ジフェニル−N−{4−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]フェニル}−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPBA)、2PCAPA、6,12−ジメトキシ−5,11−ジフェニルクリセン、DBC1、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)、3,6−ジフェニル−9−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)、9,9’−ビアントリル(略称:BANT)、9,9’−(スチルベン−3,3’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’−(スチルベン−4,4’−ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5−トリ(1−ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを挙げることができる。これら及び様々な物質の中から、上記発光材料のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。また、発光材料が燐光性化合物である場合、ホスト材料としては、発光材料の三重項励起エネルギーよりも三重項励起エネルギーの大きい物質を選択すれば良い。
また、発光層のホスト材料として、複数の材料を用いる場合、励起錯体を形成する2種類の化合物を組み合わせて用いることが好ましい。この場合、様々なキャリア輸送材料を適宜用いることができるが、効率よく励起錯体を形成するために、電子輸送性材料と、正孔輸送性材料とを組み合わせることが特に好ましい。
なぜならば、電子輸送性材料と、正孔輸送性材料とを組み合わせて励起錯体を形成するホスト材料とする場合、電子輸送性材料及び正孔輸送性材料の混合比率を調節することで、発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することが容易となる。発光層における正孔と電子のキャリアバランスを最適化することにより、発光層中で電子と正孔の再結合が起こる領域が偏ることを抑制できる。再結合が起こる領域の偏りを抑制することで、発光素子の信頼性を向上させることができる。
電子輸送性材料としては、亜鉛やアルミニウムを有する金属錯体や、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族化合物などを用いることができる。具体的には、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8−キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2−(2−ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2−(2−ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体や、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、2,2’,2’’−(1,3,5−ベンゼントリイル)トリス(1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm−II)などのアゾール骨格を有する複素環化合物や、2−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq−II)、2−[3’−(ジベンゾチオフェン−4−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq−II)、2−[3’−(9H−カルバゾール−9−イル)ビフェニル−3−イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2−[4−(3,6−ジフェニル−9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq−III)、7−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq−II)、及び、6−[3−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq−II)、4,6−ビス[3−(フェナントレン−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6−ビス[3−(4−ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm−II)、4,6−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2−{4−[3−(N−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)−9H−カルバゾール−9−イル]フェニル}−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5−ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5−トリ[3−(3−ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物が挙げられる。上述した中でも、ジアジン骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物やピリジン骨格を有する複素環化合物は、信頼性が良好であり好ましい。特に、ジアジン(ピリミジンやピラジン)骨格及びトリアジン骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
正孔輸送性材料としては、π電子過剰型複素芳香族(例えばカルバゾール誘導体やインドール誘導体)又は芳香族アミンなどを好適に用いることができる。具体的には、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、4,4’,4’’−トリス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’−TNATA)、2,7−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N,N’−ビス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N,N’−ジフェニルベンゼン−1,3−ジアミン(略称:PCA2B)、N−(9,9−ジメチル−2−ジフェニルアミノ−9H−フルオレン−7−イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、N,N’,N’’−トリフェニル−N,N’,N’’−トリス(9−フェニルカルバゾール−3−イル)ベンゼン−1,3,5−トリアミン(略称:PCA3B)、2−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:PCASF)、2−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]スピロ−9,9’−ビフルオレン(略称:DPASF)、N,N’−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニル−9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジアミン(略称:YGA2F)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4−フェニル−3’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−N−{9,9−ジメチル−2−[N’−フェニル−N’−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)アミノ]−9H−フルオレン−7−イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3−[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、N,N’−ビス{4−[ビス(3−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−N,N’−ジフェニル−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(略称:DNTPD)、3,6−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−(1−ナフチル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’−ジフェニル−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4−(1−ナフチル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’−ジ(1−ナフチル)−4’’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)、9,9−ジメチル−N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]フルオレン−2−アミン(略称:PCBAF)、N−フェニル−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−アミン(略称:PCBASF)、N−(4−ビフェニル)−N−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCBiF)、N−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−N−[4−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)フェニル]−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−アミン(略称:PCBBiF)などの芳香族アミン骨格を有する化合物や、1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、3,6−ビス(3,5−ジフェニルフェニル)−9−フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、9−フェニル−9H−3−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)カルバゾール(略称:PCCP)などのカルバゾール骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾチオフェン)(略称:DBT3P−II)、2,8−ジフェニル−4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−III)、4−[4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]−6−フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP−IV)などのチオフェン骨格を有する化合物や、4,4’,4’’−(ベンゼン−1,3,5−トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P−II)、4−{3−[3−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi−II)などのフラン骨格を有する化合物が挙げられる。上述した中でも、芳香族アミン骨格を有する化合物やカルバゾール骨格を有する化合物は、信頼性が良好であり、また、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与するため好ましい。
なお、励起錯体を形成するホスト材料の組み合わせとしては、上述した化合物に限定されることなく、キャリアを輸送でき、且つ励起錯体を形成できる組み合わせであり、当該励起錯体の発光が、発光材料の吸収スペクトルにおける最も長波長側の吸収帯(発光材料の一重項基底状態から一重項励起状態への遷移に相当する吸収)と重なっていればよく、他の材料を用いても良い。
また、発光層に用いるホスト材料として、熱活性化遅延蛍光材料を用いても良い。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層118には、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体などが挙げられる。具体的には、Alq、Almq3、BeBq2、BAlq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体を用いることができる。また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)、などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10−6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層118として用いてもよい。
また、電子輸送層118は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が2層以上積層してもよい。
また、電子輸送層118と発光層130との間に電子キャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であって、電子キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、発光層を電子が突き抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
≪電子注入層≫
電子注入層119は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層119には、フッ化リチウム(LiF、フッ化ナトリウム(NaF))、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層119に、有機化合物と電子供与体(ドナー材料)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
なお、量子ドットとしては、コロイド状量子ドット、合金型量子ドット、コア・シェル型量子ドット、コア型量子ドット、などを用いてもよい。また、2族と16族、13族と15族、13族と17族、11族と17族、または14族と15族の元素グループを含む量子ドットを用いてもよい。または、カドミウム(Cd)、セレン(Se)、亜鉛(Zn)、硫黄(S)、リン(P)、インジウム(In)、テルル(Te)、鉛(Pb)、ガリウム(Ga)、ヒ素(As)、アルミニウム(Al)、等の元素を有する量子ドットを用いてもよい。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
また、発光層に用いることができる高分子化合物としては、例えば、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](略称:MEH−PPV)、ポリ(2,5−ジオクチル−1,4−フェニレンビニレン)等のポリフェニレンビニレン(PPV)誘導体、ポリ(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(略称:PF8)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(ベンゾ[2,1,3]チアジアゾール−4,8−ジイル)](略称:F8BT)、ポリ[(9,9−ジ−n−オクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−alt−(2,2’−ビチオフェン−5,5’−ジイル)](略称F8T2)、ポリ[(9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレンフルオレニレン)−alt−(9,10−アントラセン)]、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−alt−(2,5−ジメチル−1,4−フェニレン)]等のポリフルオレン誘導体、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(略称:P3HT)等のポリアルキルチオフェン(PAT)誘導体、ポリフェニレン誘導体等が挙げられる。また、これらの高分子化合物や、ポリ(9−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(2−ビニルナフタレン)、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン](略称:PTAA)等の高分子化合物に、発光性の低分子化合物をドープして発光層に用いてもよい。発光性の低分子化合物としては、先に挙げた蛍光性化合物を用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレートからなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特に限定されない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含むセルロースナノファイバ(CNF)や紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性の劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置し、別の基板上に発光素子を配置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態においては、実施の形態1に示す構成と異なる構成の発光素子、及び当該発光素子の発光機構について、図4を用いて、以下説明を行う。なお、図4において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例>
図4は、発光素子250の断面模式図である。
図4に示す発光素子250は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に、複数の発光ユニット(図4においては、発光ユニット106及び発光ユニット108)を有する。1つの発光ユニットは、図1で示すEL層100と同様な構成を有する。つまり、図1で示した発光素子150は、1つの発光ユニットを有し、発光素子250は、複数の発光ユニットを有する。なお、発光素子250において、電極101が陽極として機能し、電極102が陰極として機能するとして、以下説明するが、発光素子250の構成としては、逆であっても構わない。
また、図4に示す発光素子250において、発光ユニット106と発光ユニット108とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット108との間には電荷発生層115が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット108は、同じ構成でも異なる構成でもよい。例えば、発光ユニット108に、図1で示すEL層100を用いると好ましい。
また、発光素子250は、発光層130と、発光層140と、を有する。また、発光ユニット106は、発光層130の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット108は、発光層140の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
電荷発生層115は、電子受容体であるアクセプタ材料を有する構成であっても、電子供与体であるドナー性材料を有する構成であってもよい。電荷発生層115にアクセプタ材料を用いる場合、実施の形態1に挙げた有機アクセプタ材料を用いることが好ましい。
また、電荷発生層115は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプタ材料が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー材料が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層115に、有機化合物とアクセプタ材料の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態1に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10−6cm2/Vs以上である物質を適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。有機化合物とアクセプタ材料の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニット108のように、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けなくとも良い。
なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプタ材料の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプタ材料の複合材料を含む層と、電子供与体の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプタ材料の複合材料を含む層と、透明導電性材料を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、電極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図4において、電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注入する。
なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率であっても機能する。電荷発生層115の導電率が一対の電極と同程度に高い場合、電荷発生層115によって発生したキャリアが、膜面方向に流れることで、電極101と電極102とが重ならない領域で発光が生じてしまう場合がある。このような不良を抑制するためには、電荷発生層115は、一対の電極よりも導電率が低い材料で形成されると好ましい。
上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図4においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子250に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
なお、一対の電極のうち少なくとも一つ、および複数のユニットのうち少なくとも一つのユニットに、実施の形態1と同様の構成を適用することによって、駆動電圧が低い発光素子を提供することができる。
特に、電極101が有する導電層101b、及び発光ユニット106が有する正孔注入層111は、実施の形態1で示した構成を有すると好ましい。そうすることで、発光素子250は、駆動電圧が低い発光素子となり好適である。
なお、発光ユニット106および発光ユニット108に用いるゲスト材料としては、同じであっても異なっていてもよい。発光ユニット106と発光ユニット108とで同じゲスト材料を有する場合、発光素子250は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。また、発光ユニット106と発光ユニット108とで異なるゲスト材料を有する場合、発光素子250は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光、になるようゲスト材料を選択することが好適である。
なお、発光ユニット106、発光ユニット108、及び電荷発生層115は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1及び実施の形態2に示す構成と異なる構成の発光素子の例について、図5及び図6を用いて以下に説明する。
<発光素子の構成例1>
図5は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図5において、図1に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図5に示す発光素子260は、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子であってもよく、基板200と反対方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子であってもよい。なお、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型の発光素子であっても良い。
発光素子260が、ボトムエミッション型である場合、電極101は、光を透過する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。あるいは、発光素子260が、トップエミッション型である場合、電極101は、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能を有することが好ましい。
発光素子260は、基板200上に電極101と、電極102とを有する。また、電極101と電極102との間に、発光層123Bと、発光層123Gと、発光層123Rと、を有する。また、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する。
また、電極101は、導電層101aと、導電層101a上に接する導電層101bと、を有する。導電層101aは光を反射する機能を有し、導電層101bは光を透過する機能を有すると好ましい。
なお、電極101及び正孔注入層111は、実施の形態1で示した電極101及び正孔注入層111と同様の構成および材料を用いることができる。そうすることで、駆動電圧が低い発光素子を提供することができる。
図5においては、電極101と電極102とで挟持された領域221B、領域221G、及び領域221R、の間に隔壁145を有する。隔壁145は、絶縁性を有する。隔壁145は、電極101の端部を覆い、該電極と重なる開口部を有する。隔壁145を設けることによって、各領域の基板200上の電極101を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
なお、発光層123Bと、発光層123Gとは、隔壁145と重なる領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。また、発光層123Gと、発光層123Rとは、隔壁145と重なる領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。また、発光層123Rと、発光層123Bとは、隔壁145と重なる領域において、互いに重なる領域を有していてもよい。
隔壁145としては、絶縁性であればよく、無機材料または有機材料を用いて形成される。該無機材料としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。該有機材料としては、例えば、アクリル樹脂、またはポリイミド樹脂等の感光性の樹脂材料が挙げられる。
また、発光層123R、発光層123G、発光層123Bは、それぞれ異なる色を呈する機能を有する発光材料を有することが好ましい。例えば、発光層123Rが赤色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Rは赤色の発光を呈し、発光層123Gが緑色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Gは緑色の発光を呈し、発光層123Bが青色を呈する機能を有する発光材料を有することで、領域221Bは青色の発光を呈する。このような構成を有する発光素子260を、表示装置の画素に用いることで、フルカラー表示が可能な表示装置を作製することができる。また、それぞれの発光層の膜厚は、同じであっても良いし、異なっていても良い。
なお、発光層123B、発光層123G、発光層123R、のいずれか一つまたは複数の発光層は、2層以上が積層された構成としても良い。
以上のように、実施の形態1で示した構成を有する発光素子260を、表示装置の画素に用いることで、駆動電圧が低い表示装置を提供することができる。すなわち、発光素子260を有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、光を取り出す電極上に、カラーフィルタを設けることで、発光素子260の色純度を向上させることができる。そのため、発光素子260を有する表示装置の色純度を高めることができる。
また、光を取り出す電極上に、偏光板を設けることで、発光素子260の外光反射を低減することができる。そのため、発光素子260を有する表示装置のコントラスト比を高めることができる。
なお、発光素子260における他の構成については、実施の形態1における発光素子の構成を参酌すればよい。
<発光素子の構成例2>
次に、図5に示す発光素子と異なる構成例について、図6(A)(B)を用いて、以下説明を行う。
図6(A)(B)は、本発明の一態様の発光素子を示す断面図である。なお、図6(A)(B)において、図5に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
図6(A)(B)は、一対の電極間に、発光層を有する発光素子の構成例である。図6(A)に示す発光素子262aは、基板200と反対の方向に光を取り出す上面射出(トップエミッション)型の発光素子、図6(B)に示す発光素子262bは、基板200側に光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)型の発光素子である。ただし、本発明の一態様はこれに限定されず、発光素子が呈する光を発光素子が形成される基板200の上方および下方の双方に取り出す両面射出(デュアルエミッション)型であっても良い。
発光素子262a及び発光素子262bは、基板200上に電極101と、電極102と、電極103と、電極104とを有する。また、電極101と電極102との間、及び電極102と電極103との間、及び電極102と電極104との間に、少なくとも発光層130と、電荷発生層115とを有する。また、正孔注入層111と、正孔輸送層112と、発光層140と、電子輸送層113と、電子注入層114と、正孔注入層116と、正孔輸送層117と、電子輸送層118と、電子注入層119と、を有する。
また、電極101は、導電層101aと、導電層101a上に接する導電層101bと、を有する。また、電極103は、導電層103aと、導電層103a上に接する導電層103bと、を有する。電極104は、導電層104aと、導電層104a上に接する導電層104bと、を有する。
図6(A)に示す発光素子262a、及び図6(B)に示す発光素子262bは、電極101と電極102とで挟持された領域222B、電極102と電極103とで挟持された領域222G、及び電極102と電極104とで挟持された領域222R、の間に、隔壁145を有する。隔壁145は、絶縁性を有する。隔壁145は、電極101、電極103、及び電極104の端部を覆い、該電極と重なる開口部を有する。隔壁145を設けることによって、各領域の基板200上の該電極を、それぞれ島状に分離することが可能となる。
また、発光素子262a及び発光素子262bは、領域222B、領域222G、及び領域222Rから呈される光が取り出される方向に、それぞれ光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rを有する基板220を有する。各領域から呈される光は、各光学素子を介して発光素子外部に射出される。すなわち、領域222Bから呈される光は、光学素子224Bを介して射出され、領域222Gから呈される光は、光学素子224Gを介して射出され、領域222Rから呈される光は、光学素子224Rを介して射出される。
また、光学素子224B、光学素子224G、及び光学素子224Rは、入射される光から特定の色を呈する光を選択的に透過する機能を有する。例えば、光学素子224Bを介して射出される領域222Bから呈される光は、青色を呈する光となり、光学素子224Gを介して射出される領域222Gから呈される光は、緑色を呈する光となり、光学素子224Rを介して射出される領域222Rから呈される光は、赤色を呈する光となる。
光学素子224R、光学素子224G、及び光学素子224Bには、例えば、着色層(カラーフィルタともいう)、バンドパスフィルタ、多層膜フィルタなどを適用できる。また、光学素子に色変換素子を適用することができる。色変換素子は、入射される光を、当該光の波長より長い波長の光に変換する光学素子である。色変換素子として、量子ドットを用いる素子であると好適である。量子ドットを用いることにより、表示装置の色再現性を高めることができる。
なお、光学素子224R、光学素子224G、及び光学素子224B上に複数の光学素子を重ねて設けてもよい。他の光学素子としては、例えば円偏光板や反射防止膜などを設けることができる。円偏光板を、表示装置の発光素子が発する光が取り出される側に設けると、表示装置の外部から入射した光が、表示装置の内部で反射されて、外部に射出される現象を防ぐことができる。また、反射防止膜を設けると、表示装置の表面で反射される外光を弱めることができる。これにより、表示装置が発する発光を、鮮明に観察できる。
なお、図6(A)(B)において、各光学素子を介して各領域から射出される光を、青色(B)を呈する光、緑色(G)を呈する光、赤色(R)を呈する光、として、それぞれ破線の矢印で模式的に図示している。
また、各光学素子の間には、遮光層223を有する。遮光層223は、隣接する領域から発せられる光を遮光する機能を有する。なお、遮光層223を設けない構成としても良い。
遮光層223としては、外光の反射を抑制する機能を有する。または、遮光層223としては、隣接する発光素子から発せられる光の混色を防ぐ機能を有する。遮光層223としては、金属、黒色顔料を含んだ樹脂、カーボンブラック、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等を用いることができる。
なお、基板200、及び光学素子を有する基板220としては、実施の形態1を参酌すればよい。
さらに、発光素子262a及び発光素子262bは、マイクロキャビティ構造を有する。
≪マイクロキャビティ構造≫
発光層130、及び発光層140から射出される光は、一対の電極(例えば、電極101と電極102)の間で共振される。また、発光層130及び発光層140は、射出される光のうち所望の波長の光が強まる位置に形成される。例えば、電極101の反射領域から発光層130の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層130の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層130から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。また、電極101の反射領域から発光層140の発光領域までの光学距離と、電極102の反射領域から発光層140の発光領域までの光学距離と、を調整することにより、発光層140から射出される光のうち所望の波長の光を強めることができる。すなわち、複数の発光層(ここでは、発光層130及び発光層140)を積層する発光素子の場合、発光層130及び発光層140のそれぞれの光学距離を最適化することが好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおいては、各領域で導電層(導電層101b、導電層103b、及び導電層104b)の厚さを調整することで、発光層130及び発光層140から呈される光のうち所望の波長の光を強めることができる。なお、各領域で正孔注入層111及び正孔輸送層112のうち、少なくとも一つの厚さを異ならせることで、発光層130及び発光層140から呈される光を強めても良い。
例えば、電極101乃至電極104において、光を反射する機能を有する導電性材料の屈折率が、発光層130または発光層140の屈折率よりも小さい場合においては、電極101が有する導電層101bの膜厚を、電極101と電極102との間の光学距離がmBλB/2(mBは自然数、λBは領域222Bで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。同様に、電極103が有する導電層103bの膜厚を、電極103と電極102との間の光学距離がmGλG/2(mGは自然数、λGは領域222Gで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。さらに、電極104が有する導電層104bの膜厚を、電極104と電極102との間の光学距離がmRλR/2(mRは自然数、λRは領域222Rで強める光の波長を、それぞれ表す)となるよう調整する。
上記のように、マイクロキャビティ構造を設け、各領域の一対の電極間の光学距離を調整することで、各電極近傍における光の散乱および光の吸収を抑制し、高い光取り出し効率を実現することができる。なお、上記構成においては、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、光を透過する機能を有することが好ましい。また、導電層101b、導電層103b、導電層104b、を構成する材料は、互いに同じであっても良いし、異なっていても良い。また、導電層101b、導電層103b、導電層104bは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
また、導電層101b、導電層103b、及び導電層104bは、実施の形態1で示した導電層101bと同様の構成および材料を用いることができる。また、正孔注入層111は、実施の形態1で示した正孔注入層111と同様の構成および材料を用いることができる。そうすることで、駆動電圧が低い発光素子を提供することができる。
なお、図6(A)に示す発光素子262aは、上面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、及び導電層104aは、光を反射する機能を有することが好ましい。また、電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能とを有することが好ましい。
また、図6(B)に示す発光素子262bは、下面射出型の発光素子であるため、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有することが好ましい。また、電極102は、光を反射する機能を有することが好ましい。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおいて、導電層101a、導電層103a、または導電層104a、に同じ材料を用いても良いし、異なる材料を用いても良い。導電層101a、導電層103a、導電層104a、に同じ材料を用いる場合、発光素子262a及び発光素子262bの製造コストを低減できる。なお、導電層101a、導電層103a、導電層104aは、それぞれ2層以上の層が積層された構成であっても良い。
また、発光素子262a及び発光素子262bにおける電極101、電極103、電極104、及び正孔注入層111に実施の形態1で示した構成と同様の構成を用いることが好ましい。そうすることで、駆動電圧が低い発光素子を提供することができる。
また、発光層130及び発光層140は、例えば発光層140a及び発光層140bのように、一方または双方で2層が積層された構成としてもよい。2層の発光層に、第1の発光材料及び第2の発光材料という、異なる色を呈する機能を有する2種類の発光材料をそれぞれ用いることで、複数の色を含む発光を得ることができる。特に発光層130と、発光層140と、が呈する発光により、白色となるよう、各発光層に用いる発光材料を選択すると好ましい。
また、発光層130または発光層140は、一方または双方で3層以上が積層された構成としても良く、発光材料を有さない層が含まれていても良い。
以上のように、実施の形態1で示した発光層の構成を有する発光素子262aまたは発光素子262bを、表示装置の画素に用いることで、駆動電圧が低い表示装置を提供することができる。すなわち、発光素子262aまたは発光素子262bを有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
なお、発光素子262a及び発光素子262bにおける他の構成については、発光素子260、あるいは実施の形態1及び実施の形態2で示した発光素子の構成を参酌すればよい。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する表示装置について、図7乃至図9を用いて説明する。
<表示装置の構成例1>
図7(A)は表示装置600を示す上面図、図7(B)は図7(A)の一点鎖線A−B、及び一点鎖線C−Dで切断した断面図である。表示装置600は、駆動回路部(信号線駆動回路部601、及び走査線駆動回路部603)、並びに画素部602を有する。なお、信号線駆動回路部601、走査線駆動回路部603、及び画素部602は、発光素子の発光を制御する機能を有する。
また、表示装置600は、素子基板610と、封止基板604と、シール材605と、シール材605で囲まれた領域607と、引き回し配線608と、FPC609と、を有する。
なお、引き回し配線608は、信号線駆動回路部601及び走査線駆動回路部603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPC609しか図示されていないが、FPC609にはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。
また、信号線駆動回路部601は、Nチャネル型のトランジスタ623とPチャネル型のトランジスタ624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。なお、信号線駆動回路部601または走査線駆動回路部603は、種々のCMOS回路、PMOS回路、またはNMOS回路を用いることが出来る。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路部を形成したドライバと画素とを同一の表面上に設けた表示装置を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路部を基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部602は、スイッチング用のトランジスタ611と、電流制御用のトランジスタ612と、電流制御用のトランジスタ612のドレインに電気的に接続された下部電極613と、を有する。なお、下部電極613の端部を覆って隔壁614が形成されている。隔壁614としては、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることができる。
また、被覆性を良好にするため、隔壁614の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、隔壁614の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、隔壁614の上端部のみに曲率半径(0.2μm以上3μm以下)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、隔壁614として、ネガ型の感光性樹脂、またはポジ型の感光性樹脂のいずれも使用することができる。
なお、トランジスタ(トランジスタ611、612、623、624)の構造は、特に限定されない。例えば、スタガ型のトランジスタを用いてもよい。また、トランジスタの極性についても特に限定はなく、Nチャネル型およびPチャネル型のトランジスタを有する構造、及びNチャネル型のトランジスタまたはPチャネル型のトランジスタのいずれか一方のみからなる構造を用いてもよい。また、トランジスタに用いられる半導体膜の結晶性についても特に限定はない。例えば、非晶質半導体膜、結晶性半導体膜を用いることができる。また、半導体材料としては、14族(ケイ素等)半導体、化合物半導体(酸化物半導体を含む)、有機半導体等を用いることができる。トランジスタとしては、例えば、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、さらに好ましくは3eV以上の酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができるため好ましい。該酸化物半導体としては、In−Ga酸化物、In−M−Zn酸化物(Mは、Al、Si、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Sn、Nd、及びHfのいずれか一つまたは複数を表す)等が挙げられる。
なお、上記トランジスタにおいて、トランジスタのチャネル領域が有する酸化物半導体層と、下部電極613を構成する導電層と、に同じ元素を有する酸化物を用いることが好適である。すなわち、トランジスタのチャネル領域に用いる酸化物半導体層には、Inと、M(MはAl、Si、Ti、Ga、Y、Zr、La、Ce、Nd、及びHfに一以上)と、を有することが、好ましい。また、該酸化物半導体層と該導電層とで、同じ材料を用いることが、特に好ましい。
下部電極613上には、EL層616、および上部電極617がそれぞれ形成されている。なお、下部電極613は、陽極として機能し、上部電極617は、陰極として機能する。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法(真空蒸着法を含む)、液滴吐出法(インクジェット法ともいう)、スピンコート法等の塗布法、グラビア印刷法等の種々の方法によって形成される。また、EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
なお、下部電極613、EL層616、及び上部電極617により、発光素子618が形成される。発光素子618は、実施の形態1乃至実施の形態3の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部に複数の発光素子が形成される場合、実施の形態1乃至実施の形態3に記載の発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
また、シール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた領域607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、領域607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材605に用いることができる紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂で充填される場合もあり、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂を用いることができる。封止基板には凹部を形成し、そこに乾燥剤を設けると水分の影響による劣化を抑制することができ、好ましい構成である。
また、発光素子618と互いに重なるように、光学素子621が封止基板604の下方に設けられる。また、封止基板604の下方には、遮光層622が設けられる。光学素子621及び遮光層622としては、それぞれ、実施の形態3に示す光学素子、及び遮光層と同様の構成とすればよい。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しにくい材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態1乃至実施の形態3に記載の発光素子及び光学素子を有する表示装置を得ることができる。
<表示装置の構成例2>
次に、表示装置の別の一例について、図8(A)(B)を用いて説明を行う。なお、図8(A)(B)は、本発明の一態様の表示装置の断面図である。
図8(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の下部電極1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の上部電極1026、封止層1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図8(A)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、遮光層1035をさらに設けても良い。着色層及び遮光層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び遮光層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図8(A)においては、着色層を透過する光は赤、緑、青となることから、3色の画素で映像を表現することができる。
図8(B)では、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示している。このように、着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられていても良い。
なお、光学素子の一例として、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を第1の層間絶縁膜1020と第2の層間絶縁膜1021との間に形成してもよい。
また、以上に説明した表示装置では、トランジスタが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の表示装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の表示装置としても良い。
<表示装置の構成例3>
トップエミッション型の表示装置の断面図の一例を図9(A)(B)に示す。図9(A)(B)は、本発明の一態様の表示装置を説明する断面図であり、図8(A)(B)に示す駆動回路部1041、周辺部1042等を省略して例示している。
この場合、基板1001は光を通さない基板を用いることができる。トランジスタと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の表示装置と同様に形成する。その後、電極1022を覆うように、第3の層間絶縁膜1037を形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の下部電極1024R、1024G、1024Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図9(A)(B)のようなトップエミッション型の表示装置である場合、下部電極1024R、1024G、1024Bは光を反射する機能を有することが好ましい。下部電極1024R、1024G、1024B、及びEL層1028の構成は、それぞれ実施の形態1の電極101、及びEL層100と同様の構成とすることができる。すなわち、下部電極1024R、1024G、1024Bは、第1の導電層と、第1の導電層上に接する第2の導電層とを有し、第1の導電層が光を反射する機能を有し、第2の導電層が光を透過する機能を有すると好ましい。また、EL層1028上に上部電極1026が設けられる。上部電極1026は光を反射する機能と、光を透過する機能を有し、下部電極1024R、1024G、1024Bと、上部電極1026との間で、マイクロキャビティ構造を採用し、特定波長における光強度を増加させると好ましい。
図9(A)のようなトップエミッションの構造では、着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、及び青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように遮光層1035を設けても良い。なお、封止基板1031は透光性を有する基板を用いると好適である。
また、図9(A)においては、複数の発光素子と、該複数の発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、図9(B)に示すように、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層1034R、及び青色の着色層1034Bを設けて、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行う構成としてもよい。図9(A)に示すように、発光素子と、該発光素子にそれぞれ着色層を設ける構成とした場合、外光反射を抑制できるといった効果を奏する。一方で、図9(B)に示すように、発光素子に、緑色の着色層を設けずに、赤色の着色層、及び青色の着色層を設ける構成とした場合、緑色の発光素子から射出された光のエネルギー損失が少ないため、消費電力を低くできるといった効果を奏する。
以上に示す表示装置は、3色(赤色、緑色、青色)の副画素を有する構成を示したが、4色(赤色、緑色、青色、黄色、あるいは赤色、緑色、青色、白色)の副画素を有する構成としてもよい。その場合、黄色の光を透過する機能、あるいは青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有する着色層を用いることができる。該着色層が青色、緑色、黄色、赤色の中から選ばれる複数の光を透過する機能を有するとき、該着色層を透過した光は白色であってもよい。黄色あるいは白色の発光を呈する発光素子は発光効率が高いため、このような構成を有する表示装置は、消費電力を低減することができる。
また、図7に示す表示装置600は、素子基板610、封止基板604、及びシール材605で囲まれた領域607に、封止層を形成してもよい。該封止層には、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)系樹脂、またはEVA(エチレンビニルアセテート)系樹脂等の樹脂を用いることができる。また、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等の無機材料を用いてもよい。領域607に封止層を形成することで、水などの不純物による発光素子618の劣化を抑制することができ好ましい。なお、封止層を形成する場合、シール材605を設けなくてもよい。
また、封止層を多層にすることで、水などの不純物が、表示装置600の外部から表示装置内部の発光素子618まで侵入するのを効果的に防ぐことができるため好ましい。なお、封止層が多層の場合、樹脂と無機材料とを積層させると好ましい構成である。
なお、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態や本実施の形態中の他の構成と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を有する電子機器、発光装置、及び照明装置について、図10乃至図12を用いて説明を行う。
<電子機器に関する説明>
図10(A)乃至図10(G)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体9000、表示部9001、スピーカ9003、操作キー9005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子9006、センサ9007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン9008、等を有することができる。また、センサ9007は、脈拍センサや指紋センサ等のように生体情報を測定する機能を有してもよい。
図10(A)乃至図10(G)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチセンサ機能、カレンダー、日付または時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信または受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図10(A)乃至図10(G)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。また、図10(A)乃至図10(G)には図示していないが、電子機器には、複数の表示部を有する構成としてもよい。また、該電子機器にカメラ等を設け、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を記録媒体(外部またはカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有していてもよい。
図10(A)乃至図10(G)に示す電子機器の詳細について、以下説明を行う。
図10(A)は、携帯情報端末9100を示す斜視図である。携帯情報端末9100が有する表示部9001は、可撓性を有する。そのため、湾曲した筐体9000の湾曲面に沿って表示部9001を組み込むことが可能である。また、表示部9001はタッチセンサを備え、指やスタイラスなどで画面に触れることで操作することができる。例えば、表示部9001に表示されたアイコンに触れることで、アプリケーションを起動することができる。
図10(B)は、携帯情報端末9101を示す斜視図である。携帯情報端末9101は、例えば電話機、手帳又は情報閲覧装置等から選ばれた一つ又は複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。なお、携帯情報端末9101は、スピーカ9003、接続端子9006、センサ9007等を省略して図示しているが、図10(A)に示す携帯情報端末9100と同様の位置に設けることができる。また、携帯情報端末9101は、文字や画像情報をその複数の面に表示することができる。例えば、3つの操作ボタン9050(操作アイコンまたは単にアイコンともいう)を表示部9001の一の面に表示することができる。また、破線の矩形で示す情報9051を表示部9001の他の面に表示することができる。なお、情報9051の一例としては、電子メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や電話などの着信を知らせる表示、電子メールやSNSなどの題名、電子メールやSNSなどの送信者名、日時、時刻、バッテリの残量、電波等の受信信号の強度を示す表示などがある。または、情報9051が表示されている位置に、情報9051の代わりに、操作ボタン9050などを表示してもよい。
筐体9000の材料としては、例えば、合金、プラスチック、セラミックス等を用いることができる。プラスチックとしては強化プラスチックを用いることもできる。強化プラスチックの一種である炭素繊維強化樹脂複合材(Carbon Fiber Reinforced Plastics:CFRP)は軽量であり且つ腐食しない利点がある。また、他の強化プラスチックとしては、ガラス繊維を用いた強化プラスチック、アラミド繊維を用いた強化プラスチックを挙げることができる。合金としては、アルミニウム合金やマグネシウム合金が挙げられるが、中でもジルコニウムと銅とニッケルとチタンを含む非晶質合金(金属ガラスとも呼ばれる)が弾性強度の点で優れている。この非晶質合金は、室温においてガラス遷移領域を有する非晶質合金であり、バルク凝固非晶質合金とも呼ばれ、実質的に非晶質原子構造を有する合金である。凝固鋳造法により、少なくとも一部の筐体の鋳型内に合金材料が鋳込まれ、凝固させて一部の筐体をバルク凝固非晶質合金で形成する。非晶質合金は、ジルコニウム、銅、ニッケル、チタン以外にもベリリウム、シリコン、ニオブ、ボロン、ガリウム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、コバルト、イットリウム、バナジウム、リン、炭素などを含んでもよい。また、非晶質合金は、凝固鋳造法に限定されず、真空蒸着法、スパッタ法、電解めっき法、無電解メッキ法などによって形成してもよい。また、非晶質合金は、全体として長距離秩序(周期構造)を持たない状態を維持するのであれば、微結晶またはナノ結晶を含んでもよい。なお、合金とは、単一の固体相構造を有する完全固溶体合金と、2つ以上の相を有する部分溶体の両方を含むこととする。筐体9000に非晶質合金を用いることで高い弾性を有する筐体を実現できる。従って、携帯情報端末9101を落下させても、筐体9000が非晶質合金であれば、衝撃が加えられた瞬間には一時的に変形しても元に戻るため、携帯情報端末9101の耐衝撃性を向上させることができる。
図10(C)は、携帯情報端末9102を示す斜視図である。携帯情報端末9102は、表示部9001の3面以上に情報を表示する機能を有する。ここでは、情報9052、情報9053、情報9054がそれぞれ異なる面に表示されている例を示す。例えば、携帯情報端末9102の使用者は、洋服の胸ポケットに携帯情報端末9102を収納した状態で、その表示(ここでは情報9053)を確認することができる。具体的には、着信した電話の発信者の電話番号又は氏名等を、携帯情報端末9102の上方から観察できる位置に表示する。使用者は、携帯情報端末9102をポケットから取り出すことなく、表示を確認し、電話を受けるか否かを判断できる。
図10(D)は、腕時計型の携帯情報端末9200を示す斜視図である。携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図10(E)(F)(G)は、折り畳み可能な携帯情報端末9201を示す斜視図である。また、図10(E)が携帯情報端末9201を展開した状態の斜視図であり、図10(F)が携帯情報端末9201を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図10(G)が携帯情報端末9201を折り畳んだ状態の斜視図である。携帯情報端末9201は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9201が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9201を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9201は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
また、電子機器としては、例えば、テレビジョン装置(テレビ、又はテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機(携帯電話、携帯電話装置ともいう)、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
また、本発明の一態様の電子機器は、二次電池を有していてもよく、非接触電力伝送を用いて、二次電池を充電することができると好ましい。
二次電池としては、例えば、ゲル状電解質を用いるリチウムポリマー電池(リチウムイオンポリマー電池)等のリチウムイオン二次電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニカド電池、有機ラジカル電池、鉛蓄電池、空気二次電池、ニッケル亜鉛電池、銀亜鉛電池などが挙げられる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器が二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
また、本発明の一態様の電子機器又は照明装置は可撓性を有するため、家屋やビルの内壁もしくは外壁、又は、自動車の内装もしくは外装の曲面に沿って組み込むことも可能である。例えば、自動車のダッシュボードや、フロントガラス、天井等に照明を設置することができる。
<発光装置に関する説明>
本実施の形態で示す、発光装置3000の斜視図を図11(A)に、図11(A)に示す一点鎖線E−F間に相当する断面図を図11(B)に、それぞれ示す。なお、図11(A)において、図面の煩雑さを避けるために、構成要素の一部を破線で表示している。
図11(A)(B)に示す発光装置3000は、基板3001と、基板3001上の発光素子3005と、発光素子3005の外周に設けられた第1の封止領域3007と、第1の封止領域3007の外周に設けられた第2の封止領域3009と、を有する。
また、発光素子3005からの発光は、基板3001及び基板3003のいずれか一方または双方から射出される。図11(A)(B)においては、発光素子3005からの発光が下方側(基板3001側)に射出される構成について説明する。
また、図11(A)(B)に示すように、発光装置3000は、発光素子3005が第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とに、囲まれて配置される二重封止構造である。二重封止構造とすることで、発光素子3005側に入り込む外部の不純物(例えば、水、酸素など)を、好適に抑制することができる。ただし、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009を、必ずしも設ける必要はない。例えば、第1の封止領域3007のみの構成としてもよい。
なお、図11(B)において、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009は、基板3001及び基板3003と接して設けられる。ただし、これに限定されず、例えば、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3001の上方に形成される絶縁膜、あるいは導電層と接して設けられる構成としてもよい。または、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009の一方または双方は、基板3003の下方に形成される絶縁膜、あるいは導電層と接して設けられる構成としてもよい。
基板3001及び基板3003としては、それぞれ先の実施の形態に記載の基板200と、基板220と同様の構成とすればよい。発光素子3005としては、先の実施の形態に記載の発光素子と同様の構成とすればよい。
第1の封止領域3007としては、ガラスを含む材料(例えば、ガラスフリット、ガラスリボン等)を用いればよい。また、第2の封止領域3009としては、樹脂を含む材料を用いればよい。第1の封止領域3007として、ガラスを含む材料を用いることで、生産性や封止性を高めることができる。また、第2の封止領域3009として、樹脂を含む材料を用いることで、耐衝撃性や耐熱性を高めることができる。ただし、第1の封止領域3007と、第2の封止領域3009とは、これに限定されず、第1の封止領域3007が樹脂を含む材料で形成され、第2の封止領域3009がガラスを含む材料で形成されてもよい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ホウ素、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化テルル、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化鉛、酸化スズ、酸化リン、酸化ルテニウム、酸化ロジウム、酸化鉄、酸化銅、二酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化リチウム、酸化アンチモン、ホウ酸鉛ガラス、リン酸スズガラス、バナジン酸塩ガラス又はホウケイ酸ガラス等を含む。赤外光を吸収させるため、少なくとも一種類以上の遷移金属を含むことが好ましい。
また、上述のガラスフリットとしては、例えば、基板上にフリットペーストを塗布し、これに加熱処理、またはレーザ照射などを行う。フリットペーストには、上記ガラスフリットと、有機溶媒で希釈した樹脂(バインダとも呼ぶ)とが含まれる。また、ガラスフリットにレーザ光の波長の光を吸収する吸収剤を添加したものを用いても良い。また、レーザとして、例えば、Nd:YAGレーザや半導体レーザなどを用いることが好ましい。また、レーザ照射の際のレーザの照射形状は、円形でも四角形でもよい。
また、上述の樹脂を含む材料としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂を用いることができる。もしくは、シリコーンなどのシロキサン結合を有する樹脂を含む材料を用いることができる。
なお、第1の封止領域3007及び第2の封止領域3009のいずれか一方または双方にガラスを含む材料を用いる場合、当該ガラスを含む材料と、基板3001との熱膨張率が近いことが好ましい。上記構成とすることで、熱応力によりガラスを含む材料または基板3001にクラックが入るのを抑制することができる。
例えば、第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用い、第2の封止領域3009に樹脂を含む材料を用いる場合、以下の優れた効果を有する。
第2の封止領域3009は、第1の封止領域3007よりも、発光装置3000の外周部に近い側に設けられる。発光装置3000は、外周部に向かうにつれ、外力等による歪みが大きくなる。よって、歪みが大きくなる発光装置3000の外周部側、すなわち第2の封止領域3009に、樹脂を含む材料によって封止し、第2の封止領域3009よりも内側に設けられる第1の封止領域3007にガラスを含む材料を用いて封止することで、外力等の歪みが生じても発光装置3000が壊れにくくなる。
また、図11(B)に示すように、基板3001、基板3003、第1の封止領域3007、及び第2の封止領域3009に囲まれた領域には、第1の領域3011が形成される。また、基板3001、基板3003、発光素子3005、及び第1の封止領域3007に囲まれた領域には、第2の領域3013が形成される。
第1の領域3011及び第2の領域3013としては、例えば、希ガスまたは窒素ガス等の不活性ガスが充填されていると好ましい。あるいは、アクリルやエポキシ等の樹脂が充填されていると好ましい。なお、第1の領域3011及び第2の領域3013としては、大気圧状態よりも減圧状態であると好ましい。
また、図11(B)に示す構成の変形例を図11(C)に示す。図11(C)は、発光装置3000の変形例を示す断面図である。
図11(C)は、基板3003の一部に凹部を設け、該凹部に乾燥剤3018を設ける構成である。それ以外の構成については、図11(B)に示す構成と同じである。
乾燥剤3018としては、化学吸着によって水分等を吸着する物質、または物理吸着によって水分等を吸着する物質を用いることができる。例えば、乾燥剤3018として用いることができる物質としては、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類金属の酸化物(酸化カルシウムや酸化バリウム等)、硫酸塩、金属ハロゲン化物、過塩素酸塩、ゼオライト、シリカゲル等が挙げられる。
<照明装置に関する説明>
図12は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光素子を適用して表示モジュール、発光装置、電子機器、及び照明装置を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様に係る酸化物のエネルギー準位、及び有機アクセプタ材料のエネルギー準位を測定した結果を示す。
<酸化物のエネルギー準位>
基板上に導電層として、In−Ga−Zn酸化物を形成した。In−Ga−Zn酸化物のスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In:Ga:Zn=1:1:1、In:Ga:Zn=1:3:2、In:Ga:Zn=1:3:4、In:Ga:Zn=1:3:6、In:Ga:Zn=1:4:5、In:Ga:Zn=4:2:4.1、をそれぞれ用いた。
上記酸化物のエネルギーギャップは、分光エリプソメータ(HORIBA JOBIN YVON社 UT−300)を用いて測定した。また、真空準位と価電子帯上端のエネルギー準位との差は、紫外線光電子分光分析(UPS:Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy)装置(PHI社 VersaProbe)を用いて測定した。真空準位と伝導帯下端のエネルギー準位との差である電子親和力は、真空準位と価電子帯上端のエネルギー準位との差からバンドギャップを引くことで算出した。
原子数比がIn:Ga:Zn=1:1:1のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.2eV、電子親和力は約4.7eVであった。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:2のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.5eV、電子親和力は約4.5eVであった。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:4のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.4eV、電子親和力は約4.5eVであった。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:3:6のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.3eV、電子親和力は約4.5eVであった。また、原子数比がIn:Ga:Zn=1:4:5のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.6eV、電子親和力は約4.3eVであった。また、原子数比がIn:Ga:Zn=4:2:4.1のターゲットを用いて形成したIn−Ga−Zn酸化物のエネルギーギャップは約3.0eV、電子親和力は約4.4eVであった。
<有機アクセプタ材料のエネルギー準位>
次に、有機アクセプタ材料であるHAT−CNの電気化学的特性(酸化反応特性および還元反応特性)をサイクリックボルタンメトリ(CV)測定によって測定した。なお測定には、電気化学アナライザー(ビー・エー・エス(株)製、型番:ALSモデル600Aまたは600C)を用い、化合物をN,N−ジメチルホルムアミド(略称:DMF)に溶解させた溶液を測定した。測定では、参照電極に対する作用電極の電位を適切な範囲で変化させて酸化ピーク電位、及び還元ピーク電位を測定した。また、参照電極のレドックスポテンシャルが−4.94eVであることが見積もられているため、この数値と得られたピーク電位から、化合物のHOMO準位およびLUMO準位を算出した。
CV測定の結果、HAT−CNの還元電位は−0.53Vであった。また、CV測定より算出したHAT−CNのLUMO準位は−4.41eVであった。このことから、HAT−CNは低いLUMO準位を有することが分かった。なお、HAT−CNの酸化電位は高く明確な酸化ピーク電位が観測できなかったことから、HAT−CNは低いHOMO準位を有すると推定される。
また、HAT−CNの光学的バンドギャップを測定するため、石英基板上にHAT−CNを蒸着した薄膜を作成し、吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定には紫外可視分光光度計(日本分光株式会社製、V550型)を用いた。
HAT−CNの吸収スペクトルにおける最も低エネルギー側(長波長側)の吸収帯は、340nm付近であった。また、吸収スペクトルより吸収端を求め、直接遷移を仮定した遷移エネルギーを見積もった結果、HAT−CNの光学的バンドギャップに相当する遷移エネルギーは3.43eVと算出された。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。
本実施例では、本発明の一態様である発光素子(発光素子1及び発光素子2)と比較発光素子(発光素子3)の作製例を示す。本実施例で作製した発光素子の構成は図1と同様である。素子構造の詳細を表4に示す。また、使用した化合物の構造と略称を以下に示す。
<発光素子の作製>
以下に、本実施例で作製した発光素子の作製方法を示す。
≪発光素子1の作製≫
ガラス基板上に電極101を構成する導電層101aとして、Al−Ni−La膜を厚さが200nmになるように形成した。次に、導電層101a上に接する導電層101bとして、In−Ga−Zn酸化物膜を厚さが10nmになるよう形成した。この際、スパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In:Ga:Zn=1:3:4(以下、IGZO(134)と表す)を用いた。成膜条件は、Ar流量を45sccm、圧力を0.7Pa、電源電力を0.5kWを印加し、基板温度は200℃にて成膜した。以上の工程により電極101を形成した。なお、電極101の電極面積としては、4mm2(2mm×2mm)とした。
次に、電極101上に正孔注入層111として、HAT−CNを厚さが5nmになるよう蒸着した。なお、正孔注入層111において、HAT−CNが有機アクセプタ材料である。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCBBiFを厚さが5nmになるよう蒸着し、続いて、4−(1−ナフチル)−4’−フェニルトリフェニルアミン(略称:αNBA1BP)を厚さが5nmになるよう蒸着し、続いて、PCPPnを厚さが10nmになるよう蒸着した。
次に、正孔輸送層112上に発光層130として、7−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−7H−ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)と、N,N’−(ピレン−1,6−ジイル)ビス[(6,N−ジフェニルベンゾ[b]ナフト[1,2−d]フラン)−8−アミン](略称:1,6BnfAPrn−03)と、を重量比(cgDBCzPA:1,6BnfAPrn−03)が1:0.03になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、cgDBCzPAがホスト材料であり、1,6BnfAPrn−03がゲスト材料(蛍光性化合物)である。
次に、発光層130上に電子輸送層118として、cgDBCzPAを厚さが5nmになるよう、及び2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(略称:NBPhen)を厚さが15nmになるよう、順次蒸着した。
電子輸送層118上に電子注入層119として、フッ化リチウム(LiF)を厚さが1nmになるよう蒸着した。
次に、電子注入層119上に電極102として、銀(Ag)及びマグネシウム(Mg)の合金膜を、体積比(Ag:Mg)が1:0.1となるよう、且つ厚さが15nmになるよう共蒸着し、続いて、ITO膜を厚さが70nmになるようスパッタリング法を用いて形成した
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、封止するためのガラス基板を、有機EL用シール材を用いて、有機材料を形成したガラス基板に固定することで、発光素子1を封止した。具体的には、ガラス基板に形成した有機材料の周囲にシール材を塗布し、該ガラス基板と封止するためのガラス基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1を得た。
≪発光素子2及び発光素子3の作製≫
発光素子2及び発光素子3は、先に示す発光素子1の作製と、正孔注入層111及び正孔輸送層112の形成工程のみ異なり、それ以外の工程は発光素子1と同様の作製方法とした。
発光素子2の正孔注入層111として、HAT−CNを厚さが5nmになるよう蒸着し、続いて、PCPPnと酸化モリブデン(MoO3)とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるよう、且つ厚さが10nmになるよう共蒸着した。なお、発光素子2の正孔注入層111において、HAT−CNが有機アクセプタ材料である。次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCPPnを厚さが10nmになるよう蒸着した。
発光素子3の正孔注入層111として、PCPPnと酸化モリブデン(MoO3)とを重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるよう、且つ厚さが15nmになるよう共蒸着した。なお、発光素子3の正孔注入層111は、有機アクセプタ材料を有さず、MoO3がアクセプタ材料である。次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCPPnを厚さが10nmになるよう蒸着した。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子1乃至発光素子3に、光学素子として青色のカラーフィルタを0.8μmの厚さで形成した基板を重ねて、特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM−5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA−11)を用いた。
発光素子1乃至発光素子3の輝度−電流密度特性を図13に、輝度−電圧特性を図14に、電流効率−輝度特性を図15に、エネルギー効率−輝度特性を図16に、それぞれ示す。また、発光素子1乃至発光素子3に2.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の電界発光スペクトルを図17に示す。なお、発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。また、本実施例におけるエネルギー効率は、正面における輝度と発光スペクトルの測定から完全拡散面(ランバーシアンともいう)の配光を仮定し、発光のエネルギー[W]/消費電力[W]により算出した。
また、100cd/m2付近における、発光素子1乃至発光素子3の素子特性を表5に示す。
図17及び表5に示すように、発光素子1乃至発光素子3からは高い色純度を有する青色の発光が得られた。また、図14及び表5に示すように、発光素子1及び発光素子2は、発光素子3より低い駆動電圧で駆動していることから、導電層101b上に接する正孔注入層111に有機アクセプタ材料を用いることで、電極101と正孔注入層111とのキャリア注入障壁が低減し、駆動電圧が低い発光素子を得ることができることが分かる。
一方、図15及び表5に示すように、発光素子1及び発光素子2の電流効率は発光素子3より低い。しかしながら、表5に示すとおり、発光素子1及び発光素子2は、発光素子3より色純度の高い青色発光を示している。輝度及び電流効率は、発光の色度によって影響を受ける量であり、同じ量の光子が発光素子から呈されていても、発光の色度が変わると、輝度及び電流効率が変化してしまう。そこで、発光の色度に影響を受けない量であるエネルギー効率で比較すると、図16及び表5に示すように、100cd/m2付近で発光素子1及び発光素子2は、発光素子3より高いエネルギー効率を有することが分かる。すなわち、本発明の一態様である発光素子1及び発光素子2は、消費電力が低い発光素子である。なお、発光素子1乃至発光素子3は、色純度の高い青色発光であり、これらの発光素子を、緑色および赤色の発光素子と共に表示装置の画素に用いる場合、青色の画素は100cd/m2付近の輝度で用いられる。そのため、本実施例で作製した発光素子は、表示装置に好適な発光素子である。
<エネルギー準位の相関>
次に、発光素子1乃至発光素子3に用いた有機化合物のLUMO準位及びHOMO準位と、金属および無機材料の仕事関数とを図18に示す。有機化合物のLUMO準位及びHOMO準位はCV測定から見積もった値であり、CV測定の測定方法は実施例1と同様である。また、IGZO(134)の仕事関数の測定方法は、実施例1と同様である。また、金属および無機材料の仕事関数は、大気中にて光電子分光法(理研計器製、AC−2)にて測定した。なお、真空準位とフェルミ準位との差が仕事関数である。また、IGZO(134)及びMoO3は縮退状態であり、フェルミ準位と伝導帯下端のエネルギー準位は同程度とする。
図18(A)は、発光素子1のエネルギー準位の相関を表し、図18(B)は、発光素子3のエネルギー準位の相関を表す。また、図18(A)(B)において、HILは正孔注入層を、HTLは正孔輸送層を、EMLは発光層を、ETLは電子輸送層を、Anodeは陽極を、Cathodeは陰極を、それぞれ表す表記であり、各層に用いた材料のエネルギー準位を示している。
図18(A)に示すように、発光素子1においては、正孔注入層111が有するHAT−CNのLUMO準位と、正孔輸送層112が有するPCBBiFのHOMO準位とは差が小さく1eV以下であるため、有機アクセプタ材料であるHAT−CNは、正孔輸送性材料であるPCBBiFとの間で電荷分離により電子と正孔を発生させることができる。また、導電層101bが有するIGZO(134)のフェルミ準位と、正孔注入層111が有するHAT−CNのLUMO準位とは差は小さく0.1eV以下である。そのため、容易に正孔注入層111から導電層101bに電子が注入される。さらに、正孔輸送層112が有するPCBBiF、αNBA1BP、及びPCPPnのHOMO準位の差はそれぞれ0.5eV以下であるため、円滑に正孔を各化合物に輸送させることが可能である。そのため、発光素子1は、駆動電圧の低い発光素子となる。
一方、発光素子3は、正孔注入層111に有機アクセプタ材料であるHAT−CNに換えて、MoO3を有する。MoO3は、伝導帯下端のエネルギー準位の低いアクセプタ材料であり、正孔輸送性材料との間で電荷分離によって電子と正孔を発生させる機能を有する。図18(B)に示すように、正孔注入層111が有するMoO3のフェルミ準位は、PCPPnのHOMO準位と差が小さい。そのため、MoO3はPCPPnとの間で電荷分離により電子と正孔を発生させることができる。しかしながら、正孔注入層111が有するMoO3のフェルミ準位と、導電層101bが有するIGZO(134)のフェルミ準位との差が大きく、正孔注入層111から導電層101bへの電子注入にはエネルギー障壁が生じる。そのため、発光素子3の駆動電圧は高くなってしまう。
なお、発光素子2は、正孔注入層111に有機アクセプタ材料であるHAT−CNに加えて、MoO3を有する。発光素子2は、正孔輸送層の層数が発光素子1より少ないが、発光素子1と同程度の低い駆動電圧で駆動し、且つ発光素子1より高い電流効率及びエネルギー効率を示した。すなわち、本発明の一態様である発光素子2のように、正孔注入層111が有機アクセプタ材料を有し、さらに他のアクセプタ材料を有する構成は好ましい構成である。
以上のように、本発明の一態様の構成を用いることで、駆動電圧が低く、消費電力が低い発光素子を提供することができる。
以上、本実施例に示す構成は、他の実施例及び実施の形態と適宜組み合わせて用いる事ができる。